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H 1355 : 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS H 1355 : 1992 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正では,規定する四つの定量方法のうち国際規格 ISO 886 : 1973, Aluminium and aluminium alloys

−Determination of manganese−Photometric method (Manganese content between 0.005 and 1.5%)  [アルミニウ

ム及びアルミニウム合金−マンガンの定量−吸光光度法(マンガン含有率 0.005∼1.5%)

]と対応する 2 方

法について整合させた。


日本工業規格

JIS

 H

1355

: 1999

アルミニウム及びアルミニウム

合金中のマンガン定量方法

Methods for determination of manganese

in aluminium and aluminium alloys

序文  この規格には,1973 年に第 1 版として発行された ISO 886, Aluminium and aluminium alloys−

Determination of manganese

−Photometric method を元に,対応する部分については技術的内容を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。

なお,この規格の 4.(定量方法の区分)のうち,点線の下線を施してある二つの定量方法は,国際規格に

制定されていない方法であり,日本工業規格に追加した。

1.

適用範囲  この規格は,アルミニウム及びアルミニウム合金中のマンガン定量方法について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 886 : 1973

  Aluminium and aluminium alloys−Determination of manganese−Photometric

method (Manganese content between 0.005 and 1.5%)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS H 1351

  アルミニウム及びアルミニウム合金の分析方法通則

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

3.

一般事項  この方法に共通な一般事項は,JIS H 1351 及び JIS K 8005 の規定による。

4.

定量方法の区分  マンガンの定量方法は,次のいずれかによる。

a)

ペルオキソ二硫酸アンモニウム酸化亜ひ酸ナトリウム滴定法  この方法は,マンガン含有率 0.05%

(m/m)

以上 2.0% (m/m)  以下の試料に適用する。

b)

過マンガン酸吸光光度法(水酸化ナトリウム分解過よう素酸カリウム酸化法)  この方法は,マンガ

ン含有率 0.005% (m/m)  以上 1.5% (m/m)  以下で,けい素含有率 4% (m/m)  未満の試料に適用する。

c)

過マンガン酸吸光光度法(硝酸・硫酸分解過よう素酸カリウム酸化法)  この方法は,マンガン含有

率 0.005% (m/m)  以上 1.5% (m/m)  以下で,けい素含有率 4% (m/m)  以上の試料に適用する。

d)

過マンガン酸吸光光度法(水酸化ナトリウム分解ペルオキソ二硫酸アンモニウム酸化法)  この方法

は,マンガン含有率 0.001% (m/m)  以上 0.025% (m/m)  以下の試料に適用する。

備考  b)の方法は,試料分解容器に白金皿を用い,試料分解時間を延長してけい素を十分に溶解すれ


2

H 1355 : 1999

ば,マンガン含有率 0.1% (m/m)  以上で,けい素含有率 10% (m/m)  以下の試料に適用してもよ

い。

5.

ペルオキソ二硫酸アンモニウム酸化亜ひ酸ナトリウム滴定法

5.1

要旨  試料を水酸化ナトリウムで分解し,硝酸と硫酸とりん酸との混酸を加えて酸性とし,硝酸銀

及びペルオキソ二硫酸アンモニウムを加え,煮沸してマンガンを過マンガン酸に酸化した後,亜ひ酸ナト

リウム標準溶液で滴定する。

5.2

試薬  試薬は,次による。

a)

混酸(硝酸 5,硫酸 4,りん酸 3,水 8)

b)

水酸化ナトリウム溶液  水酸化ナトリウム 20g を水 100ml に溶解し,ポりエチレン瓶に保存し,その

上澄液を使用する。

c)

過酸化水素 (1+9)

d)

ペルオキソ二硫酸アンモニウム

e)

硝酸銀溶液 (10g/l)    この溶液は,褐色瓶に保存する。

f)

亜ひ酸ナトリウム標準溶液  三酸化二ひ素  (JIS K 8005)  を正確に 0.65g はかり取って,ビーカー

(300ml)

に移し入れ,炭酸ナトリウム(無水)2g 及び水約 150ml を加え,時計皿で覆い,加熱して完

全に溶解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り

除く。溶液を 1 000ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液 1ml に

相当するマンガン量を,次の手順によって求める。

1)

