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G 7302 : 2000 (ISO 7989 : 1988)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

今回の制定では,国際規格との整合を図るために,ISO 7989 (Zinc coatings for steel wire)  を内容を変更す

ることなく翻訳したものである。

JIS G 7302

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)  単位面積当たりの亜鉛めっき付着量の決定(体積測定方法)

附属書 B(規定)  単位面積当たりの亜鉛めっき付着量の決定(質量測定方法)


日本工業規格

JIS

 G

7302

: 2000

 (I

7989

: 1988

)

鉄線及び鋼線用亜鉛めっき

(ISO 仕様)

Zinc coatings for steel wire

序文  この規格は,1988 年に第 1 版として発行された ISO 7989, Zinc coatings for steel wire を翻訳し,技術

的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

1.

適用範囲  この規格は,円形断面をもつ亜鉛めっき鉄線及び鋼線(以下,線という。)の亜鉛めっきの

付着量,品質並びに試験について規定する。

2.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

2.1

亜鉛めっき鉄線及び鋼線 (zinc-coated wire)  防食のために亜鉛めっきを施した鉄線及び鋼線。めっ

きは溶融亜鉛浴に浸せきするか,亜鉛塩の水溶液から電解析出するかによる。

2.2

亜鉛付着量 (coating mass)  単位面積当たりの亜鉛めっき付着量で,単位は g/m

2

とする。

3.

めっき特性

3.1

亜鉛付着量  最小亜鉛付着量は,表 による。

3.2

外観  めっきは連続で,実用的に平滑,かつ,均一でなければならない。

備考  溶融めっきで製造された線の表面は,完全に平滑ではなく,また均一性にも欠ける。したがっ

て,線の直径の測定に当たっては,線の平滑な部分を使用しなければならない。

3.3

特殊仕上げ  特殊仕上げ又は極端に平滑若しくは光輝仕上げが要求される場合は,引き合い,注文

時に協定しなければならない。

3.4

めっき密着性  めっきは,4.3 の試験を行い,生地線表面に強固に密着し,割れやはく離があっては

ならない。はく離は指でめっき表面をこすっても起こらない程度とする。線の表面を機械的にこすること

によって,表層面で微細な亜鉛粒子が脱落又は分離しても,受入れ拒否の理由とはならない。


2

G 7302 : 2000 (ISO 7989 : 1988)

表 1  亜鉛付着量

最小亜鉛付着量 g/m

2

線径

1)

mm

めっきグレード

2)

A

以上

未満

AS

3)

 AH

3)

AB B

4)

 C  D

0.20 0.25

− 20 20

0.25 0.40

− 30 25

0.40

0.50  90 75 60 40 30

0.50

0.60 110 90 70 50 35 20

0.60

0.80 120

110 75 60 40 20

0.80

1.00 150

130 90 70 50 20

1.00 1.20  180 150 105  80  60  25

1.20 1.50  200 165 105  90  60  25

1.50 1.90  230 180 120 100  70  30

1.90 2.50  240 205 155 110  80  40

2.50 3.20  260 230 185 125  90  45

3.20 3.60  270 250 230 135 100  50

3.60 4.00  280 250 230 135 100  60

4.00 4.40  290 260 245 135 110  60

4.40 5.20  290 270 245 150 110  70

5.20 8.20  290 290 275

− 110 80

8.20 10.00

300  300

− 110 80

1)

亜鉛めっきしたままの直径。

2)

めっき方法は指定されない。

3)

 AS

級は“軟”線(引張強さ 660N/mm

2

以下)

,AH 級は“硬”線(引張強さ

660N/mm

2

超え)に適用。

4)

B

グレードは一般に亜鉛めっき後に冷間加工したものに適用。

4.

試験

4.1

試験片の採り方

4.1.1

試験する線のコイル数は引き合い,注文時に協定しなければならない。

4.1.2

試験片は,選定された試験コイルの一端又は両端から適当な長さを採取する。線の端が明らかに損

傷している場合は,試験片を採る前に損傷部を含む十分な長さを破棄してから試験片を採取する。

4.2

付着量試験

4.2.1

亜鉛付着量の試験は,引き合い,注文時の協定によって,次の方法の一つで行う。

a)

附属書 に記載される体積測定方法

b)

