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H 6313

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本ジュ

エリー協会(JJA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS H 6313:1998 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 11490:1995,Determination of

palladium in palladium jewellery alloys

−Gravimetric determination with dimethylglyoxime を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性格を持つ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実施新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質を持つ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実施新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。

JIS H 6313

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


H 6313

:2006

(2)

目次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  一般事項

1

4.

  分析試料のとり方及び取扱い方

1

5.

  分析値のまとめ方

2

5.1

  分析個数 

2

5.2

  分析値の表示 

2

5.3

  許容差

2

6.

  定量方法の区分 

2

7.

  ジメチルグリオキシムパラジウム沈殿分離パラジウム重量法 

2

7.1

  要旨

2

7.2

  試薬及び装置 

2

7.3

  試料はかりとり量

5

7.4

  操作

5

7.5

  空試験

8

7.6

  計算

8

8.

  ICP 発光分光法(差数法) 

8

8.1

  要旨

8

8.2

  試薬

8

8.3

  装置

10

8.4

  試料のはかりとり量

10

8.5

  操作

10

8.6

  計算

11

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

13

 


日本工業規格

JIS

 H

6313

:2006

ジュエリー用パラジウム合金―

パラジウム定量方法

Palladium jewellery alloys

Method for determination of palladium

序文  この規格は,1995 年に第 1 版として発行された ISO 11490,Determination of palladium in palladium

jewellery alloys

−Gravimetric determination with dimethylglyoxime を翻訳し,技術的内容を変更して作成した

日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書(参考)に示す。

1. 

適用範囲  この規格は,ジュエリー用パラジウム合金中のパラジウムの定量方法について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 11490:1995

,Determination of palladium in palladium jewellery alloys−Gravimetric determination

with dimethylglyoxime (MOD)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 6309

  ジュエリー用貴金属合金の純度(品位)

備考 ISO 

9202:1991

,Jewellery−Fineness of precious metal alloys が,この規格と一致している。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0116

  発光分光分析通則

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3. 

一般事項  分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050JIS K 0116 及び JIS K 0121 による。

4. 

分析試料のとり方及び取扱い方  分析試料のとり方及び取扱い方は,次による。

a) 

試料の採取方法は,受渡当事者間の協定による。

b) 

分析用試料の採取及び調製のときは,試料全体の平均品位を代表するようにし,特に偏析,汚染など

に注意しなければならない。

c) 

分析用試料は,異物などによる汚染を防止するため,適切なふた付きガラス容器などに入れ,密封し

て保存する。


2

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d) 

分析試料をはかりとるときは,異物が混入していないことを確かめなければならない。

e) 

めっき,張り,塗布などの表面被覆物は,分析試料とはしない。

5. 

分析値のまとめ方

5.1 

分析個数  同一分析所において併行して 2 個の分析を行う。これらの差が併行許容差(以下,許容

差という。

)を超えた場合には,改めて初めから 2 個の分析をやり直す。

5.2 

分析値の表示  併行して行った 2 個の試料の分析値の差が許容差以下のときは,その平均値を求め

て試料の分析値とする。分析値は,質量千分率で表し,JIS Z 8401 によって小数点以下第 2 位まで算出し,

小数点以下 1 けたに丸めて報告値とする。

5.3 

許容差  許容差は,表 による。

  1  許容差

定量方法

併行許容差  [‰(質量分率)]

ジメチルグリオキシムパラジウム沈殿
分離パラジウム重量法

5

ICP

発光分光法(差数法) 0.2

6. 

定量方法の区分  パラジウムの定量方法は,次のいずれかによる。

a) 

ジメチルグリオキシムパラジウム沈殿分離パラジウム重量法  この方法は,JIS H 6309 に規定するパ

ラジウム合金に適用する。

b) ICP

発光分光法(差数法)  この方法は,公称パラジウム含有率 999  ‰(質量分率)の試料に適用する。

7. 

ジメチルグリオキシムパラジウム沈殿分離パラジウム重量法

7.1 

要旨  試料を王水で分解した後,塩酸溶液とし,塩化銀沈殿が認められるときは,ろ過する。ジメ

チルグリオキシムを加え,パラジウムをジメチルグリオキシムパラジウムとして沈殿させる。沈殿を強熱

してスポンジ状パラジウムとし,その質量をはかる。

7.2 

試薬及び装置

7.2.1 

試薬  試薬は,次による。

a) 

塩酸

b) 

硝酸

c) 

硝酸(111100)

d) 

王水  この溶液は,使用の直前に調製する。

e) 

アンモニア水(11110)

f) 

パラジウム溶液(Pd20 mg/mL)  パラジウム[99.9  %(質量分率)  以上]10.0 g をはかりとってビー

カー(300 mL)に移し入れ,王水 100 mL を加え,時計皿で覆い穏やかに加熱して分解する。常温まで

冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,500 mL の全量フラスコに水を用いて移し

入れ,水で標線まで薄める。

g) 

水素

h) 

窒素

i) 

二酸化炭素

j) 

塩化アンモニウム


3

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k) 

ジメチルグリオキシム溶液(10 g/L)  ジメチルグリオキシム 10 g をエタノール(95) 1 000 mL に溶解す

る。

l) 

