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日本工業規格

JIS

 H

1341

- 1990

マグネシウム合金中のカルシウム

定量方法

Method of Determination of Calcium inMagnesium Alloys

1.

適用範囲  この規格は,マグネシウム合金中のカルシウム定量方法について規定する。

2.

一般事項  分析方法に共通な一般事項は、JIS H 1331(マグネシウム合金分析方法の通則)及び JIS K 

0121

(原子吸光分析のための通則)による。

3.

定量方法  カルシウムの定量方法は,原子吸光法による。この方法は,カルシウム含有率 0.01wt%以

上 0.1wt%以下の試料に適用する。

4.

原子吸光法

4.1

要  旨  試料を塩酸と過酸化水素とで分解し,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム

又は酸化二窒素・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

4.2

試  薬  試薬は,次による。

(1)

塩酸 (1+1)

(2)

マグネシウム(99.90wt%以上)  なるべくカルシウム含有率が低いもの。

(3)

過酸化水素

(4)

塩化ストロンチウム溶液  塩化ストロンチウム六水和物

(なるべくカルシウム含有率が低いもの。

12g

を水に溶解して 100ml とする。

(5)

アルミニウム溶液 (2mgAl/ml)   アルミニウム(99.7wt%以上,カルシウム含有率 0.005wt%以下のも

の。

)1.0g をはかり取り,ビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 30ml を加え,穏

やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時

計皿を取り除く。溶液を 500ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

(6)

標準カルシウム溶液 (50

µgCa/ml)    110℃で 3 時間乾燥して,デシケーター中で室温まで放冷した炭

酸カルシウム 0.125g をはかり取り,ビーカー (200ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 10ml

を少量ずつ加えて分解した後,加熱して二酸化炭素を追い出す。常温まで冷却した後,時計皿の下面

及びビーカーの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。溶液を 1 000ml の全量フラスコに水を用いて移

し入れ,水で標線まで薄める。

4.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,次のいずれかによる。

                                                        

1

引用規格:3 ページに示す。


2

H 1341 - 1990

(1)

空気・アセチレンフレームを使用する場合は,

表による。

表  試料はかり取り量

カルシウム含有率

wt%

試料はかり取り量

g

0.01

以上  0.03 未満

1.0

0.03

以上  0.05 未満

0.5

0.05

以上  0.10 以下

0.2

(2)

酸化二窒素・アセチレンフレームを使用する場合は,0.2g とする。

4.4

操  作

4.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

(1)

試料をはかり取ってビーカー (300ml) に移し入れる。

(2)

水 20ml を加え,時計皿で覆い・塩酸 (1+1)  を試料 1g につき 20ml の割合で少量ずつ添加し,反応が

穏やかになったら過酸化水素 1ml を加え,加熱して試料を完全に分解し,引き続き加熱を続けて過剰

の過酸化水素を分解する(

1

)

。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,時

計皿を取り除く。

(3)

溶液を 100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,塩化ストロンチウム溶液  [4.2(4)] 5.0ml を加え

(

2

),

水で標線まで薄める。

(

1

)

不溶性ジルコニウムやけい酸などの沈殿が認められた場合には,溶液をろ紙(5種 B)を用いて

ろ過した後,温水で十分に洗浄し,ろ液と洗液とを合わせる。

(

2

)

酸化二窒素・アセチレンフレームを使用する場合には加えなくてよい。

4.4.2

吸光度の測定  4.4.1(3)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空

気・アセチレンフレーム又は酸化二窒素・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 422.7nm における吸光度

を測定する。

4.5

空試験  4.6 の検量線作成操作において得られる,標準カルシウム溶液を添加しない溶液の吸光度を

空試験の吸光度とする。

4.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

マグネシウム量が 4.4.1(1)ではかり取った試料中のマグネシウムの量とほぼ同量となるように,マグネ

シウム  [4.2(2)]  を数個はかり取って,数個のビーカー (300ml) に移し入れる。

(2)

アルミニウム量が,4.4.1(1)ではかり取った試料中のアルミニウムの量とほぼ同量となるようにアルミ

ニウム溶液  [4.2 5)]  をそれぞれに加える。

(3)  4.4.1 (2)

の手順に従って操作する。

(4)

溶液をそれぞれ 100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,標準カルシウム溶液  [4.2(6)] 0∼6.0ml

(カルシウムとして 0∼300

µg)を段階的に加えた後,塩化ストロンチウム溶液  [4.2(4)] 5.0ml を加え

(

2

),

水で標線まで薄める。

(5)

溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム又は酸化二

窒素・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 422.7nm における吸光度を試料と並行して測定し,得た

吸光度とカルシウム量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とす

る。

4.7

計  算  4.4.2 で得た吸光度から 4.5 で得た吸光度を差し引いて得られる吸光度と,4.6 で作成した検

量線とからカルシウム量を求め,試料中のカルシウム含有率を,次の式によって算出する。


3

H 1341 - 1990

100

wt(%)

×

m

A

カルシウム

ここに,

A

:  試料溶液中のカルシウム検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

引用規格

JIS H 1331

  マグネシウム合金分析方法の通則

JIS K 0121

  原子吸光分析のための通則

JIS

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

藤  沼      弘

東洋大学

村  上  徹  朗

工学院大学

俣  野  宣  久

川崎製線株式会社

大河内  春  乃

科学技術庁金属材料技術研究所

光  川      寛

通商産業省基礎産業局

加  藤  康  宏

工業技術院標準部

山  本  寿  美

古河電気工業株式会社

福  田  政  志

昭和電工株式会社

野  村  紀久夫

住友電気工業株式会社

山  本  繁  登

株式会社コベルコ科研

西  尾  正  浩

住友軽金属工業株式会社

伊  藤      茂

古河マグネシウム株式会社

堀  田  敏  彦

宇部興産株式会社

浜      葆  夫

日立金属株式会社

鈴  木      通

中央工産株式会社

鷹  城  一  夫

株式会社帝産インダストリーズ

(関係者)

近  藤      弘

工業技術院標準部材料規格課

斉  藤  和  則

工業技術院標準部材料規格課

(事務局)

井  波  隆  夫

社団法人軽金属協会