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日本工業規格

JIS

 H

0211

-1992

ドライプロセス表面処理用語

Glossary of terms used in surface treatments by dry processing

1.

適用範囲  この規格は,ドライプロセス表面処理に関する主な用語及び定義について規定する。

2.

用語の分類  ドライプロセス表面処理用語は,次の 9 部門に分類する。

(1)

基礎

(2)

材料及び機能

(3)

物理蒸着法

(4)

化学蒸着法

(5)

溶融成膜法

(6)

表面改質法

(7)

表面加工法

(8)

設備及び工程

(9)

試験及び検査

3.

用語及び定義  用語及び定義は,次のとおりとする。

なお,参考のために対応する英語を示す。

備考  二つ以上の用語を並べてある場合は,その順位に従って使用する。

(1)

基礎

番号

用語

定義

対応英語(参考)

1001

表面処理

材料表面の状態を変えることによって,表面の性質を変えたり,新しい

機能を付加すること。

surface treatment

1002

表面改質

(広義)  表面処理(1001 参照)に同じ。

(狭義)  材料の表面自身を変化させ,新しい機能を付加すること。

surface modification

1003

ドライプロセス

材料表面を気相又は溶融状態を用いて処理すること。

参考

水溶液又は非水溶液を用いて処理することをウエットプロセ

スという。

dry process

1004

真空

通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態。

参考

真空の程度を表現するため,便宜上圧力の領域によって,次

のように区別する。

低真空    10

2

Pa

以上

中真空    10

2

∼10

−1

Pa

高真空    10

−1

∼10

−5

Pa

超高真空  10

−5

∼10

−10

Pa

極高真空  10

−10

Pa

以下

vacuum


2

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

1005

圧力

空間内のある点を含む仮想の微小平面を両側の方向から通過する分子に

よって,単位面積当たり,単位時間に輸送される運動量の面に垂直な成

分の総和。

pressure

1006

分圧

混合気体中の特定成分の圧力(1005 参照)

。 partial

pressure

1007

全圧

混合気体中の全成分の分圧(1006 参照)の総和。 total

pressure

1008

飽和蒸気圧

その温度で凝縮相と熱力学的平衡に達している蒸気の示す圧力。 saturation

vapor

pressure

1009

気体分子密度

単位体積当たりの気体分子の数。

number density of molecules

1010

平均自由行程

気体の中を自由に動き回る粒子(分子,原子,電子,イオン,中性子な

ど)が同種又は異種の粒子と次々に衝突する場合,相続く衝突間に粒子

が飛行した距離の平均。

mean free path

1011

衝突頻度

気体の中を自由に動き回る粒子が単位時間に受ける衝突の平均回数。 collision

rate

1012

体積衝突頻度

気体の中で起こる粒子間衝突の単位時間,単位体積当たりの平均回数。

volume collision rate

1013

吸着

気体の原子や分子が固体又は液体の表面にとどまっている現象。 adsorption

1014

化学吸着

表面に原子や分子が付着したとき,表面第一層の原子と付着した原子や

分子との間で電子の交換を行い,化学結合を形成する吸着(1013 参照)

chemisorption

1015

物理吸着

表面に原子や分子が付着したとき,表面第一層の原子と付着した原子や

分子との間に電子の授受がない,ファン・デル・ワールス力による吸着

1013 参照)

physisorption

1016

解離吸着

付着する気体分子が解離した化学吸着(1014 参照)

。 dissociative

adsorption

1017

平均滞留時間

気体の原子や分子が表面に吸着状態で束縛されている時間の平均。略し

て滞留時間ともいう。

mean residence time

1018

脱離

表面に吸着(1013 参照)した気体の原子や分子又は内部から表面に拡散

してきた原子や分子が表面に滞在した後,空間に飛び出していくこと。

desorption

1019

付着確率

入射粒子に対する基板(2001 参照)に凝縮する粒子の比。付着係数とも

いう。

sticking probability

1020

入射速度

表面の単位面積当たりに単位時間に入射する物質の量。 impingement

rate

1021

入射角

気相から基板(2001 参照)に入射する粒子の法線に対する角度。

angle of incident, incident

angle

1022

放電

強い電界によって,気体などの絶縁体中を電流が流れる現象。

参考

圧力(1005 参照)と電流密度の大きさによってグロー放電

1023 参照)

,アーク放電(1024 参照)

,コロナ放電(1025

参照)に分類され,使用する電波の周波数によって直流放電,

低周波放電,高周波放電,マイクロ波放電に分類される。

また,磁界を加えることによって,マグネトロン放電(1026

参照)

,電子サイクロトロン共鳴放電(1027 参照)などがあ

る。

electric discharge

1023

グロー放電

大気圧以下で得られる電離度(1033 参照)の低い薄明るい放電(1022 

照)

glow discharge

1024

アーク放電

大気圧以上又は真空中で得られる電離度(1033 参照)の高い弧状の明る

い放電(1022 参照)

arc discharge

1025

コロナ放電

およそ 10

−6

A

以下の比較的小さい平均電流下で,導体の近傍に得られる

かすかな光を伴う放電(1022 参照)

corona discharge

1026

マグネトロン放

磁界と電界とが直交する,電極近傍に得られる放電(1022 参照)

。 magnetron

discharge

1027

電子サイクロト

ロン共鳴放電

高周波又はマイクロ波プラズマ中の電子を磁界下で共鳴させて得られる

放電(1022 参照)

。ECR 放電ともいう。

electron cyclotron resonance

discharge

1028

プラズマ

総電荷量がゼロであるようなイオンや電子などの荷電粒子と,原子,分

子などの中性粒子からなる気体。

plasma


3

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

1029

平衡プラズマ,

高温プラズマ,

熱プラズマ

イオン,電子,中性粒子の温度がほぼ等しいプラズマ(1028 参照)

参考

プラズマ中の粒子の温度が 10

4

K

程度の高温のため,高温プラ

ズマ又は熱プラズマという。

equilibrium plasma,

high-temperature plasma,

thermal plasma

1030

非平衡プラズマ,

低温プラズマ

電子の温度がイオン及び中性粒子よりもはるかに高いプラズマ(1028 

照)

参考

密度の低い電子の温度が 10

4

  K

程度に対し,密度の高いイオ

ン及び中性粒子の温度が数百 K 程度のため,低温プラズマと

いう。

non-equilibrium plasma,

low-temperature plasma,

cold plasma

1031

電離,

イオン化

原子や分子を構成している電子に外部から電気,光などのエネルギーを

与え,原子や分子から電子を飛び出させること。

参考

この結果,正イオンができる。

ionization

1032

電離エネルギー,

イオン化工ネル

ギー

電離(1031 参照)に必要とする最小のエネルギー。 ionization

energy

1033

電離度,

イオン化率

プラズマ中の電離の度合いを表す割合。

中性粒子密度 n

o

,電子密度を n

e

としたとき,

(

)

e

o

e

n

n

n

+

で示す。

ionization degree

1034

再結合

正イオンが電子と衝突して,中性粒子又は荷電数の低い正イオンになる

こと。

参考

電離(1031 参照)の逆過程。

recombination

1035

イオン再結合

正イオンが負イオンと衝突して,中性の原子や分子になること。 ion

recombination

1036

電子付着

電子が中性の原子や分子に付いて負イオンを生じること。

参考

正イオンと電子の場合の再結合(1034 参照)とを区別して電

子付着と呼ぶ。

electron attachment

1037

脱離

負イオンから電子がとれ,中性の原子や分子に戻ること。

参考

吸着(1013 参照)の場合の脱離(1018 参照)と同じ用語とな

っている。

detachment

1038

電子親和力

電子が原子や分子に結合するときに放出するエネルギー。脱離(1037 

照)に必要なエネルギーに等しい。

electron affinity

1039

ガス温度,

気体温度

プラズマ(1028 参照)中の気体(ガス)分子の平均的熱運動エネルギー

を表す尺度。

参考

非平衡プラズマ(1030 参照)内では,一般に電子温度(1040

参照)より低い。

gas temperature

1040

電子温度

プラズマ(1028 参照)中の電子の平均的熱運動エネルギーを表す尺度。 electron

temperature

1041

イオン温度

プラズマ(1028 参照)中のイオンの平均的熱運動エネルギーを表す尺度。

 ion

temperature

1042

電子密度,

プラズマ密度

プラズマ(1028 参照)中の単位体積当たりの電子の数。 electron

density,

plasma

density

1043

イオン密度

プラズマ(1028 参照)中の単位体積当たりのイオンの数。 ion

density

1044

シース

プラズマ(1028 参照)中に固体が存在するとき,その周囲に形成される

空間電荷層。

sheath

気相中にイオンを発生する装置。

参考

イオンの発生方法によって,

(1)

気体放電による電子衝突電離を利用する気体プラズマ形

(2)

金属表面と原子の相互作用を利用した表面効果形

に大別さ

れる。

1045

イオン源

気体プラズマ形イオン源は,放電(

1022

参照)によってプ

ラズマ(

1028

参照)を形成し,プラズマ界面からイオンを

引き出す方式が多く,代表的なものにデュオプラズマトロ

ン形イオン源,カウフマン形イオン源がある。表面効果形
イオン源としては,液体金属イオン源がある。

ion source


4

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

1046

イオン電流

イオンの移動による電流。 io current

1047

イオン電流密度

単位面積当たりのイオン電流(1046 参照)

。 ion

current

density

1048

ラジカル

不対電子をもつ原子又は分子。 radical

1049

クラスタ

原子又は分子が数十個から 1 000 個程度凝集してできた小集合体。マイク

ロクラスタともいう。

cluster

1050

クラスタイオン

電荷をもったクラスタ(1049 参照)

。 ionized cluster

(2)

材料及び機能

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2001

基板

気体から凝縮によって薄膜(2020 参照)が形成されるとき,凝縮を起こ

す場となる固体。

substrate

2002

基板温度

膜が形成される基板(2001 参照)の表面温度。 substrate

temperature

2003

界面

2

相間の境界。 interface

2004

表面粗さ

固体表面のうねりを除いた凹凸の状態。 surface

roughness

2005

平面度

平面形態の幾何学的に正しい平面からの狂いの大きさ。 flatness

2006

清浄表面

構成原子以外のものを含まない表面。 clean surface

2007

表面構造

表面における原子又は分子の並び方。 surface

structure

2008

結晶

原子や分子が規則正しく配列してつくられている固体。 crystal

2009

単結晶

すべての部分が同一の結晶学的方位をもつ固体。 single

crystal

2010

多結晶

方位が異なる単結晶(2009 参照)が集合した固体。 polycrystal

2011

結晶粒

多結晶(2010 参照)を構成する個々の結晶(2008 参照)

。 crystal

grain

2012

結晶粒界

結晶(2008 参照)と結晶との境界。 grain

boundary

2013

微結晶

数 nm 以下の大きさの微細な結晶(2008 参照)