ジメチルグリオキシム洗浄液(1 g/L)  ジメチルグリオキシム溶液(10 g/L)を水で 10 倍に薄める。

m) 

標準パラジウム溶液(Pd1 000 µg/mL)  パラジウム[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとり,

ビーカー(300 mL)に移し入れ,王水 50 mL を加え,時計皿で覆い穏やかに加熱して分解する。常温ま

で冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,500 mL の全量フラスコに水を用いて移

し入れ,水で標線まで薄める。

n) 

標準白金溶液(Pt1 000 µg/mL)  白金[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとって,ビーカー

(300 mL)に移し入れ,王水 30 mL を加え,時計皿で覆い穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却し

た後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,500 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,

水で標線まで薄める。

o)

標準イリジウム溶液(Ir1 000 µg/mL)  塩化イリジウム(Ⅲ)三水和物 920 mg をはかりとってビーカ

ー(500 mL)に移し入れ,水約 200 mL 及び塩酸(1+1) 100 mL を加えて溶解した後,溶液を 500 mL の

全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液の標定は,次による。

この溶液を正しく 100 mL とってビーカー(300 mL)に移し入れ,

亜鉛粉末約 3 g を少量ずつ加え,

時々

かき混ぜながら数時間放置する。溶液が透明にならないときは,少量の亜鉛粉末及び塩酸(1+1) 2∼3

mL

を追加し,溶液が透明となるまで 90  ℃で加熱する。溶液が透明になったら塩酸(1+11)を少量ず

つ加え過剰の亜鉛を完全に分解する。ろ紙(5 種 C)を用いてろ過し,塩酸(1+11),次いで温水で洗

浄する。沈殿はろ紙とともに,還元用器具[7.2.2 a)]の磁器るつぼ(30 mL)に移し入れ,はじめは 50∼

70

℃で加熱して乾燥した後,着火しないように注意しながら 500  ℃に昇温し,ろ紙を灰化する。還

元用器具[7.2.2 a)]のガス導入管から水素を流量約 100 mL/min で流しながら,700∼800  ℃で約 15 分

間加熱した後,水素の流入をやめる。引き続きガス導入管から二酸化炭素又は窒素を流量約 200

mL/min

で流しながら約 100  ℃以下まで放冷する。この磁器るつぼを還元用器具[7.2.2 a)]から取り出

して,デシケーター中で常温まで放冷する。得られたイリジウムを磁器るつぼから取り出し,その質

量を 0.1 mg のけたまではかる。以上の操作は 2 個併行して行い,その平均値を用いて,式(1)によっ

て標準イリジウム溶液のイリジウム濃度を算出する。

Ir

=

m

Ir

×10  (1)

ここに,

Ir

標準イリジウム溶液のイリジウム濃度(µg/mL)

m

Ir

標定操作で得たイリジウムの質量の平均値(mg)

p) 

標準ロジウム溶液(Rh1 000 µg/mL)  塩化ロジウム(Ⅲ)三水和物 1 280 mg をはかりとってビーカー

(500 mL)に移し入れ,水約 200 mL 及び塩酸(1+1) 100 mL を加えて溶解した後,溶液を 500 mL の全

量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液の標定は,次による。

  この溶液を正しく 100 mL とってビーカー(300 mL)に移し入れ,溶液をかき混ぜながら,溶液が無

色となるまで亜鉛粉末を少量ずつ加える。溶液が無色となったら硫酸(1+19)を少量ずつ加え,過剰の

亜鉛を完全に分解する。ろ紙(5 種 C)を用いてろ過し,水で洗浄する。沈殿はろ紙とともに,還元

用器具[7.2.2 a)]の磁器るつぼ(30 mL)に移し入れ,はじめは 50∼70  ℃で加熱して乾燥した後,着火し

ないように注意しながら 500  ℃に昇温し,ろ紙を灰化する。還元用器具[7.2.2 a)]のガス導入管から水

素を流量約 100 mL/min で流しながら,700∼800  ℃で約 15 分間加熱した後,水素の流入をやめる。引

き続きガス導入管から二酸化炭素又は窒素を流量約 200 mL/min で流しながら約 100  ℃以下まで放冷

する。磁器るつぼを還元用器具[7.2.2 a)]から取り出して,デシケーター中で常温まで放冷する。得ら


4

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れたロジウムを磁器るつぼから取り出し,その質量を 0.1 mg のけたまではかる。以上の操作は 2 個併

行して行い,その平均値を用いて,式(2)によって標準ロジウム溶液のロジウム濃度を算出する。

Rh

=

m

Rh

×10  (2)

ここに,

Rh

標準ロジウム溶液のロジウム濃度(µg/mL)

m

Rh

標定操作で得たロジウムの質量の平均値(mg)

q) 

標準ルテニウム溶液(Ru1 000 µg/mL)  塩化ルテニウム(Ⅲ)三水和物 1 300 mg をはかりとってビー

カー(500 mL)に移し入れ,水約 200 mL 及び塩酸(1+1) 100 mL を加えて溶解した後,溶液を 500 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液の標定は,次による。

