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H 1618

:2012

(1) 

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  一般事項

1

5

  定量方法の区分 

1

6

  二酸化けい素重量法

1

6.1

  要旨

1

6.2

  試薬

2

6.3

  試料はかりとり量

2

6.4

  操作

2

6.5

  空試験

2

6.6

  計算

2

7

  モリブドけい酸青吸光光度法

3

7.1

  要旨

3

7.2

  試薬

3

7.3

  試料はかりとり量

3

7.4

  操作

4

7.5

  空試験

5

7.6

  検量線の作成 

5

7.7

  計算

5

7.8

  許容差

5

8

  四ふっ化けい素気化分離モリブドけい酸青吸光光度法 

6

8.1

  要旨

6

8.2

  試薬

6

8.3

  装置

6

8.4

  試料はかりとり量

7

8.5

  操作

7

8.6

  空試験

8

8.7

  検量線の作成 

8

8.8

  計算

9

8.9

  許容差

9


H 1618

:2012

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本チタ

ン協会(JTS)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS H 1618:1997 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 H

1618

:2012

チタン及びチタン合金−けい素定量方法

Titanium and titanium alloys-Determination of silicon content

適用範囲 

この規格は,チタン及びチタン合金中のけい素定量方法について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 1611

  チタン及びチタン合金−分析方法通則

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS Z 8402-6

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 6 部:精確さに関する値の実用的

な使い方

用語及び定義 

この規格で用いる用語及び定義は,JIS H 1611 による。

一般事項 

一般事項は,次による。

a)

分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1611 による。

b)

吸光光度法で使用する水は,蒸留水又は JIS K 0050 

附属書 D(化学分析に用いる水)に規定する,

種別及び質の A3 以上の品質のものとする。

定量方法の区分 

けい素の定量方法は,次のいずれかによる。

a)

二酸化けい素重量法  この方法は,けい素含有率 0.03 %(質量分率)以上,1.0 %(質量分率)以下の

試料に適用する。

b)

モリブドけい酸青吸光光度法  この方法は,けい素含有率 0.01 %(質量分率)以上,0.15 %(質量分

率)以下の試料に適用する。

c)

四ふっ化けい素気化分離モリブドけい酸青吸光光度法  この方法は,けい素含有率 0.001 %(質量分

率)以上,0.040 %以下(質量分率)の試料に適用する。

二酸化けい素重量法 

6.1 

要旨 


2

H 1618

:2012

   

試料を硫酸と塩酸とで分解し,加熱して硫酸白煙を発生させ,けい素を不溶性の二酸化けい素とし,こ

し分けた後,強熱して恒量とし,その質量をはかる。ふっ化水素酸を加え,加熱して二酸化けい素を四ふ

っ化けい素として蒸発揮散させ,強熱して恒量とした後,その質量をはかる。

6.2 

試薬 

試薬は,次による。

6.2.1

塩酸(1+1)

6.2.2

ふっ化水素酸 

6.2.3

硫酸(1+1,1+4)

6.2.4

硫酸洗浄液  硫酸(1+30)950 mL に過酸化水素(1+9)50 mL を加える。

6.2.5

過酸化水素(1+2,1+9)

6.2.6

ゼラチン溶液  ゼラチン 1 g に水 100 mL を加え,加熱して溶解する。不溶解物を認めた場合は,

ろ過する。

6.3 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,3.0 g とし,0.1 mg の桁まではかる。

6.4 

操作 

6.4.1 

試料の分解及び二酸化けい素の脱水処理 

試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,硫酸(1+4)150 mL 及び塩酸

(1+1)4 mL を加え,沸騰しないように加熱して分解する。室温まで冷却した後,過酸化水素(1+2)約

15 mL を加え,チタンなどを酸化する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を少量の水で洗って時計皿を取

