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H 1062

:2006

(1)

まえがき

この規格は,

工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,

日本伸銅協会(JCBA)

/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS H 1062:1998 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正は,日本工業規格を国際規格に整合させるため,ISO 4740:1985,Copper and copper alloys−

Determination of zinc content

−Flame atomic absorption spectrometric method を基礎として用いた。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS H 1062 には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


H 1062

:2006

目  次

ページ

序文

1

1.  適用範囲

1

2.  引用規格

1

3.  一般事項

1

4.  定量方法の区分

1

5.  イオン交換分離エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム滴定法

5

5.1  要旨

5

5.2  試薬

5

5.3  器具

6

5.4  試料はかりとり量

6

5.5  操作

6

5.6  空試験

7

5.7  計算

7

6.  トリオクチルアミン抽出原子吸光法

8

6.1  要旨

8

6.2  試薬

8

6.3  試料はかりとり量

8

6.4  操作

8

6.5  空試験

8

6.6  検量線の作成

9

6.7  計算

9

7.  原子吸光法(塩酸・硝酸分解法)

9

7.1  要旨

9

7.2  試薬

9

7.3  試料はかりとり量

10

7.4  操作

10

7.5  空試験

10

7.6  検量線の作成

10

7.7  計算

11

8.  原子吸光法(硝酸・ふっ化水素酸・ほう酸分解法)

11

8.1  要旨

11

8.2  試薬

11

8.3  試料はかりとり量

12

8.4  操作

12

8.5  空試験

12


H 1062

:2006  目次

(3) 

ページ

8.6  検量線の作成

12

8.7  計算

14

9.  ICP 発光分光法

14

9.1  要旨

14

9.2  試薬

14

9.3  試料はかりとり量

15

9.4  操作

15

9.5  空試験

16

9.6  検量線の作成

16

9.7  計算

17

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

18

解  説

21


H 1062

:2006

白      紙


日本工業規格

JIS

 H

1062

:2006

銅及び銅合金中の亜鉛定量方法

Methods for determination of zinc in copper and copper alloys

序文  この規格は,1985 年に第 1 版として発行された ISO 4740,Copper and copper alloys−Determination of

zinc content

−Flame atomic absorption spectrometric method を元に,対応する部分[8.  原子吸光法(硝酸・ふ

っ化水素酸・ほう酸分解法)

]については,対応国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成し

た日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない項目[5.  イオン交換分離エチレンジアミン

四酢酸二水素二ナトリウム滴定法,6.

トリオクチルアミン抽出原子吸光法,7.  原子吸光法(塩酸・硝酸分

解法)及び 9. ICP 発光分光法]を日本工業規格として追加している。

なお,この規格で,対応国際規格にない試験方法として追加して規定している 5.6.7.

及び 9.

以外の

箇条で,側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧表

をその説明を付けて,

附属書(参考)に示す。

1.  適用範囲  この規格は,銅及び銅合金(伸銅品,形銅,鋳物用銅地金及び銅鋳物)中の亜鉛定量方法

について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 4740:1985,Copper and copper alloys−Determination of zinc content−Flame atomic absorption

spectrometric method (MOD)

2.  引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 1012  銅及び銅合金の分析方法通則

JIS K 8005  容量分析用標準物質

3.  一般事項  分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1012 による。

4.  定量方法の区分  亜鉛の定量方法は,次のいずれかによる。

なお,銅及び銅合金の日本工業規格に規定する種類の合金番号,又は種類の記号ごとの,適用定量方法

は,

表 による。

a)  イオン交換分離エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム滴定法  この方法は,亜鉛含有率 1.0

(質量分率)以上 23.0

%(質量分率)以下の試料に適用する。

b)  トリオクチルアミン抽出原子吸光法  この方法は,亜鉛含有率 0.000 02

%(質量分率)以上 0.000 2


2

H 1062

:2006

(質量分率)以下の試料に適用する。

c)  原子吸光法(塩酸・硝酸分解法)  この方法は,亜鉛含有率 0.01

%(質量分率)以上 1.0

%(質量分

率)以下の試料に適用する。

d)  原子吸光法(硝酸・ふっ化水素酸・ほう酸分解法)  この方法は,亜鉛含有率 0.001

%(質量分率)

以上 6.0

%(質量分率)以下の試料に適用する。ただし,鉄を 10

%(質量分率)以上含む試料には適

用しない。

e)  ICP 発光分光法  この方法は,亜鉛含有率 0.01

%(質量分率)以上 20.0

%(質量分率)以下の試料

に適用する。

  1  適用定量方法

種類の合

金番号

又は種類

記号

対応規格番号

(参考)

定量方法

イオン交換分離
エチレンジアミ

ン四酢酸二水素
二ナトリウム滴
定法

トリオクチルア
ミン抽出原子吸

光法

原子吸光法 
(塩酸・硝酸分

解法)

原子吸光法 
(硝酸・ふっ化

水素酸・ほう酸
分解法)

ICP

発光分光法

C1011

JIS H 2123 
JIS H 3510 

C1441

JIS H 3100 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

C1940

JIS H 3100 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

C2051

JIS H 3100 

C2100

JIS H 3100 

C2200

JIS H 3100 

C2300

JIS H 3100 

C2400

JIS H 3100 

○ (

3

)

C4250

JIS H 3100 

C5050

JIS H 3110 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

C5071

JIS H 3110 
JIS H 3270 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

C5102

JIS H 3110 
JIS H 3270 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

C5111

JIS H 3110 
JIS H 3270 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

C5191

JIS H 3110 
JIS H 3270 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

C5210

JIS H 3130 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

C5212

JIS H 3110 
JIS H 3270 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

C5441

JIS H 3270 

○ (

1

)

C6140

JIS H 3100 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

C7060

JIS H 3300 
JIS H 3320 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)


3

H 1062

:2006

  1  適用定量方法(続き)

種類の合

金番号

又は種類

記号

対応規格番号

(参考)

定量方法

イオン交換分離

エチレンジアミ
ン四酢酸二水素
二ナトリウム滴

定法

トリオクチルア

ミン抽出原子吸
光法

原子吸光法

(塩酸・硝酸分
解法)

原子吸光法

(硝酸・ふっ化
水素酸・ほう酸
分解法)

ICP

発光分光法

C7100

JIS H 3300 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

C7150

JIS H 3300 
JIS H 3320 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

C7164

JIS H 3300 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

C7351

JIS H 3110 

C7451

JIS H 3110 
JIS H 3270 

○ (

4

)

C7521

JIS H 3110 
JIS H 3270 

○ (

3

)

C7541

JIS H 3110 
JIS H 3270 

○ (

4

)

○ (

3

)

C7701

JIS H 3270 

○ (

4

)

C7941

JIS H 3270 

○ (

3

)