この溶液を正しく 100 mL とってビーカー(300 mL)に移し入れ,加熱して沸騰させた後,硫化水素

を飽和するまで吹き込む。再び加熱して沸騰させ溶液が無色になるまで加熱を続ける。室温まで冷却

した後ろ紙(5 種 C)を用いてろ過し塩酸(1+11)で洗浄する。沈殿をろ紙とともに,還元用器具[7.2.2 

a)

]の磁器るつぼ(30 mL)に移し入れ,はじめは 50∼70  ℃で加熱して乾燥した後,着火しないように

注意しながら 500  ℃に昇温しろ紙を灰化する。還元用器具[7.2.2 a)]のガス導入管から水素を流量約

100 mL/min

で流しながら,700∼800  ℃で約 15 分間加熱した後,水素の流入をやめる。引き続きガス

導入管から二酸化炭素又は窒素を流量約 200 mL/min で流しながら約 100  ℃以下まで放冷する。磁器

るつぼを還元用器具[7.2.2 a)]から取り出して,デシケーター中で常温まで放冷する。得られたルテニ

ウムを磁器るつぼから取り出し,その質量を 0.1 mg のけたまではかる。以上の操作は 2 個併行して行

い,その平均値を用いて,式(3)によって標準ルテニウム溶液のルテニウム濃度を算出する。

Ru

=

m

Ru

×10  (3)

ここに,

Ru

標準ルテニウム溶液のルテニウム濃度(µg/mL)

m

Ru

標定操作で得たルテニウムの質量の平均値(mg)

r) 

標準金溶液(Au1 000 µg/mL)  金[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとって,ビーカー(300

mL

)に移し入れ,王水 50 mL を加え,時計皿で覆い穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,500 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ水で標線

まで薄める。

s) 

標準銀溶液(Ag1 000 µg/mL)  銀[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとって,ビーカー(300

mL

)に移し硝酸(1+1) 20 mL を加え,

時計皿で覆い穏やかに加熱して分解する。

常温まで冷却した後,

時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,500 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標

線まで薄める。

t) 

標準銅溶液(Cu1 000 µg/mL)  銅[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとって,ビーカー(300

mL

)に移し入れ,硝酸(1+1) 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷

却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,500 mL の全量フラスコに水を用いて移し入

れ,水で標線まで薄める。

u) 

標準ニッケル溶液(Ni1 000 µg/mL)  ニッケル[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとって,

ビーカー(300 mL)に移し入れ,硝酸(1+1) 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,500 mL の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄める。

7.2.2 

装置  装置は,次による。

a) 

還元用器具  還元用器具は,磁器るつぼ,ガス導入管,加熱装置などから構成される。その例を,図

1

に示す。


5

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  1  還元用器具の例

7.3 

試料はかりとり量  試料はかりとり量は,パラジウムとして 150 mg 以上 200 mg 以下となる量とし,

0.01 mg

のけたまではかる。試料は,厚さ 0.5 mm 以下の薄片を用いる。

7.4 

操作

7.4.1 

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a) 

試料をはかりとり,ビーカー(800 mL)に移し入れる。

b) 

硝酸 10 mL を加え,時計皿で覆い,70∼80  ℃で約 20 分間加熱した後,塩酸 30 mL を加え再び加熱し

て完全に分解する(

1

)。

(

1

塩化銀の沈殿が生成したときは,ガラス棒を用いてその沈殿をつぶし試料が沈殿に取りこまれ

ないようにする。

c) 

時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り除いた後,穏やかに加熱してシロップ状とする。塩酸 10 mL

を加え再び加熱してシロップ状とする。この操作を 3∼4 回繰り返して硝酸を除いた後,塩酸 10 mL

を加えて加熱し,可溶性塩を溶解する。水を加えて約 100 mL にする(

2

)。

(

2

沈殿が認められたときは,暗所に 2∼5 時間静置した後ろ紙(5 種 C)を用いてろ過し,硝酸(1

+100)で洗浄する。ろ液及び洗液は,ビーカー(800 mL)に受ける。沈殿は,塩化銀中に含まれ

るパラジウムを定量するために保存する。

7.4.2 

沈殿の生成及び分離  沈殿の生成及び分離は,次の手順によって行う。

a) 7.4.1 

c)

又は

注(

2

)で得た溶液に塩酸 20 mL を加えた後,水で約 400 mL に薄める。溶液をかき混ぜなが

ら,溶液中のパラジウム量 100 mg につきジメチルグリオキシム溶液(10 g/L) 30 mL を 5 mL ずつに分

けて加え,パラジウムをジメチルグリオキシムパラジウムとして沈殿させて約 1 時間放置する。

b) 

ろ紙(5 種 C)を用いてろ過し,沈殿をジメチルグリオキシム洗浄液(1 g/L)で洗浄する。ろ液及び洗

液は,ビーカー(800 mL)に受け,ろ液中のパラジウムを定量するために保存する。

7.4.3 

灰化及びひょう量  灰化及びひょう量は,次の手順によって行う。

a) 

