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日本工業規格

JIS

 H

4311

-1993

一般工業用鉛及び鉛合金管

Lead and lead alloy tubes for common industries

1.

適用範囲  この規格は,押出製造した一般工業用に使用する鉛及び鉛合金管(以下,管という。)につ

いて規定する。

なお,水道用鉛管は,JIS H 4312 による。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS H 0321

  非鉄金属材料の検査通則

JIS H 1121

  鉛地金分析方法

JIS H 1123

  鉛地金の発光分光分析方法

JIS H 1501

  ホワイトメタル分析方法

JIS H 4312

  水道用ポリエチレンライニング鉛管

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

2.

種類及び記号  管の種類及び記号は,表 のとおりとする。

表 1  管の種類及び記号

参考

種類

記号

特色及び用途

工業用鉛管1 種 PbT-1 鉛が 99.9%以上の鉛管で,肉厚が厚く,化学工業用に適し,引張強さ 10.5N/mm

2

,伸び 60%

程度である。

工業用鉛管2 種 PbT-2 鉛が 99.60%以上の鉛管で,耐食性が良く加工性に優れ,肉厚が薄く,一般排水用に適し,

引張強さ 11.7N/mm

2

,伸び 55%程度である。

テルル鉛管 TPbT

テルルを微量添加した粒子分散強化合金鉛管で,肉厚は工業用鉛管 1 種と同じ鉛管。耐ク

リープ性に優れ,高温 (100∼150℃)  での使用ができ,化学工業用に適し,引張強さ

20.5N/mm

2

,伸び 50%程度である。

硬鉛管 4 種 HPbT4

アンチモンを 4%添加した合金鉛管で,常温から 120℃の使用領域においては,鉛合金とし

て高強度・高硬度を示し,化学工業用の装置類及び一般用の硬度を必要とする分野への適
用が可能で,引張強さ 25.5N/mm

2

,伸び 50%程度である。

硬鉛管 6 種 HPbT6

アンチモンを 6%添加した合金鉛板で,常温から 120℃の使用領域においては,鉛合金とし
て高強度・高硬度を示し,化学工業用の装置類及び一般用の硬度を必要とする分野への適
用が可能で,引張強さ 28.5N/mm

2

,伸び 50%程度である。

3.

品質

3.1

外観  管は,実用的に真円に近いものであって,かつ,使用上有害な欠陥があってはならない。

3.2

化学成分  管の化学成分は,表 及び表 による。


2

H 4311-1993

表 2  工業用鉛管 種,種及びテルル鉛管の化学成分

化学成分  %

種類

記号

Pb Te Sb

Sn

Cu

Ag

*

As

*

Zn

*

 Fe

*

 Bi

*

工業用鉛管 1 種 PbT-1

合計 0.10 以下

工業用鉛管 2 種 PbT-2

0.000 5

以下

*

合計 0.40 以下

テルル鉛管 TPbT

残部

0.015

∼0.025

合計 0.02 以下

*

これらの元素の分析は,特に指定のない限り行わない。 

表 3  硬鉛管 種及び 種の化学成分

化学成分  %

種類

記号

Pb

Sb Sn

,Cu,その他の不純物

*

硬鉛管 4 種 HPbT4

3.50

∼4.50

合計 0.40 以下

硬鉛管 6 種 HPbT6

残部

5.50

∼6.50

*

これらの元素の分析は,特に指定のない限り行わない。 

3.3

押広げ性  工業用鉛管 2 種は,6.2 の押広げ試験を行った場合,裂けきずを生じてはならない。

4.

