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H 2222:2006  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本マグネシウム

協会(JMA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS H 2222:2000は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 16220:2005,Magnesium and 

magnesium alloys−Magnesium alloy ingots and castingsを基礎として用いた。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願

に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特

許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責

任はもたない。 

JIS H 2222には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

H 2222:2006  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 種類及び記号 ·················································································································· 1 

4. 品質 ······························································································································ 2 

5. 分析試験 ························································································································ 2 

6. 検査 ······························································································································ 3 

7. 表示 ······························································································································ 3 

8. 報告 ······························································································································ 3 

附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 4 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 2222:2006 

ダイカスト用マグネシウム合金地金 

Magnesium alloy ingots for die castings 

序文 この規格は,2005年に第2版として発行されたISO 16220,Magnesium and magnesium alloys−

Magnesium alloy ingots and castingsを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧

表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。 

1. 適用範囲 この規格は,ダイカスト用のマグネシウム合金地金(以下,地金という。)について規定す

る。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 16220:2005,Magnesium and magnesium alloys−Magnesium alloy ingots and castings (MOD) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則 

JIS H 1332 マグネシウム及びマグネシウム合金中のアルミニウム定量方法 

JIS H 1333 マグネシウム及びマグネシウム合金中の亜鉛定量方法 

JIS H 1334 マグネシウム及びマグネシウム合金中のマンガン定量方法 

JIS H 1335 マグネシウム及びマグネシウム合金中のけい素定量方法 

JIS H 1336 マグネシウム及びマグネシウム合金中の銅定量方法 

JIS H 1337 マグネシウム及びマグネシウム合金中のニッケル定量方法 

JIS H 1338 マグネシウム及びマグネシウム合金中の鉄定量方法 

JIS H 1339 マグネシウム合金中のベリリウム定量方法 

3. 種類及び記号 地金の種類及び記号は,表1による。 

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H 2222:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 1 種類及び記号 

種類 

記号 

参考 

ISO相当合金 ASTM相当合金 

合金の特色 

ダイカスト用マグネシウム合金地金1種B MD1B MgAl9Zn1(B) AZ91B 

耐食性は1種Dよりやや劣る 
機械的性質に優れる。 

ダイカスト用マグネシウム合金地金1種D MD1D MgAl9Zn1(A) AZ91D 

耐食性に優れる。 
機械的性質に優れる。 

ダイカスト用マグネシウム合金地金2種B MD2B MgAl6Mn 

AM60B 

伸び及びじん性に優れる。 
鋳造性がやや劣る。 

ダイカスト用マグネシウム合金地金3種B MD3B MgAl4Si 

AS41B 

高温強度が良い。 
鋳造性がやや劣る。 

ダイカスト用マグネシウム合金地金4種 

MD4 

MgAl5Mn 

AM50A 

伸び及びじん性に優れる。 
鋳造性がやや劣る。 

ダイカスト用マグネシウム合金地金5種 

MD5 

MgAl2Mn 

AM20A 

伸び及びじん性に優れる。 
鋳造性がやや劣る。 

ダイカスト用マグネシウム合金地金6種 

MD6 

MgAl2Si 

AS21A 

高温特性に優れる。 
鋳造性がやや劣る。 

4. 品質 地金の品質は,次による。 

a) 地金は,使用上有害な表面の汚れ,異物などを含んではならない。 

b) 化学成分は,表2による。 

表 2 化学成分 

種類 

記号 

化学成分 %(質量分率) 

