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H 1054 : 2002

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本伸銅協会

(JCBA)

/財団法人日本規格協会  (JSA)  から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,

JIS H 1054 : 1994

は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正では,旧規格様式を新規格様式に変更,JIS H 2202(鋳物用銅合金地金)

JIS H 5120(銅及

び銅合金鋳物)及び JIS H 5121(銅合金連続鋳造鋳物)の改正に伴う合金記号の変更並びに規格全体にお

いて最新の表現方法に見直し変更を行った。

JIS H 1054

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表


H 1054 : 2002

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  一般事項

1

4.

  定量方法の区分

1

5.

  塩化物抽出分離エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム・亜鉛逆滴定法

5

5.1

  要旨

5

5.2

  試薬

5

5.3

  試料はかり取り量

6

5.4

  操作

6

5.4.1

  試料溶液の調製

6

5.4.2

  鉄の抽出

6

5.4.3

  滴定

6

5.5

  空試験

7

5.6

  計算

7

6.

  スルホサリチル酸吸光光度法

7

6.1

  要旨

7

6.2

  試薬

7

6.3

  試料はかり取り量

8

6.4

  操作

8

6.4.1

  試料溶液の調製

8

6.4.2

  呈色

8

6.4.3

  吸光度の測定

9

6.5

  空試験

9

6.6

  検量線の作成

9

6.7

  計算

9

7.

  塩化物抽出分離 1,10-フェナントロリン吸光光度法

10

7.1

  要旨

10

7.2

  試薬

10

7.3

  試料はかり取り量

10

7.4

  操作

10

7.4.1

  試料溶液の調製

10

7.4.2

  鉄の抽出

11

7.4.3

  呈色

11

7.4.4

  吸光度の測定

11


H 1054 : 2002

目次

(2) 

ページ

7.5

  空試験

11

7.6

  検量線の作成

11

7.7

  計算

11

8.

  原子吸光法

12

8.1

  要旨

12

8.2

  試薬

12

8.3

  試料はかり取り量

13

8.4

  操作

13

8.4.1

  試料溶液の調製

13

8.4.2

  吸光度の測定

13

8.5

  空試験

13

8.6

  検量線の作成

13

8.7

  計算

14

9.

  ICP 発光分光法

14

9.1

  要旨

14

9.2

  試薬

14

9.3

  試料はかり取り量

15

9.4

  操作

15

9.4.1

  試料溶液の調製

15

9.4.2

  発光強度の測定

15

9.5

  空試験

15

9.6

  検量線の作成

15

9.7

  計算

16

附属書(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

17


日本工業規格

JIS

 H

1054

 : 2002

銅及び銅合金中の鉄定量方法

Methods for determination of iron in copper and copper alloys

序文  この規格は,1976 年に第 1 版として発行された ISO 1812, Copper alloys−Determination of iron content

−1,10-phenanthroline spectrophotometric method 及び 1984 年に第 1 版として発行された ISO 4748, Copper

alloys

−Determination of iron content−Na2 EDTA titrimetric method を基に,対応する部分(5.塩化物抽出分離

エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム・亜鉛逆滴定法及び 7.塩化物抽出分離 1,10-フェナントロリン

吸光光度法)については対応国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格で

あるが,対応国際規格には規定されてない規定項目(5.及び 7.以外の項目)を日本工業規格として追加し

ている。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を追加又は変更している事項である。

1.

適用範囲  この規格は,銅及び銅合金(伸銅品,鋳物用地金及び鋳物)中の鉄定量方法について規定

する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEG(同等でない)とする。

ISO 1812 : 1976

  Copper alloys − Determination of iron content − 1,10-Phenanthroline

spectrophotometric method (MOD)

ISO 4748 : 1984

  Copper alloys−Determination of iron content−Na2 EDTA titrimetric method

(MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格は、その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 1012

  銅及び銅合金の分析方法通則

3.

一般事項  分折方法に共通な一般事項は,JIS H 1012 による。

4.

定量方法の区分  鉄の定量方法は,次のいずれかによる。

なお,各定量方法を適用する銅及び銅合金の合金番号又は記号は,

表 による。

a)

塩化物抽出分離エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム・亜鉛逆滴定法  この方法は,鉄含有率

0.3% (m/m)

以上 7.5% (m/m)  以下の試料に適用する。

b)

スルホサリチル酸吸光光度法  この方法は,鉄含有率 0.06% (m/m) 以上 6.0% (m/m) 以下の試料に適

用する。


2

H 1054 : 2002

c)

塩化物抽出分離 1,10-フェナントロリン吸光光度法  この方法は,鉄含有率 0.000 1% (m/m)  以上 0.4%

(m/m)

以下の試料に適用する。

d)

原子吸光法  この方法は,鉄含有率 0.01% (m/m)  以上 6.0% (m/m)  以下の試料に適用する。

e)

ICP

発光分光法  この方法は,鉄含有率 0.01% (m/m)  以上 6.0% (m/m)  以下の試料に適用する。

表 1  定量方法及び適用対象合金番号又は記号

定量方法

合金番号

又は記号

対応規格番号

(参考)

塩化物抽出分離
エチレンジアミ

ン四酢酸二水素
二ナトリウム・
亜鉛逆滴定法

スルホサリチル
酸吸光光度法

塩化物抽出分離

1,10-

フェナント

ロリン吸光光度

原子吸光法 ICP 発光分光法

C1700

JIS H 3130

(

4

)

(

4

)

C1720

JIS H 3130

(

4

)

(

4

)

JIS H 3270

C2051

JIS H 3100

(

4

)

(

4

)

C2100

JIS H 3100

(

4

)

(

4

)

JIS H 3260

C2200

JIS H 3100

(

4

)

(

4

)

JIS H 3260

JIS H 3300

C2300

JIS H 3100

(

4

)

(

4

)

JIS H 3260

JIS H 3300

C2400

JIS H 3100

(

4

)

(

4

)

JIS H 3260

C2600

JIS H 3100

(

4

)

(

4

)

JIS H 3250

JIS H 3260

JIS H 3300

JIS H 3320

C2680

JIS H 3100

(

4

)

(

4

)

JIS H 3320

C2700

JIS H 3250

(

4

)

(

4

)

JIS H 3260

JIS H 3300

C2720

JIS H 3100

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C2800

JIS H 3250

(

2

)

(

4

)

(

4

)

JIS H 3260

JIS H 3300

C2801

JIS H 3100

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C3501

JIS H 3260

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C3560

JIS H 3100

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C3561

JIS H 3100

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C3601

JIS H 3250

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C3602

JIS H 3250

(

1

)

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C3603

JIS H 3250

(

1

)

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C3604

JIS H 3250

(

1

)

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C3605

JIS H 3250

(

1

)

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C3710

JIS H 3100

(

2

)

(

4

)

(

4

)


3

H 1054 : 2002

定量方法

合金番号 
又は記号

対応規格番号

(参考)

