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日本工業規格

JIS

 H

0602

-1995

シリコン単結晶及びシリコン

ウェーハの 4 探針法による

抵抗率測定方法

Testing method of resistivity for silicon crystals

and silicon wafers with four-point probe

1.

適用範囲  この規格は,シリコン単結晶(以下,単結晶という。)及びシリコンウェーハ(以下,ウェ

ーハという。

)の直流 4 探針法による抵抗率の測定方法について規定する。

測定可能な抵抗率範囲は,P 形は 0.001∼2 000

Ω・cm,N 形は 0.001∼6 000Ω・cm とする。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS R 6001

  研磨材の粒度

2.

測定環境  測定環境は,十分電磁遮へいされた所とする。

また,測定条件は,原則として,温度 25±1℃,相対湿度 60%以下の状態に保つこととする。試料を測

定環境に 30 分以上放置し定温に達してから測定する。25℃以外の温度での測定値は,5.(6)で示す方法で温

度補正を行う。

3.

試料  試料は,次による。

(1)

測定用の単結晶の試料は,不規則な形状の試料でもよい。測定面は,平たんに仕上げ,探針の接触点

から最も近いエッジまでの距離が 4mm 以上,厚さ 4mm 以上とする。

(2)

測定用のウェーハは,円形状とし,直径 20mm 以上,厚さ 150

µm 以上のものとする。

4.

試料の前処理  測定する試料は,その表面を JIS R 6001 に規定する粒度 600∼1200 番のアルミナの研

磨材で平らによく磨き,十分脱脂水洗いし,乾燥する。

5.

測定  測定方法は,直流 4 探針法によって行い,次のとおりとする。

(1)

直流 探針法による測定回路  直流 4 探針法による測定回路は,図 のとおりとする。


2

H 0602-1995

図 1  直流 探針法による測定回路

(2)  4

探針装置  探針は,超硬合金のタングステンカーバイドを使用し,円すい状に加工し,先端半径を

20

∼50

µm にする。4 探針は,直線上に等間隔に並べ,その先端間隔は,原則として 0.1cm±1.0%とす

る。各探針アセンブリ間の絶縁抵抗は,10 000M

Ω以上とする。測定のために 4 探針の各々に加える力

は 1∼2N とする。

(3)

定電流電源装置  測定中の電流は,試料の抵抗率や厚さによって決める。0.001∼6 000

Ω・cm の抵抗率

の測定範囲を確保するために,0.1

µA∼100mA の範囲の電流が必要である。測定中の電流の変動は,

±0.05%が望ましい。

(4)

電位差測定装置  ディジタル電位差計を使用する。試料の抵抗率と厚さの全範囲を測定するためには,

0.1

∼50mV の範囲の電位差が測定可能であり,最大測定値の 0.05%の変動が検出できるものとする。

装置の入力インピーダンスは,10

11

Ω以上が望ましい。

(5)

測定方法  試料表面に垂直に 4 探針を加圧接触させ,外側の探針を通して電流 I (A) を流し,中 2 本

の探針間の電位差 V (V)  を測定する。

なお,測定値は極性を切り換えて行い,その平均値をとる。

単結晶試料の抵抗率  (

ρ

B

)

は,次の式(1)で算出する。

(

)

I

V

S

cm

b

π

ρ

2

=

=

 (1)

ウェーハの抵抗率  (

ρ

)

は,次の式(2)で算出する。

(

)

r

w

w

F

F

I

V

S

cm

π

ρ

2

=

 (2)

ここに,

S

:  探針間隔は 0.1cm とする。

F

W

:  ウェーハの厚さによる補正項(

付表 1

による。

F

r

:  ウェーハの直径及び測定位置による補正項(

付表 2

による。

(6)

温度補正

  測定温度が 25℃以外の場合は,その測定値を次の式によって 25℃の値に補正する。

ρ (25)  =ρ (

T

)

×

F

T

 (3)

