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日本工業規格

JIS

 H

1701

-1988

白金分析方法

Method for Chemical Analysis of Platinum

1.

適用範囲  この規格は,JIS H 6201(化学分析用白金るつぼ),JIS H 6202(化学分析用白金皿)及び

JIS H 6203

(化学分析用白金ボート)に規定されたパラジウム,ロジウム,ルテニウム,イリジウム,金,

銀,銅及び鉄の定量方法並びに白金分析値の求め方について規定する。

引用規格:

JIS H 6201

  化学分析用白金るつぼ

JIS H 6202

  化学分析用白金皿

JIS H 6203

  化学分析用白金ボート

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0121

  原子吸光分析のための通則

JIS Z 8401

  数値の丸め方

2.

一般事項  分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050(化学分析方法通則)及び JIS K 0121(原子吸

光分析のための通則)による。

3.

分析試料の採り方及び取扱い方

3.1

試料の採り方  試料の採り方は,次の手順によって行う。

(1) 8g

以上の試料を,エタノール (95vol%) で清浄にしたたがね,金ばさみなどの工具類を用いて,平均

品質を代表するように採取する。

(2)

採取した試料を,圧延機で厚さ 0.3mm 以下に圧延する。

3.2

試料の取扱い方  試料の取扱いは,次の手順によって行う。

(1)

圧延した試料表面の油やその他の付着物を取り除いて清浄にし,清浄な金ばさみで細かく切断する。

(2)

硝酸 (1+1)  に浸し,穏やかに加熱する。

(3)

水洗した後,塩酸 (1+1)  に浸し,穏やかに加熱する。

(4)

水洗した後,乾燥する。

3.3

試料のはかり方  試料のはかり方は,次による。

(1)

分析試料をはかり取る際には,よくかき混ぜて平均組成を表すように注意しなければならない。

(2)

分析試料のはかり取りには,原則として化学はかりを用い,規定された量に近い量を 0.1mg のけたま

で読み取る。

4.

分析値のまとめ方

4.1

分析回数  分析は,同一試料について 2 回以上行って結果を確かめる。


2

H 1701-1988

4.2

分析値の表示  分析値の表示は,次による。

(1)

分析値は,質量百分率で表す。

(2)

白金を除くその他の元素(パラジウム,ロジウム,ルテニウム,イリジウム,金,銀,銅及び鉄)の

分析値は,小数点以下第 3 位まで算出した後,二つ以上の分析値を平均し,JIS Z 8401(数値の丸め

方)によって小数点以下第 2 位に丸める。

(3)

白金の分析値は,(2)で得たその他の元素の分析値の和を 100 から差し引いて得られる値の小数点以下

第 2 位を切り捨てた値とする。その他の元素の分析値の和が 0.10wt%以下の場合の白金の分析値は,

99.9wt%

以上として表示する。

5.

パラジウム,ロジウム,ルテニウム,イリジウム,金,銀,銅及び鉄の定量方法

5.1

定量方法  パラジウム,ロジウム,ルテニウム,イリジウム,金,銀,銅及び鉄の定量方法は,原

子吸光法による。

5.2

原子吸光法

5.2.1

要旨  同量の分析試料を数個はかり取り,それぞれを塩酸と硝酸との混酸で分解した後,加熱して

濃縮する。各溶液に各定量元素の標準溶液を段階的に加えた後,原子吸光光度計の空気・アセチレンフレ

ーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

5.2.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

塩酸 (1+11)

(2)

混酸(塩酸 5,硝酸 1,水 2)

(3)

標準パラジウム溶液 (50

µgPd/ml)    パラジウム(99.95wt%以上)0.100g を王水 10ml で加熱して分解

し,常温まで冷却した後,100ml の全量フラスコに塩酸 (1+11)  を用いて移し入れ,塩酸 (1+11)  で

標線まで薄めて原液 (1 000

µgPd/ml)  とする。この原液を使用の都度,必要量だけ塩酸 (1+11)  で正し

く 20 倍に薄めて標準パラジウム溶液とする。

(4)

標準ロジウム溶液 (50

µgRh/ml)    塩化ロジウム (III) 三水和物 2.56g を塩酸 (1+4) 50ml に溶解し,1

000ml

の全量フラスコに塩酸 (1+11)  を用いて移し入れ,塩酸 (1+11)  で標線まで薄めて原液(1

000

µgRu/ml)  とする。この原液を使用の都度,必要量だけ塩酸 (1+11)  で正しく 20 倍に薄めて標準

ロジウム溶液とする。

(5)

標準ルテニウム溶液 (100

µgRu/ml)    塩化ルテニウム (III) 三水和物 2.56g を塩酸 (1+4) 50ml に溶解

し,1 000ml の全量フラスコに塩酸 (1+11)  を用いて移し入れ,塩酸 (1+11)  で標線まで薄めて原液

(1 000

µgRu/ml)  とする。この原液を使用の都度,必要量だけ塩酸 (1+11)  で正しく 10 倍に薄めて標

準ルテニウム溶液とする。

(6)

標準イリジウム溶液 (200

µgIr/ml)    塩化イリジウム (IV) 1.74g を塩酸 (1+1) 50ml で加熱して分解し,

常温まで冷却した後,塩酸 (1+11)  を用いて 1 000ml の全量フラスコに移し入れ,塩酸 (1+11)  で標

線まで薄めて原液 (1 000

µgIr/ml)  とする。この原液を使用の都度,必要量だけ塩酸 (1+11)  で正しく

5

倍に薄めて標準イリジウム溶液とする。

(7)