。 micro

crystalite

2014

非晶質,

アモルファス

原子の配列に長距離の規則性をもたず,決まった結晶形や構造をもたな

い非結晶状態。

amorphous state

2015

再結晶

ある温度以上に加熱した場合,新しい結晶核の発生及びその成長がみら

れる現象。

recrystallization

2016

格子面

同一直線上にない三つ以上の格子点を含む平面。結晶面ともいう。

参考

ミラー指数によって表示する。

lattice plane

2017

面方位

格子面(2016 参照)の方位。

参考

ミラー指数によって表示する。

plane direction

2018

等方性

材料の性質が,測定する方向によらず一様なこと。 isotropy

2019

異方性

材料の性質が,測定する方向によって異なること。 anisotropy

2020

薄膜

およそ数

µ

m

までの厚さの膜。 thin film

2021

厚膜

およそ数

µ

m

以上の厚さの膜。 thic film

2022

連続薄膜

基板(2001 参照)を完全に覆った薄膜(2020 参照)

continuous thin film

2023

不連続薄膜

基板(2001 参照)を完全に覆っていない薄膜(2020 参照)

discontinuous thin film

2024

単層膜

同一成分の膜。

single layer film

2025

多層膜

2

種類以上の単層膜(2024 参照)を積層した膜。積層膜,累積膜ともい

う。

multilayer film

2026

表面拡散

表面原子又は表面付着原子がエネルギー的に,より安定な場所に表面に

沿って移動する現象。表面移動ともいう。

surface diffusion

2027

過冷却相や過飽和相の中から主として結晶化又は相析出に際して形成さ

れる,原子又は分子の小さい集合体。

nucleus

2028

臨界核

核(2027 参照)が生成しても小さすぎて,ある臨界半径以下では,核が

成長しないか又は消滅するが,ある臨界半径以上になると核が成長する

ことができる。その臨界半径の核のこと。

critical nucleus

2029

核生成

過冷却相や過飽和相から,核(2027 参照)が形成されること。

参考

核生成には,均一核生成及び不均一核生成がある。

nucleation


5

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2030

核成長

生成した核(2027 参照)のうち,臨界半径以上の大きさになった核が成

長すること。

参考

核成長には,二次元核成長及び三次元核成長がある。

nucleus growth

2031

合体

核生成(2029 参照)によって形成された核(2027 参照)が,成長する段

階で核どうし一体となること。

coalescence

2032

薄膜成長

初期の連続薄膜(2022 参照)が形成され,より厚い膜になる過程。

参考

薄膜(2020 参照)の成長様式は,次の三つに分類できる

(1)

薄膜成長の初期に核(2027 参照)が形成され,三次元的な島

状構造(2039 参照)が起こる場合

[フォルマー−ウエバー形(Volmer−Weber 形)

(2)

成長の初期段階から層状成長が起こる場合

[フランク−ファンデルメルヴェ形(Frank-van der Merwe

形)

(3)

最初の何層かが層状成長をし,その上に核生成(2029 参照)

が起こる場合

[ストランスキー−クラスタノフ形(Stranski−Krastanov

形)

growth of thin film

2033

被覆率

材料表面に他の物質を被覆するとき,その被覆物質が覆う面積の全表面

積に対する割合。被覆度ともいう。

coverage

2034

シャドーイング

集積回路など複雑な表面の形態を示す基板(2001 参照)において,突起

の影の部分などに原子が入り込めず,被覆が困難になる現象。

shadowing

2035

ステップカバレ

ージ

基板表面で階段状に形態が変化しているところで,階段の側面まで薄膜

を付けること。

step coverage

2036

回り込み

空間に存在する気体による散乱によって,基板(2001 参照)の光学的に

影に当たる部分[蒸発源(3012 参照)に対し基板の裏面,階段の側面な

ど]にも膜が付着すること。

throwing power

2037

成膜速度

形成される膜の単位時間当たりの厚さの増加する割合。堆積速度ともい

う。

deposition rate

2038

モルフォロジ,

モフォロジ

形成された膜の表面や断面の形態。 morphology

2039

島状構造

核(2027 参照)が成長して,島とよばれる原子の集合体となり,この島

が不連続に多数分布した薄膜(2020 参照)の構造。

island structure

2040

網目状構造

島と島とが合体して,島がつながった状態の薄膜(2020 参照)

参考

島状構造(2039 参照)から連続薄膜(2022 参照)への移行段

階。

network structure

2041

柱状構造

基板(2001 参照)に対し,柱状の結晶(2008 参照)が成長した薄膜(2020

参照)の構造。

columnar structure

2042

繊維構造

結晶(2008 参照)が一つの結晶方位に配向した薄膜(2020 参照)の構造。

 fiber

structure

2043

層状構造

異種又は同種の原子又は分子が層状になって積み重なった薄膜(2020 

照)の構造。

layer structure

2044

格子欠陥

規則正しく配列した結晶格子の規則性の乱れ。

参考

その形状から,点欠陥(空孔,格子間原子など)

,線欠陥(転

位)

,面欠陥(積層欠陥など)などに分類される。

lattice defect

2045

格子不整

原子配列の異なる原子層界面における格子配列の不一致。 lattice

misfit

2046

緩衝層

積層している各層の層間の不整合を緩和するため,層間に挿入する層。 buffer

layer

2047

ボイド

空孔の集合による球状又は多面体の空洞。 void

2048

ピンホール

薄膜(2020 参照)に存在する微小な穴状の欠陥。 pinhole

2049

多孔率

薄膜(2020 参照)の全容積のなかで細孔の占める容積の割合。多孔度又

は気孔率ともいう。

porosity

2050

化学量論組成

分子式で示されるような化合物の組成。 stoichiometry


6

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2051

組成こう(勾)

膜中の組成が連続的に変化すること。 composition

gradient

2052

傾斜機能

膜の組成を連続的に変化させ,新しい膜の機能を付与すること。 gradient

function

2053

配向性

多結晶体中の結晶粒の結晶方位が統計的にある定まった方位を示す度合

い。

orientation

2054

優先配向

多結晶体中の結晶粒が統計的にある定まった方向を示すこと。 preferred

orientation

2055

サイズ効果

材料の性質が寸法によって異なること。 size

effect

2056

エピタキシ

薄膜(2020 参照)が結晶基板に対してある結晶学的な方位関係をもつこ

と。

epitaxy

2057

エピタキシャル

成長

単結晶基板上に,それと規則正しい結晶配位関係にある単結晶薄膜が成

長すること。

参考

過飽和溶液からの固相析出を利用する液相エピタキシャル成

長と,気相からの固相析出を利用する気相エピタキシャル成

長とがある。

epitaxial growth

2058

エピタキシャル

温度

エピタキシャル成長(2057 参照)の生じる基板(2001 参照)の最低温度。

 epitaxial

temperature

2059

ホモエピタキシ

ャル成長

単結晶基板上に,それと同種物質の単結晶薄膜がエピタキシャル成長

2057 参照)すること。

homoepitaxial growth

2060

ヘテロエピタキ

シャル成長

単結晶基板上に,それと異なる物質の単結晶薄膜がエピタキシャル成長

2057 参照)すること。

heteroepitaxial growth

2061

グラフォエピタ

キシャル成長

基板(2001 参照)がある幾何学的規則性を有するとき,その表面に単結

晶(2009 参照)の薄膜(2020 参照)が形成すること。

graphoepitaxial growth

2062

超格子

結晶内で格子状に並んでいる原子の周期を超える長周期をもつ結晶格

子。

superlattice

2063

ひずみ超格子

格子定数が一致しない物質の組合せで,格子定数の不整が緩和されるこ

となく,格子のひずみによって保持されている超格子(2062 参照)

strained-layer superlattice

2064

量子井戸構造

電子親和力(1038 参照)の大きい物質を小さい物質で挟んだとき,伝導

帯の底は箱形の井戸のようになり,電子は井戸の底に閉じ込められる。

井戸の厚さが電子の波長より小さくなり,電子エネルギーが量子化され

た構造。

quantum well structure

2065

量子井戸細線

物質の 2 方向の寸法が電子の波長より小さい細線状の構造で,二次元の

量子井戸構造(2064 参照)が形成されたもの。量子細線ともいう。

quantum well wire

2066

量子井戸箱

物質の 3 方向の寸法が電子の波長より小さい箱形の構造で,三次元の量

子井戸構造(2064 参照)が形成されたもの。量子箱ともいう。

quantum well box

2067

量子サイズ効果

物質の寸法が電子の波長と同程度になったとき,量子化によって種々の

物性が現れるサイズ効果(2055 参照)

quantum size effect

2068

二次元電子ガス

一次元の量子井戸構造(2064 参照)で,電子は界面に垂直な方向では井

戸層内に閉じ込められ,エネルギーが量子化されるが,界面に平行な方

向では自由であるような電子。

参考

正孔に対しても存在し,この場合,二次元正孔ガスという。

two dimensional electron gas

2069

ミニバンド

超格子(2062 参照)の作る量子井戸構造(2064 参照)において,障壁層

の厚さが薄くなると,量子井戸内に閉じ込められていた電子は障壁層を

トンネル効果によって通過し,超格子全体に広がり形成されたエネルギ

ーバンド。サブバンドともいう。

mini-band

2070

ゾーンの折返し

超格子(2062 参照)において電子構造におけるブリリアンゾーンが超周

期構造によって折り返されること。

zone folding

2071

表面機械的機能

表面の示す機械的な機能。

参考

耐熱摩耗性,耐摩擦摩耗性,接着性,潤滑性などがある。

surface mechanical functions

2072

表面熱的機能

表面の示す熱的な機能。

参考

耐熱性,断熱性,熱伝導性などがある。

surface thermal functions


7

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2073

表面電磁気的機

表面の示す電磁気的な機能。

参考

導電性,超伝導性,半導体性,絶縁性,磁性などがある。

surface electric and magnetic

functions

2074

表面光学的機能

表面の示す光学的な機能。

参考

色調,光沢,発光性,耐光性,反射・吸収性,光磁気特性,

光記録特性,液晶配向性などがある。

surface optical functions

2075

表面化学的機能

表面の示す化学的な機能。

参考

耐食性,触媒活性,センサ機能などがある。

surface chemical functions

(3)

物理蒸着法

番号

用語

定義

対応英語(参考)

3001

蒸着

物質を気相状態とし,吸着(1013 参照)

,凝集,成長によって基板(2001

参照)上に固体の膜を形成すること。

参考

便宜上,物理蒸着(3002 参照)と化学蒸着(4001 参照)とに

分類している。

vapor deposition

3002

物理蒸着

高温加熱,スパッタリング(3047 参照)などの物理的方法で物質を蒸発

3011 参照)し,基板(2001 参照)に凝縮させ,薄膜(2020 参照)を形

成すること。物理気相成長ともいう。略称  PVD。

参考

真空蒸着(3003 参照)

,イオンプレーティング(3036 参照)

スパッタリングなどの総称。

physical vapor deposition

3003

真空蒸着

真空中で物質を加熱蒸発し,基板(2001 参照)に凝縮させ,薄膜(2020

参照)を形成すること。

参考

真空蒸着を略して蒸着ということが多い。

vacuum evaporation,

evaporation

3004

反応性蒸着

活性ガス雰囲気中で蒸発材料(3021 参照)を蒸発(3011 参照)させ,両

者を反応させることによって化合物薄膜を基板上に作製すること。化成

蒸着ともいう。

reactive deposition, reactive

evaporation

3005

斜め蒸着

蒸発した原子や分子を表面に対し直角以外の角度で入射させ蒸着(3001

参照)を行うこと。

oblique deposition

3006

同時蒸着

2

個以上の蒸発源(3012 参照)から同一基板表面に同時に蒸発した原子

や分子を入射させ蒸着(3001 参照)を行うこと。

co-evaporation, multi-source

evaporation

3007

交互蒸着

2

個の蒸発源(3012 参照)を用いて交互に蒸着(3001 参照)を行い,多

層膜(2025 参照)を作ること。

alternating deposition

3008

順次蒸着

2

個以上の蒸着源(3012 参照)から順次に蒸着(3001 参照)を行い、多

層膜(2025 参照)を作ること。

sequent deposition

3009

低温蒸着

基板(2001 参照)を低温に保って蒸着(3001 参照)を行うこと。 low-temperature

deposition

3010

極低温蒸着

液体窒素など極低温流体で基板(2001 参照)を冷却して蒸着(3001 参照)

