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H 1363

:2003

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本アル

ミニウム協会(JAA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS H 1363 : 1971 は改正され,この規格に置き換えられる。


2

H 1363

:2003

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  一般事項

1

4.

  定量方法の区分 

1

5.

  二りん酸ジルコニウム重量法

1

5.1

  要旨

1

5.2

  試薬

1

5.3

  試料はかり取り量

2

5.4

  操作

2

6.

  キシレノールオレンジ吸光光度法

3

6.1

  要旨

3

6.2

  試薬

3

6.3

  試料はかり取リ量

3

6.4

  操作

3

7.

  ICP 発光分析法 

4

 


日本工業規格

JIS

 H

1363

:2003

アルミニウム合金中のジルコニウム定量方法

Methods for determination of zirconium in aluminium alloys

1.

適用範囲  この規格は,アルミニウム合金中のジルコニウムの定量方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 1307

  アルミニウム及びアルミニウム合金の誘導結合プラズマ発光分光分析方法

JIS H 1351

  アルミニウム及びアルミニウム合金の分析方法通則

3.

一般事項  分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1351 による。

4.

定量方法の区分  ジルコニウムの定量方法は,次のいずれかによる。

a) 

二りん酸ジルコニウム重量法  この方法は、ジルコニウム含有率 0.05  % (m/m) 以上 0.25  % (m/m)

以下の試料に適用する。

b)

キシレノールオレンジ吸光光度法  この方法は、ジルコニウム含有率 0.005  % (m/m) 以上 0.25 %

(m/m)

以下の試料に適用する。

c) ICP

発光分析法  この方法は,ジルコニウム含有率 0.01  % (m/m)  以上 0.5  % (m/m) 以下の試料に適

用する。

5. 

二りん酸ジルコニウム重量法

5.1

要旨  試料を水酸化ナトリウム溶液で分解し,温水を加えてジルコニウムなどの沈殿をこし分ける。

沈殿は硝酸と硫酸とで分解し,加熱蒸発して硫酸の白煙を発生させ,放冷後,水を加えて塩類を溶解する。

溶液の硫酸濃度を調整した後過酸化水素でチタンを酸化し,次にりん酸水素二アンモニウムを加えてジル

コニウムを沈殿させる。沈殿はこしわけ,乾燥後強熱して二りん酸ジルコニウムとし,その質量をはかる。

5.2

試薬  試薬は,次による。

a)

硝酸

b)

硝酸 (1+1)

c)

ふっ化水素酸

d)

硫酸

e)

硫酸 (1+1)

f)

水酸化ナトリウム溶液  水酸化ナトリウム 200 g を水 1 000 ml に溶解する。この溶液はポリエチレン瓶

に保存し,その上澄み液を使用する。

g)

過酸化水素 (1+9)


2

H 1363

:2003

h)

硝酸アンモニウム溶液  硝酸アンモニウム 50 g を水 1 000 ml に溶解する。

i)

りん酸水素二アンモニウム溶液  りん酸水素二アンモニウム 200 g を水 1 000 ml に溶解する。

5.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,3.00 g とし,1 mg のけたまではかる。

5.4

操作

5.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取ってビーカー (300 ml) に移し入れる。

b)

時計皿で覆い,水酸化ナトリウム溶液[5.2 f)]40 ml を少量ずつ加える。反応が穏やかになったら時計

皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し加熱して分解する(

1

)

c)

温水約 150 ml を加えて加熱し,1∼2 分煮沸した後,ろ紙( 5 種 B )を用いて沈殿をこし分け,ビーカー

の内壁及びろ紙上の沈殿を温水で各々2 回ずつ洗浄する。

d)

沈殿は,ろ紙とともに元のビーカーに入れ,硝酸 20 ml と硫酸 10 ml とを加えて時計皿で覆い,静か

に加熱して分解する。時計皿の下面を少量の水で洗って時計皿を除き,更に加熱を続けて硫酸の白煙

を発生させる。有機物の分解が不十分で黒色又は褐色を呈した場合は,放冷後,硝酸 5 ml を加えて加

熱分解を繰り返す。  溶液は 7∼8 ml となるまで加熱蒸発し,硫酸の白煙を十分に発生させる。

e)

