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H 1052

:2010

(1)

目  次

ページ

序文

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  一般事項

1

4  定量方法の区分

1

5  メタすず酸沈殿分離アルミニウム・ニッケル還元よう素酸カリウム滴定法

5

5.1  要旨

5

5.2  試薬

5

5.3  装置

6

5.4  試料はかりとり量

7

5.5  操作

8

5.6  空試験

9

5.7  計算

9

6  ガレイン抽出吸光光度法

10

6.1  要旨

10

6.2  試薬

10

6.3  試料はかりとり量

10

6.4  操作

10

6.5  空試験

11

6.6  検量線の作成

11

6.7  計算

11

7  ケルセチン抽出吸光光度法

11

7.1  要旨

11

7.2  試薬

11

7.3  試料はかりとり量

12

7.4  操作

12

7.5  空試験

13

7.6  検量線の作成

13

7.7  計算

13

8  原子吸光法

14

8.1  要旨

14

8.2  試薬

14

8.3  試料はかりとり量

15

8.4  操作

15

8.5  空試験

16


H 1052

:2010  目次

(2)

ページ

8.6  検量線の作成

16

8.7  計算

17

9  ICP 発光分光法

19

9.1  要旨

19

9.2  試薬

19

9.3  試料はかりとり量

19

9.4  操作

19

9.5  空試験

20

9.6  検量線の作成

20

9.7  計算

21

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表

23


H 1052

:2010

(3)

まえがき

この規格は,

工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,

日本伸銅協会

(JCBA)

及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS H 1052:2003 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


H 1052

:2010  目次

(4)

白      紙


日本工業規格

JIS

 H

1052

:2010

銅及び銅合金中のすず定量方法

Methods for determination of tin in copper and copper alloys

序文

この規格は,1984 年に第 1 版として発行された ISO 4751 を基に,対応する部分については対応国際規

格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定され

ていない規定項目を日本工業規格として追加している。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。変更の

一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

1

適用範囲

この規格は,銅及び銅合金(伸銅品,鋳物用銅合金地金及び銅合金鋳物)中のすず定量方法について規

定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 4751:1984,Copper and copper alloys−Determination of tin content−Spectrometric method

(MOD)

なお,対応の程度を表す記号

MOD は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき, 修正している

ことを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 1012  銅及び銅合金の分析方法通則

JIS K 8005  容量分析用標準物質

3

一般事項

分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1012 による。

4

定量方法の区分

すずの定量方法は,次のいずれかによる。

なお,日本工業規格に規定する銅及び銅合金に関する種類の合金番号又は種類の記号,及びそれぞれの

合金番号又は記号ごとの適用定量方法は,

表 による。

a)  メタすず酸沈殿分離アルミニウム・ニッケル還元よう素酸カリウム滴定法  この方法は,すず含有率

0.5 %(質量分率)以上 15.0 %(質量分率)以下の試料に適用する。

b)  ガレイン抽出吸光光度法  この方法は,すず含有率 0.03 %(質量分率)以上 0.5 %(質量分率)以下


2

H 1052

:2010

の試料に適用する。

c)  ケルセチン抽出吸光光度法  この方法は,すず含有率 0.005 %(質量分率)以上 0.5 %(質量分率)以

下の試料に適用する。

d)  原子吸光法  この方法は,すず含有率 0.02 %(質量分率)以上 4.0 %(質量分率)以下の試料に適用

する。

e)  ICP 発光分光法  この方法は,すず含有率 0.02 %(質量分率)以上 15.0 %(質量分率)以下の試料に

適用する。

表 1−適用定量方法

種類の合

金番号又
は種類の

記号

対応規格番号

(参考)

定量方法

メタすず酸沈殿分離アル
ミニウム・ニッケル還元

よう素酸カリウム滴定法

ガレイン抽出

吸光光度法

ケルセチン抽
出吸光光度法

原子吸光法 ICP 発光

分光法

C1441

JIS H 3100 

C1862

JIS H 3300 

C3501

JIS H 3260 

b)

d)

d)

C3601

JIS H 3250 
JIS H 3260 

b)

d)

d)

C3602

JIS H 3250 
JIS H 3260 

b) c)

c)

d)

d)

C3603

JIS H 3250 
JIS H 3260 

b) c)

c)

d)

d)

C3604

JIS H 3250 
JIS H 3260 

b) c)

c)

d)

d)

C3605

JIS H 3250 

b) c)

c)

d)

d)

C3712

JIS H 3250 

b) c)

c)

d)

C3771

JIS H 3250 

b) c)

c)

d)

C4250

JIS H 3100 

C4430

JIS H 3100 
JIS H 3300 
JIS H 3320 

C4450

JIS H 3100 
JIS H 3320 

C4621

JIS H 3100 

C4622

JIS H 3250 

C4640

JIS H 3100 

C4641

JIS H 3250 

C5010

JIS H 3300 

C5071

JIS H 3110 
JIS H 3270 

C5102

JIS H 3110 
JIS H 3270 

C5111

JIS H 3110 
JIS H 3270 

e)

C5191

JIS H 3110 
JIS H 3270 

C5210

JIS H 3130 


3

H 1052

:2010

表 1−適用定量方法(続き)

種類の合
金番号又

は種類の

記号

対応規格番号

(参考)

定量方法

メタすず酸沈殿分離アル

ミニウム・ニッケル還元
よう素酸カリウム滴定法

ガレイン抽出

吸光光度法

ケルセチン抽

出吸光光度法

原子吸光法 ICP 発光

分光法

C5212

JIS H 3110 
JIS H 3270 

C5341

JIS H 3270 

e)

C5441

JIS H 3270 

e)

C6711

JIS H 3100 

C7250

JIS H 3100 

C7270

JIS H 3130 

CACIn201

JIS H 2202 

b)

d)

d)

CACIn202

JIS H 2202 

a)

b) c)

c)

d)

d)

CACIn203

JIS H 2202 

a)

b) c)

c)

d)

d)

CACIn301

JIS H 2202 

a)

b) c)

c)

d)

d)

CACIn302

JIS H 2202 

a)

b) c)

c)

d)

d)

CACIn303

JIS H 2202 

b)

d)

d)

CACIn304

JIS H 2202 

b)

d)

d)

CACIn401

JIS H 2202 

CACIn402

JIS H 2202 

CACIn403

JIS H 2202 

CACIn406

JIS H 2202 

CACIn407

JIS H 2202 

CACIn408

JIS H 2202 

CACIn411

JIS H 2202 

e)

CACIn502

JIS H 2202 

CACIn503

JIS H 2202 

CACIn602

JIS H 2202 

CACIn603

JIS H 2202 

CACIn604

JIS H 2202 

CACIn605

JIS H 2202 

CACIn701

JIS H 2202 

b)

d)

d)

CACIn702

JIS H 2202 

b)

d)

d)

CACIn703

JIS H 2202 

b)

d)

d)

CACIn704

JIS H 2202 

b)

d)

d)

CACIn804

JIS H 2202 

d)

d)

CACIn901

JIS H 2202 

CACIn902

JIS H 2202 

CACIn903

JIS H 2202 

CACIn904

JIS H 2202 

e)

CACIn911

JIS H 2202 

e)


4

H 1052

:2010

表 1−適用定量方法(続き)

種類の合
金番号又

は種類の

記号

対応規格番号

(参考)

定量方法

メタすず酸沈殿分離アル

ミニウム・ニッケル還元
よう素酸カリウム滴定法

ガレイン抽出

吸光光度法

ケルセチン抽

出吸光光度法

原子吸光法 ICP 発光

分光法

CAC101

JIS H 5120 

b)

d)

d)

CAC102

JIS H 5120 

b)

d)

d)

CAC201

JIS H 5120 

b)

d)

d)

CAC202

JIS H 5120 

a)

b) c)

c)

d)

d)

CAC203

JIS H 5120 

a)

b) c)

c)

d)

d)

CAC301

JIS H 5120 

a)

b) c)

c)

d)

d)

CAC301C

JIS H 5121 

a)

b) c)

c)

d)

d)

CAC302

JIS H 5120 

a)

b) c)

c)

d)

d)

CAC302C

JIS H 5121 

a)

b) c)

c)

d)

d)