F

T

=1−

C

T

 (

T

−25) (4)

ここに,

ρ (25)  : 温度 25℃での抵抗率

ρ (

T

)

測定温度

T

℃での抵抗率

F

T

温度補正項

C

T

シリコン抵抗率の温度係数(

付表 3

から求める。

(7)

測定電流

  抵抗率や試料の厚さにかかわらず,測定中の中 2 本の探針の電位差が 33mV 以下になるよ

うに

付表 4

に示す電流値を使用する。ただし,0.075

Ω・cm 以下の低抵抗率試料の場合は,発熱を避け

るため印加電流は 100mA を上限とし,また 2 000

Ω・cm 以上の高抵抗率の場合は中探針の電位差が


3

H 0602-1995

10mV

以下になるような電流値を使用することが望ましい。

(8)

測定位置

  測定位置は,次による。

(a)

1

点測定の場合

図 2

のように単結晶及びウェーハの中心位置 (C) とする。

(b)

3

点測定の場合

図 2

のように任意の直径上で中心位置 (C) 及び周辺から 5mm の 2 点,又は半径

(

R

)

の 2 分の 1 の 2 点のいずれか計 3 点とする。

オリエンテーションフラット(以下,OF という。

)のある場合は,OF 線に平行な直径上の 3 点

とする。

(c)

5

点測定の場合

図 3

のように OF 線に平行な直径上で,

周辺から 5mm の 2 点と

2

R

の 2 点と中心 (C)

か,又は

3

R

3

2R

の点と中心 (C) 点を含めた 5 点の場合と,

図 4

のように一辺が OF 線に平行か,

45

°傾斜した直交直径上で周辺から 5mm 又は 6mm の 4 点と,中心 (C) 点を含めたいずれかの計 5

点とする。

図 2

1

点又は 点測定位置

図 3

5

点測定位置

図 4

5

点測定位置

6.

記録

6.1

抵抗率

  抵抗率は,次のいずれかを記録する。

(1)

中心位置の測定値

(2)

最大値と最小値

(3)

中央値(測定値を大きさの順に並べたとき,中央に当たる数値)

(4)

  3

点又は 5 点全部の測定値

6.2

径方向抵抗率変化率

  径方向抵抗率変化率  (△

ρ)  は,次の 2 種類の式のいずれかを選び算出し,記

録する。

中心基準抵抗率・変化率

( )

(

) (

)

100

max

×

=

中心位置の測定値

中心位置の測定値

周辺の測定値

ρ

 (5)

最大抵抗率・変化率

( )

(

) (

)

100

×

=

測定値の最小値

測定値の最小値

測定値の最大値

ρ

 (6)


4

H 0602-1995

付表 1  厚さによる補正項  (F

W

)

