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H 1369

:2009

(1) 

目  次

ページ

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  一般事項

1

4  定量方法の区分 

1

5  原子吸光分析法 

1

5.1  要旨

1

5.2  試薬

1

5.3  装置及び器具 

2

5.4  試料はかりとり量

2

5.5  操作

3

5.6  空試験

3

5.7  検量線の作成 

3

5.8  計算

3

6  ICP 発光分光分析法

4

6.1  要旨

4

6.2  試薬

4

6.3  装置及び器具 

4

6.4  試料はかりとり量

5

6.5  操作

5

6.6  空試験

6

6.7  検量線の作成 

6

6.8  計算

6


H 1369

:2009

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本アルミニウム協会(JAA)及び財

団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 H

1369

:2009

アルミニウム及びアルミニウム合金中の

カドミウム定量方法

Methods for determination of cadmium in aluminium and aluminium alloys

適用範囲 

この規格は,アルミニウム及びアルミニウム合金中のカドミウム定量方法について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 1307  アルミニウム及びアルミニウム合金の誘導結合プラズマ発光分光分析方法

JIS H 1351  アルミニウム及びアルミニウム合金の分析方法通則

JIS K 0116  発光分光分析通則

JIS K 0121  原子吸光分析通則

一般事項 

分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1351JIS K 0116 及び JIS K 0121 による。

定量方法の区分 

カドミウムの定量方法は,次のいずれかによる。

a)  原子吸光分析法  この方法は,カドミウム含有率 0.001  %(質量分率)以上 0.010  %(質量分率)以

下の試料に適用する。

b)  ICP 発光分光分析法  この方法は,カドミウム含有率 0.001  %(質量分率)以上 0.010  %(質量分率)

以下の試料に適用する。

原子吸光分析法 

5.1 

要旨 

試料を塩酸と過酸化水素とで分解した後,溶液を原子吸光分析装置のアセチレン・空気フレーム中に噴

霧し,その吸光度を測定する。

5.2 

試薬 

試薬は,次による。

5.2.1 

塩酸(111100) 

5.2.2 

硝酸(11) 

5.2.3 

ふっ化水素酸 


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5.2.4

アルミニウム  アルミニウム含有率 99.99  %(質量分率)以上で,カドミウムを含有しないもの又

はカドミウム含有率が低く既知のもの。

5.2.5 

過酸化水素 

5.2.6

ニッケル溶液  ニッケル[99.9  %(質量分率)以上]0.1 g をはかりとってビーカー(200 mL)に移

し入れ,硝酸(1+1) 30 mL を加えて穏やかに加熱して分解する。室温まで冷却した後,水で液量を 100 mL

とする。

5.2.7

すず溶液  すず[99.9  %(質量分率)以上]0.1 g をはかりとって白金皿(100 番)に移し入れ,

塩酸(1+1) 30 mL を加え,50∼80  ℃に加熱して分解する。室温まで冷却した後,水で液量を 100 mL とす

る。

5.2.8 

カドミウム標準液(Cd5 μg/mL)  カドミウム[99.9  %(質量分率)以上]0.100 g をはかりとって

ビーカー(200 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+1) 20 mL を加え,穏やかに加熱して分解した後,

時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く。常温まで冷却した後,1 000 mL の全量

フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(Cd:100 μg/mL)とする。この原液を使用の都度,

必要量だけ水で正しく 20 倍に薄めて,カドミウム標準液とする。 

5.3 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。

5.3.1

吸引ろ過装置  吸引ろ過装置は,けい素などの不溶解残さをろ過分離するのに用いる。吸引ろ過装

置の例を

図 に示す。

図 1−吸引ろ過装置の例 

5.3.2

メンブレンフィルター  メンブレンフィルターは,通常,孔径 3 μm 以下,直径 25∼50 mm で材質

が親水性ふっ素樹脂又はそれと同性能のものを用いる。ただし,フィルターの直径は使用するフィルター

保持台のサイズに合致したものでなければならない。

5.4 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,1.00 g とし,1 mg のけたまではかる。