放冷後,時計皿及びビーカーの内壁を水で洗浄して液量を約 50 ml とし,加熱して可溶性塩類を溶解

する(

2

)

f)

この溶液に硫酸 (1+1) 50 ml と過酸化水素 (1+9) 1 ml とを加えた後,溶液をかき混ぜながらりん酸水

素二アンモニウム溶液[5.2 i)]15 ml を加えてジルコニウムを沈殿させ,温水で約 200 ml に薄める。

g)

温所に 5∼6 時間静置して沈殿を熟成後,

少量の無灰パルプを加えたろ紙 (5 種 B)  を用いてこし分け,

硝酸アンモニウム溶液[5.2 h)]で十分に洗浄する。

注(

1

)

少量の未分解けい素,析出したスポンジ状銅などがあっても,そのまま操作を続ける。

(

2

)

不溶解残さが認められた場合は,ろ紙 (5 種 B)  を用いてろ過し温水で洗浄後,ろ液と洗液とを

合わせて主液として保存する。

残さはろ紙とともに白金るつぼ (30番)  に移し入れ,

注意しながらバーナーで加熱してろ紙を

灰化する。放冷後,硝酸 (1+1) 5 ml を加え,ふっ化水素酸約 3 ml を少量ずつ加えて残さを分解

する。硫酸  (1+1) 2 ml を加え,加熱して硫酸白煙が発生するまで蒸発する。さらに,硫酸白煙の

発生がほぼ終了するまで加熱を続けてふっ化水素酸を完全に除去する。放冷後,主液として保

存した溶液の一部を白金るつぼに移し,加温して塩類を溶解した後,主液の入ったビーカに水

を用いて移し入れる。以下,5.4.1 f)  以降の手順に従って操作する。

5.4.2

質量の測定  質量の測定は,次の手順によって行う。

a)

白金るつぼ(30 番)を約 1 000  ℃で約 30 分間強熱した後,デシケーター中で室温まで放冷し,その

質量をはかる。

b)  5.4.1 g)

で得た沈殿をろ紙とともに a)  で質量を測定した白金るつぼに移し入れ,加熱してろ紙を乾燥

した後,強熱して灰化する。徐々に温度を高めて最後は約 1 000  ℃で約 30 分間強熱後,デシケーター

中で室温まで放冷し,その質量をはかる。恒量となるまでこの操作を繰り返す。

5.4.3

空試験  空試験は,行わない。

5.4.4

計算  試料中のジルコニウム含有率を,次の式によって算出する。

(

)

100

0

344

.

0

1

2

×

×

=

m

m

m

Zr


3

H 1363

:2003

ここに,  Zr:  試料中のジルコニウム含有率[% (m/m)] 

m

1

:  5.4.2 a)で得た白金るつぼの質量 (g)

m

2

:  5.4.2 b)で得た質量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

6.

キシレノールオレンジ吸光光度法

6.1

要旨  試料を塩酸と過酸化水素とで分解し,溶液の一部を分取する。過塩素酸を加えて酸濃度を調

節し,キシレノールオレンジを加えて呈色させ,吸光度を測定する。

6.2

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸 (1+1)

b)

硝酸 (1+1)

c)

過塩素酸    適量の水に過塩素酸 280 ml を加え,水で 500 ml とする。

d)

ふっ化水素酸

e)

硫酸 (1+1)

f)

アルミニウム    純度 99.85  % (m/m) 以上で,ジルコニウムを含まないもの。

g)

過酸化水素

h)

キシレノールオレンジ溶液    キシレノールオレンジ 0.1 g を水に溶解し,100 ml  に希釈する。この溶液

は褐色瓶に入れて冷暗所に保存する。

i)

標準ジルコニウム溶液 (10

µgZr/ml)  酸化二塩化ジルコニウム八水和物(ZrCl

2

O

・8H

2

O

)0.353 g を塩

酸(1+1)100 ml に溶解した後,水で正しく 1 000 ml として原液とする。この溶液のジルコニウム濃度は

約 100

µg/ml であるが,質量法によって正確な濃度を決定する。  この原液を使用の都度,必要量だけ

水で正しく 10 倍に希釈して標準ジルコニウム溶液とする。

6.3

試料はかり取リ量  試料はかり取り量は 0.50 g とし,1 mg のけたまではかる。

6.4

操作

6.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取ってビーカー (300 ml) に移し入れる。

b)