CACIn401

JIS H 2202 

CACIn402

JIS H 2202 

CACIn403

JIS H 2202 

CACIn406

JIS H 2202 

CACIn407

JIS H 2202 

CACIn502

JIS H 2202 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CACIn503

JIS H 2202 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CACIn602

JIS H 2202 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CACIn603

JIS H 2202 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CACIn604

JIS H 2202 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CACIn605

JIS H 2202 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CACIn701

JIS H 2202 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CACIn702

JIS H 2202 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CACIn703

JIS H 2202 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CACIn704

JIS H 2202 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CACIn801

JIS H 2202 

CACIn802

JIS H 2202 

CACIn803

JIS H 2202 

CACIn804

JIS H 2202 

○ (

3

)

CACIn901

JIS H 2202 

CACIn902

JIS H 2202 

CACIn903

JIS H 2202 

CACIn911

JIS H 2202 

CAC201

JIS H 5120 

CAC401

JIS H 5120 

CAC401C

JIS H 5121 

CAC402

JIS H 5120 

CAC402C

JIS H 5121 

CAC403

JIS H 5120 


4

H 1062

:2006

  1  適用定量方法(続き)

種類の合

金番号

又は種類

記号

対応規格番号

(参考)

定量方法

イオン交換分離

エチレンジアミ
ン四酢酸二水素
二ナトリウム滴

定法

トリオクチルア

ミン抽出原子吸
光法

原子吸光法

(塩酸・硝酸分
解法)

原子吸光法

(硝酸・ふっ化
水素酸・ほう酸
分解法)

ICP

発光分光法

CAC403C

JIS H 5121 

CAC406

JIS H 5120 

CAC406C

JIS H 5121 

CAC407

JIS H 5120 

CAC407C

JIS H 5121 

CAC502A

JIS H 5120 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC502B

JIS H 5120 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC502C

JIS H 5121 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC503A

JIS H 5120 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC503B

JIS H 5120 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC503C

JIS H 5121 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC602

JIS H 5120 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC603

JIS H 5120 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC603C

JIS H 5121 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC604

JIS H 5120 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC604C

JIS H 5121 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC605

JIS H 5120 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC605C

JIS H 5121 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC701

JIS H 5120 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC701C

JIS H 5121 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC702

JIS H 5120 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC702C

JIS H 5121 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC703

JIS H 5120 

○ (

1

)

○ (

2

)

CAC703C

JIS H 5121 

○ (

1

)

○ (

2

)

CAC704

JIS H 5120 

○ (

1

)

○ (

2

)

○ (

1

)

CAC801

JIS H 5120 

CAC802

JIS H 5120 

CAC803

JIS H 5120 

CAC804

JIS H 5120 

○ (

3

)

CAC804C

JIS H 5121 

○ (

3

)

CAC901

JIS H 5120 

CAC901C

JIS H 5121 

CAC902

JIS H 5120 

CAC902C

JIS H 5121 

CAC903B

JIS H 5120 

CAC903C

JIS H 5121 

CAC911

JIS H 5120 

CAC911C

JIS H 5121 

注(

1

)

亜鉛含有率 0.01

%(質量分率)未満の試料には用いない。

(

2

)

亜鉛含有率 0.001

%(質量分率)未満の試料には用いない。

(

3

)

亜鉛含有率 20.0

%(質量分率)を超える試料には用いない。

(

4

)

亜鉛含有率 23.0

%(質量分率)を超える試料には用いない。 


5

H 1062

:2006

5.  イオン交換分離エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム滴定法   
5.1

要旨  試料を硝酸で分解し,加熱濃縮してシロップ状とした後,硝酸と温水とで可溶性塩類を溶解

し,ろ過する。ろ液に硫酸を加えて蒸発乾固し,放冷した後,塩酸を加えて塩類を溶解し,強塩基性陰イ

オン交換樹脂を通して,亜鉛を樹脂に吸着させる。次に,アスコルビン酸を含む塩酸を通して銅,鉄など

を除去した後,アンモニア・塩化アンモニウムで亜鉛を溶離する。これに酢酸及び酢酸アンモニウムを加

えて溶液の pH を約 5.5 とした後,チオ硫酸ナトリウム及びふっ化ナトリウムを加えて,銅,アルミニウム

などをマスキングし,キシレノールオレンジを指示薬として,エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウ

ム(以下,EDTA2Na という。

)標準溶液で滴定する。

5.2

試薬  試薬は,次による。

a)  塩酸   
b)  塩酸(15)   
c)  硝酸(11150)   
d)  硫酸(111100)   
e)  塩酸・アスコルビン酸溶液  塩酸(1+5)100 mL に L-アスコルビン酸 0.25 g を加えて溶解する。こ

の溶液は,使用の都度,調製する。

f)  アンモニア・塩化アンモニウム溶液  アンモニア水(7+100)1 000 mL に塩化アンモニウム 20 g を加

えて溶解する。

g)  ふっ化アンモニウム溶液(50 g/L)   
h)  チオ硫酸ナトリウム溶液  チオ硫酸ナトリウム五水和物 100 g を水に溶解し,水で液量を 1 000 mL と

する。

i)

酢酸(11

j)  酢酸・酢酸アンモニウム混液  酢酸アンモニウム 250 g を水に溶解し,水で液量を 1 000 mL とした

後,酢酸 25 mL を加える。

k)  0.02 mol/L EDTA2Na 標準溶液  エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物 7.446 g を水に

溶解し,水で液量を 1 000 mL とする。この溶液の標定は,次のように行う。

JIS K 8005 に規定する亜鉛 0.130 g を 0.1 mg のけたまではかりとり,ビーカー(100 mL)に移し入

れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)10 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカーの内壁を少量の水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 100 mL の全量フラ

スコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液 25.0 mL をビーカー(500 mL)に取り,

アンモニア・塩化アンモニウム溶液[f)]180 mL を加えた後,p-ニトロフェノール溶液[l)]2,3 滴

を指示薬として加え,酢酸(1+1)を溶液の色が黄色から無色になるまで滴加する。以下,5.5.5 

b)

及び c)

の手順に従って操作し,EDTA2Na 標準溶液 1 mL に相当する亜鉛量を,次の式によって算出

する。

000

1

25

×

=

V

G

f

ここに,

f

:  0.02 mol/L EDTA2Na 標準溶液 1 mL に相当する亜鉛量(g)

G

:  はかりとった亜鉛の質量(g)

V

:  0.02 mol /L EDTA2Na 標準溶液の使用量(mL)

l)

p-

ニトロフェノール溶液(1 g/L

m)  キシレノールオレンジ溶液(1 g/L


6

H 1062

:2006

5.3

器具  器具は,次による。

陰イオン交換カラム  25 mL のビュレットの低部に水でほぐした脱脂綿又はポリエチレンウールを約 5

∼10 mm の厚さに緩く詰め,水を満たしておき,気泡が入らないように注意しながら,膨潤させた強塩基

性陰イオン交換樹脂[粒度:0.18∼0.25 mm(60∼80 メッシュ)

,第 4 級アルキルアンモニウム形(塩化物

形)

