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H 4552 : 2000

1 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって,JIS H 4552 : 1991 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正では,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成,及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6207 : 1992, Nickel and nickel alloy

tube

及び ISO 9722 : 1992, Nickel and nickel alloys−Composition and forms of wrought products を基礎として用

いた。

この規格に従うことは,次に示す特許権の使用に該当するおそれがある。

発明の名称    耐腐蝕性ニッケル合金

有効期限日    平成 13 年(2001 年)6 月 26 日

なお,この記載は,上記に示す特許権の効力,範囲などに関して何ら修正を与えるものではない。上記

特許権の所有者は,日本工業標準調査会に対して,非差別的,かつ,合理的な条件で,いかなる者に対し

ても当該特許権の実施を許諾する意志があることを保証している。

この規格の一部が,上記に示す以外の技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許権,実用新案権,又

は出願公開後の実用新案登録出願に抵触する可能性がある。通商産業大臣及び日本工業標準調査会は,こ

のような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録

出願にかかわる確認について責任をもたない。

JIS H 4552

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)  U 字曲げ加工管

附属書 2(規定)  ニッケル及びニッケル合金のか(渦)流探傷試験方法


日本工業規格

JIS

 H

4552

 : 2000

ニッケル及びニッケル合金継目無管

Nickel and nickel alloy seamless pipes and tubes

序文  この規格は,1992 年に第 1 版として発行された ISO 6207, Nickel and nickel alloy tube 及び ISO 9722,

Nickel and nickel alloys

−Composition and forms of wrought products を元に対応する部分は技術的内容を変更

することなく作成した日本工業規格であるが,規定項目のうち U 字曲げ加工管及びニッケル及びニッケル

合金のか(渦)流探傷試験方法については,対応国際規格に規定されていない規定内容を附属書として追

加した。

なお,この規格で点線の下線をほどこしてある部分は,対応国際規格には規定されていない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,ビレット又は遠心力鋳造素管を展伸加工した断面が円形の,ニッケル及びニ

ッケル合金継目無管の一般配管,コンデンサ管・熱交換器管及び U 字曲げ加工管(以下,管という。

)に

ついて規定する。

備考1.  管とは,押出し,引抜きなどで継目なく製造されたもので,断面が円形で均一な肉厚の中空

の展伸製品をいう。

2.

この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 6207 : 1992

  Nickel and nickel alloy tube

ISO 9722 : 1992

  Nickel and nickel alloys−Composition and forms of wrought products

参考  この規格で規定する種類以外で,対応国際規格に規定されている種類については,次の規格に

規定されている。

JIS G 4903

  配管用継目無ニッケルクロム鉄合金管

JIS G 4904

  熱交換器用継目無ニッケルクロム鉄合金管

JIS G 7214

  継目無ニッケル合金管

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS G 1281

  ニッケルクロム鉄合金分析方法

JIS H 0321

  非鉄金属材料の検査通則

JIS H 1270

  ニッケル及びニッケル合金の分析方法通則

JIS H 1272

  ニッケル及びニッケル合金中の銅定量方法

JIS H 1273

  ニッケル及びニッケル合金中の鉄定量方法

JIS H 1274

  ニッケル及びニッケル合金中のマンガン定量方法

JIS H 1275

  ニッケル及びニッケル合金中の炭素定量方法


2

H 4552 : 2000

JIS H 1276

  ニッケル及びニッケル合金中のけい素定量方法

JIS H 1277

  ニッケル及びニッケル合金中の硫黄定量方法

JIS H 1278

  ニッケル及びニッケル合金中のりん定量方法

JIS H 1279

  ニッケル合金中のクロム定量方法

JIS H 1280

  ニッケル合金中のモリブデン定量方法

JIS H 1281

  ニッケル合金中のバナジウム定量方法

JIS H 1282

  ニッケル合金中のタングステン定量方法

JIS Z 2201

  金属材料引張試験片

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

3.

