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H 1632-1

:2014

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  一般事項  

2

4

  要旨 

2

5

  試薬 

2

6

  装置 

3

7

  分析用試料の調製  

4

8

  試料はかりとり量  

4

9

  操作 

4

9.1

  試料溶液の調製  

4

9.2

  検量線用溶液の調製  

5

9.3

  空試験液の調製  

6

9.4

  分光測定  

6

10

  計算  

6

附属書 A(規定)装置性能基準の求め方  

7


H 1632-1

:2014

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本チタン協会(JTS)及び一

般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS H 1632

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS H 1632-1

  第 1 部:一般要求事項及び試料の分解

JIS H 1632-2

  第 2 部:パラジウム,マンガン,鉄,マグネシウム,けい素,アルミニウム,バナジ

ウム,ニッケル,クロム,すず,銅,モリブデン,ジルコニウム,ニオブ,タンタル,コバルト

及びイットリウム定量方法

JIS H 1632-3

  第 3 部:ほう素定量方法


   

日本工業規格

JIS

 H

1632-1

:2014

チタン−ICP 発光分光分析方法−

第 1 部:一般要求事項及び試料の分解

Titanium-ICP atomic emission spectrometry-

Part 1: General requirements and sample decomposition

適用範囲 

この規格は,チタン中の

表 に示す定量範囲の 17 成分を,第 2 部で規定する ICP 発光分光分析方法に

よって定量する場合の一般事項及び試料の分解方法について規定する。

箇条 3,箇条 79.4.19.4.29.4.3,箇条 10 及び

附属書 は,第 3 部のほう素定量方法にも適用する。

表 1−定量範囲

単位  質量分率(%)

適用成分

定量範囲

パラジウム 0.005  以上  0.10  以下

マンガン 0.001  以上  0.10  以下

鉄 0.001  以上  0.50  以下

マグネシウム 0.001  以上  0.10  以下

けい素 0.001  以上  0.10  以下

アルミニウム 0.001  以上  0.10  以下

バナジウム 0.001  以上  0.10  以下

ニッケル 0.001  以上  0.10  以下

クロム 0.001  以上  0.10  以下

すず 0.002  以上  0.10  以下

銅 0.001  以上  0.10  以下

モリブデン 0.001  以上  0.10  以下

ジルコニウム 0.001  以上  0.10  以下

ニオブ 0.001  以上  0.10  以下

タンタル 0.001  以上  0.10  以下

コバルト 0.001  以上  0.10  以下

イットリウム 0.001  以上  0.10  以下

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 1610

  チタン及びチタン合金−サンプリング方法

JIS H 1611

  チタン及びチタン合金−分析方法通則


2

H 1632-1

:2014

   

一般事項 

この規格に規定していない一般事項は,JIS H 1611 による。

要旨 

試料を硝酸,塩酸又は硫酸のいずれかとふっ化水素酸との混酸で分解した後,必要に応じて,内標準元

素としてランタン,スカンジウム,コバルト,イットリウム又はストロンチウムのいずれかを添加する。

溶液を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,各成分の発光強度,必要に応じて内標準元

素の発光強度を同時に測定する。

表 に適用成分の分析線及び内標準元素の内標準線並びに妨害を受けや

すい波長の例を示す。

表 2−適用成分の分析線及び内標準線並びに妨害を受けやすい波長の例

単位  nm

適用成分及び

内標準元素

推奨する分析線及び

内標準線の波長

妨害を受けやすい波長

適用成分 
パラジウム

マンガン

鉄 
マグネシウム

けい素

アルミニウム 
バナジウム

ニッケル

クロム 
すず

モリブデン 
ジルコニウム

ニオブ

タンタル 
コバルト

イットリウム

(分析線)

340.46

,363.47

257.61

238.20

,259.94

279.55

,285.21

251.61

394.41

,396.15

309.31

,310.23

221.65

,231.60

267.72

242.95

324.75

202.03

343.82

,357.25

 a)