マンガン[99.9% (m/m)  以上]0.200g をはかり取ってビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,

硝酸 (1+1) 20ml を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビ

ーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く。溶液を 1 000ml の全量フラスコに水を用いて移し

入れ,水で標線まで薄める。

2)

アルミニウム[99.9% (m/m)  以上]1.0g をはかり取り,コニカルビーカー (500ml) に移し入れ,1)

で調製したマンガン溶液 20.0ml を加える。以下,5.4.1 b)5.4.3 の手順に従って操作し,亜ひ酸ナ

トリウム標準溶液 1ml に相当するマンガン量を次の式によって算出する。空試験は,アルミニウム

[99.9% (m/m) 以上]1.0g をはかり取り,コニカルビーカー (500ml) に移し入れ,以下,5.4.1 b)

5.4.3 の手順に従って操作する。

2

1

0

.

20

0002

.

0

V

V

f

×

=

ここに,

f

亜ひ酸ナトリウム標準溶液

1ml

に相当するマンガン量

 (g)

V

1

マンガン溶液

20.0ml

を用いて得た亜ひ酸ナトリウム標準溶

液使用量

 (ml)

V

2

空試験で得た亜ひ酸ナトリウム標準溶液使用量

 (ml)

5.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,表 に従い,

1mg

のけたまではかる。

表 1  試料はかり取り量

試料中のマンガン含有率

試料はかり取り量

% (m/m)

g

0.05

以上 1.0 未満 1.0

1.0

以上 2.0 以下 0.50

5.4

操作


3

H 1355 : 1999

5.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取って,コニカルビーカー

 (500ml)

に移し入れる。

b)

時計皿で覆い,水酸化ナトリウム溶液

[

5.2 b)

]20ml

を加え,反応が穏やかになったら,時計皿の下面及

びコニカルビーカーの内壁を水で洗い,過酸化水素

 (1

9) 5ml

を加え,加熱して試料を完全に分解し,

さらに加熱を続けて過酸化水素を分解する。

c)

常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄し,コニカルビーカーを振りながら混酸

45ml

を加え

る。加熱して塩類を溶解し,引き続き加熱を続けて窒素酸化物を追い出し,温水を加えて液量を約

200ml

とする。

5.4.2

マンガンの酸化  5.4.1 c)で得た溶液に硝酸銀溶液

[

5.2 e)

]3ml

及びペルオキソ二硫酸アンモニウム

3g

を加え,加熱して

2

3

分間煮沸する(

1

)

。流水中で

25

℃以下に冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄し,

時計皿を取り除く。

(

1

)

ペルオキソ二硫酸アンモニウムがほとんど分解して,小さな泡の発生がなくなる程度まで煮沸

する。

5.4.3

マンガンの滴定  5.4.2 で得た溶液を直ちに,亜ひ酸ナトリウム標準溶液

[

5.2 g)

]

で滴定し,過マン

ガン酸の色が消えた点を終点とし,亜ひ酸ナトリウム標準溶液の使用量を求める。

5.5

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

5.6

計算  試料中のマンガン含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

2

1

×

×

=

m

f

V

V

Mn

ここに,

Mn

試料中のマンガン含有率

 [% (m/m)]

V

1

5.4.3

で得た亜ひ酸ナトリウム標準溶液の使用量

 (ml)

V

2

5.5

で得た亜ひ酸ナトリウム標準溶液の使用量

 (ml)

f

亜ひ酸ナトリウム標準溶液

1ml

に相当するマンガン量

 (g)

m

試料はかり取り量

 (g)

6.