を行うこと。

very low temperature

deposition

3011

蒸発

液体又は固体の表面からその一部が気体(蒸気)となって出て行く現象。

気化ともいう。

また,固体の場合,昇華ともいう。

参考

気相の組成が蒸発材料(3021 参照)の組成と一致している調

和蒸発と異なる非調和蒸発とがある。

evaporation

3012

蒸発源

物質に熱エネルギーを与えて,蒸発(3011 参照)させるための機構。蒸

着源ともいう。

evaporation source

3013

点蒸発源

蒸着距離に比べて十分小さい球状の蒸発源(3012 参照)

point evaporation source

3014

微小平面蒸発源

蒸着距離に比べて十分小さい蒸発平面をもつ蒸発源(3012 参照)

参考

蒸発材料(3021 参照)の方向分布は,クヌーセン (Knudsen) の

余弦法則に従う。

small area evaporation

source

3015

リング蒸発源

点蒸発源(3013 参照)又は微小平面蒸発源(3014 参照)を多数個,リン

グ状に配置した蒸発源(3012 参照)

ring evaporation source


8

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

3016

自由蒸発源

蒸発面から蒸発(3011 参照)した蒸気が散乱せず直進できるような構造

の蒸発源(3012 参照)

参考

蒸発容器の上面まで蒸発材料(3021 参照)が満たされている

場合である。

free evaporation source

3017

ノズル蒸発源

容器形蒸発源の噴出孔にノズルを設け,蒸発材料(3021 参照)の蒸気を

ノズルから噴出させる構造の蒸発源(3012 参照)

nozzle evaporation source

3018

放射加熱蒸発源

容器に入れられた蒸発材料(3021 参照)を熱放射によって加熱し蒸発

3011 参照)させる蒸発源(3012 参照)

radiant heating evaporation

source

3019

クヌーセンセル

蒸発材料(3021 参照)が入った小さな孔のある密閉容器を加熱し,その

孔から分子流の状態として噴出させる蒸発源(3012 参照)

Knudsen cell

3020

るつぼ形蒸発源

蒸発容器(るつぼ)の上面が開放された構造の蒸発源(3012 参照)

参考

自由蒸発源(3016 参照)に比較すると,容器壁に衝突する蒸

発分子が存在し,散乱する。

crucible-type evaporation

source

3021

蒸発材料

蒸発(3011 参照)に用いる原材料。 evaporation material

3022

蒸発速度

表面から単位面積,単位時間当たり蒸発(3011 参照)する物質の量。 evaporation

rate

3023

加熱法

蒸発材料(3021 参照)を加熱し,蒸発(3011 参照)させる方法。 heating

method

3024

抵抗加熱法

蒸発材料(3021 参照)を通電加熱し,蒸発(3011 参照)させる方法。

resistive heating, resistance

heating

3025

電子ビーム加熱

水冷銅るつぼ又は耐火物製るつぼに装てん(填)した蒸発材料(3021 

照)の表面に電子ビームを照射して加熱,蒸発(3011 参照)させる方法。

参考1.

電子ビームの発生部を電子銃(EB ガン)という。

2.

蒸発材料を保持するるつぼをハースともいう。

electron-beam heating

3026

高周波誘導加熱

蒸発材料(3021 参照)を高周波誘導加熱を利用して蒸発(3011 参照)さ

せる方法。

induction heating

3027

アーク放電加熱

アーク放電(1024 参照)を利用して蒸発材料(3021 参照)を加熱し,蒸

発(3011 参照)させる方法。

arc heating

3028

レーザ加熱法

レーザ光を収束して蒸発材料(3021 参照)に照射し,瞬時に沸点以上に

加熱して蒸発(3011 参照)させる方法。

laser heating

3029

フラッシュ蒸発

蒸発材料(3021 参照)を粒状又は粉状化し,高温蒸発源の中に少量ずつ

落下させ,蒸発源(3012 参照)上で瞬間的に蒸発(3011 参照)させるこ

と。

flash evaporation method

3030

イオンアシスト

蒸着

真空容器内に蒸発源(3012 参照)とイオン源(1045 参照)とを設置し,

イオンを補助的に利用して成膜すること。

ion assisted deposition

3031

イオンビーム蒸

イオンを物質輸送の手段として用い,薄膜(2020 参照)を形成すること。

ion beam deposition

3032

蒸着重合

モノマーを蒸発材料(3021 参照)とし,基板(2001 参照)上で重合反応

を行わせ,高分子薄膜を形成すること。

vapor deposition

polymerization

3033

分子線蒸着

蒸発材料(3021 参照)の供給源として方向のほぼそろった分子の流れ(す

なわち,分子線)を用いて薄膜(2020 参照)を形成させること。

molecular beam deposition

3034

分子線エピタキ

分子線蒸着(3033 参照)によって,エピタキシャル薄膜を形成すること。

略称  MBE。

molecular beam epitaxy

3035

レーザアブレー

ション

レーザの高密度な光子を利用し,蒸発材料表面の化学結合を切り,蒸発

3011 参照)させ,薄膜(2020 参照)を形成すること。

laser ablation

3036

イオンプレーテ

ィング

電界を印加して発生したプラズマ(1028 参照)を利用し,蒸発原子をイ

オン化(1031 参照)又は励起させ,基板(2001 参照)上に薄膜(2020 

照)を形成すること。

ion plating

3037

反応性イオンプ

レーティング

イオンプレーティング(3036 参照)を行う真空槽(8015 参照)内に反応

ガスを導入することによって,蒸発粒子との化合物膜を形成させること。

reactive ion plating


9

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

(広義)

反応性イオンプレーティング(3037 参照)に同じ。

3038

活性化反応性蒸

(狭義)

電子ビーム蒸発源と基板(2001 参照)との間に設置した補

助電極に,正の電位を印加して放電(1022 参照)を生じさ

せ,蒸発粒子と反応ガスをイオン化(1031 参照)して化合

物膜を形成させる蒸着法。

略称  ARE。

activated reactive

evaporation

3039

直流イオンプレ

ーティング

不活性ガス雰囲気で,接地した蒸発源(3012 参照)に対し負の高電位を

基板(2001 参照)に印加して直流グロー放電を生じさせ,同時に蒸発材

料(3021 参照)を蒸発(3011 参照)させて行うイオンプレーティング(3036

参照)

DC ion plating

3040

高周波イオンプ

レーティング

蒸発空間に高周波コイルを設置し,それによる放電(1022 参照)を利用

して蒸発粒子をイオン化(1031 参照)して行うイオンプレーティング

3036 参照)

RF ion plating

3041

マイクロ波イオ

ンプレーティン

マイクロ波放電によってプラズマ(1028 参照)を生じさせ,それによっ

て蒸発粒子をイオン化(1031 参照)して行うイオンプレーティング(3036

参照)

microwave ion plating

3042

バイアスプロー

ブイオンプレー

ティング

蒸発源(3012 参照)と基板(2001 参照)との間に設置した補助電極にバ

イアス電位を印加することによって放電(1022 参照)を生じさせ,それ

によって蒸発粒子をイオン化(1031 参照)して行うイオンプレーティン

グ(3036 参照)

参考

狭義には,狭義の活性化反応性蒸着(3038 参照)と同じ。

広義には,高周波イオンプレーティング(3040 参照)

,アー

ク放電イオンプレーティング(3044 参照)もこれに入る。

bias probe ion plating

3043

熱電子活性化イ

オンプレーティ

ング

接地した蒸発源(3012 参照)に対して負電位である蒸発源付近の熱電子

放射電極からの熱電子によって放電を生じさせ,それによって蒸発粒子

をイオン化(1031 参照)して行うイオンプレーティング(3036 参照)

。3

極イオンプレーティングともいう。

thermoelectron assisted ion

plating

3044

アーク放電イオ

ンプレーティン

アーク放電(1024 参照)を利用したイオンプレーティング(3036 参照)

参考

アーク放電イオンプレーティングには,2 種類の方法がある。

(1)

アーク放電プラズマ源から大電流電子ビームを蒸発源(3012

参照)に引き込むことによって蒸発材料(3021 参照)を蒸発

3011 参照)させると同時にイオン化(1031 参照)する方法。

(2)

蒸発させるべき材料を陰極とし,真空槽(8015 参照)を陽極

として,この間に直流電圧を印加してアーク放電を生じさせ

て蒸発材料のプラズマ(1028 参照)を発生させる方法。

arc discharge ion plating

3045

ホローカソード

イオンプレーテ

ィング

ホローカソード(中空陰極)放電電子銃から低電圧大電流の電子ビーム

を蒸発源(3012 参照)に引き込むことによって,蒸発材料(3021 参照)

を蒸発(3011 参照)させると同時にイオン化(1031 参照)を行うイオン

プレーティング(3036 参照)

略称  HCD。

hollow cathode discharge ion

plating

3046

クラスタイオン

ビーム蒸着

蒸発材料(3021 参照)のクラスタ(1049 参照)を細孔をもったるつぼか

ら噴射させ,噴射口のすぐ上に設けられたフィラメントからの放出電子

によってイオン化(1031 参照)してクラスタイオンビームとし,負電位

を印加した基板(2001 参照)に入射させるイオンプレーティング(3036

参照)

ionized cluster beam

evaporation

3047

スパッタリング

加速された粒子が固体表面に衝突したとき,運動量の交換によって固体

を構成する原子が空間へ放出される現象及びこの現象を用いた成膜法。

略称  スパッタ。

sputtering

3048

選択スパッタリ

ング

複数の元素からなる合金又は化合物のターゲット(3059 参照)において,

ある構成元素が選択的にスパッタリング(3047 参照)されること。

selective sputtering


10

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

3049

反応性スパッタ

リング

化学的に活性なガスを用いることによって,ターゲット材料とガスとを

反応させ,化合物膜を得るスパッタリング(3047 参照)

。活性スパッタリ

ング,化成スパッタリングともいう。

reactive sputtering

3050

化学スパッタリ

ング

プラズマ(1028 参照)中のイオンやラジカルと固体表面の反応によって

揮発性の高い分子が生成され,この分子が固体表面から離脱する現象。

参考

成膜よりエッチング(7016 参照)として使用される。

chemical sputtering

3051

スパッタガス

スパッタリング(3047 参照)用の加速粒子を作製するためのガス。 sputtering

gas

3052

スパッタ粒子

スパッタリング(3047 参照)によって固体表面から放出された粒子。 sputtered

particles

3053

ノックオン原子

高速粒子が固体表面の構成原子と衝突し,これを正規の格子位置から弾

き飛ばすとき,弾き飛ばされた原子のうちその固体の内方向に向かう原

子。

参考

次々にノックオン原子が生成されることをノックオン原子の

カスケードという。

knock-on atom

3054

反跳原子

高速粒子が固体表面の構成原子と衝突するとき,正規の格子位置から弾

き飛ばされた原子の総称。

recoil atom

3055

スパッタ率

1

個の高速粒子が固体表面に衝突したとき,放出された粒子の個数。 sputtering

yield

3056

しきいエネルギ

スパッタリング(3047 参照)を起こし得る入射粒子の最低エネルギー。 threshold

energy

3057

スパッタ成膜速

単位時間にスパッタ粒子(3052 参照)が基板(2001 参照)にたい(堆)