269.70

,319.50

226.23

,240.06

237.86

,238.89

371.03

229.65

249.92

271.44

288.16

268.79

,292.40,311.07

314.47

284.33

,298.91

189.99

327.40

339.20

309.42

,313.08,316.34

268.52

228.62

,345.35

内標準元素

(内標準線)

ランタン 
スカンジウム

コバルト

イットリウム

398.85

361.38

238.89

371.03

ストロンチウム 407.77

a)

この分析線は,内標準元素にスカンジウムを使用できない。

試薬 

試薬は,次による。

5.1 

塩酸(1+1) 

5.2 

硝酸(1+1) 

5.3 

ふっ化水素酸(1+1) 

5.4 

硫酸(1+1) 


3

H 1632-1

:2014

5.5

チタン  純度の高いチタンで,適用成分の含有率が定量範囲下限値の 1/10 未満であることが保証さ

れているか,又は定量範囲下限値未満で値が特定されているもの。

特定された値としては,妥当性が確認されていれば,認証値でなくてもよい。

5.6

ランタン溶液(La:1 mg/mL)  酸化ランタン(III)(質量分率 99.5 %以上)1.173 g をはかりとって,

ビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)20 mL を加え,加熱して分解する。常温ま

で冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。溶液を 1 000 mL の全量フラスコに水を用い

て移し入れ,水で標線まで薄める。

5.7

スカンジウム溶液(Sc:1 mg/mL)  酸化スカンジウム(III)(質量分率 99.5 %以上)1.534 g をはか

りとって,ビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+1)40 mL を加え,加熱して分解す

る。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。溶液を 1 000 mL の全量フラスコ

に水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

5.8

コバルト溶液(Co:1 mg/mL)  コバルト(質量分率 99.5 %以上)1.000 g をはかりとって,ビーカ

ー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+1)40 mL を加え,加熱して分解する。常温まで冷却

した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。溶液を 1 000 mL の全量フラスコに水を用いて移し

