サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

H 0542:2008  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 用語及び定義 ··················································································································· 1 

3 種類······························································································································· 2 

4 試料の採取及び調整 ·········································································································· 2 

4.1 試料の採取 ··················································································································· 2 

4.2 試料の観察面 ················································································································ 2 

4.3 結晶粒界の現出 ············································································································· 3 

4.4 観察視野 ······················································································································ 3 

5 測定······························································································································· 3 

5.1 比較法による測定 ·········································································································· 3 

5.2 求積法による測定 ·········································································································· 4 

5.3 切断法による測定 ·········································································································· 6 

6 製品の結晶粒度の決定 ······································································································· 9 

7 結晶粒度の表示方法 ·········································································································· 9 

8 試験報告書 ······················································································································ 9 

附属書A(規定)結晶粒度標準図 ··························································································· 10 

附属書B(規定)スケールバーが記録された顕微鏡画像を用いる粒度番号算出方法 ·························· 17 

附属書C(規定)混粒組織の評価及び表示方法 ········································································· 19 

附属書D(参考)粒度番号及び結晶粒に関する各変数の理論計算値 ··············································· 21 

H 0542:2008  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 0542:2008 

マグネシウム合金圧延板の結晶粒度試験方法 

Methods for determining average grain size of magnesium alloy sheets 

適用範囲 

この規格は,曲げ,張出し,深絞りなどの成形に使用する,マグネシウム合金の圧延板(以下,製品と

いう。)の結晶粒度を決定する試験方法について規定する。 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

