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日本工業規格

JIS

 H

1615

- 1997

チタン中の塩素定量方法

Method for determination of chlorine in titanium

1.

適用範囲  この規格は,スポンジチタン中の塩素定量方法について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS H 1611

  チタン及びチタン合金の分析方法通則

JIS K 0113

  電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

2.

一般事項  定量方法に共通な一般事項は,JIS H 1611 の規定による。

3.

定量方法  塩素の定量方法は,硝酸銀滴定法による。この方法は,塩素含有率 0.005% (m/m)  以上 0.20%

(m/m)

以下の試料に適用する。

4.

硝酸銀滴定法

4.1

要旨  試料をふっ化水素酸で分解する。硝酸及びほう酸を加えた後,パラジメチルアミノベンジリ

デンローダニン(以下,PDABR という。

)試験紙を液外指示薬として用いて硝酸銀標準溶液で滴定するか,

又は電位差滴定装置を用いて硝酸銀標準溶液で滴定する。

4.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

硝酸 (1+1)

(2)

ふっ化水素酸 (1+1)

(3)

ほう酸

(4)

過酸化水素水 (1+100)

(5) 0.02mol/l

硝酸銀標準溶液 (3.398gAgNO

3

/l)

  硝酸銀 3.4g をはかり取ってビーカー (300ml) に移し入

れ,水約 100ml を加えて溶解した後,溶液を褐色の 1 000ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,

水で標線まで薄める。この溶液は,冷暗所に保存する。この溶液 1ml は塩素 0.000 709g に相当するが,

この溶液の標定は,次のようにして行う。

塩化ナトリウム  (JIS K 8005)  の必要量を約 600℃で約 60 分間加熱した後,デシケーターに入れて

室温まで放冷し,

その 0.028∼0.034g を 0.1mg のけたまではかり取ってビーカー (300ml) に移し入れ,

水約 100ml を加えて溶解する。この溶液を 4.5.2(1)(b)に従って又はこの溶液を電位差滴定装置の滴定

槽部に置いた後,4.5.2(2)(b)に従って硝酸銀標準溶液で滴定する。空試験は,塩化ナトリウムを用いな

いで同じ操作を行う。硝酸銀標準溶液のファクターを,次の式によって算出する。

100

)

(

169

001

.

0

2

1

A

V

V

m

F

×

× −


2

H 1615 - 1997

ここに,

F

:  硝酸銀標準溶液のファクター

m

:  塩化ナトリウムのはかり取り量 (g)

V

1

:  硝酸銀標準溶液の使用量 (ml)

V

2

:  空試験での硝酸銀標準溶液の使用量 (ml)

A

:  塩化ナトリウムの純度 [% (m/m)]

(6)

 PDABR

試験紙  PDABR0.2g をエタノール (99.5) 100ml に溶解し,溶液をろ紙(5 種 B)に十分にし

みこませた後,100℃の空気浴中で 5 分間乾燥し,デシケータ中に保存する。

4.3

装置

(1)

滴定装置

  滴定装置は,

JIS K 0113

5.1

(装置)に規定する電位差滴定装置を用いる。

(2)

装置の構成

  装置の構成は,

JIS K 0113

5.1.1

(構成)による。

(a)

滴定槽

  滴定槽は,

JIS K 0113

5.1.2(1)

(滴定槽)による。

(b)

検出器

  検出器は,

JIS K 0113

5.1.2(2)

(検出器)による。検出器を構成する電極は,指示電極に

銀電極を,参照(比較)電極に飽和硫酸カリウム電極を用いる。

(c)

滴定剤添加装置

  滴定剤添加装置は,

JIS K 0113

5.1.2(3)

(滴定剤添加装置)による。

(d)

制御部

  制御部は,

JIS K 0113

5.1.3

(制御部)による。

(e)

表示・記録部

  表示・記録部は,

JIS K 0113

5.1.4

(表示・記録部)による。

4.4

試料はかり取り量

  試料はかり取り量は,1.0g とし,1mg のけたまではかる。

4.5

操作

4.5.1

試料溶液の調製

  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

(1)

試料をはかり取って,ポリエチレンビーカー (300ml) に移し入れる。

(2)

ポリエチレン時計皿で覆い,水 40ml 及びふっ化水素酸 (1+1) 10ml を加えて水浴上で穏やかに加熱し

て完全に分解する。硝酸 (1+1) 3ml

(

1

)

を加えてチタンなどを酸化した後

(

2

)

,ほう酸 1.5g を加え,よく

かき混ぜて溶解する。放冷した後,ポリエチレン時計皿の下面を少量の水で洗って,時計皿を取り除

く。

(

1

)