過マンガン酸吸光光度法(水酸化ナトリウム分解過よう素酸カリウム酸化法)

6.1

要旨  試料を水酸化ナトリウムで分解した後,硝酸と硫酸との混酸を加えて酸性とし,過よう素酸

カリウムを加えて煮沸してマンガンを過マンガン酸に酸化し,光度計を用いてその吸光度を測定する。

6.2

試薬  試薬は,次による。

a)

りん酸

b)

混酸(硝酸

1

,硫酸

1

,水

2

)使用の都度,調製する。

c)

水酸化ナトリウム溶液  5.2 b)による。

d)

過よう素酸カリウム溶液  過よう素酸カリウム

2.0g

に硝酸

 (1

3) 80ml

を加え,加熱して溶解し,室

温まで冷却した後,水で液量を

100ml

とする。

e)

亜硝酸ナトリウム溶液

 (20g/l)

  使用の都度,調製する。

f)

標準マンガン溶液

 (100

µ

gMn/ml)

調製は,次のいずれかによる。

1)

金属マンガン[

99.9% (m/m)

以上](

2

)

0.100g

をはかり取ってビーカー

 (300ml)

に移し入れ,時計皿

で覆い,硝酸

 (1

1) 20ml

を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下

面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く。溶液を

1 000ml

の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄める。

2)

過マンガン酸カリウム

0.287 7g

をはかり取ってビーカー

 (300ml)

に移し入れ,時計皿で覆い,水


4

H 1355 : 1999

20ml

と硫酸

 (1

1) 10ml

を加えて溶解する。過酸化水素数滴を加えて加熱して,過マンガン酸をマ

ンガンに還元する。数分間煮沸して過剰の過酸化水素を分解する。冷却した後,時計皿の下面及び

ビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く。溶液を

1 000ml

の全量フラスコに水を用いて移

し入れ,水で標線まで薄める。

(

2

)

必要なら,金属表面の酸化物を硫酸で溶解除去し,アセトンで洗浄し,乾燥後使用してもよい。

6.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,

1.00g

とし,

1mg

のけたまではかる。

6.4

操作

6.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取って,ビーカー

 (300ml)

に移し入れる。

b)

時計皿で覆い,水酸化ナトリウム溶液

[

6.2 c)

]20ml

を少量ずつ加えて分解する。反応が穏やかになった

ら,加熱して試料を完全に分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄し,ビーカーを

振りながら混酸

[

6.2 b)

]45ml

を加える加熱して塩類を溶解し,引き続き加熱を続けて窒素酸化物を追い

出す。常温まで冷却した後,時計皿の下面とビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く(

3

)

c)

溶液を

100ml

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。溶液をマンガン含有率に

応じて

表 に従ってビーカー

 (200ml)

に分取し,

表 に従って混酸

[

6.4 b)

]

を加えた後,温水で液量を

70ml

とする。

(

3

)

試料中のマンガン含有率が

0.1% (m/m)

未満の場合には,次の c)の操作は行わない。

表 2  分取量及び混酸添加量

試料中のマンガン含有率

分取量

混酸[6.2 b)]添加量

% (m/m)

ml

ml

0.1

以上 0.4 未満 50.0

15

0.4

以上 1.0 未満 20.0

25

1.0

以上 1.5 以下 10.0

30

6.4.2

呈色  呈色は,次の手順によって行う。

a)

6.4.1

の b)又は c)で得た溶液にりん酸

5ml

と過よう素酸カリウム溶液

[

6.2 d)

]10ml

を加えた後,時計皿

で覆い,加熱して

15

分間煮沸する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗

浄し,時計皿を取り除く。

b)

溶液を

100ml

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

6.4.3

吸光度の測定  6.4.2 b)で得た呈色溶液の一部を光度計の吸収セル

 (10mm)

に取り,水を対照液と

して,波長

525nm

付近の吸光度

 (a)

を測定する。全量フラスコ中に残っている呈色溶液に亜硝酸ナトリウ

ム溶液

[

6.2 e)

]2

3

滴を加えて振り混ぜ,過マンガン酸の色を消した後,その溶液の一部を光度計の吸収セ

 (10mm)

に取り,前と同じ条件で吸光度

 (b)

を測定し,吸光度

 (a)

から吸光度

 (b)

を差し引く。

6.5

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

6.6

検量線の作成  数個のビーカー

 (200ml)

に混酸

[

6.2 b)

]30ml

を取り,標準マンガン溶液

[

6.2 f)

]0

20.0ml

(マンガンとして

0

2 000

µ

g

)を段階的に加え,温水で液量を約

70ml

とする。りん酸

5ml

を加えた

後,時計皿で覆い,加熱して

5

分間煮沸する。過よう素酸カリウム溶液

[

6.2 d)