種類及び記号  管の種類及び記号は,表 による。合金の種類及び記号に関しては,合金番号又は合

金記号を使用する。

4.

品質

4.1

外観  管は,形状が正しく,仕上げ良好・均一で,使用上有害な欠点があってはならない。

備考  表面仕上げ状態は受渡当事者間の協定による。

4.2

化学成分  管の化学成分は,表 による。

4.3

機械的性質  管の機械的性質(引張強さ,耐力及び伸び)は,表 による。

4.4

押広げ性  焼なまし及び応力除去熱処理を行ったものは,6.3 の押広げ試験を行った場合に割れを生

じてはならない。


3

H

 4552 :

 20
00

表 1  種類及び記号

種類及び記号

参考

従来の種類及び記号  (JIS H 4552 : 1991)

合金番号

合金記号

種類

記号

用途例

NW2200 Ni99.0

常炭素ニッケル管 NNCT

NW2201 Ni99.0

・LC

低炭素ニッケル管 NLCT

水酸化ナトリウム製造装置,食品製造装置,薬品製造装置,電
子・電機部品など。

NW4400 NiCu30

ニッケル−銅合金管 NCuT

NW4402 NiCu30

・LC

給水加熱器,海水淡水化装置,製塩装置,原油蒸留塔など。

NW0001 NiMo30Fe5

NW0665 NiMo28

塩酸製造装置,尿素製造装置,エチレングリコール製造装置,
クロロプレンモノマー製造装置など。

NW0276 NiMo16Cr15Fe6W4

ニッケル−モリブデン−クロム合金管 NMCrT

NW6455 NiCr16Mo16Ti

NW6022 NiCr21Mo13Fe4W3

酸洗装置,公害防止装置,石油化学産業装置,合成繊維産業装
置など。

NW6007 NiCr22Fe20Mo6Cu2Nb

NW6985 NiCr22Fe20Mo7Cu2

りん酸製造装置,ふつ化水素酸製造装置,公害防止装置など。

NW6002 NiCr21Fe18Mo9

ニッケル−クロム−モリブデン−鉄合金管 NCrMFT

工業用炉,ガスタービンなど。


4

H

 4552 :

 20
00

表 2  化学成分及び密度

単位 %

種類及び記号

化学成分

合金番号

合金記号 Al

B

C

Co

Cr

Cu

Fe

Mn

Mo

Ni P

S

Si

Ti

W

その他

密度(参考)

Mg/m

3

NW2200 Ni99.0

99.0

8.9

0.15

0.2

0.4

0.3

0.010 0.3

NW2201 Ni99.0

・LC

99.0

8.9

0.02

0.2

0.4

0.3

0.010 0.3

NW4400 NiCu30

28.0

63.0

8.8

0.30

34.0

2.5

2.0

0.025 0.5

NW4402 NiCu30

・LC

28.0

63.0

8.8

0.04

34.0

2.5

2.0

0.025 0.5

NW0001 NiMo30Fe5

4.0

26.0

残部

V : 0.2

∼0.4

9.2

0.05

2.5

1.0

6.0

1.0

30.0

0.040 0.030 1.0

NW0665 NiMo28

26.0

残部

9.2

0.02

1.0

1.0

2.0

1.0

30.0

0.040 0.030 0.1

NW0276 NiMo16Cr15Fe6W4

14.5

4.0

15.0

残部

3.0

(

1

)

8.9

0.010

2.5

16.5

7.0

1.0

17.0

 0.040 0.030 0.08    4.5

NW6455 NiCr16Mo16Ti

14.0

14.0

残部

8.6

0.015

2.0

18.0

3.0

1.0

17.0

 0.040 0.030 0.08 0.7

NW6022 NiCr21Mo13Fe4W3

20.0

2.0

12.5

残部

2.5

V : 0.35

以下

8.7

0.015

2.5

22.5

6.0

0.5

14.5

 0.025 0.020 0.08    3.5

NW6007

NiCr22Fe20Mo6Cu2Nb

21.0

1.5

18.0

1.0

5.5

残部

(

2

)