附属書 に記載される質量測定方法

合意に至らない場合は,裁定として質量測定方法が適用される。

4.2.2

直径 3mm 以上の線の質量分析では,試験片の長さは 200mm 未満であってはならない。

備考  細サイズの線に対しては,その線の質量 (g) が直径 (mm) の 4 倍の数値より少なくならないよ

うにする。

4.3

密着性試験

4.3.1

公称線径 7.5mm 以下の線に対しては,密着性は巻付け試験方法によって行う。試験は円筒の周り

に 6 回以上密着巻きする。試験に用いる円筒の直径は,

表 による。

4.3.2

公称線径 7.5mm 超の線に対しては,密着性は曲げ試験方法によって行う。


3

G 7302 : 2000 (ISO 7989 : 1988)

試験は円筒に沿い,曲げ角度が少なくとも 90°になるように曲げる。試験に用いる円筒の直径は,

表 2

による。

表 2  円筒の直径

単位 mm

線径  d

超え

以下

円筒の直径

3.8

4d

3.8 10.0

5d


4

G 7302 : 2000 (ISO 7989 : 1988)

附属書 A(規定)  単位面積当たりの亜鉛めっき付着量の決定 

(体積測定方法)

A.1

原理  一定寸法の試験片の亜鉛めっき層は,塩酸溶液中で溶解される。溶解された亜鉛の質量は,め

っきの溶解中に発生した水素ガスの体積を測定して決定される(ガス体積測定法)

。この方法によって測定

された亜鉛の質量を,めっきを除去した後で試験片を測定して得られる表面積で除して亜鉛付着量を求め

る。

A.2

試薬

A.2.1

塩酸  適切な濃度の溶液とする。

A.2.2

抑制剤  例えば,ヘキサメチレンテトラミン (C

6

H

12

N

4

)

,三塩化アンチモン (SbCl

3

)

,三酸化アンチ

モン (Sb

2

O

3

)

A.3

装置  装置は次の部品で構成される(図 A.1)。

A.3.1

シリンダー  少なくともミリメートル単位の目盛が刻まれて,両端にコックが付いているもの。

A.3.2

水準瓶  図 A.1 に示されるように目盛付きシリンダーの底近くのノズルとゴムホースでつなぐこと

ができるように,底の近くにノズルをもつもの。

A.3.3

ビーカー  亜鉛めっき除去後の試験片を保管して置くためのもの。

A.4

試験準備  試験片の線を注意深くまっすぐに伸ばして,次のような長さに切断する。

線径 1.00mm 未満に対して, 300mm

線径 1.00∼1.49mm に対して, 150mm

線径 1.5∼3mm に対して, 100mm

線径 3mm 超に対して,

50mm

この長さの測定は,正確に行うよう注意する。

図 A.1  めっき付着量測定装置(体積測定方法)

A.5

試験手順  コック“b”を閉じた目盛付きシリンダーと水準瓶に,適当な抑制剤(A.2.2)を含んだ塩酸溶

液(A.2.1)を満たす。


5

G 7302 : 2000 (ISO 7989 : 1988)

目盛付きシリンダー(A.3.1)の液面は,水準瓶(A.3.2)を持ち上げて,コック“a”のちょうど下に合わせる。

シリンダーと水準瓶の液面は同じになる。

試験片をコック“a”から目盛付きシリンダーの中に入れてから,コックを閉じる。

亜鉛めっき層に酸が作用して水素ガスが放出されるが,このガスはシリンダー上部にためられる。

水素ガスの放出がなくなってから,シリンダーと水準瓶の液面が同じになるように,目盛付きシリンダ

ーに対して水準瓶を下げる。このシリンダー液面のメニスカス位置が水素ガス発生量を示す。

目盛付きシリンダーに入れられた水溶液の残分は,コック“a”を開き,水準瓶をテーブルに置くことに

よって,同瓶に集められる。

次いでコック“b”を開いて,試験片は取り出されビーカー(A.3.3)に移される。試験片は水洗後,よく乾

燥して長さと直径を測定する。

試験は,1 試料ずつ行う。シリンダーの温度は 20±2℃に保たれなければならない。

A.6

試験結果のまとめ  すべての試料の試験が完了してから,計算される。

亜鉛付着量 m(単位:g/m

2

)は,次の式によって算出する。

dl

V

m

π

720

2

=

ここに,

d

めっき除去後の線直径

 (mm)

l

試験片の長さ

 (mm)

V

各試料で放出された水素ガスの平均体積

 (ml)