3

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5.5 

操作 

5.5.1 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)  試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れる。

b)  時計皿で覆い,塩酸(1+1) 30 mL を加えて穏やかに加熱して分解する。ほぼ分解が完了したら過酸化

水素 1 mL を加えて加熱し,試料を完全に分解するとともに過剰な過酸化水素を分解する。

なお,試料が分解しにくい場合は,ニッケル溶液(5.2.6) 2 mL 又はすず溶液(5.2.7) 2 mL を加えて分

解する。

c)  常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く。

なお,けい素などの不溶解残さを認めた場合には,次の 1)4)の手順に従って操作する。

1)  溶液を,メンブレンフィルター(5.3.2)をセットした吸引ろ過装置(5.3.1)の上部ろ過管に注ぎ入れて,

吸引ろ過する。引き続いて温塩酸(1+100)及び温水を用いて,メンブレンフィルター及び残さを洗

浄する。受器(ビーカー)に受けたろ液及び洗液は,主液として保存する。

2)  メンブレンフィルターを,残さが下側になるようにして四ふっ化エチレン樹脂ビーカー(200 mL)中

に移し入れ,硝酸(1+1) 5 mL を加えた後,ふっ化水素酸 3 mL を少量ずつ加え,加熱して残さを完

全に分解する。メンブレンフィルターをプラスチックピンセットでつかみ,水洗しながら引き上げ

る。

3)  四ふっ化エチレン樹脂ビーカーをホットプレート(約 200  ℃以下)上で加熱して,蒸発乾固した後,

塩酸(1+1) 2 mL を加え,加熱を続けて塩類を溶解する。

4)  溶液を,1)で保存しておいた主液が入っているビーカーに合わせ入れ,穏やかに加熱して液量が約

70 mL になるまで濃縮した後,常温まで冷却する。

d)  溶液を 100 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

5.5.2 

吸光度の測定 

5.5.1 d)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光分析装置のアセチレン・空気フレー

ム中に噴霧し,波長 228.8 nm における吸光度を測定する。

5.6 

空試験 

空試験は,試料の代わりにアルミニウム(5.2.4) 1.00 g を用いて,5.5.1 a)5.5.2 の手順に従って試料と同

じ操作を試料と並行して行う。

5.7 

検量線の作成 

検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)  アルミニウム(5.2.4)を 1.00 g ずつはかりとり,5 個のビーカー(300 mL)にそれぞれ移し入れる。カドミ

ウム標準液(Cd:5 μg/mL) (5.2.8) 0∼20.0 mL(カドミウム量として 0∼100 μg)を段階的に加える。

b)  5.5.1 の b)d)及び 5.5.2 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。

c)  b)で得た吸光度とカドミウム標準液(5.2.8)として加えたカドミウム量との関係線を作成し,その関係

線を,原点を通るように平行移動して検量線とする。

5.8 

計算 

5.5.2 及び 5.6 で得た吸光度と 5.7 で作成した検量線とからカドミウム量を求め,試料中のカドミウム含

有率を,次の式によって算出する。

(

)

100

3

2

1

×

=

m

A

A

A

Cd


4

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ここに,

Cd

試料中のカドミウム含有率[%(質量分率)

A

1

試料溶液中のカドミウム検出量 (g)

A

2

空試験液中のカドミウム検出量 (g)

A

3

5.7 で用いたアルミニウム(5.2.4) 1.00 g 中に含まれるカドミウ
ム量 (g)

m

試料はかりとり量 (g)

6 ICP 発光分光分析法 
6.1 

要旨 

試料を塩酸と過酸化水素とで分解した後,

溶液を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,

その発光強度を測定する。

6.2 

試薬 

試薬は,次による。

6.2.1 

塩酸(111100) 

6.2.2 

硝酸(11) 

6.2.3 

ふっ化水素酸 

6.2.4

アルミニウム  5.2.4 による。

6.2.5 

過酸化水素 

6.2.6

イットリウム溶液(Y20 μg/mL)  次の手順によって調製する。

a)  三酸化二イットリウム[99.99  %(質量分率)以上]1.270 g をはかりとってビーカー(200 mL)に移し

入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1) 50 mL を加え,加熱して分解した後,時計皿の下面及びビーカーの

内壁を水で洗浄して時計皿を取り除く。

b)  常温まで冷却した後,溶液を 1 000 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原

液(Y:1 mg/mL)とする。

c)  この原液 2.0 mL を,使用の都度,100 mL の全量フラスコにとり,塩酸(1+1) 10 mL を加え,水で標

線まで薄めてイットリウム溶液とする。

6.2.7

ニッケル溶液  5.2.6 による。

6.2.8

すず溶液  5.2.7 による。

6.2.9

カドミウム標準液(Cd5 μg/mL)  5.2.8 による。

6.3 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。

6.3.1

ICP 発光分光分析装置  ICP 発光分光分析装置は,b)  の再現性基準を満たす性能をもつものを用

いる。

なお,分析線の選定及び測定条件の選定は,次による。

a)  分析線の選定  カドミウムの分析線は,波長 228.802 nm,226.502 nm 又は 214.439 nm から選定し,強

度比法による場合のイットリウムの分析線は,371.030 nm 又は 360.073 nm から選定する。

b)  測定条件の選定  ICP 発光分光分析条件(分析線,溶液噴霧条件,測光条件など)は,次の 1)  及び

2)の再現性基準を両方とも満足するように設定しなければならない。

1)  定量下限域再現性基準  JIS H 1307 に規定する定量下限域再現性基準に従って操作したときに得ら

れる 10 個の定量値の標準偏差は,

表 の標準偏差上限値以下でなければならない。


5

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表 1−定量下限域再現性基準におけるカドミウム添加量及び標準偏差上限値 