積していく量。

sputter deposition rate

3058

スパッタエッチ

ング速度

単位時間にスパッタ(3047 参照)される材料が蒸発(3011 参照)してい

く量。

sputter etching rate

3059

ターゲット

スパッタリング(3047 参照)現象を利用して成膜を行う場合,加速粒子

が衝突し標的となる固体原料。

target

3060

複合ターゲット

合金及び化合物成膜用のターゲット(3059 参照)として,各成分元素の

成分比及びスパッタ率(3055 参照)を考慮しながら,成分材料を配置し

たターゲット。

multi-component target

3061

粉末ターゲット

ターゲット(3059 参照)として,材料加工及び焼結が困難な場合に,そ

の粉末原料を受け皿に入れターゲットとしたもの。

powder target

3062

マルチターゲッ

同一の真空槽(8015 参照)に複数の各種材料ターゲット(3059 参照)を

配置する方式。

multiple targets, multi-target

3063

回転ターゲット

同一の真空槽(8015 参照)に配置した複数の各種材料ターゲット(3059

参照)が回転できる方式。

rotary targets

3064

バッキングプレ

ート

ターゲット(3059 参照)の支持板。 backing plate

3065

バイアス電圧

信号電圧に加える他の直流又は交流電圧。

参考

成膜では,基板(2001 参照)又はターゲット(3059 参照)に

印加する電圧。

bias voltage

3066

セルフバイアス,

自己バイアス

外部から直接印加せずにターゲット(3059 参照)自身の条件によって発

生する電圧変動。

self-bias

3067

同時スパッタリ

ング

一つの基板(2001 参照)に対し,複数のターゲット(3059 参照)から同

時に成膜を行うこと。

co-sputtering

3068

多元スパッタリ

ング

一つの基板(2001 参照)に対し,多元のターゲット(3059 参照)を使用

して成膜すること。

multi-target sputtering

3069

プレスパッタリ

ング

スパッタ成膜を行う前に,基板(2001 参照)をシャッタなどで覆い,あ

らかじめスパッタリング(3047 参照)すること。

pre-sputtering

3070

直流スパッタリ

ング

直流放電を用いたスパッタリング(3047 参照)

。 DC

sputtering

3071

交流スパッタリ

ング

交流放電を用いたスパッタリング(3047 参照)

。 AC

sputtering


11

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

3072

高周波スパッタ

リング

高周波放電とそれによって励起される電極上の負のセルフバイアス

3066 参照)を利用したスパッタリング(3047 参照)

RF sputtering

3073

3

極スパッタリ

ング

直流スパッタリング(3070 参照)において,プラズマ(1028 参照)発生

の補助機構として熱陰極を利用し,プラズマ発生とターゲット電位の制

御範囲を広くしたスパッタリング(3047 参照)

triode sputtering

3074

4

極スパッタリ

ング

3

極スパッタリング(3073 参照)の熱陰極に補助陽極を設け,可変制御

範囲を広くしたスパッタリング(3047 参照)

tetrode sputtering

3075

マグネトロンス

パッタリング

磁界と電界とを直交するように配置し,ターゲット(3059 参照)近くで

の加速電子による電離効率を上げ,成膜速度を高めたスパッタリング

3047 参照)

magnetron sputtering

3076

対向ターゲット

形スパッタリン

二つの同じ形状の陰極をその面が平行,かつ対向になるように配置し,

陰極面に垂直の方向に磁界を設けることによって電子の電離劾率を上

げ,成膜速度を高めたスパッタリング(3047 参照)

facing target sputtering

3077

非対称交流スパ

ッタリング

ターゲット(3059 参照)と基板ホルダに交流電圧を印加し,かつ,基板

側へのイオン衝撃を弱くするように,電気回路を調整したスパッタリン

グ(3047 参照)

参考

イオン衝撃が断続的に行われる点を除けば,バイアススパッ

タリング(3078 参照)と同じである。

asymetric

 AC sputtering

3078

バイアススパッ

タリング

基板側に制御した電位を与えて,基板(2001 参照)へのイオン衝撃など

を制御しながら行うスパッタリング(3047 参照)

bias sputtering

3079

ゲッタスパッタ

リング

活性金属のスパッタ膜の反応性を利用して,使用するスパッタガス(3051

参照)の純化を行い,得られる高純度スパッタガスによって行うスパッ

タリング(3047 参照)

gettering sputtering

3080

ECR

スパッタリ

ング

マイクロ波と磁界を印加して,電子サイクロトロン共鳴 (ECR) 放電

1027 参照)を発生させ,プラズマとターゲット電位とを独立に制御し

て行うスパッタリング(3047 参照)

ECR sputtering

3081

イオンビームス

パッタリング

イオン源(1045 参照)によって生成したイオンビームをターゲット(3059

参照)に照射して行うスパッタリング(3047 参照)

参考

イオンビーム源が二つある場合をデュアルイオンビームスパ

ッタリングといい,一つのイオン源は基板(2001 参照)に照

射されることもある。

ion beam sputtering

3082

スパッタガン

スパッタ粒子(3052 参照)を所定の方向に向けて放出するスパッタ源。 sputter-gun

(4)

化学蒸着法

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4001

化学蒸着

気相学反応によって,基板(2001 参照)上に膜を形成させること。化学

気相成長ともいう。

略称  CVD

chemical vapor deposition

4002

化学反応

1

種又は 2 種以上の物質がその構成元素の組替えを行い,新しい物質を作

り出す変化。

参考

化学蒸着(4001 参照)では,熱分解反応,酸化反応,還元反

応,不均化反応,加水分解反応などが用いられる。

chemical reaction

4003

表面反応

表面で起こる化学反応(4002 参照)

。 surface reaction

4004

気相反応

気相中で起こる化学反応(4002 参照)

。 ga phase

reaction

4005

励起反応

励起を伴う化学反応(4002 参照)

excited state reaction

4006

素過程

化学反応式で

される反応の要素となる反応過程。素反応ともいう。 elementary

reaction

4007

律速過程

幾つかの素過程(4006 参照)からなる化学反応(4002 参照)で,反応速

度を支配する素過程。

rate-determining step

4008

活性化エネルギ

化学反応(4002 参照)を起こさせるのに必要な最小のエネルギー。 activation

energy


12

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4009

活性種

光,熱などのエネルギーを吸収して,エネルギーの高い状態に励起され,

化学反応(4002 参照)を起こしやすい状態になっている原子や分子。

activated species

4010

前駆体

化学反応(4002 参照)において,生成物のすぐ前段階に存在して,生成

物と構造上密接な関係がある物質。

precursor

4011

原料ガス

膜形成時に使用される膜成分を含むガス。反応ガスともいう。 source

gas

4012

キャリヤガス

膜形成材料の原料ガス(4011 参照)をリアクタ(4013 参照)に輸送する

ためのガス。

carrier gas

4013

リアクタ

化学蒸着(4001 参照)のための反応室。

参考

リアクタの構造には,垂直形,水平形,それらの混合形であ

る円筒形などがある。

reactor

4014

コールドウォー

ル法

リアクタ(4013 参照)壁面を加熱しないで,基板(2001 参照)だけを加

熱する方法。

cold wall method

4015

ホットウォール

リアクタ(4013 参照)壁面を加熱して,基板(2001 参照)を加熱する方

法。

参考

ホットウォールエピタキシャル法では,加熱した反応管をホ

ットウォールといい,蒸気を均一温度に保つことと輸送管の

役目をする。

hot wall method

4016

サセプタ

基板(2001 参照)の支持具。 susceptor

4017

常圧 CVD

大気圧雰囲気中での CVD(4001 参照)

。大気圧 CVD ともいう。

略称  APCVD。

atmospheric pressure CVD

4018

減圧 CVD

大気圧より低い減圧雰囲気中での CVD(4001 参照)

。低圧 CVD ともいう。

略称  LPCVD。

low pressure CVD

4019

熱 CVD

熱エネルギーで化学反応(4002 参照)を行わせる CVD(4001 参照)

。 thermal

CVD

4020

熱フィラメント

CVD

高温に加熱したフィラメントより放出される熱電子で反応ガス(4011 

照)を励起し,化学反応(4002 参照)を起こさせる CVD(4001 参照)

hot-filament CVD

4021

プラズマ CVD

反応ガス(4011 参照)をプラズマ(1028 参照)状態にし,活性なラジカ

ルやイオンの生成のもとで化学反応を行わせる CVD(4001 参照)

参考

熱プラズマ CVD,直流プラズマ CVD,高周波プラズマ CVD,

マイクロ波プラズマ CVD,電子サイクロトロン共鳴プラズマ

CVD

,燃焼炎 CVD などがある。

plasma CVD

4022

光 CVD

光のエネルギーによって反応ガス(4011 参照)を励起又は分解し,反応

を促進させて行う CVD(4001 参照)

参考

使用する光源には,ランプとレーザとがある

photo-assisted CVD

4023

ランプ CVD

反応ガス(4011 参照)の励起エネルギーとしてランプ光を用いる CVD

4001 参照)

参考

ランプ光源の波長域には,近赤外域,紫外域,真空紫外域が

ある。

lamp CVD

4024

レーザ CVD

反応ガス(4011 参照)の励起エネルギーとしてレーザを用いる CVD(4001

参照)

参考

レーザの波長によって紫外線レーザ CVD と赤外線レーザ

CVD

とに分類する。

laser CVD

4025

原子層エピタキ

原子層又は分子層を 1 層ずつ制御してエピタキシャル成長(2057 参照)

をさせる CVD(4001 参照)

atomic layer epitaxy

4026

ハライド CVD

塩化物(ハライド)を原料ガスとする CVD(4001 参照)

。 halide

CVD

4027

MOCVD

有機金属化合物を原料ガス(4011 参照)とする CVD(4001 参照)

。有機

金属気相成長ともいう。

metalorganic CVD

4028

CVI

成膜中,間欠的に減圧することによって多孔質基板の空孔に反応ガス

4011 参照)を導入し,多孔質内部にも被覆又は充てんする CVD(4001

参照)

chemical vapor impregnation


13

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4029

プラズマ重合

プラズマ(1028 参照)中でモノマの反応ガス(4011 参照)を重合させ,

高分子の薄膜を形成すること。

plasma polymerization

4030

プラズマ開始重

重合開始時にプラズマ(1028 参照)を利用し,高分子の薄膜を形成する

こと。

参考

主な重合反応は,液体又は固体モノマー中で進行する。

plasma-initiated

polymerization

4031

化学輸送法

高温部に置いた固体物質を化学反応(4002 参照)によって気体にし,こ

の物質を低温部にて新たな化学反応によって元の固体として析出させる

方法。

chemical transport method

4032

スプレー法

高温の基板表面に反応物質を吹きつけ,膜を形成する CVD(4001 参照)

 spray method

(5)

溶融成膜法

番号

用語

定義

対応英語(参考)