2.1 

結晶粒 

金属を構成する多数の微小な結晶の一つ。顕微鏡観察のために研磨及び調製された試料観察面に現出す

る,境界(以下,結晶粒界という。)に囲まれた粒状の領域。ただし,図1に示すような双晶は結晶粒とみ

なさない。 

図1−結晶粒の定義 

2.2 

結晶粒度 

結晶粒の平均的な大きさ。粒度番号の平均値で表す。 

2.3 

粒度番号 

試料観察面の1 mm2当たりの平均結晶粒数mとの間で

G

m

2

の関係を満足させるGの値。正数,ゼ

ロ又は負数の場合もある。 

結晶粒界 

双晶 

background image

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2.4 

混粒 

一つの観察視野内において,最大の結晶粒と粒度番号がおおむね3以上異なる大きさに相当する結晶粒

が偏在し,これらの結晶粒が約20 %以上の面積を占める状態,又は異なる観察視野間において粒度番号が

3以上異なる観察視野が存在する状態。 

2.5 

圧延方向 

板材の圧延工程において最後に圧延した方向。 

種類 

測定方法は,次のいずれかによるものとし,通常は比較法を用いる。ただし,測定結果に疑義がある場

合には,求積法又は切断法を用いるものとし,求積法,切断法のいずれを用いるかは受渡当事者間の協定

による。 

a) 比較法 

b) 求積法 

c) 切断法 

注記 切断法で測定した値は,求積法で測定した値より小さくなる傾向がある。 

試料の採取及び調整 

4.1 

試料の採取 

試料は,製品の端,又は試料を採取するためにせん断加工したものなどにみられる,激しく変形した部

分を避け,製品を代表する部分から採取する。試料の数は,二つ以上とすることが望ましい。具体的な試

料の数及び採取箇所は,受渡当事者間の協定による。 

4.2 

試料の観察面 

試料の観察面は,圧延方向,厚さ方向及び幅方向の三基本方向及び三観察面がある。三つの基本方向及

び基本観察面を,図2に示す。通常の観察面は,幅方向に垂直な面(図2のA)とする。ただし,幅方向

に垂直な面の結晶粒界を現出させたとき,結晶粒が等軸でない1) 場合は,試料の観察面は,圧延方向に垂

直な面(図2のB)とする。 

注1) 等軸でないとは,結晶粒がある特定の方向に伸長していると認められる状態(例えば,Aで観

察した場合に結晶粒が圧延方向に伸長したような状態)である。 

A:幅方向に垂直な面 
B:圧延方向に垂直な面 
C:厚さ方向に垂直な面 

図2−試料の三つの基本方向及び基本観察面 

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.3 

結晶粒界の現出 

4.2で決定した観察面を適切な方法で研磨後,適切な腐食液を用い結晶粒界を現出させる。観察面が加工

組織を呈して粒界が判別しにくい場合は,ひずみ取り焼鈍を行った製品から試料を採取してもよい。 

4.4 

観察視野 

観察視野は,試料の観察面から無作為に選択する。観察視野の数は,一つの試料の観察面について少な

くとも3(5〜10が望ましい。)とする。 

なお,顕微鏡は,金属顕微鏡とする。求積法及び切断法によって結晶粒度を測定する場合は,金属顕微

鏡は,顕微鏡像を写真撮影,又はCCDカメラによってモニタ出力する機能をもつ必要がある。 

測定 

5.1 

比較法による測定 

5.1.1 

原理 

顕微鏡像(ファインダをのぞいて見える像),顕微鏡写真,モニタ上の像及びそれらを印刷したもの(以

下,これらを総称して“顕微鏡画像”という。)を結晶粒度標準図と対比して粒度番号を求め,その数値を

観察視野における結晶粒度とする。 

5.1.2 

測定手順 

測定手順は,次による。 

なお,コンピュータ上で画像倍率を任意に調節できる場合には,附属書Bに規定する方法によって測定

してもよい。 

a) 顕微鏡画像を,附属書Aに規定する結晶粒度標準図(以下,標準図Aという。)と比較し,標準図A

との対比による粒度番号を,次の1),2) 又は3) によって求める。 

1) 観察視野が顕微鏡像である場合は,観察視野内の結晶粒の数が標準図A上の円内に含まれる結晶粒

の数と最も近いと判断する標準図の粒度番号を,標準図Aとの対比によって求めた粒度番号とする。 

2) 観察視野が顕微鏡写真,モニタ上の像又はモニタ上の像を印刷したものである場合は,結晶粒の大

きさが視覚的に最も類似している標準図の粒度番号を,標準図Aとの対比によって求めた粒度番号

とする。 

3) 1) 及び2) において,結晶粒の大きさが標準図Aとの対比において二つの標準図の中間と判断する

ときは,二つの標準図の小さい方の粒度番号に0.5を加えて標準図Aとの対比によって求めた粒度

番号とする。 

b) a) で得た標準図Aとの対比によって求めた粒度番号と画像倍率とから,観察視野における粒度番号

を,式 (1) によって算出し,その値を,丸めの幅を0.5として,二捨三入・七捨八入する[例えば,

式 (1) によって算出したGの値が10.78の場合には,10.5とする。]。 

2

log

100

log

2

g

M

G

 ··································································· (1) 

ここに, G: 観察視野における粒度番号 
 

M: 標準図Aとの対比によって求めた粒度番号 

g: 顕微鏡画像の倍率 

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 顕微鏡写真,モニタ上の像及びモニタ上の像を印刷したものの画像倍率は,顕微鏡の倍率

と必ずしも一致しないので,注意する。画像倍率は,例えば,顕微鏡画像に記録したスケ

ールバーから求める場合もあるが,その他にもいろいろな方式があるので,使用する顕微

鏡画像入力システムの取扱説明書を参考にするとよい。 

5.2 

求積法による測定 

5.2.1 

原理 

顕微鏡画像上に測定領域として面積5 000 mm2の円,長方形又は正方形を描き,その領域内の結晶粒数

から粒度番号を算出し,その数値を観察視野における結晶粒度とする。 

5.2.2 

測定手順 

測定手順は,次による。 

a) 顕微鏡画像上に,測定領域として,面積が5 000 mm2の円,長方形又は正方形を描き2),その領域内

に存在する結晶粒の数が50以上になるように顕微鏡の倍率を調節する。 

なお,測定領域の面積精度は,5 000 mm2の±1 %とする(例えば,面積が5 027 mm2となる,直径

80.0 mmの円を測定領域としてもよい。)。 

b) 測定領域内に完全に収まる結晶粒の数及び測定領域の境界線によって分断される結晶粒の数を数え

(図3及び図4参照),測定領域の結晶粒の数を,式 (2) によって算出する。 

n=nA+0.5×nB ·········································································· (2) 

