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G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 9330-3:1997,Welded steel tubes for

pressure purposes

−Technical delivery conditions−Part 3:Electric resistance and induction welded unalloyed and

alloyed steel tubes with specified low temperature properties

を基礎として用いた。

圧力用溶接鋼管の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS G 7223

:室温用炭素鋼管

JIS G 7224

:高温用電気抵抗溶接炭素鋼管及び合金鋼管

JIS G 7225

:低温用電気抵抗溶接炭素鋼管及び合金鋼管

JIS G 7226

:長手溶接オーステナイトステンレス鋼管


G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

(2) 

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  記号及び用語

2

3.1

  基本記号

2

3.2

  許容差の記号

2

3.3

  試験の記号

2

4.

  注文者によって提示される情報

2

4.1

  必す(須)情報

2

4.2

  任意情報

2

4.3

  注文例

3

5.

  製造工程

3

5.1

  製鋼方法

3

5.2

  脱酸方法

3

5.3

  製管方法

3

5.4

  受渡条件

3

6.

  や(冶)金特性

3

6.1

  化学成分

3

6.2

  機械的性質

5

6.3

  溶接性

7

7.

  寸法,質量及び許容差

7

7.1

  外径,厚さ及び質量

7

7.2

  長さ

7

7.3

  許容差

7

8.

  技術的受渡条件

8

8.1

  外観及び健全性

8

8.2

  管端部の加工

9

8.3

  受渡条件

9

9.

  検査及び試験

9

9.1

  検査及び試験の方法並びに検査文書の形式

9

9.2

  試験カテゴリ

10

9.3

  化学分析

10

9.4

  機械的性質及び技術的性質の試験

10

9.5

  耐漏れ性試験

12

9.6

  寸法試験

12


G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

(3)

ページ

9.7

  目視検査

12

9.8

  非破壊試験

12

9.9

  合金鋼の材質識別

12

9.10

  試験方法及び結果

12

9.11

  試験の無効

15

9.12

  再試験

15

9.13

  選別又は再処理

15

10.

  表示

15

10.1

  表示内容

15

10.2

  表示方法

15

10.3

  特別表示

15

11.

  保護

15

12.

  検査文書

15

13.

  受渡し後の苦情

15


G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

(4) 

 

白      紙


日本工業規格

JIS

 G

7225

:2003

(ISO 9330-3

:1997

)

圧力用溶接鋼管−技術的受渡条件−

第 3 部:低温用電気抵抗溶接炭素鋼管及び合金鋼管

(ISO 仕様)

Welded steel tubes for pressure purposes

−Technical delivery conditions−

Part 3:Electric resistance and induction welded unalloyed and alloyed steel

tubes with specified low temperature properties (ISO specifications)

序文  この規格は,1997 年に第 1 版として発行された ISO 9330-3:1997,Welded steel tubes for pressure

purposes

−Technical delivery conditions−Part 3 : Electric resistance and induction welded unalloyed and alloyed

steel tubes with specified low temperature properties

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,炭素鋼及び合金鋼から製造され,低温じん性が規定された円形断面をもつ厚

さが 16 mm 以下の電気抵抗(Electric resistance and induction)溶接管(以下,管という。

)の技術的受渡条

件について規定する。

ここでの管類は,低温配管システムに使用されることを前提としている。

使用者は,使用に際して,適切な適用規格及び国内の法的関連規定の要求事項を考慮しなければならな

い。

技術的受渡条件の一般事項は,JIS G 0404 による。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 9330-3:1997

,Welded steel tubes for pressure purposes−Technical delivery conditions−Part 3 :

Electric resistance and induction welded unalloyed and alloyed steel tubes with specified low

temperature properties (IDT)

参考1.  ボイラ及び圧力容器に関する国際規格としては,ISO 5730 が適用可能である。

2.

原文の“tube:管”と“pipe:パイプ”とは,同義語である。

3.

ISO 9330

は,現在,次のそれぞれの部が適用可能か又は作成段階にある。

−第 1 部:室温用炭素鋼管(ISO 2604-3:1975 及び ISO 2604-6:1978 の部分改正)

−第 2 部:電気抵抗溶接鋼管−高温用非合金鋼及び合金鋼(ISO 2604-3:1975 の部分改正)

−第 4 部:サブマージアーク溶接鋼管−高温用炭素鋼及び合金鋼(ISO 2604-6:1978 の部分

改正)


2

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

−第 5 部:サブマージアーク溶接鋼管−低温用炭素鋼及び合金鋼(ISO 2604-6:1978 の部分

改正)

−第 6 部:ストレートシーム溶接鋼管−オーステナイトステンレス鋼(ISO 2604-5:1978 の

改正)

2.

引用規格  この規格の引用規格を,付表 に示す。付表 に掲げる規格は,この規格に引用されるこ

とによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記し

てあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には

適用しない。

3.

記号及び用語

3.1

基本記号

    D  :管の外径

    D

i

:管の内径

    T  :管の厚さ

3.2

許容差の記号  許容差の記号は,ISO 5252 による。

3.3

試験の記号

3.3.1

引張試験  引張試験の記号は,JIS Z 2241 による。

3.3.2

へん平試験

     H  :平板間の距離

3.3.3

水圧試験

     P :試験圧力

     S :試験中に管に生じる応力

4.

