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H 1068

:2005

(1)

まえがき

この規格は,

工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,

日本伸銅協会(JCBA)

/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS H 1068:1996 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 5959:1984,Copper and copper

alloys-Determination of bismuth content-Diethyldithiocarbamate spectrometric method

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS H 1068

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


H 1068

:2005

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  一般事項

1

4.

  定量方法の区分 

1

5.

  臭化物・トリオクチルアミン抽出吸光光度法

2

5.1

  要旨

2

5.2

  試薬

2

5.3

  試料はかりとり量

2

5.4

  操作

2

5.5

  空試験

3

5.6

  検量線の作成 

3

5.7

  計算

3

6.

  臭化物・メチルトリオクチルアンモニウムブロミド抽出原子吸光法

3

6.1

  要旨

3

6.2

  試薬

3

6.3

  試料はかりとり量

4

6.4

  操作

4

6.5

  空試験

4

6.6

  検量線の作成 

4

6.7

  計算

4

7.

  原子吸光法 

4

7.1

  要旨

5

7.2

  試薬

5

7.3

  試料はかりとり量

5

7.4

  操作

5

7.5

  空試験

6

7.6

  検量線の作成 

6

7.7

  計算

6

8.

  ICP 発光分光法 

7

8.1

  要旨

7

8.2

  試薬

7

8.3

  試料はかりとり量

7

8.4

  操作

7

8.5

  空試験

7


H 1068

:2005

(3)

8.6

  検量線の作成 

8

8.7

  計算

8

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

10


H 1068

:2005

(4)

 


日本工業規格

JIS

 H

1068

:2005

銅及び銅合金中のビスマス定量方法

Methods for determination of bismuth in copper and copper alloys

序文  この規格は,1984 に第 1 版として発行された ISO 5959,Copper and copper alloys-Determination of

bismuth content-Diethyldithiocarbamate spectrometric method

が対応国際規格としてあるが,有害物質である

クロロホルム及びシアン化カリウムを試薬として用いる方法であるので,環境保全の観点から不採用とし

た。

なお,日本工業規格は,四つの定量方法(5.臭化物・トリオクチルアミン抽出吸光光度法,6.臭化物・メ

チルトリオクチルアンモニウムブロミド抽出原子吸光法,7.原子吸光法及び 8.ICP 発光分光法)を規定し

た。

なお,変更の一覧表をその説明を付けて,

附属書(参考)に示す。

1. 

適用範囲  この規格は,銅及び銅合金(伸銅品,形銅,鋳物用地金及び鋳物)中のビスマス定量方法

について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 5959:1984

,Copper and copper alloys-Determination of bismuth content-Diethyldithiocarbamate

spectrometric method (NEQ)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 1012

  銅及び銅合金の分析方法通則

3. 

一般事項  分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1012 による。

4. 

定量方法の区分  ビスマスの定量方法は,次のいずれかによる。

a) 

臭化物・トリオクチルアミン抽出吸光光度法  この方法は,ビスマス含有率 0.000 05 %(m/m)以上

0.001

%(m/m)以下の試料に適用する。

b) 

臭化物・メチルトリオクチルアンモニウムブロミド抽出原子吸光法  この方法は,ビスマス含有率

0.000 02

%(m/m)以上 0.001  %(m/m)以下の試料に適用する。

c)

原子吸光法  この方法は,ビスマス含有率 0.1  %(m/m)以上 6.0  %(m/m)以下の試料に適用する。

d)  ICP

発光分光法  この方法は,ビスマス含有率 0.1  %(m/m)以上 6.0  %(m/m)以下の試料に適用する。


2

H 1068

:2005

5. 