Nb

+Ta : 1.7∼2.5

8.3

0.05

2.5

23.5

2.5

21.0

2.0

7.5

0.040 0.030 1.0

NW6985 NiCr22Fe20Mo7Cu2

21.0

1.5

18.0

6.0

残部

Nb

+Ta : 0.5 以下

8.3

0.015

5.0

23.5

2.5

21.0

1.0

8.0

0.040 0.030 1.0

1.5

NW6002 NiCr21Fe18Mo9

− 0.05

0.5

20.5

17.0

8.0

残部

0.2

8.2

0.010 0.15

2.5

23.0

20.0

1.0

10.0

 0.040 0.030 1.0

  1.0

(

1

) NW0276

は,0.35%以下の V を含有してもよい。

(

2

) NW6007

は,1.0%以下の W を含有してもよい。

備考1.  化学成分の数値が単一表示の場合は最大値である。ただし,Ni の場合は最小値である。

2. Co

の規定のあるもの以外は,最大 1.5%までの Co は,Ni として取り扱う。この場合,Co 含有率の表示は不要である。

3. Ni

の含有率が規定されているものについては,各規定元素の百分率をそれぞれ求めた後,その総計を 100 から引いて小数第二位以下を切り捨てた値をニッ

ケル含有率として採用する。

4.

密度は,平均値である。


5

H

 4552 :

 20
00

表 3  機械的性質

種類及び記号

合金番号

合金記号

質別

外径

mm

引張強さ

N/mm

2

0.2%

耐力

N/mm

2

伸び

%

許容応力

(R

F

)

N/mm

2

125

以下 380 以上 105 以上 35 以上 70

冷間加工後焼なまし

125

を超えるもの 380 以上 85 以上 40 以上 57

NW2200 Ni99.0

冷間加工後応力除去焼なまし

すべて 450 以上 275 以上 15 以上 113

125

以下 345 以上 85 以上 35 以上 57

冷間加工後焼なまし

125

を超えるもの 350 以上 70 以上 40 以上 47

NW2201 Ni99.0

−LC

冷間加工後応力除去焼なまし

すべて 410 以上 205 以上 15 以上 103

125

以下 480 以上(

3

) 190

以上 35 以上 120

冷間加工後焼なまし

125

を超えるもの 480 以上(

3

) 170

以上 35 以上 113

冷間加工後応力除去焼なまし

すべて 590 以上 380 以上 15 以上 148

NW4400 NiCu30

熱間加工後焼なまし

すべて 450 以上 155 以上 30 以上 103

NW4402 NiCu30

−LC

冷間加工後焼なまし

すべて 430 以上 160 以上 35 以上 107

NW0001 NiMo30Fe5

冷間加工後溶体化処理

すべて 690 以上 315 以上 40 以上 173

NW0665 NiMo28

冷間加工後溶体化処理

すべて 755 以上 350 以上 40 以上 189

NW0276 NiMo16Cr15W4

冷間加工後溶体化処理

すべて 690 以上 260 以上 40 以上 173

NW6455 NiMo16Cr16Ti

冷間加工後溶体化処理

すべて 690 以上 275 以上 40 以上 173

NW6022 NiCr21Mo14W3

熱間加工後焼なまし

すべて 690 以上 310 以上 45 以上 173

NW6007 NiCr22Fe20Mo6Cu2Nb

冷間加工後溶体化処理

すべて 620 以上 240 以上 35 以上 155

NW6985 NiCr22Fe20Mo7Cu2

冷間加工後焼なまし

すべて 620 以上 240 以上 45 以上 155

NW6002 NiCr21Fe18Mo

冷間加工後溶体化処理

すべて 690 以上 275 以上 35 以上 173

(

3

)

高圧ガス取締法等の強制法規によって引用される製品に関しては,引張強さ485 N/mm

2

以上(旧 JIS H 4552 : 1991)を適用する。

備考  規定範囲外の寸法のものの機械的性質は,受渡当事者間の協定による。


6

H 4552 : 2000

4.5

非破壊検査特性  管は,6.4 のか(渦)流探傷試験又は 6.5 の水圧試験のいずれか一つの試験を行っ

た場合,有害な欠陥があってはならない。いずれによるかは,受渡当事者間の協定による。ただし 6.4 

か流探傷試験を採用した場合の結果の判定は,

附属書 の 5.4 に従って,受渡当事者間で協議する。

5.