沈殿は,ろ紙とともに質量既知の磁器るつぼ(

3

)(30 mL)に移し入れ,表面を平らにした後,110∼120  ℃

で約 3 時間乾燥する。塩化アンモニウムを約 3 mm の厚さ(

4

)で覆うように加える。


6

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(

3

磁器るつぼをマッフル炉に入れ,900∼1  000  ℃で約 2 時間強熱した後,るつぼをマッフル炉か

ら取り出し約 100  ℃以下まで放冷して,デシケーター中で常温まで放冷する。その質量を 0.01

mg

のけたまではかる。この操作を,前後の質量の差が 0.1 mg 以下となるまで繰り返す。

(

4

直径 40 mm の磁器るつぼを用いたときの塩化アンモニウムの量は,約 4 g である。

b) 

磁器るつぼにふたを半開きの状態となるようにかぶせ,はじめは 50∼70  ℃で約 30 分間加熱して乾燥

し,次に徐々に温度を上げ 340∼360  ℃で加熱してすべての塩化アンモニウムを昇華させる。着火し

ないように注意しながら 500  ℃に昇温し,ろ紙を灰化する。磁器るつぼにふたをしてマッフル炉に入

れ 750∼850  ℃で 1 時間強熱して,パラジウム塩をスポンジ状パラジウムにする。磁器るつぼをマッ

フル炉から取り出し,約 100  ℃以下まで放冷する。

c) 

スポンジ状パラジウムは,磁器るつぼとともに還元用器具[7.2.2 a)]を用いて水素又は水素と窒素との

混合ガスの気流中(流量約 100 mL/min)で,600∼700  ℃で約 15 分間加熱した後,二酸化炭素又は窒

素の気流中(流量約 200 mL/min)で約 100  ℃以下まで放冷し,引き続きデシケーター中で常温まで放

冷する。

d) 

スポンジ状パラジウム及び磁器るつぼの質量を 0.01 mg のけたまではかり,あらかじめひょう量して

ある磁器るつぼの質量を差し引いてスポンジ状パラジウムの質量とする(

5

)

。スポンジ状パラジウム中

に不純物を含むおそれのあるときは,不純物を定量するために保存する。

(

5

スポンジ状パラジウムが磁器るつぼから完全にはく離できるときは,スポンジ状パラジウムを

磁器るつぼから取り出してその質量をはかり,スポンジ状パラジウムの質量としてもよい。

7.4.4 

塩化銀沈殿中のパラジウムの定量  塩化銀沈殿中のパラジウムの定量は,次の手順によって行う。

a) 

測定  7.4.1 (

2

)

で保存した沈殿は,ろ紙上から温アンモニア水(1+1)  約 10 mL を滴加して溶解し,

ろ紙は温アンモニア水(1+10)で洗浄する。溶解液及び洗浄液は,ビーカー(300 mL)に受ける。硝酸

(1+1)を溶液がわずかに濁るまで加え,更に過剰に 5 mL を加える。100 mL の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄め,塩化銀の沈殿が沈降するまで静置する。この溶液の上澄み液の一

部を ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長 340.458 nm 又は 363.470 nm における発

光強度を測定する(

6

)。

(

6

) ICP

発光分光装置を用いる代わりに,原子吸光光度計を用いて吸光度を測定してもよい。その

場合は,アセチレン・空気フレームを用い,測定波長は,244.8 nm を用いる。

b) 

空試験  手順 c)の検量線の作成操作で得られる標準パラジウム溶液を添加しない溶液の発光強度(

7

)

を,

空試験の発光強度(

7

)

とする。

(

7

)

原子吸光光度計を用いたときは,吸光度と読み替える。

c) 

検量線の作成  標準パラジウム溶液(Pd:1 000

µg/mL)の各種液量(パラジウムとして 0∼5 mg)を段

階的に正しく数個の 100 mL の全量フラスコにとり,硝酸(1+1) 5 mL を加えた後,水で標線まで薄め

る。この溶液の一部を ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長 340.458 nm 又は 363.470

nm

における発光強度を試料と併行して測定し(

6

),得た発光強度(

7

)とパラジウム量との関係線を作成

し,その関係線を,原点を通るように平行移動して検量線とする。

d) 

定量  手順 a)で得た発光強度(

7

)から手順 b)で得た発光強度(

7

)

を差し引いた発光強度(

7

)と手順 c)で作

成した検量線とから,塩化銀沈殿中のパラジウムの量を求める。

7.4.5 

ろ液及び洗液中のパラジウムの定量  ろ液及び洗液中のパラジウムの定量は,次の手順によって行

う。


7

H 6313

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a) 

測定  7.4.2 b)で保存したろ液及び洗液は,加熱して約 100 mL となるまで濃縮した後,硝酸(1+1) 20 mL

を加え再び加熱してシロップ状となるまで濃縮する。硝酸(1+1) 10 mL を加えて溶解し(

8

),塩酸 10

mL

を加え加熱して乾固する。塩酸 5 mL 及び水 10 mL を加え,加熱して溶解した後,100 mL の全量

フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液の一部を ICP 発光分光装置のアルゴ

ンプラズマ中に噴霧し,波長 340.458 nm 又は 363.470 nm における発光強度を測定する(

6

)。

(

8

)

