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H 1053

:2009

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  一般事項

1

4

  定量方法の区分

1

5

  二酸化鉛電解重量法

6

5.1

  要旨

6

5.2

  試薬

6

5.3

  器具

7

5.4

  試料はかりとり量

8

5.5

  操作

8

5.6

  計算

9

6

  すず分離二酸化鉛電解重量法

9

6.1

  要旨

9

6.2

  試薬

9

6.3

  器具

10

6.4

  試料はかりとり量

10

6.5

  操作

10

6.6

  計算

11

7

  原子吸光法

12

7.1

  要旨

12

7.2

  試薬

12

7.3

  試料はかりとり量

13

7.4

  操作

13

7.5

  空試験

13

7.6

  検量線の作成

14

7.7

  計算

14

8

  原子吸光法(ブラケット検量法)

15

8.1

  要旨

15

8.2

  試薬

15

8.3

  試料はかりとり量

15

8.4

  操作

16

8.5

  空試験

18

8.6

  計算

18

9

  臭化物・メチルトリオクチルアンモニウム抽出原子吸光法

19


H 1053

:2009  目次

(2)

ページ

9.1

  要旨

19

9.2

  試薬

19

9.3

  試料はかりとり量

20

9.4

  操作

20

9.5

  空試験

20

9.6

  検量線の作成

20

9.7

  計算

21

10

  ICP 発光分光法

21

10.1

  要旨

21

10.2

  試薬

21

10.3

  試料はかりとり量

21

10.4

  操作

22

10.5

  空試験

22

10.6

  検量線の作成

22

10.7

  計算

23

附属書 JA(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

25


H 1053

:2009

(3)

まえがき

この規格は,

工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,

日本伸銅協会(JCBA)

及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS H 1053:2003 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


H 1053

:2009  目次

(4)

白      紙


日本工業規格

JIS

 H

1053

:2009

銅及び銅合金中の鉛定量方法

Methods for determination of lead in copper and copper alloys

序文

この規格は,1984 年に第 1 版として発行された ISO 4749 を基に作成した日本工業規格であるが,技術

的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,1975 年に第 1 版として発行された ISO 3112 は,この規格の対応国際規格であるが,環境規制物

質であるシアン化カリウム及びオゾン層保護対策物質のクロロホルムを使用する方法なので,日本工業規

格として採用していない。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にない事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

1

適用範囲

この規格は,銅及び銅合金(伸銅品,形銅,鋳物用銅地金及び銅鋳物)中の鉛の定量方法について規定

する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 4749:1984

,Copper alloys−Determination of lead content−Flame atomic absorption spectrometric

method

(MOD)

なお,対応程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,修正していることを示

す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 1012

  銅及び銅合金の分析方法通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

3

一般事項

分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1012 による。

4

定量方法の区分

鉛の定量方法は,次のいずれかによる。

なお,日本工業規格に規定する銅及び銅合金に関する種類の合金番号又は種類の記号,及びそれぞれの

合金番号又は記号ごとの適用定量方法は,

表 による。


2

H 1053

:2009

a)

二酸化鉛電解重量法  この方法は,鉛含有率 0.5  %(質量分率)以上 5  %(質量分率)以下で,かつ,

電解液中に不溶解残さを生じるすず及びけい素の含有率が低い試料に適用する。

b)

すず分離二酸化鉛電解重量法  この方法は,鉛含有率 0.5  %(質量分率)以上 25  %(質量分率)以

下の試料に適用する。

c)

原子吸光法  この方法は,鉛含有率 0.005  %(質量分率)以上 7.0  %(質量分率)以下の試料に適用

する。

d)

原子吸光法(ブラケット検量法)  この方法は,鉛含有率 0.002  %(質量分率)以上 5.0  %(質量分率)

以下の試料に適用する。

e)

臭化物・メチルトリオクチルアンモニウム抽出原子吸光法  この方法は,鉛含有率 0.000 05  %(質量

分率)以上 0.002  %(質量分率)以下の試料に適用する。

f)

ICP

発光分光法  この方法は,鉛含有率 0.01  %(質量分率)以上 22  %(質量分率)以下の試料に適

用する。

表 1−適用定量方法

定量方法

合金番号

又は記号

対応規格

番号

(参考)

二酸化鉛

電解重量法

すず分離 
二酸化鉛

電解重量法

原子吸光法

原子吸光法
(ブラケッ

ト検量法)

臭化物・メチルトリ
オクチルアンモニウ

ム抽出原子吸光法

ICP

発光

分光法

C1011

JIS H 2123

JIS H 3510 

C1441

C1940

C2051

JIS H 3100 

b)

d)

C2100

JIS H 3100

JIS H 3260 

b)

d)

C2200

JIS H 3100

JIS H 3260

JIS H 3300 

b)

d)

C2300

JIS H 3100

JIS H 3260

JIS H 3300 

b)

d)

C2400

JIS H 3100

JIS H 3260 

b)

d)

C2600

JIS H 3100

JIS H 3250

JIS H 3260

JIS H 3300

JIS H 3320 

b)

d)

C2680

JIS H 3100

JIS H 3320 

b)

d)

C2700

JIS H 3250

JIS H 3260

JIS H 3300 

b)

d)

C2720

JIS H 3100

JIS H 3260 

b)

d)


3

H 1053

:2009

表 1−適用定量方法(続き)

定量方法

合金番号 
又は記号

対応規格

番号

(参考)

二酸化鉛

電解重量法

すず分離

二酸化鉛

電解重量法

原子吸光法

原子吸光法

(ブラケッ
ト検量法)

臭化物・メチルトリ

オクチルアンモニウ

ム抽出原子吸光法

ICP

発光

分光法

C2800

JIS H 3250

JIS H 3260

JIS H 3300 

b)

d)

C2801

JIS H 3100 

b)

d)

C3501

JIS H 3260 

C3560

JIS H 3100 

C3561

JIS H 3100 

C3601

JIS H 3250

JIS H 3260 

C3602

JIS H 3250

JIS H 3260 

C3603

JIS H 3250

JIS H 3260 

C3604

JIS H 3250

JIS H 3260 

C3605

JIS H 3250 

C3710

JIS H 3100 

C3712

JIS H 3250 

C3713

JIS H 3100 

C3771

JIS H 3250 

C4250

JIS H 3100 

b)

d)

C4430

JIS H 3100

JIS H 3300

JIS H 3320 

b)

d)

C4450

JIS H 3100

JIS H 3320 

b)

d)

C4621

JIS H 3100 

b)

d)

C4622

JIS H 3250 

b)

d)

C4640

JIS H 3100 

b)

d)

C4641

JIS H 3250 

b)

d)

C5050

JIS H 3110 

b)

d)

C5071

JIS H 3110

JIS H 3270 

b)

d)

C5102

JIS H 3110

JIS H 3270 

b)

d)

C5111

JIS H 3110

JIS H 3270 

b)

d)

C5191

JIS H 3110

JIS H 3270 

b)

d)

C5210

JIS H 3130 

b)

d)

C5212

JIS H 3110

JIS H 3270 

b)

d)

C5341

JIS H 3270 

C5441

JIS H 3270 


4

H 1053

:2009

表 1−適用定量方法(続き)

定量方法

合金番号 
又は記号

対応規格

番号

(参考)

二酸化鉛

電解重量法

すず分離

二酸化鉛

電解重量法

原子吸光法

原子吸光法

(ブラケッ
ト検量法)

臭化物・メチルトリ

オクチルアンモニウ

ム抽出原子吸光法

ICP

発光

分光法

C6140

JIS H 3100 

b)

C6161

JIS H 3100

JIS H 3250 

b)

d)

C6280

b)

d)

C6301

b)

d)

C6711

a)

C6712

JIS H 3100 

a)

C6782

C6783

JIS H 3250 

b)

d)

C6870

C6871

C6872

JIS H 3300 

b)

d)

