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H 1059

:2015

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1  適用範囲  

1

2  引用規格  

1

3  一般事項  

1

4  定量方法の区分  

1

5  モリブドひ酸抽出吸光光度法  

2

5.1  要旨  

2

5.2  試薬  

2

5.3  試料はかりとり量  

2

5.4  操作  

2

5.5  空試験  

3

5.6  検量線の作成  

3

5.7  計算  

3

6  臭化物抽出分離モリブドひ酸青吸光光度法  

3

6.1  要旨  

3

6.2  試薬  

3

6.3  試料はかりとり量  

4

6.4  操作  

4

6.5  空試験  

5

6.6  検量線の作成  

5

6.7  計算  

6

7  ICP 発光分光分析法  

6

7.1  要旨  

6

7.2  試薬  

6

7.3  試料はかりとり量  

7

7.4  操作  

7

7.5  空試験  

7

7.6  検量線の作成  

7

7.7  計算  

7

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

9


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(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

伸銅協会(JCBA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改

正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ

る。

これによって,JIS H 1059:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 H

1059

:2015

銅及び銅合金中のひ素定量方法

Copper and copper alloys-Determination of arsenic content

序文 

この規格は,1975 年に第 1 版として発行された ISO 3220 を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,銅及び銅合金(伸銅品,形銅,鋳物用銅地金及び銅鋳物)中のひ素定量方法について規定

する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 3220:1975,Copper and copper alloys−Determination of arsenic−Photometric method(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 1012  銅及び銅合金の分析方法通則

一般事項 

分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1012 による。

定量方法の区分 

ひ素の定量方法は,次のいずれかによる。

a)  モリブドひ酸抽出吸光光度法  この方法は,ひ素含有率 0.005 %(質量分率)以上 0.08 %(質量分率)

以下の試料に適用する。

b)  臭化物抽出分離モリブドひ酸青吸光光度法  この方法は,ひ素含有率 0.002 %(質量分率)以上 0.8 %

(質量分率)以下の試料に適用する。

c)  ICP 発光分光分析法  この方法は,ひ素含有率 0.002 %(質量分率)以上 1.0 %(質量分率)以下の試

料に適用する。


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モリブドひ酸抽出吸光光度法 

5.1 

要旨 

試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,次亜臭素酸ナトリウム及び七モリブデン酸六アンモニウムを

加えてモリブドひ酸を生成させた後,酢酸エチル・ブタノール混合溶媒で抽出し,光度計を用いて,その

吸光度を測定する。

5.2 

試薬 

試薬は,次による。

5.2.1

混酸(塩酸 1,硝酸 3,水 4

5.2.2

銅  99.96 %(質量分率)以上及びりん含有率 0.000 3 %(質量分率)以下のもので,ひ素を含有し

ないもの又はひ素含有率が低く既知のもの。

5.2.3

亜鉛  99.9 %(質量分率)以上及びりん含有率 0.000 3 %(質量分率)以下のもので,ひ素を含有

しないもの又はひ素含有率が低く既知のもの。

5.2.4

アルミニウム  99.9 %(質量分率)以上及びりん含有率 0.000 3 %(質量分率)以下のもので,ひ

素を含有しないもの又はひ素含有率が低く既知のもの。

5.2.5

次亜臭素酸ナトリウム溶液  臭素水(飽和)3 mL,水 11 mL と水酸化ナトリウム溶液(20 g/L)2 mL

を混ぜる。この溶液は,使用の都度調製する。

5.2.6

モリブデン酸アンモニウム溶液  七モリブデン酸六アンモニウム四水和物 10 g を水に溶解し,水

で液量を 100 mL とする。この溶液は,使用の都度調製する。

5.2.7

酢酸エチル・ブタノール混合溶媒(酢酸エチル 11-ブタノール 1

5.2.8

ひ素標準液(As200 μg/mL)  三酸化二ひ素 0.265 g をはかりとって樹脂製ビーカー(200 mL)に

移し入れ,水酸化ナトリウム溶液(20 g/L)10 mL を加えて溶解する。水で約 50 mL にうすめ,硫酸(1+

10)3 mL を加えて微酸性とする。常温まで冷却した後,1 000 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,

水で標線までうすめる。

なお,りんを含有しなければ市販のひ素標準液を用いてもよい。

5.3 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,2.00 g とする。

5.4 

操作 

5.4.1 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)  試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れる。 
b)  時計皿で覆い,混酸 30 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を