CAC303

JIS H 5120 

b)

d)

d)

CAC303C

JIS H 5121 

b)

d)

d)

CAC304

JIS H 5120 

b)

d)

d)

CAC304C

JIS H 5121 

b)

d)

d)

CAC401

JIS H 5120 

CAC401C

JIS H 5121 

CAC402

JIS H 5120 

CAC402C

JIS H 5121 

CAC403

JIS H 5120 

CAC403C

JIS H 5121 

CAC406

JIS H 5120 

CAC406C

JIS H 5121 

CAC407

JIS H 5120 

CAC407C

JIS H 5121 

CAC408

JIS H 5120 

CAC408C

JIS H 5121 

CAC411

JIS H 5120 

e)

CAC411C

JIS H 5121 

e)

CAC502A

JIS H 5120 

CAC502B

JIS H 5120 

CAC502C

JIS H 5121 

CAC503A

JIS H 5120 

CAC503B

JIS H 5120 

CAC503C

JIS H 5121 

CAC602

JIS H 5120 

d)

CAC603

JIS H 5120 

d)

CAC603C

JIS H 5121 

d)

CAC604

JIS H 5120 

d)

CAC604C

JIS H 5121 

d)

CAC605

JIS H 5120 

d)

CAC605C

JIS H 5121 

d)

CAC701

JIS H 5120 

b)

d)

d)

CAC701C

JIS H 5121 

b)

d)

d)


5

H 1052

:2010

表 1−適用定量方法(続き)

種類の合
金番号又

は種類の

記号

対応規格番号

(参考)

定量方法

メタすず酸沈殿分離アル

ミニウム・ニッケル還元
よう素酸カリウム滴定法

ガレイン抽出

吸光光度法

ケルセチン抽

出吸光光度法

原子吸光法 ICP 発光

分光法

CAC702

JIS H 5120 

b)

d)

d)

CAC702C

JIS H 5121 

b)

d)

d)

CAC703

JIS H 5120 

b)

d)

d)

CAC703C

JIS H 5121 

b)

d)

d)

CAC704

JIS H 5120 

b)

d)

d)

CAC804

JIS H 5120 

b)

d)

d)

CAC804C

JIS H 5121 

b)

d)

d)

CAC901

JIS H 5120 

b)

d)

d)

CAC901C

JIS H 5121 

b)

d)

d)

CAC902

JIS H 5120 

b)

d)

d)

CAC902C

JIS H 5121 

b)

d)

d)

CAC903B

JIS H 5120 

b)

d)

d)

CAC903C

JIS H 5121 

b)

d)

d)

CAC904

JIS H 5120 

e)

CAC904C

JIS H 5121 

e)

CAC911

JIS H 5120 

b)

d)

d)

CAC911C

JIS H 5121 

b)

d)

d)

CAC912

JIS H 5120 

e)

a)

  すず含有率 0.5 %(質量分率)未満の試料には用いない。

b)

  すず含有率 0.03 %(質量分率)未満の試料には用いない。

c)

  すず含有率 0.5 %(質量分率)を超える試料には用いない。

d)

  すず含有率 0.02 %(質量分率)未満の試料には用いない。

e)

  すず含有率 4.0 %(質量分率)を超える試料には用いない。

5

メタすず酸沈殿分離アルミニウム・ニッケル還元よう素酸カリウム滴定法

5.1

要旨

試料を硝酸で分解し,水浴上で加熱してシロップ状とした後,温水と硝酸とで可溶性塩類を溶解し,沈

殿をこし分ける。沈殿に硝酸及び硫酸を加え,加熱して分解し,硫酸の白煙を発生させて硝酸を完全に追

い出す。塩酸を加え,溶液を還元装置に入れ,アルミニウム及びニッケルを加え,煮沸してすずを還元す

る。よう化カリウムを加え,でんぷんを指示薬として,よう素酸カリウム標準溶液で滴定する。

5.2

試薬

試薬は,次による。

5.2.1

塩酸

5.2.2

硝酸(11150

5.2.3

硫酸

5.2.4

ニッケル  99.9 %(質量分率)以上で図 又は図 の形状のもの。繰り返し使用してもよい。


6

H 1052

:2010

単位  mm

単位  mm

図 1−ニッケル(シリンダー)

図 2−ニッケル(線)

5.2.5

アルミニウム  99.9 %(質量分率)以上で小片にしたもの。

5.2.6

窒素  塩化銅(I)溶液[塩化銅(I)45 g を塩酸(1+1)300 mL に溶解し,少量の銅片を加え,密

栓をして 24 時間放置する。

]を通して精製する。

5.2.7

ドライアイス

5.2.8

炭酸水素ナトリウム溶液(飽和,約 90 g/L

5.2.9

よう化カリウム溶液(200 g/L)  この溶液は,使用の都度調製する。

5.2.10  よう素酸カリウム標準溶液  よう素酸カリウム(JIS K 8005)1.784 g を,水酸化ナトリウム溶液(5 
g/L)100 mL に溶解する。よう化カリウム 5 g を加えて溶解した後,溶液を 1 000 mL の全量フラスコに水

を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液 1 mL のすず相当量を,次の手順によって求める。

標準すず溶液(Sn:4 mg/mL)は,すず[99.9 %(質量分率)以上]1.000 g をはかりとってビーカー(300

mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 50 mL を加えて水浴上で白金の板又は線を接触させながら加熱し

て分解する。常温まで冷却した後,塩酸(1+1)を用いて時計皿の下面及びビーカーの内壁を洗って,時

計皿を取り除く。溶液を 250 mL の全量フラスコに塩酸(1+5)を用いて移し入れ,塩酸(1+5)で標線

まで薄めて標準すず溶液とする。

この標準すず溶液 25.0 mL を還元装置(5.3.1 又は 5.3.2)の三角フラスコにとり,水 200 mL 及び塩酸 50

mL を加え,次に,5.5.3 a)

の 2)〜5)

の手順又は 5.5.3 b)

の 2)〜4)

の手順に従って操作し,よう素酸カリウム

標準溶液 1 mL に相当するすず量を,次の式によって求める。

V

f

100

.

0

=

ここに,

f

よう素酸カリウム標準溶液 1 mL に相当するすず量(g/mL)

V

よう素酸カリウム標準溶液の使用量(mL)

5.2.11  でんぷん溶液  でんぷん(溶性)0.2 g に少量の水を加えて泥状とし,約 90

℃の熱水 100 mL を加

えた後,約 1 分間煮沸する。放冷した後,不溶解物をろ過する。この溶液は,使用の都度調製する。

5.3

装置

装置は,次のいずれかによる。

5.3.1

還元装置 A  還元装置 A は,図 のものを用いる。

5.3.2

還元装置 B  還元装置 B は,図 のものを用いる。


7

H 1052

:2010

単位  mm

図 3−還元装置 の例

図 4−還元装置 の例

5.4

試料はかりとり量

試料はかりとり量は,

表 による。

 


8

H 1052

:2010

表 2−試料はかりとり量

種類の合金番号又は種類の記号

試料はかりとり量

g

C4250,C4430,C4450,C4621,C4622,C4640,C4641,C5010,
C6711,CACIn202,CACIn203,CACIn301,CACIn302,CAC202,
CAC203,CAC301,CAC301C,CAC302,CAC302C

3.00

C5071,C5102,C5111,C5191,C5210,C5212,C5341,C5441,
C7250,C7270,CACIn401,CACIn402,CACIn403,CACIn406,
CACIn407 , CACIn408 , CACIn411 , CAC401 , CAC401C ,
CAC402,CAC402C,CAC403,CAC403C,CAC406,CAC406C,
CAC407,CAC407C,CAC408,CAC408C,CAC411,CAC411C,
CACIn602 , CACIn603 , CACIn604 , CACIn605 , CAC602 ,
CAC603,CAC603C,CAC604,CAC604C,CAC605,CAC605C

