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H 1619

:2012

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  一般事項

1

4

  定量方法の区分 

1

5

  不活性ガス融解−熱伝導度法

1

5.1

  要旨

1

5.2

  材料及び試薬 

1

5.3

  装置

2

5.4

  試料はかりとり量

4

5.5

  操作

4

5.6

  空試験

5

5.7

  検量線の作成 

5

5.8

  計算

6

5.9

  許容差

6

6

  不活性ガス融解−赤外線吸収法

6

6.1

  要旨

6

6.2

  材料及び試薬 

6

6.3

  装置

6

6.4

  試料はかりとり量

7

6.5

  操作

7

6.6

  空試験

8

6.7

  検量線の作成 

8

6.8

  計算

8

6.9

  許容差

8


H 1619

:2012

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本チタ

ン協会(JTS)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS H 1619:1995 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 H

1619

:2012

チタン及びチタン合金−水素定量方法

Titanium and titanium alloys-Determination of hydrogen content

適用範囲 

この規格は,チタン及びチタン合金中の水素定量方法について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 1611

  チタン及びチタン合金−分析方法通則

JIS Z 8402-6

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 6 部:精確さに関する値の実用的

な使い方

一般事項 

分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1611 による。

定量方法の区分 

水素定量方法は,次のいずれかによる。

a)

不活性ガス融解−熱伝導度法  この方法は,水素含有率 0.000 1 %(質量分率)以上 0.02 %(質量分率)

以下の試料に適用する。

b)

不活性ガス融解−赤外線吸収法  この方法は,水素含有率 0.000 1 %(質量分率)以上 0.02 %(質量分

率)以下の試料に適用する。

不活性ガス融解−熱伝導度法 

5.1 

要旨 

不活性ガス気流中で,黒鉛るつぼを用いて試料をすずとともにインパルス炉で加熱して融解し,水素を

他のガスとともに抽出する。抽出したガスをそのまま分離カラムに通すか,抽出したガス中の水素を酸化

して水に変換して分離カラムに通して,水素又は水を他のガスと分離し,これを熱伝導度検出器に導き,

水素又は水による熱伝導度の変化を測定する。

5.2 

材料及び試薬 

材料及び試薬は,次による。

5.2.1

すず  粒状又は円盤状のもの。

5.2.2

不活性ガス  アルゴン又はヘリウムで 99.99 %(体積分率)以上のもの。抽出した水素をそのまま

で測定する場合にはアルゴンを,水に変換して測定する場合にはヘリウムを用いる。


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5.2.3

水素  99.99 %(体積分率)以上のもの。

5.2.4

黒鉛るつぼ  インパルス炉に適合するもの。形状及び寸法の例を図 に示す。

5.2.5

検量線用試料  水素含有率が既知のチタン又はチタン合金。

5.2.6

過塩素酸マグネシウム  元素分析用

単位  mm

図 1−黒鉛るつぼの形状及び寸法の例

5.3 

装置 

装置は,不活性ガス清浄部,ガス抽出部,ガス分離部,ガス計測部,ガス検量部などで構成し,次によ

る。装置構成の例を

図 及び図 に示す。

注記  装置の構成,構造及び使用条件は,使用する装置によって異なる。

5.3.1 

不活性ガス清浄部 

不活性ガス清浄部は,酸化管,電器抵抗加熱炉,二酸化炭素吸収管,脱水管,電気抵抗加熱炉などで構

成する。

a)

酸化管  ステンレス鋼管又は石英ガラス管に酸化銅(II)

(粒状)を詰めたもの。電気抵抗加熱炉で加

熱して使用する。

なお,酸化管に銅を詰めて電気抵抗加熱炉で加熱したものを使用してもよい。

b)

二酸化炭素吸収管  ガラス管にソーダ石灰,水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含浸した活性ア

ルミナを詰めたもの。

c)

脱水管  ガラス管に過塩素酸マグネシウム(5.2.6)を詰めたもの。

5.3.2 

ガス抽出部 

ガス抽出部は,試料投入器,インパルス炉などで構成する。

a)

試料投入器  試料投入器は,不活性ガス雰囲気中で試料をインパルス炉に投入できるもの。

b)