注文者によって提示される情報

4.1

必す(須)情報  注文者は,引合い書及び注文書に,次の情報を提示しなければならない。

−管の名称

−管の供給状態:熱間仕上げ又は冷間仕上げ(5.3 参照)

−適用する寸法規格

−ミリメートル表示の寸法(外径×厚さ)

7.1 参照)

−長さ(7.2 参照)

−12 m を超える定尺を注文する場合の長さの許容差(7.3.3 参照)

−この規格の番号

−鋼の種類(

表 参照)

−炭素鋼の試験カテゴリ(9.2 参照)

4.2

任意情報  必要の場合,注文者は,次の任意要求事項の中から幾つかを指定して,引合い書及び注

文書に補足しなければならない。ただし,これらは特別な協定の対象としなければならない。

−製鋼法(5.1 参照)

−受渡し状態(5.4 参照)

−特別な真直度(7.3.5 参照)


3

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

−管端ベベル加工(8.2 参照)

−製品分析(9.3 及び 9.10.1 参照)

−外径が 219 mm を超え 508 mm 未満の管の溶接部引張試験(9.4.3 参照)

−耐漏れ性試験(9.5 参照)

−特別表示(10.3 参照)

−保護被覆(11.参照)

−検査・試験及びそれに対応する検査文書の形式(9.1 及び 12.参照)

4.3

注文例  溶接管の注文例:

寸法規格:ISO 4200,外径 168.3 mm,厚さ 4 mm,標準長さ(乱尺)4∼8 m,鋼の種類:PH23,低温特

性規定付,試験カテゴリⅡに対する受渡検査を実施し,JIS G 0415 による検査証明書 3.1.B を発行。

表示:

  ISO 4200 - 168.3×  4 - 4   8  JIS G 7225 - PL21 -- 3.1.B

5.

製造工程

5.1

製鋼方法  注文者の要求がある場合には,製造業者は,採用する製鋼方法について通知しなければ

ならない。

鋼は,鋼塊鋳造でも連続鋳造でもよい。異なった種類の鋼の連続鋳造の場合には,混合部の識別区分を

行い,効率的に種類を分離できる確立された方法によって,混合部を除去しなければならない。

5.2

脱酸方法  この規格による管の製造に用いる鋼は,完全キルド鋼としなければならない。

5.3

製管方法  この規格による管は, 熱間仕上げ又は冷間仕上げを行う。ここで,

“熱間仕上げ”及び“冷

間仕上げ”とは,5.4 による熱処理を行う前の状態を指す。管は,電気抵抗によって溶接しなければならな

い。溶接は,溶加材を用いてはならない。特に協定のない限り,製造工程は,製造業者の選択による。

備考1.  溶接管は,平らに圧延した鋼帯を成形し,端面部を溶接した管状製品であり,溶接は,長手

方向でもよい。

2.

電気抵抗溶接法による管は,鋼帯の端面を突合せ,その表面や近傍に電流を流すことによっ

て溶接温度まで加熱して加圧することによって形成された長手方向の溶接部をもつ。電流の

導入は,直接接触でも誘導法によってでもよい。この溶接工程では,溶加材を用いない。

3.

製造業者が,熱間仕上げで技術的に同等なや(冶)金組織を生じることを示すことができる

場合には,

“焼ならし”に“熱間仕上げ”を含む(

表 及び表 参照)。

5.4

受渡条件  この規格による管は,全長にわたり適切な熱処理を施して供給しなければならない。鋼

の種類(

表 参照)に応じて,次の熱処理を施さなければならない。

−焼ならし

−焼ならし焼戻し

−焼入焼戻し

6.

や(冶)金特性

6.1

化学成分

6.1.1

溶鋼分析  鋼材の溶鋼分析値は,鋼の種類に応じて表 に示す化学成分に適合しなければならない。


4

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

  1  化学成分(溶鋼分析)

単位  %(質量分率)

鋼の種類(

1

) C  Si  Mn  P

S Al 総量 Mo Ni  V  Nb

炭素

PL 21

PL 23

PL 25

PL 26

0.17

以下

0.19

以下

0.17

以下

0.20

以下

0.35

以下

0.35

以下

0.35

以下

0.35

以下

0.40

∼1.00

0.60

∼1.20

0.60

∼1.20

0.80

∼1.40

0.030

以下

0.030

以下

0.030

以下

0.030

以下

0.025

以下

0.025

以下

0.025

以下

0.025

以下

0.015

以上(

2

)

0.015

以下(

2

)

0.015

以下(

2

)

0.015

以下(

2

)

− 
− 

− 
− 

− 
− 

− 
− 

11 MnNi 5-3

0.14

以下 0.50 以下 0.70∼1.50 0.030 以下 0.025 以下 0.020 以下(

3

)

0.30(

4

)

∼0.80

0.05

以下

0.05

以下

13 MnNi 6-3

0.18

以下 0.50 以下 0.85∼1.65 0.030 以下 0.025 以下 0.020 以下(

3

)

0.30(

4

)

∼0.80

0.05

以下

0.05

以下

12 Ni 14

0.15

以下 0.15∼0.35 0.30∼0.85 0.025 以下 0.020 以下

3.25

3.75

0.05

以下

合金鋼

X 12 Ni 5

0.15

以下 0.35 以下 0.30∼0.80 0.025 以下 0.020 以下

4.50

5.30

0.05

以下

注(

1

)  ISO/TR 4949

による記号。

(

2

)

金属 Al の含有量。全 Al が測定され,その値が 0.018  %(質量分率)より低くないときは,この規定に適合し
ているとみなす。ただし,係争の場合は,金属 Al の含有量を定量しなければならない。これに代えて,ISO 643

によって測定するオーステナイト粒度が 6 以上であることを協定してもよい。受渡当事者間の協定によって,

Al

は,それと類似の効果をもつほかの元素に置き換えてもよい。

(

3

)