1.00

CACIn502,CACIn503,CAC502A,CAC502B,CAC502C,
CAC503A,CAC503B,CAC503C

0.50

5.5

操作

5.5.1

試料の分解

試料の分解は,次の手順による。

a)  試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,試料はかりとり量に応じて,表

に従って硝酸(1+1)を加え,加熱して分解する。

b)  時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,更に水浴上で加熱してシロップ状

とする。

c)  硝酸(1+1)20 mL 及び温水約 70 mL を加えて可溶性塩類を溶解し,水浴上で約 2 時間加熱する。

表 3−硝酸(11)使用量

試料はかりとり量

g

硝酸(1+1)使用量

mL

3.00 30 
1.00 10 
0.50 10

5.5.2

すずの分離

すずの分離は,次の手順による。

a)  5.5.1 c)

で得た溶液中の沈殿を,少量の無灰ろ紙パルプを加えたろ紙(5 種 B)を用いてこし分け,温

硝酸(1+50)で洗浄する。ろ液及び洗液は,捨てる。

b)  沈殿をろ紙と共に元のビーカーに入れ,硝酸 15 mL 及び硫酸 10 mL を加え,時計皿で覆い,注意しな

がら加熱して分解し,更に加熱して硫酸の白煙を発生させた後,放冷する。有機物の分解が不十分で

溶液が着色しているときは,更に硝酸 10 mL を加えて白煙を発生させる操作を,溶液が透明になるま

で繰り返す。

c)  水 200 mL 及び塩酸 50 mL を加え,穏やかに加熱して可溶性塩類を溶解する。室温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカーの内壁を少量の水で洗って時計皿を取り除く。

5.5.3

すずの還元及び滴定

すずの還元及び滴定は,次のいずれかの手順による。


9

H 1052

:2010

a)  還元装置 を用いる場合

1)  5.5.2 c)

で得た溶液を還元装置 A(5.3.1)の三角フラスコに水を用いて移し入れ,全液量を 250 mL

にする。

2)  アルミニウム(5.2.5)1 g 及びニッケル(5.2.4)を加え,還元キャップをとり付ける。激しい反応が

終わってから,還元キャップに炭酸水素ナトリウム溶液 50 mL を入れ,約 30 分間煮沸する。

3)  還元キャップを付けたまま,氷水中で 10

℃以下に冷却し,炭酸水素ナトリウム溶液を三角フラス

コ中に逆流させる。

4)  還元キャップを外し,速やかにゴム栓の下端を水で洗浄して洗液を溶液に合わせ,更に三角フラス

コの内壁を水で洗浄する。

なお,ここで用いる水は,あらかじめ煮沸して空気を追い出した後,窒素(5.2.6)を通しながら

冷却した水を用いる。

5)  ドライアイスの小片(約 10 mm 角)2,3 個を加え,よう化カリウム溶液(5.2.9)約 5 mL 及びでん

ぷん溶液(5.2.11)約 5 mL を指示薬として加え,直ちによう素酸カリウム標準溶液(5.2.10)で滴

定し,溶液が青紫色となった点を終点とし,よう素酸カリウム標準溶液の使用量を求める。

b)  還元装置 を用いる場合

1)  5.5.2 c)

で得た溶液を還元装置 B(5.3.2)の三角フラスコ(500 mL)に水を用いて移し入れる。

2)  アルミニウム(5.2.5)1 g 及びニッケル(5.2.4)を加え,ゴム栓をし,激しい反応が終わってから,

窒素(5.2.6)を通しながら約 30 分間煮沸する。

3)  窒素(5.2.6)を通しながら氷水中で 10

℃以下に冷却した後,窒素の送入を止め,窒素導入管及び

導出管の両端にはめたゴム管をピンチコックで閉じ,二つの三角フラスコ(300 mL)を取り外す。

ガラス棒を取り外し,孔からよう化カリウム溶液(5.2.9)約 5 mL 及びでんぷん溶液(5.2.11)約 5 mL

を指示薬として加えた後,速やかにビューレットの先端を孔に挿入し,よう素酸カリウム標準溶液

5.2.10)で滴定する。

4)  終点近くになったとき,ゴム栓を取り外し,ドライアイスの小片(約 10 mm 角)2,3 個を加え,

速やかに水でゴム栓の下面及びガラス管を洗浄して洗液を溶液に合わせ,更に水で三角フラスコの

内壁を洗浄した後,滴定を続け,溶液が青紫色になった点を終点とし,よう素酸カリウム標準溶液

の使用量を求める。

なお,ここで用いる水は,あらかじめ煮沸して空気を追い出した後,窒素(5.2.6)を通しながら

冷却した水を用いる。

5.6

空試験

空試験は,行わない。

5.7

計算

試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。

100

×

×

=

m

f

V

Sn

ここに,

Sn

試料中のすず含有率[%(質量分率)

V

よう素酸カリウム標準溶液の使用量(mL)

f

よう素酸カリウム標準溶液 1 mL に相当するすず量(g/mL)

m

試料はかりとり量(g)


10

H 1052

:2010

6

ガレイン抽出吸光光度法

6.1

要旨

試料を塩酸と硝酸との混酸で分解する。L(+)-アスコルビン酸を加えて鉄(III)などを還元し,ガレイ

ンを加え,アンモニア水及び塩酸を加えて酸濃度を調節した後,ガレインすず錯体を 3-メチル-1-ブタノー

ルに抽出し,分光光度計を用いて有機相の吸光度を測定する。

6.2

試薬

試薬は,次による。

6.2.1

塩酸(110111123

6.2.2

混酸(塩酸 3,硝酸 1)  使用の都度,調製する。

6.2.3

アンモニア水(11

6.2.4

銅  99.96 %(質量分率)以上で,すずを含有しないもの,又はすず含有率が低く既知のもの。

6.2.5

洗浄溶液  塩酸(1+11)150 mL を水で 1 L に薄め,3-メチル-1-ブタノール 3 mL を加え,よく振

り混ぜる。

6.2.6

銅溶液(Cu1 mg/mL)  銅(6.2.4)0.10 g をはかりとってビーカー(100 mL)に移し入れ,時計

皿で覆い,混酸(6.2.2)10 mL を加えて分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内

壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 100 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで

薄める。

6.2.7

L

(+)-アスコルビン酸溶液(5 g/L)  使用の都度,調製する。

6.2.8

ガレイン溶液  ガレイン 0.2 g をエタノール[99.5 %(質量分率)以上]200 mL に溶解し,24 時間

程度放置した後,ろ過して用いる。

6.2.9

3-メチル-1-ブタノール

6.2.10

  標準すず溶液(Sn10 μg/mL)  すず[99.9 %(質量分率)以上]0.500 g をはかりとってビーカ

ー(200 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,硫酸 10 mL を加え,加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカーの内壁を塩酸(1+10)で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL の全量フラ

スコに塩酸(1+10)を用いて移し入れ,塩酸(1+10)で標線まで薄めて原液(Sn:1 000 μg/mL)とする。

この原液を使用の都度,必要量だけ塩酸(1+23)で正確に 100  倍に薄めて標準すず溶液とする。

6.3

試料はかりとり量

試料はかりとり量は,0.10 g とする。

6.4

操作

6.4.1

試料溶液の調製

試料溶液の調製は,次の手順による。

a

)  試料をはかりとってビーカー(100 mL)に移し入れる。

b

)  時計皿で覆い,混酸(6.2.2)10 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計

皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 100 mL の全量フラスコに水を

用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

6.4.2

錯体の抽出

錯体の抽出は,次の手順による。

a

)  6.4.1 b)

で得た溶液を分取して,分液漏斗(100 mL)

1)

に移し入れる。

なお,分取量は 10〜30 mL の一定量とし,すず量が 50

μg 以下となるように分取する。

b

) L(+)-アスコルビン酸溶液(6.2.7)5 mL を加え,振り混ぜた後,ガレイン溶液(6.2.8)2.0 mL を加え


11

H 1052

:2010

る。アンモニア水(1+1)を溶液が青紫色になるまで加えた後,塩酸(1+11)7.5 mL を加え,水で

液量を 50 mL とし,振り混ぜて約 20 分間放置する。

c

) 3-メチル-1-ブタノールを正確に 10 mL 加え,30 秒間激しく振り混ぜ,静置して二相に分離した後,下

層の水相を取り除く。

d

)  洗浄溶液(6.2.5)10 mL を加え,30 秒間激しく振り混ぜ,静置して二相に分離した後,下層の水相を

取り除く。

1)