塩化物抽出分離
エチレンジアミ
ン四酢酸二水素

二ナトリウム・
亜鉛逆滴定法

スルホサリチル
酸吸光光度法

塩化物抽出分離

1,10-

フェナント

ロリン吸光光度

原子吸光法 ICP 発光分光法

C3712

JIS H 3250

(

1

)

(

2

)

(

3

)

(

4

)

(

4

)

C3713

JIS H 3100

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C3771

JIS H 3250

(

1

)

(

2

)

(

3

)

(

4

)

(

4

)

C4250

JIS H 3100

(

4

)

(

4

)

C4430

JIS H 3300

(

4

)

(

4

)

JIS H 3320

C4621

JIS H 3100

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C4622

JIS H 3250

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C4640

JIS H 3100

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C4641

JIS H 3250

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C5210

JIS H 3130

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C6140

JIS H 3100

C6161

JIS H 3100

JIS H 3250

C6191

JIS H 3250

C6241

JIS H 3250

C6280

JIS H 3100

C6301

JIS H 3100

C6711

JIS H 3100

(

1

)

(

2

)

(

3

)

(

4

)

(

4

)

C6712

JIS H 3100

(

1

)

(

2

)

(

3

)

(

4

)

(

4

)

C6782

JIS H 3250

(

1

)

(

3

)

C6783

JIS H 3250

(

1

)

(

3

)

C6870

JIS H 3300

(

4

)

(

4

)

C6871

JIS H 3300

(

4

)

(

4

)

C6872

JIS H 3300

(

4

)

(

4

)

C7060

JIS H 3100

JIS H 3300

JIS H 3320

C7100

JIS H 3300

C7150

JIS H 3100

JIS H 3300

JIS H 3320

C7164

JIS H 3300

C7351

JIS H 3110

(

2

)

(

4

)

(

4

)

C7451

JIS H 3110

(

2

)

(

4

)

(

4

)

JIS H 3270

C7521

JIS H 3110

(

2

)

(

4

)

(

4

)

JIS H 3270

C7541

JIS H 3110

(

2

)

(

4

)

(

4

)

JIS H 3270

C7701

JIS H 3130

(

2

)

(

4

)

(

4

)

JIS H 3270

C7941

JIS H 3270

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CACIn201

JIS H 2202

(

2

)

(

4

)

(

4

)


4

H 1054 : 2002

定量方法

合金番号 
又は記号

対応規格番号

(参考)

塩化物抽出分離
エチレンジアミ
ン四酢酸二水素

二ナトリウム・
亜鉛逆滴定法

スルホサリチル
酸吸光光度法

塩化物抽出分離

1,10-

フェナント

ロリン吸光光度

原子吸光法 ICP 発光分光法

CACIn202

JIS H 2202

(

1

)

(

2

)

(

3

)

(

4

)

(

4

)

CACIn203

JIS H 2202

(

1

)

(

2

)

(

3

)

(

4

)

(

4

)

CACIn301

JIS H 2202

CACIn302

JIS H 2202

CACIn303

JIS H 2202

CACIn304

JIS H 2202

CACIn401

JIS H 2202

(

1

)

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CACIn402

JIS H 2202

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CACIn403

JIS H 2202

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CACIn406

JIS H 2202

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CACIn407

JIS H 2202

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CACIn502

JIS H 2202

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CACIn503

JIS H 2202

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CACIn602

JIS H 2202

(

4

)

(

4

)

CACIn603

JIS H 2202

(

4

)

(

4

)

CACIn604

JIS H 2202

(

4

)

(

4

)

CACIn605

JIS H 2202

(

4

)

(

4

)

CACIn701

JIS H 2202

CACIn702

JIS H 2202

CACIn703

JIS H 2202

CACIn704

JIS H 2202

CACIn803

JIS H 2202

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC201

JIS H 5120

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC202

JIS H 5120

(

1

)

(

2

)

(

3

)

(

4

)

(

4

)

CAC203

JIS H 5120

(

1

)

(

2

)

(

3

)

(

4

)

(

4

)

CAC301

JIS H 5120

CAC301C

JIS H 5121

CAC302

JIS H 5120

CAC302C

JIS H 5121

CAC303

JIS H 5120

CAC303C

JIS H 5121

CAC304

JIS H 5120

CAC304C

JIS H 5121

CAC401

JIS H 5120

(

1

)

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC401C

JIS H 5121

(

1

)

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC402

JIS H 5120

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC402C

JIS H 5121

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC403

JIS H 5120

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC403C

JIS H 5121

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC406

JIS H 5120

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC406C

JIS H 5121

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC407

JIS H 5120

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC407C

JIS H 5121

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC502A

JIS H 5120

(

2

)

(

4

)

(

4

)


5

H 1054 : 2002

定量方法

合金番号 
又は記号

対応規格番号

(参考)

塩化物抽出分離
エチレンジアミ
ン四酢酸二水素

二ナトリウム・
亜鉛逆滴定法

スルホサリチル
酸吸光光度法

塩化物抽出分離

1,10-

フェナント

ロリン吸光光度

原子吸光法 ICP 発光分光法

CAC502B

JIS H 5120

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC502C

JIS H 5121

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC503A

JIS H 5120

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC503B

JIS H 5120

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC503C

JIS H 5121

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC602

JIS H 5120

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC603

JIS H 5120

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC603C

JIS H 5121

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC604

JIS H 5120

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC604C

JIS H 5121

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC605

JIS H 5120

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC605C

JIS H 5121

(

2

)

(

4

)

(

4

)

CAC701

JIS H 5120

CAC701C

JIS H 5121

CAC702

JIS H 5120

CAC702C

JIS H 5121

CAC703

JIS H 5120

CAC703C

JIS H 5121

CAC704

JIS H 5120

(

4

)

(

4

)

CAC803

JIS H 5120

(

2

)

(

4

)

(

4

)

(

1

)

鉄含有率0.3% (m/m)  未満の試料には用いない。

(

2

)

鉄含有率 0.06% (m/m)  未満の試料には用いない。

(

3

)

鉄含有率 0.4% (m/m)  を超える試料には用いない。

(

4

)

鉄含有率 0.01% (m/m)  未満の試料には用いない。

5.