全 Al の含有量。受渡当事者間の協定によって,Al は,それと類似の効果をもつほかの元素に置き換えてもよい。

(

4

)

厚さが 10 mm 以下の管の場合には,Ni 含有量の下限を,0.15  %(質量分率)へ下げてもよい。

備考  この表にない元素は,脱酸及び仕上げのため添加する元素を除き,注文者の協定なしに意図的に添加すること

はできない。製造過程で使用されるスクラップ又はほかの原料からの元素の混入を防ぐために,あらゆる適正

な注意を払わなければならない。ただし,残留元素は,機械的性質及び適用性に悪影響を与えない限り,許容
される。残留元素が鋼の溶接性に影響すると思われる場合は,その元素の含有量(溶鋼分析)を 12.  に示す検
査文書で報告しなければならない。

6.1.2

製品分析  製品分析が要求された場合(9.3 参照),表 に示す許容変動値を表 の溶鋼分析規定値

に適用しなければならない。

  2  表 の化学成分規定値に対する許容変動値

元素

溶鋼分析の規定含有量

%(質量分率)

許容変動値

%(質量分率)

C 0.20

以下

+0.03

Si 0.50

以下

±0.05

Mn 1.65

以下

±0.10

P 0.030

以下

+0.005

S 0.025

以下

+0.005

Al 0.020

以下

−0.005

Ni

        0.85 以下

0.85

を超え 3.75 以下

3.75

を超え 5.30 以下

±0.05 
±0.07

±0.10

V 0.05

以下

±0.01

Nb 0.05

以下

±0.01

上限及び下限の許容変動値が規定されている元素の場合は,同一溶鋼からの製品の同一元素に対して,

許容変動値の上限又は下限のいずれかを適用し,両方を適用しない。


5

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

参考  最大値だけが規定されている元素の場合は,許容変動値は正だけとする。

6.2

機械的性質

6.2.1

室温特性  表 に示す熱処理状態での機械的性質は,室温[(23  ℃±5  ℃),ISO 3205 参照]で測

定するものとし,9.  に従って試験片を採取加工後試験を行い,

表 の規定値に適合しなければならない。


6

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

  3  室温での機械的性質

引張試験

曲げ試験

押し広げ試験

リング押し広げ試験

D

i

/D

に対する 

増加%

D

i

/D

に対する の増加%

鋼の種類

基準熱処理(

5

)

引張強さ

R

m

N/mm

2

上降伏点又は耐力

R

eH

R

p0.2

又は R

t0.5

N/mm

2

伸び

A

%

心金の直径

mm

0.6

以下

0.6

を超え

0.8

以下

0.8

を超え

0.5

以下

0.5

を超え

0.6

以下

0.6

を超え

0.8

以下

0.8

を超え

0.9

以下

0.9

を超え

炭素

PL 21

PL 23

PL 25

PL 26

N

N

Q

+T

N

360

∼480

410

∼530

360

∼490

460

∼580

215

以上

235

以上

255

以上

265

以上

24

以上

22

以上

21

以上

21

以上

4T

4T

4T

12

10

8

15

12

10

19

17

15

30

30

30

25

25

25

15

15

15

10

10

10

8

8

8

合金

11 MnNi 5-3

13 MnNi 6-3

12 Ni 14

X 12 Ni 5

N

N

Q

+T

Q

+T

410

∼530

490

∼610

440

∼590

510

∼710

285

以上

355

以上

245

以上

390

以上

22

以上

20

以上

16

以上

17

以上

− 
− 

6

8

12

− 
− 

− 
− 

− 
− 

− 
− 

− 
− 

注(

5

)  8.3

参照(N:焼ならし,Q+T:焼入れ+焼戻し)

6

G

 7225


2003

 (IS

O

 9330-3


1997)


7

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

6.2.2

低温特性  鋼のそれぞれの種類に対する,ISO  V切欠き試験片による衝撃吸収エネルギーの最小

値は

表 による[表 の注(

7

)

も参照]

  4  低音衝撃特性

最小衝撃値,KV (

6

)(

7

)

(J)

(3 本の試験片の平均)

温度  ℃

鋼の種類

管軸に対する

試験片の

方向

–196

–120

–110

–100

–90

–60

–50 –40 –20 +20

PL 21

長さ方向

        40

45

55

PL 23

長さ方向

直角方向(

8

)

27

40 
27

45 
30

50 
35

PL 25

長さ方向

直角方向(

8

)

40 
27

45 
30

50 
35

60 
40

炭素

PL 26

長さ方向

直角方向(

8

)

27

40 
27

45 
30

50 
35

11 MnNi 5-3 
13 MnNi 6-3

長さ方向

直角方向(

8

)

40 
27

45 
30

50 
35

55 
40

70 
45

12 Ni 14

長さ方向

直角方向(

8

)

40 
27

45
30

50 
35

55 
35

55 
40

60 
45

65 
45

合金鋼

X 12 Ni 5

長さ方向

直角方向(

8

)

40 
27

45 
30

50 
30

55
35

65 
45

65 
45

65 
45

70 
50

70 
50

注(

6

)

個々の値は,平均値の 70  %以上。

(

7

)

上表の値は,標準の 10 mm×10 mm 試験片に適用する。異なる寸法の試験片については,9.10.7a)  参照。

(

8

)

直角方向の試験片は,協定した場合だけに使用する。

衝撃試験は,

表 の温度のうち最低温度で行わなければならない[9.10.7 a)  参照]。ただし,受渡当事

者間の協定によって,これよりも高い,

表 に示される温度で行ってもよい。

6.3

溶接性  この規格による管の製造に用いる鋼は,一般に溶接可能であるが,溶接中及び溶接後の鋼

材の挙動は,鋼材だけではなく,溶接の前処理条件及び施工条件にも大きく影響を受けることを,十分に

考慮することが望ましい。

7.

