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H 5303

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本マグネシウム

協会(JMA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS H 5303:2000 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 16220:2005,Magnesium and

magnesium alloys

−Magnesium alloy ingots and castings を基礎として用いた。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願

に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特

許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責

任はもたない。

JIS H 5303

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(参考)マグネシウム合金ダイカストの機械的性質

附属書 2(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


H 5303

:2006

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  種類及び記号 

1

4.

  材料

2

5.

  品質

2

6.

  形状,寸法及び質量

3

7.

  分析試験

3

8.

  検査

3

9.

  表示

3

10.

  報告

3

附属書 1(参考)マグネシウム合金ダイカストの機械的性質

4

附属書 2(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

5

 


日本工業規格

JIS

 H

5303

:2006

マグネシウム合金ダイカスト

Magnesium alloy die castings

序文  この規格は,2005 年に第 2 版として発行された ISO 16220:2005,Magnesium and magnesium alloys−

Magnesium alloy ingots and castings

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書 2(参考)に示す。

1. 

適用範囲  この規格は,マグネシウム合金ダイカスト(以下,ダイカストという。)について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 16220:2005

,Magnesium and magnesium alloys−Magnesium alloy ingots and castings (MOD)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0403

  鋳造品−寸法公差方式及び削り代方式

JIS H 0321

  非鉄金属材料の検査通則

JIS H 1332

  マグネシウム及びマグネシウム合金中のアルミニウム定量方法

JIS H 1333

  マグネシウム及びマグネシウム合金中の亜鉛定量方法

JIS H 1334

  マグネシウム及びマグネシウム合金中のマンガン定量方法

JIS H 1335

  マグネシウム及びマグネシウム合金中のけい素定量方法

JIS H 1336

  マグネシウム及びマグネシウム合金中の銅定量方法

JIS H 1337

  マグネシウム及びマグネシウム合金中のニッケル定量方法

JIS H 1338

  マグネシウム及びマグネシウム合金中の鉄定量方法

JIS H 2222

  ダイカスト用マグネシウム合金地金

3. 

種類及び記号  ダイカストの種類及び記号は,表 による。


2

H 5303

:2006

  1  種類及び記号

参考

種類

記号

ISO

相当合金

ASTM

相当合金

合金の特色

使用部品例

マグネシウム合金 
ダイカスト 1 種 B

MDC1B MgAl9Zn1

(B) AZ91B

耐食性は 1 種 D よりやや劣る。
機械的性質がよい。

マグネシウム合金 
ダイカスト 1 種 D

MDC1D MgAl9Zn1

(A) AZ91D

耐食性に優れる。 
その他の特性は,1 種 B と同
等。

チェーンソー,ビデオ機器,音
響機器,スポーツ用品,自動車,

OA

機器,コンピュータなどの

部品,その他はん(汎)用部品

マグネシウム合金 
ダイカスト 2 種 B

MDC2B MgAl6Mn

AM60B

伸び及びじん性に優れる。 
鋳造性がやや劣る。

自動車部品,スポーツ用品

マグネシウム合金 
ダイカスト 3 種 B

MDC3B MgAl4Si

AS41B

高温強度がよい。 
鋳造性がやや劣る。

自動車エンジン部品

マグネシウム合金

ダイカスト 4 種

MDC4 MgAl5Mn  AM50A

伸び及びじん性に優れる。

鋳造性がやや劣る。

自動車部品,スポーツ用品

マグネシウム合金

ダイカスト 5 種

MDC5 MgAl2Mn  AM20A

伸び及びじん性に優れる。

自動車部品

マグネシウム合金 
ダイカスト 6 種

MDC6 MgAl2Si

AS21A

高温強度がよい。 
鋳造性がやや劣る。

自動車エンジン部品

4. 

材料  ダイカスト用マグネシウム合金地金は,JIS H 2222 の規定による。

5. 

