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G 7219

:2003 (ISO 9329-1:1989)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 9329-1:1989,Seamless steel tubes for

pressure purposes

−Technical delivery conditions−Part 1:Unalloyed steels with specified room temperature

properties

を基礎として用いた。

JIS G 7219

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)高温耐力

圧力用継目無鋼管の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS G 7219

:室温用炭素鋼管

JIS G 7220

:高温用炭素鋼管及び合金鋼管

JIS G 7221

:低温用炭素鋼管及び合金鋼管

JIS G 7222

:オーステナイトステンレス鋼管


G 7219

:2003 (ISO 9329-1:1989)

(2) 

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  記号及び用語

2

3.1

  基本記号

2

3.2

  許容差の記号

2

3.3

  試験の記号

2

4.

  注文者によって提示される情報

2

4.1

  必す(須)情報

2

4.2

  選択情報

2

4.3

  注文例

3

5.

  製造工程

3

5.1

  製鋼方法

3

5.2

  脱酸方法

3

5.3

  製管方法

3

5.4

  熱処理及び受渡条件

3

6.

  や(冶)金特性

3

6.1

  化学成分

3

6.2

  機械的性質

4

6.3

  溶接性

5

7.

  寸法,質量及び許容差

5

7.1

  外径,厚さ及び質量

5

7.2

  長さ

5

7.3

  許容差

5

8.

  外観及び健全性

5

8.1

  外観

5

8.2

  管端

6

9.

  検査及び試験

6

9.1

  検査及び試験の検査文書

6

9.2

  化学分析

6

9.3

  機械的及び実用試験

6

9.4

  漏れ試験

7

9.5

  寸法検査

7

9.6

  外観試験

7

9.7

  試験方法及び結果

7


G 7219

:2003 (ISO 9329-1:1989)  目次

(3) 

ページ

9.8

  試験の無効

9

9.9

  再試験

9

9.10

  選別又は再処理

9

10.

  表示

9

10.1

  適用する表示

9

10.2

  特別表示

9

11.

  保護

9

12.

  検査文書

9

13.

  受渡後の苦情

9

附属書 A(参考)高温耐力

10


G 7219

:2003 (ISO 9329-1:1989)

(4) 

白      紙


日本工業規格

JIS

 G

7219

:2003

(ISO 9329-1

:1989

)

圧力用継目無鋼管−技術的受渡条件− 
第 1 部:室温用炭素鋼管(ISO 仕様)

Seamless steel tubes for pressure purposes

−Technical delivery conditions−

Part 1:Unalloyed steels with specified room temperature properties

(ISO specifications)

序文  この規格は,1989 年に第 1 版として発行された ISO 9329-1:1989,Seamless steel tubes for pressure

purposes

−Technical delivery conditions−Part 1:Unalloyed steels with specified room temperature properties を翻

訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,室温用炭素鋼から製造され,円形断面をもつ継目無鋼管(以下,管という。)

に関する技術的受渡条件について規定する。

これらの管は,圧力下での流体の輸送を含む圧力下での使用を前提とする。

適用規格及び規定によっては,これらの管の使用を 350  ℃まで許容する。

附属書 参照。

一般的な技術的受渡要求事項については,ISO 404 による。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 9329-1:1989

,Seamless steel tubes for pressure purposes−Technical delivery conditions−Part

1:Unalloyed steels with specified room temperature properties (IDT)

参考  原文の“tube:管”と“pipe:パイプ”とは,  同義語とする。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格

の規定を構成するものである。

JIS Z 2241:1998

  金属材料引張試験方法

備考  ISO 6892:1984,Metallic materials−Tensile testing が,この規格と一致している。

JIS Z 2248:1996

  金属材料曲げ試験方法

備考  ISO 7438:1985,Metallic materials−Bend test が,この規格と一致している。

ISO 377:1985

,Wrought steel–Selection and preparation of samples and test pieces

ISO 404:1981

,Steel and steel products–General technical delivery requirements

ISO 2566-1:1984

,Steel–Conversion of elongation values–Part 1:Carbon and low-alloy steels


2

G 7219

:2003 (ISO 9329-1:1989)