塩化物抽出分離エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム・亜鉛逆滴定法

5.1

要旨  試料をそのすず含有率に応じて塩酸と過酸化水素,又は塩酸と硝酸とで分解し,すずが多く

含まれる場合には,臭化水素酸を加え,すずを臭化すずとして揮散させる。塩酸の濃度を調節した後,4-

メチル-2-ペンタノンで鉄 (III) の塩化物錯体を抽出する。有機相に水,塩酸及びエタノールを加えて均一

な溶液とする。ふっ化アンモニウム,チオ尿素及び過剰のエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(以

下,EDTA2Na という。

)を加えた後,pH を調節し,亜鉛標準溶液で逆滴定する。

5.2

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸

b)

塩酸 (1+1)  

c)

硝酸 (1+1)  

d)

臭化水素酸

e)

硫酸

f)

過酸化水素

g)

塩化リチウム溶液 (275g/l)  

h)

ふっ化アンモニウム溶液 (37g/l)  


6

H 1054 : 2002

i) EDTA2Na

溶液  エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物 18.61g をはかり取り,ビーカ

ー (200ml) に移し入れ,水を加えて溶解した後,溶液を 1 000ml の全量フラスコに水を用いて移し入

れ,水で標線まで薄める。

j)

チオ尿素溶液 (100g/l)  

k)

ヘキサメチレンテトラミン溶液 (200g/l)  

l)

エタノール (99.5)  

m) 4-

メチル-2-ペンタノン

n) 0.05mol/l

亜鉛標準溶液  亜鉛[99.99% (m/m) 以上]3.269g をはかり取り,ビーカー (300ml) に移し

入れ,時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 25ml を加えて分解した後,加熱して窒素酸化物を除く。常温まで

冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く。ヘキサメチレンテト

ラミン溶液[k)]を用いて pH を 4.5∼5.0 に調節した後,溶液を 1 000ml の全量フラスコに水を用いて移

し入れ,水で標線まで薄める。

o)

キシレノールオレンジ溶液 (0.1g/l)    この溶液は,褐色瓶に保存する。

5.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,1.00g とする。

5.4

操作

5.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。

a)

すず含有率 0.02% (m/m)  未満の試料の場合

1)

試料をはかり取って,ビーカー (200ml) に移し入れる。

2)

時計皿で覆い,塩酸 10ml 及び塩酸 (1+1) 10ml を加え,更に過酸化水素 10ml を少量ずつ加え,流

水で冷却しながら分解した後,加熱して過剰の過酸化水素を分解する。

b)

すず含有率 0.02% (m/m)  以上の試料の場合

1)

試料をはかり取って,ビーカー (200ml) に移し入れる。

2)

時計皿で覆い,塩酸 5m1 及び硝酸 (1+1) 10ml を加え,加熱して試料を分解する。時計皿の下面及

びビーカーの内壁をできるだけ少量の水で洗って,時計皿を取り除く。硫酸 10ml を加え,加熱し

て硫酸の白煙を発生させる。

3)

放冷した後,臭化水素酸 10ml を加え,穏やかに加熱して硫酸の白煙を発生させる。放冷した後,

ビーカーの内壁をできるだけ少量の水で洗い,加熱して硫酸の白煙が発生しなくなるまで乾固する。

放冷した後,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 30m1 及び過酸化水素 2,3 滴を加え,加熱して塩類を溶解

し,煮沸して過剰の過酸化水素を分解する。

5.4.2

鉄の抽出  鉄の抽出は,次の手順によって行う。

a)

5.4.1

の a)2)又は b)3)で得た溶液を室温まで冷却し,

時計皿の下面及びビーカーの内壁を塩酸 (1+1)  で

洗って時計皿を取り除く。溶液を分液漏斗 (150ml) に塩酸 (1+1)  を用いて移し入れ,塩酸 (1+1)  で

液量を 50ml とする。

b) 4-

メチル-2-ペンタノン 30ml を加え,1 分間激しく振り混ぜる。静置して 2 相に分離した後,水相(下

層)を別の分液漏斗に移し入れ,有機相は保存する。

c) 4-

メチル-2-ペンタノン 20ml を加え,1 分間穏やかに振り混ぜる。静置して 2 相に分離した後,水相(下

層)を捨てる。

d)  c)

で得た有機相を b)で保存してある有機相に合わせた後,塩化リチウム溶液 20ml を加え,30 秒間激

しく振り混ぜる。静置して 2 相に分離した後,水相(下層)を捨てる。塩化リチウム溶液 20ml を加

え,30 秒間激しく振り混ぜる。静置して 2 相に分離した後,水相(下層)を捨てる。


7

H 1054 : 2002

5.4.3

滴定  滴定は,次の手順によって行う。

a)

5.4.2d)

で得た有機相を水 50ml を用いてビーカー (500ml) に移し入れ,塩酸 (1+1) 2ml を加え,振り

混ぜる。

b)

エタノール 130ml を加え,

直ちに振り混ぜ,

ふっ化アンモニウム溶液を溶液が無色になるまで加える。

c)

チオ尿素溶液 5ml 及び EDTA2Na 溶液[5.2i)](

5

)

を加えた後,ヘキサメチレンテトラミン溶液を用いて溶

液の pH を 4.8∼5.0 に調節する。

d)

キシレノールオレンジ溶液[5.2o)]1ml を指示薬として加えた後,0.05mol/l 亜鉛標準溶液[5.2n)]で滴定し,

溶液の色が黄色から赤紫になった点を終点とする。

(

5

) EDTA2Na

溶液[5.2i)]の添加量は,試料中の鉄含有率に応じて

2による。

表 2  EDTA2Na 溶液[5.2i)]添加量

試料中の鉄含有率

% (m/m)

EDTA2Na

溶液[5.2i)]添加量

ml

0.3

  以上  2.0  未満 10.00

2.0

  以上  5.0  未満 20.00

5.0

  以上  7.5  以下 30.00

5.5

空試験  試薬だけを用いて,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

5.6

計算  試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。

(

)

100

793

002

.

0

2

1

×

×

m

V

V

Fe

ここに,  Fe:  試料中の鉄含有率 [% (m/m)]  

V

1

:  空試験での 0.05mol/l 亜鉛標準溶液[5.2n)]の使用量 (ml)

V

2

:  試料溶液での 0.05mol/l 亜鉛標準溶液[5.2n)]の使用量 (ml)

m

:  試料はかり取り量 (g)

6.

スルホサリチル酸吸光光度法

6.1

要旨  試料を硝酸で分解する。すずが含まれる場合には,臭化水素酸を加え,すずを臭化すずとし

て揮散させる。アンモニア水と硝酸を用いて pH を調節した後,スルホサリチル酸を加えてスルホサリチ

ル酸鉄錯体を生成させ,光度計を用いてその吸光度を測定する。

6.2

試薬  試薬は,次による。

a)

硝酸 (1+1,1+3)  

b)

臭化水素酸

c)

硫酸 (1+1)

d)

アンモニア水 (1+1,1+3)  

e)

銅  99.96% (m/m)  以上で,鉄を含有しないもの又は鉄含有率が低く既知のもの。

f)

亜鉛  99.9% (m/m)  以上で,鉄を含有しないもの又は鉄含有率が低く既知のもの。

g)

ニッケル  99.9% (m/m)  以上で,鉄を含有しないもの又は鉄含有率が低く既知のもの。

h)

スルホサリチル酸溶液  スルホサリチル酸二水和物 10g を水に溶解し,水で液量を 100ml とし,アン

モニア水 (1+3)  で pH を 2.0∼2.5 に調節する。

i)

標準鉄溶液 (200

µgFe/ml)    鉄[99.9% (m/m) 以上]0.200g をはかり取り,ビーカー (200ml) に移し

入れ,時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 10ml を加え,加熱して分解し,さらに加熱を続けて窒素酸化物を

除く。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液


8

H 1054 : 2002

を 1 000ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて標準鉄溶液とする。

6.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,試料中の鉄含有率に応じて表 による。

表 3  試料はかり取り量

試料中の鉄含有率

% (m/m)