5001

溶融成膜

材料の溶融状態を利用して膜を形成すること。

film formation using melting

state

5002

液相エピタキシ

成長温度で液体になる溶媒中に溶質を飽和状態まで溶解させ,その溶液

に基板(2001 参照)を接触させて冷却させることによってエピタキシャ

ル成長(2057 参照)させること。

略称  LPE。

参考

スライディングボート法,傾斜法(Nelson 法)

,垂直浸せき法

などがある。

liquid phase epitaxy

5003

溶射

物質を熱源で溶融又は半溶融状態にして,基板(2001 参照)に吹き付け

て膜を形成すること。

参考

膜の形成物質は,金属,セラミックス,プラスチックなど,

熱源で蒸発(3011 参照)

,分解しないものはすべて対象とな

る。熱源には,燃焼炎,アーク,プラズマ(1028 参照)

,レ

ーザが用いられる。

spraying

5004

溶融めっき

溶融金属中に基板(2001 参照)を浸せきして表面に溶融金属の膜を形成

すること。

hot-dip plating

(6)

表面改質法

番号

用語

定義

対応英語(参考)

6001

熱処理

材料に必要な性質を付与するために行う加熱と冷却のいろいろな組合せ

の操作。

参考

焼ならし,焼なまし,焼入れ,焼戻しなど。

heat treatment

6002

真空熱処理

真空中において行う熱処理(6001 参照)

。 vacuum heat

treatment

6003

雰囲気制御熱処

炉内の雰囲気ガスを目的に応じて,それぞれ調節・制御して行う熱処理

6001 参照)

参考

雰囲気ガスには,酸化性,還元性,不活性,浸炭性,窒化性

などの種類がある。

controlled atmosphere heat

treatment

6004

拡散浸透法

金属材料の表面層の硬さ,耐熱性,耐食性などを向上させるために,高

温度の各種媒剤中で,他の元素を表面に拡散させる方法。

cementation

6005

熱酸化

酸化雰囲気中で材料を加熱し,その表面に酸化膜をつくること。 thermal

oxidation

6006

プラズマ酸化

酸素を含むプラズマ(1028 参照)を用いて材料表面を酸化させること。 plasma

oxidation

6007

プラズマ陽極酸

材料表面に正のバイアスを印加して行うプラズマ酸化(6006 参照)

。 plasma

anodic

oxidation,

plasma anodization

6008

イオン窒化

窒素を含む雰囲気中で材料を陰極とし,グロー放電(1023 参照)を発生

させ,材料表面に窒化物を形成させること。

ion nitriding, ion nitridation

6009

プラズマ窒化

放電(1022 参照)によって発生させたプラズマ(1028 参照)で材料表面

に窒化物を形成させること。

plasma nitriding, plasma

nitridation

6010

イオン浸炭

減圧した炭素を含むガス雰囲気中で材料を陰極とし,グロー放電(1023

参照)を発生させ,材料表面に炭素を富化させること。

ion carburizing


14

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

6011

レーザ焼入れ

レーザによる局所加熱を利用して行う焼入れ。 laser

quenching

6012

電子ビーム焼入

電子ビームによる局所加熱を利用して行う焼入れ。

electron beam quenching

6013

表面溶融処理

高エネルギー密度の熱源を照射して材料表面を急速溶融,凝固させて表

面改質(1002 参照)を行うこと。

surface melting treatment

6014

プラズマ処理

プラズマ中のイオン,電子,ラジカル,光,原子・分子などを利用して

表面改質(1002 参照)を行うこと。

参考

高分子材料の表面改質に使われることが多い。

plasma treatment

6015

紫外線処理

紫外線の光化学作用を利用して,低温下で高分子材料などの表面改質

1002 参照)を行うこと。

ultraviolet treatment

6016

電子照射処理

電界で加速させた電子を高分子に照射し,高分子を架橋や崩壊させるこ

とによって表面改質(1002 参照)を行うこと。

electron beam treatment

6017

パッシベーショ

表面を不活性化し,外界からの影響を受けないように保護膜を形成する

こと。

passivation

6018

アロイング

基板(2001 参照)上に他の物質を添加して,高エネルギーのレーザ,電

子ビームなどを照射し,それらの合金又は化合物を基板上に形成させる

こと。

alloying

6019

グレージング

基板(2001 参照)上に高エネルギーのレーザ,電子ビームなどを短時間

照射し,表面を溶融・急冷することでその組織を微細化又は非晶質化す

ること。

glazing

6020

ラピッドアニー

リング

イオン打込みなどで損傷を受けた基板表面に高エネルギーのレーザ,電

子ビームなどを照射し,短時間に表面の欠陥やひずみなどを除く方法。

rapid annealing

6021

ゲッタリング

有害な不純物や欠陥を不活性化すること。 gettering

6022

イオン注入

元素をイオン化(1031 参照)し,数十 keV 以上の高エネルギーに加速し,

その元素を基板内部に打ち込むこと。

ion implantation

(広義)

高エネルギーのイオンと標的原子との衝突及び反跳作用を

利用し,材料表面・界面を構成している原子層を混合又は

合金化すること。

6023

イオンビームミ

キシング

(狭義)

基板(2001 参照)上に形成した薄膜(2020 参照)にイオン

ビームを照射し,基板と薄膜とを完全に混合させた合金,

化合物層などを形成させること。

ion beam mixing

6024

界面ミキシング

基板(2001 参照)上に形成した薄膜(2020 参照)にイオンビームを照射

し,薄膜と基板との界面だけを混合させるイオンビームミキシング(6023

参照)

interface mixing

6025

ダイナミカルミ

キシング

基板(2001 参照)への蒸着(3001 参照)と同時にイオンを注入するイオ

ンビームミキシング(6023 参照)

dynamical mixing

6026

ドーピング

材料の物理的性質又は化学的性質を変化させるために適量の不純物元素

を材料に添加すること。

doping

6027

オートドーピン

基板(2001 参照)や真空槽(8015 参照)などから,成膜中に不純物が膜

中に混入すること。

autodoping

6028

アッシング

酸化反応を用い,レジスト(7003 参照)などの有機物を燃焼させ基板表

面から除去すること。

参考

不燃性の灰分だけを残す分析操作としても用いられている。

ashing

(7)

表面加工法

番号

用語

定義

対応英語(参考)

7001

選択酸化

基板表面の特定部分を,指定されたパターンに従って選択的に酸化する

こと。

selective oxidation

7002

層間絶縁

集積回路などの素子間の配線が多層となる構造において,それらの層の

間を絶縁薄膜によって電気的に分離(絶縁)すること。

inter-level isolation


15

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

7003

レジスト

微細加工プロセスにおいて,パターン形成に必要な光,電子線などの照

射に対して感光性をもつ材料。

参考

感光した後,現像液に可溶性,不溶性又は難溶性になるかに

よって,ポジ形レジスト,ネガ形レジストに区別することが

できる。

resist

7004

レジスト感度

微細加工プロセスにおいて,レジスト(7003 参照)にパターンを形成す

るために必要な光,電子線などの照射量。

sensitivity of resist

7005

解像力

レジスト(7003 参照)の微細像形成能力。

参考

一般に,プリント配線板や半導体などのパターン形成におい

て,形成できる最小の線の幅及び間隔を指す。

resolving power of resist

7006

プリベーク

レジスト(7003 参照)を塗布した後,膜中に残留している溶剤の蒸発(3011

参照)及び膜と基板(2001 参照)との密着性の向上を目的として行う熱

処理(6001 参照)

pre-bake

7007

ポストベーク

現像によってレジストパターンを形成した後,膜又は表面に残留した現

像液などを蒸発除去し,更に膜の硬化及び密着性の向上を目的として行

う熱処理(6001 参照)

post-bake

7008

マスクブランク

レジスト(7003 参照)が塗布されていない状態のフォトマスク製造用の

基板。

mask blank

7009

フォトマスク

マスクブランク(7008 参照)にパターン像を形成したもの。 photomask

7010

マスキング

選択的な析出又はエッチング(7016 参照)を行うために表面を一部被覆

すること。

masking

7011

露光

感光材料が光又は他の放射エネルギーを受けること。 exposure

7012

露光装置

基板(2001 参照)上のレジスト(7003 参照)に露光(7011 参照)する装

置。

aligner

7013

投影露光装置

投影光学系を用いる露光装置(7012 参照)

。 projection

aligner

7014

電子ビーム露光

電子ビームで露光(7011 参照)すること。

electron beam exposure

7015

ステップ式投影

露光装置

マスクパターンの投影像に対し,基板(2001 参照)を繰り返しステップ

して露光(7011 参照)する投影露光装置(7012 参照)

。ステッパともい

う。

stepping projection aligner

7016

エッチング

被処理材料の全面又は一部を除去すること。

参考

エッチングには,ウエットエッチング及びドライエッチング

がある。

etching

7017

全面エッチング

被処理材料の全面を除去すること。 overa etching

7018

部分エッチング

被処理材料の必要な部分を残し,不要な部分を除去すること。 partial

etching

7019

デジタルエッチ

ング

1

原子層又は 1 分子層ずつ制御してエッチング(7016 参照)を行うこと。

 digital

etching

7020

ウエットエッチ

ング

溶液を用いてエッチング(7016 参照)を行うこと。 wet

etching

7021

ドライエッチン

ガスとの反応やスパッタリング(3047 参照)などを用いてエッチング

7016 参照)を行うこと。

dry etching

7022

スパッタエッチ

ング

スパッタリング(3047 参照)によってエッチング(7016 参照)を行うこ

と。

sputter etching

7023

プラズマエッチ

ング

活性ガスによるプラズマ(1028 参照)を利用してエッチング(7016 参照)

を行うこと。

plasma etching

7024

プラズマ分離形

プラズマエッチ

ング

プラズマ発生室とエッチング室とが分離され,プラズマ発生室で生成し

た比較的長寿命の中性活性種をエッチング室に輸送してエッチング

7016 参照)すること。ケミカルドライエッチング,ダウンフローエッ

チングともいう。

参考

主としてマイクロ波プラズマが用いられる。

down stream plasma etching


16

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

7025

イオンビームエ

ッチング,イオ

ンミリング

イオンビームを用いてエッチング(7016 参照)を行うこと。

ion beam etching, ion milling

7026

集束イオンビー

特定のイオンを加速して細く集束したビーム。

参考  パターンの修正,露光(

7011

参照)

,加工,イオン注入

6022

参照)などに用いられる。

focused ion beam

7027

電子ビームエッ

チング

パルス状電子ビームを物質に衝突させ,ビーム照射部分が蒸発(3011 

照)する現象を利用してエッチング(7016 参照)を行うこと。

electron beam etching

7028

反応性イオンエ

ッチング

基板(2001 参照)を高周波電極とし,反応性ガスのプラズマ(1028 参照)

を用い,セルフバイアス(3066 参照)効果に伴う基板へのイオン入射に

よる化学反応(4002 参照)を利用してエッチング(7016 参照)を行うこ

と。

略称  RIE。

参考

基板は,中性活性種と反応ガスイオンとの相乗効果でエッチ

ングされる。

reactive ion etching

7029

マグネトロン形

反応性イオンエ

ッチング

直交電磁界によるマグネトロン放電(1026 参照)を利用して,反応性ガ

スの高密度プラズマを発生させ,それによってエッチング(7016 参照)