インパルス炉  インパルス炉は,銅製の固定された上部水冷電極,上下に移動できる下部水冷電極な

どで構成し,両電極の間に挟んだ黒鉛るつぼ(5.2.4)を通電によって数秒間で 1 600  ℃∼2 500  ℃に

昇温できるもの。

5.3.3 

ガス分離部 

ガス分離部は,

抽出した水素をそのまま測定する場合と,

水に変換して測定する場合とで構成が異なり,

次による。


3

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5.3.3.1 

水素のままで測定する場合 

ガス分離部は,集じん(塵)管,酸化管,二酸化炭素吸収管,脱水管,分離カラムなどで構成する。

a)

集じん管  ガラス管にガラスウールを詰めたもの。又はステンレス鋼容器にフィルターを組み込んだ

もの。

b)

酸化管  ガラス管にシュッツェ試薬(主成分は,五酸化二よう素)を詰めたもの。

c)

二酸化炭素吸収管  5.3.1 b)による。

d)

脱水管  5.3.1 c)による。

e)

分離カラム  ステンレス鋼管又はポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFE という。)製管に,合成

ゼオライト又はシリカゲルを詰めたもの。

5.3.3.2 

水に変換して測定する場合 

ガス分離部は,集じん管,酸化管,分離カラムなどで構成する。

a)

集じん管  5.3.3.1 a)による。

b)

酸化管  5.3.1 a)による。ただし,銅は使用できない。

c)

分離カラム  ステンレス鋼管又は PTFE 製管に,合成ゼオライトなどを詰めたもの。

5.3.4 

ガス計測部 

ガス計測部は,熱伝導度検出器,指示計などで構成する。

a)

熱伝導度検出器  サーミスタを挿入した対照セル,試料セルなどで構成する。

b)

指示計  熱伝導度検出器で検出した水素又は水による電気信号を読み取ることのできるもの。

5.3.5 

ガス検量部 

ガス検量部は,体積既知のステンレス鋼管によるガス検量管などで構成する。

注記  水素ガスドージングを行う場合は,アルゴンの配管を点線のように切り替え,ガス検量管内の水素をインパ

ルス炉に搬送する。

図 2−不活性ガス融解−熱伝導度法(水素のままで測定する場合)の装置構成の例 

アルゴン

ガス検量部

ガス計測部

不活性ガス清浄部

ガス抽出部

二酸化炭素

吸収管

ガス分離部

酸化管・加熱炉

脱水管

試料

試料投入器

インパルス炉

水素

ガス検量管

熱伝導度

検出器

指示計

分離カラム

脱水管

二酸化炭素

吸収管

酸化管

集じん管


4

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注記  水素ガスドージングを行う場合は,ヘリウムの配管を点線のように切り替え,ガス検量管内の水素をインパ

ルス炉に搬送する。

図 3−不活性ガス融解−熱伝導度法(水素を水に変換して測定する場合)の装置構成の例 

5.4 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,0.10 g∼0.30 g とし,1 mg の桁まではかる。

5.5 

操作 

操作の細かい手順は,使用する装置によって異なるので,その装置の指定する手順に従う。

5.5.1 

準備操作 

準備操作は,次の手順によって行う。

a)

装置に冷却水及び不活性ガス(5.2.2)を供給した後,電源を入れる。装置各部を所定の条件に設定し,

暖気運転を行う。黒鉛るつぼの加熱温度は,装置の電流値又は電力値で設定する。

b)

黒鉛るつぼ(5.2.4)をインパルス炉内に設置し,インパルス炉に通電して黒鉛るつぼを脱ガス温度に

加熱する。黒鉛るつぼの温度のパラメータとして,黒鉛るつぼに流れる電流値又は電力値が,ガス抽

出の電流値又は電力値より高いことを確認する。

c)

b)

の黒鉛るつぼをガス抽出温度に加熱し,指示計の値を読み取る。安定した指示計の値が得られるま

で,この操作を繰り返す。

なお,あらかじめ検量線用試料を用いて最適なガス抽出の電流値又は電力値を求めておく。

5.5.2 

定量操作 

定量操作は,準備操作,空試験及び検量線の作成に引き続き,次の手順によって行う。

a)

はかりとった試料を,試料投入器に入れる。

b)