ここに, 

n: 測定領域の結晶粒の数 

nA: 測定領域内に完全に収まる結晶粒の数 

nB: 測定領域の境界線によって分断される結晶粒の数 

c) 試料の観察面1 mm2当たりの結晶粒の数を,式 (3) によって算出する。 

000

5

2n

g

m=

 ················································································ (3) 

ここに, m: 観察面1 mm2当たりの結晶粒の数 (mm−2) 
 

g: 顕微鏡画像の倍率 

n: 式 (2) によって算出した,測定領域の結晶粒の数 

d) 観察視野における粒度番号を,式 (4) によって算出し,その値を小数点以下1けたに丸める。 

3

2

log

log

m

G=

 ············································································ (4) 

ここに, G: 観察視野における粒度番号 
 

m: 式 (3) によって算出した,観察面1 mm2当たりの 

結晶粒の数 (mm−2) 

注2) 面積が5 000 mm2となる測定領域の寸法は,円の場合は,直径79.8 mm,正方形の場合は,一

辺が70.7 mm,長方形の場合は,例えば,80.0 mm×62.5 mmである。 

background image

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図3−求積法における結晶粒数の計測例(測定領域を円とする場合) 

図4−求積法における結晶粒数の計測例(測定領域を長方形とする場合) 

D :測定領域の直径 

D=79.8 mm 

(面積:5 000 mm2) 

background image

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.3 

切断法による測定 

5.3.1 

原理 

顕微鏡画像上に総線長500 mmの測定線を描き,測定線と交わる結晶粒数,又は測定線と結晶粒界との

交点数から1結晶粒当たりの平均線分長を算出し,更に,この平均線分長から粒度番号を算出して,その

数値を観察視野における結晶粒度とする。 

5.3.2 

測定手順 

5.3.2.1 

測定線の描画 

顕微鏡画像上に総線長500 mmの測定線(4本の直線又は3個の円)を描くか,又は重ね(図5参照),

これらの測定線と交わる結晶粒の数又は測定線と結晶粒界との交点の数が一つの観察視野内で50以上と

なるように,顕微鏡の倍率を調節する。 

単位 mm 

直径 

円周 

最大円 

  79.58 

   250.0 

中間円 

  53.05 

   166.7 

最小円 

  26.53 

    83.3 

計 500.0 

図5−切断法に使用する測定直線の測定線及び円の試験線(原寸大) 

なお,測定線の長さの精度は,500 mmの±1 %とする(例えば,総線長が502.7 mmとなる,直径80.0 mm,

直径53.0 mm及び直径27.0 mmの3個の円を測定線としてもよい。)。 

1

0

0

 m

m

150 mm

150 m

m

100 mm

background image

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.3.2.2 

粒度番号の算出 

粒度番号の算出は,次のいずれかの手順によって行う。 

a) 測定線と交差する結晶粒の数から算出する場合 

1) 顕微鏡画像上に測定線を描くか,又は重ね,測定線によって分断されている結晶粒の数,測定線に

接している結晶粒の数及び測定線の端点を含んでいる結晶粒の数を数え,測定線と交わる結晶粒の

数を,式 (5) によって算出する (図6参照)。 

N=NA+0.5×NB+0.5×NC ··························································· (5) 

ここに, NA: 測定線によって分断されている結晶粒の数 
 

NB: 測定線に接する結晶粒の数 

NC: 測定線の端点を含んでいる結晶粒の数(測定線が直線の場合) 

