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H 1292:2018  

(1) 

目 次 

ページ 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  2 

4 一般事項 2 

5 要旨 2 

6 装置 2 

6.1 蛍光X線分析装置  2 

6.2 装置の調整  2 

6.3 装置性能の確認  2 

7 定量成分及び定量範囲  2 

8 検量線用試料及び分析試料  3 

8.1 検量線用試料  3 

8.2 分析試料  3 

8.3 検量線用試料及び分析試料の調製 3 

9 蛍光X線強度の測定  3 

10 検量線  4 

10.1 検量線の作成  4 

10.2 共存元素の影響の補正  4 

11 計算  5 

 

 


 

H 1292:2018  

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

伸銅協会(JCBA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改

正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ

る。 

これによって,JIS H 1292:2005は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

H 1292:2018 

 

銅合金の蛍光X線分析方法 

Copper alloys-Methods for X-ray fluorescence spectrometric analysis 

 

適用範囲 

この規格は,銅合金(伸銅品,鋳物用地金及び鋳物)の塊状又は板状の試料の蛍光X線分析方法につい

て規定する。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ

ータ 

JIS H 1012 銅及び銅合金の分析方法通則 

JIS H 1051 銅及び銅合金中の銅定量方法 

JIS H 1052 銅及び銅合金中のすず定量方法 

JIS H 1053 銅及び銅合金中の鉛定量方法 

JIS H 1054 銅及び銅合金中の鉄定量方法 

JIS H 1055 銅及び銅合金中のマンガン定量方法 

JIS H 1056 銅及び銅合金中のニッケル定量方法 

JIS H 1057 銅及び銅合金中のアルミニウム定量方法 

JIS H 1058 銅及び銅合金中のりん定量方法 

JIS H 1059 銅及び銅合金中のひ素定量方法 

JIS H 1060 銅及び銅合金中のコバルト定量方法 

JIS H 1061 銅及び銅合金中のけい素定量方法 

JIS H 1062 銅及び銅合金中の亜鉛定量方法 

JIS H 1065 銅及び銅合金中のセレン定量方法 

JIS H 1068 銅及び銅合金中のビスマス定量方法 

JIS H 1071 銅及び銅合金中のクロム定量方法 

JIS H 1072 銅及び銅合金中のアンチモン定量方法 

JIS H 1073 銅合金中のチタン定量方法 

JIS H 1074 銅及び銅合金中のジルコニウム定量方法 

JIS K 0119 蛍光X線分析通則 

 


H 1292:2018  

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS H 1012及びJIS K 0119による。 

 

一般事項 

分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1012及びJIS K 0119による。 

 

要旨 

試料にX線を照射して元素を励起し,発生した定量成分の蛍光X線の強度を測定し,検量線によって定

量成分の含有率を求める。共存元素の影響がある場合には,共存元素の影響の補正を行って,定量成分の

含有率を求める。 

 

装置 

6.1 

蛍光X線分析装置 

蛍光X線分析装置は,JIS K 0119の5.1 a)(波長分散方式)による。 

6.2 

装置の調整 

装置の調整は,JIS K 0119の箇条7(測定操作)及び箇条15(装置の点検)のa)(波長分散方式)によ

る。 

6.3 

装置性能の確認 

装置性能の確認は,JIS K 0119の箇条14 c)(定期的な装置性能の確認)による。 

 

定量成分及び定量範囲 

定量成分及び定量範囲は,表1による。 

 

表1−定量成分及び定量範囲 

単位 %(質量分率) 

定量成分 

定量範囲 

銅 

 

50.0以上 

97.0以下 

鉛 

 

0.005以上 22.0以下 

鉄 

 

0.01以上 

6.0以下 

すず 

 

0.01以上 

15.0以下 

亜鉛 

 

0.01以上 

23.0以下 

アルミニウム 

 

0.01以上 

12.0以下 

ひ素 

 

0.01以上 

0.1以下 

マンガン 

 

0.01以上 

15.0以下 

ニッケル 

 

0.01以上 

35.0以下 

けい素 

 

0.01以上 

5.0以下 

りん 

 

0.005以上 

0.5以下 

コバルト 

 

0.01以上 

0.6以下 

アンチモン 

 

0.01以上 

0.5以下 

クロム 

 

0.01以上 

2.0以下 

チタン 

 

0.01以上 

6.0以下 

ビスマス 

 

0.01以上 

6.0以下 

セレン 

 

0.01以上 

1.2以下 

ジルコニウム 

 

0.01以上 

0.2以下 


H 1292:2018  

 

検量線用試料及び分析試料 

8.1 

検量線用試料 

検量線用試料は,試料と化学組成が類似したものを用意して一系列のものとして用いる。試料が展伸材

の場合には,展伸材の検量線用試料を用い,試料が鋳物材の場合には,鋳物材の検量線用試料を使用する。

検量用試料中の定量成分含有量は,JIS H 1051,JIS H 1052,JIS H 1053,JIS H 1054,JIS H 1055,JIS H 

1056,JIS H 1057,JIS H 1058,JIS H 1059,JIS H 1060,JIS H 1061,JIS H 1062,JIS H 1065,JIS H 1068,

JIS H 1071,JIS H 1072,JIS H 1073及びJIS H 1074に規定する方法によって決定する。また,標準試料

として,分析の目的に合致する認証標準物質(CRM)又はこれに準じた標準物質を用いてもよい。 

8.2 

分析試料 

分析試料は,JIS H 1012の5.(一次試料のサンプリング)によって採取し,分析面の径を通常25 mm以

上の平面状に成形できる塊状又は板状とする。 

8.3 

検量線用試料及び分析試料の調製 

検量線用試料及び分析試料は,分析面の径を25 mm以上の平面状に成形し,それらのX線照射面の表

面粗さが,JIS B 0601に規定する最大高さ粗さ(Rz)6.3 

下となるように,切削,研磨などの適切な

方法によって調製する。これら試料の分析面には,巣,ガスホールなどの表面欠陥はあってはならない。 

注記 試料は,厚さが5 mm以上が望ましい。 

 

