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日本工業規格

JIS

 H

1141

-1993

すず地金分析方法

Methods for chemical analysis of tin metal

1.

適用範囲  この規格は,JIS H 2108 に規定するすず地金中の銅,鉛,鉄,ひ素及びアンチモンの定量

方法について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS H 2108

  すず地金

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0115

  吸光光度分析通則

JIS K 0116

  発光分光分析方法通則

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS Z 8401

  数値の丸め方

2.

一般事項  分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050JIS K 0115JIS K 0116 及び JIS K 0121 によ

る。

3.

試料の採り方及び取扱い方

3.1

試料の採り方  試料の採り方は,次による。

(1)

地金から分析用試料を採る場合は,できるだけ平均品質を代表するように,その地金に表示された融

解番号ごとに三つ以上の地金を抜きとり,分析用一次試料とする。

(2)

地金を鋳込む際に分析用試料を採る場合は,1 融解ごとに三つ以上の鋳込み試料を採って(

1

)

分析用一

次試料とする。

(

1

)

鋳込試料はできるだけ,地金と同一品質を得るように鋳型の形状,大きさ,鋳込の時期などに

注意しなければならない。

(3)

分析用試料は,分析用一次試料から清浄なきりを用いてボーリングして切粉を採り(

2

)

,削り採った全

ての切粉を集め,強力な磁石を用いて鉄粉などを除去した後清浄なはさみを用いて約 5mm 以下に切

断し,十分に混合する。

(

2

)

ボーリング位置は,分析用一次試料の中央部及び両端部に近い部分としその面に直角にボーリ

ングして貫通させ,削り採った切粉ができるだけ分析用一次試料と同一品質を得るようにする。

(4)

分析用試料の採り方が(1)(3)の規定による事ができない場合には,受渡当事者間の協議によって定め

る。

3.2

試料の取扱い方  試料の取扱い方は,次による。


2

H 1141-1993

(1)

分析用試料は,異物などによる汚染を防止するため,適当なふた付ガラス容器などに入れ,密栓して

保存する。

(2)

分析用試料は,その表面に油などが付着しているおそれがあるときは,あらかじめエタノール,アセ

トンなどで洗浄して乾燥する。

(3)

分析用試料を鉄の定量に用いる場合には,あらかじめ次の処理を行う。

分析用試料の必要量をビーカーに取り,塩酸 (1+5)  を試料片が沈む程度に加え,加熱して 5 分間

煮沸するか又は約 80℃で約 30 分間加熱して,表面に付着又は混入した鉄を溶解し,水で洗浄した後,

エタノール,アセトンで順次洗浄して乾燥する。

3.3

試料のはかり方  試料のはかり方は,次による。

(1)

分析試料をはかり取る際には,原則として平均組成を代表するように注意しなければならない。

(2)

分析試料のはかり取りには,原則として化学はかりを用い,1mg のけたまで読み取る。

4.

分析値のまとめ方

4.1

分析回数  原則として同一分析所において 2 回の繰返し分析を行う。

4.2

空試験  分析に当たっては,空試験を行い,測定値を補正する。

4.3

分析値の表示  分析値は,質量百分率で表し,数値のまとめ方は次による。

(1)

銅,鉛,鉄,ひ素及びアンチモンの含有率は,JIS H 2108 に規定する数値の次の位まで算出し,JIS Z 

8401

によって JIS H 2108 に規定する位に丸める。

(2)

すずの含有率は,(1)によって算出した各元素の含有率の総計を 100 から差し引き,JIS H 2108 に規定

する位未満の数値を切り捨てた値とする。

5.

銅定量方法

5.1

定量方法の区分  銅の定量方法は,次のいずれかによる。

(1)

すず分離バソクプロイン抽出吸光光度法  この方法は,銅含有率 0.000 2% (m/m) 以上 0.001% (m/m)

以下の試料に適用する。

(2)

原子吸光法  この方法は,銅含有率 0.001% (m/m)  以上 0.05% (m/m)  以下の試料に適用する。ただし,

銅含有率が試料中の銅含有率より低いすず[5.3.2(2)]を入手できない場合には,この方法は適用できな

い。

(3)

すず分離原子吸光法  この方法は,銅含有率 0.000 1% (m/m)  以上 0.005% (m/m)  以下の試料に適用す

る。

(4)

誘導結合プラズマ発光分光法  この方法は,銅含有率 0.000 5% (m/m)  以上 0.10% (m/m)  以下の試料に

適用する。ただし,銅含有率が試料中の銅含有率より低いすず[5.5.2(2)]を入手できない場合には,こ

の方法は適用できない。

(5)

すず分離誘導結合プラズマ発光分光法  この方法は,銅含有率 0.000 1% (m/m)  以上 0.01% (m/m)  以下

の試料に適用する。

5.2

すず分離バソクプロイン抽出吸光光度法

5.2.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,硫酸を加え,硫酸の白煙が発生するまで加熱する。

臭化水素酸を加え,加熱してすずを揮散させた後,蒸発乾固する。塩類を塩酸に溶解した後,塩化ヒドロ

キシルアンモニウム及び酒石酸を加え,アンモニアを加えて pH を調節する。バソクプロインを加え,生

成したバソクプロイン銅錯体を 1‐ブタノールに抽出し,光度計を用いて有機相の吸光度を測定する。


3

H 1141-1993

5.2.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

塩酸 (1+4)

(2)

臭化水素酸

(3)

硫酸 (1+1)

(4)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(5)

アンモニア水 (1+2)

(6)

酒石酸溶液 (100g/l)

(7)

塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (100g/l)

(8)

バソクプロイン-1‐ブタノール溶液  バソクプロイン 0.2g を 1‐ブタノール 1 000ml に溶解する。

(9)  1

‐ブタノール

(10)

標準銅溶液 (2

µgCu/ml)    銅[99.9% (m/m)  以上]0.100g を硝酸 (1+1) 20ml で分解した後,加熱して

蒸発し,シロップ状とする。放冷した後,塩酸 (1+1) 20ml を加えて塩類を溶解する。常温まで冷却

した後,溶液を 1 000ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液 (10

µgCu/ml)

とする。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正しく 50 倍に薄めて標準銅溶液とする。

5.2.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,2.00g とする。

5.2.4

操作

5.2.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

(1)

試料をはかり取って,ビーカー (200ml) に移し入れる。

(2)

時計皿で覆い,混酸 10ml を少量ずつ加えて分解し,激しい反応が終わった後,穏やかに加熱して完

全に分解する。放冷した後,時計皿の下面を水で洗って,時計皿を取り除く。

(3)

硫酸 (1+1) 10ml を加え,硫酸の白煙が発生するまで加熱する。数分間放冷した後,臭化水素酸 20ml

を加え,加熱して蒸発し,濃厚な白煙を発生させる。

(4)

数分間放冷した後,臭化水素酸 10ml を加え,再び加熱して蒸発乾固する。

(5)

室温まで冷却した後,塩酸 (1+4) 10ml を加え,塩類を溶解する。

(6)

溶液に塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 10ml 及び酒石酸溶液 10ml を加え,pH 計を用いてアンモ

