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まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

工業用純チタンについては,1964 年に板,棒など製品別に JIS が制定され,電力・化学工業等関連する

工業の発展に大きく貢献してきた。近年は工業用だけでなく,民生用としても幅広く,身近なはん用材料

として用いられてきている。

このような状況を背景として,チタン鋳物については 1975 年 TIS 7505(社団法人日本チタン協会規格)

として制定された。

今回は,チタン鋳物の JIS 化の要望によって,TIS 7427TIS 7428TIS 7505 を基本として,工業用純

チタン及びチタン合金について JIS 規格を作成し,制定した。


2

H 5801 : 2000

日本工業規格

JIS

 H

5801

: 2000

チタン及びチタン合金鋳物

Titanium and titanium alloy castings

1.

適用範囲  この規格は,チタン及びチタン合金鋳物(以下,鋳物という。)について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS H 0321

  非鉄金属材料の検査通則

JIS H 1612

  チタン及びチタン合金中の窒素定量方法

JIS H 1614

  チタン及びチタン合金中の鉄定量方法

JIS H 1617

  チタン及びチタン合金中の炭素定量方法

JIS H 1619

  チタン及びチタン合金中の水素定量方法

JIS H 1620

  チタン及びチタン合金中の酸素定量方法

JIS H 1621

  チタン合金中のパラジウム定量方法

JIS H 1622

  チタン合金−アルミニウム定量方法

JIS H 1624

  チタン合金中のバナジウム定量方法

JIS H 1630

  チタンの発光分光分析方法

JIS Z 2201

  金属材料引張試験片

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

JIS Z 2243

  ブリネル硬さ試験−試験方法

JIS Z 2244

  ビッカース硬さ試験−試験方法

3.

種類及び記号  種類及び記号は,表 による。

表 1  種類及び記号

種類

記号

特色及び用途例(参考)

2

種 TC340

3

種 TC480

耐食性,特に耐海水性がよい。化学装置,石油精製装置,パル

プ製紙工業装置など。

 12

種 TC340Pd

 13

種 TC480Pd

耐食性,特に耐すきま腐食性がよい。

化学装置,石油精製装置,パルプ製紙工業装置など。

 60

種 TAC6400 高強度で耐食性がよい。化学工業,機械工業,輸送機器などの

構造部材。例えば,高圧反応槽装置,高圧輸送装置,レジャー

用品など。


3

H 5801 : 2000

4.

品質

4.1

外観  鋳物は,品質均一・鋳はだ良好で,使用上有害なきず,割れ,鋳巣などの欠陥があってはな

らない。

4.2

化学成分  化学成分は,表 による。

表 2  化学成分

単位%

化学成分

その他

(

1

)

種類

H  O  N Fe C  Pd  Al

V

Ti

個々

合計

2

種 0.30 以下 0.05 以下 0.25 以下

3

種 0.40 以下 0.07 以下 0.30 以下

12

種 0.30 以下 0.05 以下 0.25 以下

0.12

∼0.25

13

種 0.40 以下 0.07 以下 0.30 以下

0.12

∼0.25

60

0.015

以下

0.25

以下 0.05 以下 0.40 以下

0.10

以下

− 5.50∼6.75

3.50

∼4.50

残部 0.1

以下

0.4

以下

(

1

)

その他の成分は,受渡当事者間の協定による。

4.3

機械的性質  機械的性質は,表 による。

表 3  機械的性質

引張試験

硬さ試験

(

3

)

種類

引張強さ

N/mm

2

耐力

(

2

)

N/mm

2

伸び

%

HBW10/3 000

又は HV30

2

種 340 以上 215 以上

15

以上

110

∼210

3

種 480 以上 345 以上

12

以上

150

∼235

12

種 340 以上 215 以上

15

以上

110

∼210

13

種 480 以上 345 以上

12

以上

150

∼235

60

種 895 以上 825 以上

6

以上

365

以下

(

2

)

耐力は,特に注文者の要求のあるものに限
り適用する。

(

3

)

硬さ試験は,ブリネル硬さ又はビッカース

硬さのいずれかを測定する。

5.