標準金溶液 (50

µgAu/ml)    金(99.99wt%以上)0.100g を王水 10ml で加熱して分解し,常温まで冷却

した後,塩酸 (1+11)  を用いて 100ml の全量フラスコに移し入れ,塩酸 (1+11)  で標線まで薄めて原

液 (1 000

µgAu/ml)  とする。この原液を使用の都度,必要量だけ塩酸 (1+11)  で正しく 20 倍に薄めて

標準金溶液とする。

(8)

標準銀溶液 (50

µgAg/ml)    銀(99.99wt%以上)0.100g を硝酸 (1+1) 10ml で加熱して分解し,常温ま


3

H 1701-1988

で冷却した後,硝酸 (1+15)  を用いて 100ml の全量フラスコに移し入れ,硝酸 (1+15)  で標線まで薄

めて原液 (1 000

µgAg/ml)  とし,褐色瓶に入れて保存する。この原液を使用の都度,必要量だけ硝酸 (1

+15)  で正しく 20 倍に薄めて標準銀溶液とする。

(9)

標準銅溶液 (50

µgCu/ml)    銅(99.96wt%以上)0.100g を硝酸 (1+1) 10ml で加熱して分解し,常温ま

で冷却した後,硝酸 (1+15)  を用いて 100ml の全量フラスコに移し入れ,硝酸 (1+15)  で標線まで薄

めて原液 (1 000

µgCu/ml)  とする。この原液を使用の都度,必要量だけ硝酸 (1+15)  で正しく 20 倍に

薄めて標準銅溶液とする。

(10)

標準鉄溶液 (50

µgFe/ml)  鉄(99.9wt%以上)0.100 g を硝酸 (1+1) 10ml で加熱して分解し,常温まで

冷却した後,硝酸 (1+15)  を用いて 100ml の全量フラスコに移し入れ,硝酸 (1+15)  で標線まで薄め

て原液 (1 000

µgFe/ml)  とする。この原液を使用の都度,必要量だけ硝酸 (1+15)  で正しく 20 倍に薄

めて標準鉄溶液とする。

5.2.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,1.00g とする。

5.2.4

操作  定量操作は,次の手順によって行う。

(1)

試料 4 個をはかり取り,それぞれをビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,混酸 40ml を加え

て加熱して分解する。分解が終われば,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水洗した後,時計皿を取

り除き,約 100℃に加熱して液量が約 5ml となるまで濃縮する。

(2)

常温まで冷却した後,それぞれを 50ml の全量フラスコに塩酸 (1+11)  を用いて移し入れる。

(3)  (2)

で得た 4 本の全量フラスコに各定量元素の標準溶液 0∼2.0ml(パラジウム,ロジウム,金,銀,銅

及び鉄 0∼100

µg,ルテニウム 0∼200µg,イリジウム 0∼400µg)を段階的に加えた後,塩酸 (1+11)  で

標線まで薄める。

(4)  4

本の試料溶液をそれぞれ塩酸 (1+11)  で零点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレー

ム中に噴霧して,

表の波長における各定量元素の吸光度を測定する。

表  各元素の測定波長

元素

測定波長

nm

パラジウム 247.6

ロジウム 343.5

ルテニウム 349.9

イリジウム 264.0

金 242.8 
銀 328.1

銅 324.8 
鉄 248.3

5.2.5

検量線の作成  5.2.4 (4)で得た各定量元素の吸光度を縦軸として,5.2.4(3)で添加した各定量元素の

添加量を横軸にとって関係線を作成し,各定量元素の検量線とする。

5.2.6

計算  5.2.5 で作成した各定量元素の検量線が横軸と交わる点から各定量元素の標準溶液添加量 0

の点までの距離に対する元素量を求め,試料中の各元素の含有率を次の式によって算出する。

元素 wt%=

m

A

×100

ここに,

A

:  試料溶液中の元素検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)


4

H 1701-1988

6.

白金分析値の求め方  白金の分析値は,差数法によって求めることとし,その方法は 4.2(3)による。

JIS

白金分析方法工業標準改正原案調査作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

俣  野  宣  久

川崎製線株式会社

有  賀      正

東海大学

荒  木  誠  司

大蔵省造幣局

内  仲  康  夫

通商産業省基礎産業局

大河内  春  乃

科学技術庁金属材料技術研究所

神  岡  正  男

鉄道技術研究所

笹  谷      勇

工業技術院標準部

菅  原  淳  夫

財団法人日本規格協会

乾      昌  弘

乾庄貴金属化工株式会社

吉光寺      博

石福金属興業株式会社

橋  本  謙  三

橋本貴金属工業株式会社

堀          仁

水野ハンディー・ハーマン株式会社

前  田      修

田中貴金属工業株式会社

山  本  博  信

株式会社徳力本店

有  井      満

株式会社東芝

今  村      孝

三菱電機株式会社

岡  島  義  昭

株式会社日立製作所

古  矢  元  佑

清峰金属工業株式会社

堀      泰  治

東京ラヂエーター製造株式会社

松  井  文  夫

日本アイ・ティ・エス株式会社

(関係者)

安  部      恵

工業技術院標準部

(鬼  束  忠  人)

工業技術院標準部

(事務局)

池  原  平  晋

社団法人日本溶接協会