]約 15 mL をスラリー状にして流し入れる。樹脂が沈降した後,その上に水でほぐした脱脂綿又はポ

リエチレンウールを約 5 mm の厚さに緩く詰める。陰イオン交換カラムの一例を,

図 に示す。

  1  陰イオン交換カラムの一例

5.4

試料はかりとり量  試料はかりとり量は,表 による。

  2  試料はかりとり量

試料中の亜鉛含有率

%(質量分率)

試料はかりとり量

g

 1.0

以上  10.0 未満 0.50

10.0

以上  23.0 以下 0.25

5.5

操作

5.5.1

準備操作  陰イオン交換カラム[5.3]に塩酸(1+5)100 mL を毎分 5 mL 以下の流量で通す。

5.5.2

試料の分解  試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+1)20

mL

を加え,加熱して分解する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く。

5.5.3

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次のいずれかによる。

a)  すず又はけい素を含む試料  5.5.2 で得た溶液を注意しながら加熱して濃縮し,シロップ状とする。放

冷した後,硝酸(1+1)10 mL 及び温水約 70 mL を加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。温浴上な

どの溶液の温度が 40∼60

℃に保持できる温所に約 10 分間静置した後,溶液を少量のろ紙パルプを入

れたろ紙(5 種 B)でろ過し,沈殿を温硝酸(1+50)を用いて十分に洗浄する。ろ液及び洗液をビー

カー(300 mL)に受け,硫酸(1+1)10 mL を加え,加熱して蒸発し,硫酸の白煙を約 5 分間発生さ

せる。放冷した後,水 50 mL を加え,加熱して塩類を溶解する。放冷した後,塩酸 16 mL を加えて水


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H 1062

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で液量を約 100 mL とした後,振り混ぜる。

b)  鉛を含む試料  5.5.2 で得た溶液に硫酸(1+1)10 mL を加え,加熱して蒸発し,硫酸の白煙を約 5 分

間発生させる。放冷した後,水 50 mL を加え,加熱して塩類を溶解する。流水で冷却した後,溶液を

ろ紙(5 種 B)でろ過し,沈殿を硫酸(1+100)で数回洗浄する。ろ液及び洗液をビーカー(300 mL)

に受け,加熱して液量が 60∼70 mL になるまで濃縮する。放冷した後,塩酸 16 mL を加え,水で液量

を約 100 mL とした後,振り混ぜる。

c)  すず又はけい素と鉛を含む試料  5.5.2 で得た溶液を注意しながら加熱して濃縮し,シロップ状とする。

放冷した後,硝酸(1+1)10 mL 及び温水約 70 mL を加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。温浴上

などの溶液の温度が 40∼60

℃に保持できる温所に約 10 分間静置した後,溶液を少量のろ紙パルプを

入れたろ紙(5 種 B)でろ過し,沈殿を温硝酸(1+50)を用いて十分に洗浄する。ろ液及び洗液をビ

ーカー(300 mL)に受け,硫酸(1+1)10 mL を加え,加熱して蒸発し,硫酸の白煙を約 5 分間発生

させる。放冷した後,水 50 mL を加え,加熱して塩類を溶解する。流水で冷却した後,溶液をろ紙(5

種 B)でろ過し,沈殿を硫酸(1+100)で数回洗浄する。ろ液及び洗液をビーカー(300 mL)に受け,

加熱して液量が 60∼70 mL になるまで濃縮する。放冷した後,塩酸 16 mL を加え,水で液量を約 100

mL

とした後,振り混ぜる。

5.5.4

亜鉛の分離  亜鉛の分離は,次の手順によって行う。

a)  5.5.3 の a),b)

又は c)

で得た溶液を 5.5.1 で準備操作を行った陰イオン交換カラムに毎分 5 mL 以下の

流量で流す。ビーカーを塩酸(1+5)100 mL で数回に分けて洗浄し,洗浄の都度,洗液をカラムに通

す。さらに,塩酸・アスコルビン酸溶液[5.2 e)]100 mL,塩酸(1+5)100 mL を順次カラムに通す。

これまでの流出液は,すべて捨てる。

b)  引き続き,アンモニア・塩化アンモニウム溶液[5.2 f)]180 mL を毎分 5 mL 以下の流量で陰イオン変

換カラムに通して亜鉛を溶離し,溶出液をビーカー(500 mL)に受ける。

5.5.5

亜鉛の滴定  亜鉛の滴定は,次の手順によって行う。

a)  5.5.4 b)

で得た溶液に p-ニトロフェノール溶液 2,3 滴を指示薬として加え,酢酸(1+1)を溶液の色

が黄色から無色になるまで滴加する。

b)  酢酸・酢酸アンモニウム混液[5.2 j)]20 mL,ふっ化アンモニウム溶液 3 mL 及びチオ硫酸ナトリウム

溶液[5.2 h)]5 mL を加える。

c)  この溶液にキシレノールオレンジ溶液 0.5 mL を指示薬として加え,直ちに 0.02 mol/L EDTA2Na 標準

溶液[5.2 k)]で滴定し,溶液の色が赤紫から黄色に変わった点を終点とする。

5.6

空試験  試料を用いないで,5.5.25.5.5 の手順に従って,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

5.7

計算  試料中の亜鉛含有率を,次の式によって算出する。

(

)

100

2

1

×

×

=

m

f

V

V

Zn

ここに,  Zn:  試料中の亜鉛含有率[%(質量分率)

V

1

:  5.5.5 c)

で得た 0.02 mol/L EDTA2Na 標準溶液使用量(mL)

V

2

:  5.6 で得た 0.02 mol/L EDTA2Na 標準溶液使用量(mL)

f

 

:  0.02 mol/L EDTA2Na 標準溶液 1 mL  に相当する亜鉛量(g)

m

:  試料はかりとり量(g)


8

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6.  トリオクチルアミン抽出原子吸光法   
6.1

要旨  試料を硝酸で分解し,硫酸を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させて硝酸を除去した後,塩

酸を加え,生成する亜鉛の塩化物錯体を,トリオクチルアミンを含む 4-メチル-2-ペンタノンで抽出し,有

機相を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

6.2

試薬  試薬は,次による。

a)  塩酸(11)  塩酸(1+1)500 mL に抽出溶媒[d)]25 mL を加え,約 5 分間振り混ぜて精製する。 
b)  硝酸(11)   
c)  硫酸(11)   
d)  抽出溶媒  トリオクチルアミン 2 mL を 4-メチル-2-ペンタノン(

5

)

で液量を 100 mL とする。

e)  4-メチル-2-ペンタノン   
f)  酢酸ブチル   
g)  標準亜鉛溶液(Zn1 mg/mL)  亜鉛[99.9

%(質量分率)以上]0.100 g をはかりとり,ビーカー(100

mL

)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)10 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで

冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 1 000 mL の全

量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正

確に 100 倍に薄めて標準亜鉛溶液とする。

注(

5

) 4-

メチル-2-ペンタノンの代わりに,酢酸ブチルを用いることができる。

6.3

試料はかりとり量  試料はかりとり量は,2.00 g とする

6.4

操作

6.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)  試料をはかりとって,石英ビーカー(100∼200 mL)に移し入れる。

b)  時計皿で覆い,硝酸(1+1)10 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。少量の水で時計皿の下面及