Mg 

Al 

Zn 

Mn 

Si 

Cu 

Ni 

Fe 

その他 
個々 

ダイカスト用マグネシウム
合金地金1種B 

MD1B 残部 

8.5 
〜9.5 

0.45 
〜0.9 

0.15 
〜0.40 

0.20 
以下 

0.25 
以下 

0.01 
以下 

0.03 
以下 

0.05 
以下 

ダイカスト用マグネシウム
合金地金1種D 

MD1D 残部 

8.5 
〜9.5 

0.45 
〜0.9 

0.17 
〜0.40 

0.08 
以下 

0.025 
以下 

0.001 
以下 

0.004 
以下 

0.01 
以下 

ダイカスト用マグネシウム
合金地金2種B 

MD2B 残部 

5.6 
〜6.4 

0.20 
以下 

0.26 
〜0.50 

0.08 
以下 

0.008 
以下 

0.001 
以下 

0.004 
以下 

0.01 
以下 

ダイカスト用マグネシウム
合金地金3種B 

MD3B 残部 

3.7 
〜4.8 

0.10 
以下 

0.35 
〜0.6 

0.60 
〜1.4 

0.015 
以下 

0.001 
以下 

0.0035 
以下 

0.01 
以下 

ダイカスト用マグネシウム
合金地金4種 

MD4 

残部 

4.5 
〜5.3 

0.20 
以下 

0.28 
〜0.50 

0.08 
以下 

0.008 
以下 

0.001 
以下 

0.004 
以下 

0.01 
以下 

ダイカスト用マグネシウム
合金地金5種 

MD5 

残部 

1.7 
〜2.5 

0.20 
以下 

0.35 
〜0.60 

0.05 
以下 

0.008 
以下 

0.001 
以下 

0.004 
以下 

0.01 
以下 

ダイカスト用マグネシウム
合金地金6種 

MD6 

残部 

1.9 
〜2.5 

0.20 
以下 

0.2 
〜0.6 

0.7 
〜1.2 

0.008 
以下 

0.001 
以下 

0.004  
以下 

0.01 
以下 

備考 

酸化防止のためには,ベリリウム(Be)の含有率を0.000 5〜0.001 5 %(質量分率)にすることが望

ましい。 

5. 分析試験 化学成分の分析試験は,次による。 

JIS H 1332,JIS H 1333,JIS H 1334,JIS H 1335,JIS H 1336,JIS H 1337,JIS H 1338,JIS H 1339 

なお,その他の不純物の分析試験において,該当する日本工業規格がない場合は,受渡当事者間の協定

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

による。 

6. 検査 検査は,次による。 

a) 一般事項は,JIS H 0321による。 

b) 分析試験に必要な試料を採取する方法は,受渡当事者間の協定による。 

c) 地金は,外観を検査するとともに,5.によって試験を行い,4.の規定に適合したものを合格とする。 

7. 表示 地金には,送り状又は1包装ごとに貼付ラベルなど適切な方法によって,次の事項を表示する。 

a) 規格番号及び種類又はその記号 

例1. JIS H 2222 MD1B 

b) 製造番号又は製造年月若しくはその略号 

c) 製造業者名又はその略号 

8. 報告 製造業者は,注文者からの要求がある場合は,分析試験の結果を提出しなければならない。 

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H 2222:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

JIS H 2222:2006 ダイカスト用マグネシウム合金地金 

ISO 16220:2005 マグネシウム及びマグネシウム合金−マグネシウム合金地金と
鋳物 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 
国際
規格
番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体 
 表示方法:点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1. 

適用範囲 
ダイカスト用いるマグネシウ
ム合金地金について規定。 

ISO 
16220 

適用範囲 
マグネシウム合金地金及
び鋳造品の化学組成及び
機械的性質を規定。 

MOD/削除 

ISO規格は,鋳物に関するす
べての種類のマグネシウム合
金について,化学組成及び機
械的性質を規定している。 
JISは,ISO規格のうちダイカ
スト用マグネシウム合金地金
だけを適用範囲としている。 

JISは,使用者の利便性を考慮し,
JIS H 2221(鋳物用地金),JIS H 2222
(ダイカスト用地金),JIS H 5203
(鋳物)及びJIS H 5303(ダイカス
ト)の4規格としている。 

2. 

引用規格 
JIS H 0321,JIS H 1332, 
JIS H 1333,JIS H 1334, 
JIS H 1335,JIS H 1336, 
JIS H 1337,JIS H 1338, 
JIS H 1339 

引用規格 
ISO 31-0,ISO 6506-1, 
ISO 6892, 
EN 1559-5, 
EN1753 

MOD/追加 

化学成分の分析に必要な試験
方法を規定するために,引用
規格を追加。 

ISO規格への提案について検討す
る。 

3. 

種類及び記号 
 材料を6種7種類に分類。 
 ISO規格品7種類。 

分類 
3.1 材料 
  材料を14種類に分類 
3.2 質別記号 
3.3 鋳造方法の表示記号 

MOD/削除 

JISは,ISO規格のダイカスト
用合金地金以外を削除。JIS
は,鋳造方法による区分をし
ていない。 
ISO規格の記号を参考として
記載している。 

JISの分類は,ISO規格のダイカスト
用合金地金と一致している。 

4

H

 2

2

2

2

2

0

0

6

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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H 2222:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 
国際
規格
番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容 
 表示箇所:本体 
 表示方法:点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

4. 

品質 
a) 表面の汚れ及び異物の混入
不可 

4.4 品質 
受渡当事者間の協定によ
る。 

MOD/追加  

JISとして必要な規定を追加。 
ISO規格への提案について検討す
る。 

b) 化学成分 
  7の種類ごとに規定。 
Beの含有量を備考で紹介。 

4.1 化学成分 
  14の種類ごとに規定。 

MOD/削除 JISは,ISO規格のダイカスト

用合金地金以外を削除。 

ISO規格のうち,ダイカスト用合金
地金の規定値とは,ほぼ一致してい
る。 

4.2 機械的性質 

なし。 

5. 

分析試験 
化学成分ごとに分析試験方法
を規定。 

試験方法 
(引張試験,硬さ試験) 

MOD/追加 JISは,分析方法について,

ISO規格はダイカストの機械
的性質(参考値)について規
定。 

JISとして必要な規定項目(分析方
法)を追加。 
 

6. 

検査 
分析試料採取方法,検査実施項
目について規定。 

4.3 試験頻度 
  EN 1559-5による。 

MOD/追加 JISは,分析試料採取方法,

検査項目について規程。 

機械的性質の試験法については,ダ
イカスト規格で規定。 

供試材の採取 
EN 1559-5による。 

機械的性質測定用試験片 

再検査:EN 1559-5によ
る。 

7. 

表示 

3.4 注文用名称 

MOD/追加 ISO規格は,製造個数,合金

種,質別記号,製造法を規定。 

JISとして必要な項目を追加。 
ISOへの提案について検討を行う。 

8. 

報告 

− 

MOD/追加  

JISとして必要な項目を追加。 
ISOへの提案について検討を行う。 
 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 

5

H

 2

2

2

2

2

0

0

6

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  ― MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  ― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  ― MOD…………… 国際規格を修正している。 

6

H

 2

2

2

2

2

0

0

6

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。