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日本工業規格

JIS

 H

1630

-1995

チタンの発光分光分析方法

Method for atomic emission spectrometric analysis of titanium

1.

適用範囲  この規格は,チタンの発光分光分析方法について規定する。定量元素及び定量範囲は,表

1

による。

表 1  定量元素及び定量範囲

定量元素

定量範囲

% (m/m)

炭素 0.005 以上   0.1 以下

けい素 0.006 以上  0.08 以下 
鉄 0.01 以上    0.5 以下

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS H 1614

  チタン及びチタン合金中の鉄定量方法

JIS H 1617

  チタン及びチタン合金中の炭素定量方法

JIS H 1618

  チタン中のけい素定量方法

JIS K 0116

  発光分光分析通則

JIS R 6001

  研磨材の粒度

JIS Z 2611

  金属材料の光電測光法による発光分光分析方法通則

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0116 による。

3.

一般事項  分析方法に共通な一般事項は,JIS Z 2611 による。

4.

要旨  試料を切断又は切削した後,研削又は研磨して平面状に仕上げ,発光分光分析装置の試料支持

台に取り付け,対電極との間でスパーク放電して定量元素及び内標準元素を気化励起させ,スペクトル線

の波長における発光強度を光電測光法で測定する。

5.

試料の調製

5.1

分析試料  分析試料は,JIS Z 2611 の 4.2(試料切断切削及び研摩用機械)に従って切断機械又は切

削機械を用いて分析面の径が 20mm 以上,厚さ 3mm 以上の形状(

1

)

に加工し,分析面を研削機械又は研磨

機械で平面状(

2

)

に調製する。研磨(

3

)

には,アルミナ質の研磨ベルトを用い,研磨材の粒度は,JIS R 6001

の#40∼#80 を用いる。

(

1

)

試料径が20mm 未満又は厚さが3mm 未満の場合には,補助金具を用い,試料支持台に脱着可能

な大きさであること。


2

H 1630-1995

(

2

)

試料の放電面が平らに,また,その粗さが一定に仕上がるように研削機械又は研磨機械及び研

磨材を管理しなければならない。

(

3

)

試料調製の際の温度上昇は,発光条件によっては定量値に影響を及ぼす場合があるため,常に

一定温度となるような調製条件にする必要がある。

5.2

検量線作成用試料  検量線作成用試料は,JIS Z 2611 の 6.2(標準試料)によって,分析試料とや(冶)

金的履歴及び化学組成が近似し,分析試料中の定量元素の含有率を内挿する範囲で,定量元素の含有率が

適切な間隔をもつような数個の試料を用意して一系列とし,5.1 に従って調製する。

検量線作成用試料中の定量元素の含有率は,JIS H 1614JIS H 1617 及び JIS H 1618 に規定する方法によ

って求める。

5.3

検量線校正用試料  検量線校正用試料は,検量線作成用試料の系列の中から適切なものを選んで用

いてもよいが,均質で測定値の再現性がよいものであれば検量線作成用試料でなくてもよい。2 点で検量

線を校正する場合には,検量線の上限及び下限付近のものをそれぞれ選び,1 点で検量線を校正する場合

には,検量線の上限付近のものを選んで 5.1 に従って調製する。

6.

材料及び試薬  材料及び試薬は,次による。

(1)

対電極  直径 5∼7mm のタングステン棒の先端を,20∼45°の円すい(錐)状にしたもの(図 参照)。

(2)

アルゴン  99.99% (v/v)  以上のもの(

4

)

(

4

)

アルゴンの純度は,定量値に大きな影響を与えるので注意する。

図 1  対電極の形状の例

7.

装置  装置は,次による。

(1)

発光分光分析装置  JIS Z 2611 の 3.(装置)による(

5

)

(2)

装置の調整  JIS Z 2611 の 8.1(装置の調整)による。

(

5

)

分光器は,真空形を使用する。

8.