]10ml

を加え,引き続き加熱

して

15

分間煮沸する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取

り除く。以下,6.4.2 b)及び 6.4.3 の手順に従って試料溶液と並行して操作し,得た吸光度とマンガン量と

の関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

6.7

計算  計算は,次のいずれかによる。


5

H 1355 : 1999

a)

6.4.1 c)

の操作を行わなかった場合  6.4.3 で得た吸光度から 6.5 で得た吸光度を差し引いて得られる吸

光度と,6.6 で作成した検量線とからマンガン量を求め,試料中のマンガン含有率を次の式によって算

出する。

100

×

=

m

A

Mn

ここに,

Mn

試料中のマンガン含有率

 [% (m/m)]

A

試料溶液中のマンガン検出量

 (g)

m

試料はかり取り量

 (g)

b)

6.4.1 c)

の操作を行った場合  6.4.3 で得た吸光度から 6.5 で得た吸光度を差し引いて得られる吸光度と,

6.6

で作成した検量線とからマンガン量を求め,試料中のマンガン含有率を次の式によって算出する。

100

100

×

×

=

B

m

A

Mn

ここに,  Mn

試料中のマンガン含有率 [% (m/m)]

A

分取した試料溶液中のマンガン検出量 (g)

m

試料はかり取り量 (g)

B

試料溶液及び空試験液の分取量 (ml)

7.

過マンガン酸吸光光度法(硝酸・硫酸分解過よう素酸カリウム酸化法)

7.1

要旨  試料を硝酸と硫酸との混酸で分解し,残さ中の銅を回収して主液に合わせた後,過よう素酸

カリウムを加え,煮沸してマンガンを過マンガン酸に酸化し,光度計を用いてその吸光度を測定する。

7.2

試薬  試薬は,次による。

a)

硝酸 (1+1)

b)

ふっ化水素酸

c)

硫酸 (1+1)

d)

りん酸

e)

混酸(硝酸 1,硫酸 1,水 2)  6.2 b)による。

f)

過よう素酸カリウム溶液  6.2 d)による。

g)

亜硝酸ナトリウム溶液 (20g/l)    6.2 e)による。

h)

標準マンガン溶液 (100

µgMn/ml)    6.2 f)による。

7.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,1.00g とし,1mg のけたまではかる。

7.4

操作

7.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取って,ビーカー (300ml) に移し入れる。

b)

時計皿で覆い,混酸[7.2 e)]40ml を加え,穏やかに加熱して分解する。時計皿の下面を水で洗浄し,温

水で液量を約 70ml とし,少量のろ紙パルプを加えた後,1∼2 分間煮沸する。

c)

時計皿の下面とビーカーの内壁を水で洗浄して時計皿を取り除き,溶液をろ紙(5 種 B)を用いてろ

過し,温水で洗浄する。ろ液及び洗液を,ビーカー (300ml) に受け,液量が約 60ml になるまで加熱

して濃縮し,主液として保存する。

d)

不溶解物をろ紙とともに白金るつぼ(30 番)に移し入れ,注意して加熱して,ろ紙を完全に灰化する。

次に,白金るつぼを 750∼800℃の電気炉中で約 10 分間加熱した後,放冷する。硝酸 (1+1) 5ml を加


6

H 1355 : 1999

え,ふっ化水素酸約 3ml を少量ずつ加えて不溶解物を完全に分解する。硫酸 (1+1) 2,3 滴を加え,

加熱して硫酸白煙を発生させる。放冷した後,少量の温水で残留物を溶解し,溶液を c)で保存してお

いた主液の入ったビーカーに少量の水を用いて移し入れる(

4

)

e)

溶液を 100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。溶液をマンガン含有率に

応じて

表 に従ってビーカー (200ml) に分取し,表 に従って混酸[7.2 e)]を加えた後,温水で液量を

約 70ml とする。

(

4

)

試料中のマンガン含有率が0.1% (m/m)  未満の場合には,次の c)の操作は行わない。

表 3  分取量及び混酸添加量

試料中のマンガン含有率

分取量

混酸[7.2 e)]添加量

% (m/m)

ml

ml

0.1

以上 0.4 未満 50.0

15

0.4

以上 1.0 未満 20.0

25

1.0

以上 1.5 以下 10.0

30

7.4.2

呈色  呈色は,次の手順によって行う。

a)

