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日本工業規格

JIS

 H

0610

-1966

ゲルマニウムのエッチピット測定方法

Method of Measurement of Etch Pit Density of Germanium Crystal

1.

適用範囲  この規格は,ゲルマニウム単結晶の(111)面上のエッチピット密度を測定する場合について

規定する。測定しうるエッチピット密度は,1cm

2

あたり 0∼100000 個の範囲とする(

1

)

(

1

)

抵抗率範囲および伝導形は制限しない。

2.

試料  試料は,直径約 15∼30mm またはこれと等しい断面積をもつ単結晶から切りだしたもので,つ

ぎの規定に適合するものとする。

(1)

表面は(111)面に対し,3°以内の精度をもち,厚さ 1∼3mm のウェーハ状であること。

(2)

測定面には肉眼で明りょうにわかるきず,よごれなどがないこと(

2

)

(

2

)

測定面にこのようなきずが見られる場合は,粒度30

µ

以下の研摩材で研摩する。また,よごれを

除くために,有機溶剤または洗剤で脱脂し,清浄な水で洗浄する必要がある。

3.

エッチング

3.1

エッチング環境  試料のエッチング時の周囲温度は,原則として 23℃±3deg とする。

3.2

エッチング液  エッチング液は,つぎのとおりとする。

(1)

エッチング液は,つぎの組成で混合し調製する。

ふっ化水素酸

1

硝酸

4

この溶液は,混合精度が±2%以内で調製する(

3

)

(

3

)

混合後直ちに使用してよく,また密せんしたポリエチレン容器内に室温で少なくとも1箇月の保

存が可能である。

(2)

各薬品は,日本工業規格に規定された試薬 1 級以上の純度を要し,つぎの濃度のものを使用する。

ふっ化水素酸 49±0.5%

硝酸 70±1%

3.3

エッチング容器  エッチング容器は,つぎのとおりとする。

(1)

容器は,ポリエチレンまたはふっ素樹脂製ビーカーとする。

(2)

容器の大きさは,エッチング液面と試料表面の距離が 3mm 以上になるようなものであること。

3.4

エッチング手順  エッチング手順は,つぎのとおりとする。

(1)  1

∼6 枚の試料を,測定面を上にして重なり合わないように容器の底にならべる。

(2) 25

℃±1deg のエッチング液を,1 枚の試料あたり約 10ml を加えてエッチングを開始する。

(3)

容器をときどき静かにゆり動かしてかくはんし,エッチングを進行させる(

4

)

(

4

)

エッチングの進行とともに液温は上昇するが,冷却は行なわない。


2

H 0610-1966

(4)

約 6 分経過後(

5

)

すなわち最大反応速度時を経過し,急速に反応の弱まった時を選んで,大量の清浄な

水を急激に容器内に注入して,エッチングを停止する。

(

5

)

抵抗率が著しく低い場合は,多少エッチング時間を延長する。

(5)

試料をじゅうぶんに水洗したのち乾燥する。

4.

エッチピットの計数

4.1

計数装置  エッチピット計数のための拡大装置は,40∼200 倍の金属顕微鏡(

6

)

または反射投影器とす

る。

(

6

)

あらかじめ倍率精度を確認しておく。

4.2

計数視野  計数視野とは,試料面上の計数する面積の範囲で,つぎの大きさの正方形またはこれに

相当する面積の円形とする。

(1)

エッチピット密度 10000 個/cm

2

未満の場合は 1×1mm 以上。

(2)

エッチピット密度 10000 個/cm

2

以上 50000 個/cm

2

未満の場合は 0.6×0.6mm 以上。

(3)

エッチピット密度 50000 個/cm

2

以上 100000 個/cm

2

以下の場合は 0.4×0.4mm 以上。

4.3

計数位置  計数位置は,つぎのとおりとする。

(1)

引上結晶のエッチピット計数位置は,試料面上の中心を通る任意の直交 2 方向の直径上において,つ

ぎの 9 箇所とする(

図 参照)。

(a)

中心 1 点

(b)

周辺から 2mm の位置 4 点

(c)  (a)

(b)の中間の位置 4 点

(2)

ゾーンレベリング結晶のエッチピット計数位置は,試料面上のつぎの 9 箇所とする(

図 参照)。

(a)

左右対称 2 等分線を 6 等分した中心を含む位置 5 点。

(b)

左右対称 2 等分線と中心で直交する線上を 6 等分し,中心を除いた左右の位置 4 点。

図 1  引上結晶                      図 2  ゾーンレベリング結晶

4.4

エッチピット形状  計数すべきエッチピットの形状は,輪郭が円形に近い形状をもち,かつ,底部

に点状の頂点をもった円すい状とする(

7

)

写真 参照)。

(

7

)  2

個以上のエッチピットが重なり合った場合は,1個の頂点を1個のエッチピットとみなす。


3

H 0610-1966

写真 

4.5

計数  エッチピットの計数は,それぞれの計数位置で,計数視野の中心を測定位置に合わせて,計

数視野内に頂点をもったエッチピット数を数える。

5.

エッチピット密度の算出  各計数位置におけるエッチピット数を 1cm

2

あたりに換算して,その位置の

エッチピット密度とし,それらの算術平均値を試料のエッチピット密度とする。それぞれの値は,上位 3

けた目を JIS Z 8401(数値の丸め方)によって丸める。

6.

エッチピット密度の表示  試料のエッチピット密度(個/cm

2

)および 9 箇所の計数位置における最

大と最小のエッチピット密度(個/cm

2

)を列記する。

非鉄金属部会  ゲルマニウム試験方法専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

塚  本  哲  男

ソニー株式会社厚木工場

長  船  広  衛

日本電気株式会社電子部品事業部

平  田      清

三井金属鉱業株式会社

長谷川  成  雄

東京電子金属株式会社

水  間  基一郎

日本電子金属株式会社小金井工場

黒  田  和  夫

社団法人新金属協会

大  森  茂  生

株式会社東京電子冶金研究所

加  藤      宏

東京芝浦電気株式会社半導体技術部

伝  田  精  一

電気試験所電子部品部

池  神  一  司

日本電信電話公社電気通信研究所

田  内  省  二

株式会社日立製作所中央研究所

近  藤      融

松下電子工業株式会社半導体事業部

木  下      亨

工業技術院標準部材料規格課

(事務局)

吉  枝  正  明

工業技術院標準部材料規格課