臭化物・トリオクチルアミン抽出吸光光度法

5.1 

要旨  試料を硝酸で分解し,水酸化ナトリウムで pH を調節した後,臭化水素酸を加え,トリオクチ

ルアミンを含むベンゼンでビスマスの臭化物錯体を抽出し,光度計を用いて有機相の吸光度を測定する。

5.2 

試薬  試薬は,次による。

a) 

硝酸(1+11+15)

b) 

臭化水素酸(18189)

c) 

水酸化ナトリウム溶液(200 g/l10 g/l)

d) 

硝酸ナトリウム溶液(425 g/l)

e) 

洗浄溶液  硝酸ナトリウム 170 g を水約 300 ml に溶解し,臭化水素酸(1+8)100 ml を加え,水で液量

を 1 000 ml とする。

f) 

抽出溶媒  トリオクチルアミン 5 ml にベンゼンを加えて液量を 100 ml とする。

g) 

ベンゼン

h) 

標準ビスマス溶液(

µgBi/ml)  ビスマス[99.9  %(m/m)以上]0.500 g をはかりとってビーカー(200 ml)

に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+1)10 ml を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した

後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 ml の全量フラスコ

に水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(1 000

µgBi/ml)とする。この原液を使用の都度,必

要量だけ水で正確に 200 倍に薄めて標準ビスマス溶液とする。

5.3 

試料はかりとり量  試料はかりとり量は,試料中のビスマス含有率に応じて,表 による。

  1  試料はかりとり量

試料中のビスマス含有率

%(m/m)

試料はかりとり量

g

   0.000 05

以上  0.000 5 未満 5.00

   0.000 5  以上  0.001 以下 3.00

5.4 

操作

5.4.1 

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a) 

試料をはかりとってビーカー(200 ml)に移し入れる。

b) 

時計皿で覆い,硝酸(1+1)40 ml を加え,穏やかに加熱して分解した後,煮沸して窒素酸化物を追い出

す。室温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く。

c) 

pH

計を用い,水酸化ナトリウム溶液を滴加(

1

)

して溶液の pH を 2.0∼2.2 に調節する。

(

1

)  pH2

付近までは水酸化ナトリウム溶液(200 g/l)を用い,pH2 以上の調節には水酸化ナトリウム溶

液(10 g/l)を用いる。滴加は注意して行い,pH が 2.2 を超えないようにする。また,水酸化銅(Ⅱ)

などの沈殿が生成しないように少しずつ滴加し,よくかき混ぜながら pH を調節する。

5.4.2 

錯体の抽出  錯体の抽出は,次の手順によって行う。

a) 5.4.1c

)で得た溶液を分液漏斗(200 ml)に水を用いて移し入れ,臭化水素酸(1+8)を正確に 15 ml 加

え,水で液量を 150 ml(

2

)

とする。

b) 

抽出溶媒[5.2 f)]を正確に 5 ml 加え,約 5 分間激しく振り混ぜる。静置して 2 相に分離した後,下層

の水相を捨てる。

c) 

有機相に洗浄溶液[5.2 e)]50 ml を加え,約 5 分間激しく振り混ぜる。静置して 2 相に分離した後,


3

H 1068

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下層の水相を捨てる。

d) 

有機相に臭化水素酸(1+89)50 ml を加え,約 5 分間激しく振り混ぜる。静置して 2 相に分離した後,

下層の水相を捨てる。この操作をもう 1 回繰り返す。

e) 

有機相を乾いたろ紙又は脱脂綿を通して,共栓付試験管(10 ml)(

3

)

に移し入れ,ベンゼンを加えて液量

を 5.0 ml とする。

(

2

液量は,それぞれの分液漏斗間で,できるだけ差がないようにする。

(

3

目盛付試験管を用いる。

5.4.3 

吸光度の測定  5.4.2 e)で得た有機相の一部を光度計の吸収セル(10 mm)に取り,ベンゼンを対照液

として,波長 380 nm 付近の吸光度を測定する。

5.5 

空試験  試薬だけを用いて,5.4.15.4.3 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。

5.6 

検量線の作成  数個のビーカー(200 ml)に硝酸ナトリウム溶液 60 ml 及び硝酸(1+15)1 ml をとり,標

準ビスマス溶液[5.2 h)]0∼6.0 ml(ビスマスとして 0∼30

µg)を段階的に加え,以下,5.4.1c)5.4.3 

手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行い,得た吸光度とビスマス量との関係線を作成し,その

関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

5.7 

計算  5.4.3 及び 5.5 で得た吸光度と 5.6 で作成した検量線とからビスマス量を求め,試料中のビスマ

ス含有率を次の式によって算出する。

100

2

1

×

=

m

A

A

Bi

ここに,

Bi

:  試料中のビスマス含有率[%(m/m)]

A

1

:  試料溶液中のビスマス検出量(g)

A

2

:  空試験液中のビスマス検出量(g)

m

:  試料はかりとり量(g)

6. 