びビーカーの内壁を洗って時計皿を取り除き,硫酸(1+1)20 mL を加え,加熱を続けて硫酸の白煙

を十分に発生させる。室温まで放冷した後,塩酸(1+1)

6.2 a)]40 mL を加えて塩類を溶解する。

6.4.2

亜鉛の抽出  亜鉛の抽出は,次の手順によって行う。

a)  6.4.1 b)

で得た溶液を分液漏斗(200 mL)に水を用いて移し入れ,水で液量を 100 mL(

6

)

とする。

注(

6

)

液量は,それぞれの分液漏斗間でできるだけ差がないようにする。

b)  抽出溶媒[6.2 d)]5 mL を加え,約 5 分間激しく振り混ぜる。静置して水相及び有機相の二相に分離

した後,下層の水相を別の分液漏斗(200 mL)に移し入れる。上層の有機相は,そのまま保存してお

く。

c)  水相に抽出溶媒[6.2 d)]5 mL を加え,約 5 分間激しく振り混ぜる。静置して水相及び有機相の二相

に分離した後,下層の水相を捨てる。上層の有機相を,b)

で保存しておいた有機相が入っている分液

漏斗に移し入れて二つの有機相を合わせた後,分液漏斗の脚部に詰めた脱脂綿又は乾いたろ紙を通し

て共栓付試験管(15∼20 mL)に移し入れ,4-メチル-2-ペンタノン(

7

)

を加えて液量を一定量(

8

)

とする。

注(

7

)

注(

5

)

を適用した場合には,4-メチル-2-ペンタノンの代わりに酢酸ブチルを用いる。

(

8

)

通常,10∼15 mL の間で一定量とする。

6.4.3

吸光度の測定  6.4.2 c)

で得た有機相の一部を,4-メチル-2-ペンタノン(

7

)

を用いてゼロ点を調整し

た原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 213.8 nm における吸光度を測定する。

6.5

空試験  試料を用いないで,6.4.16.4.3 の手順に従って,試料と同じ操作を試料と並行して行う。


9

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6.6

検量線の作成  標準亜鉛溶液[6.2 g)]0∼4.0 mL(亜鉛として 0∼4

μg)をあらかじめ硫酸(1+1)

20 mL

及び塩酸(1+1)

6.2 a)]40 mL を加えた数個の分液漏斗(200 mL)に段階的に取り,水で液量を

100 mL(

6

)

とする。以下,6.4.2 b)∼6.4.3 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行い,得た吸光

度と亜鉛量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

6.7

計算  6.4.3 及び 6.5 で得た吸光度と 6.6 で作成した検量線とから亜鉛量を求め,試料中の亜鉛含有

率を,次の式によって算出する。

100

2

1

×

=

m

A

A

Zn

ここに,  Zn:  試料中の亜鉛含有率[%(質量分率)

A

1

:  試料溶液中の亜鉛検出量(g)

A

2

:  空試験液中の亜鉛検出量(g)

m

:  試料はかりとり量(g)

7.  原子吸光法(塩酸・硝酸分解法)   
7.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレー

ム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

7.2

試薬  試薬は,次による。

a)  塩酸(1119)   
b)  混酸(塩酸 1,硝酸 1,水 2)  使用の都度,調製する。 
c)  銅溶液(Cu20 mg/mL)  銅[99.96

%(質量分率)以上]10.0 g をはかりとり,ビーカー(300 mL)

に移し入れ,時計皿で覆い,混酸[b)]200 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却し

た後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL の全量フラ

スコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

d)  鉛溶液(Pb20 mg/mL)  鉛[99.9

%(質量分率)以上]10.0 g をはかりとり,ビーカー(500 mL)

に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+4)250 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却

した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL の全量フ

ラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

e)  すず溶液(Sn20 mg/mL)  すず[99.9

%(質量分率)以上]10.0 g をはかりとり,ビーカー(500 mL)

に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 225 mL 及び硝酸 75 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常温

まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL

の全量フラスコに塩酸(1+1)を用いて移し入れ,塩酸(1+1)で標線まで薄める。

f)  アルミニウム溶液(Al20 mg /mL)  アルミニウム[99.9

%(質量分率)以上]10.0 g をはかりとり,

ビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)200 mL 及び銅溶液[c)]1.0 mL を加え,

穏やかに加熱して分解する。さらに,硝酸(1+1)2 mL を加え,加熱して完全に分解する。常温まで

冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL の全

量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

g)  鉄溶液(Fe5 mg/mL)  鉄[99.9

%(質量分率)以上]1.00 g をはかりとり,ビーカー(100 mL)に

移し入れ,時計皿で覆い,混酸[b)]80 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した

後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 200 mL の全量フラス

コに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。


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h)  ニッケル溶液(Ni20 mg/mL)  ニッケル[99.9

%(質量分率)以上]10.0 g をはかりとり,ビーカ

ー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,混酸[b)]200 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常

温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

i)

マンガン溶液(Mn20 mg/mL)  マンガン[99.9

%(質量分率)以上]10.0 g をはかりとり,ビー

カー(500 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)300 mL を加え,穏やかに加熱して分解す

る。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を

500 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

j)  標準亜鉛溶液(Zn100 μg/mL)  亜鉛[99.9

%(質量分率)以上]0.100 g をはかりとり,ビーカー

(100 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)10 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常

温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,

溶液を 1 000 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

7.3

試料はかりとり量  試料はかりとり量は,1.00 g とする。

7.4

操作

7.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)  試料をはかりとって,ビーカー(200 mL)に移し入れる。

b)  時計皿で覆い,混酸[7.2 b)]20 mL を加え,穏やかに加熱して完全に分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く。

なお,けい酸の沈殿が析出した場合には,溶液をろ紙(5 種 A)でろ過した後,水でろ紙及び沈殿

を洗浄し,ろ液と洗液とを合わせる。

c)  溶液を 100 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

d)  この溶液を表 の分取量に従って 100 mL の全量フラスコに分取し,塩酸(1+9)で標線まで薄める。

  3  分取量

試料中の亜鉛含有率

%(質量分率)

分取量

mL

0.01

以上  0.1 未満 20.0

0.1

以上  1.0 以下 5.0

7.4.2

吸光度の測定  7.4.1 d)

で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空

気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 213.8 nm における吸光度を測定する。

7.5

空試験  試料を用いないで,7.4.1 及び 7.4.2 の手順に従って,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

なお,7.4.1 d)

の操作においては,試料溶液と同量分取する。

7.6

検量線の作成  検量線の作成は,次による。

a)  試料用検量線の作成

1)  銅溶液[7.2 c)],鉛溶液[7.2 d)],すず溶液[7.2 e)],アルミニウム溶液[7.2 f)],鉄溶液[7.2 g)],

ニッケル溶液[7.2 h)]及びマンガン溶液[7.2 i)]を,その銅,鉛,すず,アルミニウム,鉄,ニッ

ケル及びマンガンの量が 7.4.1 a)

