>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

G 5505

:2013

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  種類及び種類の記号  

2

5

  注文情報  

2

6

  製造業者の責務  

2

7

  鋳鉄品 

2

7.1

  熱処理  

2

7.2

  機械的性質  

2

7.3

  硬さ  

4

7.4

  黒鉛形状  

4

7.5

  物理的性質又は特定の機械的性質  

4

7.6

  内部の健全性  

4

7.7

  形状,寸法,寸法公差,削り代及び質量  

4

7.8

  外観  

4

7.9

  性質及び用途例  

4

8

  供試材 

4

8.1

  一般  

4

8.2

  別鋳込み供試材  

4

8.3

  本体付き供試材  

7

8.4

  切出し供試材  

8

8.5

  試験片の採取方法  

8

8.6

  試験単位の構成及び試験数  

9

9

  試験方法  

9

9.1

  引張試験  

9

9.2

  硬さ試験  

9

9.3

  物理的性質及び特定の機械的性質の試験  

9

9.4

  非破壊試験  

9

9.5

  顕微鏡組織検査  

9

10

  再試験  

10

10.1

  再試験の必要性  

10

10.2

  無効となる試験  

10

10.3

  引張試験結果の一部不適合の場合  

10

10.4

  供試材及び鋳鉄品の熱処理  

10


G 5505

:2013  目次

(2)

ページ

11

  鋳鉄品の検査  

10

12

  鋳鉄品の表示  

11

13

  鋳鉄品の報告  

11

附属書 A(参考)CV 黒鉛鋳鉄品の機械的性質及び物理的性質  

12

附属書 B(規定)CV 黒鉛鋳鉄品の黒鉛球状化率の評価 

13

附属書 C(参考)CV 黒鉛鋳鉄品の性質及び用途例  

19

附属書 D(参考)JIS,国際規格及び外国規格における種類の記号の対比表  

20

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

21


G 5505

:2013

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鋳造協会(JFSinc)及び一般財

団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 G

5505

:2013

CV

黒鉛鋳鉄品

Compacted (vermicular) graphite cast irons

序文 

この規格は,2006 年に第 1 版として発行された ISO 16112 を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,CV 黒鉛鋳鉄品(以下,鋳鉄品という。

)について規定する。

注記 CV 黒鉛鋳鉄品の CV とは,その英訳である“Compacted (vermicular) graphite cast irons”の

“compacted vermicular”の頭文字である C と V をとったものである。

この規格は,次の a)c)の供試材から採取し,機械加工した試験片に適用する。

a)

別鋳込み供試材

b)

本体付き供試材

c)

鋳鉄品から採取した切出し供試材(以下,切出し供試材という。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 16112:2006

,Compacted (vermicular) graphite cast irons−Classification(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0403

  鋳造品−寸法公差方式及び削り代方式

JIS G 5510

  オーステナイト鋳鉄品

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

JIS Z 2243

  ブリネル硬さ試験−試験方法

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS G 5510 によるほか,次による。

3.1

CV

黒鉛鋳鉄品[compacted (vermicular) graphite cast irons]


2

G 5505

:2013

二次元平面上で芋虫状のように見える黒鉛と,フェライト,フェライト/パーライト又はパーライト基

地とからなる鋳鉄品。

3.2

黒鉛 CV 化処理

鋳鉄溶湯に黒鉛球状化剤などを添加して,晶出黒鉛を芋虫状化する処理。

3.3

対象肉厚(relevant wall thickness)

機械的性質が適用される受渡当事者間で合意される鋳物の肉厚。

種類及び種類の記号 

鋳鉄品の種類は,5 種類とし,その種類の記号は,

表 による。

注記 1  鋳鉄品の性質及び用途例を附属書 に示す。

注記 2  JIS,国際規格及び外国規格における種類の記号の対比表を附属書 に示す。

表 1−種類の記号

種類の記号

FCV300 
FCV350 
FCV400 
FCV450 
FCV500

注文情報 

注文者は,次の情報を製造業者に開示しなくてはならない。

a)

表 に示す鋳鉄品の種類の記号

b)