操作  操作は,次の手順によって行う。

(1)  5.1

で調製した分析試料と対電極  [6.(1)]  とを発光分光分析装置  [7.(1)]  の試料支持台に保持する。

(2)

あらかじめ定めた発光条件(

6

)

で,試料に対してスパーク放電して定量元素及び内標準元素(チタン)

を気化励起する。

(3)  (2)

で得たスペクトル線を分光器で分光し,定量元素と内標準元素の波長(

7

)

における発光強度を光電測


3

H 1630-1995

光法で測定する。

(4)

定量元素と内標準元素との発光強度比を求める。

(

6

)

繰返し精度のよい発光条件をあらかじめ選定しておく。発光条件の例を

2に示す。

(

7

)

繰返し精度のよい定量元素及び内標準元素のスペクトル線をあらかじめ選定しておく。スペク

トル線の例を,

表 に示す。

表 2  発光条件の例

項目

分光器 
入口スリット幅 
測光法

対電極 
分析試料と対電極の間隔 
励起時のアルゴン流量

予備放電数 
積分パルス数

500mm

パッシェンルンゲ型凹面回折格子

30

µm

時間分解 PDA 測光法

タングステン

4mm

9L/min

1 000

パルス

1 500

パルス

表 3  スペクトル線の例

定量元素及び内標準元素

波長 nm

炭素 
けい素 

内標準元素(チタン)

C I    165.81

Si I    212.41

Fe II   259.94

Ti II    323.23

9.

検量線の作成  検量線作成用試料  [5.2]  のそれぞれと対電極  [6.(1)]  とを発光分光分析装置  [7.(1)]

の試料支持台に保持し,以下,8.(2)

(4)の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行い,定量元

素の発光強度比と検量線作成用試料中の定量元素の含有率との関係線を作成して検量線とする(

8

)

(

8

)

検量線をあらかじめ作成してある場合には,1個又は2個の検量線校正用試料  [5.3]  を検量線作

成用試料  [5.2]  の代わりに用いて,9.の手順に従って発光強度比を求め,得た発光強度比を用い

て,あらかじめ作成してある検量線の時間的変動を校正した検量線を作成し,それを使用して

もよい。

10.

計算  8.(4)で得た定量元素の発光強度比と 9.で作成した検量線とから,試料中の定量元素の含有率を

求める(

9

)

(

9

)

定量の範囲は,使用した系列の検量線作成用試料中の定量元素含有率の範囲内でなければなら

ない。


4

H 1630-1995

JIS

原案調査作成委員会  構成表(五十音順)

氏名

所属

(委員長)

多  田  格  三

フジ化学研究所

赤  崎  勝  彦

住友金属工業株式会社

石  橋  耀  一

日本鋼管株式会社

稲  本      勇

新日本製鐵株式会社

大河内  春  乃

科学技術庁金属材料技術研究所

小  熊  幸  一

千葉大学

金  築  四  郎

住友シチックス株式会社

河  村  恒  夫

株式会社神戸製鋼所・株式会社コベルコ科研

北  岡  一  泰

社団法人日本チタン協会

天  野      徹

通商産業省工業技術院

(小委員長)

中  村      靖

株式会社ジャパンエナジー分析センター

服  部  兆  隆

東邦チタニウム株式会社

藤  貫      正

財団法人日本分析化学会

松  木  由  一

昭和電工株式会社・昭和タイタニウム株式会社

横  溝      耿

三菱マテリアル株式会社

(事務局)

伊  藤      均

社団法人日本チタン協会

小委員会  構成表(五十音順)

氏名

所属

(小委員長)

中  村      靖

株式会社ジャパンエナジー分析センター

赤  崎  勝  彦

住友金属工業株式会社

石  橋  耀  一

日本鋼管株式会社

稲  本      勇

新日本製鐵株式会社

金  築  四  郎

住友シチックス株式会社

河  村  恒  夫

株式会社神戸製鋼所・株式会社コベルコ科研

小  林  義  男

株式会社ジャパンエナジー分析センター

阪  本      博

昭和電工株式会社

西  尾  正  浩

住友軽金属工業株式会社

服  部  兆  隆

東邦チタニウム株式会社

松  木  由  一

昭和電工株式会社・昭和タイタニウム株式会社

山  本  壽  美

古河電気工業株式会社

横  溝      耿

三菱マテリアル株式会社

(事務局)

北  岡  一  泰

社団法人日本チタン協会

伊  藤      均

社団法人日本チタン協会