ニア水 (1+2)  で pH を 5∼6 に調節する。

5.2.4.2

銅の抽出  銅の抽出は,次の手順によって行う。

(1)  5.2.4.1(6)

で得た溶液を水を用いて分液漏斗 (200ml) に移し入れ,水で液量を約 80ml とする。

(2)

溶液にバソクプロイン-1‐ブタノール溶液[5.2.2.(8)]10ml を加え,約 4 分間激しく振り混ぜる。静置し

て 2 相に分離した後,水相を捨て,有機相を乾いた目盛付共栓試験管に移し入れ,1‐ブタノールで

10.0ml

とする。

5.2.4.3

吸光度の測定  5.2.4.2(2)で得た有機相の一部を乾いたろ紙を用いてろ過し,光度計の吸収セル

(10mm)

に取り,1‐ブタノールを対照液として,波長 470nm 付近の吸光度を測定する。

5.2.5

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

5.2.6

検量線の作成  標準銅溶液[5.2.2.(10)]0∼10.0ml(銅として 0∼20

µg)を段階的に数個のビーカー

(200ml)

に取り,以下 5.2.4.1(6)5.2.4.3 の手順に従って,試料と同じ操作を試料と並行して行い,得た吸

光度と銅量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

5.2.7

計算  5.2.4.3 及び 5.2.5 で得た吸光度と 5.2.6 で作成した検量線とから銅量を求め,試料中の銅含有

率を次の式によって算出する。


4

H 1141-1993

(

)

100

/

2

1

×

=

m

A

A

m

m

銅%

ここに,  A

1

:  試料溶液中の銅検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の銅検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

5.3

原子吸光法

5.3.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレー

ム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

5.3.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(2)

すず[99.99% (m/m)  以上]  銅含有率が既知(

3

)

で,かつ,その銅含有率が試料中の銅含有率より低い

もの。

(3)

標準銅溶液 A (20

µgCu/ml)  5.2.2(10)の原液 (100µgCu/ml)  を使用の都度,必要量だけ水で正しく 5 倍

に薄めて標準銅溶液 A とする。

(4)

標準銅溶液 B (10

µgCu/ml)  5.2.2(10)  の原液 (100µgCu/ml)  を使用の都度,必要量だけ水で正しく 10

倍に薄めて標準銅溶液 B とする。

(

3

)

銅含有率は,5.4のすず分離原子吸光法又は5.6のすず分離誘導結合プラズマ発光分光法によって

求める。

5.3.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,1.00g とする。

5.3.4

操作

5.3.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

(1)

試料をはかり取って,ビーカー (200ml) に移し入れる。

(2)

時計皿で覆い,混酸 20ml を少量ずつ加えて分解し,激しい反応が終わった後,穏やかに加熱して完

全に分解する。

(3)

常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って,時計皿を取り除く。

(4)

溶液を 100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

5.3.4.2

吸光度の測定  5.3.4.1(4)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空

気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 324.8nm における吸光度を測定する。

5.3.5

空試験  5.3.6 の検量線作成操作において得られる,標準銅溶液を添加しない溶液の吸光度を空試

験の吸光度とする。

5.3.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

すず[5.3.2(2)]を 1.00g ずつ数個はかり取り,それぞれをビーカー (200ml) に移し入れる。

(2)

  5.3.4.1

(2)及び(3)の手順に従って操作する。

(3)

標準銅溶液 A[5.3.2(3)]及び標準銅溶液 B[5.3.2(4)]の各種液量(銅として 0∼500

µg)を段階的に正確に

加える。

(4)

  5.3.4.1(4)

及び 5.3.4.2 の手順に従って試料と平行して操作し,得た吸光度と銅量との関係線を作成し,

その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

5.3.7

計算  5.3.4.2 及び 5.3.5 で得た吸光度と,5.3.6 で作成した検量線とから銅量を求め,試料中の銅含

有率を次の式によって算出する。


5

H 1141-1993

(

)

(

)

100

/

3

2

1

×

=

m

A

A

A

m

m

銅%

ここに,  A

1

:  試料溶液中の銅検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の銅検出量 (g)

A

3

:  すず[5.3.2(2)]1.00g 中に含まれる銅量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

5.4

すず分離原子吸光法

5.4.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,硫酸を加え,硫酸の白煙が発生するまで加熱する。

臭化水素酸を加え,加熱してすずを揮散させた後,蒸発乾固する。塩類を硝酸に溶解した後,溶液を原子

吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

5.4.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

硝酸 (1+2)

(2)

臭化水素酸

(3)

硫酸 (1+1)  

(4)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(5)

標準銅溶液 A (20

µgCu/ml)  5.3.2(3)による。

(6)

標準銅溶液 B (2

µg/ml)  5.2.2(10)による。

5.4.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,2.00g とする。

5.4.4

操作

5.4.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

(1)

  5.2.4.1

(1)(4)の手順に従って操作する。

(2)

室温まで冷却した後,硝酸 (1+2) 10ml を加え,塩類を溶解する。

(3)

常温まで冷却した後,溶液を 25ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

5.4.4.2

吸光度の測定  5.4.4.1(3)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空

気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 324.8nm における吸光度を測定する。

5.4.5

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

5.4.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

標準銅溶液 A[5.4.2(5)]及び標準銅溶液 B[5.4.2(6)]の各種液量(銅として 0∼100

µml)を段階的に数個

の 25ml の全量フラスコに取る。

(2)

硝酸 (1+2) 10ml を加え,水で標線まで薄める。

(3)

溶液の一部を,

水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,

波長 324.8nm における吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度と銅量との関係線を作成し,その

関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

5.4.7

計算  5.4.4 及び 5.4.5 で得た吸光度と,5.4.6 で作成した検量線とから銅量を求め,試料中の銅含有

率を次の式によって算出する。

(

)

100

/

2

1

×

=

m

A

A

m

m

銅%

ここに,  A

1

:  試料溶液中の銅検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の銅検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

5.5

誘導結合プラズマ発光分光法


6

H 1141-1993

5.5.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴン

プラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。

5.5.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(2)

すず  5.3.2(2)による。

(3)

標準銅溶液 A (100

µgCu/ml)    5.2.2(10)の原液 (100µgCu/ml)  を使用する。

(4)

標準銅溶液 B (5

µgCu/ml)    標準銅溶液 A[(3)]を使用の都度,必要量だけ水で正しく 20 倍に薄めて標

準銅溶液 B とする。

5.5.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,1.00g とする。

5.5.4

操作

5.5.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,5.3.4.1 による。

5.5.4.2

発光強度の測定  5.5.4.1 で得た溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズ

マ中に噴霧し,波長 324.754nm における発光強度を測定する(

4

)

(

4

)

精度及び正確さを確認してあれば,他の波長を用いて測定してもよい。

また,高次のスペクトル線が使用可能な装置では高次のスペクトル線を用いてもよい。バッ

クグラウンド補正機構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。

5.5.5

空試験  5.5.6 の検量線作成操作において得られる,標準銅溶液を添加しない溶液の発光強度を空

試験の発光強度とする。

5.5.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

すず  [5.5.2(2)]  を 1.00g ずつ数個はかり取り,それぞれをビーカー (200ml) に移し入れる。

(2)