黒鉛るつぼ(5.2.4)にすず(5.2.1)を入れて,5.5.1 b)の操作を行い,黒鉛るつぼ及びすずの脱ガスを

行う。

なお,すず(5.2.1)の使用量は,使用する装置によって異なるので,あらかじめ検量線用試料を用

いて,その装置に適した量を求めておく。また,ニッケルを加えることができる。

ヘリウム

ガス検量部

ガス計測部

不活性ガス清浄部

ガス抽出部

二酸化炭素

吸収管

ガス分離部

酸化管・加熱炉

脱水管

試料

試料投入器

インパルス炉

水素

ガス検量管

熱伝導度

検出器

指示計

分離カラム

酸化管・加熱炉

集じん管


5

H 1619

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c)

試料投入器中の試料を黒鉛るつぼに投入し,インパルス炉に通電して黒鉛るつぼを 5.5.1 c)で設定した

ガス抽出温度に加熱し,指示計の値を読み取る。

5.6 

空試験 

空試験は,準備操作に引き続き,次の手順によって行う。

なお,操作の細かい手順は,使用する装置によって異なるので,その装置の指定する手順に従う。

a)

黒鉛るつぼ(5.2.4)に 5.5.2 b)で用いるすずと同量のすず(5.2.1)を入れてインパルス炉内に設置する。

インパルス炉に通電して黒鉛るつぼを脱ガス温度に加熱し,黒鉛るつぼ及びすずの脱ガスを行う。

5.5.2 

b)

でニッケルを加えた場合は,同じ量のニッケルを加える。

b)  5.5.2 c)

と同じ条件でインパルス炉に通電して黒鉛るつぼをガス抽出温度に加熱し,指示計の値を読み

取る。

c)

a)

及び b)の操作を数回繰り返し,読み取った値の平均値を求める。

5.7 

検量線の作成 

検量線の作成は,準備操作及び空試験に引き続き行い,次のいずれかによる。

なお,操作の細かい手順は,使用する装置によって異なるので,その装置の指定する手順に従う。

5.7.1 

検量線用試料による場合 

検量線用試料による検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)

試料に変えて検量線用試料を用いて 5.5.2 の定量操作及び 5.6 の空試験を行う。

b)

定量操作における指示計の読取値から,空試験の読み取った平均値を差し引く。

c)

a)

及び b)の操作を数回繰り返す。

d)

検量線用試料の水素含有率及びはかりとった質量から式(1)によって水素質量を求め,水素質量と b)

及び c)で得た値との関係をプロットする。プロットした点と原点とを通る直線を作成し,その直線(水

素質量と指示計の値との関係線)を検量線とする。

100

1

C

G

M

×

=

 (1)

ここに,

M

1

はかりとった検量線用試料中の水素質量(g)

G

はかりとった検量線用試料の質量(g)

C

検量線用試料中の水素含有率[%(質量分率)

5.7.2 

水素ガスドージングによる場合 

水素ガスドージングによる検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)

黒鉛るつぼ(5.2.4)をインパルス炉内に設置する。

b)

ガス検量部を使用して,一定体積の水素(5.2.3)を供給し,指示計の値を読み取る。

c)

大気圧及び供給した水素の温度を測定する。

d)

  b)

の操作を数回繰り返し,読み取った値の平均値を求める。

e)

供給した水素の体積から式(2)によって換算した水素の質量を求め,水素の質量と d)で得た値との関係

をプロットする。プロットした点と原点とを通る直線を作成し,その直線(水素質量と指示計の値と

の関係線)を検量線とする。

)

273

(

10

31

.

8

01

.

2

3

2

t

V

P

M

+

×

×

×

×

=

 (2)

ここに,

M

2

水素の質量(g)

P

c)

で測定した大気圧(kPa)

V

b)

で供給した水素の体積(mL)


6

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t

c)

で測定した水素の温度(℃)

5.8 

計算 

5.5.2 c)

で読み取った値及び 5.6 c)で得た平均値と,5.7 で作成した検量線とから,試料中の水素の質量を

求め,試料中の水素含有率を式(3)によって算出する。

100

2

1

×

=

m

A

A

H

 (3)

ここに,

H

試料中の水素含有率[%(質量分率)

A

1

5.5.2 c)

で読み取った値から求めた水素の質量(g)

A

2

5.6 c)

