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H 2201:2015  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 種類及び記号 ··················································································································· 2 

5 製造······························································································································· 2 

6 注文情報························································································································· 2 

7 品質······························································································································· 3 

7.1 化学成分 ······················································································································ 3 

7.2 地金の形状 ··················································································································· 3 

7.3 地金の表面状態 ············································································································· 3 

8 サンプリング及び試料調製 ································································································· 3 

9 分析方法························································································································· 3 

10 表示 ····························································································································· 3 

11 報告 ····························································································································· 4 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5 

H 2201:2015  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本鉱業協会(JMIA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS H 2201:1999は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成28年3月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS H 2201:1999によることができる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 2201:2015 

ダイカスト用亜鉛合金地金 

Zinc alloy ingots for die casting 

序文 

この規格は,2006年に第2版として発行されたISO 301を基とし,技術的内容を変更して作成した日本

工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,ダイカスト用亜鉛合金地金(以下,地金という。)の種類及び記号,化学成分,表示並びに

その他の要求事項について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 301:2006,Zinc alloy ingots intended for castings(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS H 0301 非鉄金属地金のサンプリング,試料調製及び分析検査通則 

JIS H 1551 ダイカスト亜鉛合金分析方法 

JIS H 1560 ダイカスト亜鉛合金の光電測光法による発光分光分析方法 

JIS H 2107 亜鉛地金 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

地金(ingots) 

溶融した亜鉛合金を鋳造して得られる固体。 

3.2 

亜鉛合金(zinc alloys) 

アルミニウム,銅及びマグネシウムの合金元素を一つ以上添加した亜鉛。 

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H 2201:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.3 

鋳造(cast) 

溶融した亜鉛合金からジャンボ又はスラブの形状をした地金を製造する方法。 

3.4 

バッチ(batch) 

一回の鋳造から得られる複数の地金の総称。 

3.5 

ジャンボ(jumbo) 

機械装置によって取り扱うことが適切な大形地金。 

3.6 

スラブ(slab) 

一般的に人手による取扱いに適している小形地金。 

3.7 

バンドル(bundle) 

取扱い時,輸送時及び保管時の安全確保のために,主としてスラブをバンド掛けしたもの。 

種類及び記号 

地金は,表1のように標記・表示する。記号は,合金組成を表し,例えば,ZnAl4Cu1は,アルミニウ

ム(Al)を4 %及び銅(Cu)を1 %含む地金を表す。合金番号は,最初の2文字(ZL)で地金であること

を表し,数字の最初2文字でアルミニウム含有率,3番目の1文字で銅含有率,4番目の1文字で3番目に

高い合金元素の含有率(1 %未満の場合には,“0”と表示)を示す。 

表1−種類及び記号 

種類 

記号 

合金番号 

商品略称 

ダイカスト用 
亜鉛合金地金1種 

ZnAl4Cu1 

ZL0410 

ZL5 

ダイカスト用 
亜鉛合金地金2種 

ZnAl4 

ZL0400 

ZL3 

製造 

地金は,JIS H 2107に規定された最純亜鉛地金又は特種亜鉛地金,及びこれら2種類の地金と同等以上

の品質をもつ亜鉛に,必要な合金元素を加えて溶湯から鋳造によって製造する。 

注文情報 

購入者は製造業者に,照会又は注文によって次の情報を提供する。 

a) JIS番号 

b) 地金の種類,記号,合金番号又は商品略称(表1参照) 

c) ジャンボ又はスラブの全質量 

d) ジャンボの個々の質量,又はスラブをバンドルにしたものの個々の質量 

e) 特別な地金形状の要求の有無(7.2参照) 

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H 2201:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

f) 

検査成績書の要求の有無(箇条11参照) 