  5.3.4.1

(2)及び(3)の手順に従って操作する。

(3)

標準銅溶液 A [5.5.2(3)]  及び標準銅溶液 B [5.5.2(4)]  の各種液量(銅として 0∼1 000

µg)を段階的に正

確に加える。

(4)

  5.3.4.1(4)

に従って操作した後,溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズマ中

に噴霧し,波長 324.754nm における発光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度と銅量との関係

線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

5.5.7

計算  5.5.4.2 及び 5.5.5 で得た発光強度と,5.5.6 で作成した検量線とから銅量を求め,試料中の銅

含有率を次の式によって算出する。

(

)

(

)

100

/

3

2

1

×

=

m

A

A

A

m

m

銅%

ここに,  A

1

:  試料溶液中の銅検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の銅検出量 (g)

A

3

:  すず  [5.5.2(2)] 1.00g 中に含まれる銅量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

5.6

すず分離誘導結合プラズマ発光分光法

5.6.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,硫酸を加え,硫酸の白煙が発生するまで加熱する。

臭化水素酸を加え,加熱してすずを揮散させた後,蒸発乾固する。塩類を硝酸に溶解した後,溶液を誘導

結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。

5.6.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

硝酸 (1+2)


7

H 1141-1993

(2)

臭化水素酸

(3)

硫酸 (1+1)

(4)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(5)

標準銅溶液 A (20

µgCu/ml)  5.3.2(3)による。

(6)

標準銅溶液 B (2

µgCu/ml)  5.2.2(10)による。

5.6.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,2.00g とする。

5.6.4

操作

5.6.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,5.4.4.1 による。

5.6.4.2

発光強度の測定  5.6.4.1 で得た溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズ

マ中に噴霧し,波長 324.754nm における発光強度を測定する(

4

)

5.6.5

空試験  試料を用いないで試料と同じ操作を試料と平行して行う。

5.6.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

標準銅溶液 A [5.6.2(5)]  及び標準銅溶液 B [5.6.2(6)]  の各種液量(銅として 0∼200

µml)を段階的に正

確に 25ml の全量フラスコに取る。

(2)

硝酸 (1+2) 10ml を加え,水で標線まで薄める。

(3)

溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長 324.754nm にお

ける発光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度と銅量との関係線を作成し,その関係線を原点

を通るように平行移動して検量線とする。

5.6.7

計算  5.6.4.2 及び 5.6.5 で得た発光強度と,5.6.6 で作成した検量線とから銅量を求め,試料中の銅

含有率を次の式によって算出する。

(

)

100

/

2

1

×

=

m

A

A

m

m

銅%

ここに,  A

1

:  試料溶液中の銅検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の銅検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

6.

鉛定量方法

6.1

定量方法の区分  鉛の定量方法は,次のいずれかによる。

(1)

原子吸光法  この方法は,鉛含有率 0.002% (m/m)  以上 0.10% (m/m)  以下の試料に適用する。ただし,

鉛含有率が試料中の鉛含有率より低いすず  [6.2.2(2)]  を入手できない場合には,この方法は適用でき

ない。

(2)

すず分離原子吸光法  この方法は,鉛含有率 0.000 2% (m/m)  以上 0.01% (m/m)  以下の試料に適用する。

(3)

誘導結合プラズマ発光分光法  この方法は,鉛含有率 0.001% (m/m) 以上 0.10% (m/m) 以下の試料に

適用する。ただし,鉛含有率が試料中の鉛含有率より低いすず  [6.4.2(2)]  を入手できない場合には,

この方法は適用できない。

(4)

すず分離誘導結合プラズマ発光分光法  この方法は,鉛含有率 0.000 2% (m/m)  以上 0.01% (m/m)  以下

の試料に適用する。

6.2

原子吸光法

6.2.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレー

ム中に噴霧し,その吸光度を測定する。


8

H 1141-1993

6.2.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(2)

すず[99.99% (m/m)  以上]  鉛含有率が既知(

5

)

で,かつ,その鉛含有率が試料中の鉛含有率より低い

もの。

(3)

標準鉛溶液 A (100

µgPb/ml)    鉛[99.9% (m/m)  以上]0.100g を硝酸 (1+1) 20ml で分解した後,加熱

して蒸発し,シロップ状とする。放冷した後,塩酸 (1+1) 20ml を加えて塩類を溶解する。常温まで

冷却した後,溶液を 1 000ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて標準鉛溶液

A

とする。

(4)

標準鉛溶液 B (20

µgPb/ml)    標準鉛溶液 A [(3)]  を使用の都度,必要量だけ水で正しく 5 倍に薄めて標

準鉛溶液 B とする。

(

5

)

鉛含有率は,6.3のすず分離原子吸光法又は6.5のすず分離誘導結合プラズマ発光分光法によって

求める。

6.2.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,1.00g とする。

6.2.4

操作

6.2.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,5.3.4.1 による。

6.2.4.2

吸光度の測定  6.2.4.1 で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空

気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 217.0nm における吸光度を測定する。

6.2.5

空試験  6.2.6 の検量線作成操作において得られる,標準鉛溶液を添加しない溶液の吸光度を空試

験の吸光度とする。

6.2.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

すず  [6.2.2(2)]  を 1.00g ずつ数個はかり取り,それぞれをビーカー (200ml) に移し入れる。

(2)

  5.3.4.1

(2)及び(3)の手順に従って操作する。

(3)

標準鉛溶液 A [6.2.2(3)]  及び標準鉛溶液 B [6.2.2(4)]  の各種液量(鉛として 0∼1 000

µg)を段階的に正

確に加える。

(4)

  5.3.4.1(4)

に従って操作した後,溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・

アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 217.0nm における吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度

と鉛量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

6.2.7

計算  6.2.4.2 及び 6.2.5 で得た吸光度と,6.2.6 で作成した検量線とから鉛量を求め,試料中の鉛含

有率を次の式によって算出する。

(

)

(

)

100

/

3

2

1

×

=

m

A

A

A

m

m

鉛%

ここに,  A

1

:  試料溶液中の鉛検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の鉛検出量 (g)

A

3

:  すず  [6.2.2(2)] 1.00g 中に含まれる鉛量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

6.3

すず分離原子吸光法

6.3.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,硫酸を加え,硫酸の白煙が発生するまで加熱する。

臭化水素酸を加え,加熱してすずを揮散させた後,蒸発乾固する。塩類を硝酸に溶解した後,溶液を原子

吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

6.3.2

試薬  試薬は,次による。


9

H 1141-1993

(1)

硝酸 (1+2)  

(2)

臭化水素酸

(3)

硫酸 (1+1)

(4)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(5)

標準鉛溶液 A (20

µgPb/ml)  6.2.2(4)による。

(6)