臭化物・メチルトリオクチルアンモニウムブロミド抽出原子吸光法

6.1 

要旨  試料を硝酸で分解し,乾固した後,硝酸と水とで塩類を溶かす。臭化水素酸を加え,水酸化

ナトリウムで pH を調節した後,メチルトリオクチルアンモニウムブロミドを含む酢酸ブチルでビスマス

の臭化物錯体を抽出し,有機相を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を

測定する。

6.2 

試薬  試薬は,次による。

a) 

硝酸(11)

b) 

臭化水素酸(18)

c) 

水酸化ナトリウム溶液(20 g/l2 g/l)

d) 

硫酸ナトリウム(無水)

e) 

硝酸ナトリウム溶液(85 g/l)

f) 

抽出溶媒  メチルトリオクチルアンモニウムクロリド 6 ml に酢酸ブチルを加えて液量を 40 ml とする。

この溶液を分液漏斗(100 ml)に移し入れ,臭化水素酸(1+8)40 ml を加え,約 5 分間激しく振り混ぜる。

静置して 2 相に分離した後,下層の水相を捨てる。再び,有機相に臭化水素酸(1+8)40 ml を加え,約

5

分間激しく振り混ぜる。静置して 2 相に分離した後,下層の水相を捨て,有機相に酢酸ブチルを加

えて液量を 200 ml とする。この抽出溶媒は使用の都度調製する。

g) 

酢酸ブチル


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h) 

標準ビスマス溶液(5 

µgBi/ml)  5.2 h)による。

6.3 

試料はかりとり量  試料はかりとり量は,5.00 g とする。

6.4 

操作

6.4.1 

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a) 

試料をはかりとってビーカー(200 ml)に移し入れる。

b) 

時計皿で覆い,硝酸(1+1)30 ml を加え,穏やかに加熱して分解する。少量の水で時計皿の下面及びビ

ーカーの内壁を洗って時計皿を取り除き,水浴上で加熱して蒸発乾固させる。硝酸(1+1)2 ml 及び

水 10 ml を加え,加熱して塩類を溶解し,更に水を加えて液量を 50 ml とする。

c) 

室温まで冷却した後,臭化水素酸(1+8)を正確に 7.5 ml 加え(

4

)

,水で液量を約 80 ml とした後,pH 計

を用い,水酸化ナトリウム溶液を滴加して溶液の pH を 1.5∼1.7 に調節する(

5

)

(

4

空試験液には更に硝酸(1+1)4 ml を加える。

(

5

)  pH1

付近までは,水酸化ナトリウム溶液(20 g/l)を用い,pH1 以上の調節には,水酸化ナトリウ

ム溶液(2 g/l)を用いる。滴加は注意して行い,pH が 1.7 を超えないようにする。また,水酸化

銅などの沈殿が生成しないように少しずつ滴加し,よくかき混ぜながら pH を調節する。

6.4.2 

錯体の抽出  錯体の抽出は,次の手順によって行う。

a) 6.4.1 

c)

で得た溶液を分液漏斗(200 ml)に水を用いて移し入れ,水で液量を 150 ml(

2

)

とする。

b) 

抽出溶媒[6.2 f)]を正確に 10 ml 加え,約 5 分間激しく振り混ぜる。静置して 2 相に分離した後,下

層の水相を捨てる。

c) 

有機相を乾いたろ紙又は脱脂綿を通して,共栓付試験管(15∼20 ml)(

3

)

に移し入れ,酢酸ブチルを加

えて液量を 10.0 ml とする(

6

)