品質 

7.1 

化学成分 

地金は,表2に示す種類ごとに規定された化学成分を満たさなければならない。分析結果の表示につい

て,その分析値は表2で規定する最小桁に丸めて表示する。 

表2−化学成分 

単位 % 

種類 

Al 

Cu 

Mg 

Pb 

Cd 

Sn 

Fe 

Zn 

ダイカスト用亜鉛合金
地金1種 

3.9〜4.3 

0.75〜1.25 

0.03〜0.06 

0.003 

以下 

0.002 

以下 

0.001 

以下 

0.035 

以下 

残部 

ダイカスト用亜鉛合金
地金2種 

3.9〜4.3 

0.03以下 

0.03〜0.06 

0.003 

以下 

0.002 

以下 

0.001 

以下 

0.035 

以下 

残部 

7.2 

地金の形状 

地金の形状は,注文時に購入者と製造業者との間で形状について取り決めない限り,製造業者が決定す

る。 

7.3 

地金の表面状態 

地金の表面状態は,化学成分又は溶解後の溶湯品質に影響を及ぼさず,かつ,地金の取扱いに有害でな

いことを,目視によって判断する。具体的には製造業者と購入者との取り決めによる。 

サンプリング及び試料調製 

サンプリング及び試料調製は,JIS H 0301による。 

分析方法 

化学成分の分析試験は,JIS H 1551又はJIS H 1560による。これらの規格に規定されていない成分の分

析は,受渡当事者間の協定による。 

分析試験は,通常,製造業者が行う。ただし,購入者の要求があった場合には,製造業者と購入者とで

取り決めた分析機関で行う。 

10 表示 

ジャンボ及びバンドルは,製造業者と購入者とが他の方法で合意しない限り,次の情報を製品に表示す

るか,又は書類を添付する。 

a) 製造業者の名称又はその略号 

b) 必要に応じて,地金の種類を特定できる種類,記号,合金番号,商品略称(表1参照),又は購入者と

合意した識別記号 

c) 鋳造番号 

d) ジャンボ及びバンドルの質量 

H 2201:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

11 報告 

製造業者は,購入者からの要求がある場合には,出荷品ごとに検査成績書を提供しなければならない。

検査成績書は購入者との協議で合意した,次のa) 及び/又はb) とする。 

a) その出荷品を製造した特定の鋳造又はバッチにおいて得られた分析値による化学成分の成績書。 

b) その注文された出荷品に適合する成績書。この成績書には,次の情報を含んでいなければならない。 

1) 製造業者名及び住所 

2) 報告日 

3) 購入者名及び住所 

4) 購入者の注文番号 

5) 供給された商品及びその数量 

6) 地金の種類,記号,合金番号又は商品略称(表1参照) 

7) 製造業者の印又はサイン 

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H 2201:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS H 2201:2015 ダイカスト用亜鉛合金地金 

ISO 301:2006,Zinc alloy ingots intended for castings 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範
囲 

適用範囲 

削除 

液体状の亜鉛合金は,国内では
実用上必要ないため削除した。 

国内市場の状況に配慮。 

2 引用規
格 

3 用語及
び定義 

用語及び定義 

変更 
 
 
 
 
追加 

ISO規格では,鋳造は,連続鋳
造と非連続鋳造とに分けて定
義されていたが,国内では実用
上必要ないため鋳造として定
義した。 
国内で使用されているスラブ
を追加した。 

国内市場の状況に配慮。 

4 種類及
び記号 

種類及び記号 

削除 
 
 
 
 
 
 
変更 

ISO規格の附属書A(参考)で
は,JIS H 5301を引用した略称
の記載があるが,ダイカスト品
の略称であり,紛らわしいので
削除した。 
国内では,使用例がない表示方
法のカラーコードを削除した。 
種類は,従来JISと同じ国内流
通量の多い2種類に限定し,そ
の記号は従来JISの記号に変
更した。 

国内市場の状況に配慮。 
国内市場及び海外市場の動向に
よって,整合性を図っていくこと
を検討。 

3

H

 2

2

0

1

2

0

1

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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H 2201:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

5 製造 

製造 

変更 

JISとISO規格との規格品の成
分組成に差異があり,Cd含有
量の基準が厳しい従来JIS規
格品を採用した。 

国内市場の状況に配慮。 

6 注文情
報 

a) JIS番号を記載。   

注文情報 

変更 

a) を国際規格の番号からJIS
番号に変更した。 

国内市場の状況に配慮。 

7.1 化学
成分 

7.1 

化学成分 
 
 
数値の丸め方 

変更 
 
 
変更 
削除 

ISO規格を採用した。従来JIS
が厳しい規定値の場合は,従来
JISの規定値を採用した。 
丸め方の桁数の表示を表2で
規定する最小桁に変更し,数値
の丸め方の規制を削除した。 

国内市場の状況に配慮。 

7.3 地金
の表面状
態 

7.3 

地金の表面状態 

追加 

目視による判断及び表面状態
が溶解後の溶湯品質に影響を
及ぼさないものであること,具
体的には製造業者と購入者と
の取り決めによることを追加
した。 

国内市場の状況に配慮。 

8 サンプ
リング及
び試料調
製 

サンプリング 

変更 

ISO規格ではISO 20081を規定
しているが,JISでは国内で定
着しているJIS H 0301を採用
した。 

国内市場の状況に配慮。 
JIS H 0301の国際規格との整合
性検討の動向によって検討する。 

9 分析方
法 

9.1 

分析方法 

変更 

ISO規格ではAS,ASTM規格,
EN,及びJISの引用を規定し
ているが,JISでは国内で定着
しているJIS H 1551又はJIS 
H 1560を採用した。 

国内市場の状況に配慮。 
JIS H 1551及びJIS H 1560の国際
規格との整合性検討の動向によ
って検討する。 

3

H

 2

2

0

1

2

0

1

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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H 2201:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

10 表示 

10 
10.1 
10.2 

表示 
インゴット 
バンドル及びジャンボ 

削除 

ISO規格で規定しているイン
ゴットへの表示をJISでは削
除した。 
ISO規格で規定しているカラ
ーコードは,国内では使用例が
ないためJISでは削除した。 
ISO規格での表示は,バッチ番
号又は鋳造番号であるが,JIS
ではバッチ番号を削除した。 

追加 
 
変更 
 

JISでは表示方法として書類添
付を追加した。 
JISでは,地金の種類について
の表示方法を変更した。 
ISO規格での質量の表示は,ジ
ャンボ又はバンドルの質量で
あるが,JISではジャンボ及び
バンドルの質量に変更した。 

国内事情に配慮。 

11 報告 

11 

報告 

変更 

ISO規格では,製造業者の代表
者のサインを規定しているが,
JISでは国内で使用頻度が高い
製造業者の印を追加した。 

国内市場の状況に配慮。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 301:2006,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

3

H

 2

2

0

1

2

0

1

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。