ではかりとった試料中の銅,鉛,すず,アルミニウム,鉄,ニッ

ケル及びマンガンの量と 10 mg のけたまで等しくなるように数個の 100 mL の全量フラスコに取る。

2)  水で標線まで薄めた後,各溶液を 7.4.1 d)

で分取した試料溶液と同量ずつ取り,それぞれ 100 mL の

全量フラスコに移し入れる。


11

H 1062

:2006

3)  標準亜鉛溶液[7.2 j)]0∼5.0 mL(亜鉛として 0∼500

μg)を段階的に加えた後,塩酸(1+9)で標

線まで薄める。

4)  各溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴

霧し,波長 213.8 nm における吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度と亜鉛量との関係線を作

成し,この関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

b)  空試験用検量線の作成  数個の 100 mL の全量フラスコに混酸[7.2 b)]20 mL を取る。以下,a)

の 2)

4)

の手順に従って操作する。

7.7

計算  7.4.2 で得た吸光度及び 7.5 で得た吸光度と,7.6 a)

で作成した検量線及び 7.6 b)

で作成した検

量線から,それぞれ亜鉛量を求め,試料中の亜鉛含有率を,次の式によって算出する。

100

100

2

1

×

×

=

B

m

A

A

Zn

ここに,  Zn:  試料中の亜鉛含有率[%(質量分率)

A

1

:  分取した試料溶液中の亜鉛検出量(g)

A

2

:  分取した空試験液中の亜鉛検出量(g)

m

:  試料はかりとり量(g)

B

:  7.4.1 d)で分取した試料溶液及び空試験液の量(mL)

8.  原子吸光法(硝酸・ふっ化水素酸・ほう酸分解法)   
8.1

要旨  試料を硝酸とふっ化水素酸とほう酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・

アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

8.2

試薬  試薬は,次による。

a)  混酸  硝酸 500 mL,ふっ化水素酸 30 mL,ほう酸(40 g/L)300 mL 及び水 150 mL をポリエチレン製

ビーカー(2 L)中で混合する。

b)  銅  銅含有率 99.96

%(質量分率)以上で,亜鉛含有率が 0.000 1

%(質量分率)以下のもの。

c)  銅溶液  銅[b)]10.0 g をはかりとり,四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(1 L)又はポリエチレン製

ビーカー(1 L)に移し入れ,四ふっ化エチレン樹脂製時計皿又はポリエチレン製時計皿で覆い,混酸

a)]400 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカー

の内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で

標線まで薄める。

d)  標準亜鉛溶液 AZn5 mg/mL)  亜鉛[99.9

%(質量分率)以上]2.50 g をはかりとり,ビーカー

(200 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+1)50 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常

温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

e)  標準亜鉛溶液 BZn500  μg/mL)  標準亜鉛溶液 A[d)]を使用の都度,必要量だけ水で正確に 10

倍に薄めて標準亜鉛溶液 B とする。

f)  標準亜鉛溶液 CZn50  μg/mL)  標準亜鉛溶液 B[e)]を使用の都度,必要量だけ水で正確に 10

倍に薄めて標準亜鉛溶液 C とする。

g)  標準亜鉛溶液 DZn10  μg/mL)  標準亜鉛溶液 C[f)]を使用の都度,必要量だけ水で正確に 5 倍

に薄めて標準亜鉛溶液 D とする。


12

H 1062

:2006

8.3

試料はかりとり量  試料はかりとり量は,1.00 g とする。

8.4

操作

8.4.1

試料の分解  試料の分解は,次の手順によって行う。

a)  試料をはかりとって,四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(200 mL)又はポリエチレン製ビーカー(200

mL

)に移し入れる。

b)  四ふっ化エチレン樹脂製時計皿又はポリエチレン製時計皿で覆い,混酸[8.2 a)]40 mL を加え,穏や

かに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿

を取り除く。

8.4.2

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次のいずれかによる。

a)  試料中の亜鉛含有率が 0.001

%(質量分率)以上 0.01

%(質量分率)以下の場合  8.4.1 b)

で得た溶液

を 100 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

b)  試料中の亜鉛含有率が 0.005

%(質量分率)以上 0.06

%(質量分率)以下の場合  8.4.1 b)

で得た溶液

を 200 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

c)  試料中の亜鉛含有率が 0.05

%(質量分率)以上 0.60

%(質量分率)以下の場合  8.4.1 b)

で得た溶液

を 200 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,

水で標線まで薄める。

この溶液 100.0 mL を 1 000 mL

の全量フラスコに分取し,水で標線まで薄める。

d)  試料中の亜鉛含有率が 0.50

%(質量分率)以上 6.0

%(質量分率)以下の場合  8.4.1 b)

で得た溶液を

200 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液 10.0 mL を 1 000 mL

の全量フラスコに分取し,水で標線まで薄める。

8.4.3

吸光度の測定  8.4.2 の a),b),c)

又は d)

で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子

吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 213.8 nm における吸光度を測定する。

8.5

空試験  銅[8.2 b)]を 8.4.1 a)

ではかりとった試料と同量にはかりとり,四ふっ化エチレン樹脂製

ビーカー(200 mL)又はポリエチレン製ビーカー(200 mL)に移し入れる。以下,8.4.1 b)∼8.4.3 の手順

に従って,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

8.6

検量線の作成  検量線の作成は,次のいずれかによる。

a)  試料溶液の調製を 8.4.2 a)

によって行う場合  銅溶液[8.2 c)]及び標準亜鉛溶液 D[8.2 g)]を,表 4

に従って 4 個の 100 mL の全量フラスコに取り,水で標線まで薄める。これらの溶液の一部を,水を

用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 213.8 nm にお

ける吸光度を試料溶液と並行して測定し,得た吸光度と亜鉛量(

表 の測定溶液中の亜鉛量)との関

係線を作成し,その関係線を,原点を通るように平行移動して検量線とする。

b)  試料溶液の調製を 8.4.2 b)

によって行う場合  銅溶液[8.2 c)]及び標準亜鉛溶液 C[8.2 f)]を,表 5

に従って 6 個の 200 mL の全量フラスコに取り,水で標線まで薄める。これらの溶液の一部を,水を

用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 213.8 nm にお

ける吸光度を試料溶液と並行して測定し,得た吸光度と亜鉛量(

表 の測定溶液中の亜鉛量)との関

係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする(

9

)

。検量線が湾曲した場合

には,検量線の中央部の吸光度が,検量線の上端の吸光度の 0.55 倍よりも大きい場合には,0.55 倍よ

りも小さくするために必要な最小の希釈倍率で検量線用溶液(測定溶液)を希釈した後,吸光度を測

定する。この場合には,8.4.2 で得た試料溶液も同じ希釈倍率で希釈した後,吸光度を測定する。

注(

9

)

作成した検量線が過度に湾曲することがある。

c)  試料溶液の調製を 8.4.2 c)

によって行う場合  銅溶液[8.2 c)]及び標準亜鉛溶液 B[8.2 e)]を,表 6


13

H 1062

:2006

に従って 6 個の 200 mL の全量フラスコに取り,水で標線まで薄める。これらの溶液を 100.0 mL ずつ

取り,6 個の 1 000 mL の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。これらの溶液の一部を,水

