>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

H 4657

:2016

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  種類及び記号,並びに適用寸法  

1

4

  品質 

3

4.1

  外観  

3

4.2

  化学成分  

3

4.3

  機械的性質  

5

4.4

  形状及び寸法  

5

5

  試験 

5

5.1

  化学分析試験  

5

5.2

  引張試験  

6

6

  検査 

6

7

  表示 

6


H 4657

:2016

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

チタン協会(JTS)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改

正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ

る。

これによって,JIS H 4657:2012 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。

特許登録番号

特許権の名称

所有者

有効期限

3916088 号

耐食材用チタン合金

新日鐵住金株式会社

平成 37 年 12 月 28 日

3967515 号

マフラー用チタン合金材およびマフラー

株式会社神戸製鋼所

平成 32 年 2 月 16 日

4125560 号

耐水素吸収性に優れたチタン合金材

株式会社神戸製鋼所

平成 34 年 8 月 7 日

上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施

の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対

しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。

この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ

る。

この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標

準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。

なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。


日本工業規格

JIS

 H

4657

:2016

チタン及びチタン合金−鍛造品

Titanium and titanium alloys-Forgings

適用範囲 

この規格は,チタン及びチタン合金の鍛造品(以下,鍛造品という。

)について規定する。ただし,鍛造

で製造された棒は,JIS H 4650(チタン及びチタン合金−棒)で規定し,この規格には含まない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 0321

  非鉄金属材料の検査通則

JIS H 1610

  チタン及びチタン合金−サンプリング方法

JIS H 1612

  チタン及びチタン合金中の窒素定量方法

JIS H 1614

  チタン及びチタン合金中の鉄定量方法

JIS H 1617

  チタン及びチタン合金中の炭素定量方法

JIS H 1619

  チタン及びチタン合金−水素定量方法

JIS H 1620

  チタン及びチタン合金中の酸素定量方法

JIS H 1621

  チタン合金中のパラジウム定量方法

JIS H 1622

  チタン合金−アルミニウム定量方法

JIS H 1624

  チタン合金−バナジウム定量方法

JIS H 1625

  チタン合金−ランタン,セリウム,プラセオジム及びネオジム定量方法

JIS H 1626

  チタン合金−硫黄定量方法

JIS H 1630

  チタンの発光分光分析方法

JIS H 1631

  チタン合金−蛍光 X 線分析方法

JIS H 1632-2

  チタン−ICP 発光分光分析方法−第 2 部:パラジウム,マンガン,鉄,マグネシウム,

けい素,アルミニウム,バナジウム,ニッケル,クロム,すず,銅,モリブデン,ジルコニウム,

ニオブ,タンタル,コバルト及びイットリウム定量方法

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

種類及び記号,並びに適用寸法 

鍛造品の種類及び記号は,

表 による。また,適用寸法(厚さ)は,表 による。


2

H 4657

:2016

表 1−種類及び記号 

種類

種類の記号

特色及び用途例

(参考)

1 種 TF

270

工業用純チタン 
耐食性に優れ,特に耐海水性が良い。

化学装置,石油精製装置,パルプ製紙工業装置などに用いる。

2 種 TF

340

3 種 TF

480

4 種 TF

550

11 種

TF 270 Pd

耐食チタン合金 
耐食性に優れ,特に耐隙間腐食性に優れる。

化学装置,石油精製装置,パルプ製紙工業装置などに用いる。

12 種

TF 340 Pd

13 種

TF 480 Pd

14 種

TF 345 NPRC

15 種

TF 450 NPRC

16 種 TF

343

Ta

17 種

TF 240 Pd

18 種

TF 345 Pd

19 種

TF 345 P Co

20 種

TF 450 P Co

21 種

TF 275 RN

22 種

TF 410 RN

23 種

TF 483 RN

50 種 TAF

1500

α 合金(Ti-1.5Al) 
耐食性に優れ,特に耐海水性が良い。耐水素吸収性及び耐熱性が良い。

二輪車マフラーなどに用いる。

60 種 TAF

6400

α-β 合金(Ti-6Al-4V) 
高強度で耐食性が良い。 
化学工業,機械工業,輸送機器などの構造材(例えば,大形蒸気ター

ビン翼,船舶用スクリュー,自動車用部品,医療機器)などに用いる。

60E 種

TAF 6400 E

α-β 合金[Ti-6Al-4V ELI

a)