水で洗った後,穏やかに煮沸して酸化窒素などを追い出す。常温まで冷却した後,時計皿の下面及び

ビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く。

c)  溶液を 50 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。 
5.4.2 

錯体の抽出 

錯体の抽出は,次の手順によって行う。

a)  5.4.1 c)で得た溶液 25.0 mL を全量ピペットを用いて分液漏斗(100 mL)に分取し,次亜臭素酸ナトリ

ウム溶液(5.2.5)を全量ピペット又はピストン式ピペットを用いて 0.5 mL 加え,5∼6 分間放置する。

b)  さらに,モリブデン酸アンモニウム溶液(5.2.6)3 mL を加えた後,約 15 分間放置する。酢酸エチル・

ブタノール混合溶媒(5.2.7)を全量ピペットを用いて 20.0 mL 加え,約 1 分間振り混ぜる。静置して


3

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2 相に分離した後,下層の水相を捨てる。

5.4.3 

吸光度の測定 

5.4.2 b)で得た有機相を 20∼60 分後に一部を光度計の吸収セル(10 mm)にとり,酢酸エチル・ブタノー

ル混合溶媒(5.2.7)を対照液として,波長 400 nm 付近の吸光度を測定する。

5.5 

空試験 

5.6 の検量線作成操作において得られるひ素標準液を添加しない溶液の吸光度を,空試験液の吸光度とす

る。

5.6 

検量線の作成 

銅(5.2.2

,亜鉛(5.2.3)及びアルミニウム(5.2.4)を 5.4.1 a)ではかりとった試料中に含まれる量と 10

mg の桁まで等しくなるように数個はかりとり,数個のビーカー(300 mL)にそれぞれ移し入れる。5.4.1 b)

の操作を行った後,溶液を 50 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,ひ素標準液(5.2.8)0∼8.0 mL

(ひ素として 0∼1 600 μg)を段階的に加え,水で標線までうすめる。この溶液を全量ピペットを用いて

25.0 mL を分液漏斗(100 mL)に分取し,次亜臭素酸ナトリウム溶液(5.2.5)を全量ピペット又はピスト

ン式ピペットを用いて 0.5 mL 加え,約 5 分間放置する。以下 5.4.2 b)及び 5.4.3 の手順に従って試料と並行

して操作し,得た吸光度とひ素量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量

線とする。

5.7 

計算 

5.4.3 及び 5.5 で得た吸光度と 5.6 で作成した検量線とからひ素量を求め,試料中のひ素含有率を次の式

によって算出する。

(

)

100

50

25

3

2

1

×

×

=

m

A

A

A

As

ここに,

As

試料中のひ素含有率[

%

(質量分率)

A

1

試料溶液中のひ素検出量(

g

A

2

空試験液中のひ素検出量(

g

A

3

5.6 ではかりとった銅(5.2.2),亜鉛(5.2.3)及びアルミニウ
ム(5.2.4)中に含まれるひ素の合量(

g

m

試料はかりとり量(

g

臭化物抽出分離モリブドひ酸青吸光光度法 

6.1 

要旨 

試料を塩酸と過酸化水素とで分解し,加熱して溶液を濃縮する。塩酸,臭化水素酸及び過塩素酸を加え

た後,ひ素を臭化物としてベンゼンに抽出する。有機相を塩酸で洗浄した後,ひ素を水で逆抽出する。過

マンガン酸カリウムを加え,加熱してひ素(

III

)をひ素(

V

)に酸化した後,七モリブデン酸六アンモニ

ウム及びアスコルビン酸を加え,加熱してモリブドひ酸青錯体を生成させ,光度計を用いて,その吸光度

を測定する。

6.2 

試薬 

試薬は,次による。

6.2.1

塩酸

6.2.2

塩酸(11

6.2.3

過塩素酸[70 %(質量分率)]


