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G 7305 : 2000 (ISO 8458-2 : 1989)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

今回の制定では,国際規格との整合を図るために,ISO 8458 (Steel wire for mechanical springs) Part 1∼3

を内容を変更することなく翻訳したものである。

JIS G 7305

には,次に示す規格群の編成になっている。

JIS

G

7304

(ISO

8458-1)

  ばね用鋼線−第 1 部:一般要求事項(ISO 仕様)

JIS

G

7305

(ISO

8458-2)

  ばね用鋼線−第 2 部:冷間引抜炭素鋼線(ISO 仕様)

JIS

G

7306

(ISO

8458-3)

  ばね用鋼線−第 3 部:オイルテンパー線(ISO 仕様)


日本工業規格

JIS

 G

7305

 : 2000

 (ISO

8458-2

 : 1989

)

ばね用鋼線−第 2 部:

冷間引抜炭素鋼線(ISO 仕様)

Steel wire for mechanical springs

−Part 2  :

Cold-drawn carbon steel wire

序文  この規格は,1989 年に第 1 版として発行された ISO 8458-2, Steel wire for mechanical springs−Part 2 :

Cold-drawn carbon steel wire

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業

規格である。

1.

適用範囲

1.1

この規格は,JIS G 7304 の一般要求事項を満足する静的及び動的負荷に用いられるばねの製造に使

用する冷間引抜炭素鋼線の要求事項について規定する。

1.2

2

種類について,通常入手可能な線径及び引張強さグレードは,

表 による。

表 1  引張強さグレード

引張強さグレード

線径 mm

静的負荷

動的負荷

種類の記号

名称

最小

最大

最小

最大

SL

低強度 0.50 13.00  −

SM

中強度 0.08 20.00  −

SH

高強度 0.08 20.00  −

DM

中強度

− 0.08

20.00

DH

高強度

− 0.08

20.00

1.3

クラス A の線径許容差は,SH,DM と DH 種に適用し,一方,クラス B の許容差は,SL と SM 種

に適用する(JIS G 7304 参照)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格を構成する

ものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発行年を付記していない引用規格はその最新版(追

補を含む。

)を適用する。

JIS G 7304

  ばね用鋼線−第 1 部:一般要求事項(ISO 仕様)

備考  ISO 8458-1 : 1989, Steel wire for mechanical springs−Part 1:General requirements が,この規格

と一致している。

ISO 8457-2 : 1989, Steel wire rod

−Part2:Quality requirements for unalloyed steel wire rods for

conversion to wire


2

G 7305 : 2000 (ISO 8458-2 : 1989)

3.

線くせ  線は,均一な線くせを与えられなければならない。線は,包装されたものから一巻を切断し,

平面に落とした際,平面に沿って横たわらなければならず,らせん状の線くせを示してはならない。

合意が成立した場合,5.00mm 以下の線径については,次の記述を満足するとき,線くせの要求事項は

達成されているとみなしうる。

コイル又はボビンから取られ,フックに自由につるされた個々のリングは,リングの両端末のところで

軸方向の変位 を示す(

図 参照)。この変位 は,次の不等式で示される値を超えてはならない。

4

2

.

0

d

D

f

<

ここに,  D:  個々のリングを平面上に横たえて測った平均径 

d

:  線の公称径

図 1  線くせ

4.

表面仕上げ  線の表面仕上げは,受渡当事者間の合意に従って,りん酸処理してブライト引き(乾式)

するかブライト引き(湿式)した灰色又はつや出し (polished) のいずれかとする。

5.

化学成分

5.1

化学成分は,

表 による。

製品分析による化学成分は,ISO 8457-2 に規定されたとおりでなければならない。

表 2  化学成分(溶鋼分析)

単位 % (m/m)

化学成分

1)

種類

C Si Mn

P

最大

S

最大

SL, SM

0.40

∼0.85 0.10∼0.35 0.30∼1.50 0.040  0.040

SH 0.50

∼1.00 0.10∼0.35 0.30∼1.50 0.040  0.040

DM, DH

0.50

∼1.00 0.10∼0.35 0.30∼1.50 0.030  0.030

1)

銅の最大含有量は,受渡当事者間の協定による。

5.2

製品分析は,

表 による。


3

G 7305 : 2000 (ISO 8458-2 : 1989)

表 3  化学成分(製品分析)

単位 % (m/m)

化学成分

種類

C Si Mn

P

最大

S

最大

SL, SM

0.36

∼0.89 0.07∼0.38 0.24∼1.56 0.048  0.048

SH 0.46

∼1.04 0.07∼0.38 0.24∼1.56 0.048  0.048

DM, DH

0.46

∼1.04 0.07∼0.38 0.24∼1.56 0.038  0.038

6.