(

6

乾いたろ紙又は脱脂綿による脱水が不十分で,吸光度測定時のシグナルが不安定なときには,

硫酸ナトリウム(無水)約 1 g を加えて完全に脱水する。

6.4.3 

吸光度の測定  6.4.2 c)で得た有機相の一部を,酢酸ブチルを用いてゼロ点を調整した原子吸光光度

計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 223.1 nm の吸光度を測定する。

6.5 

空試験  試薬だけを用いて,6.4.16.4.3 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。

6.6 

検量線の作成  数個の分液漏斗(200 ml)に硝酸ナトリウム溶液 30 ml 及び臭化水素酸(1+8)を正確に

7.5 ml

とり,標準ビスマス溶液[6.2 h)]0∼10.0 ml(ビスマスとして 0∼50

µg)を段階的に加え,水で液

量を 150 ml(

2

)

とする。以下,6.4.2 b)6.4.3 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行い,得た吸

光度とビスマス量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

6.7 

計算  6.4.3 及び 6.5 で得た吸光度と 6.6 で作成した検量線とからビスマス量を求め,試料中のビスマ

ス含有率を次の式によって算出する。

100

2

1

×

=

m

A

A

Bi

ここに,

Bi

:  試料中のビスマス含有率[%(m/m)]

A

1

:  試料溶液中のビスマス検出量(g)

A

2

:  空試験液中のビスマス検出量(g)

m

:  試料はかりとり量(g)


5

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7. 

原子吸光法

7.1 

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレー

ム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

7.2 

試薬  試薬は,次による。

a) 

塩酸(1+9)

b) 

混酸(塩酸 2,硝酸 1,水 2)  使用の都度,調製する。

c) 

銅溶液(20 mgCu/ml)  銅[99.96  %(m/m)以上]10.0 g をはかりとってビーカー(300 ml)に移し入れ,

時計皿で覆い,混酸[b)]200 ml を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿

の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 ml の全量フラスコに水を用い

て移し入れ,水で標線まで薄める。

d) 

亜鉛溶液(20 mgZn/ml)  亜鉛[99.9  %(m/m)以上]10.0 g をはかりとってビーカー(300 ml)に移し入れ,

時計皿で覆い,混酸[b)]200 ml を数回に分けて加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却し

た後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って,時計皿を取り除き,溶液を 500 ml の全量フラ

スコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

e) 

すず溶液(20 mgSn/ml)  すず[99.9  %(m/m)以上]10.0 g をはかりとってビーカーに移し入れ,時計皿

で覆い,塩酸 225 ml 及び硝酸 75 ml を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計

皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 ml の全量フラスコに塩酸

(1+1)

を用いて移し入れ,塩酸(1+1)で標線まで薄める。

f) 

ニッケル溶液(20 mgNi/ml)  ニッケル[99.9  %(m/m)以上]10.0 g をはかりとってビーカー(300 ml)に

移し入れ,時計皿で覆い,混酸[b)]200 ml を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した

後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 ml の全量フラスコ

に水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

g) 

セレン溶液(5 mgSe/ml)  セレン[99.9  %(m/m)以上]0.50 g をはかりとってビーカー(200 ml)に移し入

れ,時計皿で覆い,硝酸(1+1)10 ml を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計

皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 100 ml の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄める。

h) 

標準ビスマス溶液 A(1 000 

µgBi/ml)  ビスマス[99.9  %(m/m)以上]1.000 g をはかりとってビーカー

(300 ml)

に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+1)100 ml を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで

冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 1000 ml の全

量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

i) 

標準ビスマス溶液 B(200 

µgBi/ml)  標準ビスマス溶液 A[h)]を使用の都度,必要量だけ水で正確に 5

倍に薄めて標準ビスマス溶液 B とする。

7.3 

試料はかりとり量  試料はかりとり量は,1.00 g とする。

7.4 

操作

7.4.1 

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a) 

試料をはかりとってビーカー(200 ml)に移し入れる。

b) 

時計皿で覆い,混酸[7.2 b)]30 ml を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計

皿の下面及ビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く(

7

)

c) 

溶液を 100 ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める(

8

)

d) 

この溶液 10.0 ml を 250 ml の全量フラスコに分取し,塩酸(1+9)で標線まで薄める。


6

H 1068

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(

7

けい酸などの沈殿が析出した場合には,溶液をろ紙(5 種 A)でろ過した後,ろ紙と沈殿とを

水で洗浄し,ろ液及び洗液を合わせる。沈殿は捨てる。

(

8

試料中のビスマス含有率が 0.1  %(m/m)以上 0.5  %(m/m)未満の場合には,次の d)の操作は行わ

ない。

7.4.2 

吸光度の測定  7.4.1 の c)又は  d)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度

計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 223.1 nm における吸光度を測定する。

7.5 

空試験  試料を用いないで,7.4.1 及び 7.4.2 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う(