標準鉛溶液 B (2

µgPb/ml)  6.2.2(3)の標準鉛溶液 A (100µgPb/ml)  を使用の都度,必要量だけ水で正しく

50

倍に薄めて標準鉛溶液 B とする。

6.3.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,2.00g とする。

6.3.4

操作

6.3.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,5.4.4.1 による。

6.3.4.2

吸光度の測定  6.3.4.1 で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空

気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 217.0nm における吸光度を測定する。

6.3.5

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

6.3.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

標準鉛溶液 A [6.3.2(5)]  及び標準鉛溶液 B [6.3.2(6)]  の各種液量(鉛として 0∼200

µml)を段階的に正

確に数個の 25ml の全量フラスコに取る。

(2)

硝酸 (1+2) 10ml を加え,水で標線まで薄める。

(3)

溶液の一部を,

水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,

波長 217.0nm における吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度と鉛量との関係線を作成し,その

関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

6.3.7

計算  6.3.4.2 及び 6.3.5 で得た吸光度と,6.3.6 で作成した検量線とから鉛量を求め,試料中の鉛含

有率を次の式によって算出する。

(

)

100

/

2

1

×

=

m

A

A

m

m

鉛%

ここに,  A

1

:  試料溶液中の鉛検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の鉛検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

6.4

誘導結合プラズマ発光分光法

6.4.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴン

プラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。

6.4.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(2)

すず  6.2.2(2)による。

(3)

標準鉛溶液 A (100

µgPb/ml)    6.2.2(3)による。

(4)

標準鉛溶液 B (10

µgPb/ml)    標準鉛溶液 A [(3)]  を使用の都度,必要量だけ水で正しく 10 倍に薄めて

標準鉛溶液 B とする。

6.4.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,1.00g とする。

6.4.4

操作

6.4.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,5.3.4.1 による。


10

H 1141-1993

6.4.4.2

発光強度の測定  6.4.4.1 で得た溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズ

マ中に噴霧し,波長 220.353nm における発光強度を測定する(

4

)

6.4.5

空試験  6.4.6 の検量線作成操作において得られる,標準鉛溶液を添加しない溶液の発光強度を空

試験の発光強度とする。

6.4.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

すず  [6.4.2(2)]  を 1.00g ずつ数個はかり取り,それぞれをビーカー (200ml) に移し入れる。

(2)

  5.3.4.1

(2)及び(3)の手順に従って操作する。

(3)

標準鉛溶液 A [6.4.2(3)]  及び標準鉛溶液 B [6.4.2(4)]  の各種液量(鉛として 0∼1 000

µg)を段階的に正

確に加える。

(4)

  5.3.4.1(4)

に従って操作した後,溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズマ中

に噴霧し,波長 220.353nm における発光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度と鉛量との関係

線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

6.4.7

計算  6.4.4.2 及び 6.4.5 で得た発光強度と 6.4.6 で作成した検量線とから鉛量を求め,試料中の鉛含

有率を次の式によって算出する。

(

)

(

)

100

/

3

2

1

×

=

m

A

A

A

m

m

鉛%

ここに,  A

1

:  試料溶液中の鉛検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の鉛検出量 (g)

A

3

:  すず  [6.4.2(2)] 1.00g 中に含まれる鉛量 (g)

m:  試料はかり取り量 (g)

6.5

すず分離誘導結合プラズマ発光分光法

6.5.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,硫酸を加え,硫酸の白煙が発生するまで加熱する。

臭化水素酸を加え,加熱してすずを揮散させた後,蒸発乾固する。塩類を硝酸に溶解した後,溶液を誘導

結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。

6.5.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

硝酸 (1+2)

(2)

臭化水素酸

(3)

硫酸 (1+1)  

(4)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(5)

標準鉛溶液 A (20

µgPb/ml)  6.2.2(4)による。

(6)

標準鉛溶液 B (2

µgPb/ml)  6.3.2(6)による。

6.5.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,2.00g とする。

6.5.4

操作

6.5.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,5.4.4.1 による。

6.5.4.2

発光強度の測定  6.5.4.1 で得た溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズ

マ中に噴霧し,波長 220.353nm における発光強度を測定する(

4

)

6.5.5

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

6.5.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

標準鉛溶液 A [6.5.2(5)]  及び標準鉛溶液 B [6.5.2(6)]  の各種液量(鉛として 0∼200

µml)を段階的に正

確に数個の 25ml の全量フラスコに取る。


11

H 1141-1993

(2)

硝酸 (1+2) 10ml を加え,水で標線まで薄める。

(3)

溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長 220.353nm にお

ける発光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度と鉛量との関係線を作成し,その関係線を原点

を通るように平行移動して検量線とする。

6.5.7

計算  6.5.4.2 及び 6.5.5 で得た発光強度と,6.5.6 で作成した検量線とから鉛量を求め,試料中の鉛

含有率を次の式によって算出する。

(

)

100

/

2

1

×

=

m

A

A

m

m

鉛%

ここに,  A

1

:  試料溶液中の鉛検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の鉛検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

7.

鉄定量方法

7.1

定量方法の区分  鉄の定量方法は,次のいずれかによる。

(1)

すず分離 110‐フェナントロリン・チオシアン酸抽出吸光光度法  この方法は,鉄含有率 0.000 2%

(m/m)

以上 0.001% (m/m)  以下の試料に適用する。ただし,鉄含有率 0.005% (m/m)  以上の試料には適

用できない。

(2)

原子吸光法  この方法は,鉄含有率 0.001% (m/m)  以上 0.05% (m/m)  以下の試料に適用する。ただし,

鉄含有率が試料中の鉄含有率より低いすず  [7.3.2(2)]  を入手できない場合には,この方法は適用でき

ない。

(3)

すず分離原子吸光法  この方法は,鉄含有率 0.000 3% (m/m)  以上 0.005% (m/m)  以下の試料に適用す

る。

(4)

誘導結合プラズマ発光分光法  この方法は,鉄含有率 0.000 5% (m/m)  以上 0.10% (m/m)  以下の試料に

適用する。ただし,鉄含有率が試料中の鉄含有率より低いすず  [7.5.2(2)]  を入手できない場合には,

この方法は適用できない。

(5)

すず分離誘導結合プラズマ発光分光法  この方法は,鉄含有率 0.000 2% (m/m)  以上 0.1% (m/m)  以下

の試料に適用する。

7.2

すず分離 110‐フェナントロリン・チオシアン酸抽出吸光光度法

7.2.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,硫酸を加え,硫酸の白煙が発生するまで加熱する。

臭化水素酸を加え,加熱してすずを揮散させた後,蒸発乾固する。塩類を塩酸に溶解した後,1,10‐フェ

ナントロリン及びチオシアン酸カリウムを加え,生成した 1,10‐フェナントロリン・チオシアン酸鉄 (II)

錯体を 4‐メチル‐2‐ペンタノンに抽出し,光度計を用いて有機相の吸光度を測定する。

7.2.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

塩酸 (1+120)

(2)

臭化水素酸

(3)

硫酸 (1+1)

(4)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(5)

チオシアン酸カリウム溶液 (100g/ml)

(6)

  1

,10‐フェナントロリン溶液 (2g/ml)   塩化 1,10‐フェナントロリン一水和物 1.2g を水 500ml に

溶解する。


12

H 1141-1993

(7)