寸法及びその許容差

5.1

寸法の指定  管の寸法は,外径又は内径のいずれかと,肉厚及び長さを指定するものとする。

5.2

寸法範囲  寸法範囲は,管の用途別に一般配管用(冷間加工管及び熱間加工管),コンデンサ管及び

熱交換器管(冷間加工管)及び U 字曲げ加工管(冷間加工管)のそれぞれについて,次に規定する。

a)

一般配管

1)

冷間加工管  外径 4mm∼240mm とする。

2)

熱間加工管  外径 38mm∼240mm とする。

b)

コンデンサ管及び熱交換器管  冷間加工管で肉厚 5mm 以下で最大外径 30mm とする。

c)

U

字曲げ加工管  冷間加工管で外径 26mm 以下とし,寸法及び最小曲げ半径を表 に規定する。ただ

し,受渡当事者間の協定によって

附属書 の 1.a)に規定する値を使用してもよい。この場合は,曲げ

部の寸法許容差及び曲げ管の長さの許容差についても

附属書 に従って製造しなければならない。

表 4  最小曲げ半径及び管の寸法

単位 mm

最小曲げ径(

4

)

外径

平均肉厚

焼なまし状態

応力除去状態

1.1

以上 1.5 以下 30

31

 13

以下

1.5

を超え 3.1 以下 25

28

0.9

以上 1.5 以下 30

31

13

を超え 16 以下

1.5

を超え 3.1 以下 25

30

1.2

以上 1.5 以下 31

38

16

を超え 20 以下

1.5

を超え 2.8 以下 30

31

1.2

以上 1.5 以下 50

65

20

を超え 26 以下

1.5

を超え 2.8 以下 44

57

(

4

)

最小肉厚指定の管では,最初に表の許容差から相当する平均肉厚を計算し,本表

から最小曲げ半径を決める。

5.3

寸法の許容差

5.3.1

外径及び肉厚の寸法許容差

a)

冷間加工管の外径と肉厚の寸法許容差は,次に示すものを除いて

表 による。肉厚の許容差は公称肉

厚と最小肉厚の両方に対して規定されている。製品仕様に基づいて適宜選択する。

1)

外径 115mm を超える厚肉管は,平均外径が

表 の許容差の 2 倍を超えてはならない。

2)

薄肉管は,平均外径が

表 の許容差を超えず,かつ,個々の測定値が公称外径の 0.5%までの許容差

を超えてはならない。


7

H 4552 : 2000

表 5  冷間加工管の外径及び肉厚の許容差

公称外径

mm

外径許容差

mm

公称肉厚許容差

%

最小肉厚許容差

%

4

を超え 16 以下

±0.19

±12.0

+25,   −0

16

を超え 38 以下

±0.20

±10

+22,   −0

38

を超え 90 以下

±0.25

±10

+22,   −0

90

を超え 115 以下

±0.40

±10

+22,   −0

115

を超え 150 以下

±0.50

±12.5

+25,   −0

150

を超え 170 以下

±0.60

±12.5

+25,   −0

170

を超え 210 以下

±0.70

±12.5

+25,   −0

210

を超え 240 以下

±0.90

±12.5

+25,   −0

b)