試料はかり取り量

g

0.06

以上 1.0 未満 1.00

1.0

以上 6.0 以下 0.50

6.4

操作

6.4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。

a)

すずを含まない試料の場合

1)

試料をはかり取って,ビーカー (200ml) に移し入れる。

2)

時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 15m1 を加え,加熱して分解し,さらに加熱して窒素酸化物を除く。室

温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く(

6

)

3)

硫酸 (1+1) 20ml を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させる。放冷した後,水約 20ml を少量ずつ加

える。溶液をろ紙(5 種 B)でろ過し,温水で十分に洗浄し,ろ液と洗液とを合わせ,加熱して液

量が約 50ml になるまで濃縮した後,室温まで冷却する。

(

6

)

けい素及び鉛を含有しない試料の場合には,次の3)の操作は行わない。

b)

すずを含む試料の場合

1)

試料をはかり取って,ビーカー (200ml) に移し入れる。

2)

時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 15ml を加え,加熱して分解し,さらに加熱して窒素酸化物を除く。室

温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く。硫酸 (1+1)

20ml

を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させる。

3)

放冷した後,臭化水素酸 15ml を加え,穏やかに加熱して硫酸の白煙を発生させる。放冷した後,

ビーカーの内壁を少量の水で洗って,さらに加熱して硫酸の白煙が発生しなくなるまで乾固する。

放冷した後,ビーカーの内壁を少量の水で洗い,水約 20ml を加え,加熱して塩類を溶解し(

7

)

,室

温まで冷却する。

(

7

)

沈殿が認められる場合には,溶液をろ紙(5種 B)でろ過した後,温水で十分に洗浄し,ろ液と

洗液とを合わせ,加熱して液量が約50ml になるまで濃縮する。

6.4.2

呈色  呈色は,次のいずれかの手順によって行う。

a)

試料中の鉄含有率が 0.06% (m/m)  以上 0.2% (m/m)  未満の場合

1)

6.4.1a)

の 2)若しくは 3)又は 6.4.1b)3)で得た溶液に水酸化物の沈殿が生成し始めるまでアンモニア水

(1

+1)  を加えた後,硝酸 (1+3)  及びアンモニア水 (1+3)  を用いて pH を 2.0∼2.5 に調節する。

2)

溶液を 100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,スルホサリチル酸溶液[6.2h)]3.0ml を加えた後,

水で標線まで薄め,約 15 分間静置する。

b)

試料中の鉄含有率が 0.2% (m/m)  以上 6.0% (m/m)  以下の場合

1)

6.4.1a)

の 2)若しくは 3)又は 6.4.1b)3)で得た溶液を 100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水

で標線まで薄める。この溶液を鉄量が 0.5∼2.0mg になるようにビーカー (200ml) に分取し,水で液

量を約 50ml とする。

2)

溶液に水酸化物が生成し始めるまでアンモニア水 (1+1)  を加えた後,硝酸 (1+3)  及びアンモニア

水 (1+3)  を用いて pH を 2.0∼2.5 に調節する。


9

H 1054 : 2002

3)

a)2)

の操作を行う。

6.4.3

吸光度の測定  6.4.2 の a)2)又は b)3)で得た溶液の一部を光度計の吸収セル (10mm) に取り,水を

対照液として,波長 545nm 付近の吸光度を測定する。

6.5

空試験  空試験は,次のいずれかによる。

a)

6.4.2a)

によって呈色させる場合  6.6a)の検量線作成操作において得られる標準鉄溶液を添加しない溶

液の吸光度を,空試験の吸光度とする。

b)

  6.4.2b)

によって呈色させる場合  6.6b)の検量線作成操作において得られる標準鉄溶液を添加しない

溶液の吸光度を,空試験の吸光度とする。

6.6

検量線の作成  検量線の作成は,次のいずれかの手順によって行う。

a)

6.4.2a)

によって呈色させる場合

1)

銅[6.2e)],亜鉛[6.2f)]及びニッケル[6.2g)]をはかり取った試料中に含まれる量と 10mg のけたまで同

じになるように数個はかり取り,その各々を数個のビーカー (200ml) に移し入れ,6.4.1a)2)の操作

を行う。

2)

溶液に,標準鉄溶液[6.2i)]0∼10.0ml(鉄として 0∼2000

µg)を段階的に加え,以下,6.4.2b)2)6.4.3

の手順に従って操作し,得た吸光度と鉄量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平

行移動して検量線とする。

b)

  6.4.2b)

によって呈色させる場合

1)

a)1)

の操作を行う。

2)

溶液を 100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めた後,6.4.2b)1)で分取した

試料溶液と同量をビーカー (200ml) に分取し,水で液量を約 50ml とする。

3)

a)2)

の操作を行う。

6.7

計算  計算は,次のいずれかによる。

a)

6.4.2a)

によって呈色させた場合  6.4.3 及び 6.5a)で得た吸光度と,6.6a)で作成した検量線とから鉄量を

求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。

(

)

100

3

2

1

×

m

A

A

A

Fe

ここに,  Fe:  試料中の鉄含有率 [% (m/m)]  

A

1

:  試料溶液中の鉄検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の鉄検出量 (g)

A

3

:  6.6a)1)ではかり取った銅[6.2e)],亜鉛[6.2f)]及びニッケル

[6.2g)]

中に含まれる鉄の合量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

b)

  6.4.2b)

によって呈色させた場合  6.4.3 及び 6.5b)で得た吸光度と,6.6b)で作成した検量線とから鉄量

を求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。

100

100

100

3

2

1

×

×

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

B

m

B

A

A

A

Fe

ここに,  Fe:  試料中の鉄含有率 [% (m/m)]  

A

1

:  分取した試料溶液中の鉄検出量 (g)

A

2

:  分取した空試験液中の鉄検出量 (g)

A

3

6.6b)1)

ではかり取った銅[

6.2e)

]

,亜鉛[

6.2f)

]

及びニッケル


10

H 1054 : 2002

[

6.2g)

]

中に含まれる鉄の合量 (g)

B

6.4.2b)1)

で分取した試料溶液及び

6.6b)2)

で分取した空試験液

の量 (ml)

m

:  試料はかり取り量 (g)

7.