受渡当事者間で協定した全ての要求事項

注文の承認までに,製造業者と注文者との間で協定した全ての要求事項を満たさなくてはならない。

製造業者の責務 

注文者によって指定されない限り,鋳鉄品の製造方法及び熱処理方法は,全て製造業者の判断によるも

のとし,製造業者は,それぞれの鋳鉄品の種類の要求事項を満たさなくてはならない。

鋳鉄品 

7.1 

熱処理 

鋳鉄品は,製造業者の判断で鋳放し又は熱処理状態で供給する。ただし,注文者が熱処理を要求した場

合は,受渡当事者間の協定による。本体に熱処理を施す場合は,供試材にも同一炉で同時に熱処理を施す。

この場合,鋳鉄品と同じ回数の熱処理を行う。

7.2 

機械的性質 

機械的性質は,次による。

a)

鋳鉄品の別鋳込み供試材を機械加工した試験片の機械的性質は,9.1 によって試験を行い,

表 による。

受渡当事者間の協定によって,本体付き供試材を機械加工した試験片により機械的試験を行っても


3

G 5505

:2013

よい。その場合,機械的性質は,9.1 によって試験を行い,

表 による。

表 2−別鋳込み供試材から採取した試験片による機械的性質

表示記号

a)

引張強度

R

m

N/mm

2

0.2 %  耐力

R

p0.2

N/mm

2

伸び

A

%

ブリネル硬さ範囲

HBW 10/30

(参考)

FCV300/S

300 以上 210 以上 2.0 以上 140∼210

FCV350/S

350 以上 245 以上 1.5 以上 150∼220

FCV400/S

400 以上 280 以上 1.0 以上 160∼240

FCV450/S

450 以上 315 以上 1.0 以上 170∼250

FCV500/S

500 以上 350 以上 0.5 以上 180∼260

これらの材料の値は,同等の熱特性の砂型による別鋳込み供試材に適用される。注文書で協定した修正を

条件として,それらは別の鋳造法で得られた鋳鉄品に適用できる。 
注記 1  様々な鋳造法によって得られた鋳鉄品であったとしても,その種類は,砂型又は同等の熱特性を示

す鋳型による別鋳込み供試材を機械加工した試験片によって測定した機械的性質に基づいている。

注記 2 1

N/mm

2

=1 MPa

a)

  別鋳込み供試材から機械加工した試験片を表す記号/S を,種類の記号の末尾に付ける。

表 3−本体付き供試材から採取した試験片による機械的性質

表示記号

a)

対象肉厚

t

mm

引張強度

R

m

N/mm

2

0.2 %  耐力

R

p0.2

N/mm

2

伸び

A

%

ブリネル硬さ範囲

HBW 10/30

(参考)

FCV300/U

t≦12.5 300 以上 210 以上 2.0 以上 140∼210

12.5<t≦30 300 以上 210 以上 2.0 以上 140∼210

30<t≦60 275 以上 195 以上 2.0 以上 140∼210

60<t≦200 250 以上 175 以上 2.0 以上 140∼210

FCV350/U

t≦12.5 350 以上 245 以上 1.5 以上 150∼220

12.5<t≦30 350 以上 245 以上 1.5 以上 150∼220

30<t≦60 325 以上 230 以上 1.5 以上 150∼220

60<t≦200 300 以上 210 以上 1.5 以上 150∼220

FCV400/U

t≦12.5 400 以上 280 以上 1.0 以上 160∼240

12.5<t≦30 400 以上 280 以上 1.0 以上 160∼240

30<t≦60 375 以上 260 以上 1.0 以上 160∼240

60<t≦200 325 以上 230 以上 1.0 以上 160∼240

FCV450/U

t≦12.5 450 以上 315 以上 1.0 以上 170∼250

12.5<t≦30 450 以上 315 以上 1.0 以上 170∼250

30<t≦60 400 以上 280 以上 1.0 以上 170∼250

60<t≦200 375 以上 260 以上 1.0 以上 170∼250

FCV500/U

t≦12.5 500 以上 350 以上 0.5 以上 180∼260

12.5<t≦30 500 以上 350 以上 0.5 以上 180∼260

30<t≦60 450 以上 315 以上 0.5 以上 180∼260

60<t≦200 400 以上 280 以上 0.5 以上 180∼260

注記 1  本体付き供試材から機械加工した試験片の機械的性質は,正確に鋳鉄品自体の特性を反映したもの

ではなく,別鋳込み供試材を機械加工した試験片から得られた値よりも良い近似値と思われる。参
考として,

附属書 に鋳鉄品の特性値を示す。

注記 2  厚肉部の機械的性質の減少割合は,鋳鉄品の形状及び冷却状態に依存する。 
注記 3 1

N/mm

2

=1 MPa

a)