レンジ

740

780mmHg

1)

の気圧計で圧力が測られるときは,上の式の右辺に係数 P

/760

を乗じる。ただし,

P

は気圧で単位は

mmHg

である。

実用的には,線径と放出された水素ガスの体積の関係から,亜鉛付着量を直接読み取る数表が有用であ

る。

1)

 1mmHg

133.322Pa


6

G 7302 : 2000 (ISO 7989 : 1988)

附属書 B(規定)  単位面積当たりの亜鉛めっき付着量の決定 

(質量測定方法) 

B.1

原理  既知の表面積上の亜鉛めっき層は,抑制剤を含んだ酸で溶解される。めっきが溶解される前後

の試験片の質量を測定することによって,亜鉛の消失質量が決定される。

B.2

はく離溶液

警告  毒性のあるアンチモン化合物をはく離液として使用するので,取扱いに注意する。

濃塩酸

  (

ρ

1 190g/ml) 500ml

に三塩化アンチモン

 (SbCl

3

)

3.2g

,又は三酸化アンチモン

 (Sb

2

O

3

)

2g

を溶解する。蒸留水でこの溶液を

1 000ml

に希釈する。

B.3

試験手順  必要ならば,試験片はめっきを損なわない有機溶剤で油分の除去をし,その後乾燥する。

はく離前に試験片を見込み付着量の

1%

までひょう量する。

はく離溶液の量は,試験片の各表面積を

cm

2

単位で測って,その数値に

10ml

を乗じた値以上とする。

試験片は,室温で溶液に完全に浸せきされ,めっきが完全に溶解するまで放置される。溶解の終期は,

水素ガスの気泡発生がなくなったことによって確認する。

その後,試験片を流水で洗浄し,必要ならば表面に付いた柔らかい付着物をブラシでこすり落とし,ア

ルコールにつけた後,速やかに乾燥させ,前述の方法によって正確にひょう量する。

めっき除去後の表面積 は,試験片の寸法を測定して,

1%

の精度で決定する。

B.4

付着量の計算  消失質量

m

 (g)

は,次の式によって算出する。

mm

1

m

2

ここに,

m

1

めっき除去前の質量

 (g)

m

2

めっき除去後の質量

 (g)

亜鉛付着量 m Aˆ  (g/m

2

)

は,次の式によって算出する。

6

10

ˆ

×

=

A

m

A

m

Δ

ここに,

m (g),A (mm

2

)

である。

備考  亜鉛付着量 m Aˆ  (g/m

2

)

は,次の式によって算出するのがよい。

2

960

1

ˆ

m

m

D

A

m

Δ

×

×

=

ここに,  D (mm)  はめっき除去後の線径とし,その密度は 7 850kg/m

3

とする。

この方法では線の長さを知る必要がない。

再現性(試験者,装置,試料条件の違いによる。

)は,平均値の約±5%である。


7

G 7302 : 2000 (ISO 7989 : 1988)

線材製品(普通線)

JIS

検討委員会(平成

9

2

月現在)  構成表

氏名

所属

(委員長)

木  原  諄  二

東京大学

(委員)

林      明  夫

通商産業省基礎産業局

大  嶋  清  治

通商産業省工業技術院

中  村  守  文

社団法人日本鉄鋼連盟(株式会社神戸製鋼所)

有  田  典  彦

東京製線株式会社

太  田  正  秀

日亜鋼業株式会社

岩  崎  利  勝

株式会社小沢製線所

川  村      一

木津川製線株式会社

秋  山  清  澄

興国鋼線索株式会社

榎  並  好  雄

サクラテック株式会社

新  谷  友  宏

東洋製線株式会社

春  山  次  人

村上鋼業株式会社

黒  川  健  次

日本溶接金網協会(住倉鋼材株式会社)

鈴  木  一  雄

日本金網団体連合会(株式会社江戸川金網)

栗  原      勝

日本蛇籠協会(栗原建材産業株式会社)

鈴  木      肇

全国ヒューム管協会

泉      幸  則 ALC 協会(小野田エー・エル・シー株式会社)

夛  田  正  明

社団法人コンクリートポール・パイル協会(前田製管株式会社)

森  田  秀  明

全国コンクリート製品協会(千葉窯業株式会社)

原  田  浩  二

カラーワイヤ工業会(タキロン株式会社)

(事務局)

本  橋  保  久

線材製品協会