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H 1074

:2012

(1)

目  次

ページ

1  適用範囲  

1

2  引用規格  

1

3  一般事項  

1

4  定量方法の区分  

1

5  水酸化鉄共沈分離キシレノールオレンジ吸光光度法  

1

5.1  要旨  

1

5.2  試薬  

2

5.3  試料はかりとり量  

2

5.4  操作  

2

5.5  空試験  

3

5.6  検量線の作成  

3

5.7  計算  

3

6  ICP 発光分光法  

3

6.1  要旨  

3

6.2  試薬  

3

6.3  試料はかりとり量  

4

6.4  操作  

4

6.5  空試験  

4

6.6  検量線の作成  

4

6.7  計算  

4


H 1074

:2012

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本伸銅協会(JCBA)及び一

般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 H

1074

:2012

銅及び銅合金中のジルコニウム定量方法

Copper and copper alloys-Determination of zirconium content

適用範囲 

この規格は,銅及び銅合金(伸銅品)中のジルコニウム定量方法について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 1012  銅及び銅合金の分析方法通則

JIS Z 8401  数値の丸め方

一般事項 

分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1012 による。数値の丸め方は,JIS Z 8401 

規則 による。

定量方法の区分 

ジルコニウムの定量方法は,次のいずれかによる。

なお,日本工業規格に規定する銅及び銅合金の合金番号及び適用定量方法は,

表 による。

a)  水酸化鉄共沈分離キシレノールオレンジ吸光光度法  この方法は,ジルコニウム含有率 0.04 %(質量

分率)以上 0.08 %(質量分率)以下の試料に適用する。

b)  ICP 発光分光法  この方法は,ジルコニウム含有率 0.04 %(質量分率)以上 0.15 %(質量分率)以下

の試料に適用する。

表 1−適用定量方法 

種類の合金

番号

対応規格

番号

(参考)

定量方法

水酸化鉄共沈分離

キシレノールオレ

ンジ吸光光度法

ICP 発光分光法

C 1510

JIS H 3100 

C 5015

JIS H 3300 

水酸化鉄共沈分離キシレノールオレンジ吸光光度法 

5.1 

要旨 

試料に混酸及び鉄(III)溶液を加えて分解し,更にふっ化水素酸及び硫酸を加えて硫酸白煙を発生させ

る。塩化アンモニウム及びアンモニア水を加え,ジルコニウムを水酸化鉄(III)と共沈させこし分ける。

塩酸で溶解した後,過塩素酸及びキシレノールオレンジ溶液を加えて呈色させ,分光光度計を用いて,そ


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の吸光度を測定する。

5.2 

試薬 

5.2.1

混酸(塩酸 2,硝酸 1,水 2)  使用の都度,調製する。

5.2.2

塩酸(11

5.2.3

硫酸(11

5.2.4

過塩素酸  適量の水に過塩素酸[60 %(質量分率),密度 1.54 g/mL]278 mL を加え,水で液量を

500 mL とする。

5.2.5

ふっ化水素酸

5.2.6

アンモニア水

5.2.7

塩化アンモニウム溶液  塩化アンモニウム 200 g を水約 600 mL に溶解し,水で液量を 1 000 mL と

する。

5.2.8

塩化アンモニウム洗浄液  塩化アンモニウム溶液(5.2.7)を 250 mL はかりとり,水で液量を 1 000

mL とする。

5.2.9

キシレノールオレンジ溶液  キシレノールオレンジ 0.1 g を水に溶解し,水で液量を 100 mL に薄

める。この溶液は褐色瓶に入れ冷暗所に保管する。

5.2.10  銅  銅含有率 99.96 %(質量分率)以上で,ジルコニウムを含まないもの。 
5.2.11  鉄(III)溶液  硫酸アンモニウム鉄(III)・12 水 1 g を硝酸(1+100)100 mL に溶解する。この溶

液 1 mL は鉄(III)約 1.2 mg を含む。

5.2.12  ジルコニウム標準液(Zr100 μg/mL)  ジルコニウム[99.9 %(質量分率)]0.250 g をふっ化水素

酸(1+1)2.0 mL,硝酸(1+1)25 mL に溶解した後,水で正確に 250 mL として原液とする。この原液を

使用の都度,必要量だけ水で正確に 10 倍に薄めてジルコニウム標準液とする。

5.3 

試料はかりとり量 

試料のはかりとり量は,1.00 g とする。

5.4 

操作 

5.4.1 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)  試料をはかりとって,四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(200 mL)に移し入れる。

b)  四ふっ化エチレン樹脂製時計皿で覆い,混酸(5.2.1)40 mL 及び鉄(III)溶液(5.2.11)10 mL を加え,

穏やかに加熱して分解する。室温まで放冷した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時

計皿を取り除く。

c)  ふっ化水素酸 5 mL を加えた後,b)で使用した時計皿で覆い,加熱して分解する。

d)  室温まで放冷した後,硫酸(1+1)20 mL を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させる。

e)  室温まで放冷した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,水 50 mL 及

び塩化アンモニウム溶液(5.2.7)20 mL を加える。この溶液をかき混ぜながらアンモニア水を加え,

生成した水酸化銅の沈殿が溶解してから更に過剰に 5 mL 加える。

f)  ろ紙パルプを少量加え,溶液温度を 50∼70  ℃に保って 2∼3 時間保持する。

g)  ろ紙(5 種 B)を用いて沈殿をこし分ける。

h)  温めた塩化アンモニウム洗浄液(5.2.8)で 5∼6 回洗浄する。このとき,ビーカー内も温めた塩化アン

モニウム洗浄液で洗浄し,更にビーカー内壁はポリスマン(ゴム付きガラス棒)を用いてこす(擦)