C7060

JIS H 3100

JIS H 3300

JIS H 3320 

b)

d)

C7100

JIS H 3300 

b)

d)

C7150

JIS H 3100

JIS H 3300

JIS H 3320 

b)

d)

C7164

JIS H 3300 

b)

d)

C7250

JIS H 3100 

b)

d)

C7270

JIS H 3130 

b)

d)

C7351

JIS H 3110 

b)

d)

C7451

JIS H 3110

JIS H 3270 

b)

d)

C7521

JIS H 3110

JIS H 3270 

b)

d)

C7541

JIS H 3110

JIS H 3270 

b)

d)

C7701

JIS H 3130

JIS H 3270 

b)

d)

C7941

JIS H 3270 

CACIn201

b)

d)

CACIn202

CACIn203

CACIn301

b)

d)

CACIn302

b)

d)

CACIn303

b)

d)

CACIn304

b)

d)

CACIn401

c)

CACIn402

a)

b)

d)

CACIn403

a)

b)

d)

CACIn406

c)

CACIn407

JIS H 2202 


5

H 1053

:2009

表 1−適用定量方法(続き)

定量方法

合金番号 
又は記号

対応規格

番号

(参考)

二酸化鉛

電解重量法

すず分離

二酸化鉛

電解重量法

原子吸光法

原子吸光法

(ブラケッ
ト検量法)

臭化物・メチルトリ

オクチルアンモニウ

ム抽出原子吸光法

ICP

発光

分光法

CACIn502

b)

d)

CACIn503

b)

d)

CACIn602

c)

CACIn603

CACIn604

CACIn605

CACIn701

b)

d)

CACIn702

b)

d)

CACIn703

b)

d)

CACIn704

b)

d)

CACIn801

b)

d)

CACIn802

b)

d)

CACIn803

b)

d)

CACIn804

b)

d)

CACIn901

b)

d)

CACIn902

b)

d)

CACIn903

b)

d)

CACIn911

JIS H 2202 

b)

d)

CAC201

b)

d)

CAC202

CAC203

CAC301

JIS H 5120 

b)

d)

CAC301C

JIS H 5121 

b)

d)

CAC302

JIS H 5120 

b)

d)

CAC302C

JIS H 5121 

b)

d)

CAC303

JIS H 5120 

b)

d)

CAC303C

JIS H 5121 

b)

d)

CAC304

JIS H 5120 

b)

d)

CAC304C

JIS H 5121 

b)

d)

CAC401

JIS H 5120 

c)

CAC401C

JIS H 5121 

c)

CAC402

JIS H 5120 

a)

b)

d)

CAC402C

JIS H 5121 

a)

b)

d)

CAC403

JIS H 5120 

a)

b)

d)

CAC403C

JIS H 5121 

a)

b)

d)

CAC406

JIS H 5120 

c)

CAC406C

JIS H 5121 

c)

CAC407

JIS H 5120 

CAC407C

JIS H 5121 

CAC502A

CAC502B

JIS H 5120 

b)

d)

CAC502C

JIS H 5121 

b)

d)

CAC503A

CAC503B

JIS H 5120 

b)

d)


6

H 1053

:2009

表 1−適用定量方法(続き)

定量方法

合金番号 
又は記号

対応規格

番号

(参考)

二酸化鉛

電解重量法

すず分離

二酸化鉛

電解重量法

原子吸光法

原子吸光法

(ブラケッ
ト検量法)

臭化物・メチルトリ

オクチルアンモニウ

ム抽出原子吸光法

ICP

発光

分光法

CAC503C

JIS H 5121 

b)

d)

CAC602

JIS H 5120 

c)

CAC603

JIS H 5120 

CAC603C

JIS H 5121 

CAC604

JIS H 5120 

CAC604C

JIS H 5121 

CAC605

JIS H 5120 

CAC605C

JIS H 5121 

CAC701

JIS H 5120 

b)

d)

CAC701C

JIS H 5121 

b)

d)

CAC702

JIS H 5120 

b)

d)

CAC702C

JIS H 5121 

b)

d)

CAC703

JIS H 5120 

b)

d)

CAC703C

JIS H 5121 

b)

d)

CAC704

CAC801

CAC802

CAC803

JIS H 5120 

b)

d)

CAC804C

JIS H 5121 

b)

d)

CAC804

CAC901

JIS H 5120 

b)

d)

CAC901C

JIS H 5121 

b)

d)

CAC902

JIS H 5120 

b)

d)

CAC902C

JIS H 5121 

b)

d)

CAC903B

JIS H 5120 

b)

d)

CAC903C

JIS H 5121 

b)

d)

CAC911

JIS H 5120 

b)

d)

CAC911C

JIS H 5121 

b)

d)

a)

鉛含有率 0.5  %(質量分率)未満の試料には用いない。

b)

鉛含有率 0.005  %(質量分率)未満の試料には用いない。

c)

鉛含有率 5.0  %(質量分率)以上の試料には用いない。

d)

鉛含有率 0.01  %(質量分率)未満の試料には用いない。

5

二酸化鉛電解重量法

5.1

要旨

試料を硝酸で分解した後,加熱してほとんどの酸化窒素を追い出し,一定量の硝酸を含む溶液とし,白

金電極を用いて電解を行い,鉛を二酸化鉛として陽極に析出させ,その質量をはかる。

5.2

試薬

試薬は,次による。

5.2.1

硝酸

5.2.2

硝酸(11


7

H 1053

:2009

5.2.3

エタノール(99.5

5.3

器具

器具は,次による。

5.3.1

電解ビーカー  通常,図 のものを用いる。

5.3.2

円筒状白金電極 A  通常,図 のものを用いる。

5.3.3

円筒状白金電極 B  通常,図 のものを用いる。

5.3.4

らせん状白金電極  通常,図 のものを用いる。

5.3.5

半円形時計皿  通常,図 のもの(2 枚一組)を用いる。

単位  mm

単位  mm

図 1−電解ビーカー 

図 2−円筒状白金電極 


8

H 1053

:2009

単位  mm

単位  mm

単位  mm

網は,φ0.26 mm の白金線を用い,

目の開きは 0.4 mm とし,表面はつや

消ししたものとする。

図 3−円筒状白金電極 

図 4−らせん状白金電極 

図 5−半円形時計皿 

5.4

試料はかりとり量

試料はかりとり量は,1.00 g とする。

5.5

操作

5.5.1

準備操作

円筒状白金電極 A(5.3.2)又は円筒状白金電極 B(5.3.3)を硝酸(1+1)中に浸して洗浄した後,水,

次いでエタノールを用いて洗浄し,約 200  ℃の空気浴中で乾燥する。デシケーター中で室温まで放冷した

後,その質量を 0.1 mg のけたまではかる。

5.5.2

試料溶液の調製

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかりとって電解ビーカー(5.3.1)に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+1)30 mL を少量ず

つ加え,穏やかに加熱して分解する。引き続き,穏やかに加熱し,時々振り混ぜて酸化窒素を追い出

す。

b)

時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄して時計皿を取り除き,水を加えて液量を 150 mL とす

る。

なお,マンガンを含有する試料の場合(

表 の C7941)は,液量を 150 mL とする前に硝酸 10 mL を添

加する。

5.5.3

電解

電解は,次の手順によって行う。

a)

5.5.1

で質量をはかった円筒状白金電極 A 又は円筒状白金電極 B,及びらせん状白金電極(5.3.4)を,

5.5.2 b)

で得た溶液中に挿入し,半円形時計皿(5.3.5)で覆う。

b)

円筒状白金電極 A 又は円筒状白金電極 B を陽極,らせん状白金電極を陰極とし,液温を 15∼30  ℃と


9

H 1053

:2009

して,0.2∼0.3 A の電流を通じて約 3 時間電解する。

c)