塩化物抽出分離 1,10-フェナントロリン吸光光度法

7.1

要旨

  試料を塩酸と過酸化水素とで分解し,塩酸濃度を調節した後,4-メチル-2-ペンタノンで鉄 (III)

の塩化物錯体を抽出する。有機相を塩酸で洗浄した後,鉄 (III) を L (+) -アスコルビン酸で還元して水で

逆抽出する。1,10-フェナントロリンを加えて 1,10-フェナントロリン鉄 (II) 錯体を生成させ,光度計を用

いて,その吸光度を測定する。

7.2

試薬

  試薬は,次による。

a)

塩酸

b)

塩酸 (7+3,1+1)

c)

ふっ化水素酸

d)

過酸化水素

e)

 L

(

+) -アスコルビン酸溶液 (10g/l)

  使用の都度,調製する。

f)

 1,10-

フェナントロリン溶液  1,10-フェナントロリン塩酸塩一水和物 0.2g をビーカー (200ml) に取り,

酢酸 4ml を加えて溶解した後,酢酸アンモニウム 32g 及び水 80ml を加え,酢酸アンモニウムを溶解

する。アンモニア水及び酢酸を用いて pH を 6.4∼6.6 に調節した後,水で液量を 100ml とする。

g)

 4-

メチル-2-ペンタノン

h)

ヘキサン

i)

標準鉄溶液 (10

µgFe/ml)

  鉄[99.5% (m/m)  以上]0.100g をはかり取り,ビーカー (200ml) に移し入

れ,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 40ml を加え,加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下

面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 1 000ml の全量フラスコに水を用いて

移し入れ,水で標線まで薄めて原液 (100

µgFe/ml)  とする。この原液を使用の都度,必要量だけ水で

正確に 10 倍に薄めて標準鉄溶液とする。

7.3

試料はかり取り量

  試料はかり取り量は,試料中の鉄含有率に応じて

表 4

による。

表 4  試料はかり取り量

試料中の鉄含有率

% (m/m)

試料はかり取り量

g

0.000 1

以上 0.004 未満 5.00

0.004

以上 0.04  未満 2.00

0.04

以上 0.4  以下 0.20

7.4

操作

7.4.1

試料溶液の調製

  試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。

a)

試料中の鉄含有率が 0.004% (m/m)  未満の場合

1)

試料をはかり取って,ビーカー (300ml)

(

8

)

に移し入れ,時計皿

(

8

)

で覆う。

2)

塩酸 (7+3) 40ml を加え,

流水で冷却しながら過酸化水素 40ml を少量ずつ加え,

完全に分解する

(

9

)

3)

穏やかに煮沸して過酸化水素を分解した後,常温まで冷却する。時計皿の下面及びビーカーの内壁

を塩酸 (1+1)  で洗って時計皿を取り除く。

4)

溶液を分液漏斗 (200ml) に塩酸 (1+1)  を用いて移し入れ,塩酸 (1+1)  で液量を 100ml とする。


11

H 1054 : 2002

(

8

)

試料が鋳物用シルジン青銅合金地金 (CACIn803) 及びシルジン青銅鋳物 (CAC803) の場合に

は,ビーカー (300ml) 及び時計皿は,四ふっ化エチレン樹脂製又はポリエチレン製のものを用

いる。

(

9

)

(

8

)

を適用した場合には,更にふっ化水素酸 2ml を加えて完全に分解した後,溶液をビーカー

(300ml)

に水を用いて移し入れる。

b)

試料中の鉄含有率が 0.004% (m/m)  以上 0.4% (m/m)  以下の場合

1)

a)

1)

3)

の手順に従って操作する。

2)

溶液を 100ml の全量フラスコに塩酸 (1+1)  を用いて移し入れ,塩酸 (1+1)  で標線まで薄めた後,

分液漏斗 (200ml) に正確に 25ml 分取する。

7.4.2

鉄の抽出

  鉄の抽出は,次の手順によって行う。

a)

7.4.1

a)4)

又は

b)2)

で得た分液漏斗中の溶液に 4-メチル-2-ペンタノン 20ml を加え,15 秒間激しく振

り混ぜる。静置して 2 相に分離した後,水相(下層)を捨てる。

b)

有機相に塩酸 (1+1) 20ml を加え,15 秒間激しく振り混ぜる。静置して 2 相に分離した後

(

10

)

,水相(下

層)を捨てる。この操作を更に 2 回繰り返す。

c)

 L

(

+) -アスコルビン酸溶液[

7.2e)

]10ml

を加えた後,20 秒間激しく振り混ぜる。静置して 2 相に分離し

た後,水相(下層)を 50ml の全量フラスコに少量の水を用いて移し入れ,保存する。

d)

有機相に L (+) -アスコルビン酸溶液[

7.2e)

]10ml

を加えた後,20 秒間激しく振り混ぜる。静置して 2

相に分離した後,水相(下層)を

c)

で保存してある全量フラスコに少量の水を用いて移し入れる。有

機相は捨てる。

(

10

)

相分離が悪い場合には,ヘキサン2ml を加え,振り混ぜる。

7.4.3

呈色

7.4.2d)

で得た全量フラスコ中の溶液に 1,10-フェナントロリン溶液[

7.2f)

]5.0ml

を加えて振り

混ぜ,水で標線まで薄める。

7.4.4

吸光度の測定

7.4.3

で得た溶液の一部を光度計の吸収セル (10mm) に取り,水を対照液として波

長 510nm 付近の吸光度を測定する

(

11

)

(

11

)

7.4.3

の操作終了後,30分以内に吸光度を測定する。

7.5

空試験

  試薬だけを用いて,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

7.6

検量線の作成

  標準鉄溶液[

7.2i)

]0

∼20.0ml(鉄として 0∼200

µg)を段階的に数個の 50ml の全量フラ

スコに取る。それぞれに L (+) -アスコルビン酸溶液[

7.2e)

]20ml

を加え,振り混ぜる。1 分間静置した後,

1,10-

フェナントロリン溶液[

7.2f)

]5.0ml

を加え,水で標線まで薄める。30 分以内に,溶液の一部を光度計の

吸収セル (10mm) に取り,水を対照液として波長 510nm 付近の吸光度を測定し,得た吸光度と鉄量との関

係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

7.7

計算

  計算は,次のいずれかによる。

a)

7.4.1a)

によって試料溶液を調製した場合

7.4.4

及び

7.5

で得た吸光度と

7.6

で作成した検量線とから

鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。

100

2

1

×

m

A

A

Fe

ここに,  Fe:  試料中の鉄含有率 [% (m/m)]  

A

1

:  試料溶液中の鉄検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の鉄検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)


12

H 1054 : 2002

b)

7.4.1b)

によって試料溶液を調製した場合

7.4.4

及び

7.5

で得た吸光度と

7.6

で作成した検量線とから

鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。

100

100

25

2

1

×

×

m

A

A

Fe

ここに,  Fe:  試料中の鉄含有率 [% (m/m)]  

A

1

:  分取した試料溶液中の鉄検出量 (g)

A

2

:  分取した空試験液中の鉄検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

8.