9

)

(

9

) 7.4.1d)

で試料溶液を分取する場合には,空試験液も試料溶液と同量分取する。

7.6 

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

a) 

試料用検量線の作成

1) 

銅溶液[7.2 c)

,亜鉛溶液[7.2 d)

,すず溶液[7.2 e)

,ニッケル溶液[7.2 f)]及びセレン溶液[7.2 

g)

]を,その銅,亜鉛,すず,ニッケル及びセレンの量が 7.4.1 a)ではかりとった試料中の銅,亜鉛,

すず,ニッケル及びセレンの量と 10 mg のけたまで等しくなるように数個の 100 ml の全量フラスコ

にとり,水で標線まで薄める。

2) 

各溶液を 7.4.1 d)で分取した試料溶液と同量ずつ分取し,それぞれ 100 ml の全量フラスコに移し入

れる(

10

)

3) 

標準ビスマス溶液 A[7.2 h)]及び/又は標準ビスマス溶液 B[7.2 i)]の各種液量(ビスマスとして

0

∼6.00 mg)を段階的に正確に加え,塩酸(1+9)(

11

)

で標線まで薄める。

4) 

各溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴

霧し,波長 223.1 nm における吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度とビスマス量との関係線

を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

b) 

空試験用検量線の作成  数個の 100 ml の全量フラスコに混酸[7.2 b)]30 ml をとる。以下,a)の 2)

4)

の手順に従って操作する。

(

10

(

8

)

を適用した場合には,この 2)の操作は行わない。

(

11

(

8

)

を適用した場合には,塩酸(1+9)の代わりに水を用いる。

7.7 

計算  計算は,次のいずれかによる。

a) 7.4.1 

d)

の操作を行わなかった場合  7.4.2 及び 7.5 で得た吸光度と 7.6 の a)及び b)で作成した検量線と

から,それぞれビスマス量を求め,試料中のビスマス含有率を次の式によって算出する。

100

2

1

×

=

m

A

A

Bi

ここに,

Bi

試料中のビスマス含有率[%(m/m)]

1

A

試料溶液中のビスマス検出量(g)

2

A

空試験液中のビスマス検出量(g)

m

試料はかりとり量(g)

b) 7.4.1 

d)

の操作を行った場合  7.4.2 及び 7.5 で得た吸光度と 7.6 の a)及び b)で作成した検量線とから,

それぞれビスマス量を求め,試料中のビスマス含有率を次の式によって算出する。


7

H 1068

:2005

100

100

10

2

1

×

×

=

m

A

A

Bi

ここに,

Bi

   

試料中のビスマス含有率[%

(m/m)

1

A

分取した試料溶液中のビスマス検出量

(g)

2

A

分取した空試験液中のビスマス検出量

(g)

m

試料はかりとり量

(g)

8. ICP

発光分光法

8.1 

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,溶液を

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧

し,その発光強度を測定する。

8.2 

試薬  試薬は,次による。

a) 

塩酸(1+9)

b) 

混酸(塩酸 2,硝酸 1,水 2)  使用の都度調製する。

c) 

99.96

(m/m)

以上で,ビスマスを含有しないもの又はビスマス含有率が低く既知のもの。

d) 

亜鉛

99.9

(m/m)

以上で,ビスマスを含有しないもの又はビスマス含有率が低く既知のもの。

e) 

すず

99.9

(m/m)

以上で,ビスマスを含有しないもの又は

ビスマス含有率が低く既知のもの。

f) 

ニッケル

99.9

(m/m)

以上で,ビスマスを含有しないもの又はビスマス含有率が低く既知のもの。

g) 

セレン

99.9

(m/m)

以上で,ビスマスを含有しないもの又はビスマス含有率既知のもの。

h) 

標準ビスマス溶液 A1 000 

µ

gBi/ml

)  7.2 h)による。

i) 