  4

‐メチル‐2‐ペンタノン

(8)

標準鉄溶液 (2

µgFe/ml)    鉄[99.9% (m/m)  以上]0.100g を硝酸 (1+1) 20ml で分解した後,加熱して

蒸発し,シロップ状とする。放冷した後,溶液を塩酸 (1+1) 20ml を加えて塩類を溶解する。常温ま

で冷却した後,溶液を 1 000ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて,原液

(100

µgFe/ml)  とする。この原液を使用の都度,必要量だけ塩酸 (1+120)  で正しく 50 倍に薄めて標準

鉄溶液とする。

7.2.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,2.00g とする。

7.2.4

操作

7.2.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

(1)

  5.2.4.1

(1)(4)の手順に従って操作する。

(2)

室温まで冷却した後,塩酸 (1+120) 10ml を加えて塩類を溶解する。

7.2.4.2

鉄の抽出  鉄の抽出は,次の手順によって行う。

(1)

  7.2.4.1(2)

で得た溶液を水を用いて,分液漏斗 (100ml) に移し入れる。

(2)

  1

,10‐フェナントロリン溶液  [7.2.2(6)] 1ml 及びチオシアン酸カリウム溶液 1ml を加えた後,水で液

量を約 50ml とする。

(3)

  4

‐メチル‐2‐ペンタノン 10.0ml を加え,約 2 分間激しく振り混ぜる。静置して 2 相に分離した後,

水相を捨てる。

7.2.4.3

吸光度の測定  7.2.4.2(3)で得た有機相の一部を,乾いたろ紙を用いてろ過し,光度計の吸収セル

(10mm)

に取り,4‐メチル‐2‐ペンタノンを対照液とし,波長 525nm 付近の吸光度を測定する。

7.2.5

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

7.2.6

検量線の作成  標準鉄溶液  [7.2.2(8)]  0∼10.0ml(鉄として 0∼20

µg)を段階的に数個の分液漏斗

(100ml)

に取った後,塩酸 (1+120)  をそれぞれの溶液中の塩酸 (1+120)  の量が 10ml になるように加え

(

6

)

。以下,7.2.4.2(2)7.2.4.3 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行い,得た吸光度と鉄量

との関係線を作成して,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

(

6

)

例えば標準鉄溶液  [7.2.2(8)]  を0,4.0及び8.0ml 取った場合には,塩酸 (1+120)  をそれぞれ10,

6

及び2ml 加えればよい。

7.2.7

計算  7.2.4.3 及び 7.2.5 で得た吸光度と 7.2.6 で作成した検量線とから鉄量を求め,試料中の鉄含有

率を次の式によって算出する。

(

)

100

/

2

1

×

=

m

A

A

m

m

鉄%

ここに,  A

1

:  試料溶液中の鉄検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の鉄検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

7.3

原子吸光法

7.3.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレー

ム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

7.3.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(2)

すず[99.99% (m/m)  以上]  鉄含有率が既知(

7

)

で,かつ,その鉄含有率が試料中の鉄含有率より低い

もの。


13

H 1141-1993

(3)

標準鉄溶液 A (20

µgFe/ml)  7.2.2(8)の原液 (100µgFe/ml)  を使用の都度,必要量だけ水で正しく 5 倍に

薄めて標準鉄溶液 A とする。

(4)

標準鉄溶液 B (10

µgFe/ml)  7.2.2(8)の原液 (100µgFe/ml)  を使用の都度,必要量だけ水で正しく 10 倍に

薄めて標準鉄溶液 B とする。

(

7

)

鉄含有率は,7.4のすず分離原子吸光法又は7.6のすず分離誘導結合プラズマ発光分光法によって

求める。

7.3.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,1.00g とする。

7.3.4

操作

7.3.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,5.3.4.1 による。

7.3.4.2

吸光度の測定  7.3.4.1 で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空

気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 248.3nm における吸光度を測定する。

7.3.5

空試験  7.3.6 の検量線作成操作において得られる,標準鉄溶液を添加しない溶液の吸光度を空試

験の吸光度とする。

7.3.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

すず  [7.3.2(2)]  を 1.00g ずつ数個はかり取り,それぞれをビーカー (200ml) に移し入れる。

(2)

  5.3.4.1

(2)及び(3)の手順に従って操作する。

(3)

標準鉄溶液 A [7.3.2(3)]  及び標準鉄溶液 B [7.3.2(4)]  の各種液量(鉄として 0∼500

µg)を段階的に正確

に加える。

(4)

  5.3.4.1(4)

に従って操作した後,溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・

アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 248.3nm における吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度

と鉄量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

7.3.7

計算  7.3.4.2 及び 7.3.5 で得た吸光度と,7.3.6 で作成した検量線とから鉄量を求め,試料中の鉄含

有率を次の式によって算出する。

(

)

(

)

100

/

3

2

1

×

=

m

A

A

A

m

m

鉄%

ここに,  A

1

:  試料溶液中の鉄検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の鉄検出量 (g)

A

3

:  すず  [7.3.2(2)] 1.00g 中に含まれる鉄量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

7.4

すず分離原子吸光法

7.4.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,硫酸を加え,硫酸の白煙が発生するまで加熱する。

臭化水素酸を加え,加熱してすずを揮散させた後,蒸発乾固する。塩類を硝酸に溶解した後,溶液を原子

吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

7.4.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

硝酸 (1+2)

(2)

臭化水素酸

(3)

硫酸 (1+1)

(4)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(5)

標準鉄溶液 A (20

µgFe/ml)  7.3.2(3)による。

(6)

標準鉄溶液 B (2

µgFe/ml)  7.2.2(8)による。


14

H 1141-1993

7.4.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,2.00g とする。

7.4.4

操作

7.4.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,5.4.4.1 による。

7.4.4.2

吸光度の測定  7.4.4.1 で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空

気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 248.3nm における吸光度を測定する。

7.4.5

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

7.4.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

標準鉄溶液 A [7.4.2(5)]  及び標準鉄溶液 B [7.4.2(6)]  の各種液量(鉄として 0∼100

µml)を段階的に正

確に数個の 25ml の全量フラスコに取る。

(2)

硝酸 (1+2) 10ml を加え,水で標線まで薄める。

(3)

溶液の一部を,

水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,

波長 248.3nm における吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度と鉄量との関係線を作成し,その

関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

7.4.7

計算  7.4.4.2 及び 7.4.5 で得た吸光度と,7.4.6 で作成した検量線とから鉄量を求め,試料中の鉄含

有率を次の式によって算出する。

(

)

100

/

2

1

×

=

m

A

A

m

m

鉄%

ここに,  A

1

:  試料溶液中の鉄検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の鉄検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

7.5

誘導結合プラズマ発光分光法

7.5.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴン

プラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。

7.5.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(2)

すず  7.3.2(2)による。

(3)

標準鉄溶液 A (100

µgFe/ml)  7.2.2(8)の原液 (100µgFe/ml)  を使用する。

(4)

