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H 4701 : 2001

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人新金属協

会 (JSNM)/財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申

出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによっ

て,JIS H 4701 : 1989 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正のポイントは,

1.

  化学成分値の水素基準値を下げた。

2.

  化学成分値のモリブデンの基準値を設けた。

3.

  板のひずみの規格を設けた。

4.

  化学分析試験方法の新規分を採用した。

である。


日本工業規格

JIS

 H

4701

: 2001

タンタル展伸材

Tantalum flat mill products, rod and wire

1.

適用範囲  この規格は,タンタルの板,条,はく,棒及び線(以下,展伸材という。)について規定す

る。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。

これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 0321

  非鉄金属材料の検査通則

JIS H 1680

  タンタル分析方法通則

JIS H 1681

  タンタル中の炭素定量方法

JIS H 1682

  タンタル中のけい素定量方法

JIS H 1685

  タンタル中の窒素定量方法

JIS H 1695

  タンタル中の酸素定量方法

JIS H 1696

  タンタル中の水素定量方法

JIS H 1699

  タンタルの ICP 発光分光分析方法

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

JIS Z 2201

  金属材料引張試験片

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3.

種類及び記号  展伸材は形状によって,表 のとおり 5 種類とする。

表 1  種類

種類

記号

板 TaP

条 TaR

はく TaH

棒 TaB

線 TaW

4.

品質  品質は,次による。

4.1

展伸材は,使用上有害なきず及びその他の欠点があってはならない。

4.2

展伸材の化学成分は,

表 による。


2

H 4701 : 2001

表 2  化学成分

単位  %

C O N H Nb Fe Ti W Si Ni

Mo

Ta

0.03

以下

0.03

以下

0.01

以下

0.0015

以下

0.10

以下

0.02

以下

0.01

以下

0.03

以下

0.02

以下

0.02

以下

0.02

以下

99.80

以上

備考  不純物の百分率は,規定された最後の位の次の位を JIS Z 8401 によって丸める。

タンタルの百分率は不純物の百分率を前記のとおり扱った後,その総計を 100 から差し引いて求め

る。 

4.3

展伸材(はくを除く。

)の機械的性質は,

表 による。

表 3  機械的性質

引張試験

種類

質別

記号

寸法 mm

引張強さ N/mm

2

伸び %

軟質 TaP-O

245

以上 25 以上

1/4

硬質 TaP-1/4H

343

以上 20 以上

1/2

硬質 TaP-1/2H

373

以上

  8

以上

硬質 TaP-H

厚さ 0.2 以上

490

以上

  2

以上

軟質 TaR-O

245

以上 25 以上

1/4

硬質 TaR-1/4H

343

以上 20 以上

1/2

硬質 TaR-1/2H

373

以上

  8

以上

硬質 TaR-H

厚さ 0.2 以上

490

以上

  2

以上

軟質 TaB-O

275

以上 25 以上

1/4

硬質 TaB-1/4H

343

以上 20 以上

硬質 TaB-H

直径 3 以上

490

以上

  1

以上

軟質 TaW-O

245

以上 20 以上

1/2

硬質 TaW-1/2H

294

以上 10 以上

硬質 TaW-H

直径 0.25 以上

490

以上

  1

以上

備考  上記以外のものは,受渡当事者間の協定による。 

5.