  本体付き供試材から機械加工した試験片を表す記号/U を,種類の記号の末尾に付ける。


4

G 5505

:2013

b)

注文者が,切出し供試材を機械加工した試験片から得られる機械的性質を要求する場合は,その採取

場所及び機械的性質は,受渡当事者間の協定による。

7.3 

硬さ 

鋳鉄品の硬さは,受渡当事者間の協定による。試験は,9.2 によって行うものとする。

表 及び表 に参

考値としてブリネル硬さの範囲を示す。

7.4 

黒鉛形状 

黒鉛形状測定のための供試材は,受渡当事者間の協定による位置から採取する。

鋳鉄品のミクロ組織における黒鉛球状化率の金属組織的な決定のための有効な方法は,

附属書 による。

片状黒鉛(B.6 のタイプ I)は,鋳鉄品の表層部を除いて存在してはならない。

鋳鉄品の黒鉛球状化率は, B.4 の式(B.2)又は式(B.3)によって求め,20 %以上,70 %以下とする。ただし,

受渡当事者間の協定によって,それ以外の黒鉛球状化率又は黒鉛形状としてもよい。

黒鉛形状は,

9.4

によって行う非破壊試験又は 9.5 によって行う顕微鏡組織検査で確認するものとするが,

両者間の試験結果が異なる場合には,9.5 によって行う顕微鏡組織検査の結果を優先する。

7.5 

物理的性質又は特定の機械的性質 

物理的性質又は特定の機械的性質が必要である場合,9.3 によって試験を行い,その評価は,受渡当事者

間の協定による。

7.6 

内部の健全性 

鋳鉄品内部の健全性は,9.4 の試験を行い,使用上有害な鋳巣があってはならない。

なお,鋳鉄品内部の健全性の合否判定基準については,受渡当事者間の協定による。

7.7 

形状,寸法,寸法公差,削り代及び質量 

形状及び寸法は,図面で指定し,寸法公差,削り代及び抜け勾配は,特に指定がない場合,JIS B 0403  に

よる。鋳鉄品の質量は,受渡当事者間の協定による。

7.8 

外観 

外観は,有害なきず,鋳巣などがあってはならない。

7.9 

性質及び用途例 

鋳鉄品の性質及び用途例を,

附属書 に示す。

供試材 

8.1 

一般 

製造業者は,製造している鋳鉄品を代表する供試材を用意し,鋳鉄品と同じ材料で製作しなくてはなら

ない。

鋳鉄品の質量及び肉厚によって,3 種類の供試材(別鋳込み供試材,本体付き供試材,又は切出し供試

材)を使用することができる。

8.2 

別鋳込み供試材 

8.2.1 

供試材の採取頻度及び試験回数 

鋳鉄品を代表する供試材の採取は,製造業者による工程内品質保証手順に従った頻度で実施することが

望ましい。

製造過程の品質保証手順又は受渡当事者間の協定がない場合は,受渡当事者間の協定による頻度で,鋳

鉄品の品質を確認するために,上記供試材により少なくとも 1 回の引張試験を実施することが望ましい。

8.2.2 

供試材の採取方法 


5

G 5505

:2013

供試材の採取方法は,次による。

a)

供試材は,鋳鉄品を代表する製造方法で鋳鉄品と同時に,鋳型に別鋳込みする。

b)

別鋳込み供試材は,鋳鉄品の鋳造用鋳型と同じ熱特性をもつ鋳型を使用して鋳造する。

c)

製造業者は,鋳鉄品と類似の湯回りを再現して別鋳込み供試材を製作してもよい。

d)