時計皿の下面,ビーカーの内壁及び両極の液面上に露出した柄の部分を水で洗い,その洗液によって

液面を約 5 mm 上昇させ,更に約 30 分間電解し,新たに溶液中に浸った陽極の柄に,二酸化鉛が析出

しないことを確かめる。二酸化鉛が析出した場合には,更に洗液で液面を約 5 mm 上昇させ,約 30 分

間電解し,新たに溶液中に浸った陽極の柄に,二酸化鉛が析出しなくなるまでこの操作を繰り返す。

d)

半円形時計皿を取り除き,電流を通じたまま,両極を水洗しながら徐々に引き上げ,溶液の入ってい

るビーカーを取り除き,電流を切る。直ちに両極を,水を満たした別の電解ビーカー(5.3.1)中に浸

して,陽極を取り外す。

e)

陽極を 2 個のビーカー(500 mL)に満たした水中に順次浸し,その都度,数回上下に動かして水洗し

た後,直ちに 2 個のビーカー(200 mL)に満たしたエタノール中に順次浸し,その都度,数回上下に

動かして水分を取り除く。

5.5.4

乾燥

5.5.3 e)

で得た二酸化鉛が析出した円筒状白金電極 A 又は円筒状白金電極 B を,電極に付着しているエタ

ノールを室温で気化させて除去した後,約 200  ℃の空気浴中で 15 分間乾燥し,デシケーター中で約 30 分

間放冷する。

5.5.5

ひょう量

5.5.4

で放冷した二酸化鉛が析出した円筒状白金電極 A 又は円筒状白金電極 B の質量を,0.1 mg のけた

まではかる。

5.6

計算

試料中の鉛含有率を,次の式によって算出する。

100

2

866

.

0

)

(

0

2

1

×

×

=

m

m

m

Pb

ここに,

Pb

試料中の鉛含有率[%(質量分率)

m

1

5.5.5

で得た質量(g)

m

2

5.5.1

で得た質量(g)

m

0

試料はかりとり量(g)

6

すず分離二酸化鉛電解重量法

6.1

要旨

試料を硝酸で分解し,シロップ状となるまで加熱して蒸発し,硝酸及び温水を加えて可溶性塩類を溶解

する。溶液をろ過し,ろ液は保存する。すずなどを含んだ沈殿を硝酸と過塩素酸とで加熱して分解した後,

臭化水素酸を加えて加熱し,すずを臭化すず(Ⅳ)として揮散させる。残さ中の鉛を硝酸で分解した後,

保存してあるろ液に合わせる。この溶液を白金電極を用いて電解を行い,鉛を二酸化鉛として陽極に析出

させ,その質量をはかる。

6.2

試薬

試薬は,次による。

6.2.1

硝酸

6.2.2

硝酸(111501100

6.2.3

過塩素酸

6.2.4

ふっ化水素酸(12


10

H 1053

:2009

6.2.5

臭化水素酸

6.2.6

エタノール(99.5

6.3

器具

器具は,次による。

6.3.1

電解ビーカー  5.3.1 による。

6.3.2

円筒状白金電極 A  5.3.2 による。

6.3.3

円筒状白金電極 B  5.3.3 による。

6.3.4

らせん状白金電極  5.3.4 による。

6.3.5

半円形時計皿  5.3.5 による。

6.4

試料はかりとり量

試料はかりとり量は,

表 による。

表 2−試料はかりとり量

単位  g

合金番号又は記号

試料はかりとり量

C3501

,C3601,C3602,C3603,C3604,C3605,C3712,C3771,

C5341

,C5441,C6711,C6712,CACIn202,CACIn203,CACIn402,

CACIn403

,CACIn407,CAC202,CAC203,CAC402,CAC402C,

CAC403

,CAC403C,

CAC407

,CAC407C

1.00

CACIn401

,CACIn406,CACIn602,CAC401,CAC401C,CAC406,

CAC406C

,CAC602

0.50

CACIn603

,CACIn604,CACIn605,CAC603,CAC603C,CAC604,

CAC604C

,CAC605,CAC605C

0.20

6.5

操作

6.5.1

準備操作

円筒状白金電極 A(6.3.2)又は円筒状白金電極 B(6.3.3)を硝酸(1+1)中に浸して洗浄した後,水,

次いでエタノールを用いて洗浄し,約 200  ℃の空気浴中で乾燥する。デシケーター中で室温まで放冷した

後,その質量を 0.1 mg のけたまではかる。

6.5.2

試料の分解

試料の分解は,次の手順によって行う。

a

)

試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+1)15 mL を少量ずつ

加え,穏やかに加熱して分解する。

b

)

時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄して時計皿を取り除き,更に加熱してシロップ状とする。

c

)

硝酸(1+1)20 mL 及び温水約 50 mL を加えて可溶性塩類を溶解し,水浴上で約 2 時間加熱する。

6.5.3

すずの分離

すずの分離は,次の手順によって行う。

a

)

6.5.2 c

)

で得た溶液中のすずなどの沈殿を少量のろ紙パルプを加えたろ紙(5 種 B)を用いてこし分け,

温硝酸(1+50)で洗浄した後,このろ液及び洗液を合わせ,主液として保存する。

b

)

沈殿は,ろ紙とともに元のビーカーに移し入れ,硝酸 20 mL 及び過塩素酸 15 mL を加え,時計皿で覆

い,穏やかに加熱してろ紙を分解する。褐色の残留物があるときは,放冷した後,更に硝酸 10 mL を


11

H 1053

:2009

加えて加熱してろ紙を分解する。この操作を褐色の残留物がなくなるまで繰り返す。褐色の残留物が

なくなったら,更に加熱して過塩素酸の白煙を発生させる。

c

)

放冷した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄して時計皿を取り除く。臭化水素酸 20 mL

を数回に分けて加え,その都度,過塩素酸の白煙を発生させてすずを揮散させる。すずが残存するお

それがあるときは,更に臭化水素酸 10 mL を数回に分けて加えて揮散操作を繰り返した後,引き続き

加熱して乾固する。

d

)

放冷した後,ビーカーの内壁を少量の水で洗浄し,硝酸(1+1)2 mL を加えて穏やかに加熱して可溶

性塩類を溶解する。ここで,けい酸の沈殿が析出した場合には,溶液をろ紙(5 種 A)でろ過した後,

ろ紙と沈殿とを温硝酸(1+100)で洗浄し,ろ液と洗液を合わせる。沈殿は捨てる。

e

)

溶液を a)で保存しておいた主液に合わせる。この溶液の液量が 150 mL 以上の場合には,液量が約 140

mL

になるまで加熱して蒸発させる。

f

)

溶液を水を用いて電解ビーカー(6.3.1)に移し入れ,水で液量を 150 mL とする。

なお,マンガンを含有する試料の場合(

表 の C6711 及び C6712)は,水で液量を 150 mL にする

前にふっ化水素酸(1+2)10 mL を添加する。

6.5.4

電解

電解は,次の手順によって行う。

a

)

6.5.1

で質量をはかった円筒状白金電極 A 又は円筒状白金電極 B,及びらせん状白金電極(6.3.4)を,

6.5.3 f

)

で得た溶液中に挿入し,半円形時計皿(6.3.5)で覆う。

b

)

円筒状白金電極 A 又は円筒状白金電極 B を陽極,らせん状白金電極を陰極とし,液温を 15∼30  ℃と

して,0.2∼0.3 A の電流を通じて約 3 時間電解する。

c

)

時計皿の下面,ビーカーの内壁及び両極の液面上に露出した柄の部分を水で洗い,その洗液によって

液面を約 5 mm 上昇させ,更に約 30 分間電解し,新たに溶液中に浸った陽極の柄に,二酸化鉛が析出

しないことを確かめる。二酸化鉛が析出した場合には,更に洗液で液面を約 5 mm 上昇させ,約 30 分

間電解し,新たに溶液中に浸った陽極の柄に,二酸化鉛が析出しなくなるまでこの操作を繰り返す。

d

)