入れ,水で標線まで薄める。

5.9

イットリウム溶液(Y:1 mg/mL)  酸化イットリウム(III)(質量分率 99.5 %以上)1.270 g をはか

りとって,ビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)20 mL を加え,加熱して分解す

る。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。溶液を 1 000 mL の全量フラスコ

に水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

5.10

ストロンチウム溶液(Sr:1 mg/mL)  酸化ストロンチウム(質量分率 99.5 %以上)1.173 g をはか

りとって,ビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)20 mL を加え,加熱して分解す

る。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。溶液を 1 000 mL の全量フラスコ

に水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

装置 

6.1 

一般 

使用する ICP 発光分光分析装置は,9.4.1 に従って装置の最適化を行った後,6.26.4 の性能基準を満足

しなければならない。

装置は,同時定量式又は逐次定量式のいずれでもよい。逐次定量式装置で,内標準線(ランタン,スカ

ンジウム,コバルト,イットリウム又はストロンチウム)が同時に測定できる装置が附属している場合は,

強度比法を適用できる。

試料溶液の調製に 9.1 の a)及び c)を適用した場合は,耐ふっ化水素酸ネブライザーを使用しなければな

らない。

6.2 

短時間安定性 

各適用成分について,最大濃度の検量線溶液の発光強度又は発光強度比を連続 10 回測定し,測定値の相

対標準偏差(RSD)を算出する。相対標準偏差を検量線最大濃度短時間安定性とし,検量線最大濃度短時

間安定性は,

表 に示す数値より小さくなければならない(A.4 参照)。

6.3 

バックグラウンド等価濃度及び検出限界 

各適用成分について,その分析線におけるバックグラウンド等価濃度(BEC)値及び検出限界(DL)値

を求める。得られた値は,

表 に示す数値より小さくなければならない(A.2 及び A.3 参照)。


4

H 1632-1

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表 3−短時間安定性,BEC 値及び DL 

適用成分

検量線最大濃度

短時間安定性

%

BEC

mg/L

DL

mg/L

パラジウム

マンガン

鉄 
マグネシウム

けい素

アルミニウム 
バナジウム

ニッケル

クロム 
すず

モリブデン 
ジルコニウム

ニオブ

タンタル 
コバルト

イットリウム

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

2.0

1.0

1.0

1.0

1.0

2.0

1.0

1.0

3.0

0.6

1.2

0.6

2.0

2.0

0.6

1.5

1.5

1.5

2.0

3.0

3.0

6.0

5.0

1.0

0.4

0.06

0.02

0.03

0.02

0.04

0.04

0.02

0.03

0.03

0.40

0.04

0.05

0.05

0.10

0.20

0.05

0.01

6.4 

検量線の直線性 

検量線の直線性は,相関係数を求めることでチェックする。相関係数は,0.999 より大きくなければなら

ない。

分析用試料の調製 

分析用試料の調製は,JIS H 1610 による。

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,1.0 g とし,1 mg の桁まではかる。

操作 

9.1 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。ただし,けい素の定量には c)だけを,イットリ

ウムの定量には b)だけを適用する。また,ジルコニウム,ニオブ及びタンタルの定量には b)を適用しない。

a) 

硝酸・ふっ化水素酸で分解する場合

1)

試料をはかりとって,ポリエチレン製ビーカー(200 mL)に移し入れる。

2)

ポリエチレン製時計皿で覆い,硝酸(1+1)50 mL 及びふっ化水素酸(1+1)10 mL を少量ずつ加

え,水浴上で穏やかに加熱して分解する。引き続き加熱して窒素酸化物を追い出す。

3)

常温まで冷却した後,ポリエチレン製時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。溶液を 100 mL

のポリエチレン製全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

なお,発光強度の測定に強度比法を用いる場合は,水で標線まで薄める前に,内標準元素として

コバルト溶液(5.8)又はストロンチウム溶液(5.10)1.0 mL を加える。ただし,コバルトの定量の


5

H 1632-1

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場合は,ストロンチウム溶液(5.10)だけとする。

b) 

硫酸・ふっ化水素酸で分解する場合

1)

試料をはかりとって,ポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFE という。

)製ビーカー(200 mL)

に移し入れる。

2) PTFE

製時計皿で覆い,硫酸(1+1)20 mL 及びふっ化水素酸(1+1) 4 mL を加え,穏やかに加熱

して分解する。試料の分解が不十分な場合には,ふっ化水素酸(1+1)を追加する。室温まで冷却

した後,硝酸(1+1)4 mL を滴加して数分間加熱する。時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除

き,穏やかに加熱して濃縮し,少しずつ温度を上げて硫酸の白煙を 5 分間発生させる。室温まで放

冷した後,少量の水で PTFE 製ビーカーの内壁を洗浄し,よく振り混ぜる。再び加熱して硫酸の白

煙を 2∼3 分間発生させる。

なお,残存する硫酸が発光強度に影響を与えるので,複数の試料を分解する場合は,残存する硫

酸量を目視の範囲で同じ量にする。残存する硫酸量が同じ量にならないときは,強度比法によって

測定しなければならない。

3)

放冷した後,少量の水及び塩酸(1+1)20 mL を加えて塩類を溶解する。常温まで冷却した後,溶

液を 100 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

なお,発光強度の測定に強度比法を用いる場合は,水で標線まで薄める前に,内標準元素として

ランタン溶液(5.6

,スカンジウム溶液(5.7

,コバルト溶液(5.8)又はイットリウム溶液(5.9

のいずれか 1.0 mL を加える。ただし,コバルトの定量の場合はコバルト溶液を,イットリウムの定

量の場合はイットリウム溶液を使用しない。

c) 

塩酸・ふっ化水素酸・硝酸で分解する場合

1)

試料をはかりとって,ポリエチレン製ビーカー(200 mL)に移し入れる。

2)