り除き,再び加熱して蒸発し,硫酸白煙を約 5 分間発生させた後,室温まで放冷する。

注記  強く加熱するとチタン酸が析出する。

6.4.2 

ろ過及び洗浄 

6.4.1

で得た溶液に温水約 150 mL,過酸化水素(1+9)約 5 mL 及びゼラチン溶液(6.2.6)約 10 mL を加

え,穏やかに加熱して可溶性の塩類を溶解する。直ちにろ紙(5 種 B)でこし分け,はじめは温めた硫酸

洗浄液(6.2.4)で過チタン酸の黄色が認められなくなるまで洗浄し,次に温水で十分に洗浄する。

6.4.3 

沈殿の処理及びひょう量 

沈殿の処理及びひょう量は,次の手順によって行う。

a)  6.4.2

で得た沈殿を,ろ紙とともに白金るつぼ(30 番)に移し入れ,加熱してろ紙を乾燥した後,約

700  ℃で灰化する。

b) 1

100

℃で強熱し,デシケーター中で常温まで放冷した後,その質量をはかる。この操作を 0.3 mg 以

下の恒量となるまで繰り返す。

c)

白金るつぼ中の沈殿を硫酸(1+1)で湿し,ふっ化水素酸 5 mL を加え,穏やかに加熱して二酸化け

い素及び硫酸を揮散させる。

d) 1

100

℃で強熱し,デシケーター中で常温まで放冷した後,その質量をはかる。この操作を 0.3 mg 以

下の恒量となるまで繰り返す。

e)

b)

で得た質量から d)で得た質量を差し引く。

6.5 

空試験 

試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と併行して行う。

6.6 

計算 

試料中のけい素含有率を,次の式によって算出する。


3

H 1618

:2012

(

)

100

4

467

.

0

2

1

×

×

=

m

m

m

Si

ここに,

Si

試料中のけい素含有率[%(質量分率)

m

1

6.4.3 e)

で得た質量(g)

m

2

6.5

で得た質量(g)

m

試料はかりとり量(g)

モリブドけい酸青吸光光度法 

7.1 

要旨 

試料をふっ化水素酸で分解し,過マンガン酸カリウムを加えて加熱し,チタンを加水分解させ,ろ過す

る。ろ液に七モリブデン酸六アンモニウムを加え,けい素をモリブドけい酸とした後,L(+)-酒石酸及び

還元試薬を加えてモリブドけい酸青を生成させ,分光光度計を用いてその吸光度を測定する。

7.2 

試薬 

試薬は,次による。

なお,試薬は,けい素含有率のできるだけ低いものを使用し,調製した試薬溶液は,ポリエチレン製容

器に保存する。

注記  できるだけ低いものは,それぞれの試薬について数種類準備し,空試験値の低いものを選択す

るのが望ましい。

7.2.1

塩酸(1+1)

7.2.2

ふっ化水素酸(1+1)

7.2.3

ほう酸

7.2.4

アンモニア水(1+1)

7.2.5

チタン  99.9 %(質量分率)以上で,けい素含有率が 0.003 %(質量分率)以下で既知であるもの。

7.2.6

過マンガン酸カリウム溶液(30 g/L)

7.2.7

七モリブデン酸六アンモニウム溶液  七モリブデン酸六アンモニウム四水和物 10 g を水 100 mL に

溶解する。この溶液は,使用の都度,ろ過して用いる。

7.2.8

L(

)-酒石酸溶液(200 g/L)

7.2.9

還元試薬溶液  亜硫酸ナトリウム 1 g を水 20 mL に溶解し,1-アミノ-2-ナフトール-4-スルホン酸

0.50 g を加えて溶解する。この溶液に亜硫酸水素ナトリウム 30 g を水 180 mL に溶解した溶液を加えて混

合する。この溶液は,使用の都度調製する。

7.2.10

けい素標準液 A(Si 100 μg/mL)  あらかじめ 1 000  ℃で強熱し,デシケーター中で常温まで放冷

した二酸化けい素 0.214 g をはかりとって白金るつぼ(30 番)に移し入れ,炭酸ナトリウム 1 g を加えて

混合し,加熱して融解する。放冷した後,温水約 100 mL を入れたポリエチレン製ビーカー(200 mL)中

に浸し,水浴上で温めて融成物を溶解した後,白金るつぼを水で洗って取り出す。常温まで冷却した後,

溶液を 1 000 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。

7.2.11

けい素標準液 B(Si 10 μg/mL)  けい素標準液 A(7.2.10)を使用の都度,必要量だけ水で正確に

10 倍にうすめてけい素標準液 B とする。

7.3 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,0.50 g とし,0.1 mg の桁まではかる。


4

H 1618

:2012

   

7.4 

操作 

7.4.1 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次のいずれかによる。

a)