半円形時計皿を取り除き,電流を通じたまま,両極を水洗しながら徐々に引き上げ,溶液の入ってい

るビーカーを取り除き,電流を切る。直ちに両極を,水を満たした別の電解ビーカー(6.3.1)中に浸

して,陽極を取り外す。

e

)

陽極を 2 個のビーカー(500 mL)に満たした水中に順次浸し,その都度,数回上下に動かして水洗し

た後,直ちに 2 個のビーカー(200 mL)に満たしたエタノール中に順次浸し,その都度,数回上下に

動かして水分を取り除く。

6.5.5

乾燥

6.5.4 e

)

で得た二酸化鉛が析出した円筒状白金電極 A 又は円筒状白金電極 B を,電極に付着しているエタ

ノールを室温で気化させて除去した後,約 200  ℃の空気浴中で 15 分間乾燥し,デシケーター中で約 30 分

間放冷する。

6.5.6

ひょう量

6.5.5

で放冷した二酸化鉛が析出した円筒状白金電極 A 又は円筒状白金電極 B の質量を 0.1 mg のけたま

ではかる。

6.6

計算

試料中の鉛含有率を,次の式によって算出する。


12

H 1053

:2009

(

)

100

2

866

.

0

0

2

1

×

×

=

m

m

m

Pb

ここに,

Pb

試料中の鉛含有率[%(質量分率)

m

1

6.5.6

で得た質量(

g

m

2

6.5.1

で得た質量(

g

m

0

試料はかりとり量(

g

7

原子吸光法

7.1

要旨

試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧

し,その吸光度を測定する。

7.2

試薬

試薬は,次による。

7.2.1

塩酸(19

7.2.2

混酸(塩酸 1,硝酸 1,水 2  使用の都度,調製する。

7.2.3

銅溶液(Cu20 mg/mL

銅[

99.96

%(質量分率)以上]

10.0 g

をはかりとってビーカー(

300 mL

に移し入れ,時計皿で覆い,混酸(7.2.2

200 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した

後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を

500 mL

の全量フラスコに

水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

7.2.4

亜鉛溶液(Zn20 mg/mL

亜鉛[

99.9

%(質量分率)以上]

10.0 g

をはかりとってビーカー(

300

mL

)に移し入れ,時計皿で覆い,混酸(7.2.2

200 mL

を数回に分けて加え,穏やかに加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を

500 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

7.2.5

すず溶液(Sn20 mg/mL

すず[

99.9

%(質量分率)以上]

10.0 g

をはかりとってビーカー(

500

mL

)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸

225 mL

及び硝酸

75 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。常温

まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を

500 mL

の全

量フラスコに塩酸(

1

1

)を用いて移し入れ,塩酸(

1

1

)で標線まで薄める。

7.2.6

ニッケル溶液(Ni20 mg/mL

ニッケル[

99.9

%(質量分率)以上]

10.0 g

をはかりとってビー

カー(

300 mL

)に移し入れ,時計皿で覆い,混酸(7.2.2

200 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を

500 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

7.2.7

鉄溶液(Fe20 mg/mL

鉄[

99.9

%(質量分率)以上]

10.0 g

をはかりとってビーカー(

300 mL

に移し入れ,時計皿で覆い,混酸(7.2.2

200 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した

後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を

500 mL

の全量フラスコに

水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

7.2.8

マンガン溶液(Mn20 mg/mL

マンガン[

99.9

%(質量分率)以上]

10.0 g

をはかりとってビ

ーカー(

300 mL

)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(

1

1

300 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を

500 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

7.2.9

アルミニウム溶液(Al20 mg/mL

アルミニウム[

99.9

%(質量分率)以上]

10.0 g

をはかりと


13

H 1053

:2009

ってビーカー(

300 mL

)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(

1

1

200 mL

及び銅溶液(7.2.3

1 mL

を加

え,穏やかに加熱して分解する。硝酸(

1

1

2 mL

を加え,加熱して完全に分解する。常温まで冷却した

後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を

500 mL

の全量フラスコに

水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

7.2.10

ビスマス溶液(Bi20 mg/mL

ビスマス[

99.9

%(質量分率)以上]

10.0 g

をはかりとってビ

ーカー(

300 mL

)に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(

1

1

50 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を

500 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

7.2.11

鉛標準溶液 APb1 000 

μg/mL

鉛[

99.9

%(質量分率)以上]

2.50 g

をはかりとってビーカ

ー(

300 mL

)に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(

1

4

70 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。常温

まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を

500 mL

の全

量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Pb

5 mg/mL

)とする。この原液を使用の

都度,必要量だけ水で正確に

5

倍に薄めて鉛標準溶液

A

とする。

7.2.12

鉛標準溶液 BPb100 

μg/mL

7.2.11

の原液(

Pb

5 mg/mL

)を使用の都度,必要量だけ水で

正確に

50

倍に薄めて鉛標準溶液

B

とする。

7.3

試料はかりとり量

試料はかりとり量は,

1.0 g

とする。

7.4

操作

7.4.1

試料溶液の調製

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a

)

試料をはかりとって,ビーカー(

200 mL

)に移し入れる。

b

)

時計皿で覆い,混酸(7.2.2

20 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計

皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く。ここで,けい酸の沈殿が析出した場合

には,溶液をろ紙(

5

A

)でろ過した後,水でろ紙を洗浄し,ろ液と洗液とを合わせる。

c

)

溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

d

)

溶液を

表 の分取量に従って

100 mL

の全量フラスコに分取し,塩酸(

1

9

)で標線まで薄める。た

だし,試料中の鉛含有率が

0.005

%(質量分率)以上

0.3

%(質量分率)未満の場合には,この d

)

操作は行わない。

表 3−分取量

試料中の鉛含有率

%(質量分率)

分取量

mL

0.3

以上  2.0 未満 20.0

2.0

以上  4.0 未満 10.0

4.0

以上  7.0 以下 5.0

7.4.2

吸光度の測定

7.4.1

の c

)

又は d

)

で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレン

フレーム中に噴霧し,波長

217.0 nm

又は

283.3 nm

における吸光度を測定する。

7.5

空試験

試薬だけを用いて,7.4.1 及び 7.4.2 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。


14

H 1053

:2009

なお,7.4.1 d

)

で試料溶液を分取する場合には,空試験液も試料溶液と同量分取する。

7.6

検量線の作成

検量線の作成は,次の手順によって行う。

a

)

試料用検量線の作成

1

)

数個の

100 mL

の全量フラスコに銅溶液(7.2.3

,亜鉛溶液(7.2.4

,すず溶液(7.2.5

,ニッケル溶

液(7.2.6

,鉄溶液(7.2.7

,マンガン溶液(7.2.8

,アルミニウム溶液(7.2.9)及びビスマス溶液(7.2.10

を,銅,亜鉛,すず,ニッケル,鉄,マンガン,アルミニウム及びビスマスの量が 7.4.1 a

)

ではかり

とった試料中の銅,亜鉛,すず,ニッケル,鉄,マンガン,アルミニウム及びビスマスの量と

10 mg

のけたまで等しくなるように取る。

2

)

水で標線まで薄めた後,各溶液を,7.4.1 d

)

で分取した試料溶液と同量ずつ分取し,それぞれ

100 mL

の全量フラスコに移し入れる。ただし,試料中の鉛含有率が

0.005

%(質量分率)以上

0.3

%(質

量分率)未満の場合には,この 2

)

の操作は,行わない。

3

)

鉛標準溶液

A

7.2.11)及び/又は鉛標準溶液

B

7.2.12)の各種液量(鉛として

0

5 000

μ

g

)を段

階的に加え,塩酸(

1

9

)で標線まで薄める。ここで,試料中の鉛含有率が

0.005

%(質量分率)