熱間加工管の外径と肉厚の寸法許容差は,外径 115mm を超えるものを除いて

表 による。外径 115mm

を超えるものは,平均外径が

表 の許容差を超えず,かつ,個々の測定値が表 の許容差の 2 倍を超

えてはならない。最小肉厚で規定されるときは,その許容差は規定された最小肉厚の+28.5/0%とする。

内径又は外径が機械加工される場合は,機械加工面の寸法許容差は,外径:+0.8/0mm,内径:0/−1.6mm

とする。

表 6  熱間加工管の外径及び肉厚の許容差

公称外径

mm

外径許容差

mm

公称肉厚許容差

%

38

を超え 50 以下

±0.6

±12.5

50

を超え 60 以下

±0.7

±12.5

60

を超え 140 以下

±0.8

±12.5

140

を超え 240 以下

±1.2

±12.5

5.3.2

管の長さの許容差  管の長さの許容差は,表 による。

表 7  管の長さの許容差

単位 mm

許容差

長さ                                      外径

25

以下 25 を超え 55 以下

  600

以下

+2

0

+3

0

 600

を超え 1 800 以下

+3

0

+3

0

1800

を超え 4 200 以下

+6

0

+6

0

4200

を超え 9 000 以下

+10

0

+10

0

備考  規定範囲外の寸法のものの許容差は,受渡当事者間の協定による。

5.3.3

U

字曲げ加工管の寸法許容差  U 字曲げ加工管の寸法許容差を,次に規定する。ただし,受渡当事

者間の協定によって

附属書 表 及び附属書 表 に示す寸法許容差を使用してもよい。附属書 に示す

寸法許容差に従う場合は,

附属書 に規定する他の項目についても満足していなければならない。

a)

直管部と曲げ部の接点で測定される直管部の間隔(2r−外径,r:曲げ半径)の許容差は,

表 による。


8

H 4552 : 2000

表 8  字曲げ加工管の直管部の間隔の許容差

単位 mm

曲げ半径の中央線(r)

許容差

 500

以下

±1.5

500

を超え 750 以下

±2.5

750

を超え 1 000 以下

±3.5

b)  U

曲げ部の外径の許容差は,曲げの接点を含む曲げ部の任意の断面における最小及び最大外径が,曲

げ前の公称径の 10%を超えないこととする。

c)

U

曲げ部の頂点における肉厚は,次に示す計算式で求められる値を下回ってはならない。ただし,発

注者より要求のある場合は,製品と同じ曲げスケジュールの代表サンプルを用いて,その頂点で切り

開き,肉厚を測定し,計算値と比較することによって確認する。

D

r

r

d

t

f

+

=

2

)

2

(

ここに,

t

f

:  曲げ後の肉厚 (mm)

t

:  曲げ前の最小許容肉厚 (mm)

r

:  曲げ半径 (mm)

D

:  公称外径 (mm)

d)

  U

字曲げ加工管の直管部の長さ(曲げの接点から管端までの直管部の長さ)の許容差は,

表 による。

なお,直管部の長さの差は,4mm を超えてはならない。

表 9  字曲げ加工管の直管部の長さの許容差

単位 mm

直管部長さ

寸法許容差

 7

000

以下

+4

0

7000

を超え 10 000 以下

+5

0

10 000

を超え 19 000 以下

+7

0

19 000

を超えるもの

+10

0

e)

U

字曲げ加工管の管端の直角度は,

表 10 による。

表 10  管端直角度の許容差

単位 mm

外径

寸法許容差

16

以下 0.3

16

を超えるもの 0.5

6.