寸法,質量及びその許容差

4.1

標準寸法及び質量  管の標準寸法及び質量は,表 4による。

表 4  工業用鉛管 種及びテルル鉛管の 

標準寸法及び質量

肉厚  mm

4.5

6.0

8.0

10.0

内径

mm

1m

の質量  kg

1

本の長さ

m

20 3.9

5.6

25 4.7

6.6

9.4

10

30 5.5

7.7 10.8 14.3

40 7.1

9.8 13.7 17.8

50 8.7 12.0 16.5 21.4

65 11.1 15.2 20.8 26.7

75 12.7 17.3 23.7 30.3

 3

90 15.1 20.5 27.9 35.6

100 16.8 22.7 30.8 39.2

 2

備考 1m の質量は,密度を 11.34g/cm

3

として算出し,小数点第 2 位を四
捨五入したものである。 


3

H 4311-1993

表 5  工業用鉛管 種の標準寸法及び質量

内径

mm

肉厚

mm

1

本の長さ

m

1m

の質量

kg

内径

mm

肉厚

mm

1

本の長さ

m

1m

の質量

kg

20

2.5

75

12.7

25

3.0

90

15.1

30

3.5 100

16.8

40

4.6 125

20.8

50

5.7 150

4.5

2

24.8

65

7.3

75

8.3

90

9.9

100

3.0 2

11.0

備考 1m の質量は,密度を 11.34g/cm

3

として算出し,小数点第 2 位

を四捨五入したものである。

表 6  硬鉛管 種及び 種の 

標準寸法及び質量

1m

の質量  kg

内径

mm

肉厚

mm

1

本の長さ

m

HPbT4

HPbT6

25 4.5

4.6

4.6

30 7.5

7.4

40

6

9.6 9.5

50 16.1

15.9

65 20.3

20.0

75

8

23.1 22.8

90 34.8

34.3

100

10

3

38.3 37.8

備考 1m の質量は,次の密度から算出

し,小数点第 2 位を四捨五入した

ものである。

HPbT4

  11.08g/cm

3

HPbT6

  10.93g/cm

3

4.2

寸法及び質量の許容差  管の寸法及び質量の許容差は,表 及び表 による。

表 7  鉛管 種,種及びテルル鉛管 

の寸法並びに質量の許容差

内径

mm

内径の許容差

mm

 30

未満

±0.5

30

以上

65

未満

±1.0

65

以上

100

未満

±1.5

100

以上

150

未満

±2.0

肉厚

mm

厚さの許容差

mm

長さの許容差

mm

質量の許容差

%

3.0

±0.3

4.5

∼ 6.0

±0.45

8.0

∼ 10.0

±0.6

+30

0

±3


4

H 4311-1993

表 8  硬鉛管 種及び 種の寸法 

並びに質量の許容差

内径

mm

内径の許容差

mm

 30

未満

±0.5

30

以上

65

未満

±1.0

65

以上

150

未満

±1.5

肉厚

mm

厚さの許容差

mm

長さの許容差

mm

質量の許容差

%

4.5

±0.4

6

±0.5

8

±0.6

10

±0.8

+30

0

±3

5.

製造方法  管は,押出製管機で製造しなければならない。

なお,テルル鉛管の場合の溶解温度及び注湯温度は,約 500℃以上とする。

6.

試験

6.1

化学分析試験  化学分析試験は,次による。

(1)

鉛管については,JIS H 1121 又は JIS H 1123 による。

(2)

テルル鉛管については,添加元素のテルルの分析は

附属書によって行い,その他の成分は JIS H 1121

による。

(3)

硬鉛管 4 種及び 6 種については,JIS H 1501 の規定によって Sb,MSn 及び Cu について分析を行う。

6.2

押広げ試験  押広げ試験は,試料を空間に手で保持,又はゴム板(厚さ約 5mm)上に立てて,木製

又は軽金属製丸矢の底部の径に至るまで管軸に沿って徐々に打ち込む。試料は,鉛管を適当な長さ(200∼

600mm)

に切り取る。丸矢は頂角 40°,底面の径は鉛管内径の 1.5 倍の円すい形とする。

7.

