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日本工業規格

JIS

 H

5301

-1990

亜鉛合金ダイカスト

Zinc Alloys Die Castings

1.

適用範囲  この規格は,亜鉛合金ダイカスト(以下,ダイカストという。)について規定する。

引用規格: 

JIS B 0403

  鋳造品−寸法公差方式

JIS B 0409

  ダイカスト普通許容差

JIS H 0321

  非鉄金属材料の検査通則

JIS H 1551

  ダイカスト亜鉛合金分析方法

JIS H 1560

  ダイカスト亜鉛合金の発光分光分析方法

JIS H 2201

  ダイカスト用亜鉛合金塊

関連規格:JIS H 8617  ニッケル及びニッケル・クロムめっき

JIS H 8620

  工業用金及び金合金めっき

JIS H 8621

  工業用銀めっき

JIS Z 2242

  金属材料衝撃試験方法

2.

種類及び記号  種類及び記号は,化学成分によって表 のとおり区分する。

表 1  種類及び記号

参考

種類

記号

合金系

類似合金

合金の特色

使用部品例

ASTM

亜鉛合金ダイカスト

1

ZDC1

Zn

−Al−Cu 系

AC41A

機械的性質及び耐食
性が優れている。

自 動 車 ブ レ ー キ ピ ス ト
ン・シートベルト巻取金
具キャンバスプライヤー

ASTM

亜鉛合金ダイカスト

2

ZDC2 Zn

−Al 系

AG40A

鋳造性及びめっき性

が優れている。

自動車ラジエーターグリ

ルモール・キャブレター,

VTR

ドラムベース・テー

プヘッド・CP コネクター

3.

品質  品質は次による。

(1)

使用上有害な割れや鋳巣などの欠陥があってはならない。

(2)

埋め金や溶接によって補修してはならない。ただし,欠陥部分が小さくて注文者が使用上差し支えな

いと認めたときは補修することができる。なお,注文者の承認を得て,漏れ止めの処理を行うことが

できる。

(3)

化学成分は,

表 による。


2

H 5301-1990

表 2  化学成分

単位  %

化学成分

不純物

種類

記号

Al Cu  Mg Fe

Zn

Pb Cd Sn

1

種 ZDC1

3.5

∼4.3 0.75∼1.25 0.020∼0.06 0.10 以下 残  部 0.005 以下 0.004 以下 0.003 以下

2

種 ZDC2

3.5

∼4.3 0.25 以下 0.020∼0.06 0.10 以下 残  部 0.005 以下 0.004 以下 0.003 以下

4.

形状,寸法及び質量  形状,寸法及び質量は,図面又は模型による。寸法許容差は,注文者の指定に

よる。ただし,寸法許容差の指定のない部分には,JIS B 0403(鋳造品−寸法公差方式)又は JIS B 0409

(ダイカスト普通許容差)を適用することができる。

5.

材料  材料は,JIS H 2201(ダイカスト用亜鉛合金塊)を用いる。

6.

試験

6.1

分析試験  分析試験は,次のいずれかによる。

(1)  JIS H 1551

(ダイカスト亜鉛合金分析方法)

(2)  JIS H 1560

(ダイカスト亜鉛合金の発光分光分析方法)

6.2

空圧及び液圧試験  空圧及び液圧試験は,注文者の指定によって行う。

7.

検査  検査は,次のとおり行う。

(1)

外観,寸法を検査するとともに,6.によって試験を行い,3.及び 4.の規定に合格しなければならない。

(2)

分析試料は,特に指定のない限りダイカストから取る。

(3)

分析試験の成績表は,注文者の要求があったものに限り提出する。

(4)

その他一般事項は,JIS H 0321(非鉄金属材料の検査通則)による。

8.

表示  ダイカストには適当な方法によって,次の事項を表示する。

(1)

種類の記号

(2)

製造年月日又はその略号

(3)

製造番号

(4)

製造業者名又はその略号

参考 

1.