試験

6.1

分析試験  化学成分の分析試験は,次のいずれかによる。ただし,アルミニウム,チタン,コバル

ト,ニオブ及びタンタル並びに,NW6007 及び NW6985 の銅の分析試験は,受渡当事者間の協定による。

JIS G 1281

JIS H 1270JIS H 1272JIS H 1273JIS H 1274JIS H 1275JIS H 1276JIS H 1277

JIS H 1278

JIS H 1279JIS H 1280JIS H 1281JIS H 1282

6.2

引張試験  引張試験は,JIS Z 2241 よる。この場合の試験片は,JIS Z 2201 の 11 号試験片を用いる

か,11 号試験片を用いることができない場合は 12 号試験片とする。


9

H 4552 : 2000

なお,試験片については受渡当事者間の協定によることができる。

6.3

押広げ試験  押広げ試験は,管の端から適切な長さに切り取った試験片の一端に,頂角 60°の円す

い形の矢を押し込んで,外径の 1.3 倍に押し広げて行う。

6.4

か流探傷試験  か流探傷試験は,附属書 によるか,又は受渡当事者間の協定による。附属書 

よる場合の対比欠陥の大きさは,

表 11 による。

表 11  対比欠陥の大きさ

単位 mm

管の外径

ドリル孔径

15

以上 20 以下 0.8

20

を超え 30 以下 0.9

30

を超え 40 以下 1.1

40

を超え 55 以下 1.3

6.5

水圧試験  水圧試験は,次による。

a)

外径 4mm 以上,肉厚 0.4mm 以上の管は,製造業者が 7 MPa の内部水圧で試験を行う。ただし,次の

式で逆算した応力が

表 に示す許容応力を超えない場合とする。

水圧試験圧力 P (MPa)  は,次の式で計算する。

D

t

R

P

F

min

2

=

ここに,

R

F

:  許容応力 (N/mm

2

)

表 に材質ごとに示す。

t

min

:  最小肉厚 (mm) で,公称肉厚から最小肉厚許容差を引いた

値(

表 参照),又は最小肉厚。

D

:  管の外径 (mm)

b)

受渡当事者間の協定によって,1.5 倍の許容応力で試験を行ってもよい。

c)

応力除去状態で管端を焼なましするコンデンサ管及び熱交換器管は,管端の焼なまし前に水圧試験を

実施しなければならない。

d)

発注者が要求すれば,コンデンサ管及び熱交換器管の U 字曲げ加工管の水圧試験は,曲げ加工後に行

ってもよい。この場合,曲げ加工前の直管での水圧試験は実施しなくてよい。

7.

検査  検査は,次による。

a)

管は,外観・寸法を検査するとともに 6.によって試験を行い,4.及び 5.の規定に適合したものを合格

とする。

b)

か流探傷試験又は水圧試験は,全数について行う。

c)

引張試験及び押広げ試験の供試材は,同一断面寸法で同一溶解及び同一熱処理条件ごとに 1 個取り,

試験片を作る。

ただし,抜取り方法を採用する場合には,受渡当事者間の協定によることができる。

d)

その他の一般事項は,JIS H 0321 による。

8.

表示  管は,1 製品ごと,1 束ごと又は 1 包装ごとに適切な方法によって,次に示す事項又は受渡当事

者間の協定によって指定された事項を表示しなければならない。

a)

合金番号又は合金記号

b)

寸法


10

H 4552 : 2000

c)

製造番号

d)

製造業者名又はその略号


11

H 4552 : 2000

附属書 1(規定)  字曲げ加工管 

1.

適用範囲  この附属書は,U 字曲げ加工管の製造方法について規定する。

2.

製造方法  製造方法は,次による(附属書 図参照)。

a)

U

字曲げ加工管は,冷間曲げ加工によって製造し,その曲げ半径は,管の外径の 1.5 倍以上とする。

b)

曲げ部の熱処理は,原則として行わない。ただし,注文者からの要求がある場合は,熱処理について

協定することができる。

c)

曲げ部には,使用上有害な欠点があってはならない。

附属書 図  字曲げ加工管の各部呼び名 

備考  この附属書の U 字曲げ加工管の製造法は,受渡当事者間の協定によって適用し,製造業者が実

施する。

3.