標準鉄溶液 B (10

µgFe/ml)  標準鉄溶液 A [(3)]  を使用の都度,必要量だけ水で正しく 10 倍に薄めて標

準鉄溶液 B とする。

7.5.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,1.00g とする。

7.5.4

操作

7.5.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,5.3.4.1 による。

7.5.4.2

発光強度の測定  7.5.4.1 で得た溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズ

マ中に噴霧し,波長 238.204nm における発光強度を測定する(

4

)

7.5.5

空試験  7.5.6 の検量線作成操作において得られる,標準鉄溶液を添加しない溶液の発光強度を空

試験の発光強度とする。

7.5.6

検量線の作成検  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

すず  [7.5.2(2)]  を 1.00g ずつ数個はかり取り,それぞれをビーカー (200ml) に移し入れる。

(2)

  5.3.4.1

(2)及び(3)の手順に従って操作する。

(3)

標準鉄溶液 A [7.5.2(3)]  及び標準鉄溶液 B [7.5.2(4)]  の各種液量(鉄として 0∼1 000

µg)を段階的に正


15

H 1141-1993

確に加える。

(4)

  5.3.4.1(4)

に従って操作した後,溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズマ中

に噴霧し,波長 238.204nm における発光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度と鉄量との関係

線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

7.5.7

計算  7.5.4.2 及び 7.5.5 で得た発光強度と,7.5.6 で作成した検量線とから鉄量を求め,試料中の鉄

含有率を次の式によって算出する。

(

)

(

)

100

/

3

2

1

×

=

m

A

A

A

m

m

鉄%

ここに,  A

1

:  試料溶液中の鉄検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の鉄検出量 (g)

A

3

:  すず  [7.5.2(2)] 1.00g 中に含まれる鉄量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

7.6

すず分離誘導結合プラズマ発光分光法

7.6.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,硫酸を加え,硫酸の白煙が発生するまで加熱する。

臭化水素酸を加え,加熱してすずを揮散させた後,蒸発乾固する。塩類を硝酸に溶解した後,溶液を誘導

結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。

7.6.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

硝酸 (1+2)

(2)

臭化

(3)

硫酸 (1+1)

(4)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(5)

標準鉄溶液 A (20

µgFe/ml)  7.3.2(3)による。

(6)

標準鉄溶液 B (2

µgFe/ml)  7.2.2.(8)による。

7.6.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,2.00g とする。

7.6.4

操作

7.6.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,5.4.4.1 による。

7.6.4.2

発光強度の測定  7.6.4.1 で得た溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズ

マ中に噴霧し,波長 238.204nm における発光強度を測定する(

4

)

7.6.5

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

7.6.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

標準鉄溶液 A [7.6.2(5)]  及び標準鉄溶液 B [7.6.2(6)]  の各種液量(鉄として 0∼200

µml)を段階的に正

確に数個の 25ml の全量フラスコに取る。

(2)

硝酸 (1+U) 10ml を加え,水で標線まで薄める。

(3)

溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長 238.204nm にお

ける発光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度と鉄量との関係線を作成し,その関係線を原点

を通るように平行移動して検量線とする。

7.6.7

計算  7.6.4.2 及び 7.6.5 で得た発光強度と,7.6.6 で作成した検量線とから鉄量を求め,試料中の鉄

含有率を次の式によって算出する。

(

)

100

/

2

1

×

=

m

A

A

m

m

鉄%

ここに,

A

1

試料溶液中の鉄検出量 (g)


16

H 1141-1993

A

2

空試験液中の鉄検出量 (g)

m

試料はかり取り量 (g)

8.

ひ素定量方法

8.1

定量方法の区分  ひ素の定量方法は,次のいずれかによる。

(1)

フレームレス原子吸光法  この方法は,ひ素含有率 0.000 3% (m/m)  以上 0.01% (m/m)  以下の試料に適

用する。ただし,高純度すず  [8.2.2(2)]  を入手できない場合には,この方法は適用できない。

(2)

誘導結合プラズマ発光分光法  この方法は,ひ素含有率 0.002% (m/m)  以上 0.1% (m/m)  以下の試料に

適用する。ただし,ひ素含有率が試料中のひ素含有率より低いすず  [8.3.2(2)]  を入手できない場合に

は,この方法は適用できない。

8.2

フレームレス原子吸光法

8.2.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の電気加熱炉中に注入して

加熱し,その吸光度を測定する。

8.2.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(2)

すず  高純度すず[99.999% (m/m)  以上]で 8.2.7(1)で得られる A

2

のひ素検出量が 0.000 000 3g (0.3

µg)

以下のものを用いる。

(3)

標準ひ素溶液 (1

µgAs/ml)    三酸化二ひ素  (JIS K 8005) 0.132g を水酸化ナトリウム溶液 (40g/ml) 2ml

に溶解し,水で約 200ml に薄め,フェノールフタレイン溶液  (JIS K 8001)  を指示薬として 1,2 滴加

え,硫酸 (1+10)  で微酸性とした後,溶液を 1 000ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標

線まで薄めて原液 (100

µgAs/ml)  とする。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正しく 100 倍に薄

めて標準ひ素溶液とする。

8.2.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,1.00g とする。

8.2.4

操作

8.2.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

(1)

  5.3.4.1

(1)(4)の手順に従って操作する(

8

)

(2)

溶液 10.0ml を 100ml の全量フラスコに分取し,水で標線まで薄める。

(

8

)

試料中のひ素含有率が0.001 0% (m/m)  以下の場合には,次の(2)の操作は行わない。

8.2.4.2

吸光度の測定  8.2.4.1 (1)又は(2)で得た溶液の定量(

9

)

を原子吸光光度計の電気加熱炉の中に注

入して加熱し,波長 193.7nm における,吸光度を測定する。

(

9

)

一般的には10又は20

µl を注入するが,各装置の感度に合わせて注入量を決める。

8.2.5

空試験  空試験は,次のいずれかによる。

(1)

  8.2.4.1

で分取をしない場合  8.2.6(1)の検量線作成操作において得られる,標準ひ素溶液を添加しない

溶液の吸光度を空試験の吸光度とする。

(2)

  8.2.4.1

で分取をする場合  8.2.6(2)の検量線作成操作において得られる,標準ひ素溶液を添加しない溶

液の吸光度を空試験の吸光度とする。

8.2.6

検量線の作成  検量線の作成は,次のいずれかによる。

(1)

  8.2.4.1

で分取をしない場合

(a)

すず  [8.2.2(2)]  を 1.00g ずつ数個はかり取り,それぞれをビーカー (200ml) に移し入れる。

(b)

  5.3.4.1

(2)及び(3)の手順に従って操作する。


17

H 1141-1993

(c)

標準ひ素溶液  [8.2.2(3)]  0∼10.0ml(ひ素として 0∼10

µg)を段階的に加え,溶液を 100ml の全量フ

ラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

(d)

溶液の一定量(

10

)

を,原子吸光光度計の電気加熱炉の中に注入して加熱し,波長 193.7nm における吸

光度を試料と並行して測定し,得た吸光度とひ素量との関係線を作成し,その関係線を原点を通る

ように平行移動して検量線とする。

(

10

)

  8.2.4.2

で電気加熱炉に注入した量と同量とする。

(2)