ISO 4200:1985

,Plain end steel tubes, welded and seamless–General tables of dimensions and masses per unit

length

ISO 4948-1:1982

,Steels−Classification−Part 1:Classification of steels into unalloyed and alloy steels based

on chemical composition

ISO 5252:1977

,Steel tubes−Tolerance systems

ISO 8492:1986

,Metallic materials –Tube―Flattening test

ISO 8496:1986

,Metallic materials−Tube−Ring tensile test

ISO 9302:

−(

1

)

,Seamless and welded (except submerged arc-welded) steel tubes for pressure purposes−

Electromagnetic testing for verification of hydraulic leak-tightness

注(

1

)

発行予定

3.

記号及び用語

3.1

基本記号

D

:管の外径

δ

:管の厚さ

3.2

許容差の記号  許容差の記号は,ISO 5252 による。

3.3

試験の記号

3.3.1

引張試験  引張試験の記号は,JIS Z 2241 による。

3.3.2

へん平試験

H

:平板間の距離

C

:定数

3.3.3

水圧試験

P

:試験圧力

S

:試験中に管に生じる応力

4.

注文者によって提示される情報

4.1

必す(須)情報  注文者は,その引合い書及び注文書に次の情報を提示しなければならない。

−  管の名称

−  適用する寸法規格

−  ミリメートル表示の寸法(外径×厚さ又は,注文時の協定によって,内径×厚さ)

7.1 参照)

−  長さ(7.2 参照)

− 12 mを超える定尺に対する許容差(7.3.2 参照)

−  この規格の番号

−  種類の記号(

表 参照)

−  検査及び試験の種類と該当する報告書(9.1 及び 12.参照)

4.2

選択情報  この規格による管の引合い及び注文には,注文者が必要とみなす場合,次の一つ又は複

数の選択要求事項の指定を追加しなければならない。ただし,それは特別な協定の対象とする。

−  製鋼方法(5.1 参照)

−  外径と厚さに関する特別な許容差(

表 参照)

−  熱処理条件(5.4 参照)


3

G 7219

:2003 (ISO 9329-1:1989)

−  溶接補修に関する要求事項[8.1 d)参照]

−  特別な真直度の要求[8.1 e)参照]

−  製品の化学分析(9.2 参照)

−  漏れ試験[9.4 a)参照]

−  特別表示(10.2 参照)

−  保護被覆(11.参照)

4.3

注文例  外径 168.3 mm,厚さ 4 mm,及び標準長さ 4∼8 m(乱尺)で,ISO 4200 の寸法規格に適合

し,種類の記号 TS 360 で室温性質規定で,規定の検査と試験を行い,検査証明書を発行する,熱間仕上継

目無鋼管の注文の例:

 ISO 4200168.3×448JIS G 7219TS 360−検査証明書

5.

製造工程

5.1

製鋼方法  注文時に特別な協定がない場合,製鋼方法は,製造業者に一任する。

注文者の要求がある場合は,製鋼方法を報告しなければならない。

5.2

脱酸方法  この規格による管は,キルド鋼としなければならない。セミキルド鋼は,用いない。

5.3

製管方法  この規格による管は,継目なく製造するものとし,熱間仕上げ又は冷間仕上げのいずれ

かとする。

“熱間仕上げ”及び“冷間仕上げ”の用語は,5.4 による熱処理を行う前の管の状態に適用する。

5.4

熱処理及び受渡条件  管は,熱間仕上状態又は表 に示す熱処理状態の一つで供給しなければなら

ない。

これらの受渡条件の選択は,通常製造業者による。しかしながら,引合い時及び注文時に焼ならしした

状態での管の納入を協定してもよい。

  1  熱処理条件

変態範囲以下での焼なまし

焼ならし

鋼種

表 参照)

温度  ℃

温度  ℃

TS 360

TS 410

TS 430

TS 500

640

∼ 700

870

∼ 940

6.