原子吸光法

8.1

要旨

  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレー

ム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

8.2

試薬

  試薬は,次による。

a)

塩酸 (1+9)

b)

混酸(塩酸 1,硝酸 1,水 2)  使用の都度,調製する。

c)

銅溶液 (20mgCu/ml)

  銅[99.96% (m/m)  以上]10.0g をはかり取ってビーカー (300ml) に移し入れ,

時計皿で覆い,混酸[

b)

]200ml

を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下

面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500ml の全量フラスコに水を用いて移

し入れ,水で標線まで薄める。

d)

亜鉛溶液

(20mgZn/ml)

  亜鉛[99.9% (m/m)  以上]10.0g をはかり取ってビーカー (300ml) に移し入

れ,時計皿で覆い,混酸[

b)

]200ml

を数回に分けて加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却し

た後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500ml の全量フラス

コに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

e)

ニッケル溶液 (20mgNi/ml)

  ニッケル[99.9% (m/m)  以上]10.0g をはかり取ってビーカー (300ml) に

移し入れ,時計皿で覆い,混酸[

b)

]200ml

を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500ml の全量フラスコに水

を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

f)

鉛溶液 (20mgPb/ml)

  鉛[99.9% (m/m)  以上]10.0g をはかり取ってビーカー (500ml) に移し入れ,

時計皿で覆い,硝酸 (1+4) 250ml を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿

の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500ml の全量フラスコに水を用い

て移し入れ,水で標線まで薄める。

g)

すず溶液 (20mgSn/ml)

  すず[99.9% (m/m)  以上]10.0g をはかり取ってビーカー (500ml) に移し入

れ,時計皿で覆い,塩酸 225ml 及び硝酸 75ml を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却し

た後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500ml の全量フラス

コに塩酸 (1+1)  を用いて移し入れ,塩酸 (1+1)  で標線まで薄める。

h)

アルミニウム溶液 (20mgAl/ml)

  アルミニウム[99.9% (m/m) 以上]10.0g をはかり取ってビーカー

(500ml)

に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 200ml 及び銅溶液[

c)

]1ml

を加え,穏やかに加熱して

分解する。硝酸 (1+1) 2ml を加え,加熱して完全に分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及

びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500ml の全量フラスコに水を用いて移し入


13

H 1054 : 2002

れ,水で標線まで薄める。

i)

マンガン溶液 (20mgMn/ml)

  マンガン[99.9% (m/m) 以上]10.0g をはかり取ってビーカー (500ml)

に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 300ml を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却し

た後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500ml の全量フラス

コに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

j)

標準鉄溶液 A (1 000

µgFe/ml)

  鉄[99.5% (m/m)  以上]1.000g をはかり取ってビーカー (300ml) に移

し入れ,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 30ml 及び硝酸 5ml を加え,穏やかに加熱して分解する。常温ま

で冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 1 000ml の

全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて標準鉄溶液 A とする。

k)

標準鉄溶液 B (100

µgFe/ml)

  標準鉄溶液 A[

j)

]

を使用の都度,必要量だけ水で正しく 10 倍に薄めて標

準鉄溶液 B とする。

8.3

試料はかり取り量

  試料はかり取り量は,1.00g とする。

8.4

操作

8.4.1

試料溶液の調製

  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取ってビーカー (200ml) に移し入れる。

b)

時計皿で覆い,混酸[

7.2b)

]20ml

を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の

下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く

(

12

)

c)

溶液を 100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める

(

13

)

d)

この溶液を

表 5

の分取量に従って 100ml の全量フラスコに分取し,塩酸 (1+9)  で標線まで薄める。

(

12

)

けい酸の沈殿が析出した場合には,溶液をろ紙(5種 A)でろ過した後,水でろ紙を洗浄し,ろ

液と洗液とを合わせる。

(

13

)

試料中の鉄含有率が 0.01% (m/m)  以上 0.2% (m/m)  未満の場合には,

次の

d)

の操作は行わない。

表 5  分取量

試料中の鉄含有率

% (m/m)

分取量

ml

0.2

以上  1.0 未満 20.0

1.0

以上  6.0 以下 10.0

8.4.2

吸光度の測定

8.4.1

c)

又は

d)

で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度

計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 248.3nm 又は 372.0nm における吸光度を測定する。

8.5

空試験

  試薬だけを用いて,

8.4.1

及び

8.4.2

の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う

(

14

)

(

14

)

8.4.1d)

で試料溶液を分取する場合には,空試験液も試料溶液と同量分取する。

8.6

検量線の作成

  検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)

試料用検量線の作成

1)

銅溶液[

8.2c)

]

,亜鉛溶液[

8.2d)

]

,ニッケル溶液[

8.2e)

]

,鉛溶液[

8.2f)

]

,すず溶液[

8.2g)

]

,アルミニウム

溶液[

8.2h)

]

及びマンガン溶液[

8.2i)

]

を,その銅,亜鉛,ニッケル,鉛,すず,アルミニウム及びマン

ガンの量が

8.4.1a)

ではかり取った試料中の銅,亜鉛,ニッケル,鉛,すず,アルミニウム及びマン

ガンの量と 10mg のけたまで等しくなるように数個の 100ml の全量フラスコに取る。

2)

水で標線まで薄めた後,各溶液を

8.4.1d)

で分取した試料溶液と同量ずつ分取し,それぞれ 100ml の

全量フラスコに移し入れる

(

15

)

3)

標準鉄溶液 A[

8.2j)

]

及び/又は標準鉄溶液 B[

8.2k)

]

の各種液量(鉄として 0∼6 000

µg)を段階的に正


14

H 1054 : 2002

確に加え,塩酸 (1+9)

(

16

)

で標線まで薄める。

4)

各溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴

霧し,波長 248.3nm 又は 372.0nm における吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度と鉄量との

関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

(

15

)

(

13

)

を適用した場合には,この

2)

の操作は行わない。

(

16

)

(

13

)

を適用した場合には,塩酸 (1+9)  の代わりに水を用いる。

b)

空試験用検量線の作成

  数個の 100ml の全量フラスコに混酸[

8.2b)

]20ml

を取る。以下,

a)

2)

4)

手順に従って操作する。

8.7

計算

  計算は,次のいずれかによる。

a)

8.4.1d)

の操作を行わなかった場合

8.4.2

及び

8.5

で得た吸光度と

8.6

a)

及び

b)

で作成した検量線と

から,それぞれ鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。

100

2

1

×

m

A

A

Fe

ここに,  Fe:  試料中の鉄含有率 [% (m/m)]  

A

1

:  試料溶液中の鉄検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の鉄検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

b)

8.4.1d)

の操作を行った場合

8.4.2

及び

8.5

で得た吸光度と

8.6

a)

及び

b)

で作成した検量線とから,

それぞれ鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。

100

100

2

1

×

×

B

m

A

A

Fe

ここに,  Fe:  試料中の鉄含有率 [% (m/m)]  

A

1

:  分取した試料溶液中の鉄検出量 (g)

A

2

:  分取した空試験液中の鉄検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

B

8.4.1d)

で分取した試料溶液及び空試験液の量 (ml)

9.