使用する

カドミウム

標準液

カドミウム

標準液添加量

mL

カドミウム

添加量

μg

カドミウム 
換算含有率

%(質量分率)

標準偏差上限値 
%(質量分率)

6.2.9 

1.0 5 0.001

0.0

06

2)  定量上限域再現性基準  JIS H 1307 に規定する定量上限域再現性基準に従って操作したときに得ら

れる 10 個の定量値の標準偏差は,

表 の標準偏差上限値以下でなければならない。

表 2−定量上限域再現性基準におけるカドミウム添加量及び標準偏差上限値 

使用する

カドミウム

標準液

カドミウム

標準液添加量

mL

カドミウム

添加量

μg

カドミウム 
換算含有率

%(質量分率)

標準偏差上限値 
%(質量分率)

6.2.9 

10.0 50 0.010

0.0

2

6.3.2

吸引ろ過装置  5.3.1 による。

6.3.3

メンブレンフィルター  5.3.2 による。

6.4 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,0.50 g とし,1 mg のけたまではかる。

6.5 

操作 

6.5.1 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)  試料をはかりとってビーカー(200 mL)に移し入れる。

b)  時計皿で覆い,塩酸(1+1) 15 mL を加えて穏やかに加熱して分解する。ほぼ分解が完了したら過酸化

水素 1 mL を加えて加熱し,試料を完全に分解するとともに過剰の過酸化水素を分解する。

なお,試料が分解しにくい場合は,ニッケル溶液(6.2.7) 1 mL 又はすず溶液(6.2.8) 1 mL を加えて分

解する。以下,5.5.1 c)の手順に従って操作する。

6.5.2 

発光強度の測定 

発光強度の測定は,次のいずれかの手順によって行う。

なお,発光強度の測定においては,バックグランド補正を行う。

a)  発光強度法による場合

1)  6.5.1 b)  で得た溶液を 100 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

2)  溶液の一部を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,228.802 nm,226.502 nm 又は

214.439 nm におけるカドミウムの発光強度を測定する。

b)  強度比法による場合

1)  6.5.1 b)  で得た溶液を 100 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,イットリウム溶液(Y:20

μg/mL) (6.2.6) 5.0 mL を加えた後,水で標線まで薄める。

2)  溶液の一部を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,228.802 nm,226.502 nm 又は

214.439 nm におけるカドミウムの発光強度及び 371.030 nm 又は 360.073 nm におけるイットリウム

の発光強度を同時に測定し,カドミウムとイットリウムとの発光強度比を求める。


6

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6.6 

空試験 

空試験は,試料の代わりにアルミニウム(6.2.4) 0.50 g を用いて 6.5.1 a)6.5.2 の手順に従って試料と同じ

操作を試料と並行して行う。

6.7 

検量線の作成 

検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)  アルミニウム(6.2.4)を 0.50 g ずつはかりとり,5 個のビーカー(200 mL)にそれぞれ移し入れる。カドミ

ウム標準液(Cd:5 μg/mL) (6.2.9) 0∼10.0 mL(カドミウム量として 0∼50 μg)を段階的に加える。

なお,高けい素合金試料などで試料中のけい素含有率が 13  %(質量分率)を超える場合には,ア

ルミニウムはかりとり量を 0.40 g とする。

b)  6.5.1 b)及び 6.5.2 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。

c)  b)  で得た発光強度又は発光強度比とカドミウム標準液(6.2.9)として加えたカドミウム量との関係線

を作成し,その関係線を,原点を通るように平行移動して検量線とする。

6.8 

計算 

6.5.2 及び 6.6 で得た発光強度又は発光強度比と 6.7 で作成した検量線とからカドミウム量を求め,試料

中のカドミウム含有率を,次の式によって算出する。

(

)

100

4

2

1

×

=

m

A

A

A

Cd

ここに,

Cd

試料中のカドミウム含有率[%(質量分率)

A

1

試料溶液中のカドミウム検出量 (g)

A

2

空試験液中のカドミウム検出量 (g)

A

4

6.7 で用いたアルミニウム(6.2.4) 0.50 g 又は 0.40 g 中に含まれ
るカドミウム量 (g)

m

試料はかりとり量 (g)