化学成分  本体表 に示す各ダイカストの主成分は,含有量の範囲を示すものである。同表の不純物

の,鉛,カドミウム及びすずは,亜鉛合金の粒間腐食の原因となるので,その合計は,0.010%を超えない

ように管理(

1

)

すべきである。

(

1

)

社 団 法 人 日 本 ダ イ カ ス ト 協 会 ( 〒 105 東 京 都 港 区 芝 公 園 3-5-8   機 械 振 興 会 館 内 , 電 話

03-434-1885

)の亜鉛合金ダイカスト品質証明制度などの方法によって,製造業者は常に化学成

分の分析管理を行う必要がある。


3

H 5301-1990

2.

機械的性質  参考表 は,参考図 1に示すダイカストした試験片について,21℃で試験した ASTM

の値を引用したものである。

備考  参考表 にある鋳放しのダイカストから切り出した試験片において,引張強さ及び衝撃値の数

値の{  }は,国際単位系 (SI) による表記である。平成 3 年 1 月 1 日以降,非鉄金属部会の

SI

移行指針に従って,

{  }内の数値を使用するものとする。

参考表 1  ダイカストした試験片の機械的性質(

2

)

引張試験

種類

記号

引張強さ

kgf/mm

2

 {N/mm

2

}

伸び

%

衝撃値

kgf

・m/cm

2

{N

・m/cm

2

}

硬さ HB

(10/500)

1

ZDC1

33 {325}

  7

16 {160}

91

2

ZDC2

29 {285}

10

14 {140}

82

(

2

)

断面積6.35×6.35mm

2

,ハンマーの刃先 r=8mm

なお,引張試験の引張速度は 12mm/min を超えてはならない。 
また,

参考表 の衝撃値は,JIS Z 2242(金属材料衝撃試験方法)に規

定するシャルピー衝撃試験機(ハンマーの刃先 r=1mm,容量 15kgf・mm

{147N

・m})を用いて試験した場合は 10kgf・m/cm

2

 {98N

・m/cm

2

}

になる。 

参考図 1  ダイカスト引張試験片

参考図 2  ダイカスト衝撃試験片及び硬さ試験片

3.

めっき  亜鉛合金ダイカストにめっきを施す場合は,JIS H 8617(ニッケル及びニッケル・クロムめ

っき)

JIS H 8620(工業用金及び金合金めっき)及び JIS H 8621(工業用銀めっき)を参考にするとよい。

4.

類似合金記号  参考表 に JIS H 5301 相当の諸外国規格の規格番号及び類似合金の記号を示す。


4

H 5301-1990

参考表 2  類似合金記号

JIS 

H 5301 

(1990)

FS 

QQ-Z-363 B 

(1972)

ASTM 

B 86 

(1988)

SAE 

J 468 b 

(1983)

NF 

A 55-010 

(1987)

BS 

1004 

(1972)

DIN 

1743 

(1978)

ISO 

301 

(1981)

1

種 ZDC1  AC41A  AC41A

925  Z-A4U1G

B

GD-ZnAl4Cu1 ZnAl4Cu1

2

種 ZDC2  AG40A  AG40A

903

Z-A4G

A

GD-ZnAl4

ZnAl4

5.

使用部品例  参考表 に亜鉛ダイカストの使用部品例を示す。


5

H 5301-1990

参考表 3  使用部品例

印は ZDC1 で製造されたもの

無印は ZDC2 で製造されたもの

置時計

枠,ケース

サッシ

錠前,ドアハンドル,ドア附属金具

消火器

キャップ

釣具リール

回転枠,マスターギヤ

*

ハンドル軸,ハンドル

モーターボート

ライト枠

自動車

ラジエーターグリル,エンブレム,モー

ル,ヘッドライト枠,バックミラーステ

ー,ミラーベース,ドアヒンジ,アウタ

ードアハンドル,インナードアハンドル,

ドアフレームキャブレター(メインボデ

ー,ウォーターネック,イヤホーン)