寸法,質量及び許容差

7.1

外径,厚さ及び質量  この規格による管の外径,厚さ及び質量は,ISO 4200 及び ISO 1129 から選択

することが望ましい。

7.2

長さ

a)

管を乱尺[7.2b)  参照]又は定尺[7.2c)  参照]のいずれかで受け渡すかは,あらかじめ引合い書及び

注文書で指定しなければならない。

b)

乱尺で受け渡す場合には,その長さは,通常の製造で得られる長さ範囲内としなければならない。そ

の長さは,管の直径,厚さ及び製造業者の生産設備条件にもよるので,あらかじめ注文時に協定しな

ければならない。

c)

定尺で受け渡す場合には,7.3.3 に規定する長さ許容差を適用しなければならない。

7.3

許容差

7.3.1

溶接部を除く外径及び厚さの許容差  この規格による管の外径及び厚さの許容差は,表 によらな

ければならない(9.6 参照)


8

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

  5  外径及び厚さの許容差

外径 の許容差

厚さ の許容差

ISO 5252 参照)

±0.75  %  ただし,

最小±0.35 mm

±10  %  ただし,

最小±0.2 mm

機械的研削(例えば,グラインディング)による管の手入れの部分は,厚さが許容差下限を満たすとき

は,1 m を超えない長さ範囲内で,外径の許容差下限を満たさなくてもよい。

7.3.2

溶接部の厚さの許容差  外面及び内面の溶接シーム高さは,表 によらなければならない(9.6 

照)

  6  溶接シーム高さの許容差

外面溶接シーム

平滑にトリムする

内面溶接シーム

高さ 0.30 mm 以内にトリムす
る。トリム後の残存厚さは,
表 の許容厚さ未満であって
はならない。

7.3.3

定尺長さの許容差

長さが 6 m 以下の場合:    mm

長さが 6 m を超え 12 m 以下の場合:    mm

長さが 12 m を超える場合,プラス側許容差は,受渡当事者間の協定による。

7.3.4

真円度  真円度は, 次の式を用いてパーセント表示で計算しなければならない(ISO 3545-1 参照)。

真円度

D

D

D

min

max

100

×

ここに,  D

max

及び D

min

:同一断面での外径のそれぞれ最大値及び最小値

外径が 406 mm 未満の管の場合には,真円度は直径

の許容差内とする。

外径が 406 mm 以上の管の場合には,D/比が 100

未満のとき,真円度は,2  %を超えてはならない。
D/T

が 100 以上のときは,真円度の許容差をあらかじ

め受渡当事者間で協定しなければならない。

7.3.5

真直度

  すべての管は,実用的にまっすぐでなければならない。直径が 50 mm を超える管の場合

には,曲がりは,0.002×LL:全長)を超えてはならない。

任意の長さ 1 m 当たりの曲がりは,3 mm を超えてはならない。

真直度に関する特別規定は,協定事項としなければならない。

8.

技術的受渡条件

8.1

外観及び健全性

a

)

管は,内外面とも製造方法に応じた妥当な滑らかさでなければならない。

b

)

管は,良好な仕上げでなければならないが,管の残存厚さが許容差内である小さな不健全部はあって

もよい。

c

)

大きな表面の不健全部でも,手入れ後の管の厚さが最小許容厚さを超えないときは,手入れを行って

+10

  0

+15

  0


9

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

もよい。

d

)

管の手入れは,グラインディング又は機械加工によって行い,ピーニング及び溶接補修を行ってはな

らない。

8.2

管端部の加工

  管の端面は,通常直角に切断された状態で受け渡す。受渡当事者間の注文時の協定

によって,ベベル端面(

ISO 6761

参照)で受け渡してもよい。端面には過剰のばりがあってはならない。

8.3

受渡条件

  管は,

表 7

に示す熱処理を施して受け渡す。

  7  熱処理条件

焼入焼戻し

鋼の種類

基準熱処理(

9

)

焼ならし温度

焼戻温度

焼入温度

冷却媒体(

10

)

焼戻温度

炭素

PL 21

PL 23

PL 25

PL 26

N

N

Q

+T

N

900

∼940

890

∼930 

890

∼930

− 
− 

− 

890

∼930

− 

水又は油

− 

600

∼680

合金鋼

11 MnNi 5-3

13 MnNi 6-3

12 Ni 14

X 12 Ni 5

N(

11

)

N(

11

)

Q

+T(

12

)

Q

+T(

12

)

890

∼940

890

∼940

830

∼880

800

∼850

(580

∼640)

(580

∼640)

580

∼640

580

∼640

820

∼880

800

∼850

水又は油 
水又は油

580

∼660

580

∼660

注(

9

) N:

焼ならし,Q+T :焼入れ+焼戻し

(

10

)

冷却媒体を選ぶとき,ほかの要因,例えば,寸法,焼入温度などが特性及び焼割れ感受性に及ぼす影響を考慮
することが望ましい。合成焼入剤のようなほかの冷却媒体を使用してもよい。

(

11

)

場合によっては,焼ならし後に焼戻す。この場合,製造業者は,このことを注文者へ伝え,かつ,焼戻温度を

報告しなければならない。

(

12

)

製品寸法によって可能である場合には,製造業者の判断によって,焼入焼戻しに代えて焼ならし(及び必要で
あるときには,それに引き続く焼戻し)を施してもよい。この場合,製造業者は,このことを注文者へ伝えな

ければならない。

9.