バナジウム 0.5 %(質量分率)未満及びクロム 2 %(質量分率)未満を含有する試料の場合  試料を

はかりとってポリエチレン製ビーカー(200 mL)に移し入れ,水約 40 mL 及びふっ化水素酸(1+1)

3 mL を加えた後,ポリエチレン製時計皿で覆い,水浴上で加熱して分解する。

b)

バナジウム 0.5 %(質量分率)以上又はクロム 2 %(質量分率)以上を含有する試料の場合  試料を

2 個はかりとってポリエチレン製ビーカー(200 mL)に移し入れ,水約 40 mL 及びふっ化水素酸

(1+1)3 mL を加えた後,ポリエチレン製時計皿で覆い,水浴上で加熱して分解する。

7.4.2 

チタンの分離 

7.4.1

で得た溶液に水約 100 mL 及びほう酸 5 g を加えて振り混ぜ,過マンガン酸カリウム溶液を滴加し

て溶液が微紅色を呈してから更に過剰に 1,2 滴加え,ときどき振り混ぜながら沸騰水浴中で約 90 分間加

熱してチタンを完全に加水分解させる。室温まで冷却した後,時計皿の下面を少量の水で洗って時計皿を

取り除く。ろ紙パルプを入れたろ紙(5 種 B)及びポリエチレン製漏斗を用いて溶液を別のポリエチレン

製ビーカー(500 mL)にろ過し,ろ紙及び沈殿を水で十分に洗浄する。

7.4.3 

呈色 

呈色は,次のいずれかによる。

a)

バナジウム 0.5 %(質量分率)未満及びクロム 2 %(質量分率)未満を含有する試料の場合  7.4.2 

得た溶液の pH が 0.8∼1.5 の範囲にあることを確認する。pH が 0.8 以下の場合には,アンモニア水

(1+1)を用いて 0.8∼1.5 に調節する。また,pH が 1.5 以上の場合には,塩酸(1+1)を用いて 0.8

∼1.5 に調節する。七モリブデン酸六アンモニウム溶液(7.2.7)5 mL を加えてよく振り混ぜ,20∼30  ℃

で約 15 分間放置する。L(+)-酒石酸溶液 5 mL を加えて振り混ぜ,次に還元試薬溶液(7.2.9)3 mL を

加えてよく振り混ぜた後,溶液を 250 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうす

め,20∼30  ℃で約 15 分間放置する。

b)

バナジウム 0.5 %(質量分率)以上又はクロム 2 %(質量分率)以上を含有する試料の場合

1)  7.4.2

で得た溶液の pH が 0.8∼1.5 の範囲にあることを確認する。pH が 0.8 以下の場合には,アンモ

ニア水(1+1)を用いて 0.8∼1.5 に調節する。また,pH が 1.5 以上の場合には,塩酸(1+1)を用

いて 0.8∼1.5 に調節する。2 個の試料溶液の一方には七モリブデン酸六アンモニウム溶液(7.2.7

5 mL を加えてよく振り混ぜ,20∼30  ℃で約 15 分間放置する。L(+)-酒石酸溶液 5 mL を加えて振

り混ぜ,次に還元試薬溶液(7.2.9)3 mL を加えてよく振り混ぜた後,溶液を 250 mL の全量フラス

コに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめ,20∼30  ℃で約 15 分間放置する。

2)  1)

で得た溶液及び残りの 1 個の試料溶液に L(+)-酒石酸溶液 5 mL を加えて振り混ぜ,次に還元試薬

溶液(7.2.9)3 mL を加えてよく振り混ぜた後,溶液を 250 mL の全量フラスコに水を用いて移し入

れ,水で標線までうすめ,20∼30  ℃で約 15 分間放置する。

7.4.4 

吸光度の測定 

吸光度の測定は,次のいずれかによる。

a)

バナジウム 0.5 %(質量分率)未満及びクロム 2 %(質量分率)未満を含有する試料の場合  7.4.3 

得た溶液の一部を分光光度計の吸収セル(10 mm)に取り,水を対照液として,けい素含有率が 0.05 %

(質量分率)未満の場合には,波長 810 nm 付近の,けい素含有率が 0.05 %(質量分率)以上の場合

には,波長 650 nm 付近の吸光度を測定する。


5

H 1618

:2012

b)