って沈殿をろ紙に洗い移す。


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i)

沈殿をろ紙上から温めた塩酸(1+1)20 mL を加えて溶解した後,温水で洗浄する。沈殿を溶解した

溶液及び洗浄液は元のビーカーに受ける。

j)  常温まで放冷した後,溶液を 100 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

5.4.2 

呈色 

呈色は,次の手順によって行う。

a)  5.4.1 j)で得た溶液から 10 mL を分取して,50 mL の全量フラスコに移し入れる。

b)  過塩素酸(5.2.4)10 mL 及びキシレノールオレンジ溶液(5.2.9)5 mL を加えた後,水で標線まで薄め,

30 分間放置する。

5.4.3 

吸光度の測定 

5.4.2 b)で得た溶液の一部を分光光度計の吸収セル(10 mm)に取り,5.5 の空試験液を対照として,波長

540 nm 付近の吸光度を測定する。

5.5 

空試験 

5.6 の検量線の作成において得られるジルコニウム標準液(5.2.12)を添加しない溶液の吸光度を,空試

験の吸光度とする。

5.6 

検量線の作成 

銅(5.2.10)1.00 g を数個の四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(200 mL)にはかりとり,ジルコニウム標

準液(ジルコニウムとして 0∼800 μg)

5.2.12)を段階的に加え,5.4.1 b)5.4.3 の手順に従って,試料と

同じ操作を試料と並行して行い,得た吸光度とジルコニウム量との関係線を作成し,その関係線を原点を

通るように平行移動して検量線とする。

5.7 

計算 

5.4.3 で得た吸光度と 5.6 で作成した検量線からジルコニウム量を求め,試料中のジルコニウム含有率を,

次の式によって算出する。

100

100

10 ×

×

=

m

A

Zr

ここに,

Zr

試料中のジルコニウム含有率[%(質量分率)

A

試料溶液中のジルコニウム検出量(g)

m

試料はかりとり量(g)

6 ICP 発光分光法 
6.1 

要旨 

試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,更にふっ化水素酸を加えて分解した後,硫酸を加え,硫酸白煙を

発生させる。溶液を ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。

6.2 

試薬 

6.2.1

混酸(塩酸 2,硝酸 1,水 2)  使用の都度,調製する。

6.2.2

塩酸(11

6.2.3

硫酸(11

6.2.4

ふっ化水素酸

6.2.5

銅  銅含有率 99.96 %(質量分率)以上で,ジルコニウムを含有しないもの。

6.2.6

ジルコニウム標準液(Zr100 μg/mL)  ジルコニウム[99.9 %(質量分率)]0.250 g をふっ化水素


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酸(1+1)2.0 mL,硝酸(1+1)25 mL に溶解した後,全量フラスコを用いて水で 250 mL として原液とす

る。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正確に 10 倍に薄めてジルコニウム標準液とする。

6.3 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,0.50 g とする。

6.4 

操作 

6.4.1 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

  試料をはかりとって,四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(200 mL)に移し入れる。

b)

  混酸(6.2.1)を 30 mL 加え,四ふっ化エチレン樹脂製時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。室

温まで放冷した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を少量の水で洗って時計皿を取り除く。

c)

  ふっ化水素酸 5 mL を加えた後,b)で使用した時計皿で覆い,加熱して分解する。

d)

  室温まで放冷した後,硫酸(1+1)20 mL を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させる。さらに,白煙

の発生が終了するまで加熱を続けて,完全にふっ化水素酸を除去する。室温まで放冷した後,少量の

水を加える。さらに,塩酸(1+1)30 mL を加え加熱して塩類を溶解する。

e)

  常温まで放冷した後,100 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

6.4.2 

発光強度の測定 

6.4.1 e)で得た溶液の一部を ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長 343.823 nm,339.198

nm 又は 349.621 nm の発光強度を測定する

1)

1)

  精度及び真度を確認してあれば高次のスペクトル線を用いてもよく,バックグラウンド補正機

構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。

6.5 

空試験 

空試験は,6.6 の検量線の作成において得られるジルコニウム標準液(6.2.6)を添加しない溶液の発光強

度を,空試験の発光強度とする。

6.6 

検量線の作成 

検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)

  銅(6.2.5)を,試料中の銅の量と 10 mg の桁まで等しくなるように数個はかりとり,数個の四ふっ化

エチレン樹脂製ビーカー(200 mL)にそれぞれ移し入れる。

b)

  6.4.1 b)d)の操作をした後,ジルコニウム標準液(ジルコニウムとして 0∼800 μg)(6.2.6)を段階的

に加える。溶液を 100 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

c)

  溶液の一部を ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長 343.823 nm,339.198 nm 又は

349.621 nm の発光強度を試料溶液と並行して測定し

1)

,得た発光強度とジルコニウム量との関係線を

作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

6.7 

計算 

6.4.2 及び 6.5 で得た発光強度と 6.6 で作成した検量線とからジルコニウム量を求め,試料中のジルコニ

ウム含有率を,次の式によって算出する。

100

2

1

×

=

m

A

A

Zr

ここに,

Zr

試料中のジルコニウム含有率[

%

(質量分率)

A

1

試料溶液中のジルコニウム検出量(

g

A

2

空試験液中のジルコニウム検出量(

g


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m

試料はかりとり量(

g

参考文献

JIS H 3100  銅及び銅合金の板並びに条

JIS H 3300  銅及び銅合金の継目無管