標準ビスマス溶液 B(200 

µ

gBi/ml)

  7.2 i)による。

8.3 

試料はかりとり量  試料はかりとり量は,

1.00 g

とする。

8.4 

操作

8.4.1 

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a) 

試料をはかりとってビーカー

(200 ml)

に移し入れる。

b) 

時計皿で覆い,混酸[8.2b)

30 ml

を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計

皿の下面及ビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く

(

7

)

c) 

溶液を

100 ml

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める

(

12

)

d) 

この溶液

20.0 ml

100 ml

の全量フラスコに分取し,塩酸

(1+9)

で標線まで薄める。

(

12

試料中のビスマス含有率が

0.1

(m/m)

以上

1.0

(m/m)

未満の場合には,次の d)の操作は行わ

ない。

8.4.2 

発光強度の測定  8.4.1 の c)又は d)で得た溶液の一部を,

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中

に噴霧し,波長

306.772 nm

又は

190.241 nm

の発光強度を測定する

(

13

)

(

13

精度及び真度を確認してあれば高次のスペクトル線を用いてもよい。また,バックグラウンド

補正機構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。

8.5 

空試験  空試験は,次のいずれかによる。

a) 8.4.1d

)

の操作を行わない場合  8.6 a)の検量線作成操作において得られる標準ビスマス溶液を添加し

ない溶液の発光強度を,空試験の発光強度とする。

b) 8.4.1d

)

の操作を行う場合  8.6 b)の検量線作成操作において得られる標準ビスマス溶液を添加しない

溶液の発光強度を,空試験の発光強度とする。


8

H 1068

:2005

8.6 

検量線の作成  検量線の作成は,次のいずれかの手順によって行う。

a) 8.4.1 

d)

の操作を行わない場合

1) 

銅[8.2 c)

,亜鉛[8.2 d)

,すず[8.2 e)

,ニッケル[8.2 f)]及びセレン[8.2 g)]をその銅,亜鉛,

すず,ニッケル及びセレンの量が 8.4.1 a)ではかりとった試料中の銅,亜鉛,すず,ニッケル及びセ

レンの量と

10 mg

のけたまで等しくなるように,それぞれ数個はかりとり,数個のビーカー

(200 ml)

に移し入れる。

2) 8.4.1 

b)

の操作を行った後,標準ビスマス

A

8.2 h)]及び/又は標準ビスマス溶液

B

8.2 i)]の各種

液量(ビスマスとして

0

10.0 mg

)を段階的に加える。溶液を

100 ml

の全量フラスコに水を用い

て移し入れ,水で標線まで薄める。

3) 

各溶液の一部を,

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,

波長

306.772 nm

又は

190.241 nm

の発光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度とビスマス量との関係線を作成し,その関係線

を原点を通るように平行移動して検量線とする。

b) 8.4.1 

d)

の操作を行う場合

1) 

銅[8.2 c)

,亜鉛[8.2 d)

,すず[8.2 e)

,ニッケル[8.2 f)]及びセレン[8.2 g)]をその銅,亜鉛,

すず,ニッケル及びセレンの量が 8.4.1 a)ではかりとった試料中の銅,亜鉛,すず,ニッケル及びセ

レンの量と

10 mg

のけたまで等しくなるように,それぞれ数個はかり取り,数個のビーカー(

200 ml

にそれぞれ移し入れる。

2) 8.4.1

の b)及び

c)

の手順にしたがって操作した後,8.4.1 d)で分取した試料溶液と同量ずつを数個の

100 ml

の全量フラスコに分取し,標準ビスマス

A

8.2 h)]及び/又は標準ビスマス溶液

B

8.2 i)

の各種液量

(

ビスマスとして

0

12.0 mg

)を段階的に加え,塩酸

(1

9)

で標線まで薄める。

3) 

各溶液の一部を,

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,

波長

306.772 nm

又は

190.241 nm

の発光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度とビスマス量との関係線を作成し,その関係線

を原点を通るように平行移動して検量線とする。

8.7 

計算  計算は,次のいずれかによる。

a) 8.4.1 

d)