高強度で耐食性に優れ,極低温までじん(靱)性を保つ。低温及び極
低温にも使える構造材。

例えば,有人深海調査船の耐圧容器,医療機器などに用いる。

61 種 TAF

3250

α-β 合金(Ti-3Al-2.5V) 
中強度で耐食性,溶接性及び成形性が良く,冷間加工性に優れる。

医療機器,レジャー用品などに用いる。

61F 種

TAF 3250 F

α-β 合金(切削性の良い Ti-3Al-2.5V) 
中強度で,耐食性及び熱間加工性が良く,切削性に優れる。

自動車部品,レジャー用品(例えば,自動車用エンジンコンロッド,

シフトノブ,ナット)などに用いる。

80 種

b)

 TAF

4220

β 合金(Ti-4Al-22V) 
高強度で耐食性に優れ,冷間加工性が良い。 
自動車部品,レジャー用品(例えば,自動車用エンジンリテーナー,

ばね,ボルト,ナット,ゴルフクラブのヘッド)などに用いる。

注記  特色及び用途例の欄に記載している合金の表示(括弧内)で,元素記号の前の数字は,それぞれの合金元素

の成分比率(%)の公称値を示す。

a)

 ELI は,酸素,窒素,水素及び鉄の含有量を 60 種に対して低く抑えていることを示す。

b)

 80 種は,溶体化処理を行った鍛造品だけについて適用する。

なお,80 種の溶体化処理とは,室温で安定な α 相の一部又は全部が β 相に変態する温度以上に加熱して十

分な時間保持した後,空冷又はそれ以上の速度で急冷する熱処理をいう。


3

H 4657

:2016

表 2−適用寸法 

単位  mm

種類

適用寸法[厚さ

a)

1∼3 種

b)

,11∼13 種

b)

8 以上  300 以下

4 種,14 種∼23 種,50 種 
60 種

c)

,60E 種

c)

8 以上  100 以下

61 種,61F 種,80 種 

a)

  厚さの部位は,受渡当事者間の協定による。

b)

  受渡当事者間の協定によって,適用寸法は 300 を超えてもよい。

c)

  受渡当事者間の協定によって,適用寸法は 100 を超えてもよい。

品質 

4.1 

外観 

鍛造品の外観に,使用上の有害な欠点があってはならない。使用上有害な欠点の判定基準及び欠点の処

置は,受渡当事者間の協定による。

4.2 

化学成分 

鍛造品の化学成分は,5.1 によって試験を行い,

表 の値を満足しなければならない。

表 3−化学成分 

単位  %

種類 N  C  H Fe

O Al V

Ru

Pd

Ta

Co

Cr

Ni

S La+

Ce+

Pr+

Nd

その他

a)

Ti

b)

個々  合計

1 種 0.03

以下

0.08

以下

0.013

以下

0.20

以下

0.15

以下

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

2 種 0.03

以下

0.08

以下

0.013

以下

0.25

以下

0.20

以下

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

3 種 0.05

以下

0.08

以下

0.013

以下

0.30

以下

0.30

以下

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

4 種 0.05

以下

0.08

以下

0.013

以下

0.50

以下

0.40

以下

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

11 種 0.03

以下

0.08

以下

0.013

以下

0.20

以下

0.15

以下

− 0.12

0.25

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

12 種 0.03

以下

0.08

以下

0.013

以下

0.25

以下

0.20

以下

− 0.12

0.25

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

13 種 0.05

以下

0.08

以下

0.013

以下

0.30

以下

0.30

以下

− 0.12

0.25

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

14 種 0.03

以下

0.08

以下

0.015

以下

0.30

以下

0.25

以下

− 0.02

0.04

0.01

0.02

− 0.10

0.20

0.35

0.55

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

15 種 0.05

以下

0.08

以下

0.015

以下

0.30

以下

0.35

以下

− 0.02

0.04

0.01

0.02

− 0.10

0.20

0.35

0.55

− 0.10

以下

0.40

以下

残部


4

H 4657

:2016

表 3−化学成分(続き) 