検査及び試験

9.1

検査及び試験の方法並びに検査文書の形式

a

)

この規格による管は,

JIS G 0404

によって受渡検査・試験を行わなければならない。

b

)

この規格による管は,

JIS G 0415

による様式 3.1.B の検査証明書を添付する。

あらかじめ引合い時及び注文時に要求があった場合には,

JIS G 0415

の様式 3.1.A,3.1.C 又は 3.2

の検査文書を付けて供給しなければならない。

c

)

9.3

9.8

に規定される受渡検査を実施し,その結果が要求事項に適合していることを検査文書(

JIS G 

0415

の様式 3.1.A,3.1.B,3.1.C 又は 3.2)に記載しなければならない。

これに加えて,検査文書には,次の事項を記載しなければならない。

1

)

追加要求事項(

4.2

参照)に関するすべての検査及び試験の結果

2

)

注文書及び試験片と,バッチ及び試験された管とを互いに関連付ける符号,コ−ド記号又はコ−ド

番号

3

)

熱処理の実績(

5.4

参照)

4

)

溶鋼分析の結果(

6.1.1

参照)

9.2

試験カテゴリ

  炭素鋼管には,注文時に協定された試験カテゴリに対応する

表 8

の検査及び試験を

行わなければならない。


10

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

合金鋼管には,

表 8

の試験カテゴリⅡの試験を行わなければならない。

  8  試験カテゴリ

試験カテゴリ

試        験

I II

必す(須)試験

溶鋼分析[9.1.3 d)参照] 
目視検査(9.7 参照)

寸法試験(9.6 参照) 
耐漏れ性,水圧又は非破壊試験(9.10.5 参照) 
母材の引張試験(9.10.2 参照)

衝撃試験(9.10.7 参照) 
溶接部の引張試験(9.10.2 参照) 
へん平又は曲げ若しくはリング引張試験(9.10.3 参照)

押し広げ試験又はリング押し広げ試験(9.10.4 参照) 
溶接部の非破壊試験[9.10.6 a)  参照] 
長手方向欠陥検出のための非破壊試験[9.10.6 b)参照]

合金鋼の材質識別(9.9 参照)

○ 

○ 
○ 

○ 
○ 

○ 
○ 

○ 

○ 
○ 

○ 
○ 

○ 
− 

任意試験(

13

)

化学成分のチェック分析(9.10.1 参照) 
周方向欠陥検出のための非破壊試験[9.10.6 c)  参照]

○ 

○ 

注(

13

)

  引合い時及び注文時の協定による。

9.3

化学分析

a

)

管の製品分析を,注文時に協定してもよい(

9.10.1

参照)

b

)

採取する供試材の数は,あらかじめ注文時に受渡当事者間で協定しなければならない。

c

)

供試材は,

ISO 377-2

によって採取しなければならない。供試材は,次のいずれかから採取してもよ

い。

1

)

機械的性質の識別に用いた試験片,又は

2

)

機械試験片採取位置と同じ箇所の,管の全厚にわたるドリルくず又は断片。

9.4

機械的性質及び技術的性質の試験

9.4.1

バッチ

  出荷材は,バッチに分割しなければならない。熱処理を施さない管は,同一溶鋼から同一

製造工程で製造された同一種類の,同一の呼び外径・呼び厚さのものを 1 バッチとしなければならない。

熱処理を施した管は,同一溶鋼から同一製造工程で製造された同一種類の,同一の呼び外径・呼び厚さ

もので,かつ,連続炉で同一仕上げ処理されたもの,又はバッチ形式の炉で同一装入で熱処理されたもの

を,1 バッチとしなければならない。

それぞれのバッチは,管 100 本で構成しなければならない。残りの管は,50 本以下の場合は,それぞれ

のバッチに振り分けるが,50 本を超える場合は,それを 1 バッチとみなさなければならない。

管の全体の本数が 100 本に満たない場合は,全体で 1 バッチとする。

9.4.2

採取する製品数

  それぞれの試験単位は,次のように構成する。

−試験カテゴリⅠの場合,バッチごとに管 1 本

−試験カテゴリⅡの場合,バッチごとに管 2 本

9.4.3

試験回数

  それぞれの試験単位について,次の回数の試験を行わなければならない。

−管 1 本ごとに 1 回の母材引張試験[

9.10.2 a

)

参照]


11

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

−外径が 508 mm 以上の管の場合には,管 1 本ごとに 1 回の溶接部引張試験[

9.10.2 a

)

参照]

外径が 219 mm を超え 508 mm 未満の管の場合には,注文時に特に協定がない限り,溶接部引張試験は

行わない。

外径が 219 mm 以下の管の場合には,溶接部引張試験は行わない。

−厚さによって幅が 5 mm 以上の試験片(

9.10.7

参照)の作製が可能である場合には,供試管 1 本ごとに 3

回一組の衝撃試験[

9.4.5 f

)

参照]

−管 1 本ごとに,2 回のへん平試験又は曲げ試験若しくは 1 回のリング引張試験(

9.10.3

参照)

−管 1 本ごとに,1 回の押し広げ試験,又はリング押し広げ試験(

9.10.4

参照)

9.4.4

供試材及び試験片の採取

  供試材及び試験片を,管端から

ISO 377-1

によって採取しなければなら

ない。

9.4.5

試験片の位置及び方向

a

)