厚さ

µm

F

W

厚さ

µm

F

W

厚さ

µm

F

W

厚さ

µm

F

W

150

0.108  440  0.317  730  0.515 1

200 0.748

60

0.115  50  0.324  40  0.521 1

300 0.782

70 0.123 60

0.331 50 0.527

1

400

0.811

80

0.130  70  0.338  60  0.533 1

500 0.835

90

0.137  80  0.346  70  0.540 1

600 0.856

200

0.144  90  0.353  80  0.546 1

700 0.874

10

0.151  500  0.360  90  0.552 1

800 0.890

20

0.159  10  0.367  800  0.558 1

900 0.903

30

0.166  20  0.374  10  0.564 2

000 0.914

40

0.173  30  0.381  20  0.569 2

100 0.923

50

0.180  40  0.388  30  0.575 2

200 0.931

60

0.188  50  0.395  40  0.581 2

300 0.938

70

0.195  60  0.402  50  0.587 2

400 0.944

80

0.202  70  0.409  60  0.592 2

500 0.950

90

0.209  80  0.416  70  0.598 2

600 0.956

300

0.216  90  0.422  80  0.603 2

700 0.960

10

0.224  600  0.429  90  0.609 2

800 0.964

20

0.231  10  0.436  900  0.614 2

900 0.967

30

0.238  20  0.443  10  0.619 3

000 0.970

40

0.245  30  0.450  20  0.625 3

100 0.973

50

0.252  40  0.456  30  0.630 3

200 0.975

60

0.260  50  0.463  40  0.635 3

300 0.977

70

0.267  60  0.470  50  0.640 3

400 0.979

80

0.274  70  0.476  60  0.645 3

500 0.981

90

0.281  80  0.483  70  0.650 3

600 0.982

400

0.288  90  0.489  80  0.655 3

700 0.984

10

0.296  700  0.496  90  0.660 3

800 0.985

20

0.303

10

0.502

1 000

0.665

3 900

0.986

30

0.310

20

0.508

1 100

0.709

4 000

0.987


5

H 0602-1995

付表 2  直径及び測定位置による補正項  (F

r

)

測定位置

中心

2

R

3

R

3

2R

周辺から

周辺から

直径 mm

 