  目盛付きを用いるとよい。

6.4.3

吸光度の測定

吸光度の測定は,次の手順による。

a

)  6.4.2 d)

で得た有機相を乾いたろ紙又は脱脂綿でろ過し,その一部を分光光度計の吸収セル(10 mm)

にとる。

b

)  6.5 によって得られる空試験液を対照液として,波長 575 nm 付近の吸光度を測定する。

6.5

空試験

銅(6.2.4)を,6.4.1 a)

ではかりとった試料の質量と 10 mg のけたまで等しくなるようにはかりとり,ビ

ーカー(100 mL)に移し入れる。次に,6.4.1 b)〜6.4.3 a)

の手順に従って,試料と同じ操作を試料と並行し

て行う。

6.6

検量線の作成

銅溶液(6.2.6)を,銅の量が 6.4.2 a)

で分取した試料溶液中の銅の量と 10 mg のけたまで等しくなるよう

に数個の分液漏斗(100 mL)にとり,標準すず溶液(6.2.10)0〜5.0 mL(すずとして 0〜50 μg)を段階的

に加える。次に,6.4.2 b)〜6.4.3 a)

の手順に従って操作し,標準すず溶液を添加しない溶液で得た有機相を

対照液として,波長 575 nm 付近の吸光度を測定し,得た吸光度とすず量との関係線を作成して検量線と

する。

6.7

計算

6.4.3 b

)

で得た吸光度と 6.6 で作成した検量線とからすず量を求め,試料中のすず含有率を,次の式によ

って算出する。

C

B

m

A

Sn

100

100

×

×

=

ここに,

Sn

試料中のすず含有率[%(質量分率)

A

分取した試料溶液中のすず検出量(g)

m

試料はかりとり量(g)

B

6.4.2 a

)

で分取した試料溶液及び空試験液の量(mL)

C

銅(6.2.4)中のすず含有率[%(質量分率)

7

ケルセチン抽出吸光光度法

7.1

要旨

試料を塩酸と過酸化水素とで分解し,塩酸濃度を調節した後,チオ尿素,L(+)-アスコルビン酸及びケ

ルセチンを加え,生成するケルセチンすず錯体を 4-メチル-2-ペンタノンに抽出し,分光光度計を用いて有

機相の吸光度を測定する。

7.2

試薬

試薬は,次による。


12

H 1052

:2010

7.2.1

塩酸

7.2.2

塩酸(11

7.2.3

硫酸(119

7.2.4

アンモニア水(11

7.2.5

銅  99.96 %(質量分率)以上で,すずを含有しないもの,又はすず含有率が低く既知のもの。

7.2.6

過酸化水素

7.2.7

銅溶液(Cu5 mg/mL)  銅(7.2.5)5.0 g をはかりとってビーカー(500 mL)に移し入れ,時計

皿で覆い,塩酸 100 mL 及び過酸化水素 5 mL を加えて分解する。反応が穏やかになったら,過酸化水素 5

mL を加え,この操作を繰り返して銅を完全に分解する。水 200 mL を加え,煮沸して過酸化水素を完全に

分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液

を 1 000 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

7.2.8

L

(+)-アスコルビン酸溶液(20 g/L)  使用の都度,調製する。

7.2.9

チオ尿素溶液(60 g/L)  使用の都度,調製する。

7.2.10

  ケルセチン溶液  ケルセチン二水和物 0.50 g を 500 mL の全量フラスコにとり,エタノール[99.5 %

(質量分率)以上]300 mL を加えて溶解する。塩酸 25 mL を加えた後,エタノールで標線まで薄める。

不溶解残さがある場合には,上澄み液を用いるか,乾いたろ紙でろ過して用いる。

7.2.11

  4-メチル-2-ペンタノン  4-メチル-2-ペンタノン 500 mL と塩酸(1+30)100 mL とを分液漏斗に入

れて振り混ぜ,二相に分離した後,上層の有機相を用いる。

7.2.12

  標準すず溶液(Sn50 μg/mL)  すず[99.9 %(質量分率)以上]0.500 g をはかりとってビーカ

ー(200 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 50 mL を加え,白金を接触させながら水浴上で加熱して分

解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を塩酸(1+5)で洗って時計皿を取り除

き,溶液を 1 000 mL の全量フラスコに塩酸(1+5)を用いて移し入れ,塩酸(1+5)で標線まで薄めて原

液(Sn:500 μg/mL)とする。この原液を使用の都度,必要量だけ塩酸(1+5)で正確に 10 倍に薄めて標

準すず溶液とする。

7.3

試料はかりとり量

試料はかりとり量は,

表 による。

表 4−試料はかりとり量

試料中のすず含有率

%(質量分率)

試料はかりとり量

g

0.005 以上  0.01 未満 
0.01  以上  0.16 未満 
0.16  以上  0.30 未満 
0.30  以上  0.5 以下

2.00 
1.00 
0.50 
0.40

7.4

操作

7.4.1

試料溶液の調製

試料溶液の調製は,次の手順による。

a

)  試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れる。

b

)  時計皿で覆い,塩酸(1+1)20 mL を加える。過酸化水素 10 mL を少量ずつ加え,流水で冷却しなが

らすずが塩化すず(IV)として揮散しないように,ゆっくりと分解する。分解が不十分な場合には,

過酸化水素を追加して分解し,最後に穏やかに加熱して完全に分解する。常温まで冷却した後,時計


13

H 1052

:2010

皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 200 mL の全量フラスコに水を

用いて移し入れる。ただし,試料中のすず含有率が 0.02 %(質量分率)未満の場合には,次の c)

の操

作は行わない。

c

)  水で標線まで薄めた後,溶液を,試料中のすず含有率に応じて表 の分取量に従って,200 mL の全量

フラスコに分取する。

d

)  アンモニア水(1+1)を,溶液中にわずかに生成する沈殿が溶けずに残っているようになるまで滴加

する。塩酸を沈殿が溶解するまで滴加した後,水 20 mL を加え,更に塩酸を正確に 30 mL 加える。常

温まで冷却した後,水で標線まで薄める。

表 5−分取量

試料中のすず含有率

%(質量分率)

分取量

mL

0.02 以上  0.04 未満 
0.04 以上  0.08 未満 
0.08 以上  0.30 未満 
0.30 以上  0.5  以下

100.0 
 50.0 
 25.0 
 20.0

7.4.2

錯体の抽出

錯体の抽出は,次の手順による。

a

)  分液漏斗(100 mL)に,チオ尿素溶液(7.2.9)20 mL,L(+)-アスコルビン酸溶液(7.2.8)5.0 mL 及

びケルセチン溶液(7.2.10)15.0 mL をとり,振り混ぜる。7.4.1 d)で得た溶液を正確に 10 mL 分取し,

分液漏斗の中の溶液に振り混ぜながら加え,15 分間放置する。

b

) 4-メチル-2-ペンタノン(7.2.11)を正確に 20 mL 加え,正確に 60 秒間振り混ぜる。3 分間静置して二

相に分離した後,下層の水相を捨てる。硫酸(1+19)を正確に 25 mL 加え,正確に 30 秒間振り混ぜ

る。3 分間静置して二相に分離した後,下層の水相及び少量の有機相を捨てる。

c

)  有機相を乾いたろ紙(5 種 B)でろ過し,乾いた共栓付試験管(20 mL)に移し入れる。

7.4.3

吸光度の測定

7.4.2 c

)

で得た有機相の一部を分光光度計の吸収セル(20 mm)にとり,4-メチル-2-ペンタノン(7.2.11

を対照液として,波長 440 nm 付近の吸光度を測定する。

7.5

空試験

銅(7.2.5)を,7.4.1 a)

ではかりとった試料の質量と 10 mg のけたまで等しくなるようにはかりとり,ビ

ーカー(300 mL)に移し入れる。次に,7.4.1 b)〜7.4.3 の手順に従って,試料と同じ操作を試料と並行し

て行う。ただし,試料溶液に対して 7.4.1 c)

の操作を行う場合には,空試験液に対しても 7.4.1 c)