7.4.1

の d)又は e)で得た溶液にりん酸 5ml と過よう素酸カリウム溶液[7.2 f)]10ml を加えた後,時計皿

で覆い,加熱して 15 分間煮沸する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗

浄し,時計皿を取り除く。

b)

溶液を 100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

7.4.3

吸光度の測定  7.4.2 b)で得た呈色溶液の一部を光度計の吸収セル (10mm) に取り,水を対照液と

して,波長 525nm 付近の吸光度 (a) を測定する。全量フラスコ中に残っている呈色溶液に亜硝酸ナトリウ

ム溶液[7.2 g)]2,3 滴を加えて振り混ぜ,過マンガン酸の色を消した後,その溶液の一部を光度計の吸収セ

ル (10mm) に取り,前と同じ条件で吸光度 (b) を測定し,吸光度 (a) から吸光度 (b) を差し引く。

7.5

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

7.6

検量線の作成  数個のビーカー (200ml) に混酸[7.2 e)]30ml を取り,標準マンガン溶液[7.2 h)]0∼

20.0ml

(マンガンとして 0∼2 000

µg)を段階的に加え,温水で液量を約 70ml とする。りん酸 5ml を加えた

後,時計皿で覆い,加熱して 5 分間煮沸する。過よう素酸カリウム溶液[7.2 f)]10ml を加え,引き続き加熱

して 15 分間煮沸する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取

り除く。以下,7.4.2 b)及び 7.4.3 の手順に従って試料溶液と並行して操作し,得た吸光度とマンガン量と

の関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

7.7

計算  計算は,次のいずれかによる。

a)

7.4.1 e)

の操作を行わなかった場合  7.4.3 で得た吸光度から 7.5 で得た吸光度を差し引いて得られる吸

光度と,7.6 で作成した検量線とからマンガン量を求め,試料中のマンガン含有率を,次の式によって

算出する。

100

×

=

m

A

Mn

ここに,  Mn

試料中のマンガン含有率 [% (m/m)]

A

試料溶液中のマンガン検出量 (g)

m

試料はかり取り量 (g)

b)

  7.4.1 e)

の操作を行った場合  7.4.3 で得た吸光度から 7.5 で得た吸光度を差し引いて得られる吸光度と,

7.6

で作成した検量線とからマンガン量を求め,

試料中のマンガン含有率を,

次の式によって算出する。


7

H 1355 : 1999

100

100

×

×

=

B

m

A

Mn

ここに,  Mn

試料中のマンガン含有率 [% (m/m)]

A

分取した試料溶液中のマンガン検出量 (g)

m

試料はかり取り量 (g)

B

試料溶液及び空試験液の分取量 (ml)

8.

過マンガン酸吸光光度法(水酸化ナトリウム分解ペルオキソ二硫酸アンモニウム酸化法)

8.1

要旨  試料を水酸化ナトリウムで分解し,硝酸と硫酸とりん酸との混酸を加えて酸性とし,硝酸銀

及びペルオキソ二硫酸アンモニウムを加え,煮沸してマンガンを過マンガン酸に酸化し,光度計を用いて

その吸光度を測定する。

8.2

試薬  試薬は,次による。

a)

混酸  (硝酸 5,硫酸 4,りん酸 3,水 8)

b)

水酸化ナトリウム溶液  5.2 b)による。

c)

硝酸銀溶液 (10g/l)    5.2 e)による。

d)

ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液 (200g/l)    この溶液は,調製後 10 時間以内のものを使用する。

e)

亜硝酸ナトリウム溶液 (100g/l)    使用の都度調製する。

f)

尿素溶液 (100g/l)

g)

標準マンガン溶液 (20

µgMn/ml)    標準マンガン溶液 (100µgMn/ml) [6.2 f)]を使用の都度,必要量だけ

水で正しく 5 倍に薄めて標準マンガン溶液とする。

8.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,2.00g とし,1mg のけたまではかる。

8.4

操作

8.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取って,ビーカー (300ml) に移し入れる。

b)