注記 矢印点1〜7の結晶粒が直線によって分断され,線の両端部分は結晶粒内で終

わっている。NA=7,NB=0,NC=2であるので,この直線にかかる結晶粒数
は,8となる。 

図6−直線の測定線と交わる結晶粒数の計数例 

2) 結晶粒を分断している測定線の1結晶当たりの平均線分長を,式 (6) によって算出する。 

N

g

l

500

=

 ················································································ (6) 

ここに, l: 結晶粒を分断している測定線の1結晶当たりの平均線分長 (mm) 
 

N: 式 (5) によって算出した,測定線と交わる結晶粒の数 

g: 顕微鏡画像の倍率 

3) 観察視野における粒度番号を,式 (7) によって算出し,その値を,小数点以下1けたに丸める。 

G=−3.333 5−6.643 9 log10l ························································· (7) 

ここに, 

G: 観察視野における粒度番号3) 

l: 式 (6) によって算出した,結晶粒を分断している測定線の1結

晶当たりの平均線分長 (mm) 

b) 測定線と結晶粒界との交点の数から算出する場合 

background image

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 顕微鏡画像上に測定線を描くか,又は重ね,測定線と結晶粒界とが交差している箇所の数,測定線

と結晶粒界とが接しているか又は重なっている(交差はしていない。)箇所の数及び測定線と結晶粒

界の三重点(結晶粒界の分岐点)とが重なっている箇所の数を数え,測定線と結晶粒界との交点の

数を,式 (8) によって算出する(図7参照)。ただし,測定線が円の場合には,式 (8) 中の係数1.5

を2.0とする4)。 

P=PA+PB+1.5×PC ··································································· (8) 

ここに, P : 測定線と結晶粒界との交点の数 
 

PA: 測定線と結晶粒界とが交差している箇所の数 

PB: 測定線と結晶粒界とが接しているか又は重なっている箇所の

数 

PC: 測定線と結晶粒界の三重点とが重なっている箇所の数 

注記 矢印点1〜7の箇所で測定線と結晶粒界とが交差し,矢印点8の箇所で測

定線と粒界三重点とが重なっている。PA=7,PB=0,PC=1であるので,
この直線にかかる結晶粒数は,8.5となる。 

図7−直線と結晶粒界との交点数による結晶粒数の計数例 

2) 結晶粒を分断している測定線の1結晶粒当たりの平均線分長を,式 (9) によって算出する。 

P

g

l

500

=

 ················································································ (9) 

ここに, l: 結晶粒を分断している測定線の1結晶当たりの平均線分長 (mm) 
 

P: 式 (8) によって算出した,測定線と結晶粒界との交点の数 

g: 顕微鏡画像の倍率 

3) 観察視野における粒度番号を,式 (10) によって算出し,その値を,小数点以下1けたに丸める。 

G=−3.333 5−6.643 9 log10l ······················································· (10) 

ここに, G: 観察視野における粒度番号3) 
 

l: 式 (9) によって算出した,結晶粒を分断している測定線の1結

晶当たりの平均線分長 (mm) 

注3) 式 (6) 及び式 (9) によって算出した,結晶粒を分断している測定線の1結晶当たりの平均

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

線分長を用い,附属書Dの表D.1によって,観察視野における粒度番号Gを参考値として

求めることができる。 

4) 測定線が円の場合に,式 (8) 中の係数1.5を2.0とするのは,直線の測定線の場合に比べ

て,測定線と結晶粒界との交点の数の算出値が小さくなる傾向があるためである。 

  

製品の結晶粒度の決定 

測定した全試料の各観察視野ごとに求めた粒度番号Gの数値(Gの単位は無視する。)の算術平均値を

求め,その値の小数点以下1けた目を四捨五入して整数値とし,その整数値を製品の結晶粒度とする。 

なお,混粒が認められるときの総合評価は,附属書Cによる。 

結晶粒度の表示方法 

製品,包装の外面又は送り状には,試験方法,観察面,製品の結晶粒度及び観察視野数を表示する。 

例 求積法−A−9 (20) 