品質  ダイカストの品質は,次による。

a) 

ダイカストは表面が平滑で,使用上有害な割れ,鋳巣などの欠陥があってはならない。

b) 

ダイカストは,埋め金又は溶接によって補修してはならない。ただし,欠陥部分が小さくて注文者が

使用上差し支えないと認めたときは,補修することができる。

なお,受渡当事者間の協定によって,漏れ止めの処理を行うことができる。

c) 

化学成分は,

表 による。ただし,受渡当事者間の協定によって,Fe 含有率と Mn 含有率との比が,

MDC1D

は 0.032,MDC2B は 0.021,MDC3B は 0.022,MDC4 は 0.015,MDC5 は 0.012 及び MDC6 は

0.022

を超えなければ,Fe の含有率は規定値を超えてもよい。

  2  化学成分

化学成分  %(質量分率)

種類

記号

Mg Al  Zn  Mn  Si  Cu  Ni

Fe

その他

個々

1

種 B MDC1B

残部 8.3∼9.7 0.35∼1.0

0.13

∼0.50

0.50

以下

0.35

以下 0.03  以下 0.03   以下 0.05 以下

1

種 D MDC1D

残部 8.3∼9.7 0.35∼1.0

0.15

∼0.50

0.10

以下

0.030

以下 0.002 以下 0.005  以下 0.01 以下

2

種 B MDC2B

残部 5.5∼6.5 0.30 以下

0.24

∼0.6 0.10 以下

0.010

以下 0.002 以下 0.005  以下 0.01 以下

3

種 B MDC3B

残部 3.5∼5.0 0.20 以下

0.35

∼0.7 0.50∼1.5

0.02

以下 0.002 以下 0.003 5 以下 0.01 以下

4

種 MDC4

残部 4.4∼5.3 0.30 以下

0.26

∼0.6 0.10 以下

0.010

以下 0.002 以下 0.004  以下 0.01 以下

5

種 MDC5

残部 1.6∼2.5 0.20 以下

0.33

∼0.70

0.08

以下

0.008

以下 0.001 以下 0.004  以下 0.01 以下

6

種 MDC6

残部 1.8∼2.5 0.20 以下

0.18

∼0.70

0.7

∼1.2 0.008 以下 0.001 以下 0.004  以下 0.01 以下


3

H 5303

:2006

6. 

形状,寸法及び質量  ダイカストの形状,寸法及び質量は,図面又は模型による。寸法許容差は注文

者の指定による。ただし,寸法許容差の指示のない部分は,JIS B 0403 を適用することができる。

7. 

分析試験  化学成分の分析試験は,次による。

JIS H 1332

JIS H 1333JIS H 1334JIS H 1335JIS H 1336JIS H 1337JIS H 1338

なお,その他の不純物の分析試験において,該当する日本工業規格がない場合は,受渡当事者間の協定

による。

8. 

検査  ダイカストの検査は,次による。

a) 

一般事項は,JIS H 0321 による。

b) 

化学分析試料を採取する方法は,受渡当事者間の協定による。

c) 

ダイカストは,外観,形状,寸法及び質量を検査するとともに,7.によって試験を行い,5.及び 6.の規

定に適合したものを合格とする。

9. 

表示  ダイカストは,ダイカスト表面,送り状又は1包装ごとに貼付ラベルなど適切な方法で,次の

事項を表示する。

a) 

規格番号及び種類又はその記号

1.  JIS H 5303 MDC1B

b) 

製造番号又は製造年月若しくはその略号

c) 

製造業者名又はその略号

10. 

報告  製造業者は,注文者からの要求がある場合は,分析試験の結果を提出しなければならない。


4

H 5303

:2006

附属書 1(参考)マグネシウム合金ダイカストの機械的性質

この附属書は,マグネシウム合金ダイカストの質別 F についての機械的性質(引張強さ・耐力・伸び・

ブリネル硬さ)に関する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

附属書   1  マグネシウム合金ダイカストの機械的性質

引張試験(

2

)

記号

記号及び

質別記号(

1

)

引張強さ  N/mm

2

耐力  N/mm

2

伸び  %

ブリネル硬さ  HBW

MDC1D MDC1D-F

200

∼260 140∼170 1∼9 65∼85

MDC2B MDC2B-F

190

∼250 120∼150 4∼18 55∼70

MDC3B MDC3B-F

200

∼250 120∼150 3∼12 55∼80

MDC4 MDC4-F

180

∼230 110∼130 5∼20 50∼65

MDC5 MDC5-F

150

∼220 80∼100 8∼25 40∼55

MDC6 MDC6-F

170

∼230 110∼130 4∼14 50∼70

(

1

質別記号は,JIS H 0001 による。

(

2

引張試験に用いる試験片の形状及び寸法は,最小肉厚 2 mm,断面積 20 mm

2

のダイカスト

により製造した試験片で,表面は鋳造のままのものである。

備考  1 N/mm

2

=1 MPa


5

H 5303

:2006

附属書 2(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS H 5303:2006

  マグネシウム合金ダイカスト

ISO 16220:2005

  マグネシウム及びマグネシウム合金−マグネシウム合金地金と鋳物

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ) JIS と国際規格との技術的差異の項目ご

との評価及びその内容

  表示箇所:本体 
  表示方法:側線及び点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ )

国際

規格 
番号

項目
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異の理

由及び今後の対策

1.