,ブ

レーキピストン

*

,ハンドル,ルーバー,

ホーンリング,リアコンビネーションラ

ンプリム,ステアリングサポート,シー

トベルト巻取金具

*

,シリンダ錠,ヘルメ

ット錠ボデー

がん具

ミニモデル,ピストルなど

楽器

ドラム金具,ギター金具,管楽器金具

自動販売機

コイン投入口,コインアクセプター,

コインセレクター,プレート,マスク,

搬送部

喫煙具

灰皿,ライター部品

オルゴール

フレーム

農業機械

変速掛金,変速案内板,ギヤボックス,

V

プーリー,田植機案内ブラケット,フ

ィルターボディ,コックボディ,コック

レバー

手鏡

ミシン

ヘッド,ケース,オイルパン,歯車

バリカン

LP

ガス機器

ガスコック,調整器

バスルーム

アクセサリー

シャワー掛け,水洗タンクレバー

ガスこんろ

ガスコック,カム,ホース差込口

一輪差し

本体

ガスメータ

ガス分配器

飾り皿

本体

モータ

ケース,ハウジング,ギヤボックス,軸

ワインカップ

本体

冷蔵庫

ハンドル,ヒンジ

メダル

本体

冷凍庫

ハンドル,ヒンジ

かばん

金具

コンピューター

コネクター

金庫

ハンドル,かぎ

衛星放送

本体,カバー

ナンバリング

フレーム

鉛筆削り

カッターホルダー

VTR

ハンドル,テープヘッド部品,ローディ

ングリング,ドラムベース,フット,レ

バー,フライホイール

あわ立て機

ギヤ,フレーム

コーヒー沸し台

本体

かん切り

フレーム

レコードプレーヤー  ターンテーブル,トーンアームアーム受

け,アームベース,軸受,バランスウエ

イト,フライホイール,内架台

せんぬき

*

本体

ステレオ

前面枠,パネル

くるみ割り

*

本体

CD

プレーヤー

ピックアップ,ハウジング

キャンパス

本体

無線機

スペーサー,鏡体

裁断機

ヘッド

テープレコーダー

ハンドル,軸受ホルダー,フライホイー

ル,コアホルダー,フレーム

ポスト

差入口

テレックス

サイドフレーム

ドア飾り

金具

電気計測器

ケース,ペース,外枠

シリンダー錠

本体


6

H 5301-1990

数字合わせ錠

本体

カメラ

制御カム,巻き上げレバー,セルフタイ

マーレバー,パネル,アダプター,軸,

カム,ギヤ,三脚座,ASA 板

シャンデリア

部品

8

ミリカメラ

フレーム枠

家具,机,たんす

引き手

映写機

ホルダーヘッド

洋服掛け,帽子掛け 金具

亜鉛合金ダイカスト改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(主査)

千々岩  健  児

千葉工業大学工学部

(幹事)

神  尾  彰  彦

東京工業大学工学部

麻  田      宏

東京大学

津  村  善  重

芝浦工業大学

橋  本  久  義

通商産業省機械情報産業局

加  藤  康  宏

工業技術院標準部

池  田  順  一

財団法人日本規格協会

近  田  敏  弘

トヨタ自動車株式会社第 5 技術部

高  瀬  俊  郎

日産自動車株式会社第二技術部

初  谷      昭

ホンダエンジニアリング株式会社第五設計グループ

山  田      徹

ヤマハ発動機株式会社

上  田  喜  一

久保田鉄工株式会社内燃機器開発推進部

中  田  秦  輔

株式会社日立製作所小田原工場素材技術グループ

佐  藤  俊  作

松下電器産業株式会社

河  本      央

リョービ株式会社

早  川  威  明

株式会社アーレスティ研究所

林      陽一郎

三井金属鉱業株式会社機器事業部

植  原  寅  蔵

古河鋳造株式会社

小  池  末  吉

株式会社東京軽合金製作所

橋  口  光  男

社団法人日本アルミニウム合金協会

金  子  昌  雄

社団法人日本ダイカスト協会

(関係者)

近  藤      弘

工業技術院標準部材料規格課

斉  藤  和  則

工業技術院標準部材料規格課

(事務局)

釜  田  謙  一

社団法人日本ダイカスト協会