の操作を

行い,空試験液も試料溶液と同量分取する。

7.6

検量線の作成

6 個の 200 mL の全量フラスコに銅溶液(7.2.7)を 50 mL ずつとり,標準すず溶液(7.2.12)を 0,1.0,

2.0,3.0,4.0 及び 5.0 mL(すずとして,0,50,100,150,200 及び 250

μg)を加える。次に,7.4.1 d)〜

7.4.3 の手順に従って操作し,得た吸光度とすず量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平

行移動して検量線とする。

7.7

計算

計算は,次のいずれかによる。


14

H 1052

:2010

a

)  7.4.1 c)

の操作を行わなかった場合  7.4.3 及び 7.5 で得た吸光度と 7.6 で作成した検量線とからすず量

を求め,試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

3

2

1

×

=

m

A

A

A

Sn

ここに,

Sn

試料中のすず含有率[%(質量分率)

A

1

試料溶液中のすず検出量(g)

A

2

空試験液中のすず検出量(g)

A

3

7.5 ではかりとった銅(7.2.5)中のすずの量(g)

m

試料はかりとり量(g)

b

)  7.4.1 c)

の操作を行った場合  7.4.3 及び 7.5 で得た吸光度と 7.6 で作成した検量線とからすず量を求め,

試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。

100

200

200

6

5

4

×

×





×

=

B

m

B

A

A

A

Sn

ここに,

Sn

試料中のすず含有率[%(質量分率)

A

4

試料溶液中のすず検出量(g)

A

5

空試験液中のすず検出量(g)

A

6

7.5 ではかりとった銅(7.2.5)中のすずの量(g)

B

7.4.1 c

)で分取した試料溶液及び空試験液の量(mL)

m

試料はかりとり量(g)

8

原子吸光法

8.1

要旨

試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,溶液を原子吸光光度計のアセチレン・空気フレーム又はアセチレ

ン・一酸化二窒素フレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

8.2

試薬

試薬は,次による。

8.2.1

塩酸(1119

8.2.2

硝酸(1114

8.2.3

混酸(塩酸 1,硝酸 1,水 2)  使用の都度,調製する。

8.2.4

過酸化ナトリウム  87.0 %(質量分率)以上で,すずを含有しないもの,又はすず含有率が低く既

知のもの。

8.2.5

銅溶液(Cu20 mg/mL)  銅[99.96 %(質量分率)以上]10.0 g をはかりとってビーカー(300 mL)

に移し入れ,時計皿で覆い,混酸(8.2.3)200 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した

後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL の全量フラスコに

水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

8.2.6

亜鉛溶液(Zn20 mg/mL)  亜鉛[99.9 %(質量分率)以上]10.0 g をはかりとってビーカー(300

mL)に移し入れ,時計皿で覆い,混酸(8.2.3)200 mL を数回に分けて加え,穏やかに加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。


15

H 1052

:2010

8.2.7

鉛溶液(Pb20 mg/mL)  鉛[99.9 %(質量分率)以上]10.0 g をはかりとってビーカー(300 mL)

に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+4)250 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した

後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL の全量フラスコに

水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

8.2.8

鉄溶液(Fe20 mg/mL)  鉄[99.9 %(質量分率)以上]10.0 g をはかりとってビーカー(300 mL)

に移し入れ,時計皿で覆い,混酸(8.2.3)200 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した

後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL の全量フラスコに

水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

8.2.9

ニッケル溶液(Ni20 mg/mL)  ニッケル[99.9 %(質量分率)以上]10.0 g をはかりとってビー

カー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,混酸(8.2.3)200 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

8.2.10

  アルミニウム溶液(Al20 mg/mL)  アルミニウム[99.9 %(質量分率)以上]10.0 g をはかりと

ってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)200 mL 及び銅溶液(8.2.5)1 mL を加

え,穏やかに加熱して分解する。硝酸(1+1)2 mL を加え,加熱して完全に分解する。常温まで冷却した

後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL の全量フラスコに

水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

8.2.11

  マンガン溶液(Mn20 mg/mL)  マンガン[99.9 %(質量分率)以上]10.0 g をはかりとってビ

ーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)300 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

8.2.12

  ビスマス溶液(Bi20 mg/mL)  ビスマス[99.9 %(質量分率)以上]10.0 g をはかりとってビー

カー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+1)50 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常

温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL の

全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

8.2.13

  標準すず溶液 ASn1.0 mg/mL)  すず[99.9 %(質量分率)以上]0.500 g をはかりとってビー

カー(200 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 15 mL 及び硝酸 5 mL を加え,穏やかに加熱して分解す

る。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500 mL

の全量フラスコに塩酸(1+1)100 mL を用いて移し入れ,塩酸(1+1)150 mL を加え,水で標線まで薄

める。

8.2.14

  標準すず溶液 BSn100 μg/mL)  標準すず溶液 A(8.2.13)を使用の都度,塩酸(1+9)で正確

に 10 倍に薄める。

8.3

試料はかりとり量

試料はかりとり量は,1.00 g とする。

8.4

操作

8.4.1

試料溶液の調製

試料溶液の調製は,次のいずれかの手順による。ただし,塩酸・硝酸による分解は,不溶解残さを生じ

る試料には,適用しない。

a

)  塩酸・硝酸による分解

1

)  試料をはかりとってビーカー(200 mL)に移し入れる。


16

H 1052

:2010

2

)  時計皿で覆い,混酸(8.2.3)20 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時

計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って,時計皿を取り除く。

3

)  溶液を 100 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

4

)  この溶液から 20.0 mL を 100 mL の全量フラスコに分取し,塩酸(1+9)で標線まで薄める。ただし,

試料中のすず含有率が 0.02 %(質量分率)以上 1.0 %(質量分率)未満の場合には,この分取の操

作は行わない。

b

)  塩酸・硝酸・過酸化ナトリウムによる分解

1

)  試料をはかりとってビーカー(200 mL)に移し入れる。

2

)  時計皿で覆い,混酸(8.2.3)20 mL を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時

計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く。

3

)  少量の無灰ろ紙パルプを加えたろ紙(5 種 C)を用いて 250 mL の全量フラスコにろ過し,温塩酸(1

+9)で 3〜4 回洗浄し,次に温水で 2〜3 回洗浄する。ろ液及び洗液は主液として保存する。

4

)  不溶解残さは,ろ紙と共にアルミナるつぼ(容量 30 mL)に移して乾燥し,約 800

℃で灰化する。

灰化した後,過酸化ナトリウム約 2 g を加えて加熱して融解する。放冷した後,融成物をるつぼご

とビーカー(300 mL)に入れ,温水で浸出する。浸出した後,塩酸 30 mL を加えて溶解し,酸性溶

液にする。るつぼは温水で洗って取り出す。この溶液を加熱し濃縮して,常温まで冷却した後,主

液の入っている 250 mL の全量フラスコに移して塩酸(1+9)で標線まで薄める。

5

)  この溶液から 50.0 mL を 100 mL の全量フラスコに分取し,塩酸(1+9)で標線まで薄める。ただし,

試料中のすず含有率が 0.02 %(質量分率)以上 2.5 %(質量分率)未満の場合には,この分取の操

作は行わない。

8.4.2

吸光度の測定

8.4.1 の a) 3),a) 4),b) 4)

又は b) 5)

で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計

のアセチレン・空気フレーム又はアセチレン・一酸化二窒素フレーム中に噴霧し,波長 224.6 nm 又は 286.3

nm における吸光度を測定する。

8.5

空試験

試料を用いないで,8.4.1 及び 8.4.2 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。

8.6

検量線の作成

8.6.1

試料用検量線の作成

検量線の作成は,次のいずれかの手順による。

a

)  8.4.1 a) 4)

の操作を行わない場合

1

)  銅溶液(8.2.5),亜鉛溶液(8.2.6),鉛溶液(8.2.7),鉄溶液(8.2.8),ニッケル溶液(8.2.9),アルミ

ニウム溶液(8.2.10

,マンガン溶液(8.2.11)及びビスマス溶液(8.2.12)を,その銅,亜鉛,鉛,

鉄,ニッケル,アルミニウム,マンガン及びビスマスの量が 8.4.1 a) 1)