や(冶)金特性

6.1

化学成分

6.1.1

溶鋼分析  鋼は,溶鋼分析で表 に規定する種類の記号に応じた組成でなければならない。


4

G 7219

:2003 (ISO 9329-1:1989)

  2  化学成分(溶鋼分析(

2

単位  %(質量分率)

種類の記号(

3

) C

Si

Mn

P

S

TS 360

0.17

以下 0.35 以下 0.30∼0.80 0.040 以下 0.040 以下

TS 410

TS 430

0.21

以下 0.35 以下 0.40∼1.20 0.040 以下 0.040 以下

TS 500

4

) 0.22 以下 0.55 以下 1.60 以下 0.040 以下 0.040 以下

(

2

)

鋳造の仕上に添加するアルミニウムのような元素以外,この表に示していない元素を注文者の同意なく
意図的に添加してはならない。製造に用いるスクラップ,その他の材料からの元素の混入を防ぐため,

あらゆる適切な注意をはらわなければならない。ただし,機械的性質と適用に悪影響を及ぼさなければ
残留元素があってもよい。その後の加工性を良くするため,注文者は,最大 0.25  %(質量分率)の銅
を添加することを要求してもよい。

(

3

)

本件についての ISO 規格ができるまでの暫定記号。

(

4

)

受渡当事者間で他の取決めがない場合,製造業者の選択によって,ISO 4948-1 で炭素鋼に認められてい
る水準までニオブ,タンタル及びバナジウムを添加してもよい。この場合検査証明書にこれらの元素の

水準を記載するのが望ましい。 

6.1.2

製品分析  製品分析が要求される場合(9.2 参照),表 に規定した溶鋼分析規定値に対し,表 3

に示す許容変動値を適用しなければならない。

上限及び下限の許容変動値が規定されている元素の場合は,同一溶鋼からの製品の同一元素に対して,

許容変動値の上限又は下限のいずれかを適用し,両方を適用しない。

参考  最大値だけが規定されている元素の場合は,許容変動値は正だけとする。

  3  表 2 に示す化学成分規定値からの許容変動値

元素

変動値  %(質量分率)

C

+0.03

Si

+0.05

Mn

±0.10

P

+0.005

S

+0.005

6.2

機械的性質  この規格による管の,室温(23±5  ℃)で測定した機械的性質は,表 に示す。

  4  室温における機械的性質

引張試験(9.3 及び 9.7.2 参照)

へん平試験(9.3 及び

9.7.3.2

参照)

曲げ試験

9.3 及び

9.7.3.3

参照)

引張強さ

R

m

上降伏点又は耐力

R

eH

又は R

p0.2

5

次の厚さ(mm)  範囲につき

N/mm

2

伸び(

6

A

δ

/D

比に対する定数 C

種類の記号

N/mm

2

16

以下

16

を超え

40

以下

40

を超え

65

以下

  l

  t

0.15

以下

0.15

を超え

心金の直径

mm

TS 360

360

∼500 235 以上 225 以上 215 以上 25 以上 23 以上 0.09  0.08

3

δ

TS 410

TS 430

410

∼550

430

∼570

255

以上

275

以上

245

以上

265

以上

235

以上

255

以上

22

以上

21

以上

20

以上

19

以上

0.07

0.07

0.06

0.06

4

δ

4

δ

TS 500

500

∼650 355 以上 345 以上

(

7

) 21

以上(

7

)

19

以上(

7

)

0.07 0.06  4

δ

(

5

)

厚さが 65 mm を超える場合,値は,注文時の受渡当事者間の協定事項とする。

(

6

)  l

=縦方向,t=横方向

(

7

)

厚さが 40 mm を超える場合,R

eH

及び の値は注文時の受渡当事者間の協定事項とする。 


5

G 7219

:2003 (ISO 9329-1:1989)

6.3

溶接性  この規格による管の製造に用いる鋼は,一般に溶接可能であるが,溶接中及び溶接後の鋼

材の挙動は,鋼材だけではなく,溶接の前処理条件及び施工条件にも大きく影響を受けることを,十分に

考慮することが望ましい。

7.