を行うこと。

magnetro enhanced reactive

ion etching

7030

反応性イオンビ

ームエッチング

反応性ガスのプラズマ(1028 参照)をイオン源(1045 参照)で発生させ,

反応性ガスイオン及び中性活性種をイオン源とは独立した室に置いた基

板(2001 参照)に照射し,エッチング(7016 参照)を行うこと。

略称  RIBE。

reactive ion beam etching

7031

ECR

反応性イオ

ンビームエッチ

ング

ECR

イオン源から引き出した高密度の反応性イオンを利用する反応性イ

オンビームエッチング(7030 参照)

参考

イオンの引き出しには,発散磁場を用いる方法及び引き出し

電極を用いる方法がある。

ECR reactive ion beam

etching

7032

光励起エッチン

紫外光などの光エネルギーによってエッチングガス(7035 参照)を活性

化して活性種を発生させ,エッチング(7016 参照)を行うこと。

参考

プリント配線板などの配線は,一般にマスクパターン形成後

ウエットエッチング(7020 参照)によって形成される。この

エッチングプロセスをフォトエッチングと呼んでいる。

photo excited etching

7033

レーザアシスト

エッチング

レーザ光による光励起化学反応プロセスを用いてエッチング(7016 参照)

を行うこと。

laser assisted etching

7034

エッチング速度

単位時間にエッチング(7016 参照)される深さ。

etching rate, etch rate

7035

エッチングガス

被処理材料をエッチング(7016 参照)するためのガス。 etching

gas

7036

エッチング抑制

ガス

特定方向のエッチング速度(7034 参照)を抑制するための気体。

suppressive gas for etching

7037

等方性エッチン

エッチング(7016 参照)される方向によらず,被エッチング材料が等速

度でエッチングされること。

isotropic etching

7038

異方性エッチン

被エッチング材料のエッチング速度(7034 参照)がエッチング方向によ

って異なること。

anisotropic etching

7039

選択エッチング

二つの物質のエッチング速度(7034 参照)の違いを利用して一方の物質

を選択的にエッチング(7016 参照)すること。

selective etching

7040

アンダカット

被エッチング材料上のフォトレジストなどのマスク寸法に比較し,エッ

チング(7016 参照)によって形成されたマスク直下の被エッチング材料

のパターン寸法が小となる現象。サイドエッチングともいう。

参考

等方性エッチング(7037 参照)では必ず生起するが,異方性

エッチング(7038 参照)ではマスク寸法よりパターン寸法の

方が大となる場合がある。これを通常のアンダカットと区別

して負のアンダカットという。

undercut


17

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

7041

エッチファクタ

サイドエッチング(7040 参照)された幅をエッチング深さで除した値。 etch

factor

7042

オーバエッチン

所定のエッチング量よりも過剰にエッチング(7016 参照)を行うこと。

参考

一般には,2 層以上の積層構造からなる基板(2001 参照)に

おいて,被エッチング材料だけでなく基板材料もエッチング

することを指す。

over etching

7043

リソグラフィ

露光転写した画像を基として画像を形成すること。

参考

露光転写に使用する光源や線源によって,フォトリソグラフ

ィ,UV リソグラフィ,電子線リソグラフィ,イオンビーム

リソグラフィ,X 線リソグラフィ,放射光リソグラフィ,レ

ーザリソグラフィなどに分類される。

lithography

7044

紫外線硬化

紫外線によって感光材料を硬化させること。UV 硬化ともいう。 ultraviolet

curing

(8)

設備及び工程

番号

用語

定義

対応英語(参考)

8001

前処理

表面処理(1001 参照)をするに当たり,表面状態を調整するため,主工

程の前に行う処理。

pretreatment

8002

ラッピング

寸法誤差の調整又は表面仕上げ状態を改善するために行う研磨。

参考

ラップ用と(砥)粒には,アルミナ粉末,炭化けい素粉末,

ダイヤモンド粉末などが使用される。

lapping

8003

ポリシング

高度の鏡面を得るために行う研磨。

参考

ラップ用と(砥)粒より更に細かい粒子を用いる。

polishing

8004

メカノケミカル

ポリシング

加工物より軟質の粒子と加工物との間に固相反応を生じさせ,反応によ

って生成した異質な物質部分を除去しながら研磨すること。

mechanochemical polishing

8005

洗浄

基板表面を清浄化すること。

参考

洗浄方法によって,高温加熱洗浄,蒸気洗浄水素放電洗浄,

オゾン洗浄,イオンボンバード,紫外線洗浄,超音波洗浄,

スクラブ洗浄などがある。

cleaning

8006

基板加熱

膜の結晶化,基板表面での反応の促進,密着化の向上などを目的として,

基板(2001 参照)を加熱すること。

参考

加熱方法によって,ヒータ加熱,ランプ加熱,レーザ加熱,

高周波加熱,電子線加熱などがある。

substrate heating

8007

基板冷却

表面処理(1001 参照)中の基板温度(2002 参照)の上昇の抑制,膜の構

造制御などのため,基板(2001 参照)を冷却すること。

substrate cooling

8008

予備加熱

蒸発材料(3021 参照)表面の汚染物を除去するために行う加熱。 preheating

8009

脱ガス

蒸発材料(3021 参照)

,基板(2001 参照)

,ジグ(8032 参照)

,真空槽(8015

参照)などを加熱し,吸着(1013 参照)又は内部のガスを除去すること。

degassing

8010

ソーキング

(1)

蒸発材料(3021 参照)を予備加熱(8008 参照)し,脱ガス(8009

参照)すること。

参考

通常は,蒸発材料が蒸発(3011 参照)しないできるだけ高い

温度まで加熱する。

(2)

材料の内外の温度差が少なくなるようにする目的で,適当な時間,

一定の温度に保持すること。均熱ともいう。

soaking

8011

ベーキング

基板表面,真空容器表面などの水分を除くために行う加熱処理。 baking

8012

アンダコート

基板(2001 参照)の平滑性の向上,基板からのガス放出の減少,基板か

ら膜への拡散物質の減少,膜の密着性の向上などの目的で,成膜前にあ

らかじめ基板に下地膜を形成すること。プレコート,ベースコート,プ

ライマコートともいう。

under coat

8013

後処理

表面処理(1001 参照)後,使用目的に適するように皮膜に施す処理。

参考

皮膜の平滑化のために行う研磨,皮膜の特性を調整する加熱,

皮膜の密着性を向上させるために行う加熱などがある。

posttreatment


18

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

8014

トップコート

形成された膜の保護や酸化防止の目的で膜の上面に皮膜を形成するこ

と。

top coat

8015

真空槽

真空(1004 参照)を保つためにガラス,ステンレス鋼,アルミニウム合

金などの材料でつくられた容器。

vacuum chamber

8016

真空排気系

操作環境として真空(1004 参照)が必要な場合に真空を作り又は維持す

るための装置。

参考

真空排気系は,気体を排除する機器としてのポンプ,トラッ

プ,真空容器とポンプとを連結するフランジ・配管,気体の

流れを制御するバルブ,圧力(1005 参照)を計測する真空計

8019 参照)などで構成される。

vacuum pumping system

8017

真空ポンプ

特定の空間から気体を排除し,大気圧より低い圧力(1005 参照)の気体

で満たされた状態を作り,維持するための機器。

参考

気体輸送式真空ポンプ(油回転ポンプ,油拡散ポンプ,ター

ボ分子ポンプなど)と気体ため込式真空ポンプ(ソープショ

ンポンプ,ゲッタポンプ,スパッタイオンポンプ,クライオ

ポンプなど)とに大別される。

vacuum pump

8018

コールドトラッ

真空排気系(8016 参照)において真空容器とポンプの間に設置し,液体

窒素などによって冷却された面に逆流する油の蒸気や分解生成物を凝縮

させ,望ましくない気体や蒸気の分圧(1006 参照)を減少させる装置。

cold trap

8019

真空計

大気圧より低い気体の圧力(1005 参照)を測定する圧力計。

参考1.

真空計には,気体の種類,組成の情報を含まない全圧計と,

気体の種類ごとの分圧(1006参照)を測定する分圧計とが

ある。

2.

広範囲の圧力領域を測定するために圧力範囲に応じて,液

柱差真空計,ダイヤフラム真空計,熱伝導形真空計,ペニ

ング真空計,電離真空計などがある。

vacuum gauge

8020

ガス供給系

真空容器へ原料ガス(4011 参照)

,放電用ガスなど所要のガスを供給する

ために,ガスボンベ,制御バルブ,流量計,マスフローコントローラ(8024

参照)

,圧力計,フィルタなどで構成された一連の装置。

gas supply system

8021

ガス分析計

空間内に存在するガスの成分,濃度などを測定する機器。 gan

analyzer

8022

ヘリウムリーク

ディテクタ

探索気体にヘリウムガスを用いて,真空装置などの密閉容器の漏れ,場

所,リーク量を調べる装置。

helium leak detector

8023

マスフローメー

単位時間に流れる気体又は液体の質量(質量流量)を測定する計器。 massflow

meter

8024

マスフローコン

トローラ

マスフローメータ(8023 参照)と質量流量を制御するバルブとから構成

され,設定された質量流量を保持する機構又は機器。

massflow controller

8025

浮子式流量計

ガラス製の目盛り付きテーパ管中で,ガス流量に応じて静止する浮子の

位置を直読する簡易形のガス流量を測定する計器。

参考

使用ガスによって目盛値は変わる。

rotameter

8026

ガス精製装置

原料ガス(4011 参照)から残留不純物ガスを除去する装置。 gas

purifier

8027

ガスラインフィ

ルタ

ガス中の微粒子を捕そく(捉)除去するための精密フィルタ。

in-line gas filter

8028

廃ガス処理装置

製造工程で排出される有害物を含む廃ガス中の有害物質,汚濁物質を除

去又は分解処理する装置。

waste gas treatment

equipment

8029

モニタリング

処理工程で,製品の品質にかかわりのある要因を監視すること。

参考

真空蒸着(3003 参照)では,膜厚,成膜速度(2037 参照)

残留ガスなどを工程中で監視する。

monitoring

8030

膜厚モニタ

成膜時に,膜の厚さ又は成膜速度(2037 参照)を膜厚計(9010 参照)に

よって直接又は間接に測定及び監視する機構。

参考

膜厚計には,水晶発振式,光学式,原子吸光式などがある。

thickness monitor


19

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

8031

膜厚コントロー

成膜プロセス中に膜厚モニタ(8030 参照)によって得られる膜厚又は成

膜速度(2037 参照)をフィードバックして所定の膜厚を制御する機器。

参考

蒸発速度(3022 参照)を制御する機能をもつものもある。

thickness controller

8032

ジグ

基板(2001 参照)に所定の処理を行うために,その基板を処理容器内に

保持する器具。

jig

8033

自公転ジグ

処理容器内に多数の基板(2001 参照)を保持し,各基板に対して均一に

処理が行えるように個々の基板又は基板を保持するジグ(8032 参照)を

自転させ,さらにこれらのジグの全体を蒸発源(3012 参照)を中心に公

転させることのできるジグ。

参考

カルーセル形とプラネタリ形とがある。

rotary and revolutionary jig

8034

ドーム形ジグ

多数の平面基板を均一に処理するために,これらの基板(2001 参照)と

蒸発源(3012 参照)との距離が一定で,基板の各面が蒸発源に向くよう

に球面の一部を切り取った形状(ドーム状)をしたジグ(8032 参照)

dome jig

8035

基板回転

基板面を均一に処理するための基板(2001 参照)の自転,公転,自公転

などの回転。

substrate rotation

8036

バレル方式

(1)