なお,混粒を含む場合の表示例は,附属書Cによる。 

試験報告書 

受渡当事者間の協定によって,試験報告書が必要な場合は,次の項目を必要に応じて記載する。 

a) 製品の種類又は記号 

b) 試験方法の種類 

c) 観察面 

d) 顕微鏡の倍率 

e) 観察視野数 

f) 

製品の結晶粒度 

background image

10 

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

結晶粒度標準図 

序文 

この附属書は,結晶粒度標準図について規定する。 

なお,5.1によって結晶粒度を求める場合,試料観察面の顕微鏡写真などと比較するために適用する。 

A.1 結晶粒度標準図 

通常,比較法(附属書Bによる場合を除く。)の結晶粒度標準図は“標準図A”とし,次による。 

a) 粒度番号1(倍率:100倍) 

background image

11 

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 粒度番号2(倍率:100倍) 

background image

12 

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 粒度番号3(倍率:100倍) 

d) 粒度番号4(倍率:100倍) 

background image

13 

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

e) 粒度番号5(倍率:100倍) 

f) 

粒度番号6(倍率:100倍) 

background image

14 

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

g) 粒度番号7(倍率:100倍) 

h) 粒度番号8(倍率:100倍) 

background image

15 

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

i) 

粒度番号9(倍率:100倍) 

j) 

粒度番号10(倍率:100倍) 

background image

16 

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

k) 粒度番号11(倍率:100倍) 

17 

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(規定) 

スケールバーが記録された顕微鏡画像を用いる粒度番号算出方法 

序文 

この附属書は,スケールバーが記録された顕微鏡画像からの結晶番号算出方法について規定する。 

なお,5.1によって結晶粒度を求める場合,試料観察面の顕微鏡写真などと比較するために適用する。 

B.1 

原理 

コンピュータに取り込んだスケールバー付き顕微鏡画像及び/又は結晶粒度標準図を拡大・縮小して,

それぞれの結晶粒の平均的な大きさを視覚的に一致させ,結晶粒度標準図の目盛間隔を顕微鏡画像のスケ

ールバーで読み取ることによって,観察視野における粒度番号Gを求める。 

B.2 

標準図 

結晶粒度標準図は,この附属書に規定する目盛付き標準図B(以下,“標準図B”という。)とし,図B.1

による。 

この方法は,顕微鏡画像のスケールバーと標準図の目盛とを相対比較するものであるため,標準図Bは,

コピーしたもの又は原寸でないものを使用してよい。 

B.3 

手順 

a) スケールバー付き顕微鏡画像(スケールバーも含めて一体画像としたもの。)及び標準図Bをコンピ

ュータに取り込む。 

b) スケールバー付き顕微鏡画像及び/又は標準図Bをモニタ上で拡大・縮小し,それぞれの結晶粒の平

均的な大きさを視覚的に一致させる。 

c) 標準図Bの主目盛間隔λをスケールバー付き顕微鏡画像のスケールバーによってμm単位で読み取る。 

d) 観察視野における粒度番号を式 (B.1) によって算出するか,又は図B.2から読み取り,その値を,丸

めの幅を0.5として,二捨三入・七捨八入する[例えば,式 (B.1) によって算出したGの値が10.78

ならば,10.5とする。] 

(

)(

)

[

]3

2

log

50

10

128

log

2

6

×

λ

G=

 ······················································ (B.1) 

ここに, 

G: 観察視野における粒度番号 (mm−2) 