寸法,質量及び許容差

7.1

外径,厚さ及び質量  この規格で対象とする管の外径,厚さ及び質量は ISO 4200 によらなければな

らない。

7.2

長さ

a)

引合い書及び注文書に管を乱尺[b)参照]で納入するのか定尺[c)参照]で納入するのか明記しな

ければならない。

b)

管が乱尺で納入される場合は,その長さは,通常の製造範囲内でなければならない。

長さの範囲は,製造業者の製造設備だけでなく,管の外径及び厚さにも関係しているので,それら

は注文時に協定しなければならない。

c)

管が定尺で納入される場合は,7.3.2 による長さの許容差を適用しなければならない。

7.3

許容差

7.3.1

外径及び厚さの許容差  この規格で対象とする管の外径及び厚さは,表 による許容差内になけれ

ばならない(9.5 参照)

真円度は,

表 の外径許容差に含む。

偏肉は,

表 の厚さ許容差に含む。

外径及び厚さ許容差の特別な規定は,協定の対象としなければならない。

  5  外径及び厚さ許容差

δ

/D

比による厚さ

δ

の許容差(ISO 5252 参照)

外径

D

mm

D

の許容差

0.025

以下

0.025

を超え

0.05

以下

0.05

を超え

0.10

以下

0.10

を超え

 101.6

以下

±12.5  %,ただし,最小±0.4 mm

 101.6

を超え

±1  %(

8

ただし,最小±

0.5 mm

± 20 %

± 15 %

± 12.5 %

± 10 %

(

8

)

熱間拡管した管については±1.5  %

7.3.2

定尺の許容差

6 m

以下: 10

0

+

 mm

6 m

超,12 m 以下: 15

0

+

 mm

12 m

を超える長さの許容差は,受渡当事者間の協定によらなければならない。

8.

外観及び健全性

8.1

外観

a

)

管の内外面は,滑らかでなければならない。ただし,その程度は,製造の方法による。

b

)

管は,きれいな仕上げになっていなければならない。しかし,厚さが許容差内であれば,微細な欠陥

は,許容する。

c

)

更に大きな表面きずは,手直し後の厚さが許容差の下限を満たす場合には,手入れしてもよい。

d

)

表面の欠陥は,ハンマリングによって補修してはならない。


6

G 7219

:2003 (ISO 9329-1:1989)

溶接補修は,受渡当事者間で協定した方法に従って行われてもよい。

e

)

管は,適度にまっすぐでなければならない。真直度に関する特別な規定は,協定の対象としなければ

ならない。

8.2

管端  管の端面は,通常管軸に対し直角に切断し,過度のばりがない状態で受け渡さなければなら

ない。

9.

検査及び試験

9.1

検査及び試験の検査文書

a

)

表 に ISO 404 で考慮されている検査方法及び検査文書の概要を示す。これらは,この規格に従って

引合い時及び注文時に協定してもよい。

b

)

引合い及び注文時の協定によって試験報告書(TR)を提出する場合は,次を含まなければならない。

1

)

材料が注文の規定に適合していることの声明

2

)

引張試験の結果

c

)

注文時の協定によって検査証明書(IC 又は ICP)又は検査報告書(IR)

表 参照)を提出する場合

は,9.29.6 に示す特定の検査及び試験を行い,それらの結果は,検査文書で述べなければならない。

さらに,検査文書は,次を含まなければならない。

1

)

溶鋼分析の結果

2

)

補足規定(4.2 参照)に関するすべての検査及び試験の結果

3

)

注文と試験片をバッチ及び管と対応付ける記号,コード文字,又はコード番号

  6  適用検査方法及び検査文書の様式

記号

検査及び試験方法

検査文書の様式

TR

規定外試験及び検査(

9

試験報告書

IC

製造業者の工場の認定された部門による試験及

び検査(

5

)

製造業者の工場の認定された部門の

代表者の署名のある検査証明書

ICP

注文者又はその指定する機関の署名

した検査証明書

IR

注文者又はその指定する機関の立会による検査

及び試験(

10

製造業者及び注文者又はその代理人

の署名した検査報告書

(

9

)

規定外の検査及び試験とは,同一製造工程で製造された製品(必ずしも実際に供給される製品とは限
らない。

)について製造業者自らの手順に従って製造業者によって行われる検査及び試験をいう。

(

10

)