バナジウム 0.5 %(質量分率)以上又はクロム 2 %(質量分率)以上を含有する試料の場合  7.4.3 

得た 2 個の試料溶液の一部を分光光度計の吸収セル(10 mm)に取り,水を対照液として,けい素含

有率が 0.05 %(質量分率)未満の場合には,波長 810 nm 付近の,けい素含有率が 0.05 %(質量分率)

以上の場合には,波長 650 nm 付近の吸光度を測定して,七モリブデン酸六アンモニウム溶液(7.2.7

を添加した試料溶液の吸光度から七モリブデン酸六アンモニウム溶液(7.2.7)を添加しない試料溶液

の吸光度を差し引いて,試料溶液の吸光度とする。

7.5 

空試験 

7.6

の検量線の作成操作において,けい素標準液を添加しない溶液を空試験液とし,その吸光度を空試験

液の吸光度とする。

7.6 

検量線の作成 

検量線の作成は,次のいずれかによる。

a)

試料中のけい素含有率が 0.05 %(質量分率)未満の場合  数個のポリエチレン製ビーカー(200 mL)

を準備し,それぞれにチタン(7.2.5)0.50 g ずつをはかりとって移し入れ,けい素標準液 B(7.2.11

0∼25.0 mL(けい素として 0∼250  μg)を段階的に加え,水で液量を約 40 mL とした後,ふっ化水素

酸(1+1)3 mL を加える。次に,ポリエチレン製時計皿で覆い,水浴上で加熱して分解する。以下,

試料と併行して 7.4.27.4.4 の手順に従って操作し,得た吸光度とけい素量との関係線を作成し,その

関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

b)

試料中のけい素含有率が 0.05 %(質量分率)以上の場合  数個のポリエチレン製ビーカー(200 mL)

を準備し,それぞれにチタン(7.2.5)0.50 g ずつをはかりとって移し入れ,けい素標準液 A(7.2.10

0∼8.0 mL(けい素として 0∼800 μg)を段階的に加え,水で液量を約 40 mL とした後,ふっ化水素酸

(1+1)3 mL を加える。次に,ポリエチレン製時計皿で覆い,水浴上で加熱して分解する。以下,試

料と併行して 7.4.27.4.4 の手順に従って操作し,得た吸光度とけい素量との関係線を作成し,その関

係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

7.7 

計算 

7.4.4

及び 7.5 で得た吸光度と,7.6 で作成した検量線とからけい素量を求め,試料中のけい素含有率を次

の式によって算出する。

(

)

100

3

2

1

×

=

m

A

A

A

Si

ここに,

Si

試料中のけい素含有率[%(質量分率)

A

1

試料溶液中のけい素検出量(g)

A

2

空試験液中のけい素検出量(g)

A

3

7.6 a)

ではかりとったチタン(7.2.5)0.50 g 中に

含まれるけい素量(g)

m

試料はかりとり量(g)

7.8 

許容差 

許容差は,

表 による。

 
 
 
 
 


6

H 1618

:2012

   

表 1−許容差 

単位  %(質量分率)

けい素含有率

室内再現許容差

室間再現許容差

0.010

f

n)×[0.001 04]

f

n)×[0.002 60]

許容差計算式中の fn)の値は,JIS Z 8402-6 

表 1(許容範囲の係数)による。の値は,室

内再現許容差の場合は同一分析室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与した

分析室数である。

四ふっ化けい素気化分離モリブドけい酸青吸光光度法 

8.1 

要旨 

試料をふっ化水素酸と硝酸とで分解し,硫酸を添加した後,窒素を通気してけい素を四ふっ化けい素と

して気化分離し,ほう酸に吸収させる。七モリブデン酸六アンモニウムを加え,けい素をモリブドけい酸

とした後,しゅう酸及び L(+)-アスコルビン酸を加えてモリブドけい酸青を生成させ,分光光度計を用い

てその吸光度を測定する。

8.2 

試薬 

試薬は,次による。

なお,試薬は,けい素含有率のできるだけ低いものを使用し,調製した試薬溶液は,ポリエチレン製容

器に保存する。

注記  できるだけ低いものは,それぞれの試薬について数種類準備し,空試験数値の低いものを選択

するのが望ましい。

8.2.1

塩酸(1+1)

8.2.2

硝酸(1+1)