母材の引張試験片

  母材の引張試験片は,管の環状試験片,又は

JIS Z 2241

によって管軸に対し平行

若しくは直角に採取した試験片とする。

製造業者の選択によって,

−外径 が 219.1 mm 以下の管では,環状試験片又は管軸方向に採取した試験片とする。後者の場合,

試験片は,溶接部から離れた位置で採取する。試験片は,管の全厚を代表し,試験前に平らにして

はならない。

−外径 が 219.1 mm を超え 508 mm 未満の管では,試験片は管軸に対し平行又は直角に採取する。

試験片は,溶接部に隣接して採取してはならない。

外径 が 508 mm 以上の管では,管軸に対し直角方向に採取しなければならない。試験片は,溶接

部に隣接して採取してはならない。

b

)

溶接部の引張試験片

  溶接部の引張試験片は,溶接部に対し直角方向に,溶接部が試験片の中央にな

るように採取しなければならない。試験片は,管の全厚みをもつ断片としなければならないが,溶接

ビードは除去してもよい。

c

)

へん平試験片

  外径 が 406 mm 以下の管では,へん平試験片は,

ISO 8492

によって環状試験片とし

なければならない。

外径 が 406 mm を超える管では,管を半割りにした試験片でもよい。

d

)

曲げ試験片

  曲げ試験片は,

JIS Z 2248

によって,溶接部が試験片の中央になるように管から切り出

す。

e

)

押し広げ試験又はリング押し広げ試験若しくはリング引張試験の試験片

  押し広げ試験又はリング押

し広げ試験若しくはリング引張試験の試験片は,それぞれ

ISO 8493

ISO 8495

又は

ISO 8496

による

環状試験片とする。

f

)

衝撃試験片

  衝撃試験(

ISO 148

参照)用に 3 本一組の

ISO 

V

切欠き試験片を,供試用のそれぞれの

管から管軸方向に採取しなければならない。

管の寸法によって,試験片を矯正することなく,管軸に対し直角に採取できる場合は,注文時の協

定によって,試験片をそのように採取してもよい。

直角方向の試験片を採取するのに必要な最小の外径 D

min

(単位 mm)は,厚さ の関数として,次

の式で求めてもよい。

(mm)

5)

(

756.25

5)

(

min

+

=

T

T

D


12

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

切欠きの方向が管の表面に垂直になるように,試験片を採取し加工しなければならない。

1

)

試験片の寸法は,

10 mm

×

10 mm

とするのが望ましい。幅が

10 mm

未満で

5 mm

以上の試験片を使

用してもよい。

2

)

幅が

10 mm

未満の試験片の場合には,切欠きに垂直な

2

面を機械加工して,最小

5 mm

の寸法を確

保しなければならない。

9.5

耐漏れ性試験

a

)

管は,

1

本ごとに耐漏れ性試験を行わなければならない。

b

)

注文者の指定がない限り,水圧試験は,製造業者の判断によって,非破壊試験に代えてもよい[

9.10.5 

b

) 

参照]

9.6

寸法試験

  管は,適切な方法で寸法チェックを行わなければならない。

直径の許容差は,通常直径を直接測定する。ただし,直径が

457 mm

を超える場合には,周長テープで

測定してもよい。しかし,係争の場合には,許容差は,直径を直接測定したものによらなければならない。

引合い時及び注文時に特に指定がない限り,管の厚さは管端で測定しなければならない。

真円度は,管端

100 mm

の距離で直接測定しなければならない。

9.7

目視検査

  管は,特に

8.1

及び

8.2

に適合することを識別するために,目視検査を行わなければなら

ない。

9.8

非破壊試験

  試験カテゴリⅠの管については,溶接シームの非破壊検査を行わなければならない

9.10.6 a

) 

参照]

試験カテゴリⅡの管については,長手方向欠陥検出のための非破壊検査を行わなければならない[

9.10.6 

b

) 

参照]

あらかじめ引合い時及び注文時に合意した場合には,試験カテゴリⅡの管に,周方向欠陥検出のための

非破壊試験を行ってもよい[

9.10.6 c

) 

参照]

9.9

合金鋼の材質識別

  合金鋼管は

1

本ごとに,正しい種類のものが供給されているかを保証するため

に,適切な方法によって試験しなければならない。

9.10

試験方法及び結果

9.10.1

化学分析

a

)

あらかじめ注文時に協定する場合には,製品分析を行わなければならない(

9.3.1

及び

9.3.2

参照)

b

)

それぞれの元素は,該当する規格で定められた方法によって分析を行わなければならない。分光分析

法を採用してよい。

c

)

分析結果は,

表 1

表 2

の許容変動値を考慮した値に適合しなければならない。

d

)

分析方法について係争の場合には,化学成分は,

ISO/TR 9769

に記載された国際規格から採用した分

析方法によって分析しなければならない。

9.10.2

引張試験

a

)

室温試験

1

)

室温引張試験は,

JIS Z 2241

によって行わなければならない[

9.4.3

9.4.5 a

) 

及び

 9.4.5 b

) 

参照]

2

)

母材の引張強さ

  (R

m

)

,耐力

  (R

p0.2

)

又は上降伏点

  (R

eH

)

及び破断伸び

  (A)

を測定しなければならな

い。炭素鋼管については,耐力

  (R

p0.2

)

に代えて耐力

  (R

t0.5

)

を測定してもよい。溶接部の引張強さ

(R

m

)

は溶接部引張試験によって測定しなければならない。

破断伸びは,標点距離

 5.65

0

S

S

0

は試験片の原断面積)についての値を報告しなければなら


13

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

ない。これと異なる標点距離を用いた場合は,標点距離

 5.65

0

S

に換算した伸び値を,

ISO 2566-1

によって求めなければならない。

3

)

引張試験結果は,

表 3

の該当する鋼の種類の規定値に適合しなければならない。

9.10.3

へん平試験又は曲げ試験若しくはリング引張試験

a

)