形状,寸法及び質量  形状,寸法及び質量は,模型,又は図面によるものとし,その許容差は受渡当

事者間の協定による。

6.

試験

6.1

化学分析試験  化学分析試験は,次による。

JIS H 1612

    JIS H 1614    JIS H 1617    JIS H 1619    JIS H 1620

JIS H 1621

    JIS H 1622    JIS H 1624    JIS H 1630

参考  “JIS H 1610  チタン及びチタン合金のサンプリング方法,JIS H 1611  チタン及びチタン合金

の分析方法通則”を参考にしてもよい。

6.2

引張試験

a)

引張試験は,JIS Z 2241 による。

b)

この場合の試験片は,7.c)の供試材を用い,JIS Z 2201 の 4 号試験片とする。

ただし,4 号試験片が取れない場合は,平行部の径と標点距離は次の式により定めてもよい。


4

H 5801 : 2000

D

A

L

54

.

3

4

=

=

ここに,

L

:  標点距離 (mm)

A

:  試験片の平行部の断面積 (mm

2

)

D

:  試験片の平行部の直径 (mm)

c)

耐力を測定する場合は,標点距離のひずみ増加率を 0.3∼0.7%/min とし,耐力を超えて引張強さの測

定を行う場合には,標点距離のひずみ増加率を約 10%/min とする。

6.3

硬さ試験  硬さ試験は,JIS Z 2243 又は JIS Z 2244 による。

6.4

非破壊試験  非破壊試験の方法,合否判定基準は,受渡当事者間の協定による。

7.

検査  検査は,JIS H 0321 によるほか,次のとおり行う。

a)

鋳物は,外観,形状,寸法及び質量を検査するとともに 6.によって試験を行い,4.及び 5.の規定に適

合したものを合格とする。

ただし,6.26.3 及び 6.4 の実施は,受渡当事者間の協定による。

b)

鋳物は,検査の前に検査の妨げになるいかなる処理も施してはならない。

c)

引張試験片の製作に必要な供試材の取り方は,次による。

1)

供試材は,鋳物を鋳造するときに同時に鋳造する。

2)

供試材は,特に指定のない限り 1 溶解ごとに 1 個以上を取る。

3)

供試材の形状,寸法及び試験片の採取位置は,受渡当事者間の協定による。

d)

分析試料の採取方法は,受渡当事者間の協定による。

8.

表示  検査に合格した鋳物又はこん包には,適切な方法によって,次の事項を表示しなければならな

い。ただし,受渡当事者間の協定によってその一部を省略することができる。

a)

種類又はその記号

b)

製造番号

c)

製造業者名又はその略号


5

H 5801 : 2000

JIS H 5801

チタン鋳物新規原案調査作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

鈴  木  敏  之

工学院大学

(小委員長)

小野寺  幹  男

真空冶金株式会社営業本部

(委員)

朝  倉  健太郎

東京大学

石  井  満  男

新日本製鐵株式会社チタン技術グループ

斧      隆  夫

ナショナル自転車株式会社商品開発部

阿  部  義  邦

千葉工業大学

北  岡  一  泰

社団法人日本チタン協会

佐  藤      敬

東北大学金属材料研究所

笹  野  久  興

金属材料技術研究所

杉  浦  幸  彦

三菱重工業株式会社名古屋航空宇宙システム製作所研究部

鈴  木      宏

千代田プロテック株式会社製造部

寺  西  幸  弘

ミズノ株式会社研究開発部

長  島  啓  介

住友金属工業株式会社チタン技術部

畑      浩  巳

大同特殊鋼株式会社チタン民生品部

藤  田  陽  一

株式会社神戸製鋼所チタン技術部

別  当  有  光

高崎義肢製作所株式会社

村  山  拓  己

通商産業省基礎産業局非鉄金属課

八  田      勲

通商産業省工業技術院材料機械規格課

山  村  修  蔵

日本規格協会技術部

吉  村  不二雄

ヨシムラジャパン株式会社

(事務局)

伊  藤      均

社団法人日本チタン協会

備考  ○印が付してある者は,小委員会委員も兼ねる。