蛍光X線強度の測定 

操作条件及び測定は,次による。 

a) 検量線用試料及び分析試料は,試料ホルダを用いて装置の試料室に正しく装着する。試料のX線照射

面積は,試料マスクによって一定にする。 

b) 必要に応じてX線通路を真空にするか,ヘリウムに置換するなど,使用する装置によってあらかじめ

設定された条件に従い,検量線用試料及び分析試料にX線を照射し,発生する定量成分の蛍光X線の

強度を測定する。分析線の例を表2に示す。 

 


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表2−分析線の例 

定量成分 

分析線 

波長 nm 

次数 

銅 

0.154 1(CuKα) 

鉛 

0.117 5(PbLα) 
0.098 2(PbLβ) 


鉄 

0.193 6(FeKα) 

すず 

0.049 1(SnKα) 

亜鉛 

0.143 5(ZnKα) 
0.129 5(ZnKβ) 


アルミニウム 

0.834 0(AlKα) 

ひ素 

0.105 7(AsKα) 
0.099 2(AsKβ) 


マンガン 

0.210 3(MnKα) 

ニッケル 

0.165 9(NiKα) 

けい素 

0.712 5(SiKα) 

りん 

0.615 5(PKα) 

コバルト 

0.179 0(CoKα) 

アンチモン 

0.047 0(SbKα) 

クロム 

0.229 1(CrKα) 

チタン 

0.275 0(TiKα) 

ビスマス 

0.114 4(BiLα) 

セレン 

0.110 6(SeKα) 

ジルコニウム 

0.078 7(ZrKα) 

 

10 検量線 

10.1 検量線の作成 

箇条9 b) で得た検量線用試料中の定量成分の蛍光X線強度と,その含有率との関係を求め,検量線を

作成する。 

なお,定量成分に対する共存元素の影響がある場合には,定量成分に対する共存元素の補正係数を求め

るとともに,10.2 a) に示す基準検量線を作成する。 

10.2 共存元素の影響の補正 

共存元素の影響の補正は,次による。 

a) 定量成分の定量時に共存元素の影響がある場合には,検量線用試料の各成分元素の各蛍光X線強度と

各含有率とを用いて,非線形回帰計算によって,定量成分iに対する共存元素jの補正係数(重なり

補正係数,吸収励起補正係数),及び定量成分iの基準検量線を同時に求める。次の式に共存元素の影

響補正を含む補正検量線式を示す。 

Wi=(aIi2+bIi+c) (1+ΣAjWj)+ΣBjWj+Ea 

ここに, 

Ii: 試料中の定量成分iのX線強度 

 

a, b, c: 基準検量線の検量線定数 

 

Aj: 共存元素jの定量成分iに対する吸収励起補正係数 

 

Wj: 試料中の共存元素jの含有率[%(質量分率)] 

 

Bj: 共存元素jの定量成分iに対する重なり補正係数 

 

Ea: 試料の組織(経歴),散乱X線によるバックグラウンド強度

などを考慮して補正するための実測から得られる補正項 


H 1292:2018  

 

b) 黄銅中の銅を定量する場合の銅に対する共存元素(鉛,鉄及びすず)の吸収励起補正係数の実験での

例を,表3に示す。 

 

表3−銅に対する吸収励起補正係数(Aj)例 

分析所 

共存元素 

Pb 

Fe 

Sn 

L1 

0.014 28 

− 

0.032 40 

L2 

0.011 69 

0.020 61 

0.013 09 

L3 

0.014 49 

0.022 76 

0.016 98 

L4 

0.013 81 

− 

0.018 61 

 

c) 市販の蛍光X線分析装置には,通常,共存元素の影響の補正のための計算プログラムが読み込まれて

いるので,その補正計算プログラムを利用して共存元素の影響を補正することができる。 

注記 共存元素の影響の補正に関しては,JIS G 1256:2013の解説を参照するとよい。 

 

11 計算 

箇条9 b) で得た分析試料中の定量成分の蛍光X線強度及び箇条10で作成した検量線によって,分析試

料中の定量成分の含有率を求める。 

なお,共存元素の影響の補正を適用した場合には,箇条9 b) で得た分析試料中の定量成分の蛍光X線

強度及び基準検量線によって定量成分だけ補正式の含有率Xiを求め,補正係数を用いて共存元素の影響を

補正し,分析試料中の定量成分の含有率(補正後の含有率)を求める。 

Xi=aIi2+bIi+c 

Wi=Xi(1+ΣAjWj)+ΣBjWj+Ea 

ここに, 

Xi: 試料中の定量成分iの未補正の含有率[%(質量分率)] 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献 JIS G 1256:2013 鉄及び鋼−蛍光X線分析方法