適用範囲 
マグネシウム合金ダイカス
トについて規定。

ISO 

16220

1

適用範囲 
マグネシウム合 金地金
及び鋳造品の化 学組成

及び機械的性質を規定。

MOD/

削除

ISO

規格は,鋳物に関するすべ

ての種類のマグネシウム合金
について,化学組成及び機械的

性質を規定している。

JIS

は,ISO 規格のうちマグネ

シウム合金ダイカストだけを

適用範囲としている。

JIS

は,使用者の利便性を考慮し,JIS H 

2221

(鋳物用地金)

JIS H 2222(ダイ

カスト用地金)

JIS H 5203(鋳物)及

び JIS H 5303(ダイカスト)の 4 規格に
分けて規定している。

2.

引用規格

JIS B 0403

JIS H 0321

JIS H 1332

JIS H 1333

JIS H 1334

JIS H 1335

JIS H 1336

JIS H 1337

JIS H 1338

JIS H 2222

 2

引用規格

ISO 31-0

ISO 6506-1

ISO 6892

EN 1559-5

EN 1753 

MOD/

追加

化学成分の分析に必要な試験
方法を規定するために,引用規

格を追加。

3.

種類及び記号

  材料を 6 種 7 種類に分類。 
 (ISO 規格品 7 種類に対応)

 3

分類

3.1

材料

  材料を 14 種類に分類

3.2

質別記号

3.3

鋳造方法の表示記号

MOD/

削除

追加

JIS

は,ISO 規格のマグネシウ

ム合金ダイカスト以外の規定
項目を削除。JIS は,鋳造方法
による区分をしていない。

ISO

規格の記号を参考として

記載している。

JIS

の分類は,ISO 規格のマグネシウム

合金ダイカストと一致している。

4.

材料

JIS H 2222

の規定による。

MOD/

追加

材料の項を追加。

JIS

として材料を追加することは,適合

性評価をするためにも必要。

5

H

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2006


6

H 5303

:2006

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:側線及び点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ )

国際
規格

番号

項目
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の

理由及び今後の対策

品質

a)

表面が平滑,割れ,鋳巣不可

b)

補修

4.4

品質

受渡当事者間の協定による。

MOD/

追加

JIS

は,具体的に規定。

JIS

として必要な規定内容を追加。

ISO

規格の改正提案について検討

を行う。 

4.1

化学成分

  14 の種類ごとに規定。

MOD/

削除

JIS

は,ISO 規格のダイカ

スト以外を削除。

ISO

規格のうち,ダイカストの規

定値とは,ほぼ一致している。

5.

c)

化学成分

  7 の種類ごとに規定。

4

4.2

機械的性質(参考値) 

MOD/

変更

ISO

規格は,機械的性質

を参考値として規定。

JIS

は,附属書(参考)と

して記載。 

JIS

と ISO 規格との間に,大きな差

はない。

6. 

形状,寸法及び質量

MOD/

追加

JIS

として必要な規定項目を追加。

7.

分析試験 
化学成分の分析試験方法を規定。

7

試験方法 
引張試験は,ISO 6892 による。
硬さ試験は,ISO 6506 による。

MOD/

追加

ISO

規格は,分析方法を

規定せず,製造業者によ
るとしている。

JIS

として必要な試験方法を規定。

4 4.3

試験頻度

  EN 1559-5 による。

5

供試材の採取

EN 1559-5

による。 

6

機械的性質測定用試験片

表面は鋳造のままとする。

8.

検査 
分析試料採取方法及び検査につい
て規定。

8

再検査:

EN 1559-5

による。

MOD/

変更

JIS

と ISO 規格との間に,大きな差

はない。

9.

ダイカストの表示について規定。

3 3.4

注文用名称 MOD/追加

ISO

規格は,製造個数,

合金種,質別記号,製造
法を規定。

JIS

として必要な項目を追加。

ISO

規格の改正提案について検討

を行う。

10.

報告

MOD/

追加

JIS

として必要な項目を追加。

ISO

規格の改正提案について検討

を行う。 

6

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2006


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H 5303

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JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2. JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

 

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