ICP

発光分光法

9.1

要旨

  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,溶液を ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧

し,その発光強度を測定する。

9.2

試薬

  試薬は,次による。

a)

塩酸 (1+9)

b)

混酸(塩酸 2,硝酸 1,水 2)  使用の都度調製する。

c)

銅  99.96% (m/m)  以上で,鉄を含有しないもの又は鉄含有率が低く既知のもの。

d)

亜鉛  99.9% (m/m)  以上で,鉄を含有しないもの又は鉄含有率が低く既知のもの。

e)

ニッケル  99.9% (m/m)  以上で,鉄を含有しないもの又は鉄含有率が低く既知のもの。

f)

鉛  99.9% (m/m)  以上で,鉄を含有しないもの又は鉄含有率が低く既知のもの。

g)

すず  99.9% (m/m)  以上で,鉄を含有しないもの又は鉄含有率が低く既知のもの。

h)

アルミニウム  99.9% (m/m)  以上で,鉄を含有しないもの又は鉄含有率が低く既知のもの。

i)

マンガン  99.9% (m/m)  以上で,鉄を含有しないもの又は鉄含有率が低く既知のもの。

j)

標準鉄溶液 (500

µgFe/ml)

  鉄[99.9% (m/m) 以上]0.500g をはかり取り,ビーカー (200ml) に移し


15

H 1054 : 2002

入れ,塩酸 (1+1) 30ml を加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。硝酸 1ml を加え,加熱して鉄を

酸化し,更に加熱して窒素酸化物を除く。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を

水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 1 000ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで

薄めて標準鉄溶液とする。

9.3

試料はかり取り量

  試料はかり取り量は,0.50g とする。

9.4

操作

9.4.1

試料溶液の調製

  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取って,ビーカー (200ml) に移し入れる。

b)

時計皿で覆い,混酸[

9.2b)

]30ml

を加え,加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及び

ビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く

(

12

)

c)

溶液を 100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める

(

17

)

d)

この溶液から 10.0ml を 100ml の全量フラスコに分取し,塩酸 (1+9)  で標線まで薄める。

(

17

)

試料中の鉄含有率が0.01% (m/m)  以上0.5% (m/m)  未満の場合には,次の

d)

の操作は行わない。

9.4.2

発光強度の測定

9.4.1

c)

又は

d

で得た溶液の一部を,ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中

に噴霧し,波長 238.204nm 又は 259.940nm の発光強度を測定する

(

18

)

(

18

)

精度及び真度を確認してあれば高次のスペクトル線を用いてもよく,バックグラウンド補正機

構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。

9.5

空試験

  空試験は,次のいずれかによる。

a)

9

41d)の操作を行わない場合

9.6a)

の検量線作成操作において得られる標準鉄溶液を添加しない溶

液の発光強度を,空試験の発光強度とする。

b)

9

41d)の操作を行う場合

9.6b)

の検量線作成操作において得られる標準鉄溶液を添加しない溶液の

発光強度を,空試験の発光強度とする。

9.6

検量線の作成

  検量線の作成は,次のいずれかの手順によって行う。

a)

9.4.1d)

の操作を行わない場合

1)

銅[

9.2c)

]

,亜鉛[

9.2d)

]

,ニッケル[

9.2e)

]

,鉛[

9.2f)

]

,すず[

9.2g)

]

,アルミニウム[

9.2h)

]

及びマンガン[

9.2i)

]

を 0.50g の試料中に含まれる量と 10mg のけたまで等しくなるように,それぞれ数個はかり取り,

数個のビーカー (200ml) に移し入れる。

2)

9.4.1b)

の操作を行った後,標準鉄溶液[

9.2j)

]0

∼5.0ml(鉄量として 0∼2 500

µg)を段階的に加える。

溶液を 100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

3)

溶液の一部を ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長 238.204nm 又は 259.940nm の

発光強度を試料と並行して測定し

(

18

)

,得た発光強度と鉄量との関係線を作成し,その関係線を原点

を通るように平行移動して検量線とする。

b)

9.4.1d)

の操作を行う場合

1)

銅[

9.2c)

]

,亜鉛[

9.2d)

]

,ニッケル[

9.2e)

]

,鉛[

9.2f)

]

,すず[

9.2g)

]

,アルミニウム[

9.2h)

]

及びマンガン[

9.2i)

]

を 0.50g の試料中に含まれる量と 10mg のけたまで等しくなるように,それぞれ数個はかり取り,

数個のビーカー (200ml) に移し入れる。

2)

9.4.1

b)

及び

c)

の手順に従って操作した後,溶液を 10.0ml ずつ数個の 100ml の全量フラスコに分

取し,標準鉄溶液[

9.2j)

]0

∼6.0ml(鉄量として 0∼3 000

µg)を段階的に加え,塩酸 (1+9)  で標線ま

で薄める。

3)

溶液の一部を ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長 238.204nm 又は 259.940nm の


16

H 1054 : 2002

発光強度を試料と並行して測定し

(

18

)

,得た発光強度と鉄量との関係線を作成し,その関係線を原点

を通るように平行移動して検量線とする。

9.7

計算

  計算は,次のいずれかによる。

a)

9.4.1d)

の操作を行わなかった場合

9.4.2

及び

9.5a)

で得た発光強度と,

9.6a)

で作成した検量線とから

鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。

(

)

100

3

2

1

×

m

A

A

A

Fe

ここに,  Fe:  試料中の鉄含有率 [% (m/m)]  

A

1

:  試料溶液中の鉄検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の鉄検出量 (g)

A

3

9.6a)1)

ではかり取った銅[

9.2c)

]

,亜鉛[

9.2d)

]

,ニッケル[

9.2e)

]

鉛[

9.2f)

]

,すず[

9.2g)

]

,アルミニウム[

9.2h)

]

及びマンガン[

9.2i)

]

中に含まれる鉄の合量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

b)

9.4.1d)

の操作を行った場合

9.4.2

及び

9.5b)

で得た発光強度と,

9.6b)

で作成した検量線とから鉄量を

求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。

100

100

10

100

10

3

2

1

×

×

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

m

A

A

A

Fe

ここに,  Fe:  試料中の鉄含有率 [% (m/m)]  

A

1

:  分取した試料溶液中の鉄検出量 (g)

A

2

:  分取した空試験液中の鉄検出量 (g)

A

3

9.6b)1)

ではかり取った銅[

9.2c)

]

,亜鉛[

9.2d)

]

,ニッケル[

9.2e)

]

鉛[

9.2f)

]

,すず[

9.2g)

]

,アルミニウム[

9.2h)

]

及びマンガン[

9.2i)

]

中に含まれる鉄の合量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)


 

17

H

 1054 :

 20
02

附属書(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

JIS H 1054

:銅及び銅合金中の鉄定量方法

ISO 1812

:1976 銅合金−鉄の 1,10-フェナントロリン吸光光度法

ISO 4748

:1984 銅合金−Na2EDTA 滴定法

 (I) JIS

の規定

(III)

国際規格の規定

(IV)

JIS

と国際規格との技術的差

異の項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:本体

表示方法:点線の下線

項目

番号

内容

 (II)

国際

規格番号

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

 (V) JIS

と国際規格との技術的

差異の理由及び今後の対策

ISO 1812 1.

銅合金中の鉄定量方法を規定

1.

適 用

範囲

銅及び銅合金(伸銅品,鋳物用地金及
び鋳物)中の鉄定量方法を規定

ISO 4748 1.

銅合金中の鉄定量方法を規定

MOD/

追加

ISO

を包含し,すべて

の伸銅品及び鋳 物を

対象としている。

2.

引 用

規格

JIS H 1012

銅及び銅合金の分析方法通

則を引用

ISO

には規定されていない。 MOD/追加

3.

一 般

事項

分析の一般事項は JIS H 1012 による
ことを規定

ISO

には規定されていない。 MOD/追加

a)

塩化物抽出分離エチレンジアミン
四酢酸二水素二ナトリウム・亜鉛

逆滴定法

0.3

≦Fe≦7.5

ISO 4748 2.