透明な溶液が得られないときは,ジメチルグリオキシムの分解が不十分である。この場合は加

熱してシロップ状まで濃縮し,ジメチルグリオキシムを分解した後,再び硝酸(1+1) 1 mL を加

えて溶解する。この操作を透明な溶液が得られるまで繰り返す。

b) 

空試験  手順 c)の検量線の作成操作で得られる標準パラジウム溶液を添加しない溶液の発光強度(

7

)

空試験の発光強度(

7

)

とする。

c) 

検量線の作成  標準パラジウム溶液(Pd:1 000 µg/mL)の各種液量(パラジウムとして 0∼10 mg)を

段階的に正しく数個の 200 mL の全量フラスコにはかりとる。塩酸 5 mL を加えた後,水で標線まで薄

める。この溶液の一部を ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長 340.458 nm 又は

363.470 nm

における発光強度を試料と併行して測定し(

6

),得た発光強度(

7

)とパラジウム量との関係

線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

d) 

定量  手順 a)で得た発光強度(

7

)から手順 b)で得た発光強度(

7

)を差し引いた発光強度(

7

)と手順 c)で作

成した検量線とから,ろ液及び洗液中のパラジウムの量を求める。

7.4.6 

スポンジ状パラジウム中の不純物の定量  スポンジ状パラジウム中の不純物の定量は,次の手順に

よって行う。

a) 

測定  7.4.3 d)で保存したスポンジ状パラジウムを,ビーカー(100 mL)に移し入れ,王水 20 mL を加え

加熱して分解する。常温まで冷却した後,溶液を 50 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で

標線まで薄める。この溶液の一部を ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し(

9

),

表 に示す

それぞれの元素(

10

)の測定波長(

11

)における発光強度を測定する。

(

9

) ICP

発光分光装置を用いる代わりに,原子吸光光度計を用いて吸光度を測定してもよい。その

場合には,アセチレン・空気フレームを用い,測定波長は,

表 による。

(

10

)

スポンジ状パラジウム中に含まれるおそれのない元素の測定は,省略してもよい。

(

11

)

精確さを確認してあれば,ほかの波長を用いてもよい。この場合,光学的干渉に注意する。

  2  不純物元素とその測定波長

単位  nm

測定元素

測定波長

測定元素

測定波長

金 242.795

, 267.595

ロジウム 343.489

イリジウム 215.268

, 224.268

ルテニウム 240.272

ニッケル 221.647

, 231.604 , 352.454

銅 324.754

白金

203.646

, 214.423 , 265.945,

306.471

銀 328.068

b) 

空試験  手順 c)の検量線の作成操作において得られる不純物元素の標準溶液を添加しない溶液の発光

強度(

7

)を,空試験の発光強度(

7

)とする。


8

H 6313

:2006

c) 

検量線の作成  パラジウム溶液(Pd:20 mg/mL) 10 mL 及び王水 10 mL を数個の 50 mL の全量フラス

コにとり,それぞれの全量フラスコに

表 に示す不純物元素(

10

)の標準溶液(1 000 µg/mL)の各種液量

(各不純物元素 0∼5 mg 相当量)を段階的に正しく加え,水で標線まで薄める。これらの溶液の一部

を ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し(

9

),

表 に示す波長(

11

)

における発光強度を試料

と併行して測定する。得た発光強度(

7

)と不純物元素の量との関係線を作成し,その関係線を原点を通

るように平行移動して,それぞれの不純物元素の検量線とする。

d) 

定量  手順 a)で得た発光強度(

7

)から手順 b)で得た発光強度(

7

)を差し引いた発光強度(

7

)と手順 c)で作

成した検量線とから,7.4.3 d)で得たスポンジ状パラジウム中の各不純物元素の量を求める。

  3  原子吸光光度計を用いるときの測定波長

単位  nm

不純物元素

測定波長

不純物元素

測定波長

不純物元素

測定波長

不純物元素

測定波長

金 242.8

ニッケル 232.0

白金 266.0

銅 324.7

イリジウム 208.9 ロジウム 343.5

ルテニウム 349.9

銀 328.1

7.5 

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と併行して行う。ただし,7.4.4 及び 7.4.5 の操作

では,それらの項に規定した方法による。

7.6 

計算  試料中のパラジウム含有率を,式(4)によって算出する。

000

1

1

6

5

4

3

2

×

+

+

=

m

m

m

m

m

m

Pd

 (4)

ここに,

Pd

試料中のパラジウム含有率[‰(質量分率)]

m

1

試料はかりとり量(mg)

m

2

7.4.3 d)

で得たスポンジ状パラジウムの質量(mg)

m

3

7.4.4 d)

で得た塩化銀沈殿中のパラジウムの質量(mg)

m

4

7.4.5 d)

で得たろ液及び洗液中のパラジウムの質量(mg) 

m

5

7.4.6 d)

で得たスポンジ状パラジウム中の各不純物の質

量の合計(mg) 

m

6

7.5

で得た空試験値の質量(mg) 

8. ICP

発光分光法(差数法)