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6.2.4

臭化水素酸

6.2.5

99.96 %

(質量分率)以上で,ひ素を含有しないもの又はひ素含有率が低いもの。

6.2.6

過酸化水素

6.2.7

過マンガン酸カリウム溶液(3.2 g/L

6.2.8

モリブデン酸アンモニウム溶液  七モリブデン酸六アンモニウム四水和物

0.95 g

を硫酸(

1

20

200 mL

に溶解する。この溶液は,使用の都度調製する。

6.2.9

L()-アスコルビン酸溶液(20 g/L

この溶液は,使用の都度調製する。

6.2.10

ベンゼン

6.2.11

ひ素標準液(20  μg/mL

三酸化二ひ素

0.132 g

をはかりとって樹脂製ビーカー(

100 mL

)に移し

入れ,水酸化ナトリウム溶液(

40 g/L

10 mL

を加えて溶解する。塩酸(

1

11

12.5 mL

を加えて微酸性

とする。常温まで冷却した後,溶液を

250 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうす

めて原液(

As

400 μg/mL

)とする。この原液を使用の都度,

500 mL

の全量フラスコに全量ピペットを用

いて

25.0 mL

とり,塩酸(

1

1

20 mL

を加え,水で標線までうすめてひ素標準液とする。

なお,市販のひ素標準液を用いてもよい。

6.3 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,

表 による。

表 1−試料はかりとり量 

試料中のひ素含有率

%(質量分率)

試料はかりとり量

g

 0.002 以上 0.02 未満

1.00

 0.02 以上 0.04 未満 0.50 
 0.04 以上 0.08 未満

0.25

 0.08 以上 0.2 未満 0.50 
 0.2 以上 0.8 以下

0.25

6.4 

操作 

6.4.1 

試料の分解 

試料を

表 に従いはかりとってビーカー(

100 mL

)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(

1

1

20 mL

加え,更に過酸化水素

10 mL

を数回に分けて加え分解する。この際に反応が激しい場合には,ビーカーを

水に浸して冷却する。加熱して試料を完全に分解した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,

時計皿を取り除く。

6.4.2 

試料溶液の処理 

試料溶液の処理は,次のいずれかによる。

a)

ひ素含有率 0.002 %(質量分率)以上 0.02 %(質量分率)未満の試料の場合  6.4.1 で得た溶液を穏や

かに加熱して,液量が約

3 mL

になるまで濃縮する。

b)

ひ素含有率 0.02 %(質量分率)以上 0.08 %(質量分率)未満の試料の場合  6.4.1 で得た溶液を穏や

かに加熱して,液量が約

5 mL

になるまで濃縮する。

c)

ひ素含有率 0.08 %(質量分率)以上 0.4 %(質量分率)未満の試料の場合  6.4.1 で得た溶液を常温ま

で冷却した後,

50 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。この溶液をビ

ーカー(

100 mL

)に全量ピペットを用いて

10.0 mL

分取し,過酸化水素

1 mL

を加え,穏やかに加熱

して,液量が約

3 mL

になるまで濃縮する。


5

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d)

ひ素含有率 0.4 %(質量分率)以上 0.8 %(質量分率)以下の試料の場合  6.4.1 で得た溶液を常温ま

で冷却した後,

50 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。この溶液をビ

ーカー(

100 mL

)に全量ピペットを用いて

5.0 mL

分取し,過酸化水素

1 mL

を加え,穏やかに加熱し

て,液量が約

3 mL

になるまで濃縮する。

6.4.3 

ひ素の抽出分離 

ひ素の抽出分離は,次の手順によって行う。

a)

6.4.2 の a)b)c)又は d)で得た溶液に塩酸

5 mL

を加え,加熱して塩類を溶解し,直ちに塩酸

17 mL

を用いてあらかじめ臭化水素酸

5 mL

を入れた分液漏斗(

100 mL

)に移し入れる。

b)

過塩素酸[

70 %

(質量分率)

10 mL

を加えた後,ベンゼン

25 mL

を加え,激しく約

1

分間振り混ぜ

る。静置して

2

相に分離した後,下層の水相を捨てる。

c)

有機相に塩酸

10 mL

を加え,約

30

秒間振り混ぜる。静置して

2

相に分離した後,下層の水相を捨て

る。

d)

有機相に水

25 mL

を加え,約

2

分間激しく振り混ぜる。静置して

2

相に分離した後,下層の水相をビ

ーカー(

100 mL

)に移し入れる。時計皿で覆い,過マンガン酸カリウム溶液

1 mL

を加え,約

60

に加熱した後,常温まで冷却する。

6.4.4 

呈色 

6.4.3 d)で得た溶液にモリブデン酸アンモニウム溶液(6.2.8

10 mL

を加えて振り混ぜ,次に

L(

)-

アス

コルビン酸溶液(6.2.9

10 mL

を加えて振り混ぜる。加熱して沸騰させる。さらに,

120

±

15

秒間沸騰さ

せた後,約

20

℃に冷却する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,時計皿を取り除き,溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。