小さく,かつ,多量の基板(2001 参照)を回転又は振動する容器に

満たして処理する方式。

(2)

 CVD

4001 参照)で円筒状のサセプタ(4016 参照)の側面に基板を

張り付けて成長を行う方式。

barrel processing system

8037

基板搬送系

基板(2001 参照)の表面処理(1001 参照)を行うとき,基板を処理装置

内に搬入,搬出又は装置内の処理空間に移動させる機構。

substrate transfer system

8038

バッチ方式

基板(2001 参照)を一槽ごとに装着して処理を行う方式。

参考

真空装置では,真空排気からはじまってエアリークして取り

出すまでを同じ容器で行う。

batch processing system

8039

ロードロック方

ゲートバルブなどの隔離バルブを用いて処理槽と搬入・搬出槽を隔離し,

処理槽への空気の流入を防止したり,温度,圧力(1005 参照)などの外

乱を小さくし品質の安定化を目的とした方式。

load lock system

8040

インライン方式

搬送系を備えて基板(2001 参照)を逐次的に処理できるようにした方式。

参考

ロードロック方式(8039 参照)を用いた閉口端式とベルトコ

ンベアのように流す開口端式とがある。

in-line system

8041

巻取方式

プラスチックフィルム,紙,金属はく(箔)などのフィルム状基板を連

続的に巻き取りながら処理する方式。

winding up loading and

unloading system

(9)

試験及び検査

番号

用語

定義

対応英語(参考)

9001

外観検査

外観の状態を目視によって行う検査。 visual

inspection

9002

色彩測定

表面処理材料の色彩を測定すること。

参考

色彩色差計によって測定する。

colorimetry

9003

断面観察

膜又は表面改質(1002 参照)した材料の切り口の表面を観察すること。 cross-section

observation

9004

光学顕微鏡観察

光学顕微鏡を用いて,表面状態を観察すること。 observatio by

optical

microscope

9005

偏光顕微鏡観察

偏光現象を起こす偏光板又は偏光子を備えた光学顕微鏡を用いて,表面

状態を観察すること。

observation by polarizing

microscope

9006

走査形電子顕微

鏡観察

走査形電子顕微鏡(略称 SEM)を用いて,表面状態を観察すること。 observation

by

scanning

electron microscope

9007

透過形電子顕微

鏡観察

透過形電子顕微鏡(略称 TEM)を用いて,膜などの状態を観察すること。

 observation

by

transmission

electron microscope

9008

膜厚測定

膜の厚さの測定。

参考

膜厚には,測定法によって光学的膜厚,質量膜厚,幾何学的

膜厚がある。

film thickness measurement


20

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

9009

膜厚分布

基板(2001 参照)上の各位置における膜厚の分布。 thickness

distribution

9010

膜厚計

膜厚測定(9008 参照)を行う計器。 thicknessmeter

9011

マイクロバラン

ス法

マイクロバランスによって成膜前後の基板(2001 参照)の質量変化を測

定し,膜厚を求める方法。

mictobalance method

9012

触針法

ダイヤモンドなどの針に荷重をかけ,測定表面を走査し,針の上下の変

動を差動変圧器によって変位を電気信号として検出・拡大し,表面の粗

さ,膜厚を求める方法。

stylus method

9013

透過反射率法

膜面に垂直に光を入射したとき,透過率及び反射率によって生じる振動

曲線の極大・極小から膜厚を求める方法。

transmittance-reflectance

method, photometric

method

9014

光学干渉法

光の干渉を利用して膜厚などを求める方法。

optical interference method

9015

二光干渉法

光線束を二つに分け,一方を測定光線束,他方を比較光線束(標準光源

束)とし,光路差による干渉のずれによって表面観察又は膜厚を求める

方法。

two-beam interferometry

9016

繰り返し反射干

渉法

向き合った反射率の高い二面間で繰り返し反射した光の干渉を利用し,

鮮鋭な干渉縞を得て表面観察又は膜厚を求める方法。多重反射干渉法と

もいう。

multiple-beam interferometry

9017

偏光解析法

表面で光が反射する際の偏向状態の変化を観測して,薄膜(2020 参照)

の光学定数又は膜厚を求める方法。

ellipsometry

9018

干渉色法

透明体薄膜に白色光を当てたときに示す膜の干渉色から膜の光学的厚さ

を推定する方法。

interference color method

9019

水晶振動子法

水晶振動子に物質がたい(堆)積したとき,水晶の固有振動数がそのた

い積量に比例して変化することを利用し,振動数の変化を測定して膜厚

を求める方法。

quartz-crystal oscilliater

method

9020

渦電流法

装置と試料との間に渦電流を生じさせ,膜の厚さによって渦電流量が変

化することを利用して膜厚を求める方法。

eddy current method

9021

直流抵抗法

導電性膜の抵抗率は膜厚に依存することを利用して,抵抗値を測定して

膜厚を求める方法。

DC resistance method

9022

蛍光 X 線法

試料に X 線を照射した際,基板(2001 参照)及び膜から放射される元素

に特有の蛍光 X 線の強度を測定することによって膜厚を求める方法。

X-ray fluorescence method

9023

位相差顕微鏡法

集光器の絞りと位相板とを共役な位置に配置した顕微鏡を用いて,物体

の微小な位相差を明暗の差に変えて膜厚を求める方法。

phase-contrast microscope

method

9024

β

線法

試料に

β

線を照射し,後方散乱する

β

線強度が膜厚によって変化すること

を測定して膜厚を求める方法。

β

 back-scatter method

9025

密着性試験,付

着性試験

基板(2001 参照)と膜とがどの程度強固に一体化しているかを調べる試

験。

参考

外的刺激の条件を一定にして損傷の有無から判定する方法

と,刺激条件を徐々に強くして損傷の生じる値から判定する

方法とがある。

adhesion test

9026

引きはがし試験

可とう(撓)性のある板材又は線材を接着剤(又ははんだ)で膜に張り

付けた後,板又は線材の一端を引き上げることによって膜を引きはがし,

密着性を調べる試験。

peeling test

9027

テープ試験

粘着テープを膜上に張り付けた後,テープをはがすことによって膜の密

着性を調べる試験。

tape test

9028

引き倒し試験

角棒又は丸棒の一端を膜表面に接着剤で固定し,他端を膜面方向に引っ

張り,棒を引き倒すことによって膜を基板(2001 参照)から引き離し,

膜の密着性を調べる試験。

toppling test

9029

スクラッチ試験

膜表面に硬い突起を押し付け,横に移動させる(引っかく)ことによっ

て皮膜の密着性を調べる試験。

scratch test


21

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

9030

圧痕試験

膜の上から硬い突起を押し付けることによって基板(2001 参照)との界

面を破壊させ,膜に損傷を起こさせたり,はく離させることによって皮

膜の密着性を調べる試験。

indentation test

9031

組成分析

作製した膜などの化学組成を求めること。 chemical

composition

analysis

9032

その場観察

膜のたい積やエッチング(7016 参照)などを行うその場所で,その状態

を直接観察・分析すること。

in situ observation

9033

電子プローブ微

小部分析法

細く絞られた電子線を試料に照射し,

試料から励起されて出てくる特性 X

線を解析して微小部分の元素分析を行う方法。

略称  EPMA。X 線マイクロアナリシス (XMA) ともいう。

electron probe microanalysis

9034

イオンマイクロ

プローブ分析法

イオンビームを幾つかの静電レンズで縮小し,ビームの直径を小さくし

て試料に照射し,試料から放出するイオン,X 線,光又は電子を検出し

て,表面の元素分析や状態分析を局所的に行うとともに,イオンで試料

をスパッタリング(3047 参照)し,深さ方向の分布を調べる方法。

略称  IMA。

参考

散乱されるイオンを検出して分光する場合はイオン散乱分光

分析 (ISS),

二次イオンを検出する場合はイオンマイクロアナ

リシス (IMA),X 線を検出する場合はイオンマイクロプロー

ブ X 線分析 (IMXA),光を検出する場合はイオン励起光分光

分析 (SCANIIR),オージェ電子を検出する場合はイオン励起

オージェ電子分光分析 (IAES)という。

ion microprobe analysis

9035

オージェ電子分

光法

数 keV の電子線を試料表面に照射し,真空中へ放出される二次電子のう

ち,オージェ効果で放出される電子(オージェ電子)のスペクトルを測

定することによって試料表面近傍に存在する元素を分析する方法。

略称  AES。

参考

走査形のオージェ電子分光法を SAM と略称する。

Auger electron spectroscopy

9036

蛍光 X 線分析法  試料に X 線を照射し,発生する蛍光 X 線を分光結晶を用いて分光,検出,

記録して成分元素を分析する方法。

略称  XFA 又は XRF。

X-ray fluorescence analysis

9037

X

線光電子分光

高真空下に置かれた試料表面に軟 X 線を照射し,光電効果によって試料

中の原子の内殻・外殻レベルから放出される電子の運動エネルギーから

電子の結合エネルギーを,その数からエネルギー状態で存在する原子の

数を決定する方法。

略称  XPS。ESCA ともいう。

X-ray photoelectron

spectroscopy

9038

低速イオン散乱

分光法

数 keV 以下の低エネルギーイオンビームを物体に照射したとき,散乱さ

れてくるイオンのエネルギーやイオン数の角度分布を測定して物体の組

成や構造を解析する方法。

略称  LEIS。ISS と記すことが多い。

low energy ion scattering

spectroscopy

9039

ラザフォード後

方散乱法

数 MeV 程度の軽イオン (H

, He

)

を試料表面に照射し,試料中の原子核

によってラザフォード散乱されたイオンの数及びエネルギー分布を測定

する方法。

略称  RBS。

Rutherford back scattering

spectroscopy

9040

放射化分析法

試料に加速粒子線又は電磁波を照射して,目的の元素を放射性核種に変

換させ,その放出する放射線を測定し定性,定量を行う分析法。

略称  AA。

activation analysis

9041

グロー放電スペ

クトル法

グロー放電(1023 参照)を利用して試料の成分元素を励起し,放射され

た光を分光して得られるスペクトルから成分分析を行う分析法。

略称  GDS。

glow discharge spectrometry


22

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

9042

ICP

発光分析法

不活性気体の気流中においたコイルに高周波発振器から高周波電流を流

すときに発生する無極放電プラズマ中に試料を導入し,その発光を分光

して成分分析を行う分析法。

inductively coupled plasma

spectrometry

9043

赤外分光法

赤外吸収スペクトルを利用する分光分析法。

略称  IR。

参考1.

赤外吸収スペクトルは,分子によって異なるので,これを

利用し物質の同定,定性分析,定量分析ができる。

2.