8.1 

要旨  試料を王水で溶解し,その溶液からパラジウム中の不純物を ICP 発光分光法で定量し,試料

中の不純物の合計含有率を 1  000  ‰(質量分率)から差し引く。

8.2 

試薬  試薬は,次による。

a) 

王水  この溶液は,使用の直前に調製する。

b) 

パラジウム  純分 99.99  %(質量分率)以上で,8.6 で質量比を求める元素の含有率が既知のもの。

c) 

標準銀溶液(Ag10 mg/mL)    銀[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとってビーカー(50 mL)

に移し入れ,硝酸(1+1) 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却し

た後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 50 mL の褐色の全量フラスコに水を用い

て移し入れ,水で標線まで薄める。

d) 

標準金溶液(Au10 mg/mL)  金[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとってビーカー(50 mL)

に移し入れ,王水 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,


9

H 6313

:2006

時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 50 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,

水で標線まで薄める。

e) 

標準白金溶液(Pt10 mg/mL)  白金[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとってビーカー(50 mL)

に移し入れ,王水 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 50 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,

水で標線まで薄める。

f) 

標準ビスマス溶液(Bi10 mg/mL)  ビスマス[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとってビー

カー(50 mL)に移し入れ,硝酸(1+1) 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常

温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 50 mL の全量フラスコに水

を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

g) 

標準カドミウム溶液(Cd10 mg/mL)  カドミウム[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとって

ビーカー(50 mL)に移し入れ,硝酸(1+1) 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 50 mL の全量フラスコに

水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

h) 

標準コバルト溶液(Co10 mg/mL)  コバルト[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとってビー

カー(50 mL)に移し入れ,硝酸(1+1) 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常

温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 50 mL の全量フラスコに水

を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

i) 

標準銅溶液(Cu10 mg/mL)  銅[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとってビーカー(50 mL)

に移し入れ,硝酸(1+1) 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却し

た後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 50 mL の全量フラスコに水を用いて移し

入れ,水で標線まで薄める。

j) 

標準鉄溶液(Fe10 mg/mL)  鉄[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとってビーカー(50 mL)

に移し入れ,硝酸(1+1) 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却し

た後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 50 mL の全量フラスコに水を用いて移し

入れ,水で標線まで薄める。

k) 

標準イリジウム溶液(Ir10 mg/mL)  塩化イリジウム(Ⅲ)三水和物 920 mg をはかりとってビーカー

(50 mL)に移し入れ,塩酸(1+1) 20 mL を加えて溶解した後,溶液を 50 mL の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄める。

l) 

標準マンガン溶液(Mn10 mg/mL)  マンガン[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとってビー

カー(50 mL)に移し入れ,塩酸(1+1) 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常

温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 50 mL の全量フラスコに水

を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

m) 

標準ニッケル溶液(Ni10 mg/mL)  ニッケル[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとってビー

カー(50 mL)に移し入れ,硝酸(1+1) 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温

まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 50 mL の全量フラスコに水を

用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

n) 

標準鉛溶液(Pb10 mg/mL)  鉛[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとってビーカー(50 mL)

に移し入れ,硝酸(1+1) 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却し

た後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 50 mL の全量フラスコに水を用いて移し


10

H 6313

:2006

入れ,水で標線まで薄める。

o) 

標準ロジウム溶液(Rh10 mg/mL)  塩化ロジウム(Ⅲ)三水和物 1 280 mg をはかりとってビーカー(50

mL

)に移し入れ,塩酸(1+1) 20 mL を加えて溶解した後,溶液を 50 mL の全量フラスコに水を用いて

移し入れ,水で標線まで薄める。

p) 

標準ルテニウム溶液(Ru10 mg/mL)  塩化ルテニウム(Ⅲ)三水和物 1 300 mg をはかりとってビーカ

ー(50 mL)に移し入れ,塩酸(1+1) 20 mL を加えて溶解した後,溶液を 50 mL の全量フラスコに水を

用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

q) 

標準すず溶液(Sn10 mg/mL)  すず[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとってビーカー(50

mL

)に移し入れ,塩酸 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した

後,時計皿の下面を塩酸(1+1)で洗って時計皿を取り除き,溶液を 50 mL の全量フラスコに塩酸(1+1)

を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

r) 

標準チタン溶液(Ti10 mg/mL)  チタン[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとってビーカー(50

mL)

に移し入れ,塩酸(1+1) 30 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。硝酸(1+1)

2 mL

を加え,加熱して溶液の紫色を消失させる。常温まで冷却した後,時計皿の下面を塩酸(1+1)

で洗って時計皿を取り除く。溶液を 50 mL の全量フラスコに塩酸(1+1)を用いて移し入れ,塩酸(1+

1

)で標線まで薄める。

s) 

標準亜鉛溶液(Zn10 mg/mL)  亜鉛[99.9  %(質量分率)以上]500 mg をはかりとってビーカー(50 mL)

に移し入れ,塩酸(1+1) 20 mL を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却し

た後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 50 mL の全量フラスコに水を用いて移し

入れ,水で標線まで薄める。

t) 

