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H 7103

:2012

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  記号及び内容  

2

5

  試験片 

2

5.1

  種類  

2

5.2

  形状及び寸法  

2

5.3

  原断面積の求め方  

2

5.4

  原標点距離のマーキング  

2

6

  試験機 

2

6.1

  試験機の精度  

2

6.2

  伸び計の精度  

2

7

  試験 

3

7.1

  試験条件  

3

7.2

  試験方法  

3

8

  算出 

3

8.1

  一般  

3

8.2

  相状態での引張試験  

3

8.3

  母相状態での引張試験  

4

9

  試験報告書  

4


H 7103

:2012

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般財団法人大阪

科学技術センター付属ニューマテリアルセンター(OSTEC)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,

工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経

済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS H 7103:2002 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 H

7103

:2012

Ti-Ni

形状記憶合金の引張試験方法

Method of tensile tests for Ti-Ni shape memory alloys

適用範囲 

この規格は,Ti-Ni 形状記憶合金の線,条及び管の引張試験方法について規定する。ただし,条には,は

く(箔)及び板を含まず,線から圧延したものだけとする。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7721

  引張試験機・圧縮試験機−力計測系の校正方法及び検証方法

JIS G 0202

  鉄鋼用語(試験)

JIS H 7001

  形状記憶合金用語

JIS H 7107

  Ti-Ni 形状記憶合金線,条及び管

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS G 0202JIS H 7001 及び JIS Z 2241 によるほか,次による。

3.1

M

相降伏応力(yield stress in M phase),R

T

M

相(マルテンサイト相)状態の引張試験において,弾性変形から双晶変形(twinning deformation)に

移行するときの応力。M 相には,単斜晶(B19’相)

,斜方晶(B19 相)及び三方晶(R 相)が含まれる。

注記  一般に降伏応力は,材料が負荷された試験力に屈するときの実応力であるが,この規格では,

M

相状態の Ti-Ni 形状記憶合金が,双晶変形に移行する応力を求め M 相降伏応力と呼ぶ。

3.2

母相降伏応力(yield stress in austenite phase),R

SIM

母相状態の引張試験において,応力誘起マルテンサイト変態(stress-induced martensitic transformation)

による変形が開始するときの応力。

注記  この規格では,母相状態の Ti-Ni 形状記憶合金が,応力誘起マルテンサイト変態が開始する応

力を求め母相降伏応力と呼ぶ。

3.3

M

相伸び(%)(percentage elongation in M phase),A

M

M

相状態での引張試験において,応力微増部終了点までの伸びで,伸び計標点距離 L

o

に対して百分率で

表したもの。


2

H 7103

:2012

注記  応力が微増ではなく,平たんな場合がある。

3.4

超弾性伸び(%)(percentage superelasticity elongation),A

SE

母相状態での引張試験において,原点から応力微増部終了点まで変形した後,試験力を除去したときに

超弾性(superelasticity)によって回復した伸びで,伸び計標点距離に対する百分率で表したもの。

注記  応力が微増ではなく,平たんな場合がある。

3.5

残留伸び(%)(percentage residual elongation),A

res

母相状態での引張試験において,応力微増部終了点まで変形した後,試験力を除去したときの原標点距

離 L

o

の増分で,原標点距離に対して百分率で表したもの。

記号及び内容 

記号及び対応する内容を,

表 に示す。

表 1−記号及び内容

区分

記号

単位

内容

試験片

L

o

 mm

試験前の試験片原標点距離

S

o

 mm

2

試験前の試験片平行部の原断面積

特性

L

M

 mm

応力微増部終了点における L

o

からの伸び

L

res

 mm

母相状態での引張試験において試験力を除去した後に残留した伸び

F

T

 N

M

相降伏試験力

F

SIM

 N

母相降伏試験力

R

T

 MPa

M

相降伏応力

R

T

F

T

/S

o

図 参照)

R

SIM

 MPa

母相降伏応力

R

SIM

F

SIM

/S

o

図 参照)

A

M

 %

M

相伸び(%)

A

M

=(L

M

/L

o

)

×100

図 参照)