規定の検査及び試験とは,注文の要求事項に適合しているかどうかを検証するために,実際に供給さ

れる製品について行われる検査及び試験をいう。

9.2

化学分析

a

)

管の化学分析を注文(9.7.1 参照)時に協定してもよい。

b

)

試験材の採取数は,注文時に受渡当事者間で協定しなければならない。

c

)

試験材は ISO 377 に従って採取し,試験材は,機械的性質の試験に用いた試験片又はそれと同じ位置

で管の全肉厚から取った切り粉から取らなければならない。

9.3

機械的及び実用試験

9.3.1

バッチ  特定の検査が要求されるとき,納入品はバッチに分割しなければならない。バッチは,同

一又は類似の外径,同一又は類似の厚さ,同一の種類の記号,同一の製造方法及び同一の熱処理条件の管

から構成する。


7

G 7219

:2003 (ISO 9329-1:1989)

1

バッチ当たりの管の数は,

表 によらなければならない。

  7  バッチ当たりの管の数

外径の範囲  mm

バッチ当たりの管の数(

11

                          114.3

以下

400

114.3

を超え  323.9 以下

200

323.9

を超え 100

(

11

)

バッチの残り部分は 1 バッチとみなす。

9.3.2

試験片の数  各バッチ当たり

−  引張試験片 1 本(9.7.2 参照)及び

−  へん平又は曲げ試験片若しくはリング引張試験片(9.7.3 参照)1 本を取らなければならない。

9.3.3

試験材及び試験片の選択  試験材及び試験片は,管端で ISO 377 の規定に従って採取しなければな

らない。

9.3.4

試験片の位置及び方向

a

)

引張試験用の試験片は,

管状又は JIS Z 2241 の規定に従って管の軸に対し,

長手又は周方向から取る。

製造業者の選択によって,

−  外径が 220 mm 未満の管について,試験は,管状又は管の軸に対し長手方向に取った試験片で行

う。

−  外径が 220 mm 以上の管について,試験片は,管の軸に対し周方向又は長手方向に取る。

b

)

曲げ試験用の試験片は,JIS Z 2248 の規定に従って,管から周方向に切り出したものとする。厚さが

20 mm

を超える管の試験片は周方向の,幅 38 mm 及び厚さ 19 mm の長方形でもよい。

c

)

へん平試験用の試験片は,ISO 8492 に従って,管の断面からなる。

9.4

漏れ試験

a

)

管は全数漏れ試験を行わなければならない。

b

)

注文者から特に要求がなければ,水圧試験は,製造業者の選択によって,非破壊試験で代行してもよ

い(9.7.4.2 参照)

9.5

寸法検査  管は,適切な方法で寸法を測定しなければならない。

外径は,通常直接測定する。しかし,外径が 457 mm を超える管では,周長テープで測定してもよい。

係争の際には,直接測定しなければならない。

引合い時及び注文時に他の規定がない限り,厚さは管端で測定しなければならない。

9.6

外観試験  管は,特に,8.1 及び 8.2 の規定に適合していることを確認するために,外観検査を行わ

なければならない。

9.7

試験方法及び結果

9.7.1

化学分析

a

)

注文時に協定すれば,製品分析を行わなければならない(9.3.1 及び 9.3.2 参照)

b

)

元素は,対応する規格で規定されている方法に従って求めなければならない。分光分析を行ってもよ

い。

c

)

結果は,

表 に示す許容変動値を考慮に入れて,表 の値に合致しなければならない。

9.7.2

引張試験

a

)

引張試験は,室温において JIS Z 2241 に従って行わなければならない[9.3.2 及び 9.3.4 a)参照]

b

)

引張試験において引張強さ(R

m

,耐力(R

P0.2

)又は上降伏点(R

eH

)並びに破断後の伸び(A)を求め


8

G 7219

:2003 (ISO 9329-1:1989)

なければならない。破断後の伸びは,標点距離 5.65

o

S

について報告しなければならない。ここに,

o

S

は試験片の原断面積とする。

異なる標点距離を用いる場合,ISO 2566-1 に従って標点距離 5.65

o

S

に対応した伸びを求めなけれ

ばならない。

c

)