ではかりとった試料中の銅,

亜鉛,鉛,鉄,ニッケル,アルミニウム,マンガン及びビスマスの量と 10 mg のけたまで等しくな

るように数個の 100 mL の全量フラスコに取る。

2

)  標準すず溶液 A(8.2.13)及び/又は標準すず溶液 B(8.2.14)の各種液量(すずとして 0〜10 mg)

を段階的に加え,水で標線まで薄める。

3

)  各溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計のアセチレン・空気フレーム又はア

セチレン・一酸化二窒素フレーム中に噴霧し,波長 224.6 nm 又は 286.3 nm における吸光度を試料

溶液と並行して測定し,得た吸光度とすず量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように


17

H 1052

:2010

平行移動して検量線とする。

b

)  8.4.1 a) 4)

の操作を行う場合

1

)  8.6.1 a) 1)

の操作を行う。

2

)  水で標線まで薄めた後,各溶液を 20.0 mL ずつ分取し,それぞれ 100 mL の全量フラスコに移し入れ

る。

3

)  8.6.1 a)

の 2)

及び 3)

の操作を行う。

c

)  8.4.1 b) 5)

の操作を行わない場合

1

)  銅溶液(8.2.5),亜鉛溶液(8.2.6),鉛溶液(8.2.7),鉄溶液(8.2.8),ニッケル溶液(8.2.9),アルミ

ニウム溶液(8.2.10

,マンガン溶液(8.2.11)及びビスマス溶液(8.2.12)を,その銅,亜鉛,鉛,

鉄,ニッケル,アルミニウム,マンガン及びビスマスの量が 8.4.1 b) 1)

ではかりとった試料中の銅,

亜鉛,鉛,鉄,ニッケル,アルミニウム,マンガン及びビスマスの量と 10 mg のけたまで等しくな

るように数個の 250 mL の全量フラスコに取る。

2

)  過酸化ナトリウム 2 g をアルミナるつぼに入れ,加熱して融解する。放冷した後,融成物をるつぼ

ごとビーカー(300 mL)に入れ,温水で浸出する。浸出した後,塩酸 30 mL を加えて溶解し,酸性

溶液にする。るつぼは温水で洗って取り出す。この溶液を加熱し濃縮して,常温まで冷却した後,

8.6.1 c

) 1)

で用いた 250 mL の全量フラスコに移し入れる。

3

)  標準すず溶液 A(8.2.13)及び/又は標準すず溶液 B(8.2.14)の各種液量(すずとして 0〜10 mg)

を段階的に加え,塩酸(1+9)で標線まで薄める。

4

)  8.6.1 a) 3)

の操作を行う。

d

)  8.4.1 b) 5)

の操作を行う場合

1

)  8.6.1 c)

の 1)

及び 2)

の手順に従って操作する。

2

)  各溶液を 50.0 mL ずつ分取し,それぞれ 100 mL の全量フラスコに移し入れる。

3

)  標準すず溶液 A(8.2.13)及び/又は標準すず溶液 B(8.2.14)の各種液量(すずとして 0〜10 mg)

を段階的に加え,塩酸(1+9)で標線まで薄める。

4

)  8.6.1 a) 3)

の操作を行う。

8.6.2

空試験用検量線の作成

数個の 100 mL の全量フラスコに混酸(8.2.3)20 mL を取る。次に,8.6.1 a)

の 2)〜3),8.6.1 b)

の 2)〜3),

8.6.1 c

)

の 2)〜4)

又は 8.6.1 c) 2)

及び 8.6.1 d)

の 3)〜4)

の手順に従って操作する。

8.7

計算

計算は,次のいずれかによる。

a

)  8.4.1 a) 4)

の操作を行わなかった場合

8.4.2 及び 8.5 で得た吸光度と 8.6.1 a)

及び 8.6.2 で作成した検量線とから,それぞれすず量を求め,

試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

3

2

1

×

=

m

A

A

A

Sn

ここに,

Sn

試料中のすず含有率[%(質量分率)

A

1

試料溶液中のすず検出量(g)

A

2

空試験液中のすず検出量(g)

A

3

8.6.1 a

)ではかりとった銅(8.2.5),亜鉛(8.2.6),鉛

8.2.7

,鉄(8.2.8

,ニッケル(8.2.9

,アルミニ

ウム(8.2.10

,マンガン(8.2.11)及びビスマス


18

H 1052

:2010

8.2.12)中に含まれるすずの合量(g)

m

試料はかりとり量(g)

b

)  8.4.1 a) 4)

の操作を行った場合

8.4.2 及び 8.5 で得た吸光度と 8.6.1 b)

及び 8.6.2 で作成した検量線とから,それぞれすず量を求め,

試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。

100

100

20

100

20

6

5

4

×

×

×

=

m

A

A

A

Sn

ここに,

Sn

試料中のすず含有率[%(質量分率)

A

4

分取した試料溶液中のすず検出量(g)

A

5

分取した空試験液中のすず検出量(g)

A

6

8.6.1 b

)ではかりとった銅(8.2.5),亜鉛(8.2.6),

鉛(8.2.7

,鉄(8.2.8

,ニッケル(8.2.9

,アルミ

ニウム(8.2.10

,マンガン(8.2.11)及びビスマス

8.2.12)中に含まれるすずの合量(g)

m

試料はかりとり量(g)

c

)  8.4.1 b) 5)

の操作を行わなかった場合

8.4.2 及び 8.5 で得た吸光度と 8.6.1 c)

及び 8.6.2 で作成した検量線とから,それぞれすず量を求め,

試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

9

8

7

×

=

m

A

A

A

Sn

ここに,

Sn

試料中のすず含有率[

%

(質量分率)

A

7

試料溶液中のすず検出量(

g

A

8

空試験液中のすず検出量(

g

A

9

8.6.1c

)

ではかりとった銅(8.2.5

,亜鉛(8.2.6

,鉛

8.2.7

,鉄(8.2.8

,ニッケル(8.2.9

,アルミニ

ウム(8.2.10

,マンガン(8.2.11)及びビスマス

8.2.12)中に含まれるすずの合量(

g

m

試料はかりとり量(

g

d

)

8.4.1 b

)

 5

)

の操作を行った場合

8.4.2 及び 8.5 で得た吸光度と 8.6.1 d

)

及び 8.6.2 で作成した検量線とから,それぞれすず量を求め,

試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。

100

100

50

100

50

12

11

10

×

×

×

=

m

A

A

A

Sn

ここに,

Sn

試料中のすず含有率[

%

(質量分率)

A

10

分取した試料溶液中のすず検出量(

g

A

11

分取した空試験液中のすず検出量(

g

A

12

8.6.1 d

)

ではかりとった銅(8.2.5

,亜鉛(8.2.6

鉛(8.2.7

,鉄(8.2.8

,ニッケル(8.2.9

,アルミ

ニウム(8.2.10

,マンガン(8.2.11)及びビスマス

8.2.12)中に含まれるすずの合量(

g

m

試料はかりとり量(

g

9

ICP 発光分光法


19

H 1052

:2010

9.1

要旨

試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,溶液を

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発

光強度を測定する。

9.2

試薬

試薬は,次による。

9.2.1

塩酸(1119

9.2.2

硝酸

9.2.3

混酸(塩酸 2,硝酸 1,水 2)  使用の都度,調製する。

9.2.4

過酸化ナトリウム 

87.0 %

(質量分率)以上で,すずを含有しないもの,又はすず含有率が低く既

知のもの。

9.2.5

銅 

99.96 %

(質量分率)以上で,すずを含有しないもの,又はすず含有率が低く既知のもの。

9.2.6

亜鉛 

99.9 %

(質量分率)以上で,すずを含有しないもの,又はすず含有率が低く既知のもの。

9.2.7

鉛 

99.9 %

(質量分率)以上で,すずを含有しないもの,又はすず含有率が低く既知のもの。

9.2.8

鉄 

99.9 %

(質量分率)以上で,すずを含有しないもの,又はすずの含有率が低く既知のもの。

9.2.9

ニッケル 

99.9 %

(質量分率)以上で,すずを含有しないもの,又はすずの含有率が低く既知のも

の。

9.2.10

アルミニウム 

99.9 %

(質量分率)以上で,すずを含有しないもの,又はすずの含有率が低く既知

のもの。

9.2.11

マンガン 

99.9 %

(質量分率)以上で,すずを含有しないもの,又はすずの含有率が低く既知のも

の。

9.2.12

ビスマス 

99.9 %

(質量分率)以上で,すずを含有しないもの,又はすずの含有率が低く既知のも

の。

9.2.13

標準すず溶液(Sn1.0 mg/mL)  8.2.13 による。

9.3

試料はかりとり量

試料はかりとり量は,

0.50 g

とする。

9.4

操作

9.4.1

試料溶液の調製

試料溶液の調製は,次のいずれかの手順による。ただし,塩酸・硝酸による分解は,不溶解残さを生じ

る試料には,適用しない。

a

)

