1
G
5525 :
200
0
解
説
解説付表 1 JIS と対応する国際規格との対比表
JIS G 5525 : 2000
排水用鋳鉄管
ISO 6594 : 1983
Cast iron drainage pipes and fittings−Spigot series
対比項目
規定項目
(I) JIS
の規定内容 (III)
国際規格の規定内容 (IV)
JIS
と国際規格との相違点 (V)
JIS
と国際規格との整合が困難な理由及
び今後の対策
(1)
適用範囲
○ 自然流下式の汚水,雑排水,雨
水及び通気の配管に使用する排
水用鋳鉄管について規定。
○ 排水及び汚水,雨水,通気に使
用する排水用鋳鉄管及び異形管
について規定。
= 適用範囲は一致する。
(2)
引用規格
○
JIS B 0202
管用平行ねじ
JIS G 1201
鉄 及 び 鋼 の 分 析
方法通則
JIS G 1214
鉄 及 び 鋼 − り ん
定量方法
JIS G 1215
鉄 及 び 鋼 − 硫 黄
定量方法
JIS G 1253
鉄 及 び 鋼 − ス パ
ー ク 放 量 発 光 分
光分析方法
JIS G 1256
鉄 及 び 鋼 − 蛍 光
X
線分析方法
JIS G 1257
鉄 及 び 鋼 − 原 子
吸光分析方法
JIS G 5501
ねずみ鋳鉄品
JIS Z 2201
金 属 材 料 引 張 試
験片
JIS Z 2241
金 属 材 料 引 張 試
験方法
○ ISO 185
Gray cast iron −
Clas-sification
≠ JIS では材質,分析試験方法,
引張試験片及び引張試験方法な
どを引用。
ISO
では材質だけを引用。
JIS
では,材質の規格以外に,試験方法な
どの規格を引用。
関係する JIS と国際規格との整合化を見な
がら今後,調整を図る。
(3)
定義
○ 主な用語の定義を規定。
−
− ISO に規定なし。
JIS Z 8301
(規格票の様式)による。
2
G
5525 :
200
0
解
説
解説付表 1 JIS と対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JIS
の規定内容 (III)
国際規格の規定内容 (IV)
JIS
と国際規格との相違点 (V)
JIS
と国際規格との整合が困難な理由及
び今後の対策
(4)
種 類 及 び 記
号
○ 接合形式別に分類して規定。
メカニカル形 1 種管 直管及
び異形管
メカニカル形 2 種管 直管及
び異形管
差込み形 RJ 管 直管及び異
形管
異形管 は形状 別に 分類し て 規
定。
○ 直管及び異形管
≠ 接合の方式,種類が異なる。
JIS
は受け口のあるタイプ
ISO
は受け口のないタイプ
JIS
と ISO では,接合方式が全く異なるた
め,基本的な整合性はない。
ISO
規格品を導入することは,国内の生産
者側の設備対応が整っていないことなど
から,現時点での採用は困難。
国内の状況,各国の状況をにらみながら,
整合化へ向けて検討を開始する。
BS
(イギリス)
:不採用
NF
(フランス)
:
DIN
(ドイツ)
:整合
ASTM
(アメリカ)
:不採用
(5)
製造方法
○ ねずみ鋳鉄に適する良質の原料
を溶解し,砂型又は金型によっ
て鋳造する。
−
− ISO に規定なし。
(6)
材質
○ JIS G 5501 の FC150 以上
○ ISO 185 の FC150 以上
= 使用できる最低限のグレードは
一致する。
(7)
化学成分
○ りん,硫黄の成分範囲を規定。
りん 0.60%以下,硫黄 0.10%以
下
○ りんの成分範囲を規定。
りん 0.9%以下,硫黄 規定なし
≠ 成分範囲が異なる。
りん、硫黄は鋳造品に有害な元素であり,
りんだけ ISO に合わせることは,りんが耐
食性・機械的性質に悪影響を与えること,
データが不足していることなどから,現時
点での採用は困難。
国内の状況・各国の状況をにらみながら,
整合化へ向けて検討を開始する。
(8)
外観
○ こぶ・きず・鋳ばり・鋳巣その
他使用上有害な欠点がなく,内
面は滑らかなこと。
○ 健全かつ寿命に影響するような
欠点のないこと。
= 表現は異なるが,内容は類似。 健全であるということでは一致するが,
JIS
はより具体的に表現している。次回改
正時に国内の状況をふまえて整合化を検
討する。
(9)
漏れ
○ 管本体は,0.35MPa の水圧又は
0.15MPa
の 空 気 圧 を 加 え た と
き,漏れのないこと。
−
− ISO に規定なし。
漏れの確認は必要。ISO との調整が必要。
3
G
5525 :
200
0
解
説
解説付表 1 JIS と対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JIS
の規定内容 (III)
国際規格の規定内容 (IV)
JIS
と国際規格との相違点 (V)
JIS
と国際規格との整合が困難な理由及
び今後の対策
(10)
圧壊強さ
○ 圧壊強さ:200N/mm
2
以上。
C
bt
Wd
.