を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 213.8 nm に

おける吸光度を試料溶液と並行して測定し,得た吸光度と亜鉛量(

表 の測定溶液中の亜鉛量)との

関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする(

9

)

。検量線が湾曲した場

合には,検量線の中央部の吸光度が,検量線の上端の吸光度の 0.55 倍よりも大きい場合には,0.55 倍

よりも小さくするために必要な最小の希釈倍率で検量線用溶液(測定溶液)を希釈した後,吸光度を

測定する。この場合には,8.4.2 で得た試料溶液も同じ希釈倍率で希釈した後,吸光度を測定する。

d)  試料溶液の調製を 8.4.2 d)

によって行う場合  銅溶液[8.2 c)]及び標準亜鉛溶液 A[8.2 d)]を,表 7

に従って 6 個の 200 mL の全量フラスコに取り,水で標線まで薄める。これらの溶液を 10.0 mL ずつ

取り,6 個の 1 000 mL の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。これらの溶液の一部を,水

を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 213.8 nm に

おける吸光度を試料溶液と並行して測定し,得た吸光度と亜鉛量(

表 の測定溶液中の亜鉛量)との

関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする(

9

)

。検量線が湾曲した場

合には,検量線の中央部の吸光度が,検量線の上端の吸光度の 0.55 倍よりも大きい場合には,0.55 倍

よりも小さくするために必要な最小の希釈倍率で検量線用溶液(測定溶液)を希釈した後,吸光度を

測定する。この場合には,8.4.2 で得た試料溶液も同じ希釈倍率で希釈した後,吸光度を測定する。

  4  銅溶液及び標準亜鉛溶液の採取量

銅溶液[8.2 c)]採取量

mL

標準亜鉛溶液[8.2 g)]採取量

mL

測定溶液中の亜鉛量

μg

50.0

0

  0

50.0

 1.0

 10

50.0

 5.0

 50

50.0 10.0

100

  5  銅溶液及び標準亜鉛溶液の採取量

銅溶液[8.2 c)]採取量

mL

標準亜鉛溶液[8.2 f)]採取量

mL

測定溶液中の亜鉛量

μg

50.0

0

  0

50.0

 1.0

 50

50.0

2.0

100

50.0

4.0

200

50.0

8.0

400

50.0 12.0

600

  6  銅溶液及び標準亜鉛溶液の採取量

銅溶液[8.2 c)]採取量

mL

標準亜鉛溶液[8.2 e)]採取量

mL

測定溶液中の亜鉛量

μg

50.0

0

 

0

50.0

1.0

250

50.0

2.0

500

50.0

4.0

1 000

50.0

8.0

2 000

50.0 12.0 000


14

H 1062

:2006

  7  銅溶液及び標準亜鉛溶液の採取量

銅溶液[8.2 c)]採取量

mL

標準亜鉛溶液[8.2 d)]採取量

mL

測定溶液中の亜鉛量

μg

50.0 0

   0

50.0

 1.0

 250

50.0

 2.0

 500

50.0

4.0

1 000

50.0

8.0

2 000

50.0 12.0 000

8.7

計算  計算は,次のいずれかによる。

a)  試料溶液の調製を 8.4.2 の a)

又は b)

によって行った場合  8.4.3 及び 8.5 で得た吸光度と 8.6 の a)

又は

b)

で作成した検量線とから亜鉛量を求め,試料中の亜鉛含有率を,次の式によって算出する。

100

2

1

×

=

m

A

A

Zn

ここに,

Zn

試料中の亜鉛含有率[%(質量分率)

A

1

試料溶液中の亜鉛検出量(

g

A

2

空試験液中の亜鉛検出量(

g

m

試料はかりとり量(

g

b

)

試料溶液の調製を 8.4.2 の c

)

又は d

)

によって行った場合  8.4.3 及び 8.5 で得た吸光度と 8.6 の c

)

又は

d

)

で作成した検量線とから亜鉛量を求め,試料中の亜鉛含有率を,次の式によって算出する。

100

200

2

1

×

×

=

B

m

A

A

Zn

ここに,

Zn

試料中の亜鉛含有率[%(質量分率)

A

1

分取した試料溶液中の亜鉛検出量(

g

A

2

分取した空試験液中の亜鉛検出量(

g

m

試料はかりとり量(

g

B

8.4.2 の c

)

又は d

)

で分取した試料溶液及び空試験液の量(

mL

9.

ICP 発光分光法

9.1

要旨  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,溶液を

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧

し,その発光強度を測定する。

9.2

試薬  試薬は,次による。

a

)

塩酸(19

b

)

ふっ化水素酸

c

)

硫酸(11

d

)

混酸(塩酸 2,硝酸 1,水 2)  使用の都度,調製する。

e

)

銅  銅含有率

99.96

%(質量分率)以上で,亜鉛を含有しないもの又は亜鉛含有率が低く既知のもの。

f

)

すず  すず含有率

99.9

%(質量分率)以上で,亜鉛を含有しないもの又は亜鉛含有率が低く既知のも

の。

g

)

鉛  鉛含有率

99.9

%(質量分率)以上で,亜鉛を含有しないもの又は亜鉛含有率が低く既知のもの。

h

)

アルミニウム  アルミニウム含有率

99.9

%(質量分率)以上で,亜鉛を含有しないもの又は亜鉛含有


15

H 1062

:2006

率が低く既知のもの。

i

)

鉄  鉄含有率

99.9

%(質量分率)以上で,亜鉛を含有しないもの又は亜鉛含有率が低く既知のもの。

j

)

ニッケル  ニッケル含有率

99.9

%(質量分率)以上で,亜鉛を含有しないもの又は亜鉛含有率が低く

既知のもの。

k

)

マンガン  マンガン含有率

99.9

%(質量分率)以上で,亜鉛を含有しないもの又は亜鉛含有率が低く

既知のもの。

l

)

ビスマス  ビスマス含有率

99.9

%(質量分率)以上で,亜鉛を含有しないもの又は亜鉛含有率が低く

既知のもの。

m

)

イットリウム溶液(Y100  μg/mL)  三酸化二イットリウム[

99.9

%(質量分率)以上]

0.635 g

はかりとり,ビーカー(

200 mL

)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸

10 mL

を加え,加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。溶液を

500

mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Y

1 000

μg/mL

)とする。この

原液を使用の都度,必要量だけ水で正確に

10

倍に薄めてイットリウム溶液とする。

n

)

標準亜鉛溶液 AZn1 mg/mL)  亜鉛[

99.9

%(質量分率)以上]

1.00 g

をはかりとり,ビーカー

200 mL

)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(

1

1

20 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。常

温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。溶液を

1 000 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

o

)

標準亜鉛溶液 BZn100  μg/mL)  標準亜鉛溶液

A

n

)

]を使用の都度,必要量だけ水で正確に

10

倍に薄めて標準亜鉛溶液

B

とする。

9.3

試料はかりとり量  試料はかりとり量は,

0.50 g

とする。

9.4

操作

9.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a

)