こ の 発 展 し た 方 法 と し て , フ ー リ エ 変 換 赤 外 分 光 法

(FTIR)

がある。

infrared spectroscopy

9044

レーザラマン微

小部分析法

レーザビームを微小部に照射して,微小部のラマン効果によって現れる

散乱光(ラマンスペクトル)を利用し,成分,結晶構造などを分析する

分光分析法。

略称  LRM。

laser Raman microanalysis

9045

メスバウア分光

原子核から無反跳で放出された

γ線が試料中の同種の原子核によって共鳴

吸収される現象を利用した分光分析法。

略称  MS。

参考

この分光法は,メスバウア効果の観測される核種(

57

Fe,

119

Sn

など)に限られている。

Mössbauer spectroscopy

9046

カソードルミネ

センス法

試料に電子線照射した際に発生する発光を用いて不純物,格子欠陥など

を分析する方法。

略称  CL。

cathode luminescence

analysis

9047

構造解析

物体の一部又は全部の原子の配列状態[単結晶(2009 参照)

・多結晶(2010

参照)における結晶構造又は非晶質状態など]を知るためにとられる解

析法。

structure analysis, structural

analysis

9048

X

線回折法

X

線を結晶(2008 参照)に照射すると,ブラッグの反射条件又はラウエ

の回折条件に従って,その結晶に特有の回折パターンが得られることを

用いて,結晶の構造解析(9047 参照)を行う方法。

略称  XD 又は XRD。

参考

既知の結晶構造に対する回折パターンとの比較による同定が

容易である。

また,結晶の格子ひずみを回折パターンによって測定し,

内部応力を見積もることもできる。

X-ray diffraction method

9049

ロッキングカー

ブ,ロッキング

曲線

単結晶(2009 参照)の X 線回折において,ブラッグ条件を満たす X 線の

入射角付近で結晶(2008 参照)を回転して得られる回折線の強度分布。

参考

結晶の完全性が高いほどその半値幅が狭く,ピーク強度が大

きくなる。

rocking curve

9050

電子線回折法

電子線を結晶(2008 参照)に照射すると,その波動性によって,ブラッ

グの反射条件又はラウエの回折条件に従って,結晶に特有な回折パター

ンが得られることを用いて結晶の構造解析(9047 参照)を行う方法。

略称  ED。

参考

一般に,X 線より波長が短いので,その結晶格子の逆格子構

造を表す回折パターンが得られる。

また,結晶を構成する原子との相互作用が X 線より強いの

で多重反射の影響が現れやすい。

electron diffraction method

9051

低速電子線回折

加速エネルギーが 1keV 以下の電子線を用いる電子線回折法

9050 参照)

略称  LEED。

参考

結晶(2008 参照)への電子線の進入深さが 0.3∼1nm 程度と

浅いので,結晶表面の構造を調べるのに適している。

low energy elctron

diffraction method


23

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

9052

高速電子線回折

加速エネルギーが約 10keV 以上の電子線を用いる電子線回折法(9050 

照)

略称  HEED。

参考

透過電子線の回折像を見る場合

[透過電子線回折 (TED) とい

う]と反射電子線の回折像を見る場合[反射電子線回折

(RHEED)

という]とがあるが,RHEED における電子線の入

射角を十分小さく,すなわち表面すれすれに入射することに

よって結晶表面の構造を解析することができる。

high energy electron

diffraction method

9053

走査トンネル顕

微鏡

極めて鋭い金属探針を物質表面に近づけ,探針と表面内に流れるトンネ

ル電流を利用して導電性物質表面の原子レベルでの観察を行う顕微鏡。

略称  STM。

参考1.

これを利用した走査トンネルスペクトロスコピ (STS) に

よって物質表面の電子状態も観察できる。

2.

絶縁性物質の表面構造については,原子間力を利用して行

う原子間力顕微鏡 (AFM) がある。

scanning tunneling

microscope

9054

走査形超音波顕

微鏡

超音波集束ビームを被測定物に走査照射し,反射波又は透過波によって

ミクロな弾性的性質の変化を画像として表示する顕微鏡。

略称  SAM。

参考

走査形オージェ電子分光法と同じ略称。

scanning acoustic

microscope

9055

広域 X 線吸収連

続微細構造解析

X

線吸収スペクトルで吸収端より短波長側約 30eV から 1keV にわたる領

域に見られる減衰する波状の振動構造を用いることによって,特定元素

周辺の原子まわりの局所構造(隣接原子までの距離や配位数など)を求

めること。

略称  EXAFS。

参考

吸収端より約 50eV 程度までに見られる微細構造は,X 線吸

収端微細構造(XANES 又は NEXAFS)という。

extended X-ray absorption

fine structure analysis

9056

欠陥検査

表面処理(1001 参照)した材料表面のマクロ及びミクロ欠陥の検査。 defect

inspection

9057

吸着試験

固体表面に特定の目的で選択された原子や分子を吸着させ,表面の状態

を調べる試験。

adsorption test

9058

エッチピット法

化学的処理や腐食などによって,固体表面にできる小孔の顕微鏡観察に

よって欠陥や結晶粒の方位の違いなどを調べる方法。

etch pit method

9059

デコレーション

欠陥部に適当な物質を選択的に析出させ,欠陥の分布や状態を観察する

方法。

decoration method

9060

内部応力測定

膜が基板(2001 参照)に密着している状態で,膜の成長や構造変化など

に伴い膜の内部に生じた応力を測定すること。

参考

膜と基板(2001 参照)との間には熱応力も作用するため,測

定温度を明示する必要がある。

internal stress measurement

9061

ニュートンリン

グ法

鏡面の膜表面が示す等厚干渉縞を利用して基板の変形を調べ,内部応力

を評価する方法。

Newton-ring method

9062

片持ち梁法

短冊形の薄い基板の一端を固定し,板の片側全面に膜を形成させ,自由

端に生じる変位を測定することによって内部応力を評価する方法。

cantilever method

9063

微小硬さ試験

特定の小部分の硬さを測定する試験。

参考

ビッカース硬さ試験及びヌープ硬さ試験がある。

microhardness test

9064

耐磨耗性試験

表面処理(1001 参照)した材料が他の材料と擦れ合うとき,擦り減らさ

れる程度を測定することなどによって摩耗に耐える性質を調べる試験。

abrasion resistant test

9065

耐久性試験

表面処理(1001 参照)した試料に繰り返し応力又は変動応力を加えて,

疲れ寿命や疲れ限界などを求める試験。

参考

応力の種類に応じて,ねじり疲れ試験,軸荷重疲れ試験,回

転曲げ疲れ試験,平面曲げ疲れ試験などに分類される。

durability test


24

H 0211-1992

番号

用語

定義

対応英語(参考)

9066

繰り返し加熱試

表面処理(1001 参照)した試料を繰り返し加熱・冷却して,割れ,はく

離などの発生状態を調べる試験。

repeated heating test

9067

恒温試験

常温,低温又は高温の恒温雰囲気中で表面処理膜などの変化を調べる試

験。

constant temperature test

9068

耐食性試験

液体や気体中での材料の腐食の起こりにくさ及び表面処理(1001 参照)

の効果を調べる試験。

参考

浸せき試験,耐食塩水性試験,塩水噴霧試験,暴露試験など

がある。

corrosion resistant test

9069

湿度試験

湿り水蒸気の雰囲気中での表面処理膜の表面変化を調べる試験。

high humidity test

9070

浸せき試験

表面処理(1001 参照)された試料を試験液中に浸して皮膜の割れ,はく

離などの状態を調べる試験。

参考

試験片全体を溶液に浸せきする場合は,完全浸せき試験,一

部分を浸せきする場合は部分浸せき試験という。

dipping test

9071

噴霧試験

溶液の噴霧中に試料を暴露させ,耐食性を調べる試験。

参考

溶液の種類によって,塩水噴霧試験,キャス試験,酢酸塩水

噴霧試験などがある。

spray test

9072

ガス試験

ガスを含む雰囲気中に試料を暴露して耐食性を調べる試験。

参考

亜硫酸ガス試験などがある。

gas exposure test

9073

屋外暴露試験

屋外の大気中に表面処理(1001 参照)した試料を暴露し,日光,風雨,

大気汚染などによる膜の割れ,はく離などの状態を調べる試験。

outdoor exposure test

9074

耐候性試験

自然条件の影響を受けて,時間の経過とともに起こる材料の物理的及び

化学的変化を調べる試験。

weather resistant test


25

H 0211-1992

ドライプロセス表面処理用語工業標準新規原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

沖      猛  雄

名古屋大学工学部

(委員)

明  石  和  夫

東京理科大学工学部

麻  蒔  立  男

日電アネルバ株式会社

池  田      要

工業技術院標準部

岩  木  正  哉

理化学研究所

上  田  新次郎

株式会社日立製作所

大  山  昌  憲

国立東京工業高等専門学校

亀  山  哲  也

工業技術院化学技術研究所

神  戸  徳  蔵

工業技術院製品科学研究所

金  原      粲

東京大学工学部

黄      燕  清

東海大学工学部

河  野      昌

株式会社アルバック・コーポレートセンター

木  島  弌  倫

京都工芸繊維大学

権  田  俊  一

大阪大学産業科学研究所

鹿  田  順  生

工業技術院機械技術研究所

鈴  木  六  郎

社団法人表面技術協会

瀬  高  信  雄

科学技術庁無機材質研究所

高  井      治

関東学院大学工学部

高  木  俊  宜

株式会社イオン工学研究所

高  谷  松  文

千葉工業大学

武  井      厚

科学技術庁金属材料技術研究所

竹  内      学

茨城大学工学部

堂  山  昌  男

西東京科学大学

直  江  正  彦

東京工業大学工学部

永  山  嘉  重

日本半導体製造装置協会

西  村      允

科学技術庁航空宇宙研究所

針  生      尚

東北大学工学部

藤  田  安  彦

東京都立科学技術大学

藤  本  正  友

日本電信電話株式会社電気通信研究所

牧  浦  宏  文

財団法人大阪科学技術センター

光  川      寛

通商産業省基礎産業局

村  山  洋  一

東洋大学工学部

堀  池  靖  浩

広島大学工学部

湯  川  憲  一

財団法人金属系材料研究開発センター

吉  田  貞  史

工業技術院電子技術総合研究所

○印……小委員会委員


26

H 0211-1992

ドライプロセス表面処理用語 W.G.  構成表

氏名

所属

(委員長)

浅  場  修  司

株式会社徳田製作所

朝  日  直  達

日立粉末冶金株式会社

石  田      裕

日本ペイント株式会社

伊  藤  健  二

株式会社半導体エネルギー研究所

稲  川  幸之助

日本真空技術株式会社

稲  葉  正  義

日本建鉄株式会社

上  野      保

東成エレクトロビーム株式会社

浦  尾  亮  一

茨城大学工学部

影  近      博

日本鋼管株式会社鉄鋼研究所

柏  木  邦  宏

東洋大学工学部

菊  池  則  文

三菱金属株式会社

久保田  英  志

株式会社アフティ

小  川  健  一

セイコー電子工業株式会社

小  林  邦  明

住友金属鉱山株式会社

小  巻  邦  雄

株式会社昭和電工

斎  藤  一  男

科学技術庁金属材料技術研究所

杉  村  博  之

新技術事業団

柴  垣  正  弘

株式会社昭和真空

大工原  茂  樹

真空器械工業株式会社

高  尾  敏  弘

株式会社 JAT 総合研究所

高  津  宗  吉

東芝タンガロイ株式会社

滝  沢  貴久男

三洋電機株式会社

寺  島  慶  一

千葉工業大学

土  岐  和  之

日本電子株式会社

仁  平  宣  弘

東京都立工業技術センター

馬  場      茂

東京大学工学部

堀  口  青  史

日電アネルバ株式会社

松  坂  菊  生

東洋製罐グループ綜合研究所

松  沢  昭  生

日本エー・エス・エム株式会社

安  永  暢  男

新日本製鐵株式会社

山  崎      徹

シチズン時計株式会社

渡  辺  武  司

神奈川県工業試験所