単位  %

種類 N  C  H Fe

O Al V

Ru

Pd

Ta

Co

Cr

Ni

S La+

Ce+

Pr+

Nd

その他

a)

Ti

b)

個々  合計

16 種 0.03

以下

0.08

以下

0.010

以下

0.15

以下

0.15

以下

− 4.00

6.00

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

17 種 0.03

以下

0.08

以下

0.015

以下

0.20

以下

0.18

以下

− 0.04

0.08

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

18 種 0.03

以下

0.08

以下

0.015

以下

0.30

以下

0.25

以下

− 0.04

0.08

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

19 種 0.03

以下

0.08

以下

0.015

以下

0.30

以下

0.25

以下

− 0.04

0.08

− 0.20

0.80

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

20 種 0.05

以下

0.08

以下

0.015

以下

0.30

以下

0.35

以下

− 0.04

0.08

− 0.20

0.80

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

21 種 0.03

以下

0.08

以下

0.015

以下

0.20

以下

0.10

以下

− 0.04

0.06

− 0.40

0.60

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

22 種 0.03

以下

0.08

以下

0.015

以下

0.30

以下

0.15

以下

− 0.04

0.06

− 0.40

0.60

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

23 種 0.05

以下

0.08

以下

0.015

以下

0.30

以下

0.25

以下

− 0.04

0.06

− 0.40

0.60

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

50 種 0.03

以下

0.08

以下

0.015

以下

0.30

以下

0.25

以下

1.00

2.00

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

60 種 0.05

以下

0.08

以下

0.015

以下

0.40

以下

0.20

以下

5.50

6.75

3.50

4.50

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

60E 種 0.03

以下

0.08

以下

0.012 5

以下

0.25

以下

0.13

以下

5.50

6.50

3.50

4.50

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

61 種 0.03

以下

0.08

以下

0.015

以下

0.25

以下

0.15

以下

2.50

3.50

2.00

3.00

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

61F 種 0.05

以下

0.10

以下

0.015

以下

0.30

以下

0.20

以下

2.70

3.50

1.60

3.40

− 0.05

0.20

0.05

0.70

0.10

以下

0.40

以下

残部

80 種 0.05

以下

0.10

以下

0.015

以下

1.00

以下

0.25

以下

3.50

4.50

20.0

23.0

− 0.10

以下

0.40

以下

残部

a)

  その他の成分とは,それぞれの種類において表中で成分値を規定していない化学成分及び表にない化学成分を

いう。受渡当事者間で協定する場合にだけ,分析する化学成分を決定し,適用する。

b)

  残部は,この表に規定された元素の分析値の合計を,100 から差し引いた値である。


5

H 4657

:2016

4.3 

機械的性質 

鍛造品の機械的性質(引張強さ,耐力,伸び及び絞り)は,5.2 によって試験を行い,

表 の値を満足し

なければならない。

表 4−機械的性質 

種類

厚さ

a)

mm

引張強さ

MPa

耐力

MPa

伸び

%

絞り

%

1 種

b)

8 以上 300 以下 270∼410 165 以上 27 以上

2 種

b)

 340∼510 215 以上 23 以上

3 種

b)

 480∼620 345 以上 18 以上

4 種 550∼750 485 以上 15 以上

11 種

b)

 270∼410 165 以上 27 以上

12 種

b)

 340∼510 215 以上 23 以上

13 種

b)

 480∼620 345 以上 18 以上

14 種 345 以上 275∼450 20 以上

15 種 450 以上 380∼550 18 以上

16 種 343∼481 216∼441 25 以上

17 種 240∼380 170 以上 24 以上

18 種 345∼515 275 以上 20 以上

19 種 345∼515 275 以上 20 以上

20 種 450∼590 380 以上 18 以上

21 種 275∼450 170 以上 24 以上

22 種 410∼530 275 以上 20 以上

23 種 483∼630 380 以上 18 以上

50 種 345 以上 215 以上 20 以上

60 種

c)