硝酸 (1+1)  の過剰な添加は,PDABR 指示薬を分解して鮮明な終点を与えないため,定量値が

高い値となることがあるので避けなければならない。

(

2

)

4.5.2(2)

を適用する場合は,過酸化水素水 (1+100) 3ml を加える。

4.5.2

滴定

  滴定は,次のいずれかの手順によって行う。

(1)

PDABR

試験紙を液外指示薬として用いる場合

(a)

4.5.1(2)

で得た溶液をビーカー (300ml) に水を用いて移し入れる。

(b)

溶液をよくかき混ぜながら

(

3

)

0.02mol/l

硝酸銀標準溶液[

4.2.(5)

]

でミクロビューレットを用いて滴定

し,溶液の小滴を PDABR 試験紙[

4.2.(6)

]

(

4

)

上にとり,試験紙上のはん点が紫となった点を終点とす

る。

(2)

電位差滴定装置を用いる場合

(a)

4.5.1(2)

で得た溶液の入ったビーカーを電位差滴定装置の滴定槽部に置く。

(b)

溶液をよくかき混ぜながら 0.02mol/硝酸銀標準溶液[

4.2.(5)

]

でミクロビューレット

(

5

)

を用いて滴定

する。滴定曲線又は示差滴定曲線を作成して

(

6

)

滴定曲線における変曲点又は示差滴定曲線における

電位差変化率の絶対値が最大となる点を終点とする

(

7

)

(

3

)

先端を細くし溶液の小滴がとれるようにしたかくはん棒を使用すると便利である。

(

4

)

使用に先立って塩化物を含む溶液の小滴で,はん点を作ったとき紫に変化しないことを確かめ

ておく。


3

H 1615 - 1997

(

5

)

ミクロビューレットの代わりに自動ビューレットを用いることができる。

(

6

)

滴定曲線又は示差滴定曲線の作成方法は,

JIS K 0113

5.2.1

(滴定曲線又は示差滴定曲線の作

成方法)による。

(

7

)

終点の決定方法は,

JIS K 0113

5.2.2

(終点決定方法)による。

4.6

空試験

  空試験は,試料を用いないで試料と同じ操作を試料と並行して行う。

4.7

計算

  試料中の塩素含有率を,次の式によって算出する。

100

709

000

.

0

)

(

4

3

×

×

×

m

F

V

V

Cl

ここに,  Cl:  試料中の塩素含有率 [% (m/m)] 

V

3

4.5.2

(1)

又は

(2)

で得た硝酸銀標準溶液の使用量 (ml)

V

4

4.6

で得た硝酸銀標準溶液の使用量 (ml)

F

:  硝酸銀標準溶液のファクター

m

:  試料はかり取り量 (g)

JIS

原案調査作成委員会  構成表(五十音順)

氏名

所属

(委員長)

多  田  格  三

フジ化学研究所

天  野      徹

通商産業省工業技術院

稲  本      勇

新日本製鐵株式会社・株式会社日鐵テクノリサーチ

大河内  春  乃

科学技術庁金属材料技術研究所

小  熊  幸  一

千葉大学

金  築  四  郎

住友シチックス株式会社

北  岡  一  泰

社団法人日本チタン協会

中  村      靖

株式会社ジャパンエナジー分析センター

西  尾  正  浩

住友軽金属工業株式会社

服  部  兆  隆

東邦チタニウム株式会社

藤  城  泰  文

住友金属工業株式会社

藤  貫      正

日本磁気共鳴医学会

山  本  壽  美

古河電気工業株式会社

(事務局)

伊  藤      均

社団法人日本チタン協会

小委員会  構成表(五十音順)

氏名

所属

(小委員長)

中  村      靖

株式会社ジャパンエナジー分析センター

石  橋  耀  一

日本鋼管株式会社

稲  本      勇

新日本製鐵株式会社・株式会社日鐵テクノリサーチ

金  築  四  郎

住友シチックス株式会社

河  村  恒  夫

株式会社神戸製鋼所・株式会社コベルコ科研

北  岡  一  泰

社団法人日本チタン協会

小  林  義  男

株式会社ジャパンエナジー分析センター

西  尾  正  浩

住友軽金属工業株式会社

服  部  兆  隆

東邦チタニウム株式会社

藤  城  泰  文

住友金属工業株式会社

山  本  壽  美

古河電気工業株式会社

横  溝      耿

三菱マテリアル株式会社

(事務局)

伊  藤      均

社団法人日本チタン協会


4

H 1615 - 1997

協力者  構成表(五十音順)

氏名

所属

乾      道  春

株式会社神戸製鋼所・株式会社コベルコ科研

岡      圭  男

住友金属工業株式会社