>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

日本工業規格

JIS

 H

4541

-1997

ジュメット線

Dumet wires

1.

適用範囲  この規格は,電子管,電球,放電ランプ及びダイオード,サーミスタなどの半導体デバイ

スの軟質ガラス封入部に用いるジュメット線(

1

)

(以下,線という。

)について規定する。

(

1

)

線は,鉄・ニッケル合金を心金とし,それに銅を被覆した複合線で,更に表面をオキシダイズ

仕上げ又はボレート仕上げしたものをいう。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS G 0303

  鋼材の検査通則

JIS G 1201

  鉄及び鋼の分析方法通則

JIS G 1211

  鉄及び鋼−炭素定量方法

JIS G 1212

  鉄及び鋼−けい素定量方法

JIS G 1213

  鉄及び鋼中のマンガン定量方法

JIS G 1214

  鉄及び鋼中のりん定量方法

JIS G 1215

  鉄及び鋼−硫黄定量方法

JIS G 1216

  鉄及び鋼−ニッケル定量方法

JIS G 1219

  鉄及び鋼−銅定量方法

JIS G 1253

  鉄及び鋼−スパーク放電発光分光分析方法

JIS G 1256

  鉄及び鋼−蛍光 X 線分析方法

JIS G 1257

  鉄及び鋼−原子吸光分析方法

JIS G 1258

  鋼の誘導結合プラズマ発光分光分析方法

JIS H 1271

  ニッケル銅合金分析方法

JIS H 1272

  ニッケル及びニッケル合金鋳物中の銅定量方法

JIS H 3100

  銅及び銅合金の板及び条

JIS H 3300

  銅及び銅合金継目無管

JIS H 3510

  電子管用無酸素銅の板,条,継目無管,棒及び線

JIS Z 2201

  金属材料引張試験片

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法


2

H 4541-1997

2.

種類及び記号  線の種類及び記号は,表 のとおりとする。

表 1  種類及び記号

参考

種類

記号

用途例

ジュメット線 1 種 1 DW1-1

ジュメット線 1 種 2 DW1-2

電子管,電球,放電ランプなどの管球類

ジュメット線 2 種 DW2  ダイオード,サーミスタなどの半導体デバイス類

3.

品質

3.1

外観  線の外観は,6.1 によって試験を行ったとき,表面が滑らかで,心金露出,きず,割れ,変色

などの使用上有害な欠陥がなく,さらに仕上げが均一でなければならない。

3.2

化学成分  心金の化学成分は,表 による。

表 2  心金の化学成分

心金の化学成分

% (m/m)

種類

記号

Ni

(

2

)

 C  Mn  Si  S  P

Fe

ジュメット線 1 種 1 DW1-1

41.0

∼43.0 0.10 以下

0.75

∼1.25

0.30

以下

0.02

以下 0.02 以下

残部

ジュメット線 1 種 2

DW1-2

ジュメット線 2 種 DW2

46.0

∼48.0 0.10 以下

0.20

∼1.25

0.30

以下

0.02

以下 0.02 以下

残部

(

2

) Ni

中の Co は,Ni 成分として取り扱う。

参考  心金の平均線膨張係数は,ジュメット線 1 種が 45×10

7

∼60×10

7

/

℃ (30∼300℃),2 種が 72×10

7

∼82

×10

7

/

℃ (30∼300℃)  である。

3.3

銅比率  線の銅比率は,6.3 によって試験を行ったとき,表 に適合しなければならない。ただし,

特殊な用途に用いる線については,その銅比率を受渡当事者間の協定によることができる。

表 3  銅比率

参考

平均線膨張係数  (×10

7

/

℃)

種類

記号

銅比率

% (m/m)

軸方向

半径方向

ジュメット線 1 種 1 DW1-1

20

∼25 55∼65 79∼86

ジュメット線 1 種 2 DW1-2

23

∼28 55∼65 83∼89

ジュメット線 2 種 DW2

13

∼20 80∼95 90∼97

備考  参考の平均線膨張係数は,30∼380℃の温度範囲における値を示す。

3.4

断面の形状  線の断面の形状は,6.4 によって試験を行ったとき,被覆銅層にはく離がなく,被覆銅

層及び心金にきず,割れその他の使用上有害な欠陥がなく,さらに偏肉比は 2.5 以下でなければならない。

ただし,受渡当事者間の協定によってグロー放電による空気漏れでこれに替えることができる。

3.5

機械的性質  線の機械的性質(引張強さ・伸び)は,6.5 によって試験を行ったとき,表 に適合し

なければならない。


3

H 4541-1997

表 4  機械的性質

種類

質別

記号

引張強さ

MPa

伸び

%

O1

DW1-1-O1 15

以上

ジュメット線 1 種 1

O2

DW1-1-O2 20

以上

O1

DW1-2-O1 15

以上

ジュメット線 1 種 2

O2

DW1-2-O2 20

以上

O1

DW2-O1 15

以上

ジュメット線 2 種

O2

DW2-O2

640

以下

20

以上

備考  質別は加熱条件による。

3.6

仕上げ層の密着性  線の仕上げ層の密着性は,6.6 によって試験を行う。

線表面の仕上げ層面積の

4

1

以上が破損(

3

)

してはならない。

(

3

)

破損とは,銅素地が露出した状態をいう。

3.7

ガラス溶着性  線のガラス溶着性は,6.7 によって試験を行う。

線に起因するガラスの割れ,気泡,その他の使用上有害な欠陥を生じてはならない。

4.