8 以上 100 以下 895 以上 825 以上 10 以上 25 以上

60E 種

c)

 825 以上 755 以上 10 以上 25 以上

61 種 620 以上 485 以上 15 以上 30 以上

61F 種

8 以上 25 未満 650 以上 600 以上 10 以上 25 以上

 25 以上 100 以下 650 以上 600 以上

8 以上 20 以上

80 種

8 以上 25 未満 640∼900 850 以下 10 以上 55 以上

 25 以上 100 以下 640∼900 850 以下

7 以上 45 以上

注記 1

MPa=1 N/mm

2

a)

  厚さの部位は,受渡当事者間の協定による。

b)

  厚さが 300 mm を超える鍛造品の機械的性質は,受渡当事者間の協定による。

c)

  厚さが 100 mm を超える鍛造品の機械的性質は,受渡当事者間の協定による。

4.4 

形状及び寸法 

形状及び寸法は,受渡当事者間の協定による。

試験 

5.1 

化学分析試験 

化学分析試験は,次による。

a)

化学成分の分析試験は,JIS H 1612JIS H 1614JIS H 1617JIS H 1619JIS H 1620JIS H 1621

JIS H 1622

JIS H 1624JIS H 1625JIS H 1626JIS H 1630JIS H 1631 又は JIS H 1632-2 のいず

れかによる。


6

H 4657

:2016

なお,これらの規格に規定されていない元素及び適用成分範囲を外れる元素の分析方法は,受渡当

事者間の協定による。

b)

化学分析試験の分析用試料のサンプリング方法は,次のいずれかによる。ただし,水素の分析試験の

分析用試料は,1)  による。

1)

鋳塊,仕上方法及び熱処理が同じ鍛造品を一組とし,その一組から任意に 1 個を抜き取った鍛造品

から,JIS H 1610 の箇条 8(チタン及びチタン合金の加工材のサンプリング方法)に従って採取す

る。

なお,分析用試料の採取位置及び採取数量は,受渡当事者間の協定による。

2)

鋳塊が同じ鍛造品を一組とし,鋳塊から,JIS H 1610 の箇条 7(チタン及びチタン合金鋳塊のサン

プリング方法)に従って採取する。

5.2 

引張試験 

引張試験は,次による。

a)

引張試験の方法は,JIS Z 2241 による。ただし,耐力の測定は,標点距離のひずみ速度を 0.000 05∼

0.000 12 s

1

とし,耐力を超えて引張強さの測定を行う場合には,クロスヘッド変位速度から推定され

るひずみ速度を,50 種,60 種,60E 種,61 種,61F 種及び 80 種は,0.001 7±0.000 7 s

1

,その他の種

類は,0.005 0±0.002 0 s

1

とする。

b)

引張試験の試験片は,鋳塊,仕上方法及び熱処理が同じ鍛造品を一組とし,その一組から任意に 1 個

を抜き取った鍛造品から採取する。

なお,引張試験の試験片の採取位置及び採取方向は,受渡当事者間の協定による。

c)

試験には,JIS Z 2241 に規定する 4 号試験片又は 10 号試験片を用いる。

なお,4 号試験片又は 10 号試験片が採取できない場合には,標点距離が

A

4

(ここで,A:試験片

の平行部の断面積)の試験片を用い,その形状は,受渡当事者間の協定による。

検査 

検査は,次による。

a)

検査の一般事項は,JIS H 0321 による。ただし,JIS H 0321 の 5.(化学成分)は,適用しない。

b)

鍛造品は,外観及び寸法を検査するとともに,箇条 によって試験を行い,箇条 の規定に適合しな

ければならない。

表示 

検査に合格した鍛造品は,1 製品ごと,1 束ごと又は 1 こん(梱)包ごとにラベルなどの適切な方法によ

って,次の事項を表示する。

a)

規格番号

b)

種類又はその記号

c)

寸法。寸法の表示は,受渡当事者間の協定による。

d)

製造番号

e)

製造業者名又はその略号