時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 25 ml を加えて加熱する。大部分が分解後,過酸化水素 2 ml を加えて煮沸

して(

3

)

過剰の過酸化水素を分解した後,流水中で室温まで冷却する。

c)

不溶解残さが認められた場合は,ろ紙 (5 種 B)  を用いてろ過し温水で洗浄し,ろ液と洗液とを合わせ

て主液として保存する。

d)

不溶解残さはろ紙とともに白金るつぼ (30 番)  に移し入れ,注意しながらバーナーで加熱し,ろ紙を

完全に灰化する。放冷後,硝酸 (1+1) 5 ml を加え,ふっ化水素酸約 3 ml を少量ずつ加えて残さを完全

に分解する。  硫酸 (1+1) 1 ml を加え,白煙が発生するまで加熱蒸発する。さらに,白煙の発生がほぼ

終了するまで加熱を続けて,完全にふっ化水素酸を除去する。  放冷後,塩酸 (1+1)  約 1 ml を加え加

温して塩類を溶解させ,主液の入ったビーカーに移し入れる。

e)

常温まで冷却後,100 ml 全量フラスコに移し入れ水で標線まで薄める。

注(

3

)

試料分解後,必要以上に加熱して酸を蒸発させないように注意し,試料と検量線用溶液との間

で酸濃度に大きな差のできないようにする。

参考  6.4.1 d)の操作でわずかでもふっ化水素酸が残れば負誤差の原因になる。


4

H 1363

:2003

6.4.2

呈色  呈色は,次の手順によって行う。

a)  6.4.1 e)

で得た溶液をジルコニウム含有率に応じて,

表 に従い 50 ml 全量フラスコに分取する。

  1  分取量

ジルコニウム含有率

% (m/m)

分取量

ml

0.005

以上  0.1   未満 10

0.1

以上  0.25  以下 5

b)

過塩素酸[6.2 c)]10 ml(

4

)

を加え,水で液量を約 40 ml に希釈する。キシレノールオレンジ溶液[6.2 h)]

5 ml

を加えた後水で標線まで薄め,30 分間放置する(

5

)

注(

4

)

呈色時の過塩素酸の濃度は,0.9∼1 mol/L とする。

(

5

) 30

分放置後,1 時間 30 分以内に測定する。

6.4.3

吸光度の測定  6.4.2 b)  で得た呈色液の一部を光度計の吸収セル (10 mm) に取り,対照液を対照

として波長 535 nm 付近の吸光度を測定する。

6.4.4

対照液  検量線のジルコニウム無添加の溶液を対照液とする。6.4.6 に従って調製する。

6.4.5

空試験  空試験は,行わない。

6.4.6

検量線の作成  アルミニウム[6.2 f)]0.50 g をはかり取り,6.4.1 b)  から 6.4.1 e)の手順に従って操

作する。試料を分取量に合わせ 10 ml 又は 5 ml を数個の 50 ml 全量フラスコに分取し,その各々に標準ジル

コニウム溶液[6.2 i)]を 0∼7 ml (ジルコニウムとして 0∼70

µg)  を段階的に加え,以後 6.4.2 b)  から 6.4.3

に従って操作し,得た吸光度とジルコニウム量との関係線を作成して検量線とする。検量線は試料と同時に

作成する。

6.4.7

計算  6.4.3 で得た吸光度と 6.4.6 とで作成した検量線からジルコニウム量を求め,試料中のジルコ

ニウム含有率を,次の式によって算出する。

100

100

×

×

=

B

m

A

Zr

ここに,

Zr

試料中のジルコニウム含有率[% (m/m)]

A

分取した試料溶液中のジルコニウム検出量 (g)

B

分取量 (ml)

試料はかり取り量 (g)

7.

ICP

発光分析法  ICP 発光分析法は,JIS H 1307 の規定による。