ポリエチレン製時計皿で覆い,塩酸(1+1)40 mL 及びふっ化水素酸 2 mL を加え,水浴上で穏や

かに加熱して分解する。硝酸(1+1)3 mL を加えてチタンなどを酸化する。

3)

常温まで冷却した後,ビーカーの内壁及び時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。溶液を

100 mL

のポリエチレン製全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

なお,発光強度の測定に強度比法を用いる場合は,内標準元素としてコバルト溶液(5.8)又はス

トロンチウム溶液(5.10)1.0 mL を加える。ただし,コバルトの定量の場合はコバルト溶液を使用

しない。

9.2 

検量線用溶液の調製 

検量線用溶液の調製は,次の手順によって行う。通常,単成分で調製するが,互いに共存元素の影響が

ない場合は,複数成分を合わせて調製してもよい。

なお,試料溶液の調製を 9.1 b)による場合は,残存する硫酸量を目視の範囲で試料と同じ量にする。残

存する硫酸量が同じ量にならないときは,強度比法を用いる。

a)

チタン(5.5)1.0 g を 1 mg の桁まで 6 個はかりとり,試料と同じ試薬で,同じ方法で分解する。各溶

液を最少必要量の水を用いて,試料と同じ方法で 100 mL の全量フラスコに移し入れる。ただし,試

料の溶液の調製を 9.1 a)及び c)で行った場合は,ポリエチレン製全量フラスコとする。

b)

ピペットを用いて,測定成分の標準液を段階的に加える

1)

1)

測定成分ごとの標準液添加量は,JIS H 1632-2 に記載している。

c)

強度比法を用いる場合は,ピペットを用いて,試料溶液と同じ内標準元素の溶液を同じ量加える。

d)

水で標線まで薄める。


6

H 1632-1

:2014

   

9.3 

空試験液の調製 

チタン(5.5)を用いて,試料と併行して同じ操作で,全試薬の同量を用いて空試験液を調製する。

9.4 

分光測定 

9.4.1 

装置の最適化 

装置を始動させ,測定を行う前に,15 分間以上作動状態に置く。

装置の全パラメータ,ガス流量(外部,中間部又は中央部)

,トーチ位置,入口スリット,出口スリット,

検出器(例えば,光電子増倍管)

表 の分析線波長,予備噴霧時間,積分時間などの分光測定条件を,

検量線の最高濃度を測定するときに最適強度が得られるように,装置製造者推奨の操作手順及び

附属書 A

の規定に従って調整する。

表 に示す測定成分の分析線における強度の測定,平均値,標準偏差などを計算する自動計算処理シス

テムを立ち上げる。

強度比法を用いる場合は,

表 に示す内標準元素の内標準線を使用して,測定成分の発光強度と内標準

元素の発光強度との強度比を計算する自動計算処理システムを立ち上げる。内標準元素の発光強度は,測

定成分の発光強度と同時に測定しなければならない。

6.2

6.4 の装置性能基準を確認する。

9.4.2 

発光強度の測定 

表 に示す測定成分の分析線における発光強度又は発光強度比を測定する。測定は,検量線用溶液,空

試験液及び複数の試料溶液の順に行い,再び検量線用溶液,空試験液及び複数の試料溶液と続ける。各溶

液について 2 回以上の発光強度又は発光強度比を測定し,各溶液についての平均発光強度又は平均発光強

度比を計算する。

各溶液の平均発光強度又は平均発光強度比(I

i

)と,ゼロメンバー(検量線用溶液において,適用成分

の標準液を添加していない溶液)の平均発光強度又は平均発光強度比(I

0

)とから,次の式によって正味

の発光強度又は発光強度比(I

N

)を得る。

I

N

I

i

I

0

9.4.3 

検量線の作成 

y

軸上の正味の発光強度又は発光強度比と x 軸上の検量線用溶液中の各測定成分の濃度(µg/mL)の各点

から直線回帰を得る。

相関係数を計算する。この係数の値が 6.4 の規定に適合しなければならない。

10 

計算 

検量線を基に,空試験液及び試料溶液の発光強度又は発光強度比を成分濃度(µg/mL)に変換する。

成分の含有率[質量分率(%)