の操作を行わなかった場合  8.4.2 及び 8.5 a)で得た発光強度と 8.6 a)で作成した検量線とから

ビスマス量を求め,試料中のビスマス含有率を次の式によって算出する。

100

)

(

3

2

1

×

=

m

A

A

A

Bi

ここに,

Bi

試料中のビスマス含有率[%

(m/m)

1

A

試料溶液中のビスマス検出量

(g)

2

A

空試験液中のビスマス検出量

(g)

3

A

8.6a) 1)

ではかりとった銅[8.2 c)

,亜鉛[8.2 d)

,すず[8.2e)

ニッケル[8.2 f)]及びセレン[8.2 g)]中に含まれるビスマ
スの合量

(g)

m

試料はかりとり量

(g)

b) 8.4.1d)

の操作を行った場合  8.4.2 及び 8.5 b)で得た発光強度と 8.6 b)で作成した検量線とからビスマ

ス量を求め,試料中のビスマス含有率を次の式によって算出する。


9

H 1068

:2005

100

100

20

100

20

3

2

1

×

×

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

=

m

A

A

A

Bi

ここに,

Bi

試料中のビスマス含有率[%

(m/m)

1

A

試料溶液中のビスマス検出量

(g)

2

A

空試験液中のビスマス検出量

(g)

3

A

8.6 b) 1)

ではかりとった銅[8.2 c)

,亜鉛[8.2 d)

,すず

8.2e)

,ニッケル[8.2 f)]及びセレン[8.2 g)]中に含ま

れるビスマスの合量

(g)

m

試料はかりとり量

(g)


附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS H 1068

:2005  銅及び銅合金中のビスマス定量方法

ISO 5959:1984

銅及び銅合金−ジエチルジチオカルバメイト吸光光度法

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異

の項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所: 
  表示方法:

(

Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異の理由

及び今後の対策

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際

規格番号

項目 
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

銅及び銅合金中のビス
マス定量方法を規定。

NEQ

ISO

は,有害物質であ

るクロロホルム及びシ
アン化カリウムを試薬

として用いている。

国際規格は古く見直しされていない。
また,WTO/TBT 協定のただし書きの
不十分な保護の水準に該当(有害物

質)

国際規格の見直し時に廃案を提案す
る。

1.

適用

範囲

2.

引用

規格

3.

一般

事項

4.

定 量

方法の区

5.

  臭 化

物・トリ

オクチル
アミン抽
出吸光光

度法 

銅及び銅合金(伸銅品,形
銅,鋳物用地金及び鋳物)
中 の ビ ス マ ス 量 方 法 を 規

定。 

JIS H 1012

銅及び銅合金

の分析方法通則を引用。 

分析の一般事項は JIS H 

1012

によることを規定。

ISO 5959 

1

適 用 範

2

原理

3

試薬

4

装置

5

操作

6

計算

7

参 考 文

10

H

1068:2

005


(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異

の項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所: 
  表示方法:

(

Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異の理由

及び今後の対策

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際

規格番号

項目 
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

6.

  臭 化

物・メチ
ルトリオ
クチルア

ンモニウ
ムブロミ
ド抽出原

子吸光光
度法

ISO 5959

銅及び銅合金中のビス

マス定量方法を規定。

NEQ

ISO

は,有害物質であ

るクロロホルム及びシ
アン化カリウムを試薬
として用いている。

国際規格は古く見直しされていない。

また,WTO/TBT 協定のただし書きの
不十分な保護の水準に該当(有害物
質)

国際規格の見直し時に廃案を提案す
る。

7.

原 子

吸光法

8. ICP

光分光法

銅及び銅合金(伸銅品,形

銅,鋳物用地金及び鋳物)
中 の ビ ス マ ス 量 方 法 を 規
定。

JIS H 1012

銅及び銅合金

の分析方法通則を引用。

分析の一般事項は JIS H 

1012

によることを規定。

3

試薬

4

装置

5

操作

6

計算

7

参 考 文

 
JIS と国際規格との対応の程度の全体評価: 

NEQ

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  NEQ……………  技術的差異があり,かつ,それがはっきりと識別され説明されていない。

2.

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  NEQ……………  技術的内容及び構成において,国際規格と同等でない。

11

H

1068:2

005