寸法の許容差  曲げ部の寸法の許容差は,附属書 表 に,曲げ後の長さの許容差は附属書 表 

よる。

備考  曲げ後の寸法測定は,同一時期に曲げ加工を行った同一寸法の管のうち,最小曲げ半径のもの

から供試材を 1 本採取し,曲げ部の 90°位置における円周 2 方向の外径と円周 4 点の厚さを測

定して,外径変動率及び厚さ減少率を求める。

附属書 表 1  曲げ部の寸法許容差

外径変化率

%

100

1

×

n

n

D

D

D

短径側

長径側

厚さ減少率

%

100

1

×

n

n

t

t

t

ピッチ  (p)  又は

P

の許容差

mm

以下

100

4

×

R

D

n

ただし,

最小値 0.5mm

以下

100

8

×

R

D

n

ただし,

最小値 0.5mm

以下

100

2.5

×

R

D

n

±1.5


12

H 4552 : 2000

附属書 表 2  曲げ管の長さの許容差

長さの区分

長さ(又は L)の許容差 mm

曲げ後の直管部の長さ 7m 以下

+7

0

曲げ後の直管部の長さ 7m を超えるもの

+10

0


13

H 4552 : 2000

附属書 2(規定) 

ニッケル及びニッケル合金のか(渦)流探傷試験方法

1.

適用範囲  この附属書は,ニッケル及びニッケル合金管のきずを検出するか流探傷試験(以下,試験

という。

)方法について規定する。

備考1.  管の適用範囲は,外径15∼55mm,肉厚0.8∼6.0mm とする。

2.

試験は,貫通形コイル(以下,コイルという。

)を用い,使用する周波数は,1∼1 024kHz の

範囲とする。

2.

定義  この附属書で用いる主な用語の定義を,次に示す。

a)

貫通型コイル  管を取り巻く円筒形のコイル。

b)

試験周波数  コイルに与える交流の周波数。

c)

磁気飽和  管の磁性の不均一によって生じる雑音を抑制するため,管を直流で飽和まで磁化させた状

態。

d)

位相角  信号電圧と基準とする信号電圧(一般には発振器出力電圧)の位相差。

3.

試験装置

3.1

一般事項  一般事項は,次による。

a)

試験装置は,管の種類,質別,寸法,表面状況及びきずの性状に応じ,適切な感度で再現性よく試験

できるものでなくてはならない。また,試験に際して,管に機械的損傷を与えるものであってはなら

ない。

b)

試験装置の構成は,探傷器,送り装置(コイル保持台を含む。

)及び磁気飽和装置を主体として構成さ

れる

3.2

探傷器  探傷器は,次による。

a)

探傷器は,欠陥を検出するコイル,コイルに交流を与える発振装置及びきずを指示する電気装置から

なる。

b)

コイルは,管の電気的特性の変化を検出できるものでなくてはならない。

c)

探傷器は,周囲の温度変化,外部からの電気的雑音及び電源変動に対して,長期間安定に作動しなく

てはならない。

3.3

送り装置  送り装置(コイル保持台を含む。)は,管及びコイルに,試験に有害な振動を与えること

なく,管を所定の均一な速度でコイル中を送るものでなくてはならない。

3.4

磁気飽和装置  磁気飽和装置は,試験に必要な磁化を連続して管の試験しようとする部分に与える

ことができるものでなくてはならない。ただし,この装置は,NW2200(旧合金名:常炭素ニッケル管)

NW2201

(旧合金名:低炭素ニッケル管)

,NW4400(旧合金名:ニッケル−銅合金管)及び NW4402 に限

って使用する。


14

H 4552 : 2000

4.

対比試験片

4.1

対比試験片(以下,試験片という。

)は,試験装置の感度及びその他の設定条件の調整又は点検に使

用する。

なお,試験片は,管と同一の種類,質別,寸法及び表面状態のものを用いる。

4.2

人工きずの形状  人工きずの形状は,次による。

a)

人工きずは,対比試験片の管軸に対し直角にあけたドリル孔とする。

b)

ドリル孔径の大きさは,管の外径に応じて定められたものを用いる。

c)

ドリル孔径の寸法許容差は,±0.05mm とする。

4.3

試験片のドリル孔  試験片のドリル孔は,管の長さ方向に 3 個とし,それぞれの間隔及び管端から

の距離は,試験速度に従って,信号の分離が十分に可能なようにとる。

5.