一般

  外径が

200 mm

以上の管に対して,製造業者の選択によって,へん平試験又は曲げ試験若しく

はリング引張試験のいずれかを室温で行わなければならない(

9.4.3

参照)

。通常,外径が

152.4 mm

200 mm

未満の管に対しては,へん平試験又はリング引張試験を行い,外径が

152.4 mm

未満の管に

対しては,へん平試験だけを行う。

b

)

へん平試験

  へん平試験は,

ISO 8492

によって行わなければならない(

9.4.3

参照)

へん平試験は

2

回行い,溶接部は平板の圧縮方向に対しそれぞれ

0

°

90

°

(又は同等の位置)にし

なければならない。

試験は,次の

2

段階で行わなければならない。

1

)

最初に平板間の距離が,管の外径の

3

分の

2

に達するまでに,溶接部に割れがあってはならない。

2

)

次に平板間の距離が,管の外径の

3

分の

1

に達するまでに,母材に割れがあってはならない。ただ

し,端部の軽微な初期の割れは,不合格の理由としない。

c

)

曲げ試験

1

)

曲げ試験は,

JIS Z 2248

によって行わなければならない(

9.4.3

参照)

。試験片を冷間で,

2

本の試験

片の

1

本はその初期の湾曲の方向へ,もう

1

本は反対の方向へ,該当する鋼の種類に対応して

表 3

に規定する直径をもつ心金を用いて,二つ折りに曲げなければならない。溶接線は試験片の中央に

なるようにし,溶接ビードは除去する。

2

)

試験後,試験片に割れ又はきずがあってはならない。ただし,端部の軽微な初期不良は,不合格の

理由としない。

d

)

リング引張試験

1

)

リング引張試験は,外径が

152.4 mm

以上の管に限り適用する。試験は,

ISO 8496

によって行わな

ければらない。

2

)

管の環状試験片[

9.4.5 e

) 

参照]を,溶接線が引張方向に対し

90

°になるようにして,径の方向へ

破断するまで荷重を加えなければならない。

3

)

試験後,試験片には,拡大鏡を用いないで肉眼観察で見られる割れがあってはならない。

9.10.4

押し広げ試験又はリング押し広げ試験

a

)

一般

  製造業者の選択によって,押し広げ試験又はリング押し広げ試験のいずれかを室温で行わなけ

ればならない(

9.4.3

参照)

b

)

押し広げ試験

1

)

押し広げ試験は,

ISO 8493

によって行わなければならない。

試験は,外径が

150 mm

以下で厚さが

9 mm

以下の管について行う。

環状試験片[

9.4.5 e

) 

参照]の端を円すい状の心金で押し広げ,外径の増加量が

表 3

の規定値にな

るまで行わなければならない。

2

)

試験後,試験片に割れ又はきずがあってはならない。ただし,端部の軽微な初期不良は,不合格の

理由としない。

c

)

リング押し広げ試験

1

)

リング押し広げ試験は,

ISO 8495

によって行わなければならない。


14

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

環状試験片[

9.4.5 e

) 

参照]を,外径の増加量が

表 3

の規定値になるまで押し広げなければならな

い。

2

)

試験後,試験片に割れ又はきずがあってはならない。ただし,端部の軽微な初期不良は,不合格の

理由としない。

9.10.5

耐漏れ性試験

a

)

水圧試験

  耐漏れ性試験として水圧試験を行う場合,その試験圧力は,最大

8.0 MPa

までは,次の式

による。

D

T

S

P

×

×

= 20

ここに,

  P

試験圧力(

MPa

D

管の外径(

mm

T

管の厚さ(

mm

S

該当する鋼の種類に対応する

R

eH

R

p0.2

又は

R

t0.5

の最小規定値

3

参照)の

80

%の応力(

N/mm

2

試験圧力は,少なくとも

5

秒間保持しなければならない。

管は,試験に耐え,漏れ又は寸法許容差を超える変形があってはならない。

b

)

非破壊試験

a

) 

に規定する水圧試験を行わない管には,次の非破壊試験を行わなければならない[

9.5 

b

) 

参照]

。すなわち

,

ISO 9302

による電磁探傷試験,又は

ISO 10332

による超音波探傷試験。

9.10.6

非破壊試験

a

)

試験カテゴリⅠの管に対しては,

ISO 9764

によって判定基準

L3

の溶接シーム非破壊試験を行わなけ

ればならない。

b

)

試験カテゴリⅡの管に対しては,長手方向欠陥検出のため,

ISO 9303

によって判定基準

L2

の全面超

音波深傷試験を行わなければならない。

c

)

あらかじめ引合い時及び注文時に協定する場合には,試験カテゴリⅡの管に対して,周方向欠陥検出

のため超音波試験を行ってもよい。その場合,その試験方法及び受入基準も,引合い時及び注文時に

協定しなければならない。

9.10.7

衝撃試験

a

)

衝撃試験は,

ISO 148

によって行わなければならない[

9.4.5 f

) 

参照]

常に,

表 4

で鋼の種類及び厚さに対して規定された試験温度のうち,最も低い温度で衝撃エネルギ

ーを測定しなければならない。より高い試験温度での衝撃エネルギー値は,

表 4

のとおりとする。

衝撃エネルギー値は,

3

本の試験片[

9.4.5 f

) 

