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H 1345 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS H 1345 : 1989 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正では,国際規格 ISO 2355 : 1972, Chemical analysis of magnesium and its alloys-Determination of

rare earths-Gravimetric method

(マグネシウム及びその合金の化学分析‐希土類定量方法‐重量法)に整合

させた。


日本工業規格

JIS

 H

1345

 : 1998

マグネシウム合金中の希土類定量方法

Method for determination of rare earths in magnesium alloys

序文  この規格は,1972 年に第 1 版として発行された ISO 2355, Chemical analysis of magnesium and its alloys

−Determination of rare earths−Gravimetric method を元に,対応する部分については技術的内容を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

1.

適用範囲  この規格は,マグネシウム合金中の希土類定量方法について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 2355 : 1972

  Chemical analysis of magnesium and its alloys−Determination of rare earths−

Gravimetric method

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS H 1331

  マグネシウム合金分析方法の通則

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

3.

一般事項  分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1331JIS K 0050 及び JIS K 8001 の規定による。

4.

定量方法  希土類の定量方法は,水酸化ジルコニウム共沈・セバシン酸塩沈殿・しゅう酸塩沈殿分離

希土類酸化物重量法による。この方法は,希土類含有率 0.2% (m/m) 以上 10.0% (m/m) 以下の試料に適用

する。

5.

水酸化ジルコニウム共沈・セバシン酸塩沈殿・しゅう酸塩沈殿分離希土類酸化物重量法

5.1

要旨  試料を塩酸で分解し,大部分の希土類を水酸化ジルコニウムとともに沈殿させた後,こし分

ける。沈殿は硝酸と過酸化水素とで溶解し,保存する。ろ液にセバシン酸を加えて,ろ液中の希土類をセ

バシン酸塩として沈殿させる。沈殿をこし分け,強熱して酸化物とする。酸化物を保存しておいた溶液で

分解し,この溶液にしゅう酸を加え,希土類をしゅう酸塩として沈殿させた後こし分け,強熱して酸化物

とし,その質量をはかる。

5.2

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸

b)

硝酸・過酸化水素混合溶液  過酸化水素 30ml に水 150ml を加え,更に硝酸 30ml を加える。

c)

アンモニア水 (1+1,1+3,1+49)


2

H 1345 : 1998

d)

過酸化水素

e)

塩化アンモニウム

f)

しゅう酸溶液(飽和)  しゅう酸二水和物約 150g を熱水 1 000ml に溶解し,室温まで冷却した後ろ過

する。

g)

しゅう酸洗浄溶液  しゅう酸溶液(飽和)[f)]70ml に水を加えて液量を 500ml とする。

h)

セバシン酸溶液  セバシン酸 50g にアンモニア水 400ml を加えた後,水 300ml を加えて溶解する。溶

液をろ過した後,水で液量を 1とする。この溶液は,ポリエチレン瓶に保存する。

i)

ブロモフェノールブルー溶液  調製方法は,JIS K 8001 の 4.4(指示薬)による。

5.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,試料中の希土類含有率に応じ,表 に従って,1mg のけ

たまではかる。

表 1  試料はかり取り量及び塩酸の添加量

希土類含有率

% (m/m)

試料はかり取り量

g

塩酸添加量

ml

0.2

以上 2.0 未満

3.0 25.5

2.0

以上 5.0 未満

2.0 17.0

5.0

以上 10.0 以下

1.0 8.5

5.4

操作

5.4.1

予備操作  磁器るつぼ(1 種 B 形 15ml)を,使用に先立ち,ふたとともに約 950℃の電気炉中で約

30

分間強熱し,デシケーター中で室温まで放冷した後,その質量をはかる。この操作を恒量となるまで繰

り返し,デシケーター中に保存する。

5.4.2

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料(

1

)

をはかり取ってビーカー (500ml) に移し入れ,水 75ml を加え,時計皿で覆い,塩酸を試料は

かり取り量に応じて,

表 に従って加え,反応が穏やかになったら数分間煮沸して分解する。時計皿

の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く(

2

)

b)

不溶解物を,ろ紙(5 種 C)を用いてこし分け(

3

),

ビーカー及び沈殿を熱水で 4,5 回洗浄し,ろ液と洗

液を合わせ,ビーカー (300ml) に集める。不溶解物は捨てる。

c)

ろ液及び洗液に水を加えて液量を約 100ml とする。

(

1

)

試料は,厚さ1mm 以下とする。

(

2

)

不溶解物が認められない場合には,次の b)の操作は行わない。

(

3

)

銀を含む試料の場合は,ろ紙に少量のろ紙パルプを入れてろ過する。

5.4.3

水酸化ジルコニウム共沈分離  水酸化ジルコニウムの共沈分離は,次の手順によって行う。

a)

5.4.2c)

で得た溶液にブロモフェノールブルー溶液  [5.2i)] 3∼5 滴を加え,溶液の色が青紫になるまでア

ンモニア水 (1+1)  及び/又はアンモニア水 (1+3)  を加える。沸騰するまで加熱した後,熱源から降

ろし,ときどきかき混ぜながら 5 分間放置する。

b)