試料をはかりとり,ビーカー(

200 mL

)に移し入れる。

b

)

時計皿で覆い,混酸[9.2 d

)

30 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計

皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って,時計皿を取り除く

(

10

)

。けい酸の沈殿が析出した場合に

は,溶液をろ紙(

5

A

)を用いてろ過し,ろ紙と沈殿とを水で洗浄し,ろ液と洗液とを合わせる。

このとき沈殿は捨てる。シルジン青銅の場合は,沈殿をろ紙とともに白金るつぼ(

25

番)に移し入れ,

乾燥した後,ろ紙を灰化し,硫酸(

1

1

5 mL

及びふっ化水素酸

5

10 mL

を加え,加熱して二酸化

けい素を揮散させ,乾固近くまで濃縮する。室温まで放冷した後,少量の水を加え,加熱して塩類を

溶解し,主液に合わせる。

(

10

)

けい酸の沈殿が析出することがある。

c

)

溶液を

100 mL

全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。ただし,試料中の亜鉛含

有率が

0.01

%(質量分率)以上

0.5

%(質量分率)未満の場合には,次の d

)

の操作を行わない。

d

)

この溶液

10.0 mL

100 mL

の全量フラスコに取り,塩酸(

1

9

)で標線まで薄める。

なお,発光強度の測定を 9.4.2 b

)

で行う場合には,イットリウム溶液[9.2 m

)

]を正確に

10 mL

加え

る。

9.4.2

発光強度の測定  発光強度の測定は,次のいずれかによる。

a

)

強度法

(

11

)

  9.4.1 の c

)

又は d

)

で得た溶液の一部を

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,

波長

206.191 nm

における亜鉛の発光強度を測定する

(

12

)

(

11

)

試料中の亜鉛含有率が

0.01

%(質量分率)以上

10.0

%(質量分率)未満の場合に適用する。


16

H 1062

:2006

(

12

)

精度及び真度を確認してあれば,高次のスペクトル線を用いてもよく,また,バックグラウン

ド補正機構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。

b

)

強度比法

(

13

)

  9.4.1 d

)

で得た溶液の一部を

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長

206.191 nm

における亜鉛の発光強度及び

371.030 nm

におけるイットリウムの発光強度を同時に測定し

(

12

)

,亜鉛の発光強度とイットリウムの発光強度との比を求める。

(

13

)

試料中の亜鉛含有率が

0.5

%(質量分率)以上

20.0

%(質量分率)以下の場合に適用する。

9.5

空試験  空試験は,次のいずれかによる。

a

)

9.4.1 d

)

の操作を行わない場合  9.6 a

)

の検量線の作成操作において得られる標準亜鉛溶液を添加しな

い溶液の発光強度を,空試験の発光強度とする。

b

)

9.4.1 d

)

の操作を行う場合  9.6 b

)

の 1

)

又は 2

)

の検量線の作成操作において得られる標準亜鉛溶液を

添加しない溶液の発光強度又は発光強度比を,空試験の発光強度又は発光強度比とする。

9.6

検量線の作成  検量線の作成は,次のいずれかによる。

a

)

9.4.1 d

)

の操作を行わない場合

1

)

銅[9.2 e

)

,すず[9.2 f

)

,鉛[9.2 g

)

,アルミニウム[9.2 h

)

,鉄[9.2 i

)

,ニッケル[9.2 j

)

,マ

ンガン[9.2 k

)

]及びビスマス[9.2 l

)

]をその銅,すず,鉛,アルミニウム,鉄,ニッケル,マンガ

ン及びビスマスの量が 9.4.1 a

)

ではかりとった試料中の銅,すず,鉛,アルミニウム,鉄,ニッケ

ル,マンガン及びビスマスの量と

10 mg

のけたまで等しくなるように,それぞれ数個はかりとり,

数個のビーカー(

200 mL

)にそれぞれ移し入れる。

2

)

9.4.1 b

)

の操作を行った後,標準亜鉛溶液

B

9.2 o

)

]の液量

0

25.0 mL

(亜鉛として

0

2 500

μg

を段階的に加える。溶液を

100 mL

の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。

3

)

溶液の一部を

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長

206.191 nm

における亜鉛の発

光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度と亜鉛量との関係線を作成し,その関係線を原点を

通るように平行移動して検量線とする。

b

)

9.4.1 d

)

の操作を行う場合

1

)

発光強度の測定を 9.4.2 a)

で行う場合

1.1

)

銅[9.2 e

)

,すず[9.2 f

)

,鉛[9.2 g

)

,アルミニウム[9.2 h

)

,鉄[9.2 i

)

,ニッケル[9.2 j

)

マンガン[9.2 k

)

]及びビスマス[9.2 l

)

]をその銅,すず,鉛,アルミニウム,鉄,ニッケル,マ

ンガン及びビスマスの量が 9.4.1 a

)

ではかりとった試料中の銅,すず,鉛,アルミニウム,鉄,ニ

ッケル,マンガン及びビスマスの量と

10 mg

のけたまで等しくなるように,それぞれ数個はかり

とり,数個のビーカー(

200 mL

)にそれぞれ移し入れる。

1.2

)

9.4.1 の b

)

及び c

)

の手順に従って操作した後,この溶液

10.0 mL

を数個の

100 mL

の全量フラスコ

に分取し,標準亜鉛溶液

A

9.2 n

)

0

5.0 mL

(亜鉛として

0

5 mg

)を段階的に加え,塩酸(

1

9

)で標線まで薄める。

1.3

)

溶液の一部を

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長

206.191 nm

における亜鉛の

発光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度と亜鉛量との関係線を作成し,その関係線を原

点を通るように平行移動して検量線とする。

2

)

発光強度の測定を 9.4.2 b)

で行う場合

2.1

)

銅[9.2 e

)

,すず[9.2 f

)

,鉛[9.2 g

)

,アルミニウム[9.2 h

)

,鉄[9.2 i

)

,ニッケル[9.2 j

)

マンガン[9.2 k

)

]及びビスマス[9.2 l

)

]をその銅,すず,鉛,アルミニウム,鉄,ニッケル,マ

ンガン及びビスマスの量が 9.4.1 a

)

ではかりとった試料中の銅,すず,鉛,アルミニウム,鉄,ニ


17

H 1062

:2006

ッケル,マンガン及びビスマスの量と

10 mg

のけたまで等しくなるように,それぞれ数個はかり

とり,数個のビーカー(

200 mL

)にそれぞれ移し入れる。

2.2

)

9.4.1 の b

)

及び c

)

の手順に従って操作した後,この溶液

10.0 mL

を数個の

100 mL

の全量フラスコ

に分取し,標準亜鉛溶液

A

9.2 n

)

0

10.0 mL

(亜鉛として

0

10 mg

)を段階的に加えるイット

リウム溶液[9.2 m

)

]を正確に

10 mL

加え,塩酸(

1

9

)で標線まで薄める。

2.3

)