寸法の許容差  寸法の許容差は,次による。

5.1

板,条,はくの厚さの許容差は,

表 による。この場合,厚さはかえりを避けて測定する。

表 4  板,条,はくの厚さの許容差

単位 mm

厚さの許容差

厚さ

幅 120 以下

幅 120 を超え 300 以下

幅 300 を超えるもの

 0.05

未満  板厚の±15%

0.05

以上 0.10 未満        ±0.01

0.10

以上 0.20 未満        ±0.01

±0.02

0.20

以上 0.40 未満        ±0.02

±0.03

0.40

以上 0.60 未満        ±0.02

±0.04

0.60

以上 0.80 未満        ±0.03

±0.05

0.80

以上 1.00 未満        ±0.05

±0.07

1.00

以上 1.50 未満        ±0.05

±0.08

1.50

以上 2.00 未満        ±0.07

±0.10

2.00

以上 2.50 未満        ±0.10

±0.15

2.50

以上 3.00 未満        ±0.15

±0.20

3.00

以上 4.00 未満        ±0.15

±0.25

4.00

以上 5.00 以下        ±0.20

±0.30

受渡当事者間の協定による。


3

H 4701 : 2001

5.2

板,条,はくの幅の許容差は,

表 による。

表 5  板,条,はくの幅の許容差

単位 mm

幅の許容差

厚さ

幅 120 以下

幅 120 を超え 300 以下

幅 300 を超えるもの

 0.05

未満

±0.30

0.05

以上 0.20 未満

±0.50

0.20

以上 0.60 未満

±0.50

±0.70

0.60

以上 2.00 未満

±0.70

±1.00

2.00

以上 3.00 未満

±1.00

±1.00

3.00

以上 5.00 以下

±1.5

±1.5

受渡当事者間の協定による。

5.3

板,条,はくの長さの許容差は,

表 による。

表 6  板,条,はくの長さの許容差

単位 mm

長さ

長さの許容差

 500

未満

+2

    0

500

以上 1 000 未満

+3

    0

1 000

以上

受渡当事者間の協定による。

5.4

板のひずみの最大値は,

表 による。

表 7  板のひずみ(1)の最大値

単位 mm

長さ

ストレッチ矯正の有無

厚さ

2 000

以下 2 000 を超え 3 000 以下

なし 0.2 以上

15

以下

25

以下 30 以下

あり 0.2 以上

  5

以下

1 000

以下

  5

以下

  8

以下

(

1

)

ひずみとは,

1のように定盤上に凹面を上にして置いた板の規定長さ1 000mm におけ

る弧の最大深さをいう。長さが1 000mm 以下の板については,その全長での最大深さ

をいう。

なお,この最大深さの測定には,通常,深さ計(シックネスゲージ,ダイヤルゲー

ジ又は長さ計)を用いる。 

図 1  板のひずみ

備考  規定範囲外の厚さ,幅及び長さの板のひずみの最大値は,受渡当事者間の協定による。

5.5

棒,線の径の許容差は,

表 による。


4

H 4701 : 2001

表 8  棒,線の径の許容差

単位 mm

径の許容差

 0.10

以上   0.30 未満

±0.01

 0.30

以上   1.00 未満

±0.02

 1.00

以上   3.00 未満

±0.03

 3.00

以上   5.00 未満

±0.05

 5.00

以上  10.00 未満

±0.08

10.00

以上  15.00 以下

±0.10

5.6

棒,線の長さの許容差は,受渡当事者間の協定による。

6.

製造方法  展伸材は,純度の高いタンタルを主原料として,粉末冶金法,アーク溶解法,電子ビーム

溶解法などのいずれかで得られた鋳塊を用い,鍛造及び冷間加工によって製造する。

7.

試験  試験は,次による。

7.1

化学分析試験は,次のいずれかの日本工業規格による。

JIS H 1680

JIS H 1681

JIS H 1682

JIS H 1685

JIS H 1695

JIS H 1696

JIS H 1699

7.2

引張試験  板,条,棒,線の引張試験方法は,JIS Z 2241 による。

板,条の引張試験片は,板,条の圧延の方向に採った JIS Z 2201 の 13 号 B 試験片とする。棒,線の引

張試験片は,JIS Z 2201 に規定する 9A 号試験片とする。

備考  引張試験片の採取方向は,受渡当事者間の協定による。

8.

検査  検査は,次による。

8.1

展伸材は外観及び寸法を検査するとともに 7.によって試験を行い,3.及び 4.の規定に合格しなければ

ならない。

8.2

分析用試料は,同一鋳塊ごとに採取する。

8.3

引張試験の試験片は,同一鋳塊で,かつ,同一熱処理ロットごとに採取する。

8.4

厚さ 0.2mm 未満の板,条については引張試験を行わない。

8.5

径が 0.25mm 未満の線については,引張試験を行わない。

8.6

その他の一般事項は,JIS H 0321 による。

9.

表示  展伸材には,次の事項を適切な方法によって表示する。

a)

種類,質別又はその記号

b)

寸法

c)

質量


5

H 4701 : 2001

d)

製造番号

e)

製造業者名又はその略号

タンタル展伸材 JIS 原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

志  賀  千  晃

科学技術庁金属材料技術研究所

塚  本      修

通商産業省基礎産業局

橋  本      進

財団法人日本規格協会

(幹事)

篠  沢  精  一

真空冶金株式会社製造部

(副幹事)

田  中  光  信

昭和キャボットスーパーメタル株式会社第二営業部

(副幹事)

竹  中  孝  一

東京電解株式会社

小  川      真

科学技術庁金属材料技術研究所

佐々木  雅  啓

日本金属工業株式会社新材料部

松  倉  宏  行

日本電気株式会社電子部品事業本部

穴  倉  貞  夫

株式会社ニューメタルスエンドケミカルスコーポレーション

豊  田  宣  俊

社団法人新金属協会

(事務局)

今  井  康  弘

社団法人新金属協会