以上

0.3

%(質量分率)未満の場合には,塩酸(

1

9

)の代わりに水を用いる。

4

)

各溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴

霧し,波長

217.0 nm

又は

283.3 nm

における吸光度を試料溶液と並行して測定し,得た吸光度と鉛

量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

b

)

空試験用検量線の作成  数個の

100 mL

の全量フラスコに混酸(7.2.2

20 mL

を取る。以下,7.6 a

)

2

)

4

)

の手順に従って操作する。

7.7

計算

計算は,次のいずれかによる。

a

)

7.4.1 d

)

の操作を行わなかった場合  7.4.2 及び 7.5 で得た吸光度と 7.6 の a

)

及び b

)

で作成した検量線と

からそれぞれ鉛量を求め,試料中の鉛含有率を,次の式によって算出する。

100

2

1

×

=

m

A

A

Pb

ここに,

Pb

試料中の鉛含有率[%(質量分率)

A

1

試料溶液中の鉛検出量(g)

A

2

空試験液中の鉛検出量(g)

m

試料はかりとり量(g)

b

)  7.4.1 d)

の操作を行った場合  7.4.2 及び 7.5 で得た吸光度と 7.6 の a)及び b)で作成した検量線とからそ

れぞれ鉛量を求め,試料中の鉛含有率を,次の式によって算出する。

100

100

2

1

×

×

=

B

m

A

A

Pb

ここに,

Pb

試料中の鉛含有率[%(質量分率)

A

1

分取した試料溶液中の鉛検出量(g)

A

2

分取した空試験液中の鉛検出量(g)

m

試料はかりとり量(g)

B

7.4.1 d

)

で分取した試料溶液及び空試験液の量(mL)


15

H 1053

:2009

8

原子吸光法(ブラケット検量法)

8.1

要旨

試料を硝酸とふっ化水素酸とほう酸との混酸又は塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光

度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

8.2

試薬

試薬は,次による。

8.2.1

混酸 A  7.2.2 による。

8.2.2

混酸 B  ほう酸溶液(40 g/L)300 mL,ふっ化水素酸 30 mL,硝酸 500 mL 及び水 150 mL をポリエ

チレンビーカー(2 L)中で混合する。

8.2.3

銅溶液 A  銅[99.96  %(質量分率)以上で鉛含有率が 0.000 2  %(質量分率)未満のもの]10.0 g

をはかりとり,四ふっ化エチレン樹脂ビーカー(600 mL)又はポリエチレンビーカー(600 mL)に移し入

れ,四ふっ化エチレン樹脂時計皿又はポリエチレン時計皿で覆い,混酸 B(8.2.2)400 mL を加え,穏やか

に加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り

除き,溶液を 500 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液 1 mL は,20

mg

の銅を含有する。

8.2.4

銅溶液 B  銅[99.96  %(質量分率)以上で鉛含有率が 0.000 2  %(質量分率)未満のもの]50.0 g

をはかりとり,四ふっ化エチレン樹脂ビーカー(1 L)又はポリエチレンビーカー(1 L)に移し入れ,四

ふっ化エチレン樹脂時計皿又はポリエチレン時計皿で覆い,混酸[ほう酸溶液(40 g/L)300 mL,ふっ化

水素酸 12 mL 及び硝酸 500 mL を混合したもの]415 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷

却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL の全量フラ

スコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液 1 mL は,100 mg の銅を含有する。

8.2.5

銅溶液 C  銅[99.96  %(質量分率)以上で鉛含有率が 0.000 2  %(質量分率)未満のもの]10.0 g

をはかりとり,ビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,混酸 A(8.2.1)200 mL を加え,穏やかに

加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除

き,溶液を 500 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液 1 mL は,20 mg

の銅を含有する。

8.2.6

銅溶液 D  銅[99.96  %(質量分率)以上で鉛含有率が 0.000 2  %(質量分率)未満のもの]50.0 g

をはかりとり,ビーカー(1 L)に移し入れ,時計皿で覆い,混酸(塩酸 1,硝酸 1,水 1)375 mL を加え,

穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿

を取り除き,溶液を 500 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液 1 mL

は,100 mg の銅を含有する。

8.2.7

鉛標準溶液(Pb100 

μg/mL 7.2.12 による。

8.3

試料はかりとり量

試料はかりとり量は,

表 による。

表 4−試料はかりとり量

試料中の鉛含有率

%(質量分率)

試料はかりとり量

g

0.002

以上 0.01 未満 5.00

0.01

以上 5.0 以下 1.00


16

H 1053

:2009

8.4

操作

8.4.1

試料溶液の調製

試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。ただし,塩酸・硝酸による分解は,けい素を含

有する試料には,適用しない。

a

)

硝酸・ふっ化水素酸・ほう酸による分解

1

)

試料をはかりとって,四ふっ化エチレン樹脂ビーカー(300 mL)又はポリエチレンビーカー(300 mL)

に移し入れる。

2

)

四ふっ化エチレン樹脂時計皿又はポリエチレン時計皿で覆い,混酸 B(8.2.2)を試料はかりとり量

が 5.00 g の場合には 50 mL,試料はかりとり量が 1.00 g の場合には 40 mL 加え,穏やかに加熱して

分解する。

常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く。

3

)

溶液を 100 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

4

)

溶液を 20.0 mL 分取し,試料中の鉛含有率が 0.1  %(質量分率)以上 1.0  %(質量分率)未満の場

合には 100 mL の全量フラスコに,試料中の鉛含有率が 1.0  %(質量分率)以上 5.0  %(質量分率)

以下の場合には 500 mL の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。ただし,試料の鉛含有

率が 0.002  %(質量分率)以上 0.1  %(質量分率)未満の場合には,この 4)の操作は行わない。

b

)

塩酸・硝酸による分解

1

)

試料をはかりとって,ビーカー(200 mL)に移し入れる。

2

)

時計皿で覆い,混酸 A(8.2.1)を試料はかりとり量が 5.00 g の場合には 50 mL,試料はかりとり量

が 1.00 g の場合には 20 mL 加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面

及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く。

3

)

溶液を 100 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

4

)

溶液を 20.0 mL 分取し,試料中の鉛含有率が 0.1  %(質量分率)以上 1.0  %(質量分率)未満の場

合には 100 mL の全量フラスコに,試料の鉛含有率が 1.0  %(質量分率)以上 5.0  %(質量分率)

以下の場合には 500 mL の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。ただし,試料の鉛含有

率が 0.002  %(質量分率)以上 0.1  %(質量分率)未満の場合には,この 4)の操作は行わない。

8.4.2

予備定量

予備定量は,次の手順によって行う。

a

)

吸光度の測定  8.4.1 a) 3),8.4.1 a) 4),8.4.1 b) 3)又は 8.4.1 b) 4)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ

点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 217.0 nm における吸光度

を測定する。

b

)

予備定量用空試験  c)の検量線作成操作において得られる鉛標準溶液を添加しない溶液の吸光度を,

空試験の吸光度とする。

c

)

予備定量用検量線の作成

1

)

試料溶液の調製を 8.4.1 a)によって行う場合

1.1

)

銅溶液 A(8.2.3)又は銅溶液 B(8.2.4

,及び鉛標準溶液(8.2.7)を,試料中の鉛含有率に応じて

表 5∼表 に従って 6 個(表 の場合),7 個(表 及び表 の場合)又は 8 個(表 の場合)の

100 mL

の全量フラスコに取り,水で標線まで薄める。

1.2

)

溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 217.0 nm

における吸光度を試料溶液と並行して測定し,得た吸光度と鉛量との関係線を作成し,その関係

線を原点を通るように平行移動して検量線とする。


17

H 1053

:2009

2

)

試料溶液の調製を 8.4.1 b)によって行う場合

2.1

)