溶液の一部を

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長

206.191 nm

における亜鉛の

発光強度及び

371.030 nm

におけるイットリウムの発光強度を試料と並行して同時に測定し,亜鉛

の発光強度とイットリウムの発光強度との比を求め,得た発光強度比と亜鉛量との関係線を作成

し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

9.7

計算  計算は,次のいずれかによる。

a

)

9.4.1 d

)

の操作を行わない場合  9.4.2 及び 9.5 で得た発光強度と 9.6 a

)

 1

)

で作成した検量線とから亜鉛

量を求め,試料中の亜鉛含有率を,次の式によって算出する。

(

)

100

3

2

1

×

=

m

A

A

A

Zn

ここに,

Zn

試料中の亜鉛含有率[%(質量分率)

A

1

試料溶液中の亜鉛検出量(

g

A

2

空試験液中の亜鉛検出量(

g

A

3

9.6 a

)

 1

)

ではかりとった銅[9.2 e

)

,すず[9.2 f

)

,鉛[9.2 g

)

アルミニウム[9.2 h

)

,鉄[9.2 i

)

,ニッケル[9.2 j

)

,マン

ガン[9.2 k

)

]及びビスマス[9.2 l

)

]中に含まれる亜鉛の合

量(

g

m

試料はかりとり量(

g

b

)

9.4.1 d

)

  の操作を行う場合  9.4.2 及び 9.5 で得た発光強度又は発光強度比と 9.6 b

)

  の 1

)

  又は 2

)

  で作

成した検量線とから亜鉛量を求め,試料中の亜鉛含有率を,次の式によって算出する。

100

100

10

100

10

3

2

1

×

×

×

=

m

A

A

A

Zn

ここに,

Zn

試料中の亜鉛含有率[%(質量分率)

A

1

分取した試料溶液中の亜鉛検出量(

g

A

2

分取した空試験液中の亜鉛検出量(

g

A

3

9.6 b

)

 1

)

 1.1

)

又は 2

)

 2.1

)

ではかりとった銅[9.2 e

)

,すず[9.2 

f

)

,鉛[9.2 g

)

,アルミニウム[9.2 h

)

,鉄[9.2 i

)

,ニッ

ケル[9.2 j

)

,マンガン[9.2 k

)

]及びビスマス[9.2 l

)

]中に

含まれる亜鉛の合量(

g

m

試料はかりとり量(

g


18

H 1062

:2006

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS H 1062:2006  銅及び銅合金中の亜鉛定量方法

ISO 4740:1985,銅及び銅合金−亜鉛の定量法−原子吸光法

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)

国際
規格
番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体 
  表示方法:点線の下線又は側線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術

的差異の理由及び今後の対策

項目 
番号

内容

項目
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

1.

適用範囲

銅及び銅合金(伸銅品,形銅,鋳物
用銅地金及び銅鋳物)中の亜鉛定量
方法について規定。

ISO 
4740

1

銅合金中の亜鉛の原子
吸光法による定量方法
を規定。ただし,鉛含

有率 10

%(質量分率)

以上のものを除く。

MOD/

追加

ISO 規格にない鋳物関係を
追加。 
ISO 規格の方法以外の試験
方法を追加。

JIS の定量方法は,鋳物関係
にも適用可能であることを明
記。

4.

(

Ⅴ)

と同様。

2.

引用規格

JIS H 1012 

2

ISO 1811-1 
ISO 1811-2 

MOD/

変更

JIS からの引用事項は,対
応国際規格の該当事項と同
等である。

JIS K 8005 

− MOD/追加

ISO 規格が規定しない試験方
法の追加による。

3.

一般事項

分析方法に共通な一般事項は,JIS H 
1012 
による。

− MOD/追加

JIS は,通則を引用し,分
析一般の共通事項を規定。

JIS は,分析一般につき規定。
基本的な相違はない。

4.

定量方法の

区分

a)

イオン交換分離エチレンジアミ

ン四酢酸二水素二ナトリウム滴定法
  1.0∼23.0

%(質量分率)

− MOD/追加

ISO 規格による方法以外の
定量方法を追加。

定量方法は,濃度範囲,対応

設備の有無などから適切な方
法を選択すべきである。した
がって,従来から規定されて

いた JIS の定量方法を追加し
た。四つの定量方法を状況に
応じていずれかを選択して使

用できる。 
JIS の定量方法を ISO 規格へ
追加する提案は,当面行わな

い。

 b)

トリオクチルアミン抽出原子吸

光法 
  0.000 02∼0.000 2

%(質量分率)

− MOD/追加

 c)

原子吸光法(塩酸・硝酸分解法)

  0.01∼1.0

%(質量分率)

− MOD/追加

 d)

原子吸光法(硝酸・ふっ化水素

酸・ほう酸分解法) 
  0.001∼6.0

%(質量分率)

1 0.001

∼6.0

%(質量分

率)

IDT

2

H

 1062


2006


19

H 1062

:2006

  (

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)

国際

規格
番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体 
  表示方法:点線の下線又は側線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術

的差異の理由及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

4.

定量方法の

区分(続き)

e) ICP

発光分光法

  0.01∼20.0  %(質量分率)

ISO 規格には規定され
ていない。

MOD/

追加

5.

イオン交換

分離エチレン

ジアミン四酢
酸二水素二ナ
トリウム滴定

この試験方法の,要旨,試薬,器具,
試料はかりとり量,操作,空試験及

び計算を規定。

− MOD/追加

− 4.

(V)

と同様。

6.

トリオクチ

ルアミン抽出
原子吸光法

この試験方法の,要旨,試薬,試料

はかりとり量,操作,空試験,検量
線の作成及び計算を規定。

− MOD/追加

− 4.

(V)

と同様。

7.

原子吸光法

(塩酸・硝酸
分解法)

この試験方法の,要旨,試薬,試料

はかりとり量,操作,空試験,検量
線の作成及び計算を規定。

− MOD/追加

− 4.

(V)

と同様。

8.

原子吸光法

(硝酸・ふっ
化水素酸・ほ

う酸分解法)

8.1

要旨

3

MOD/

変更

規格構成を変更した。 
試薬規定に,ISO 規格にな
い銅を追加。 
ISO 規格の検量線の作成
は,規定内容に矛盾がある
ので,検量線によるように

変更。

ISO 規格の操作を理解しやす
い規格構成に変更したが,技
術の基本的内容は変更してい

ない。

8.2

試薬

4

8.3

試料はかりとり量

8.4

操作

8.5

空試験

8.6

検量線の作成

5

6

7

装置 
試料採取 
操作

7.1

標準溶液の調製

7.2

試験溶液の調製

7.3

吸光度の測定

7.4

空試験

8.7

計算

8

結果の表し方

9

試験報告書

9. ICP

発光分

光法

試料を塩酸と硝酸との混酸で分解

し,溶液を ICP 発光分光装置のアル
ゴンプラズマ中に噴霧し,その発光
強度を測定する。

− MOD/追加

− 4.

(V)

と同様。

2

H

 1062


2006


20

H 1062

:2006

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 
 
備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2.  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。 

2

H

 1062


2006