混合標準保存溶液 A(塩化物)  c)s)に規定する標準溶液のうちで塩酸溶液として調製した元素(イ

リジウム,ロジウム,ルテニウム,マンガン,すず及び亜鉛)の標準溶液を正しく 10 mL ずつ 1 000 mL

の全量フラスコにはかりとり,塩酸 160 mL を加えた後,水で標線まで薄める。

u) 

混合標準保存溶液 B(硝酸塩)  c)s)に規定する標準溶液のうちで硝酸溶液として調製した元素(銀,

ビスマス,カドミウム,コバルト,銅,鉄,ニッケル及び鉛)の標準溶液を正しく 10 mL ずつ 1 000 mL

の全量フラスコにはかりとり,硝酸 130 mL を加えた後,水で標線まで薄める。

v) 

混合標準保存溶液 C  c)s)に規定する標準溶液のうちで硝酸と塩酸との混酸溶液として調製した元

素(金,白金及びチタン)の標準溶液を正しく 10 mL ずつ 1 000 mL の全量フラスコにはかりとり,

塩酸 80 mL 及び硝酸 65 mL を加えた後,水で標線まで薄める。

8.3 

装置  装置は,次による。

a) ICP

発光分光装置  表 に示す元素を測定できる機能をもち,測定する各元素の光分解能が 0.02 nm

以上及び各元素の検出限界が 0.05 mg/L 以上で,バックグランド補正機構を備えているもの。

8.4 

試料のはかりとり量  試料のはかりとり量は,500±2.5 mg とし,0.01 mg のけたまではかる。

8.5 

操作

8.5.1 

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a) 

試料を 2 個はかりとって,それぞれ 50 mL の全量フラスコ(

12

)に移し入れ,王水 30 mL を加える。穏

やかに加熱して試料が完全に分解した後,引き続き酸化窒素が発生しなくなるまで加熱を続ける(

13

)。

b) 

放冷した後,水を用いて標線まで薄める。

(

12

加熱によって全量フラスコの容量が変化するが,この分析方法では許容範囲である。ここで用


11

H 6313

:2006

いた全量フラスコは,他の分析方法において正しく 50 mL に定容する操作に用いてはならない。

(

13

不溶解物が認められたときは,不溶解物を適切な方法で分析し,その量を不純物に加算する。

8.5.2 

発光強度の測定  8.5.1 b)で得た溶液の一部を ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,

表 に示す波長(

14

)における各元素の発光強度を測定する(

15

)。バックグランド補正機構を用いて,積分時

間 5 秒で 5 回測定し,その平均値を発光強度の測定値とする。

(

14

)

表 に示す波長以外の波長を用いることができる。この場合,光学的干渉に注意を払わなくて

はならない。

(

15

試料中に含まれない元素は,測定しなくてよい。

  4  測定元素及び測定波長

単位  nm

測定元素

測定波長

測定元素

測定波長

金 242.795

,267.595

ビスマス 223.061

カドミウム 226.502

,228.802

銅 324.754

コバルト 228.616

,238.892

鉄 259.940

イリジウム 215.268

,224.268

マンガン 257.610

ニッケル 221.647

,231.604  ,352.454

鉛 220.353

パラジウム(

16

) 229.651

,248.892

ロジウム 343.489

白金 203.646

, 214.423 , 265.945 , 306.471

ルテニウム 240.272

すず 189.989

, 198.927

チタン 334.941

銀 328.068

亜鉛 213.856

(

16

パラジウムは,試料中のパラジウム含有率のおおよその値を求め,試料が正しいかを判定するために測
定する。8.6.2 の計算には用いない。

8.5.3 

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

a) 

パラジウム 500±2.5 mg を 2 個はかりとり 50 mL の全量フラスコ(

12

)に移し入れ,それぞれ 8.5.1 a)

操作を行った後,放冷する。一方の溶液は水で標線まで薄めて検量線用溶液 1 とし,他方の溶液は,

混合標準保存溶液の A及び を 5 mL ずつ加えた後,水で標線まで薄めて検量線用溶液 2 とする。

b) 

検量線用溶液 1 及び検量線用溶液 2 の発光強度を 8.5.2 によって試料と併行して測定し,得た検量線用

溶液 1 及び検量線用溶液 2 の発光強度と元素濃度(mg/L)(

17

)との関係線を作成し,検量線とする。

(

17

検量線用溶液 1 及び検量線用溶液 2 中の目的不純物元素の濃度は,a)ではかりとったパラジウ

ムに含まれる当該不純物元素の量を加えた濃度とする。

8.6 

計算

8.6.1 

質量比の計算  8.5.2 で得た各元素の発光強度と 8.5.3 で作成した各元素の検量線とからそれぞれの

不純物元素濃度(

18

)を求め,試料中の不純物元素の質量比を式(5)によって算出する。

s

s

i

i

m

V

C

W

×

=

 (5)

ここに,

i

W

不純物元素 の質量比

i

C

試料溶液中の不純物元素 の濃度(mg/L)又は検出下限値
(mg/L)(

18

)のいずれか大きい方の値

s

V

試料溶液量(L)

s

m

試料はかりとり量(mg)

(

18

検出下限値以下の値は採用しない。検出下限値は,検量線用溶液 1 で測定した個々の不純物元


12

H 6313

:2006

素濃度の標準偏差の 3 倍とする。

8.6.2 

試料中のパラジウム含有率の計算  試料中のパラジウム含有率を,式(6)によって算出する。

å

×

=

)

000

1

(

000

1

i

sp

W

W

 (6)

ここに,

sp

W

試料中のパラジウム含有率[‰(質量分率)]

å

i

W

各不純物元素の質量比の合計


附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS H 6313

:2006  ジュエリー用パラジウム合金−パラジウム定量方法

ISO 11490

:1995  ジュエリー用パラジウム合金中のパラジウム定量方法−ジメチル

グリオキシム重量法

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目ごとの

評価及びその内容

  表示箇所:本体 
  表示方法:側線又は点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際規

格番号

項目 
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

1.