λ: 標準図Bの主目盛間隔 (μm) 

background image

18 

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図B.1−標準図B 

粒度
番号 

主目盛間隔 

λ  

μm 

1.0 

400.0 

2.0 

282.8 

3.0 

200.0 

4.0 

141.4 

5.0 

100.0 

6.0 

 70.7 

7.0 

 50.0 

8.0 

 35.4 

9.0 

 25.0 

10.0 

 17.7 

11.0 

 12.5 

12.0 

  8.84 

13.0 

  6.25 

14.0 

  4.42 

15.0 

  3.13 

図B.2−標準図Bの主目盛間隔λと粒度番号Gとの関係 

19 

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C 
(規定) 

混粒組織の評価及び表示方法 

序文 

この附属書は,混粒組織の評価及び表示方法について規定する。 

なお,箇条6によって結晶粒度を決定する場合,試料観察面の顕微鏡写真などと比較するために適用す

る。 

C.1 評価方法 

混粒の場合,一つの観察視野内に比較的結晶粒が大きい領域(大結晶粒領域)及び結晶粒が小さい領域

(小結晶粒領域)の両方が存在する。この場合,一つの観察視野内を大結晶粒領域及び小結晶粒領域に大別

し,各領域の面積百分率を目測し,各領域の結晶粒度を求める。次に,全観察視野における大結晶粒領域の

結晶粒度及び面積百分率,小結晶粒領域の結晶粒度及び面積百分率の算術平均を求め,総合判定値とする。 

なお,観察視野数は評価の結果が信頼し得る程度に十分に多くなければならない。 

C.2 表示方法 

混粒を含む場合には,試験方法,観察面,粒度,混粒の面積割合及び観察視野数を表示する。表示例を,

次に示す。 

なお,観察面の表示は,4.2による。 

例1 全観察視野に混粒が認められる場合[図C.1のc),d) 又はe) のような組織が観察された場合] 

比較法−A−[3.0 (70 %)+6.0 (30 %)] (20) 

注記1 この例は,20視野観察して,すべての観察視野で混粒が認められた場合の表示例で

ある。大結晶粒領域の結晶粒度の総合判定値が3.0でその面積百分率が70 %,小結

晶粒領域の結晶粒度の総合判定値が6.0でその面積百分率が30 %である。 

例2 全観察視野に混粒が認められ,かつ,大結晶粒領域又は小結晶粒領域のいずれかの領域内で粒

度番号が,3以上異なる観察視野が認められる場合(図C.1のd) 及びe) のような組織が観察

された場合) 

比較法−A−[3.0 (35 %)+6.0 (65 %)](8)+[7.0 (32 %)+10.0 (68 %)] (12) 

注記2 この例は,20視野観察して,すべての観察視野で混粒が認められた場合の表示例で

ある。8視野で大結晶粒領域の総合判定値による結晶粒度が3.0で面積百分率が35 %,

小結晶粒領域の結晶粒度の総合判定値が6.0で面積百分率が65 %,12視野で大結晶

粒領域の結晶粒度の総合判定値が7.0で面積百分率が32 %,小結晶粒領域の結晶粒

度の総合判定値が10.0で面積百分率が68 %である。 

例3 全観察視野の一部に混粒が認められる場合[図C.1のa) 又はc) のような組織及びd) 又はe) の

ような組織が観察された場合] 

比較法−A−6.0 (8)+[3.0 (33 %)+7.0 (67 %)] (12) 

注記3 この例は,20視野観察して,8視野では混粒が認められず,12視野では混粒が認め

られた場合の表示例である。8視野における結晶粒度の総合判定値が6.0,残りの12

視野が混粒で,大結晶粒領域の結晶粒度の総合判定値が3.0で面積百分率が33 %,

background image

20 

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

小結晶粒領域の結晶粒度の総合判定値が7.0で面積百分率が67 %である。 

例4 各観察視野に混粒を含まないが,個々の観察視野間で粒度番号が3以上隔たる観察視野が認め

られる場合[図C.1のa) 及びb) のような組織が観察された場合] 

比較法−A−3.0 (12)+7.0 (8) 