引張強さ  線の引張強さは,表 による。

表 4  引張強さ

単位 N/mm

2 1)

種類

SL SM

・DM SH・DH

3)

公称線径

2)

mm

最小

最大

最小

最大

最小

最大

0.08

2 780

3 100

2 800

3 480

0.09

2 740

3 060

2 800

3 430

0.10

2 710

3 020

2 800

3 380

0.11

2 690

3 000

2 800

3 350

0.12

2 660

2 960

2 800

3 320

0.14

2 620

2 910

2 800

3 250

0.16

2 570

2 860

2 800

3 200

0.18

2 530

2 820

2 800

3 160

0.20

2 500

2 790

2 800

3 110

0.22

2 470

2 760

2 770

3 080

0.25

2 420

2 710

2 720

3 010

0.28

2 390

2 670

2 680

2 970

0.30

2 370

2 650

2 660

2 940

0.32

2 350

2 630

2 640

2 920

0.34

2 330

2 600

2 610

2 890

0.36

2 310

2 580

2 590

2 870

0.38

2 290

2 560

2 570

2 850

0.40

2 270

2 550

2 560

2 830

0.43

2 250

2 520

2 530

2 800

0.45

2 240

2 500

2 510

2 780

0.48

2 220

2 480

2 490

2 760

0.50

1 910

2 190

2 200

2 470

2 480

2 740

0.53

1 890

2 170

2 180

2 450

2 460

2 720

0.56

1 880

2 160

2 170

2 430

2 440

2 700

0.60

1 850

2 130

2 140

2 400

2 410

2 670

0.63

1 840

2 120

2 130

2 380

2 390

2 650

0.65

1 830

2 110

2 120

2 370

2 380

2 640

0.70

1 800

2 080

2 090

2 350

2 360

2 610

0.80

1 770

2 040

2 050

2 300

2 310

2 560

0.85

1 760

2 020

2 030

2 280

2 290

2 530

0.90

1 740

2 000

2 010

2 260

2 270

2 510

0.95

1 730

1 990

2 000

2 240

2 250

2 490

1.00

1 720

1 970

1 980

2 220

2 230

2 470

1.05

1 710

1 950

1 960

2 200

2 210

2 450

1.10

1 690

1 940

1 950

2 190

2 200

2 430


4

G 7305 : 2000 (ISO 8458-2 : 1989)

単位 N/mm

2 1)

種類

SL SM

・DM SH・DH

3)

公称線径

2)

mm

最小

最大

最小

最大

最小

最大

1.20

1 670

1 910

1 920

2 160

2 170

2 400

1.25

1 660

1 900

1 910

2 140

2 150

2 380

1.30

1 640

1 890

1 900

2 130

2 140

2 370

1.40

1 620

1 860

1 870

2 100

2 110

2 340

1.50

1 600

1 840

1 850

2 080

2 090

2 310

1.60

1 590

1 820

1 830

2 050

2 060

2 290

1.70

1 570

1 800

1 810

2 030

2 040

2 260

1.80

1 550

1 780

1 790

2 010

2 020

2 240

1.90

1 540

1 760

1 770

1 990

2 000

2 220

2.00

1 520

1 750

1 760

1 970

1 980

2 200

2.10

1 510

1 730

1 740

1 960

1 970

2 180

2.25

1 490

1 710

1 720

1 930

1 940

2 150

2.40

1 470

1 690

1 700

1 910

1 920

2 130

2.50

1 460

1 680

1 690

1 890

1 900

2 110

2.60

1 450

1 660

1 670

1 880

1 890

2 100

2.80

1 420

1 640

1 650

1 850

1 860

2 070

3.00

1 410

1 620

1 630

1 830

1 840

2 040

3.20

1 390

1 600

1 610

1 810

1 820

2 020

3.40

1 370

1 580

1 590

1 780

1 790

1 990

3.60

1 350

1 560

1 570

1 760

1 770

1 970

3.80

1 340

1 540

1 550

1 740

1 750

1 950

4.00

1 320

1 520

1 530

1 730

1 740

1 930

4.25

1 310

1 500

1 510

1 700

1 710

1 900

4.50

1 290

1 490

1 500

1 680

1 690

1 880

4.75

1 270

1 470

1 480

1 670

1 680

1 840

5.00

1 260

1 450

1 460

1 650

1 660

1 830

5.30

1 240

1 430

1 440

1 630

1 640

1 820

5.60

1 230

1 420

1 430

1 610

1 620

1 800

6.00

1 210

1 390

1 400

1 580

1 590

1 770

6.30

1 190

1 380

1 390

1 560

1 570

1 750

6.50

1 180

1 370

1 380

1 550

1 560

1 740

7.00

1 160

1 340

1 350

1 530

1 540

1 710

7.50

1 140

1 320

1 330

1 500

1 510

1 680

8.00

1 120

1 300

1 310

1 480

1 490

1 660

8.50

1 110

1 280

1 290

1 460

1 470

1 630

9.00

1 090

1 260

1 270

1 440

1 450

1 610

9.50

1 070

1 250

1 260

1 420

1 430

1 590

10.00

1 060

1 230

1 240

1 400

1 410

1 570

10.50

1 050

1 210

1 220

1 380

1 390

1 550

11.00

1 040

1 200

1 210

1 370

1 380

1 530

12.00

1 020

1 170

1 180

1 340

1 350

1 500

12.50

1 010

1 160

1 170

1 320

1 330

1 480

13.00

1 000

1 150

1 160

1 310

1 320

1 470

14.00

1 130

1 280

1 290

1 440

15.00

1 110

1 260

1 270

1 410

16.00

1 090

1 230

1 240

1 390

17.00

1 070

1 210

1 220

1 360

18.00

1 050

1 190

1 200

1 340


5

G 7305 : 2000 (ISO 8458-2 : 1989)