検査  検査は,JIS H 0321 によるほか,次による。

(1)

工業用鉛管 種及び 種  工業用鉛管 1 種及び 2 種は,外観,寸法及び質量を検査するとともに,工

業用鉛管 1 種は 6.1,工業用鉛管 2 種は 6.1 及び 6.2 によって試験を行い,3.及び 4.の規定に適合しな

ければならない。

(2)

テルル鉛管  テルル鉛管は,外観,寸法及び質量を検査するとともに,6.1 によって試験を行い,3.1

3.2

4.1 及び 4.2 の規定に適合しなければならない。

(3)

硬鉛管 種及び 種  硬鉛管 4 種及び 6 種は,外観,寸法及び質量を検査するとともに,6.1 によって

試験を行い,3.13.24.1 及び 4.2 の規定に適合しなければならない。

8.

表示  直管は 1 本又は一束ごとに,コイル状の管は 1 巻ごとに,適当な方法によって次の事項を表示

しなければならない。

(1)

種類又はその記号

(2)

寸法(内径×肉厚×長さ)及び質量(計算値)


5

H 4311-1993

(3)

製造番号

(4)

製造業者名又はその略号


6

H 4311-1993

附属書  鉛中のテルル定量方法

1.

適用範囲  この附属書は,鉛中のテルル定量方法について規定する。

2.

一般事項  分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050 及び JIS K 0121 による。

3.

定量方法  テルルの定量方法は,臭化物・メチルトリオクチルアンモニウムブロミド抽出原子吸光法

による。この方法は,テルル含有率 0.002% (m/m)  以上 0.03% (m/m)  以下の試料に適用する。

4.

臭化物・メチルトリオクチルアンモニウムロミド抽出原子吸光法

4.1

要旨  試料を硝酸で分解し,硫酸を加え,硫酸の白煙を発生させて硝酸を除去した後,臭化水素酸

を加え,生成するテルルの臭化物錯体をメチルトリオクチルアンモニウムブロミドを含む酢酸ブチルで抽

出し,原子吸光光度計を用いて有機相の吸光度を測定する。

4.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

硝酸 (12)

(2)

臭化水素酸 (32)

(3)

硫酸 (11)

(4)

洗浄液  水 550ml,臭化水素酸 120ml 及び硫酸 (1+1) 330ml を混合する。

(5)

硫酸ナトリウム(無水)

(6)

抽出溶媒  メチルトリオクチルアンモニウムクロリド 10ml を酢酸ブチルで希釈して 200ml とする。

この溶液を分液漏斗 (500ml) に移し入れ,臭化水素酸 (1+2) 200ml を加え,5 分間激しく振り混ぜた

後,水相を取り除く。再び,臭化水素酸 (1+2) 200ml を加えて,5 分間激しく振り混ぜた後,水相を

取り除き,有機相を抽出溶媒とする。

(7)

酢酸ブチル

(8)

標準テルル溶液 (5

µgTe/ml)    テルル[99.9% (m/m)  以上]0.500g をはかり取ってビーカー (200ml) に

移し入れ,時計皿で覆い,硝酸 10ml を加え,穏やかに加熱して分解した後,時計皿の下面及びビー

カーの内壁を水で洗浄して時計皿を取り除き,硫酸 (1+1) 40ml を加え,加熱して硫酸の白煙を発生

させる。室温まで放冷した後,水を少量ずつ加えて塩類を溶解する。溶液を 500ml の全量フラスコに

水を用いて移し入れ,常温まで冷却した後,水で標線まで薄めて原液 (1mgTe/ml) とする。この原液

を使用の都度,必要量だけ水で正しく 200 倍に薄めて標準テルル溶液とする。

4.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,1.0g とし,1mg のけたまではかる。

4.4

操作

4.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

(1)

試料をはかり取ってビーカー (200ml) に移し入れる。

(2)

