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G 7821 : 2000

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

炭素鋼鋳鋼品は,般産業機械用として最も使用量が多く,また広く浸透している重要な材料である。JIS 

G S101

(炭素鋼鋳鋼品)と ISO 3755 (Cast carbon steels for general engineering purposes)  との整合が困難であ

り,整合化を無理に行うことは市場が混乱するおそれがあるため,ISO 3755 の翻訳規格としてここに新た

に日本工業規格として制定した。


日本工業規格

JIS

 G

7821

: 2000

一般産業機械用炭素鋼鋳鋼品

Cast carbon steels for general engineering Purposes

序文  この規格は,1991 年に第 2 版として発行された ISO 3755, Cast carbon steels for general engineering

purposes

を技術的内容を損なうことなく翻訳し,作成した日本工業規格である。

なお,この規格は,ISO 規格の普及促進のため,使用者に広く情報提供することを意図している。

1.

適用範囲

1.1

この規格は,一般産業機械用として 8 鋼種の熱処理された炭素鋼鋳鋼品における要求事項を規定す

る。

このうち 4 鋼種は,溶接性確保のために化学成分を制限している。

1.2

溶接構造によって製造された鋳鋼品の場合,この規格は溶接方法又は溶接部の性能については規定

していない。

1.3

これらの鋼種は,常温での使用が前提である。ただし,他の温度での性能については ISO 4990 : 1986

の 9.4.1 又は 9.4.4 の追加要求事項によって協定することができる。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。

この国際規格の発行の時点では,引用規格は,ここに示す年度の版が有効であった。すべての規格は改

正されるものであり,この規格に基づくことに合意した受渡当事者は,この引用規格の最新版が適用でき

るよう調べるとよい。

IEC

及び ISO の加盟機関は,国際規格の最新版の登録簿を維持している。

ISO 4990 : 1986

  Steel castings−General technical delivery requirements

3.

一般納入条件  この規格によって供給される材料は,引き合い及び注文時に指示された追加要求事項

を含んで,ISO 4990 を満たさなければならない。

4.

熱処理  熱処理方法は,受渡当事者間の協定がない場合は,製造業者が決定する。

5.

化学成分  鋳鋼品の化学成分は,表 による。


2

G 7821 : 2000

表 1  化学成分

1)

単位  %

鋼種

C

2)

 Si Mn P  S Ni

3)

 Cr

3)

 Cu

3)

 Mo

3)

V

3)

200

∼400

0.035

以下 0.035 以下

200

∼400W 0.25 以下 0.60 以下 1.00 以下 0.035 以下 0.035 以下 0.40 以下 0.35 以下 0.40 以下 0.15 以下 0.05 以下

230

∼450

0.035

以下 0.035 以下

230

∼450W 0.25 以下 0.60 以下 1.20 以下 0.035 以下 0.035 以下 0.40 以下 0.35 以下 0.40 以下 0.15 以下 0.05 以下

270

∼480

0.035

以下 0.035 以下

270

∼480W 0.25 以下 0.60 以下 1.20 以下 0.035 以下 0.035 以下 0.40 以下 0.35 以下 0.40 以下 0.15 以下 0.05 以下

340

∼550

0.035

以下 0.035 以下

340

∼550W 0.25 以下 0.60 以下 1.50 以下 0.035 以下 0.035 以下 0.40 以下 0.35 以下 0.40 以下 0.15 以下 0.05 以下

1) 

溶接材の化学成分の選定は,製造業者が決定する。

2) 

C

を 0.25%から 0.01%下げるごとに,最大許容 Mn 量を 0.04%増加してもよい。

最大 Mn 量 200∼400W 材は 1.20%とし,270∼480W 材は 1.40%とする。

3) 

i

,Cr,Cu,Mo,V の残留元素は,合計 1.00%を超えない範囲で含有できる。

6.