A

SE

 %

超弾性伸び(%)  A

SE

=[(L

M

L

res

)/L

o

]

×100

図 参照)

A

res

 %

残留伸び(%)

A

res

=(L

res

/L

o

)

×100

図 参照)

試験片 

5.1 

種類 

試験片の種類は,JIS H 7107 の箇条 4(種類)による。

5.2 

形状及び寸法 

形状及び寸法は,JIS Z 2241 

附属書 B,附属書 及び附属書 による。

5.3 

原断面積の求め方 

原断面積の求め方は,JIS Z 2241 の箇条 7(原断面積の測定)による。

5.4 

原標点距離のマーキング 

原標点距離のマーキングは,JIS Z 2241 の箇条 8(原標点距離のマーキング)による。

試験機 

6.1 

試験機の精度 

試験機の精度は,JIS B 7721 の等級 1 級以上とする。

6.2 

伸び計の精度 


3

H 7103

:2012

伸び計の精度は,JIS B 7721 の等級 2 級以上とする。

試験 

7.1 

試験条件 

試験条件は,次による。

a)

ひずみ速度は,0.000 17 s

1

以下とする。ただし,破断伸び及び引張強さを求める場合は,JIS Z 2241

による。

b)

試験温度は,10∼35  ℃の範囲の室温とする。

c)

雰囲気温度の精度は±2  ℃とする。

7.2 

試験方法 

試験方法は,次による。

a)

試験方法は,JIS Z 2241 による。

b)

破断伸び及び引張強さを求める場合には,試験片が破断するまで試験力をかける。

c)

超弾性特性を調べる場合には,応力誘起マルテンサイト変態による伸びが終了するまで試験力をかけ

た後,除去する。

算出 

8.1 

一般 

引張試験による結果は,JIS B 7721 によって算出し,それ以外は 8.2 及び 8.3 による。

8.2 M

相状態での引張試験 

M

相状態での引張試験の算出は,次による。M 相状態での引張試験における応力−伸び(%)曲線の例

を,

図 に示す。

a)  M

相降伏応力 R

T

  弾性変形の直線部分と降伏後の応力微増部とに接線を引き,弾性変形域接線と降

伏後の応力微増部接線との交点(M 相降伏点)から M 相降伏応力 R

T

を求める。

注記  弾性変形後の M 相降伏は,逐次的な双晶変形が起きるため明確な変曲点が得難い。

b)  M

相伸び(%A

M

  応力微増部とその後の応力急増部とに接線を引き,応力微増部接線と応力急増部

との交点(応力微増部終了点)からの M 相伸び(%)を求める。

図 1相状態における応力−伸び(%)曲線の例

0


  伸び(%)

R

T

A

M

M相降伏応力

応力微増部

終了点


4

H 7103

:2012

8.3 

母相状態での引張試験 

母相状態での引張試験の算出は,次による。母相状態での引張試験における応力−伸び(%)曲線の例

を,

図 に示す。

a)

母相降伏応力 R

SIM

  弾性変形の直線部分と降伏後の直線部分とにそれぞれ接線を引き,これら二つの

接線の交点(母相降伏点)から母相降伏応力を求める。

b)

超弾性伸び(%A

SE

及び残留伸び(%A

res

  応力微増部終了点又は受渡当事者間で決定された伸び

まで伸ばした後,試験力を除去して回復する伸びが超弾性伸び(%)であり,元に戻らなかった伸び

が,残留伸び(%)である。

図 2−母相状態における応力−伸び(%)曲線の例

試験報告書 

試験報告書には,次の項目を記載する。ただし,d)  試験結果については,受渡当事者間で不必要と判断

した項目を省略できる。

a)

適用規格番号

b)

試験片

1)

種類

2)

形状及び寸法

c)

試験条件

1)

試験温度

2)

ひずみ速度

d)

試験結果

1)

引張強さ

2)

破断伸び

3)

降伏応力(M 相降伏応力及び母相降伏応力)

4)

伸び(残留伸び,破断時全伸び,超弾性伸び及び M 相伸び)

0


  伸び(%)

A

res

R

SIM

母相降伏応力

応力微増部
終了点

A

SE