別鋳込み供試材は,

図 1∼図 による。ほかに協定がない限り,製造業者が供試材を選択する。

e)

別鋳込み供試材の型ばらし温度は,

鋳鉄品の型ばらし温度と同じとし,

500  ℃を超えないものとする。

f)

黒鉛 CV 化処理がインモールド法で行われる場合は,供試材は,鋳鉄品と同じ湯道系に連結して鋳造

するか,又は鋳鉄品の製造で用いられるのと同様の処理法を供試材の鋳型内で使用して,別鋳込みす

るものとする。

g)

熱処理の必要があるならば,供試材は,鋳鉄品を代表するものとして,鋳鉄品と同じ熱処理を施さな

ければならない。

8.2.3 

供試材の形状及び寸法 

供試材の形状及び寸法は,

図 及び表 に示す Y 形 A 号∼D 号,図 及び表 に示す U 形 A 号∼D 号

並びに

図 に示すノックオフ形(Ka 形又は Kb 形)の 3 種類とする。

供試材の種類は,試験成績書に付記しなければならない。

図 1形供試材

表 4形供試材の寸法

単位  mm

寸法

各種類の大きさ

A 号

B 号

C 号

D 号

12.5

25 50 75

40  55 100 125

25 40 50 65

135 140 150 175

採用する試験片の長さによって決める。

供試材の鋳型の厚さは,A 号及び B 号では 40 mm 以上,C 号及び D 号

では 80 mm 以上とする。

薄肉鋳造品及び金型鋳造鋳物において,引張特性は供試材の厚さ 

12.5 mm 未満の供試材から機械加工した試験片で評価してもよい。


6

G 5505

:2013

a)

  号,B1 号,号及び  

b)

  B2  

図 2形供試材

表 5形供試材の寸法

単位  mm

寸法

各種類の大きさ

A 号

B1 号

B2 号

C 号

D 号

12.5 25 25 50 75

40  55 90 90 125

30 40

40 又は 50 60

65

80  100 100 150 165

採用する試験片の長さによって決める。

供試材の鋳型の厚さは,

A 号,B1 及び B2 号では 40 mm 以上,C 号及び D 号では 80 mm

以上とする。

薄肉鋳造品及び金型鋳造鋳物において,引張特性は供試材の厚さ が 12.5 mm 未満の

供試材から機械加工した試験片で評価してもよい。

a)

  Ka  b)  Kb  

図 3−ノックオフ形(Ka 形又は Kb 形)供試材の鋳型,形状及び寸法


7

G 5505

:2013

8.2.4 

機械的性質 

図 1∼図 に示す別鋳込み供試材を機械加工した試験片を用いて測定した鋳鉄品の機械的性質の最小値

は,

表 を満足しなければならない。

8.3 

本体付き供試材 

8.3.1 

試験の頻度及び数 

本体付き供試材の採取は,

製造業者による工程内品質保証手順に従った頻度で実施することが望ましい。

製造過程の品質保証手順又は受渡当事者間の協定がない場合,受渡当事者間の協定による頻度で,鋳鉄

品の品質を確認するために,上記供試材により少なくとも 1 回の引張試験を実施することが望ましい。

8.3.2 

供試材及び試験片 

試験片を機械加工する供試材は,鋳鉄品本体又は湯道系に接続して鋳造する。鋳鉄品の質量が 2 000 kg,

かつ,その肉厚が 200 mm を超える場合,受渡当事者間の協定によって,本体付き供試材の使用が望まし

い。

なお,供試材の採取位置は,受渡当事者間の協定による。

本体の鋳鉄品が熱処理を必要とする場合には,受渡当事者間に協定がある場合を除いて,熱処理を終え

るまでは供試材を本体から切り離してはならない。

8.3.3 

供試材の形状及び寸法 

本体付き供試材の形状及び寸法は,

図 及び表 に示す A 号∼D 号によるものとする。供試材の種類は,

試験成績書に付記しなければならない。

図 4−本体付き供試材


8

G 5505

:2013

表 6−本体付き供試材の寸法

単位  mm

寸法

各種類の大きさ

A 号

B 号

C 号

D 号

t

a)

t≦12.5 12.5<t≦30

30<t≦60 60<t≦200

15 25 40 70

b  最大 11  19  30  52.5 
c  最小 7.5  12.5  20  35

20∼30 30∼40 40∼65 65∼105

L

t

b) b) b) b) 