及び

5.

Na2EDTA

滴定法

定量範囲規定なし

MOD/

変更

b)

スルホサリチル酸吸光光度法

0.06

≦Fe≦6.0

ISO

には規定されていない。 MOD/追加

c)

塩化物抽出分離 1,10-フェナント

ロリン吸光光度法

0.0001

≦Fe≦0.4

ISO 1812 2.

及び

7.

1,10-

フェナントロリン吸光光

度法

Fe

≦0.4

MOD/

変更

d)

原子吸光法

0.01

≦Fe≦6.0

ISO

には規定されていない。 MOD/追加

4.

定 量

方 法 の

区分

e) ICP

発光分光法

0.01

≦Fe≦6.0

ISO

には規定されていない。 MOD/追加

ISO

では規定してい

ない定量方法を 追加

した。

定量方法は,濃度範囲や対応設
備の有無などから適切な方法

が選択されるべきであるので
一つに限定することは好まし
くない。したがって,従来から

規定されていた JIS の定量方法
及び最新の機器による定量方
法を追加した。

ISO

を包含した五つの定量方

法を規定しており,状況に応じ
ていずれかを選択して使用が

できる。したがって,国際的に
も,何ら問題ないので JIS だけ
に規定された定量方法を ISO

へ提案することは当面行わな
い。


18

H

 1054 :

 20
02

 (I) JIS

の規定

(III)

国際規格の規定

(IV)

JIS

と国際規格との技術的差

異の項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:本体 
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項目 
番号

内容

 (II)

国際

規格番号

項目 
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

 (V) JIS

と国際規格との技術的

差異の理由及び今後の対策

5.

塩 化

物 抽 出
分 離 エ

チ レ ン
ジ ア ミ
ン 四 酢

酸 二 水
素 二 ナ
ト リ ウ

ム ・ 亜
鉛 逆 滴
定法

試料をそのすず含有率に応じて塩酸
と過酸化水素,又は塩酸と硝酸とで分
解し,すずが多く含まれる場合には,

臭化水素酸を加え,すずを臭化すずと
して揮散させる。塩酸の濃度を調節し
た後,4-メチル-2-ペンタノンで鉄 (III)

の塩化物錯体を抽出する。有機相に
水,塩酸及びエタノールを加えて均一
な溶液とする。ふつ化アンモニウム,

チオ尿素及び過剰のエチレンジアミ
ン四酢酸二水素二ナトリウム(以下,

EDTA2Na

という。)を加えた後,pH

を調節し,亜鉛標準溶液で逆滴定す
る。

ISO 4748 2.

JIS

に同じ IDT

技術的内容は一 致し
ている。

6.

ス ル

ホ サ リ
チ ル 酸

吸 光 光
度法

試料を硝酸で分解する。すずが含まれ
る場合には,臭化水素酸を加え,すず
を臭化すずとして揮散させる。アンモ

ニア水と硝酸を用いて pH を調節した
後,スルホサリチル酸を加えてスルホ
サリチル酸鉄錯体を生成させ,光度計

を用いてその吸光度を測定する。

− MOD/追加

ISO

では規定してい

ない定量方法を 追加
した。

ISO

に規定がなくても,何ら問

題はないので,当面 ISO に提案
することは見送る。


 

19

H

 1054 :

 20
02

 (I) JIS

の規定

(III)

国際規格の規定

(IV)

JIS

と国際規格との技術的差

異の項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:本体

表示方法:点線の下線

項目

番号

内容

 (II)

国際

規格番号

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

 (V) JIS

と国際規格との技術的

差異の理由及び今後の対策

7.

塩 化

物 抽 出

分 離 1,

10-

フェ

ナ ン ト

ロ リ ン
吸 光 光
度法

試料を塩酸と過酸化水素とで分解し,
塩酸濃度を調節した後,4-メチル-2-ペ

ンタノンで鉄 (III) の塩化物錯体を抽
出する。有機相を塩酸で洗浄した後,
鉄 (III) を L (+) -アスコルビン酸で還

元して水で逆抽出する。1,10-フェナン
トロリンを加えて 1,10-フェナントロ
リン鉄 (II) 錯体を生成させ,光度計を

用いて,その吸光度を測定する。

ISO 1182 2.

JIS

に同じ IDT

技術的内容は一 致し
ている。

8.

原 子

吸光法

試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し

た後,溶液を原子吸光光度計の空気・
アセチレンフレーム中に噴霧し,その
吸光度を測定する。

− MOD/追加

ISO

では規定してい

ない定量方法を 追加
した。

ISO

に規定がなくても,何ら問

題はないので,当面 ISO に提案
することは見送る。

9. ICP

発 光 分
光法

試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,
溶液を ICP 発光分光装置のアルゴンプ
ラズマ中に噴霧し,その発光強度を測

定する。

− MOD/追加

ISO

では規定してい

ない定量方法を 追加
した。

ISO

で採用の動きがあり,様子

見とする。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

− IDT……………… 技術的差異がない。

− MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。

2. JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

− MOD……………  国際規格を修正している。


20

H 1054 : 2002

伸銅品分析

JIS

原案作成本委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

佐  山  恭  正

日本新金属株式会社技術開発部

小  熊  幸  一

千葉大学工学部

藤  沼      弘

東洋大学工学部

大河内  春  乃

東京理科大学理学部

橋  本      進

財団法人日本規格協会

宮  田  恵  守 NTT 東日本株式会社

佐  藤  秀  樹

日本電子材料工業会

矢  岡      隆

日本鉱業協会技術部兼環境保安部

福  島      茂

富士通分析ラボ株式会社分析部

田  口  克  徳

株式会社コベルコ科研関門事業所

関  根  孝  雄

三菱マテリアル株式会社総合研究所

小  林  秀  章

日本青銅株式会社技術部

豊  嶋  雅  康

住友軽金属工業株式会社研究開発センター

束  原      巌

元古河電気工業株式会社

久留須  一  彦

古河電気工業株式会社横浜研究所

小  松  孝  之

日鉱金属株式会社技術開発センター

(事務局)

藤  沢      裕

日本伸銅協会技術部

備考:○印を付してある者は,分科会委員も兼ねる。

日本工業標準調査会標準部会  非鉄金属技術専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

神  尾  彰  彦

東京工業大学

(委員)

藍  田      勲

株式会社神戸製鋼所

有  川  彰  一

財団法人日本船舶標準協会

一  瀬      明

住友金属鉱山株式会社

今  福      豊

日本伸銅協会

碓  井  栄  喜

社団法人軽金属学会

齋  藤  鐡  哉

独立行政法人物質・材料研究機構

酒  井  勝  之

社団法人日本アルミニウム協会

中  村      守

独立行政法人産業技術総合研究所

西  村      尚

東京都立大学工学部機械工学科

平  山  晴  彦

日本鉱業協会

村  上  陽  一

社団法人日本電機工業会

柳  沢  健  史

古河電気工業株式会社

山  田  桑太郎

社団法人日本鉄道車輌工業会