参照]の平均値を採用しなければならない。

幅が

10 mm

未満の試験片の場合には,必要とする衝撃エネルギー値

A

v

(単位

J

)を,規定のエネル

ギー値

A'

v

から次式によって算出しなければならない。

10

´

v

v

B

A

A

×

=

ここに,

  B

試験片の幅(

mm

b

) 3

本の試験片の平均値が,鋼の該当する種類及び厚さに対応する

表 4

の最小値に適合するときは,こ

の試験はこの規格の要求を満たすとみなす。試験片の個々の値の一つだけが,

30

%以内で最小値を満

たさなくてもよい。


15

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

c

) 3

本の試験片の平均値が最小規定値未満であるか,

又は個々の値の一つが最小規定値よりその

30

%を

超えて低い場合には,更に

3

本の試験片を供試用の管から採取し,

ISO 148

によって試験しなければ

ならない。

d

) 6

本すべての試験片の平均値が,鋼の該当する種類及び厚さに対応する

表 4

の最小値に適合しなけれ

ばならない。

6

個の個々の値のうち,二つまでが最小値未満であり,その一つが

30

%を超えて最小値

未満であってもよい。

9.11

試験の無効

  試験の無効は,

JIS G 0404

による。

9.12

再試験

  再試験は,

JIS G 0404

による。

9.13

選別又は再処理

  選別又は再処理は,

JIS G 0404

による。

10.

表示

10.1

表示内容

  次に示す事項を,管の寸法に応じて,結束若しくは包装に取り付けられたラベルに表示

するか,又は管

1

本ごとの片端部に消えないように表示しなければならない。

表示には,次の事項を含まなければならない。

−管の製造業者の略号

−鋼の種類の記号

−溶鋼番号又はコード番号

−試験カテゴリ区分

−検査者のマーク

−管と検査証明書又は検査文書との照合が可能な番号又は記号

−この規格の番号

10.2

表示方法

10.2.1

外径が 76.1 mm 以下の管

10.1

による表示内容の項目を,結束又は包装に確実に取り付けたラベ

ルに消えないように表示しなければならない。

10.2.2

外径が 76.1 mm を超える管

10.1

による表示内容を,管

1

本ごとに片端から約

300 mm

の位置に表

示しなければならない。

10.2.3

表示に用いる塗料

  表示に塗料を使用する場合は,鉛,銅,亜鉛及びすずを,実質的に含んではな

らない。

10.3

特別表示

  あらかじめ注文書に指定のある場合には,その表示を行ってもよい。

11.

保護

  管は,通常,保護被覆を行わないか,又は製造業者の通常の工場保護被覆を行って,受け渡す。

特別な保護を行う場合は,あらかじめ引合い書及び注文書に規定しなければならない。

12.

検査文書

  検査文書は,

9.1

によらなければならない。

13.

受渡し後の苦情

  受渡し後の苦情は,

JIS G 0404

による。

付表  1  引用規格


16

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

JIS G 0404

1999

  鋼材の一般受渡し条件

備考  ISO 404

1992

Steel and steel products

General technical delivery requirements

からの引用事項は,

この規格の該当事項と同等である。

JIS G 0415

1999

  鋼及び鋼製品−検査文書

備考  ISO 10474

1991

Steel and steel products

Inspection documents

が,この規格と一致している。

JIS Z 2241

1998

  金属材料引張試験方法

備考  ISO 6892

1984

Metallic materials

Tensile testing

が,この規格と一致している。

JIS Z 2248

1996

  金属材料曲げ試験方法

備考  ISO 7438

1985

Metallic materials

Bend test

が,この規格と一致している。

ISO 148

1983

Steel

Charpy impact test (V-notch)

ISO 377-1

1989

Selection and preparation of samples and test pieces of wrought steels

Part 1

Samples and test

pieces for mechanical test

ISO 377-2

1989

Selection and preparation of samples and test pieces of wrought steels

Part 2

Samples for the

determination of the chemical composition

ISO 643

1983

Steels

Micrographic determination of the ferritic or austenitic grain size

ISO 1129

1980

Steel tubes for boilers, superheaters and heat exchangers

Dimensions, tolerances and conventional

masses per unit length

ISO 2566-1

1984

Steel

Conversion of elongation values

Part 1

Carbon and low alloy steels

ISO 3205

1976

Preferred test temperatures

ISO 3545-1

1989

Steel tubes and fittings

Symbols for use in specifications

Part 1

Tubes and tubular

accessories with circular cross-section

ISO 4200

1991

Plain end steel tubes, welded and seamless

General tables of dimensions and masses per unit

length

ISO/TR 4949

1989

Steel names based on letter symbols

ISO 5252

1991

Steel tubes

Tolerance systems

ISO 5730

1992

Stationary shell boilers of welded construction (other than water-tube boilers)

ISO 6761

1981

Steel tubes

Preparation of ends of tubes and fittings for welding

ISO 8492

1986

Metallic materials

Tube

Flattening test

ISO 8493

1986

Metallic materials

Tube

Drift expanding test

ISO 8495

1986

Metallic materials

Tube

Ring expanding test

ISO 8496

1986

Metallic materials

Tube

Ring tensile test

ISO 9302

1994

Seamless and welded (except submerged arc-welded) steel tubes for pressure purposes

Elecromagnetic testing for verification of hydraulic leak-tightness

ISO 9303

1989

Seamless and welded (except submerged arc-welded) steel tubes for pressure purposes

Full

peripheral ultrasonic testing for the detection of longitudinal imperfections

ISO 9764

1989

Electric resistance and induction welded steel tubes for pressure purposes

Ultrasonic testing of

the weld seam for the detection of longitudinal imperfections

ISO/TR 9769

1981

Steel and iron

Review of available methods of analysis

ISO 10332

1994

Seamless and welded (except submerged arc-welded) steel tubes for pressure purposes


17

G 7225

:2003 (ISO 9330-3:1997)

Ultrasonic testing for the verification of hydraulic leak-tightness