注記4 この例は,20視野観察してすべての領域で混粒が認められなかったが,3以上異な

った粒度番号の観察視野が存在した場合の表示例である。12視野の総合判定による

結晶粒度が3.0,8視野の総合判定による結晶粒度が7.0である。 

a) 

b) 

c) 

d) 

e) 

図C.1−混粒を含まない組織 [a), b)] 及び混粒を含む組織 [c), d), e)] 

background image

21 

H 0542:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書D 
(参考) 

粒度番号及び結晶粒に関する各変数の理論計算値 

序文 

この附属書は,粒度番号及び結晶粒に関する各変数の理論計算値を記載するものであって,規定の一部

ではない。 

D.1 粒度番号及び結晶粒に関する各変数の理論計算値 

表D.1に粒度番号及び結晶粒に関する各変数の理論計算値を示す。あらかじめ式 (4),式 (7) 及び式 (10) 

を組み込んだ表計算ソフトウェアなどに,測定された単位面積当たりの結晶粒数m又は結晶粒を分断する

測定線の1結晶粒当たりの平均線分長lを入力して,粒度番号Gを自動的に算出させた場合など,表D.1

によってm又はlと計算されたGとを確認することで,計算結果を検証することが可能である。また,表

D.1によって粒度番号Gから平均結晶粒径及び結晶粒の平均面積を求めることが可能である。 

注記 表D.1に示す平均結晶粒径は,結晶粒が観察面で正方形又は円であるとみなして求めた値であ

る。 

なお,実際の結晶粒は正方形又は円ではないので,この値は参考として取り扱う。 

表D.1−粒度番号G及び結晶粒に関する各変数の理論計算値 

粒 
度 
番 
号 

単位面積当たりの結晶粒数 m 

平均結晶粒径 d 

d=C /√m 

(mm) 

結晶粒1個当
たりの平均面
積 a 

a=1 / m 

 
 
 

(mm2) 

結晶粒を分断
する測定線の
1結晶粒当た
りの平均線分
長 l 

 
 

(mm) 

限界値 

観察面での結
晶粒の形状を
正方形とみな
した場合 

C=1 

観察面での結
晶粒の形状を
円とみなした
場合 

C=2 /√π 

超え 

以下 

16 

12 

24 

0.250 

0.282 

0.062 5 

0.222 71 

32 

24 

48 

0.177 

0.199 

0.031 3 

0.157 48 

64 

48 

96 

0.125 

0.141 

0.015 6 

0.111 36 

128 

96 

192 

0.088 4 

0.099 7 

0.007 81 

0.078 74 

256 

192 

384 

0.062 5 

0.070 5 

0.003 91 

0.055 68 

512 

384 

768 

0.044 2 

0.049 9 

0.001 95 

0.039 37 

1 024 

768 

1 536 

0.031 2 

0.035 3 

0.000 98 

0.027 84 

2 048 

1 536 

3 072 

0.022 1 

0.024 9 

0.000 49 

0.019 69 

4 096 

3 072 

6 144 

0.015 6 

0.017 6 

0.000 244 

0.013 92 

10 

8 192 

6 144 

12 288 

0.011 0 

0.012 5 

0.000 122 

0.009 84 

11 

16 384 

12 288 

24 576 

0.007 8 

0.008 8 

0.000 061 

0.006 96 

12 

32 768 

24 576 

49 152 

0.005 5 

0.006 2 

0.000 031 

0.004 92 

13 

65 536 

49 152 

98 304 

0.003 9 

0.004 4 

0.000 015 

0.003 48 

14 

131 072 

98 304 

196 608 

0.002 8 

0.003 1 

0.000 007 6 

0.002 46 

15 

262 144 

196 608 

393 216 

0.002 0 

0.002 2 

0.000 003 8 

0.001 74 

16 

524 288 

393 216 

786 432 

0.001 4 

0.001 6 

0.000 001 9 

0.001 23 

17 1 048 576 

786 432 

1 572 864 

0.001 0 

0.001 1 

0.000 000 95 

0.000 87