6.4.5 

吸光度の測定 

6.4.4 で得た呈色した溶液の一部を,光度計の

20 mm

吸収セルにとり,水を対照液として,波長

840 nm

付近の吸光度を測定する。並行して測定した検量線溶液のひ素量

150 μg

より吸光度が大きい場合には,

10

mm

の吸収セルに変えて再度吸光度を測定する。

6.5 

空試験 

試料を用いないで,6.4.16.4.5 の操作を試料と並行して行い,空試験とする。6.4.2 の c)及び d)で試料

溶液を分取する場合には,空試験液も試料溶液と同量分取する。

6.6 

検量線の作成 

検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)

銅(6.2.5

5.0 g

をはかりとってビーカー(

300 mL

)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(

1

1

50 mL

を加え,更に過酸化水素

25 mL

を数回に分けて加えて分解する。この際に反応が激しい場合には,ビ

ーカーを水に浸して冷却する。加熱して完全に分解した後,常温まで冷却する。

b)

時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って,時計皿を取り除く。溶液を

100 mL

の全量フラスコ

に水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。

c)

この溶液を全量ピペットを用いて

5.0 mL

ずつ

6

個のビーカー(

100 mL

)にとり,ひ素標準液(6.2.11

0

10.0 mL

(ひ素として

0

200 μg

)を段階的に加える。それぞれに過酸化水素

1 mL

を加え,穏やか

に加熱して液量が

3 mL

になるまで濃縮する。

d)

塩酸

5 mL

を加え,加熱して塩類を溶解した後,直ちに,あらかじめ臭化水素酸

5 mL

を入れた分液漏

斗(

100 mL

)に塩酸

17 mL

を用いて移し入れる。

e)

6.4.3 b)6.4.5 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行い,得た吸光度とひ素量との関係線


6

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を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。吸光度の測定は,試料の吸光

度測定と同じ光路長の吸収セルを用いて行う。

6.7 

計算 

計算は,次のいずれかによる。

a)

試料溶液の処理を 6.4.2 の a)又は b)によって行った場合  6.4.5 及び 6.5 で得た吸光度と 6.6 で作成した

検量線とからひ素量を求め,試料中のひ素含有率を次の式によって算出する。

100

2

1

×

=

m

A

A

As

ここに,

As

試料中のひ素含有率[

%

(質量分率)

A

1

試料溶液中のひ素検出量(

g

A

2

空試験液中のひ素検出量(

g

m

試料はかりとり量(

g

b)

試料溶液の処理を 6.4.2 の c)又は d)によって行った場合  6.4.5 及び 6.5 で得た吸光度と 6.6 で作成した

検量線とからひ素量を求め,試料中のひ素含有率を次の式によって算出する。

100

50

2

1

×

×

=

B

m

A

A

As

ここに,

As

試料中のひ素含有率[

%

(質量分率)

A

1

試料溶液中のひ素検出量(

g

A

2

空試験液中のひ素検出量(

g

m

試料はかりとり量(

g

B

試料溶液の分取量(

mL

7 ICP 発光分光分析法 
7.1 

要旨 

試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,溶液を

ICP

発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,そ

の発光強度を測定する。

7.2 

試薬 

試薬は,次による。

7.2.1

混酸(塩酸 2,硝酸 1,水 2

使用の都度,調製する。

7.2.2

99.96 %

(質量分率)以上で,ひ素を含有しないもの又はひ素含有率が低く既知のもの。

7.2.3

すず  すず含有率

99.9 %

(質量分率)以上で,ひ素を含有しないもの又はひ素含有率が低く既知の

もの。

7.2.4

亜鉛  亜鉛含有率

99.9 %

(質量分率)以上で,ひ素を含有しないもの又はひ素含有率が低く既知の

もの。

7.2.5

ニッケル  ニッケル含有率

99.9 %

(質量分率)以上で,ひ素を含有しないもの又はひ素含有率が低

く既知のもの。

7.2.6

アルミニウム  アルミニウム含有率

99.9 %

(質量分率)以上で,ひ素を含有しないもの又はひ素含

有率が低く既知のもの。

7.2.7

ひ素標準液(As1 mg/mL

三酸化二ひ素

0.132 g

をはかりとって樹脂製ビーカー(

100 mL

)に

移し入れ,水酸化ナトリウム溶液(

40 g/L

10 mL

を加えて溶解する。水で約

50 mL

にうすめ,塩酸(

1

11

12.5 mL

を加えて微酸性とする。常温まで冷却した後,

100 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,


7

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水で標線までうすめる。

なお,市販のひ素標準液を用いてもよい。

7.3 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,

1.00 g

とする。

7.4 

操作 

7.4.1 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかりとってビーカー(

200 mL

)に移し入れる。

b)