銅溶液 C(8.2.5)又は銅溶液 D(8.2.6

,及び鉛標準溶液(8.2.7)を,試料中の鉛含有率に応じて

表 5∼表 に従って 6 個(表 の場合),7 個(表 及び表 の場合)又は 8 個(表 の場合)の

100 mL

の全量フラスコに取り,水で標線まで薄める。

2.2

)  1) 1.2)

の操作を行う。

d

)

予備定量値の決定  a)で得た吸光度から b)で得た吸光度を差し引いて得られる吸光度と c)で作成した

検量線とから鉛量(

μg)を求め,予備定量値とする。

表 5−試料中の鉛含有率が 0.0020.01 %(質量分率)の場合の銅溶液及び鉛標準溶液の採取量

鉛標準溶液

mL

鉛量

μg

銅溶液 B 又は銅溶液 D

mL

銅量

g

対応する試料中の鉛含有率

%(質量分率)

0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

0

100

200

300

400

500

50.0

50.0

50.0

50.0

50.0

50.0

5.0

5.0

5.0

5.0

5.0

5.0

0

0.002

0.004

0.006

0.008

0.01

表 6−試料中の鉛含有率が 0.010.1 %(質量分率)の場合の銅溶液及び鉛標準溶液の採取量

鉛標準溶液

mL

鉛量

μg

銅溶液 A 又は銅溶液 C

mL

銅量

g

対応する試料中の鉛含有率

%(質量分率)

0

1.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

0

100

200

400

600

800

1 000

50.0

50.0

50.0

50.0

50.0

50.0

50.0

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

0

0.01

0.02

0.04

0.06

0.08

0.10

表 7−試料中の鉛含有率が 0.11.0 %(質量分率)の場合の銅溶液及び鉛標準溶液の採取量

鉛標準溶液

mL

鉛量

μg

銅溶液 A 又は銅溶液 C

mL

銅量

g

対応する試料中の鉛含有率

%(質量分率)

0

2.0

4.0

8.0

12.0

16.0

20.0

0

200

400

800

1 200

1 600

2 000

10.0

10.0

10.0

10.0

10.0

10.0

10.0

0.2

0.2

0.2

0.2

0.2

0.2

0.2

0

0.10

0.20

0.40

0.60

0.80

1.00


18

H 1053

:2009

表 8−試料中の鉛含有率が 1.05.0 %(質量分率)の場合の銅溶液及び鉛標準溶液の採取量

鉛標準溶液

mL

鉛量

μg

銅溶液 A 又は銅溶液 C

mL

銅量

g

対応する試料中の鉛含有率

%(質量分率)

0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

16.0

20.0

0

400

600

800

1 000

1 200

1 600

2 000

2.0

2.0

2.0

2.0

2.0

2.0

2.0

2.0

0.04

0.04

0.04

0.04

0.04

0.04

0.04

0.04

0

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

4.00

5.00

8.4.3

検量溶液(ブラケット溶液)の調製

8.4.2 c

)

の 1) 1.1)又は 2) 2.1)に従って 2 個の検量溶液を調製する。ただし,鉛標準溶液(8.2.7)は,鉛量

が 8.4.2 d)で得た予備定量値の鉛量(

μg)よりもやや多い量(μg)とやや少ない量(μg)とになるように

取る。

8.4.4

吸光度の測定

8.4.1 a

) 3)

8.4.1 a) 4),8.4.1 b) 3)又は 8.4.1 b) 4)で得た試料溶液及び 8.4.3 で調製した 2 個の検量溶液の

一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 217.0

nm

における吸光度を測定する。

8.5

空試験

空試験は,次の手順によって行う。

a

)

試薬だけを用いて,8.4.1 a)及び 8.4.2 a),又は 8.4.1 b)及び 8.4.2 a)の手順に従って試料と同じ操作を試

料と並行して行う。

なお,8.4.1 a)  4)又は 8.4.1 b)  4)で試料溶液を分取した場合には,空試験液も試料溶液と同量分取す

る。

b

)  8.4.2 c)

の手順に従って空試験用検量線を作成する。ただし,各銅溶液の代わりに,次の溶液を用いる。

1

)

銅溶液 A(8.2.3)の代わりに,混酸 B(8.2.2)400 mL を水で正しく 500 mL に薄めた溶液

2

)

銅溶液 B(8.2.4)の代わりに,混酸 B(8.2.2

3

)

銅溶液 C(8.2.5)の代わりに,混酸 A(8.2.1)200 mL を水で正しく 500 mL に薄めた溶液

4

)

銅溶液 D(8.2.6)の代わりに,混酸 A(8.2.1

c

)

a

)

で得た吸光度と b)で作成した検量線とから鉛量(

μg)を求め,空試験値とする。

8.6

計算

試料中の鉛含有率を,次の式によって算出する。

(

)

100

000

000

1

3

2

1

2

0

2

1

2

×

×

×

×

=

B

m

C

A

A

A

A

C

C

C

Pb

ここに,

Pb

試料中の鉛含有率[%(質量分率)

C

2

8.4.3

で調製した鉛量が少ない方の検量溶液の鉛量(

μg)

C

1

8.4.3

で調製した鉛量が多い方の検量溶液の鉛量(

μg)

A

0

8.4.4

で得た試料溶液の吸光度

A

2

8.4.4

で得た C

2

に対応する吸光度


19

H 1053

:2009

A

1

8.4.4

で得た C

1

に対応する吸光度

C

3

8.5 c

)

で得た鉛量(

μg)

m

試料はかりとり量(g)

B

試料溶液及び空試験液の希釈比で,

表 に規定する値

表 9の値

測定した試料溶液

B

の値

8.4.1 a) 3)

又は 8.4.1 b) 3)で得た溶液の吸光度を測定した場合

1

8.4.1 a) 4)

又は 8.4.1 b) 4)で最終液量を 100 mL とした溶液の

吸光度を測定した場合

5

8.4.1 a) 4)

又は 8.4.1 b) 4)で最終液量を 500 mL とした溶液の

吸光度を測定した場合

25

9

臭化物・メチルトリオクチルアンモニウム抽出原子吸光法

9.1

要旨

試料を硝酸で分解し,硫酸を加え,加熱して白煙を発生させて硝酸を除去する。臭化水素酸を加え,生

成する鉛の臭化物錯体をメチルトリオクチルアンモニウムブロミドを含む酢酸ブチルで抽出し,有機相を

原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

9.2

試薬

試薬は,次による。

9.2.1

硝酸(11

9.2.2

臭化水素酸(18

9.2.3

硫酸(11

9.2.4

硫酸ナトリウム

9.2.5

抽出溶媒  メチルトリオクチルアンモニウムクロリド 6 mL に酢酸ブチルを加えて液量を 40 mL と

する。この溶液を分液漏斗(100 mL)に移し入れ,臭化水素酸(1+8)40 mL を加え,5 分間激しく振り

混ぜる。静置して二相に分離した後,下層の水相を取り除く。再び,臭化水素酸(1+8)40 mL を加え,5

分間激しく振り混ぜる。静置して二相に分離した後,下層の水相を取り除き,有機相を酢酸ブチルで 5 倍

に薄め,抽出溶媒とする。この抽出溶媒は,使用の都度,調製する。

9.2.6

酢酸ブチル

9.2.7

鉛標準溶液(Pb10 

μg/mL)  鉛[99.9  %(質量分率)以上]0.100 g をはかりとってビーカー(200

mL

)に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+1)5 mL を加え,穏やかに加熱して分解した後,時計皿の下

面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,アンモニア水を加えて鉛を水酸化物として沈殿さ

せる。沈殿は,ろ紙(5 種 B)を用いてこし分け,アンモニア水(1+100)を用いて洗浄した後,臭化水

素酸(4+5)30 mL で溶解する。常温まで冷却した後,溶液を 100 mL の全量フラスコに水を用いて移し

入れ,水で標線まで薄めて原液とする。この原液から正確に 20 mL をビーカー(300 mL)に取り,水で液

量を約 100 mL とする。緩衝溶液[酢酸(1+100)と酢酸ナトリウム溶液(酢酸ナトリウム三水和物 13.6 g

を水に溶解し,100 mL に薄める)とを同量ずつ取り,混合する。

]5 mL を加え,キシレノールオレンジ溶

液(1 g/L)数滴を指示薬として加えた後,溶液の色が赤紫になるまでアンモニア水(1+1)を滴加し,溶

液の pH を 4.5∼5.0 に調節する。次に 0.01 mol/L エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム標準溶液[調

製及び標定は,JIS K 8001 の JA.5.2 c) 3) 0.01 mol/L エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(0.01


20

H 1053

:2009

mol/L EDTA2Na

溶液)による。

]で滴定し,溶液の色が赤紫から黄色に変わった点を終点とし,次の式に

よって原液中の鉛の濃度を算出する。この原液を使用の都度,鉛の濃度が 10

μg/mL となるよう水で正確に

薄め,鉛標準溶液とする。

000

1

20

072

.