塩酸・硝酸による分解

1

)

試料をはかりとってビーカー(

200 mL

)に移し入れる。

2

)

時計皿で覆い,混酸(9.2.3

30 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時

計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って,時計皿を取り除く。

3

)

溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

4

)

この溶液から

10.0 mL

100 mL

の全量フラスコに分取し,塩酸(

1

9

)で標線まで薄める。ただし,

試料中のすず含有率が

0.02 %

(質量分率)以上

1.0 %

(質量分率)未満の場合には,この分取の操

作は行わない。

b

)

塩酸・硝酸・過酸化ナトリウムによる分解

1

)

試料をはかりとってビーカー(

200 mL

)に移し入れる。

2

)

時計皿で覆い,混酸(9.2.3

30 mL

を加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時


20

H 1052

:2010

計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って,時計皿を取り除く。

3

)

少量の無灰ろ紙パルプを加えたろ紙(

5

C

)を用いて

250 mL

の全量フラスコにろ過し,温塩酸(

1

9

)で

3

4

回洗浄し,次に温水で

2

3

回洗浄する。ろ液及び洗液は主液として保存する。

4

)

不溶解残さは,ろ紙と共にアルミナるつぼ(容量

30 mL

)に移して乾燥し,約

800

℃で灰化する。

灰化した後,過酸化ナトリウム約

2 g

を加えて加熱して融解する。放冷した後,融成物をるつぼご

とビーカー(

300 mL

)に入れ,温水で浸出する。浸出した後,塩酸

30 mL

を加えて溶解し,酸性溶

液にする。るつぼは温水で洗って取り出す。この溶液を加熱し濃縮して,常温まで冷却した後,主

液の入っている

250 mL

の全量フラスコに移して塩酸(

1

9

)で標線まで薄める。

5

)

この溶液から

25.0 mL

100 mL

の全量フラスコに分取し,塩酸(

1

9

)で標線まで薄める。ただし,

試料中のすず含有率が

0.02 %

(質量分率)以上

1.0 %

(質量分率)未満の場合には,この分取の操

作は行わない。

9.4.2

発光強度の測定

9.4.1 の a

)

 3

)

a

)

 4

)

b

)

 4

)

又は b

)

 5

)

で得た溶液の一部を,

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧

し,波長

189.989 nm

又は

283.999 nm

の発光強度を測定する

2)

2)

精度及び真度を確認してある場合は,高次のスペクトル線を用いてもよく,バックグラウンド

補正機構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。

9.5

空試験

試料を用いないで,9.4.1 及び 9.4.2 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。

9.6

検量線の作成

検量線の作成は,次のいずれかの手順による。

a

)

9.4.1 a

)

 4

)

の操作を行わない場合

1

)

銅(9.2.5

,亜鉛(9.2.6

,鉛(9.2.7

,鉄(9.2.8

,ニッケル(9.2.9

,アルミニウム(9.2.10

,マン

ガン(9.2.11)及びビスマス(9.2.12)を,その銅,亜鉛,鉛,鉄,ニッケル,アルミニウム,マン

ガン及びビスマスの量が 9.4.1 a

)

 1

)

ではかりとった試料中の銅,亜鉛,鉛,鉄,ニッケル,アルミニ

ウム,マンガン及びビスマスの量と

10 mg

のけたまで等しくなるように数個はかりとり,数個のビ

ーカー(

200 mL

)にそれぞれ移し入れる。

2

)

9.4.1 a

)

 2

)

の操作を行った後,標準すず溶液(9.2.13

0

5.0 mL

(すずとして

0

5 000

μg

)を段階的

に加える。溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

3

)

溶液の一部を

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長

189.989 nm

又は

283.999 nm

の発光強度を試料溶液と並行して測定し

2)

,得た発光強度とすず量との関係線を作成し,その関係

線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

b

)

9.4.1 a

)

 4

)

の操作を行う場合

1

)

9.4.1 a

)

の 1

)

2

)

及び 3

)

の手順に従って操作した後,溶液を

10.0 mL

ずつ数個の

100 mL

の全量フラ

スコに分取し,標準すず溶液(9.2.13

0

8.0 mL

(すずとして

0

8 000 μg

)を段階的に加えた後,

塩酸(

1

9

)で標線まで薄める。

2

)

9.6 a

)

 3

)

の操作を行う。

c

)

9.4.1 b

)

 5

)

の操作を行わない場合

1

)

銅(9.2.5

,亜鉛(9.2.6

,鉛(9.2.7

,鉄(9.2.8

,ニッケル(9.2.9

,アルミニウム(9.2.10

,マン

ガン(9.2.11)及びビスマス(9.2.12)を,その銅,亜鉛,鉛,鉄,ニッケル,アルミニウム,マン

ガン及びビスマスの量が 9.4.1 b

)

 1

)

ではかりとった試料中の銅,亜鉛,鉛,鉄,ニッケル,アルミニ


21

H 1052

:2010

ウム,マンガン及びビスマスの量と

10 mg

のけたまで等しくなるように数個はかりとり,数個のビ

ーカー(

200 mL

)にそれぞれ移し入れる。

2

)

9.4.1 b

)

 2

)

の操作を行った後,数個の

250 mL

の全量フラスコに入れる。

3

)

過酸化ナトリウム

2 g

をアルミナるつぼに入れ,加熱して融解する。放冷した後,融成物をるつぼ

ごとビーカー(

300 mL

)に入れ,温水で浸出する。浸出した後,塩酸

30 mL

を加えて溶解し,酸性

溶液にする。るつぼは温水で洗って取り出す。この溶液を加熱し濃縮して,常温まで冷却した後,

9.6 c

)

 2

)

の全量フラスコに水で移し入れる。

4

)

標準すず溶液(9.2.13

0

5.0 mL

(すずとして

0

5 000 μg

)を段階的に加えた後,塩酸(

1

9

)で

標線まで薄める。

5

)

9.6 a

)

 3

)

の操作を行う。

d

)

9.4.1 b

)

 5

)

の操作を行う場合

1

)

9.6 c

)

の 1

)

2

)

及び 3

)

の手順に従って操作し,水で標線まで薄める。この溶液を

25 mL

ずつ数個の

100 mL

の全量フラスコに分取し,標準すず溶液(9.2.13

0

8.0 mL

(すずとして

0

8 000 μg

)を

段階的に加えた後,塩酸(

1

9

)で標線まで薄める。

2

)

9.6 a

)

 3

)

の操作を行う。

9.7

計算

計算は,次のいずれかによる。

a

)

9.4.1 a

)

 4

)

の操作を行わなかった場合  9.4.2 及び 9.5 で得た発光強度と 9.6 a

)

で作成した検量線とから

すず量を求め,試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

3

2

1

×

=

m

A

A

A

Sn

ここに,

Sn

試料中のすず含有率[

%

(質量分率)

A

1

試料溶液中のすず検出量(

g

A

2

空試験液中のすず検出量(

g

A

3

9.6 a

)

ではかりとった銅(9.2.5

,亜鉛(9.2.6

,鉛(9.2.7

鉄(9.2.8

,ニッケル(9.2.9

,アルミニウム(9.2.10

マンガン(9.2.11)及びビスマス(9.2.12)中に含まれ
るすずの合量(

g

m

試料はかりとり量(

g

b

)

9.4.1 a

)

 4

)

の操作を行った場合  9.4.2 及び 9.5 で得た発光強度と 9.6 b

)

で作成した検量線とからすず量

を求め,試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。

100

100

10

100

10

3

2

1

×

×

×

=

m

A

A

A

Sn

ここに,

Sn

試料中のすず含有率[

%

(質量分率)