時計皿で覆い,水酸化ナトリウム溶液[8.2 b)]30ml を少量ずつ加えて分解する。反応が穏やかになった

ら,加熱して試料を完全に分解する。室温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄し,ビーカーを

振りながら混酸 35ml を加える。加熱して塩類を溶解し,引き続き加熱を続けて窒素酸化物を追い出

(

5

)

c)

溶液に温水を加えて液量を約 70ml とする。

(

5

)

けい酸などの沈殿が認められたときには,溶液をろ紙(5種 A)を用いてろ過し,温水で洗浄し

た後,ろ液と洗液を合わせる。

8.4.2

呈色  呈色は,次の手順によって行う。

a)

  8.4.1 c)

で得た溶液に硝酸銀溶液[8.2 c)]2ml 及びペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液[8.2 d)]10ml を加え,

穏やかに加熱し,ペルオキソ二硫酸アンモニウムの分解による細かい泡が出なくなってから,引き続

き約 1 分間煮沸した後,室温まで冷却する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿

を取り除く。

b)

溶液を 100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。


8

H 1355 : 1999

8.4.3

吸光度の測定  8.4.2 b)で得た呈色溶液の一部を光度計の吸収セル (50mm) に取り,水を対照液と

して,波長 525nm 付近の吸光度 (a) を測定する(

6

)

。全量フラスコ中に残っている呈色溶液に尿素溶液 10ml

及び亜硝酸ナトリウム溶液[8.2 e)]2,3 滴を加えて振り混ぜ,過マンガン酸の色を消した後,その溶液の一

部を光度計の吸収セル (50mm) に取り,前と同じ条件で吸光度 (b) を測定し,吸光度 (a) から吸光度 (b)

を差し引く。

(

6

)

呈色後30分以内に吸光度を測定する。

8.5

空試験  ビーカー (300ml) に水酸化ナトリウム溶液  [8.2 b)] 30ml 及び混酸 20ml を取る。以下 8.4.1 c)

8.4.3 の手順に従って,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

8.6

検量線の作成  数個のビーカー (200ml) に水酸化ナトリウム溶液  [8.2 b)] 30ml 及び混酸 20ml を取

り,標準マンガン溶液  [8.2 g)] 0∼25.0ml(マンガンとして 0∼500

µg)を段階的に加える。以下,8.4.1 c)

8.4.3

の手順に従って試料溶液と並行して操作し,得た吸光度とマンガン量との関係線を作成し,その関係

線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

8.7

計算  8.4.3 で得た吸光度から 8.5 で得た吸光度を差し引いて得られる吸光度と,8.6 で作成した検量

線とからマンガン量を求め,試料中のマンガン含有率を,次の式によって算出する。

100

×

=

m

A

Mn

ここに,  Mn

試料中のマンガン含有率 [% (m/m)]

A

試料溶液中のマンガン検出量 (g)

m

試料はかり取り量 (g)


9

H 1355 : 1999

JIS

改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

畦  上      尚

株式会社日軽分析センター

藤  沼      弘

東洋大学工学部

村  上  徹  朗

工学院大学

大河内  春  乃

東京理科大学

俣  野  宣  久

川崎製線株式会社

村  山  拓  己

通商産業省基礎産業局

大  嶋  清  治

工業技術院標準部

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

井  川  洋  志

昭和電工株式会社千葉事業所

泉          巌

日本軽金属株式会社蒲原製造所

坂  巻      博

新日軽株式会社管理部

勝間田  一  宏

三菱アルミニウム株式会社富士製作所

川  口      修

スカイアルミニウム株式会社技術研究所

北  村  照  夫

昭和アルミニウム株式会社研究開発部

豊  嶋  雅  康

住友軽金属工業株式会社研究開発センター

中  田      滋

古河電気工業株式会社福井事業所

坂  本  敏  正

株式会社神戸製鋼所アルミ・銅事業本部

安  部  正  明

東洋アルミニウム株式会社研究開発本部

久留須  一  彦

古河電気工業株式会社横浜研究所分析技術センター

水  砂  博  文

住友電気工業株式会社研究開発部

船  渡  好  人

株式会社島津製作所分析機器事業部

本  多  和  人

株式会社パーキンエルマージャパン応用技術部

(事務局)

井  波  隆  夫

社団法人軽金属協会