  8.2.4.1

で分取をする場合

(a)

すず  [8.2.2(2)] 1.00g をはかり取り,ビーカー (200ml) に移し入れる。

(b)

  5.3.4.1

(2)(4)の手順に従って操作する。

(c)

溶液を 10.0ml ずつ数個の 100ml の全量フラスコに取り,標準ひ素溶液  [8.2.2(3)] 0∼10.0ml(ひ素と

して 0∼10

µg)を段階的に加え,水で標線まで薄める。

(d)

溶液の一定量(

10

)

を,原子吸光光度計の電気加熱炉の中に注入して加熱し,波長 193.7nm における吸

光度を試料と並行して測定し,得た吸光度とひ素量との関係線を作成し,その関係線を原点を通る

ように平行移動して検量線とする。

8.2.7

計算  計算は,次のいずれかによる。

(1)

  8.2.4.1

で分取をしない場合  8.2.4.2 及び 8.2.5(1)で得た吸光度と 8.2.6(1)で作成した検量線とからひ素

量を求め,試料中のひ素含有率を次の式によって算出する。

(

)

100

/

2

1

×

=

m

A

A

m

m

ひ素%

ここに,  A

1

:  試料溶液中のひ素検出量 (g)

A

2

:  空試験液中のひ素検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

(2)

  8.2.4.1

で分取をした場合  8.2.4.2 及び 8.2.5(2)で得た吸光度と 8.2.6(2)で作成した検量線とからひ素量

を求め,試料中のひ素含有率を次の式によって算出する。

(

)

100

10

1

/

%

4

3

×

×

=

m

A

A

m

m

ひ素

ここに,  A

3

:  分取した試料溶液中のひ素検出量 (g)

A

4

:  分取した空試験液中のひ素検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

8.3

誘導結合プラズマ発光分光法

8.3.1

要旨

  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴン

プラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。

8.3.2

試薬

  試薬は,次による。

(1)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(2)

すず[99.99% (m/m) 以上]  ひ素含有率が既知

(

11

)

で,かつ,そのひ素含有率が試料中のひ素含有率

より低いもの。

(3)

標準ひ素溶液 A (100

µgAs/ml)

8.2.2(3)

の原液 (100

µgAs/ml)  を標準ひ素溶液 A とする。

(4)

標準ひ素溶液 B (20

µgAs/ml)    標準ひ素溶液 A

[(3)]

を使用の都度,必要量だけ水で正しく 5 倍に薄め

て標準ひ素溶液 B とする。

(

11

)

ひ素含有率は,

8.2

のフレームレス原子吸光法によって求める。


18

H 1141-1993

8.3.3

試料はかり取り量

  試料はかり取り量は,1.00g とする。

8.3.4

操作

8.3.4.1

試料溶液の調製

  試料溶液の調製は,

5.3.4.1

による。

8.3.4.2

発光強度の測定

8.3.4.1

で得た溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズ

マ中に噴霧し,波長 228.812nm における発光強度を測定する

(

4

)

8.3.5

空試験

8.3.6

の検量線作成操作において得られる,標準ひ素溶液を添加しない溶液の発光強度を

空試験の発光強度とする。

8.3.6

検量線の作成

  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

すず

[8.3.2(2)]

を 1.00g ずつ数個はかり取り,それぞれをビーカー (200ml) に移し入れる。

(2)

5.3.4.1

(2)

及び

(3)

の手順に従って操作する。

(3)

標準ひ素溶液 A

[8.3.2(3)]

及び標準ひ素溶液 B

[8.3.2(4)]

の各種液量(ひ素として 0∼1 000

µg)を段階

的に正確に加える。

(4)

5.3.4.1(4)

に従って操作した後,溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズマ中

に噴霧し,波長 228.812nm における発光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度とひ素量との関

係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

8.3.7

計算

8.3.4.2

及び

8.3.5

で得た発光強度と,

8.3.6

で作成した検量線とからひ素量を求め,試料中の

ひ素含有率を次の式によって算出する。

(

)

(

)

100

/

3

2

1

×

=

m

A

A

A

m

m

ひ素%

ここに,  A

1

:  試料溶液中のひ素検出量 (g)

A

2

:  空試験液中のひ素検出量 (g)

A

3

:  すず

[8.3.2(2)]

 1.00g

中に含まれるひ素量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

9.

アンチモン定量方法

9.1

定量方法の区分

  アンチモン定量方法は,次のいずれかによる。

(1)

フレームレス原子吸光法

  この方法は,アンチモン含有率 0.000 3% (m/m)  以上 0.01% (m/m)  以下の試

料に適用する。ただし,高純度すず

[9.2.2(2)]

を入手できない場合には,この方法は適用できない。

(2)

誘導結合プラズマ発光分光法

  この方法は,アンチモン含有率 0.001% (m/m)  以上 0.1% (m/m)  以下の

試料に適用する。ただし,アンチモン含有率が試料中のアンチモン含有率より低いすず

[9.3.2 (2)]

入手できない場合には,この方法は適用できない。

9.2

フレームレス原子吸光法

9.2.1

要旨

  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の電気加熱炉中に注入して

加熱し,その吸光度を測定する。

9.2.2

試薬

  試薬は,次による。

(1)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(2)

すず  高純度すず[99.999% (m/m) 以上]

9.2.7(1)

で得られる A

2

のアンチモン検出量が 0.000 000

3g(0.3

µg)以下のものを用いる。

(3)

標準アンチモン溶液 (1

µgSb/ml)    アンチモン[99.9% (m/m) 以上]1.00g を硫酸 25ml で分解し,常

温まで冷却した後,溶液を 1 000ml の全量フラスコに硫酸 (1+6)  を用いて移し入れ,硫酸 (1+6)  で


19

H 1141-1993

標線まで薄めて原液 (1 000

µgSb/ml)  とする。この原液 1.0ml を使用の都度,酒石酸溶液 (100g/l) 100ml

を加えた 1 000ml の全量フラスコに取り,水で標線まで薄めて標準アンチモン溶液とする。

9.2.3

試料はかり取り量

  試料はかり取り量は,1.00g とする。

9.2.4

操作

9.2.4.1

試料溶液の調製

  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

(1)

5.3.4.1

(1)

(4)

の手順に従って操作する

(

12

)

(2)

溶液 10.0ml を 100ml の全量フラスコに分取し,水で標線まで薄める。

(

12

)

試料中のアンチモン含有率が0.001 0% (m/m)  以下の場合には,次の

(2)

の操作は行わない。

9.2.4.2

吸光度の測定

9.2.4.1

(1)

又は

(2)

で得た溶液の一定量

(

9

)

を原子吸光光度計の電気加熱炉の中に

注入して加熱し,波長 217.6nm における,吸光度を測定する。

9.2.5

空試験

  空試験は,次のいずれかによる。

(1)

9.2.4.1

で分取をしない場合

9.2.6(1)

の検量線作成操作において得られる,標準アンチモン溶液を添加

しない溶液の吸光度を空試験の吸光度とする。

(2)

9.2.4.1

で分取をする場合

9.2.6(2)