f
×
×
=
2
56
0
○ 圧壊強さ:300N/mm
2
以上。
C
bt
t)
W(D
×
π
−
=
σ
2
3
≠ 算出式の係数が異なる。
整合しない。
算出式は異なるが,整合化は可能。
ただしデータが不足しているため,次回改
正時に算出式を含め整合化を検討する。
(11)
形状・寸法及
び許容差
○ 形状及び寸法は,付図に規定。
外径,管厚,有効長及びその許
容差を規定。
直管の曲がりの許容差を規定。
○ 形状,寸法及び質量は,表に規
定。
外径,管厚,長さ,角度,重量
及びその許容差を規定。
≠ 形状及び寸法体 系が全く異 な
る。
外径,管厚,有効長及びその許
容差が異なる。
ISO
では,異形管の角度の許容
差,重量を規定。
接合形式の違いから,形状・寸法体系は全
く異なり,現時点では整合させることは困
難である。
外径,管厚だけ ISO と整合させることも考
えられるが,管接合時や使用時に漏水など
の問題が生じることから採用は困難。
国内の状況,各国の状況をふまえ,整合化
を検討する。
(12)
塗装
○ 塗料,塗装方法及び塗装後の仕
上がり面について規定。
○ 塗料の性状について規定。
≠ 内容が異なる。
技術的内容に若干の差異があるため,表現
が異なる。次回改正時に整合化を検討す
る。
(13)
試験
○ 分析試験,引張試験,圧壊試験,
漏れ試験及び再試験を規定。
○ 寸法の測定精度,鋳造品の品質,
外観,つち打ち,切断,圧壊強
さ,表示,重量及び塗装の各項
目の試験方法を規定。
≠ 試験項目が異なるため不一致。 基本的な考え方の相違から品質を確認す
るための試験項目が一部で異なる。現時点
では整合させることは困難である。
国内の状況,各国の状況をにらみながら,
採用できるものを選択する方向で検討す
る。
(14)
検査
○ 材質,化学成分,外観,漏れ,
圧壊強さ,形状及び寸法,塗装
の各項目が各要求事項を満足す
ること。
検査頻度
管 1 本ごと:漏れ,外観,外
径,管厚
1
バッチごと:化学成分
注文者の要求がある場合:引
張強さ,圧壊強さ
○ 新しい又は改良した鋳型で製造
5
個以上の試作品がすべての
要求事項に適合すること。
鋳造品ごとに確認。
外観,つち打ち,表示,塗装。
鋳造品から無作為に抽出。
外径,管厚,鋳造品の品質,
重量,切断,圧壊強さ
試験頻度,サンプル数は,生産
量,工程,生産方法によって決
定する。
≠ 検査項目が異なるため不一致。 基本的な考え方の相違から検査項目,頻度
が一部異なる。JIS の検査頻度は,国内で
の実績をもとに決定した。現時点では整合
させることは困難である。
国内の状況,各国の状況をにらみながら,
採用できるものを選択する方向で検討す
る。
4
G
5525 :
200
0
解
説
解説付表 1 JIS と対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JIS
の規定内容 (III)
国際規格の規定内容 (IV)
JIS
と国際規格との相違点 (V)
JIS
と国際規格との整合が困難な理由及
び今後の対策
(15)
表示
○ 鋳出し,刷り込みなどによって
表示。
a)
製造年月(直管の場合)
b)
製造業者名又はその略号
c)
呼び径
d)
有効長(直管の場合)
e)
種類の記号
○ 製造業者のマーク,直管には製
造業者のマークと呼び径を 1m
ごとに表示。
可能であれば,異形管には呼び
径と必要であれば角度を鋳出し
する。
≠ 製造業者名と呼び径を表示する
ことは一致。
管の種類が異なるため,一部を除いて整合
性はない。次回改正時に整合化を検討す
る。
備考1. 対比項目(I)及び(III)の小欄で, ○ は該当する項目を規定している場合, − は規定していない場合を示す。
2.
対比項目(IV)の小欄の記号の意味は,次による。
= :JIS と国際規格との技術的内容は同等である。ただし,軽微な技術上の差異がある。
≠ :JIS は,国際規格と技術的内容が同等でない。
−
該当項目がない場合。