2

×

×

×

=

F

V

C

Pb

ここに,

C

Pb

原液中の鉛の濃度(

μg/mL

V

0.01 mol/L

エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム標準

溶液の使用量(

mL

F

0.01 mol/L

エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム標準

溶液のファクター

9.3

試料はかりとり量

試料はかりとり量は,

3.00 g

とする。

9.4

操作

9.4.1

試料溶液の調製

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a

)

試料をはかりとって,ビーカー(

200 mL

)に移し入れる。

b

)

時計皿で覆い,硝酸(

1

1

30 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。時計皿の下面及びビーカー

の内壁を水で洗浄して時計皿を取り除き,硫酸(

1

1

40 mL

を加え,加熱を続けて硫酸の白煙を十

分に発生させる。放冷した後,ビーカーの内壁を水約

10 mL

で洗浄する。加熱して塩類を溶解し,引

き続き加熱して硫酸の白煙を十分に発生させる。

c

)

放冷した後,水

70 mL

を加え,更に臭化水素酸(

1

8

)を正確に

30 mL

加え,穏やかに加熱して塩類

を溶解する。

9.4.2

鉛の抽出

鉛の抽出は,次の手順によって行う。

a

)

9.4.1 c

)

で得た溶液を分液漏斗(

200 mL

)に少量の水を用いて移し入れ,水で液量を

150 mL

とする。

b

)

抽出溶媒(9.2.5)を正確に

10 mL

加え,約

5

分間激しく振り混ぜる。静置して二相に分離した後,下

層の水相を除去する。

c

)

有機相を乾いたろ紙又は脱脂綿を通して,目盛付共栓付試験管(

15

20 mL

)に移し入れ,酢酸ブチ

ルを加えて液量を

10 mL

の目盛に合わせる。

なお,乾いたろ紙又は脱脂綿による脱水が不十分で,吸光度測定時のベースラインが不安定な時に

は,硫酸ナトリウム約

1 g

を加えて脱水する。

9.4.3

吸光度の測定

9.4.2 c

)

で得た有機相の一部を,抽出溶媒(9.2.5)又は酢酸ブチルを用いてゼロ点を調整した原子吸光光

度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長

217.0 nm

又は

283.3 nm

における吸光度を測定する。

9.5

空試験

試料を用いないで,9.4.1 a

)

9.4.3 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。

9.6

検量線の作成

鉛標準溶液(9.2.7

0

6.0 mL

(鉛として

0

60

μg

)を,あらかじめ硫酸(

1

1

15 mL

及び臭化水素酸

1

8

)を正確に

30 mL

加えた数個の分液漏斗(

200 mL

)に段階的に加え,水でそれぞれの液量を

150 mL

とする。以下,9.4.2 b

)

9.4.3 の手順に従って試料と並行して操作し,得た吸光度と鉛量との関係線を作成


21

H 1053

:2009

し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

9.7

計算

9.4.3

及び 9.5 で得た吸光度と 9.6 で作成した検量線とから鉛量を求め,試料中の鉛含有率を次の式によ

って算出する。

100

2

1

×

=

m

A

A

Pb

ここに,

Pb

試料中の鉛含有率[%(質量分率)

A

1

試料溶液中の鉛検出量(

g

A

2

空試験溶液中の鉛検出量(

g

m

試料はかりとり量(

g

10

ICP

発光分光法

10.1

要旨

試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,溶液を

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発

光強度を測定する。

10.2

試薬

試薬は,次による。

10.2.1

塩酸(19

10.2.2

混酸(塩酸 2,硝酸 1,水 2

10.2.3

銅  銅含有率

99.96

%(質量分率)以上で,鉛を含有しないもの又は鉛含有率が低く既知のもの。

10.2.4

亜鉛  亜鉛含有率

99.9

%(質量分率)以上で,鉛を含有しないもの又は鉛含有率が低く既知のも

の。

10.2.5

すず  すず含有率

99.9

%(質量分率)以上で,鉛を含有しないもの又は鉛含有率が低く既知のも

の。

10.2.6

鉄  鉄含有率

99.9

%(質量分率)以上で,鉛を含有しないもの又は鉛含有率が低く既知のもの。

10.2.7

ニッケル  ニッケル含有率

99.9

%(質量分率)以上で,鉛を含有しないもの又は鉛含有率が低く

既知のもの。

10.2.8

マンガン  マンガン含有率

99.9

%(質量分率)以上で,鉛を含有しないもの又は鉛含有率が低く

既知のもの。

10.2.9

アルミニウム  アルミニウム含有率

99.9

%(質量分率)以上で,鉛を含有しないもの又は鉛含有

率が低く既知のもの。

10.2.10

ビスマス  ビスマス含有率

99.9

%(質量分率)以上で,鉛を含有しないもの又は鉛含有率が低

く既知のもの。

10.2.11

鉛標準溶液 APb1 000 

μ

g /mL

  鉛[

99.9

%(質量分率)以上]

0.500 g

をはかりとり,ビー

カー(

200 mL

)に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(

1

4

15 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。常

温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を

500 mL

全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

10.2.12

鉛標準溶液 BPb100 

μ

g /mL

  鉛標準溶液

A

10.2.11)を使用の都度,必要量だけ水で正確

10

倍に薄めて鉛標準溶液

B

とする。

10.3

試料はかりとり量


22

H 1053

:2009

試料はかりとり量は,

表 10 による。

表 10−試料はかりとり量

試料中の鉛含有率

%(質量分率)

試料はかりとり量

g

0.01

以上  0.1 未満

0.1

以上   22 以下

1.00

0.50

10.4

操作

10.4.1

試料溶液の調製

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a

)

試料をはかりとって,ビーカー(

200 mL

)に移し入れる。

b

)

時計皿で覆い,混酸

30 mL

を加え,加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビー

カーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く。

c

)

溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

d

)

溶液を

表 11 の分取量に従って

100 mL

の全量フラスコに分取し,塩酸(

1

9

)で標線まで薄める。た

だし,試料中の鉛含有率が

0.01

%(質量分率)以上

1

%(質量分率)未満の場合には,この d

)

の操

作は行わない。

表 11−分取量

試料中の鉛含有率

%(質量分率)

分取量

mL

1

以上 10 未満

10

以上 22 以下

10.0

5.0

10.4.2

発光強度の測定

10.4.1

の c

)

又は d

)

で得た溶液の一部を

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長

1)

 220.351

nm

又は

261.418 nm

の発光強度を測定する。

1)

精度及び真度を確認してあれば高次のスペクトル線を用いてもよく,バックグラウンド補正機

構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。

10.5

空試験

空試験は,次のいずれかによる。

a

)

10.4.1 d

)

の操作を行わない場合  10.6 a

)

の検量線作成操作において得られる鉛標準溶液を添加しない

溶液の発光強度を,空試験の発光強度とする。

b

)