適用範囲 

パラジウム定量方法につ
いて規定

ISO 11490

1

パラジウム定量
方法中のジメチ
ルグリオキシム

重量法について
規定

MOD/

変更

JIS

はジメチルグリオキシム重量

法に加え,ICP 発光分光法(差数法)
を追加。

次回改訂時に,ICP 発光分光法(差
数法)の追加を提案する。

2.

引用規格 

JIS H 6309

JIS K 0050

JIS K 0116

JIS K 0121 

JIS Z 8401

2

ISO 9202 

MOD/

追加

主として規定項目 3.を追加した

ことによる。

3.

一般事項 JIS 

0050

JIS K 0116

JIS K 0121

を引用

規定なし

MOD/

追加

化学分析方法通則,発光分光分析
通則及び原子吸光分析通則を追
加。

JIS

として必要な規定を追加。

4.

分析試料

のとり方及
び取扱い方 

サンプリング法及び一般
的な注意事項を規定

6

一般的な注意点
の規定なし

MOD/

追加

一般的な注意事項を追加。技術的
差異はない。

JIS

として必要な規定であるた

め。

5.1

分析個数

8.2

JIS

と同じ

IDT

5.2

分析値の表示

9

数値の丸め方の
規定なし 

MOD/

追加

数値の丸め方を追加。

丸め方の規定は必要。次回改訂時
に追加を要求。

5.

分析値の

まとめ方 

5.3

許容差

8.2

JIS

と同じ

IDT

13

H

 6313


200

6


14

H 6313

:2006

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定 

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目ごとの

評価及びその内容

  表示箇所:本体 
  表示方法:側線又は点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際規

格番号

項目 
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

6.

定量方法

の区分 

2

方法を規定

規定なし

MOD/

追加

規格形式上の差で技術的差異は
ない。

7.

ジメチル

グリオキシ
ムパラジウ

ム沈殿パラ
ジウム分離
重量法

7.1

要旨

要約を規定

3

JIS

と同じ IDT

7.2.1

試薬

4

主な試薬につい

て概要を規定

MOD/

追加

ISO

は個々の標準用溶液の調製方

法が規定されていない。

JIS

として詳細な調整方法が必要

なため。

7.2

試 薬 及

び装置 

7.2.2

装置

5

JIS

と同じ

IDT

7.3

試 料 は

かりとり量 

パ ラ ジ ウ ム と し て 150

mg

以上 200 mg 以下

7.1

JIS

と同じ

IDT

7.4.1

試料溶液の調製

7.1

7.4

JIS

とほぼ同じ

MOD/

追加

硝酸の除去操作を追加。

次回改訂時に修正を要求。

7.4.2

沈殿の生成と分離

7.5

7.6

JIS

と同じ

IDT

7.4.3

灰化及びひょう量

7.7

7.10

JIS

とほぼ同じ

MOD/

追加

JIS

は灰化などの温度,磁器るつ

ぼの恒量条件及びひょう量方法
を追加。技術的差異はない。

JIS

として必要な規定であるた

め。

7.4.4

塩化銀沈殿中のパ

ラジウム定量

7.4

JIS

とほぼ同じ

MOD/

追加

JIS

は定量操作の詳細な規定を追

加。技術的差異はない。

JIS

として必要な規定であるた

め。

7.4

操作 

7.4.5

ろ液及び洗液中の

パラジウムの定量

7.13

JIS

とほぼ同じ

MOD/

追加

JIS

は定量操作の詳細な規定を追

加。技術的差異はない。

JIS

として必要な規定であるた

め。

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6


(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目ごとの

評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:側線又は点線の下線 

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際規

格番号

項目 
番号 

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容 

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策 

7.11

スポンジ状パラ
ジウムを酸処理

後,再還元

MOD/

削除

スポンジ状パラジウム中の不純
物の定量を別途行うのでこの操

作は不要である。

この操作は技術的意味が不明。 
次回改訂時に修正を要求。

7.5

空試験

 

規定なし

MOD/

追加

JIS

は空試験を追加。 JIS として必要な規定であるた

め。 

7.6

計算 

8.1

JIS

と同じ

IDT

8. ICP

発光

分 光 法 ( 差
数法)

規定なし MOD/追加

ISO/DIS 15093

が検討されたが,

現在,廃案となっている。

次回改訂時に,JIS  を基礎とした

ICP

発光分光法(差数法)の追加を

提案する。

 
JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。

  ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2.

  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

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