試験方法

5.1

試験する時期  試験は,最終熱処理前の加工のままの状態,又は最終熱処理後の状態で行う。

5.2

試験の準備  試験の準備は,次による。

a)

試験装置に通電し,装置が安定した後,試験条件の調整及び試験を始めなければならない。

b)

対比試験片は,4.に定められたものを用いる。

c)

送り装置は,3.3 に示すとおりの状態に調整する。

d)

コイルは,対比試験片の人工きずが検出される寸法のものを使用する。

なお,NW2200(旧合金名:常炭素ニッケル管)

,NW2201(旧合金名:低炭素ニッケル管)

,NW4400

(旧合金名:ニッケル−銅合金管)及び NW4402 の場合は,磁気飽和後,試験を行う。

e)

周波数は,対比試験片の人工きずが検出されるよう,

備考 2.に定められた範囲で選択する。

f)

位相角が変えられる探傷器では,対比試験片の人工きずが検出されるような位相角に調整する。

5.3

試験の手順  試験の手順は,次による。

a)

対比試験片を試験速度でコイル中を通過させ,3 個の対比試験片の人工きずをすべて検出できるよう

に,試験装置の感度を調整する。

b)

連続試験の場合は,少なくとも 4 時間ごとに,対比試験片を用いて,装置の状態を点検する。

c)

試験中に装置の異常を発見した場合は,再調整する。

なお,異常期間中に通過した管は,すべて再試験する。

5.4

結果の判定  対比試験片の人工きずからの信号と同等以上の信号が検出されない管は,合格とする。

対比試験片の人工きずからの信号と同等以上の信号が検出された管について,目視検査及び信号の発生状

況によって,次によるものであることが認められ,かつ,有害でないと判断された場合は,合格としてよ

い。

a)

きょう(矯)正マーク

b)

すりきず

c)

ちゅう(抽)伸によるびびり

d)

その他類似のきず


15

H 4552 : 2000

ニッケル及びニッケル合金製品工業標準原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

神  尾  彰  彦

東京工業大学工学部

後  藤  敬  一

通商産業省基礎産業局

天  野      徹

工業技術院標準部

村  田  祐  滋

東京都立工業技術センター金属部

竹  内  孝  夫

科学技術庁金属材料技術研究所

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会国際整合化規格室

太  田  裕  二

社団法人日本銅センター技術部

大  屋  武  夫

ステンレス協会

佐  藤  秀  樹

社団法人日本電子材料工業会技術部

稲  垣  勝  彦

日本鉱業協会技術部

赤  峰  淳  一

社団法人日本電機工業会技術部

篠  原      侑

社団法人日本ガス石油機器工業会技術部

山  添  哲  郎

通信機械工業会技術部

村  岡  良  三

社団法人日本自動車部品工業会技術部

山  下  満  男

富士電機株式会社生産技術研究所

安  井      毅

株式会社東芝材料部品事業部開発技術部

田  中  尚  生

三菱マテリアル株式会社桶川製作所

恒  原  正  明

古河電気工業株式会社金属事業本部

菅  沼  輝  夫

日鉱金属株式会社倉見工場

大  関  哲  雄

大木伸銅工業株式会社技術部

中  島  安  啓

株式会社神戸製綱所アルミ・銅事業本部

田部井  和  彦

三菱マテリアル株式会社桶川製作所技術管理室

岡  村  明  人

三菱伸銅株式会社若松製作所

(関係者)

岡          勉

三菱マテリアル株式会社桶川製作所技術管理室

宮  崎  正  明

山陽特殊製鋼株式会社技術企画部

遠  北  正  和

住友金属鉱山株式会社金属加工事業部

中  村  恭  之

住友特殊金属株式会社営業開発企画室

和  田  隆  光

財団法人日本規格協会技術部

相  馬  南海雄

日本伸銅協会総務部

(事務局)

藤  沢      裕

日本伸銅協会技術部