6mm

5mm

20

0.979 0.963 0.973 0.937 0.970 0.963

24

0.985 0.974 0.981 0.955 0.974 0.967

26

0.987 0.978 0.984 0.961 0.975 0.968

30

0.990 0.983 0.988 0.970 0.977 0.970

32

0.992 0.985 0.989 0.974 0.978 0.971

38

0.994 0.989 0.992 0.981 0.979 0.973

40

0.995 0.990 0.993 0.983 0.980 0.973

42

0.995 0.991 0.994 0.984 0.980 0.973

50

0.996 0.994 0.996 0.989 0.981 0.974

60

0.998 0.996 0.997 0.992 0.982 0.975

62

0.998 0.996 0.997 0.993 0.982 0.975

75

0.998 0.997 0.998 0.995 0.983 0.976

76

0.998 0.997 0.998 0.995 0.983 0.976

80

0.999 0.998 0.998 0.996 0.983 0.976

90

0.999 0.998 0.999 0.997 0.983 0.977

100

0.999 0.998 0.999 0.997 0.983 0.977

110

0.999 0.999 0.999 0.998 0.984 0.977

125

0.999 0.999 0.999 0.998 0.984 0.978

150

1.000 0.999 0.999 0.999 0.984 0.978

175

1.000 0.999 1.000 0.999 0.984 0.978

200

1.000 1.000 1.000 0.999 0.984 0.978

225

1.000 1.000 1.000 0.999 0.985 0.978

250

1.000 1.000 1.000 0.999 0.985 0.978

275

1.000 1.000 1.000 1.000 0.985 0.978

300

1.000 1.000 1.000 1.000 0.985 0.979

310

1.000 1.000 1.000 1.000 0.985 0.979


6

H 0602-1995

付表 3  1828℃の範囲内のシリコンの抵抗率の温度係数

温度係数

温度係数

抵抗率

Ω・cm/Ω・cm・℃

抵抗率

Ω・cm/Ω・cm・℃

Ω・cm N 形

P

Ω・cm N 形

P

0.000 6

0.002 00

0.001 60

1.0

0.007 36

0.007 07

0.000 8

0.002 00

0.001 60

1.2

0.007 47

0.007 22

1.4

0.007 55

0.007 34

0.001 0

0.002 00

0.001 58

1.6

0.007 61

0.007 44

0.001 2

0.001 84

0.001 51

2.0

0.007 68

0.007 59

0.001 4

0.001 69

0.001 49

2.5

0.007 74

0.007 73

0.001 6

0.001 61

0.001 48

0.002 0

0.001 58

0.001 48

3.0

0.007 78

0.007 83

0.002 5

0.001 59

0.001 45

3.5

0.007 82

0.007 91

4.0

0.007 85

0.007 97

0.003 0

0.001 56

0.001 37

5.0

0.007 91

0.008 05

0.003 5

0.001 46

0.001 27

6.0

0.007 97

0.008 11

0.004 0

0.001 31

0.001 16

8.0

0.008 06

0.008 19

0.005 0

0.000 96

0.000 94

0.006 0

0.000 60

0.000 74

10

0.008 13

0.008 25

0.008 0

0.000 06

0.000 46

12

0.008 18

0.008 29

14

0.008 22

0.008 32

0.010

−0.000 22

0.000 31

16

0.008 24

0.008 35

0.012

−0.000 31

0.000 25

20

0.008 26

0.008 40

0.014

−0.000 26

0.000 25

25

0.008 27

0.008 45

0.016

−0.000 13

0.000 29

0.020

0.000 25

0.000 45

30

0.008 28 0.008

49

0.025

0.000 83

0.000 73

35

0.008 29 0.008

53

40

0.008 30 0.008

57

0.030

0.001 39

0.001 02

50

0.008 30 0.008

62

0.035

0.001 90

0.001 31

60

0.008 30 0.008

67

0.040

0.002 35

0.001 58

80

0.008 30 0.008

72

0.050

0.003 09

0.002 08

0.060

0.003 64

0.002 51

100

0.008 30 0.008

76

0.080

0.004 39

0.003 20

120

0.008 30 0.008

78

140

0.008 30 0.008

79

0.10

0.004 86

0.003 72

160

0.008 30 0.008

80

0.12

0.005 17

0.004 12

200

0.008 30 0.008

82

0.14

0.005 40

0.004 44

250

0.008 30 0.008

84

0.16

0.005 58

0.004 71

0.20

0.005 85

0.005 12

300

0.008 30 0.008

86

0.25

0.006 09

0.005 48

350

0.008 30 0.008

88

400

0.008 30 0.008

91

0.30

0.006 27

0.005 75

500

0.008 30 0.008

97

0.35

0.006 43

0.005 96

600

0.008 30

0.009 00 

0.40

0.006 56

0.006 13

800

0.008 30

0.009 00 

0.50

0.006 78

0.006 39

0.60

0.006 96

0.006 59

1 000

0.008 30

0.009 00

0.80

0.007 20

0.006 87

>1 000

0.008 30

0.009 00

備考  P 形シリコンについては,ほう素を添加したものだけに適用される。イタリック体で示した数字は,

測定点をスムーズな曲線で表したときの曲線上の点を示す。抵抗率 1 000

Ω・cm 以上の温度係数は,外

挿によって求めた。 


7

H 0602-1995

付表 4  単結晶及びウェーハの抵抗率と測定電流

抵抗率

Ω・cm

電流

0.075

以下

100mA

0.075

を超え 0.75

以下

10mA

0.75

を超え 7.5

以下

1mA

7.5

を超え 75  以下

100

µA

75

を超え 750  以下

10

µA

750

を超え 2

000

以下

1

µA

2 000

を超えるとき 0.1

µA

備考  電流値の選定は,厚さが 500

µm のウェーハで中

探針の電位差が 33mV 以下になるようにした。

JIS

原案作成委員会  構成表(平成 2 年 1 月 1 日改正のとき)

氏名

所属

(委員長)

水  間  基一郎

日本シリコン株式会社

(幹事)

徳  丸  洋  三

中央大学

(幹事)

高  須  新一郎

東芝セラミックス株式会社

伊  藤  大  基

小松電子金属株式会社

津  屋  英  樹

日本電気株式会社

上  田  貴  士

九州電子金属株式会社

白  井  省  三

信越半導体株式会社

小  林  則  夫

株式会社東芝

安  楽  一  宏

沖電気工業株式会社

青  島  孝  明

株式会社日立製作所

本  田  耕一郎

株式会社富士通研究所

三  溝  宣  秀

日本モンサント株式会社

前  田  勲  男

工業技術院

(関係者)

池  田  順  一

財団法人日本規格協会

(事務局)

宮  下  敏  也

社団法人日本電子工業振興協会