の検量線作成操作において得られる,標準アンチモン溶液を添加し

ない溶液の吸光度を空試験の吸光度とする。

9.2.6

検量線の作成

  検量線の作成は,次のいずれかによる。

(1)

9.2.4.1

で分取をしない場合

(a)

すず

[9.2.2(2)]

を 1.00g ずつ数個はかり取り,それぞれをビーカー (200ml) に移し入れる。

(b)

5.3.4.1

(2)

及び

(3)

の手順に従って操作する。

(c)

標準アンチモン溶液

[9.2.2(3)]

 0

∼10.0ml

(アンチモンとして 0∼10

µg)を段階的に加え,溶液を 100ml

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

(d)

溶液の一定量

(

13

)

を,原子吸光光度計の電気加熱炉の中に注入して加熱し,波長 217.6nm における吸

光度を試料と並行して測定し,得た吸光度とアンチモン量との関係線を作成し,その関係線を原点

を通るように平行移動して検量線とする。

(

13

)

9.2.4.2

で電気加熱炉に注入した量と同量とする。

(2)

9.2.4.1

で分取をする場合

(a)

すず

[9.2.2(2)]

 1.00g

をはかり取り,ビーカー (200ml) に移し入れる。

(b)

5.3.4.1

(2)

及び

(3)

の手順に従って操作する。

(c)

溶液を 10.0ml ずつ数個の 100ml の全量フラスコに取り,標準アンチモン溶液

[9.2.2(3)]

  0

∼10.0ml

(アンチモンとして 0∼10

µg)を段階的に加え,水で標線まで薄める。

(d)

溶液の一定量

(

13

)

を,原子吸光光度計の電気加熱炉の中に注入して加熱し,波長 217.6nm における吸

光度を試料と並行して測定し,得た吸光度とアンチモン量との関係線を作成し,その関係線を原点

を通るように平行移動して検量線とする。

9.2.7

計算

  計算は,次のいずれかによる。

(1)

9.2.4.1

で分取をしない場合

9.2.4.2

及び

9.2.5(1)

で得た吸光度と

9.2.6(1)

で作成した検量線とからアン

チモン量を求め,試料中のアンチモン含有率を次の式によって算出する。

(

)

100

/

2

1

×

=

m

A

A

m

m

アンチモン%

ここに,  A

1

:  試料溶液中のアンチモン検出量 (g)

A

2

:  空試験液中のアンチモン検出量 (g)


20

H 1141-1993

m

:  試料はかり取り量 (g)

(2)

9.2.4.1

で分取をした場合

9.2.4.2

及び

9.2.5(2)

で得た吸光度と

9.2.6(2)

で作成した検量線とからアンチ

モン量を求め,試料中のアンチモン含有率を次の式によって算出する。

(

)

100

10

1

/

%

4

3

×

×

=

m

A

A

m

m

アンチモン

ここに,  A

3

:  分取した試料溶液中のアンチモン検出量 (g)

A

4

:  分取した空試験液中のアンチモン検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

9.3

誘導結合プラズマ発光分光法

9.3.1

要旨

  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴン

プラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。

9.3.2

試薬

  試薬は,次による。

(1)

混酸(塩酸 3,硝酸 1)

(2)

すず[99.99% (m/m) 以上]  アンチモン含有率が既知

(

14

)

で,かつ,そのアンチモン含有率が試料中

のアンチモン含有率より低いもの。

(3)

標準アンチモン溶液 A (100

µgSb/ml)

9.2.2(3)

の原液 (1 000

µg/ml) 10.0ml を使用の都度,酒石酸溶液

(100g/ml) 10ml

を加えた 100ml の全量フラスコに取り,水で標線まで薄めて標準アンチモン溶液 A と

する。

(4)

標準アンチモン溶液 B (10

µgSb/ml)    標準アンチモン溶液 A

[(3)]

 10.0ml

を使用の都度,酒石酸溶液

(100g/ml) 10ml

を加えた 100ml の全量フラスコに取り,水で標線まで薄めて標準アンチモン溶液 B と

する。

(

14

)

アンチモン含有率は,

9.2

のフレームレス原子吸光法によって求める。

9.3.3

試料はかり取り量

  試料はかり取り量は,1.00g とする。

9.3.4

操作

9.3.4.1

試料溶液の調製

  試料溶液の調製は,

5.3.4.1

による。

9.3.4.2

発光強度の測定

9.3.4.1

で得た溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズ

マ中に噴霧し,波長 217.581nm における発光強度を測定する

(

4

)

9.3.5

空試験

9.3.6

の検量線作成操作において得られる,標準アンチモン溶液を添加しない溶液の発光

強度を空試験の発光強度とする。

9.3.6

検量線の作成

  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

すず

[9.3.2(2)]

を 1.00g ずつ数個はかり取り,それぞれをビーカー (200ml) に移し入れる。

(2)

5.3.4.1

(2)

及び

(3)

の手順に従って操作する。

(3)

標準アンチモン溶液 A

[9.3.2(3)]

及び標準アンチモン溶液 B

[9.3.2(4)]

の各種液量(アンチモンとして

0

∼1 000

µg)を段階的に正確に加える。

(4)

5.3.4.1(4)

に従って操作した後,溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズマ中

に噴霧し,波長 217.581nm における発光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度とアンチモン量

との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

9.3.7

計算

9.3.4.2

及び

9.3.5

で得た発光強度と,

9.3.6

で作成した検量線とからアンチモン量を求め,試

料中のアンチモン含有率を次の式によって算出する。


21

H 1141-1993

(

)

(

)

100

/

3

2

1

×

=

m

A

A

A

m

m

アンチモン%

ここに,  A

1

:  試料溶液中のアンチモン検出量 (g)

A

2

:  空試験液中のアンチモン検出量 (g)

A

3

[9.3.2(2)]

すず 1.00g 中に含まれるアンチモン検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)


22

H 1141-1993

JIS H 1141

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

大河内  春  乃

料学技術庁金属材料技術研究所

高  原  弘  栄

資源エネルギー庁

池  田      要

工業技術院標準部

渡  木  弘  行

造幣局東京支局

藤  貫      正

社団法人日本分析化学会

中  島  敏  弘

日本錫センター

岩  田  英  夫

日本鋼管株式会社

鈴  木  寿  夫

松村金属工業株式会社

菅  原      弘 SGS ファーイースト・リミテッド

束  原      巌

古河電気工業株式会社

大  野      茂

東邦亜鉛株式会社

野  村  紘  一

三菱マテリアル株式会社

中  村      靖

日本鉱業株式会社

市  川  五  朗

住友金属鉱山株式会社

稲  垣  勝  彦

三井金属鉱業株式会社

芹  田  吉  実

同和鉱業株式会社

佐  山  恭  正

三菱マテリアル株式会社

(関係者)

久保田  剛  包

住友金属鉱山株式会社

瀬  川      亨

同和鉱業株式会社

永  岡      信

三井金属鉱業株式会社

村  井  幸  男

日本鉱業株式会社

(事務局)

渡  部  武  雄

日本鉱業協会

文責  佐山恭正