の平均値から求めた水素の質量(g)

m

試料はかりとり量(g)

5.9 

許容差 

許容差は,

表 による。

表 1−許容差

単位  %(質量分率)

水素含有率

併行許容差

室内再現許容差

室間再現許容差

0.000 2

以上

0.006 0

以下

ƒ

n)×[0.015 9×(H)+

0.000 04]

ƒ

n)×[0.023 2×(H)+

0.000 04]

ƒ

n)×[0.033 1×(H)+

0.000 13]

許容差計算式中の ƒ(n)の値は,JIS Z 8402-6 

表 1(許容範囲の係数)による。の値は,併行許容差の場

合は併行分析回数,室内再現許容差の場合は同一分析室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に

関与した分析室数である。また,

H)は,許容差を求める水素定量値の平均値[%(質量分率)

]である。

不活性ガス融解−赤外線吸収法 

6.1 

要旨 

不活性ガス気流中で,黒鉛るつぼを用いて試料をすずとともにインパルス炉によって加熱して融解し,

水素を他のガスとともに抽出する。抽出したガス中の水素を酸化して水に変換し,これを赤外線検出器に

導き,水による赤外線吸収量の変化を測定する。

6.2 

材料及び試薬 

材料及び試薬は,次による。

6.2.1

すず  粒状又は円盤状のもの。

6.2.2

ヘリウム  99.99 %(体積分率)以上のもの。

6.2.3

水素  99.99 %(体積分率)以上のもの。

6.2.4

黒鉛るつぼ  5.2.4 による。

6.2.5

検量線用試料  水素含有率が既知のチタン又はチタン合金。

6.2.6

過塩素酸マグネシウム  元素分析用

6.3 

装置 

装置は,ヘリウム清浄部,ガス抽出部,ガス計測部などで構成し,次による。装置構成の例を

図 に示

す。

注記  装置の構成,構造及び使用条件は,使用する装置によって異なる。

6.3.1 

ヘリウム清浄部 

ヘリウム清浄部は,酸化管,電器抵抗加熱炉,二酸化炭素吸収管,脱水管,電気抵抗加熱炉などで構成

する。


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a)

酸化管  5.3.1 a)による。

b)

二酸化炭素吸収管  5.3.1 b)による。

c) 

脱水管  5.3.1 c)による。

6.3.2 

ガス抽出部 

ガス抽出部は,5.3.2 による。

6.3.3 

抽出ガス変換部 

抽出ガス変換部は,集じん管,酸化管などで構成する。

a) 

集じん管  5.3.3.1 a)による。

b) 

酸化管  5.3.1 a)による。

6.3.4 

ガス計測部 

ガス計測部は,赤外線検出器,指示計などで構成する。

a)

赤外線検出器  固体センサー形の赤外線検出器で,水による赤外線吸収量の変化を測定できるもの。

b)

指示計  赤外線検出器で検出した水の電気信号を読み取ることのできるもの。

6.3.5 

ガス検量部 

ガス検量部は,5.3.5 による。

注記  水素ガスドージングを行う場合は,ヘリウムの配管を点線のように切り替え,ガス検量管内の水素をインパ

ルス炉に搬送する。

図 4−不活性ガス融解−赤外線吸収法の装置構成の例 

6.4 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,0.10 g∼0.30 g とし,1 mg の桁まではかる。

6.5 

操作 

操作の細かい手順は,使用する装置によって異なるので,その装置の指定する手順に従う。

ヘリウム

ガス検量部

ガス計測部

ヘリウム清浄部

ガス抽出部

二酸化炭素

吸収管

ガス分離部

酸化管・加熱炉

脱水管

試料

試料投入器

インパルス炉

水素

ガス検量管

赤外線 
検出器

指示計

分離カラム

酸化管・加熱炉

集じん管


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6.5.1 

準備操作 

準備操作は,5.5.1 による。ただし,5.5.1 a)の操作は,ヘリウム(6.2.2)を供給する。

6.5.2 

定量操作 

定量操作は,5.5.2 による。

6.6 

空試験 

空試験は,5.6 による。

6.7 

検量線の作成 

検量線の作成は,5.7 による。

6.8 

計算 

計算は,5.8 による。

6.9 

許容差 

許容差は,5.9 による。