A

1

分取した試料溶液中のすず検出量(

g

A

2

分取した空試験液中のすず検出量(

g

A

3

9.6 b

)

ではかりとった銅(9.2.5

,亜鉛(9.2.6

,鉛(9.2.7

鉄(9.2.8

,ニッケル(9.2.9

,アルミニウム(9.2.10

マンガン(9.2.11)及びビスマス(9.2.12)中に含まれ
るすずの合量(

g

m

試料はかりとり量(

g


22

H 1052

:2010

c

)

9.4.1 b

)

 5

)

の操作を行わなかった場合  9.4.2 及び 9.5 で得た発光強度と 9.6 c

)

で作成した検量線とから

すず量を求め,試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

3

2

1

×

=

m

A

A

A

Sn

ここに,

Sn

試料中のすず含有率[

%

(質量分率)

A

1

試料溶液中のすず検出量(

g

A

2

空試験液中のすず検出量(

g

A

3

9.6 c

)

ではかりとった銅(9.2.5

,亜鉛(9.2.6

,鉛(9.2.7

鉄(9.2.8

,ニッケル(9.2.9

,アルミニウム(9.2.10

マンガン(9.2.11)及びビスマス(9.2.12)中に含まれ
るすずの合量(

g

m

試料はかりとり量(

g

d

)

9.4.1 b

)

 5

)

の操作を行った場合  9.4.2 及び 9.5 で得た発光強度と 9.6 d

)

で作成した検量線とからすず量

を求め,試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。

100

250

25

250

25

3

2

1

×

×

×

=

m

A

A

A

Sn

ここに,

Sn

試料中のすず含有率[

%

(質量分率)

A

1

分取した試料溶液中のすず検出量(

g

A

2

分取した空試験液中のすず検出量(

g

A

3

9.6 d

)

ではかりとった銅(9.2.5

,亜鉛(9.2.6

,鉛(9.2.7

鉄(9.2.8

,ニッケル(9.2.9

,アルミニウム(9.2.10

マンガン(9.2.11)及びビスマス(9.2.12)中に含まれ
るすずの合量(

g

m

試料はかりとり量(

g

参考文献

JIS H 2202  鋳物用銅合金地金

JIS H 3100  銅及び銅合金の板並びに条

JIS H 3110  りん青銅及び洋白の板並びに条

JIS H 3130  ばね用のベリリウム銅,チタン銅,りん青銅,ニッケル−すず銅及び洋白の板並びに条

JIS H 3250  銅及び銅合金の棒

JIS H 3260  銅及び銅合金の線

JIS H 3270  ベリリウム銅,りん青銅及び洋白の棒並びに線

JIS H 3300  銅及び銅合金の継目無管

JIS H 3320  銅及び銅合金の溶接管

JIS H 5120  銅及び銅合金鋳物

JIS H 5121  銅合金連続鋳造鋳物


附属書 JA

参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS H 1052:2010  銅及び銅合金中のすず定量方法 

ISO 4751:1984 , Copper and copper alloys − Determination of tin content −
Spectrometric method 

(I)JIS の規定 

(II) 

国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の

箇条ごとの評価及びその内容 

(V)JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名

内容 

箇条番号 

内容 

箇 条 ご と
の評価 

技術的差異の内容 

1  適用範

銅及び銅合金(伸銅品,鋳
物用銅合金地金及び銅合金
鋳物)中のすずの定量

1 Copper

and

copper

alloys − Determination 
of tin content− 
Spectrometric method

追加

ISO 規格を包含し,すべて
の伸銅品,地金及び鋳物を
対象としている。

ISO 規格の見直し時に,対象合金の
追加の提案をする。

2  引用規

 

3  一般事

分 析 の 一 般 事 項 は JIS H 
1012 
によることを規定。

追加

 

JIS として必要な一般事項を規定。

4  定量方
法の区分 

a)  メ タす ず酸 沈殿 分離 ア
ルミニウム・ニッケル還元

よう素酸カリウム滴定法 
 0.5 %≦Sn≦15.0 % 

追加

ISO 規格には規定してい
ない定量方法を追加し て

いる。 

定量方法は,濃度範囲,対応設備の
有無などから適切な方法が選択され

るべきであるので,一つに限定する
ことは好ましくない。したがって,
従来から規定されていた JIS の定量

方法及び最新の機器による定量方法
を追加した。 
ISO 規格を包含した五つの定量方法
を規定しており,状況に応じていず
れかを選択して使用ができる。した
がって,国際的にも,何ら問題ない

ので JIS だけに規定された定量方法
を ISO へ提案することは当面行わな
い。 

 

b)  ガレイン抽出吸光光 度
法 
 0.03 %≦Sn≦0.5 %

追加

 

d)  原子吸光法 
 0.02 %≦Sn≦4.0 % 

追加

 

e) ICP 発光分光法 
 0.02 %≦Sn≦15.0 %

追加

2

H

 105

2


20
1

0


(I)JIS の規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の
箇条ごとの評価及びその内容 

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名

内容 

箇条番号 

内容 

箇 条 ご と
の評価 

技術的差異の内容 

5  メタす
ず酸沈殿
分離アル
ミ ニ ウ

ム ・ ニ ッ
ケル還元
よう素酸

カリウム
滴定法 

試料を硝酸で分解し,水浴

上で加熱してシロップ状と
した後,温水と硝酸とで可
溶性塩類を溶解し,沈殿を

こし分ける。沈殿に硝酸及
び硫酸を加え,加熱して分
解し,硫酸の白煙を発生さ

せ て 硝 酸 を 完 全 に 追 い 出
す。塩酸を加え,溶液を還
元装置に入れ,アルミニウ

ム及びニッケルを加え,煮
沸してすずを還元する。よ
う化カリウムを加え,でん

ぷんを指示薬として,よう
素酸カリウム標準溶液で滴
定する。

追加

ISO 規格には規定してい
ない定量方法を追加した。

ISO 規格に規定がなくても,何ら問
題はないので,当面 ISO に提案する
ことは見送る。 

6  ガレイ 
ン抽出吸

光光度法

試料を塩酸と硝酸との混酸
で分解する。L(+)-アスコル

ビン酸を加えて鉄(III)な
どを還元し,ガレインを加
え,アンモニア水及び塩酸

を加えて酸濃度を調節した
後,ガレインすず錯体を 3-
メチル-1-ブタノ−ルに抽出

し,分光光度計を用いて有
機相の吸光度を測定する。

追加

ISO 規格には規定してい
ない定量方法を追加した。

ISO 規格に規定がなくても,何ら問
題はないので,当面 ISO に提案する

ことは見送る。

2

H

 105

2


2

010


(I)JIS の規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の
箇条ごとの評価及びその内容 

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名

内容 

箇条番号 

内容 

箇 条 ご と
の評価 

技術的差異の内容 

7  ケルセ 
チン抽出
吸光光度

試料を塩酸と過酸化水素と

で分解し,塩酸濃度を調節
した後,チオ尿素,L(+)-
アスコルビン酸及びケルセ

チンを加え,生成するケル
セチンすず錯体を 4-メチル
-2-ペンタノンに抽出し,分
光光度計を用いて有機相の
吸光度を測定する。

5

JIS と同じ

一致

8  原子吸
光法

試料を塩酸と硝酸との混酸
で分解し,溶液を原子吸光
光度計のアセチレン・空気

フレーム又はアセチレン・
一酸化二窒素フレーム中に
噴霧し,その吸光度を測定

する。

追加

ISO 規格には規定してい
ない定量方法を追加した。

ISO 規格に規定がなくても,何ら問
題はないので,当面 ISO に提案する
ことは見送る。

9 ICP 発
光分光法

試料を塩酸と硝酸との混酸
で分解し,溶液を ICP 発光

分光装置のアルゴンプラズ
マ中に噴霧し,その発光強
度を測定する。

追加

ISO 規格には規定してい
ない定量方法を追加した。

ISO 規格で採用の動きがあり,動向
を見守る。

 
JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 4751:1984,MOD 

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致  技術的差異がない。

    −  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD  国際規格を修正している。

2

H

 105

2


2

010