機械的性質  鋳鋼品の機械的性質は表 による。絞り又は衝撃値のいずれかを測定する。その結果は

表 による。試験の選択は,注文時に指定がなければ製造業者が決定する。

表 2  厚さ 28mm の供試材における常温の機械的性質

注文時に選択

鋼種

上降伏点

1)

N/mm

2

引張強さ

N/mm

2

伸び

%

絞り

%

吸収エネルギー

J

200

∼400 200 以上 400∼550

25

以上

40

以上

30

以上

200

∼400W

2)

 200

以上 400∼550

25

以上

40

以上

45

以上

230

∼450 230 以上 450∼600

22

以上

31

以上

25

以上

230

∼450W

2)

 230

以上 450∼600

22

以上

31

以上

45

以上

270

∼480

3)

 270

以上 480∼630

18

以上

25

以上

22

以上

270

∼480W

2) 3)

 270

以上 480∼630

18

以上

25

以上

22

以上

340

∼550

4)

 340

以上 550∼700

15

以上

21

以上

20

以上

340

∼550W

2) 4)

 340

以上 550∼700

15

以上

21

以上

20

以上

1)

上降伏点が測定できない場合,0.2%耐力を測定する。

2)

W

グレードは,溶接性確保のため化学成分を制限している。

3)

 270

∼480 と 270W∼480W は 28∼40mm の肉厚部分で上降伏点=260

N/mm

2

,引張強さ=500∼650N/mm

2

が推定される。

4)

340

∼550 と 340W∼550W は 28∼40mm の肉厚部分で上降伏点=300

N/mm

2

,引張強さ=570∼720N/mm

2

が推定される。

備考1.  要求される機械的性質は,別鋳込又は附帯供試材のいずれかによって厚さ28mm の供試材を

用いて満足しなければならない。

試験値は,鋳込まれた鋳造品と同じ溶鋼の品質を代表するものである。

すなわち,必ずしも鋳造品本体の特性を代表するものではない。

鋳造品本体の特性は,鋳造品の肉厚,寸法,形状に影響される凝固条件及び熱処理時の冷

却速度に影響される。

肉厚が 28mm を超える場合,

ISO 4990 : 1986 9.6

の追加要求事項を考慮しなければならない。

2.

常温は,23℃±5℃とする。


3

G 7821 : 2000

7.

追加要求事項  次に掲げる追加要求事項は,引き合い及び注文時に指定,受渡当事者間の協定が行わ

れた場合だけ適用される。注文者の選択によって使用する標準の追加要求事項のリストは,ISO 4990 に示

されている。この規格を適用するうえで適切と考えられている追加要求事項は,次に示す ISO 4990 : 1986

の 9.の規定項目である。この規格に ISO 4990 以外の項目を適用する場合は,受渡当事者間で協定を行うこ

とができる。

9.1.1

溶解方法

9.1.2

溶解方法の報告

9.1.3

製造方法の協定

9.1.4

鋳造の分割

9.1.5

試験ロットの質量

9.1.6

質量及び質量公差

9.2.1

証明書

9.2.2

試験報告書は,それが代表する鋳造品に要求されたトレーサビリティを備える。

9.3

残留元素の化学分析

9.4.1

高温引張試験による 0.2%耐力

9.4.2

ブリネル硬さ試験(特定製品に対して規定)

9.4.3

ブリネル硬さ試験

9.4.4

低温衝撃試験

9.5

試験ロットの均質性は,ロットごとに 5%の鋳造品(又は,少なくとも 5 個の鋳造品)で実施された

硬さ試験によって証明する。

9.6

供試材

9.7.1

熱処理方法

9.7.2

熱処理の詳細

9.7.3

焼入焼戻し鋳造品

9.8.1

大欠陥溶接補修に関する事前協定

9.8.2

溶接補修図(スケッチ)

9.9.1

浸透探傷検査

9.9.2

磁粉探傷検査

9.9.3

放射線透過試験

9.9.4

超音波探傷検査

9.9.5

表面粗さ

9.9.6

溶接開先部及び溶接補修部の試験

9.10.2

磁気特性試験

9.10.3

耐圧試験


4

G 7821 : 2000

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

松  尾  國  彦

株式会社栗本鉄工所鋳物事業部

(委員)

知見寺  正  幸

株式会社キッツ長坂工場生産技術部

寺  岡  雅  之

株式会社クボタ枚方製造所

酒々井  久  司

株式会社神戸製鋼所鋳鍛鋼工場

赤  平  義  孝

太平洋特殊鋳造株式会社技術開発部

藤  田      勲

大同特殊鋼株式会社素形材事業部

津  村      治

株式会社日本製鋼所室蘭製作所

篠  原  征  輝

日本鋳造株式会社技術開発センター

萩  原  健  彦

日本冶金工業株式会社技術部

増  田  正  純

工業技術院標準部

(事業局)

高  橋  宣  男

日本鋳鍛鋼会

大  谷  郁  夫

日本鋳鍛鋼会