時計皿で覆い,硝酸 (1+2) 15ml を加え,穏やかに加熱して分解する。時計皿の下面及びビーカーの

内壁を水で洗って時計皿を取り除く。硫酸 (1+1) 50ml を加え,加熱して蒸発し,硫酸の白煙を十分

に発生させる。室温まで放冷した後,ビーカーの内壁を少量の水で洗浄し,再び加熱して硫酸の白煙

を発生させる。

(3)

室温まで放冷した後,水 20ml を少量ずつ加える。溶液及び沈殿を 100ml の全量フラスコに水を用い


7

H 4311-1993

て移し入れ,常温まで冷却した後,水で標線まで薄めてよく振り混ぜ,静置して沈殿を沈降させる。

4.4.2

テルルの抽出  テルルの抽出は,次の手順によって行う。

(1)  4.1.1(3)

で得た溶液の上澄液 10.0ml を分液漏斗 (100ml) に分取し,

水を 10ml 及び臭化水素酸 (3+2)  を

正確に 10ml 加え,水で液量を 50ml とする。

(2)

抽出溶媒  [4.2(6)]  を正確に 10ml 加え,約 5 分間激しく振り混ぜる。静置して二相に分離した後,水

相を除去する。洗浄液  [4.2(4)]  を 50ml 加え,約 30 秒間激しく振り混ぜ,静置して二相に分離した後,

水相を除去する。

(3)

有機相を乾いたろ紙又は脱脂綿を通して,目盛付共栓試験管 (15∼20ml)  に移し入れ,酢酸ブチルを

加えて液量を正確に 10ml とする(

1

)

(

1

)

乾いたろ紙又は脱脂綿による脱水が不十分で,吸光度測定時のベースラインが不安定なときに

は,硫酸ナトリウム(無水)約1g を加えて脱水する。

4.4.3

吸光度の測定  4.4.2(3)で得た有機相の一部を,酢酸ブチルを用いて零点を調整した原子吸光光度

計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 214.3nm における吸光度を測定する。

4.5

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

4.6

検量線の作成  標準テルル溶液  [4.2(8)] 0∼6.0ml(テルルとして 0∼30

µg)を,あらかじめ水 10ml

を入れた数個の分液漏斗 (100ml) に段階的に加え,それぞれに硫酸 (1+1)  を 5ml 及び臭化水素酸 (3+2)

を正確に 10ml 加え,水でそれぞれの液量を 50ml とする。以下,4.4.2(2)4.4.3 の手順に従って試料と平

行して操作し,得た吸光度とテルル量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して

検量線とする。

4.7

計算  4.4.3 で得た吸光度から 4.5 で得た吸光度を差し引いて得られる吸光度と,4.6 で作成した検量

線とからテルル量を求め,試料中のテルル含有率を,次の式によって算出する。

100

100

10

%(m/m)

×

×

=

m

A

テルル

ここに,

A

:  分取した試料溶液中のテルル検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)


8

H 4311-1993

JIS H 4311

  原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

西  川  精  一

東京大学名誉教授

黒  木  勝  也

財団法人日本規格協会

服  部  幹  雄

通商産業省工業技術院標準部

古  賀  英  宜

通商産業省基礎産業局

榎  本  政  実

通商産業省基礎産業局

津  金  秀  幸

通商産業省工業技術院標準部

大  熊  敬  尚

財団法人日本規格協会

大  森  悟  郎

科学技術庁金属材料技術研究所

久保田  賢  二

日本鉛亜鉛需要研究会

佐々木      巌

全国管工事協同組合連合会

久  野  義  雄

斉久工業株式会社

鶴  田  利  行

硫酸協会

岡  井  正  孝

佐藤金属株式会社

宮  崎  正  巳

全国鉛管鉛板工業協同組合

菅  野  宗  敏

株式会社ニチエン化工

田  村  省  三

日東化工機株式会社

井  上  多喜男

合資会社井上金属工業所

湯  沢      誠

東京鉛株式会社

鈴  木  郁  夫

ヨシザワ LA 株式会社

(事務局)

矢  口  隆  一

全国鉛管鉛板工業協同組合