]を,次の式によって算出する。

(

)

(

)

0

,

c

0

,

c

1

,

c

0

,

c

6

0

,

c

1

,

c

c

100

100

10

100

W

m

W

m

W

+

=

+

×

×

=

ρ

ρ

ρ

ρ

ここに,

W

c

成分の含有率[質量分率(

%

ρ

c,1

試料溶液中の成分濃度(

µg/ mL

ρ

c,0

空試験液中の成分濃度(

µg/mL

m

試料はかりとり量(

g

W

c,0

チタン(5.5)中の成分含有率[質量分率(

%


7

H 1632-1

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附属書 A

(規定)

装置性能基準の求め方

A.1 

一般

装置性能基準の値は,室間の共同実験の結果から決定する。

装置(プラズマ及び電気回路)の電源を入れて安定化させる。安定化時間は装置によって異なるので,

ここでは厳密に規定できない。指針としては,一般的な実験室条件下において,通常,

15

分以内で安定す

る。これは,次に示す試験を行った後に短時間安定性を測定することによって立証できる。

分析対象元素の空試験液,検出限界(

DL

)測定液(

0.20 mg/L

)及び検量線最大濃度溶液を調製する。こ

れらの溶液は,分析する試料溶液と同じ酸及びマトリックス元素を共存させる。これらの溶液から求めた

検出限界などは,分析室での推定値又は特性値である。

検量線最大濃度溶液を噴霧し,安定した霧化状態を得るために,溶液がプラズマに到達してから

10

秒間

以上待つ。

測定元素に対する操作及び装置条件を設定し,選択した波長における検量線最大濃度溶液の発光強度が

有効数字

4

桁以上測定できるように検出器を調整して,一定の積分時間を設定する。

A.2 

検出限界の測定

検出限界(

DL

)は,装置別に異なった方法で決定してよい。通常,次の手順による。

a)

空試験液を

10

秒間以上噴霧する。

b)

あらかじめ設定した積分時間で

10

回の読みを得る。

c)

 DL

測定液を

10

秒間以上噴霧する。

d)

あらかじめ設定した積分時間で

10

回の読みを得る。

e)

空試験液及び

DL

測定液の発光強度の読みから,空試験液の平均値

X

b

DL

測定液の平均値

X

1

,及び

空試験液の標準偏差

S

b

を算出する。

f)

 DL

測定液の正味の平均発光強度(

X

n1

)を算出する。

X

n1

X

1

X

b

g)

測定成分の検出限界(

DL

)値(

mg/L

)は,次の式によって算出する。

DL

値=

3S

b

C

1

/X

n1

ここに,

C

1

DL

測定液の濃度(

mg/L

A.3 

バックグラウンド等価濃度の測定

バックグラウンド等価濃度(

BEC

)値(

mg/L

)は,次の式によって算出する。

BEC

値=

(X

b

/X

n1

C

1

A.4 

短時間安定性の測定

検量線最大濃度溶液を

10

秒間以上噴霧する。あらかじめ設定した積分時間で

10

回の発光強度の読みを

得て,平均値

X

2

を求める。

これらの読みと前もっての空試験液の読みから,正味の平均強度

X

n1

X

n2

(X

2

X

b

)

及び検量線最大濃度溶


8

H 1632-1

:2014

   

液の標準偏差

S

2

をそれぞれ算出する。

相対標準偏差(

RSD

)を算出して短時間安定性(

%

)とする。

RSD

(S

2

/X

n2

)

×

100

参考文献

JIS H 1632-2

  チタン−

ICP

発光分光分析方法−第

2

部:パラジウム,マンガン,鉄,マグネシ

ウム,けい素,アルミニウム,バナジウム,ニッケル,クロム,すず,銅,モリブデン,

ジルコニウム,ニオブ,タンタル,コバルト及びイットリウム定量方法