引張試験の結果は,種類の記号に応じて

表 の値に適合しなければならない。

9.7.3

へん平又は曲げ試験若しくはリング引張試験

9.7.3.1

概要  9.7.3.29.7.3.3 又は 9.7.3.4 のいずれかの試験を行わなければならない。注文時に注文者に

よる要求がない場合,試験の選択は,製造業者による。

9.7.3.2

へん平試験

a

)

へん平試験は,ISO 8492 に従って,行わなければならない。

管の切片又は管の端をプレスで,平板の間の距離 が次の式で与えられる値に達するまで,へん平

しなければならない。

δ

δ
D

C

C

H

+

+

=

1

ここに,

H

負荷をかけたまま測定した,平板間の距離,

mm

D

管の外径,

mm

δ

管の厚さ,

mm

C

定数(

表 参照)

b

)

試験後,試験片に割れ又は破損があってはならない。ただし,端部に軽微な初期割れがあっても不合

格とはしない。

9.7.3.3

曲げ試験

a

)

曲げ試験は,JIS Z 2248 に従って行わなければならない。

b

)

試験後,試験片に割れ又はきずがあってはならない,ただし,端部に軽微な初期割れがあっても不合

格とはしない。

9.7.3.4

リング引張試験  試験は,ISO 8496 に従って行わなければならない。

9.7.4

漏れ試験

9.7.4.1

水圧試験  漏れ試験を水圧試験によって行う場合には,試験圧力は,次の式で求める。ただし,

最大

7 MPa

とする。

D

S

P

δ

×

= 20

ここに,

P

試験圧力,

MPa

D

管の外径,

mm

δ

 

管の厚さ,

mm

S

 

当該鋼種の上降伏点(

R

eH

)又は耐力(

R

P0.2

表 参照)

の規定最小値の

80

%に相当する応力,

N/mm

2

試験圧力は,少なくとも

5

秒保持しなければならない。管は,漏えいがなく,外観上変形なしに試験に

耐えなければならない。

9.7.4.2

非破壊試験  管に 9.7.4.1 で定義した水圧試験を行わない場合には,非破壊試験(9.4.2 参照),例

えば,ISO 9302 による電磁気試験又は超音波試験を行わなければならない。

参考

管の超音波試験に関する国際規格は現在準備中である。

9.8

試験の無効  試験の無効は,ISO 404 による。


9

G 7219

:2003 (ISO 9329-1:1989)

9.9

再試験  再試験は,ISO 404 による。

9.10

選別又は再処理  選別又は再処理は,ISO 404 による。

10.

表示

10.1

適用する表示  次の事項を,管の寸法に応じて管の束又は箱に添付したラベルに表示するか,若し

くは管

1

本ごとに片端部に消えないように表示しなければならない。

表示には次の事項を含まなければならない。

管の製造業者の略号

種類の記号表記と,注文で焼ならしが規定されていれば,

N

の文字を付加する

検査証明書(

IC

又は

ICP

表 参照)又は検査報告書(

IR

表 参照)が要求されているとき

は,検査実施者の表示

この規格の番号

10.2

特別表示  注文で特に指定のある場合,その他の表示を適用してもよい。

11.

保護  管は,通常は保護なし又は製造業者の通常工場で施す保護をして納入する。

特別な保護を適用するときは,引合い書及び注文書で規定しなければならない。

12.

検査文書  検査文書の発行は,9.1 によらなければならない。

13.

受渡後の苦情  受渡後の苦情は,ISO 404 による。


10

G 7219

:2003 (ISO 9329-1:1989)

附属書 A(参考)高温耐力

表 A.1 に示す値は,保証値でなく参考値にすぎない。これらは確証されておらず,将来ある時期に訂正

されよう。

 A.1  高温における 

t

p0.2

の値

単位  N/mm

2

温度  ℃

種類の記号

100 150 200 250 300 350

TS

360

185 175 165 145 120 110

TS

410

210 195 185 170 145 135

TS

430

215 200 190 175 155 140

TS

500

250 240 230 215 195 180