時計皿で覆い,混酸

30 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を

水で洗った後,穏やかに煮沸して酸化窒素などを追い出す。常温まで冷却した後,時計皿の下面及び

ビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く。

c)

溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。

7.4.2 

発光強度の測定 

7.4.1 c)で得た溶液の一部を

ICP

発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長

189.042 nm

193.696 nm

又は

197.197 nm

の発光強度を測定する。

なお,精度及び真度を確認してあれば,高次のスペクトル線を用いてもよく,バックグラウンド補正機

構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。

7.5 

空試験 

空試験は 7.6 の検量線の作成操作において得られるひ素標準液を添加しない溶液の発光強度を,空試験

液の発光強度とする。

7.6 

検量線の作成 

検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)

銅(7.2.2

,すず(7.2.3

,亜鉛(7.2.4

,ニッケル(7.2.5)及びアルミニウム(7.2.6)をその銅,すず,

亜鉛,ニッケル及びアルミニウムの量が 7.4.1 a)ではかりとった試料中の銅,すず,亜鉛,ニッケル及

びアルミニウムの量と

10 mg

の桁まで等しくなるように数個はかりとり,数個のビーカー(

200 mL

にそれぞれ移し入れる。

b)

7.4.1 b)の操作を行った後,ひ素標準液(7.2.7

0

16 mL

(ひ素として

0

16 mg

)を段階的に加える。

溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。

c)

溶液の一部を

ICP

発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,試料溶液の発光強度測定と同じ

波長の発光強度を測定する。得られた発光強度とひ素量との関係線を作成し,その関係線を原点を通

るように平行移動して検量線とする。

なお,精度及び真度を確認してあれば,高次のスペクトル線を用いてもよく,バックグラウンド補

正機構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。

7.7 

計算 

計算は,次による。

7.4.2 及び 7.5 で得た発光強度と 7.6 で作成した検量線とからひ素量を求め,試料中のひ素含有率を次の

式によって算出する。

(

)

100

3

2

1

×

=

m

A

A

A

As

ここに,

As

試料中のひ素含有率[

%

(質量分率)


8

H 1059

:2015

A

1

試料溶液中のひ素検出量(

g

A

2

空試験液中のひ素検出量(

g

A

3

7.6 ではかりとった銅(7.2.2),すず(7.2.3),亜鉛(7.2.4),
ニッケル(7.2.5)及びアルミニウム(7.2.6)中に含まれるひ
素の合量(

g

m

試料はかりとり量(

g

参考文献

JIS H 3300  銅及び銅合金の継目無管


9

H 1059

:2015

附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS H 1059:2015  銅及び銅合金中のひ素定量方法

ISO 3220:1975,Copper and copper alloys−Determination of arsenic−Photometric method

(I)JIS の規定

(II)

国際

規格
番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの

評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の

理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

1  適用範囲

1

追加

ISO 規格にない,鋳物関係を追加。

鋳物関係にも適用可能とした。

3  一般事項

追加

JIS は,JIS H 1012 を引用。

基本的な差異はない。

4  定量方法の区

追加

ISO 規格に規定されていないモリブ
ドひ酸抽出吸光光度法及び ICP 発光

分光分析法を追加。

ISO 規格を包含した 3 種類の定量方法
を規定しており,これら定量方法のい

ずれかを選択できるようにした。

5  モリブドひ酸
抽出吸光光度法

追加

ISO 規格に規定されていない定量方
法を追加。

国内で広く使用されているため追加

した。

6  臭化物抽出分
離モリブドひ酸

青吸光光度法

− 3

JIS に同じ

追加 6.1(要旨)を追加。

技術的差異はない。

変更 6.2.5(銅)及び 6.2.11[ひ素標準液(20

μg/mL)]を変更。 
試料はかりとり量を細分化。

7 ICP 発光分光
分析法

追加

ISO 規格に規定されていない定量方
法を追加。

国内で広く使用されているため追加
した。

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3220:1975,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

−  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

− MOD

国際規格を修正している。

9

H

 105

9


2

015