沈殿をろ紙(5 種 A)を用いてこし分け,熱水でろ紙及び沈殿を十分に洗浄する。ろ液と洗液の合量

が 250ml を超えないようにして,ビーカー (500ml) に集め,試料溶液 (A) として保存する。

c)

ろ紙上の沈殿を,沸騰させた硝酸・過酸化水素混合溶液  [5.2b)] 10ml を少量ずつろ紙上に加えて,そ

の都度熱水で洗浄して溶解し,

更にろ紙を熱水で 5,

6

回洗浄する。

ろ液と洗液は,

元のビーカー (300ml)

に集め,液量が約 25ml になるまで加熱して濃縮し,試料溶液 (B) として保存する。

5.4.4

セバシン酸塩の沈殿分離  セバシン酸塩の沈殿分離は,次の手順によって行う。


3

H 1345 : 1998

a)

5.4.3b)

で得た試料溶液 (A) に塩化アンモニウム 10g を加え,アンモニア水 (1+1)  及び/又はアンモ

ニア水 (1+3)  を加えて pH8.5 に調節した後,アンモニア水 (1+49) 10ml を加える。約 90℃に加熱し

た後ビーカーを熱源から降ろし,かき混ぜながらセバシン酸溶液  [5.2h)] 20ml を加える。ときどきか

き混ぜながら 15 分間放置する。

b)

沈殿をろ紙(5 種 B)を用いてこし分け,ろ紙及び沈殿をアンモニア水 (1+49)  で十分に洗浄し,次

にアンモニア水 (1+1) 20ml を数回に分けてろ紙上に注いで洗浄する。

c)

沈殿をろ紙とともに磁器るつぼ(1 種 B 形 15ml)に移し入れ,注意して加熱し,ろ紙を完全に灰化し,

更に 750∼800℃の電気炉中で約 30 分間強熱した後,室温まで放冷する。

5.4.5

しゅう酸塩の沈殿分離  しゅう酸塩の沈殿分離は,次の手順によって行う。

a)

5.4.4c)

で得たるつぼの内容物を,5.4.3c)で保存しておいた試料溶液 (B) の入ったビーカーに少量の水

を用いて移し入れ,溶液を加熱しながら,過酸化水素 2,  3 滴を加えて完全に分解する。ビーカーを

熱源から降ろし,ビーカーの内壁を水で洗浄し,水で液量を約 125ml とする。

b)

溶液をかき混ぜながら,しゅう酸溶液  [5.2f)] 25ml を少量ずつ加える。ビーカーを沸騰水浴上で 30 分

間加熱した後,室温で約 12 時間(一夜間)静置する。沈殿をろ紙(5 種 C)を用いてこし分け,ろ紙

及び沈殿をしゅう酸洗浄溶液  [5.2g)]  で十分に洗浄する。

5.4.6

希土類酸化物のひょう量  希土類酸化物のひょう量は,次の手順によって行う。

a)

5.4.5b)

で得た沈殿をろ紙とともに,5.4.1 で保存しておいた磁器るつぼに移し入れ,約 500℃で穏やか

に加熱し,ろ紙を完全に灰化する。

b)

るつぼを約 950℃の電気炉中で,約 30 分間強熱する。過塩素酸マグネシウムの入ったデシケーター中

で室温まで放冷した後,その質量をはかる。この操作を恒量となるまで繰り返す。

c)

b)

で得た質量から,5.4.1 で得たるつぼの質量を差し引く。

5.5

空試験  空試験は,行わない。

5.6

計算  試料中の希土類含有率を,次の式によって算出する。

100

0

1

×

×

m

F

m

RE

ここに,

RE

試料中の希土類含有率 [% (m/m]

m

1

5.4.6c)

で得た質量 (g)

F

ミッシュメタルに対するファクター=0.832

(

4

)

m

0

試料はかり取り量 (g)

(

4

)

希土類の組成がミッシュメタルと相違するときは,次のファクターを

用いなければならない。

La

0.852 7

Ce 0.814 1

Pr 0.827 7

Nd 0.857 4

Didymium 0.853


4

H 1345 : 1998

JIS

改正原案調査作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

藤  沼      弘

東洋大学工学部

村  上  徹  朗

工学院大学

俣  野  宣  久

川崎製線株式会社

大河内  春  乃

科学技術庁金属材料技術研究所

廣  瀬  浩  二

工業技術院標準部

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会技術部

山  本  寿  美

古河電気工業株式会社横浜研究所分析技術センター

井  川  洋  志

昭和電工株式会社千葉事業所

水  砂  博  文

住友電気工業株式会社研究開発部門特性評価センター

山  田  哲  夫

株式会社神戸製鋼所アルミ・銅事業本部技術部

冨  田  百合男

宇部興産株式会社建設資材事業本部技術開発部

鈴  木      通

中央工産株式会社野田工場

(事務局)

井  波  隆  夫

社団法人軽金属協会技術開発部