単位 N/mm

2 1)

種類

SL SM

・DM SH・DH

3)

公称線径

2)

mm

最小

最大

最小

最大

最小

最大

19.00

1 030

1 170

1 180

1 320

20.00

1 020

1 150

1 160

1 300

1)  1N/mm

2

=1MPa

2) 

中間にある線径については,それより大きな公称線径の値を用いる。

3)  0.08mm

∼0.18mm の線径範囲の SH 及び DH グレードについては,規格

の範囲の中で,300N/mm

2

の引張強さ範囲に限定することを協定できる。

7.

ねじり試験

7.1

ねじり試験は,公称線径 0.70mm∼6.00mm の線に適用し,6.00mm を超え 10.00mm 以下の公称線径

の線については,受渡当事者間の協定による。

7.2

線は,線径の 100 倍相当の測定間隔で,

表 に与えられた回転数以上のねじりに,破壊することな

く耐えねばならない。測定間隔が線径の 100 倍より大きいか又は小さい場合,ねじり回数は測定間隔に比

例して補正する。測定間隔は,

表 による。

表 5  ねじり試験

公称線径

mm

最小ねじり回数

測定間隔線径の 100 倍相当時

0.69

を超え   2.00 以下

20

2.00

を超え   3.50 以下

15

3.50

を超え   6.00 以下

10

6.00

を超え   8.00 以下

    7

1)

8.00

を超え  10.00 以下

    5

1)

1)  参考値

表 6  測定間隔

公称線径  d

mm

つかみ間隔

0.69

を超え

1.00

未満 200

d

1.00

以上 5.00 未満 100

d

1)

5.00

以上 6.00 以下

50

d

2)

1)  試験機の制約によって100 の長さで試験できな

いとき,特別の合意によって50 で試験すること
ができる。

2)

試験機の制約によって 50  の長さで試験できな
いとき,特別の合意によって 30  で試験するこ
とができる。

7.3

試験は,破壊が生じるまで行い,その際,初期破断は線軸に直角でなければならない。また,表面

に割れが生じてはならない。線がはね戻る間で二次破断が生じることがあるが,これは無視するものとす

る。

8.

巻付試験

8.1

巻付試験は,公称線径が 0.70mm 未満の線に適用しなくてはならない。


6

G 7305 : 2000 (ISO 8458-2 : 1989)

8.2

線は,線径と同じ直径の心金の回りを密に 4 回以上巻き付けたときに,何ら折損の形跡を示しては

ならない。

9.

曲げ試験

9.1

公称線径が 6.00mm を超える線は,曲げ試験を行わなければならない。

9.2

線は,線径の 2 倍の直径の心金に沿って 90°まで曲げたとき,何ら破壊の兆候を示してはならない。

10.

表面品質試験

10.1

表面品質試験は,動的負荷の用途のばねに使用する線にだけ適用されなければならない。

10.2

横断面は,完全脱炭層を認めてはならない。横断面の主要部分,すなわち,断面の“心”の部分に

存在する量を超える量の結晶粒界フェライトで示される部分脱炭は,公称線径の 1.5%を超える半径方向の

深さがあってはならない。

10.3

線状きずや他の表面欠陥の半径方向の深さは,公称線径の 1%を超えてはならない。

線材製品(ばね用線)JIS 検討委員会(平成 9 年 2 月現在)  構成表

氏名

所属

(委員長)

木  原  諄  二

東京大学

(委員)

林      明  夫

通商産業省基礎産業局

大  嶋  清  治

通商産業省工業技術院

中  村  守  文

社団法人日本鉄鋼連盟(株式会社神戸製鋼所)

島  田  瑛  司

鈴木金属工業株式会社

若  宮  辰  也

神鋼鋼線工業株式会社

山  田  凱  朗

サンコール株式会社

杉  田  平  次

株式会社杉田製線工場

山  本      進

住友電気工業株式会社

長  尾  一  郎

トクセン工業株式会社

安  部  正  浩

社団法人自動車技術会(ダイハツ工業株式会社)

小曽根  敏  夫

ばね技術研究会(中央発條株式会社)

小  河  雄  二

ばね技術研究会(株式会社東郷製作所)

高  村  典  利

日本発条株式会社

井  上  信  彦

株式会社パイオラックス

松  田  好  央

社団法人日本ばね工業会

(事務局)

本  橋  保  久

線材製品協会