線径の許容差  線径の許容差は,6.8 によって試験を行ったとき,表 に適合しなければならない。

表 5  線径の許容差

単位 mm

線径

許容差

 0.40

以下

±0.010

0.40

を超え 0.60 以下

±0.020

0.60

を超えるもの

±0.025

5.

製造方法  線は,表 に示す化学成分の心金を用い,これに JIS H 3100 の C1020, JIS H 3300 の C1020

又は JIS H 3510 の C1011 に示す化学成分の銅(

4

)

を密着被覆して複合線を形成する。その表面は,

表 に示

す仕上げのいずれかを行う。

(

4

)

銅の選択は,受渡当事者間の協定による。

表 6  仕上げ

名称

記号

内容

ボレート仕上げ P

亜酸化銅層とほう砂層を形成する。

オキシダイズ仕上げ

Q

亜酸化銅層だけを形成する。

6.

試験

6.1

外観試験  外観試験は,約 10 倍の拡大鏡によって線の表面状態を観察する。

6.2

分析試験  心金の化学成分の分析試験は,JIS G 0303 及び JIS G 1201 並びに次のいずれかによる。

JIS G 1211JIS G 1212JIS G 1213JIS G 1214JIS G 1215JIS G 1216JIS G 1253JIS G 1256,

JIS G 1257JIS G 1258

6.3

銅比率試験  線の銅比率試験は,線中の銅の質量を JIS G 1219JIS H 1271 又は JIS H 1272 によって

求め,銅除去前後の質量変化から式(1)によって算出する。

100

1

2

1

×

m

m

m

Cu

 (1)


4

H 4541-1997

ここに,  Cu:  線の銅比率 [% (m/m)] 

m

1

:  銅除去前の質量 (g)

m

2

:  銅除去後の質量 (g)

6.4

断面の形状試験  線の断面の形状試験は,線を線軸に対して垂直に切断し,樹脂などに埋め込み,

断面研磨して鏡面状態に仕上げて,倍率 50 倍以上の顕微鏡によって観察する。

なお,銅層の偏肉比は,式(2)によって算出する。

min

max

T

T

T

R

 (2)

ここに,

T

R

銅層の偏肉比

T

max

被覆銅の最大肉厚 (mm)

T

min

被覆銅の最小肉厚 (mm)

6.5

引張試験  引張試験は,JIS Z 2241 の規定による。試験片は,JIS Z 2201 の 4.1(9)(9 号試験片)の

9B

を用いる。

6.6

巻付け試験  巻付け試験は,線を表 の倍率の心径の丸棒に巻き付けた後,倍率約 10 倍の拡大鏡で

線表面の仕上げ層の破損状態を観察する。

表 7  巻き心径倍率

mm

巻き心径倍率

0.60

以下 5

0.60

を超えるもの 10

6.7

ガラス溶着試験  ガラス溶着試験は,線及び鉛ガラス管(30∼380℃の平均線膨張係数 90×10

7

∼100

×10

7

/

℃)を安定した熱源で,線径の約 2 倍以上の外径になるまで溶着し,ガラスの屈曲点温度以下に徐

冷し観察する。

6.8

寸法試験  寸法試験は,JIS B 7502 に規定するマイクロメータを用い,線軸に垂直な同一平面で互

いにほぼ直角な 2 方向の直径を測定し,その平均値を求める。

7.

検査  検査は,次のとおり行う。

(1)

試料は,一般に同一材料であり,かつ,同一製造単位のものを 1 ロットとして,1 ロットごとに抜き

取る。

(2)

線は,6.によって試験を行ったとき,3.の規定に合格しなければならない。

8.

包装  線は,線径によって次に示すように巻いて,湿気を吸収しないように適切な方法で包装する。

(1)

線径が 0.3mm 以下の線は,巻き心径 30mm 以上のスプール巻き。

(2)

線径が 0.3mm を超え 0.6mm 以下の線は,巻き心径 50mm 以上のスプール巻き。

(3)

線径が 0.6mm を超える線は,束巻き。

備考  これらによらない包装については,受渡当事者間の協定によることができる。

9.

表示  線は,1 スプールごと,1 束ごと又は 1 包装ごとに適切な方法によって,次の事項を表示しなけ

ればならない。ただし,受渡当事者間の協定によってその一部を省略してもよい。

(1)

種類又はその記号

(2)

質別


5

H 4541-1997

(3)

線径

(4)

長さ又は質量

(5)

仕上げ名称又はその記号

(6)

製造番号

(7)

製造年月日

(8)

製造業者名又はその略号

ジュメット線 JIS 原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

久  世      孝

東芝電子エンジニアリング株式会社

(委員)

中  島  一  郎

通商産業省機械情報産業局

天  野      徹

工業技術院標準部

佐  藤  充  典

科学技術庁金属材料技術研究所

林          明

松下電子工業株式会社

千  葉  正  寿

株式会社スタンレーいわき製作所

川  田      茂

東芝ライテック株式会社

工  藤  和  直

住友電気工業株式会社

岸  田  道  幸

東和電子株式会社

(事務局)

長谷川      実

社団法人日本電子材料工業会

佐  藤  秀  樹

社団法人日本電子材料工業会

(審議参加者)

廣  瀬  浩  二

工業技術院標準部

富  永      登

松下電子工業株式会社

鶴  丸  明  彦

株式会社スタンレーいわき製作所

後  藤  和  紀

社団法人日本電子材料工業会