10.4.1 d

)

の操作を行う場合  10.6 b

)

の検量線作成操作において得られる鉛標準溶液を添加しない溶液

の発光強度を,空試験の発光強度とする。

10.6

検量線の作成

検量線の作成は,次のいずれかの手順によって行う。

a

)

10.4.1 d

)

の操作を行わない場合

1

)

銅(10.2.3

,亜鉛(10.2.4

,すず(10.2.5

,鉄(10.2.6

,ニッケル(10.2.7

,マンガン(10.2.8

アルミニウム(10.2.9)及びビスマス(10.2.10)を 10.4.1

a

)

ではかりとった試料中に含まれる量と

10 mg

のけたまで等しくなるように数個はかり取り,数個のビーカー(

200 mL

)にそれぞれ移し入

れる。


23

H 1053

:2009

2

)

10.4.1 b

)

の操作を行った後,鉛標準溶液

A

10.2.11)及び/又は鉛標準溶液

B

10.2.12)の各種液量

(鉛として

0

10 mg

)を段階的に加える。溶液を数個の

100 mL

の全量フラスコに水を用いて移し

入れ,水で標線まで薄める。

3

)

溶液の一部を

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長

1)

 220.351 nm

又は

261.418 nm

の発光強度を試料溶液と並行して測定し,得た発光強度と鉛量との関係線を作成し,その関係線を

原点を通るように平行移動して検量線とする。

b

)

10.4.1 d

)

の操作を行う場合

1

)

銅(10.2.3

,亜鉛(10.2.4

,すず(10.2.5

,鉄(10.2.6

,ニッケル(10.2.7

,マンガン(10.2.8

アルミニウム(10.2.9)及びビスマス(10.2.10)を 10.4.1 a

)

ではかりとった試料中に含まれる量と

10 mg

のけたまで等しくなるようにはかり取り,ビーカー(

200 mL

)に移し入れる。

2

)

10.4.1

の b

)

及び c

)

の手順に従って操作した後,溶液を 10.4.1 d

)

で分取する試料溶液の量と同量ずつ

数個の

100 mL

の全量フラスコに分取し,鉛標準溶液

A

10.2.11)及び/又は鉛標準溶液

B

10.2.12

の各種液量(鉛として

0

6 mg

)を段階的に加え,塩酸(

1

9

)で標線まで薄める。

3

)

溶液の一部を

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長

1)

 220.351 nm

又は

261.418 nm

の発光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度と鉛量との関係線を作成し,その関係線を原点

を通るように平行移動して検量線とする。

10.7

計算

計算は,次のいずれかによる。

a

)

10.4.1 d

)

の操作を行わなかった場合  10.4.2 及び 10.5 a

)

で得た発光強度と 10.6 a

)

で作成した検量線と

から鉛量を求め,試料中の鉛含有率を,次の式によって算出する。

(

)

100

3

2

1

×

=

m

A

A

A

Pb

ここに,

Pb

試料中の鉛含有率[%(質量分率)

A

1

試料溶液中の鉛検出量(

g

A

2

空試験液中の鉛検出量(

g

A

3

10.6 a

)

ではかりとった銅(10.2.3

,亜鉛(10.2.4

,すず(10.2.5

鉄(10.2.6

,ニッケル(10.2.7

,マンガン(10.2.8

,アルミニ

ウム(10.2.9)及びビスマス(10.2.10)に含まれる鉛の合量(

g

m

試料はかりとり量(

g

b

)

10.4.1 d

)

の操作を行った場合  10.4.2 及び 10.5 b

)

で得た発光強度と 10.6 b

)

で作成した検量線とから鉛

量を求め,試料中の鉛含有率を,次の式によって算出する。

100

100

100

3

2

1

×

×

×

=

B

m

B

A

A

A

Pb

ここに,

Pb

試料中の鉛含有率[%(質量分率)

A

1

分取した試料溶液中の鉛検出量(

g

A

2

分取した空試験液中の鉛検出量(

g

A

3

10.6 b

)

ではかりとった銅(10.2.3

,亜鉛(10.2.4

,すず(10.2.5

鉄(10.2.6

,ニッケル(10.2.7

,マンガン(10.2.8

,アルミニ


24

H 1053

:2009

ウム(10.2.9)及びビスマス(10.2.10)に含まれる鉛の合量(

g

B

10.4.1 d

)

で分取した試料溶液及び空試験液の量(

mL

m

試料はかりとり量(

g


附属書 JA

参考)

JIS

と対応する国際規格との対比表

JIS H 1053:2009

  銅及び銅合金中の鉛定量方法

ISO 4749:1984

, Copper alloys − Determination of lead content − Flame atomic

absorption spectrometric method

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び名称

内容

(Ⅱ)

国際
規格
番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との

技術的差異の理由及び
今後の対策

1

適用範囲

銅及び銅合金(伸銅品,形銅,鋳物
用銅地金及び銅鋳物)中の鉛定量方

法を規定

銅合金中の鉛定量

追加

ISO

規格を包含し,すべての伸

銅品,銅地金及び銅鋳物を対象

とした。

ISO

規格の見直し時に,

対象合金の追加提案を

する。

3

一般事項

JIS H 1012

による。

ISO

規格には,規定され

ていない。

追加

JIS

として必要な一般事

項を規定。

4

定量方法の

区分

a)

二酸化鉛電解重量法

b)

すず分離二酸化鉛電解重量法

c)

原子吸光法

d)

原子吸光法(ブラケット検量法)

e)

臭化物・メチルトリオクチルアン

モニウム抽出原子吸光法

f) ICP

発光分光法

の鉛含有率の測定範囲を規定。

1

原子吸光分析法(ブラケ

ット検量法)

追加

ISO

規格に規定していない定量

方法を JIS として追加した。

JIS

として必要な定量方

法の区分を規定。

5

二酸化鉛電

解重量法

酸分解−二酸化鉛重量法における試

薬,器具,操作及び計算について規
定。

追加

JIS

は鉛含有率 0.5  %(質量分

率)以上 5  %(質量分率)以下
の試料に適用する。

ISO

規格の見直し時に,

追加提案をする。

6

すず分離二

酸化鉛電解重
量法

酸分解−すず分離二酸化鉛重量法に

おける試薬,器具,操作及び計算に
ついて規定。

追加

JIS

は鉛含有率 0.5  %(質量分

率)以上 25  %(質量分率)以
下の試料に適用する。

ISO

規格の見直し時に,

追加提案をする。

7

原子吸光法

酸分解−原子吸光法における試薬,
操作及び計算について規定。

追加

ISO

は鉛含有率 0.005  %(質量

分率)以上 7.0  %(質量分率)
以下の試料に適用する。

ISO

規格の見直し時に,

追加提案をする。

25

H 1

0

5

3


20
0

9


(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号 
及び名称

内容

(Ⅱ) 
国際
規格

番号

箇条
番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策

8

原子吸光法

(ブラケット
検量法)

ブラケット検量線を用いた原子吸光

法について規定。

6

JIS

と同じ

変更

構成の変更で,技術的内容は一

致。

9

臭化物・メ

チルトリオク
チルアンモニ

ウム抽出原子
吸光法

酸分解−溶媒抽出−原子吸光法にお
ける試薬,操作及び計算について規
定。

追加

JIS

は鉛含有率 0.000 05  %(質

量分率)以上 0.002  %(質量分
率)以下の試料に適用する。

ISO

規格の見直し時に,

追加提案をする。

10 ICP

発光分

光法

酸分解−ICP 発光分光法における試
薬,操作,計算を規定。

追加

JIS

は鉛含有率 0.01  %(質量分

率)以上 22  %(質量分率)以
下の試料に適用する。

ISO

規格の見直し時に,

追加提案をする。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 4749:1984,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

−  追加 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

−  MOD  国際規格を修正している。 

26

H

 105

3


2

009