8.2.3

ふっ化水素酸(1+1)

8.2.4

硫酸  数個の白金皿(100 番)にそれぞれ硫酸約 80 mL を取り,少量の硝酸及びふっ化水素酸数滴

を加え,加熱して白煙を発生させる。室温まで放冷した後,1 個のポリエチレン製容器に移し入れ,よく

混合して使用する。

8.2.5

ほう酸溶液  ほう酸 40 g をポリエチレン製試薬瓶(1 000 mL)に入れ,水約 900 mL を加えて水浴

中で加熱して溶解し,室温まで冷却した後,水で液量を 1 000 mL とする。

8.2.6

吸収溶液  ほう酸 0.5 g を水 1 000 mL に溶解する。

8.2.7

チタン  99.9 %(質量分率)以上で,けい素含有率が 0.001 %(質量分率)以下で既知であるもの。

8.2.8

硝酸ナトリウム溶液(50 g/L)

8.2.9

七モリブデン酸六アンモニウム溶液  七モリブデン酸六アンモニウム四水和物 10 g を水 100 mL に

溶解する。使用の都度,ろ過する。

8.2.10

しゅう酸溶液  しゅう酸二水和物 10 g を水 100 mL に溶解する。

8.2.11  L(

)-アスコルビン酸溶液(30 g/L)  使用の都度,調製する。

8.2.12

けい素標準液(Si 20 μg/mL)  7.2.10 に従って調製して原液(Si 100 μg/mL)とする。この原液を

使用の都度,必要量だけ水で正確に 5 倍にうすめてけい素標準液とする。

8.3 

装置 

四ふっ化けい素気化装置は,

図 のように連結して用いる。

なお,装置を新しく使用する場合又は長期間使用しなかった後に使用する場合には,空試験操作を繰返

し行って空試験値を安定させる。


7

H 1618

:2012

a)

気化容器  容量 50∼80 mL のポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFE という。)製容器又はポリエ

チレン製容器。

b)

吸収容器  容量約 30 mL の PTFE 製容器又はポリエチレン製容器。

c)

窒素送入・硫酸注入管  内径約 4 mm の PTFE 製管又はポリエチレン製管。

A:窒素送入・硫酸注入管 
B:気化容器 
C:導管 
D:吸収容器 
E:ゴム栓 
F:排気管 
G:ミスト防止板 
H:硫酸注入漏斗(ポリエチレン製) 
I:窒素送入ゴム管 

図 1−四ふっ化けい素気化装置の例 

8.4 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,

表 によって,0.1 mg の桁まではかる。

表 2−試料はかりとり量 

けい素含有率

%(質量分率)

試料はかりとり量

g

0.001 以上  0.020 未満 1.0 
0.020 以上  0.040 以下 0.50

8.5 

操作 

8.5.1 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかりとってポリエチレン製ビーカー(100 mL)に移し入れ,ポリエチレン製時計皿で覆い,

水 10 mL 及び硝酸ナトリウム溶液 1 mL を加える。激しい反応がおきないように注意しながら,ふっ

化水素酸(1+1)6 mL を少量ずつ加える。反応が激しい場合は,水で冷却しながらふっ化水素酸

(1+1)を加える。また,分解が不十分な場合には,ふっ化水素酸(1+1)2 mL を追加する。反応が

穏やかになってから硝酸(1+1)3 mL を加えて約 80  ℃の水浴上で加熱して分解する。


8

H 1618

:2012

   

b)

ポリエチレン製時計皿の下面を少量の水で洗ってポリエチレン製時計皿を取り除き,ほう酸溶液

8.2.5)60 mL を加え,常温まで冷却した後,溶液を 100 mL のポリエチレン製全量フラスコに水を

用いて移し入れ,水で標線までうすめる。

なお,ポリエチレン製全量フラスコの体積は,あらかじめ JIS K 0050 

附属書 H(体積計の校正方

法)に従って校正検定しておく。

8.5.2 

四ふっ化けい素の気化分離及び吸収 

四ふっ化けい素の気化分離及び吸収は,次の手順によって行う。

a)  8.5.1

で得た溶液をポリエチレン製全量ピペットを用いて 10 mL 分取し,四ふっ化けい素気化装置の気

化容器(B)に入れ,吸収容器(D)に吸収溶液(8.2.6)10 mL を加え,ゴム栓付き導管で連結する。

b)

気化容器(B)を水で冷却しながら窒素送入・硫酸注入管(A)からポリエチレン製硫酸注入漏斗(H)

を用いて硫酸(8.2.4)20 mL を加え,窒素送入ゴム管からはじめは突沸をしない程度に窒素を通し,

溶液と硫酸が混合したら徐々に窒素の流量を上げ,

毎分 800∼1 000 mL の流量で 20∼25 分間通気する。

吸収容器(D)をゴム栓(E)から外し,導管(C)を約 1 mL の水で洗浄し,洗液を吸収溶液に合わ

せる。

なお,ポリエチレン製全量ピペットの体積は,あらかじめ JIS K 0050 

附属書 に従って校正して

おく。

8.5.3 

呈色 

8.5.2

で得た溶液に塩酸(1+1)0.5 mL と七モリブデン酸六アンモニウム溶液(8.2.9)1.5 mL とを加え

て十分に振り混ぜ,約 5 分間放置する。しゅう酸溶液(8.2.10)2 mL を加え,30 秒以内に L(+)-アスコル

ビン酸溶液(8.2.11)2 mL を加えて振り混ぜた後,溶液を 25 mL のポリエチレン製全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線までうすめ,室温で 10∼15 分間放置する。

8.5.4 

吸光度の測定 

8.5.3

で得た溶液の一部を分光光度計の吸収セル(10 mm)に取り,水を対照液として波長 810 nm 付近

の吸光度を測定する。

8.6 

空試験 

8.7

の検量線の作成操作において,けい素標準液を添加しない溶液を空試験液とし,その吸光度を空試験

液の吸光度とする。

8.7 

検量線の作成 

検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)

数個のポリエチレン製ビーカー(100 mL)を用意し,それぞれに

表 の試料はかりとり量と同量のチ

タン(8.2.7)をはかりとって移し入れ,けい素標準液(8.2.12)0∼10.0 mL(けい素として 0∼200 μg)

を段階的に加え,水で液量を 10 mL とした後,硝酸ナトリウム溶液 1 mL を加える。

b)

ポリエチレン製時計皿で覆い,激しい反応がおきないように注意しながら,ふっ化水素酸(1+1)6 mL

を少量ずつ加える。反応が激しい場合は,水で冷却しながらふっ化水素酸(1+1)を加える。また,

分解が不十分な場合には,

ふっ化水素酸

(1+1)2 mL を追加する。

反応が穏やかになってから硝酸

(1+1)

3 mL を加えて約 80  ℃の水浴上で加熱して分解する。

c)

時計皿の下面を少量の水で洗って時計皿を取り除き,ほう酸溶液(8.2.5)60 mL を加え,常温まで冷

却した後,溶液を 100 mL のポリエチレン製全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうす

める。以下,試料と併行して 8.5.28.5.4 の手順に従って操作し,得た吸光度とけい素量との関係線を

作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。


9

H 1618

:2012

なお,ポリエチレン製全量フラスコの体積は,あらかじめ JIS K 0050 

附属書 に従って校正して

おく。

8.8 

計算 

8.5.4

及び 8.6 で得た吸光度と,8.7 で作成した検量線とからけい素量を求め,試料中のけい素含有率を次

の式によって算出する。

100

10

1

)

10

1

(

3

2

1

×

×

×

=

m

A

A

A

Si

ここに,

Si

試料中のけい素含有率[%(質量分率)

A

1

分取した試料溶液中のけい素検出量(g)

A

2

分取した空試験液中のけい素検出量(g)

A

3

8.7 a)

ではかりとったチタン(8.2.7)中に含まれる

けい素量(g)

m

試料はかりとり量(g)

8.9 

許容差 

許容差は,

表 による。

表 3−許容差

単位  %(質量分率)

けい素含有率

室内再現許容差

室間再現許容差

0.001 以上  0.040 以下

f

n)×[0.028 0(Si)+0.000 2]

f

n)×[0.062 2(Si)+0.000 3]

許容差計算式中の fn)の値は JIS Z 8402-6 

表 1(許容範囲の係数)による。の値は,室内再現許容差

の場合は同一分析室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与した分析室数である。また,

Si)は,許容差を求めるけい素定量値の平均値[%(質量分率)

]である。