上記の寸法が採取できない場合,受渡当事者間の協定による。 
ただし,次の関係式を適用する。

b=0.75×a  及び  ca/2

a)

  は,鋳鉄品の対象肉厚である。

b)

  L

t

は,供試材から試験片を機械加工するのに必要な寸法を満足す

るように決定しなくてはならない。

8.3.4 

機械的性質 

図 の本体付き供試材から機械加工した試験片を用いて測定を行った鋳鉄品の機械的性質の最小値は,

表 を満足しなければならない。

8.4 

切出し供試材 

8.4.1 

一般 

直接鋳鉄品から切り出す,切出し供試材は,鋳鉄品の特性を代表している。

上記鋳鉄品のもつ特性に加えて,鋳鉄品の定められた位置で要求される特性は,受渡当事者間の協定に

よる。これらの特性は,鋳鉄品の特定の位置から切り出した供試材から機械加工された試験片を試験する

ことによって決定する。

8.4.2 

供試材の採取位置 

供試材は,鋳鉄品の肉厚が平均肉厚を代表する位置から採取するものとする。

供試材から機械加工できる試験片の必要な寸法を決定するために,注文者は,どこが鋳鉄品の重要な部

位であるかを製造業者に示さなければならない。注文者による指示がないときは,製造業者は,試験片の

直径を選択してもよい。

8.4.3 

試験片を機械加工するための供試材 

供試材が実体からの切出しが可能である場合は,受渡当事者は,次の a)c)で協定するものとする。

a)

供試材を採取する少なくとも 1 か所以上の鋳鉄品の場所

b)

測定すべき機械的性質

c)

b)

の機械的性質の値(

附属書 の記載項目)

8.5 

試験片の採取方法 

引張試験片の採取方法は,次による。

a)

引張試験片は,

図 又は図 の供試材の斜線を施した部分から,JIS Z 2241 の 14A 号試験片を採取し,

その数は予備を除き 1 個とする。受渡当事者間の協定によって,4 号試験片を用いてもよい。

b)

技術的な理由のために a)で指定したものと異なる直径の引張試験片を使う必要がある場合は,その標

点距離は,次の式に従う。

d

L

S

L

×

=

×

=

5

o

65

.

5

又は


9

G 5505

:2013

ここに,

L: 標点距離(mm)

S

o: 平行部の断面積(mm

2

d: 平行部の径(mm)

もし,標点距離の決定のために上記の式が適用されない場合には,受渡当事者間で試験片の大きさを協

定しなくてはならない。

8.6 

試験単位の構成及び試験数 

8.6.1 

試験単位 

試験単位は,受渡当事者間の協定による。

試験単位の例は,次のとおりである。

−  同じ取鍋から注湯された 2 000 kg までの鋳物は,取鍋全量を 1 試験単位として取り扱う。受渡当事者

間での協定によって,実用上は異なる場合がある。

−  鋳鉄品の質量が 200 kg 以上ならば,試験単位は,その単一の鋳鉄品になる。

−  黒鉛 CV 化処理が行われる溶湯が 2 000 kg 以下の場合,試験単位は,その黒鉛 CV 化処理された溶湯

が 1 試験単位となる。

注記  試験単位全体に,同一の熱処理が施された場合は,熱処理後の試験単位は同一のものとみなす

ことができる。その場合には,この試験単位の個々の部分は,独立した試験単位となる。

8.6.2 1

試験単位当たりの試験数 

供試材の準備及び試験は,箇条 8∼箇条 10 によって行う。

製造過程の品質保証体制上,複数の試験単位の機械的性質を保証できる場合は,それらの中の 1 試験単

位を上記の複数の試験単位の代表として,準備及び試験を行ってもよい。

黒鉛 CV 化処理がインモールド法で行われる場合には,試験単位の構成及び試験数は,受渡当事者間の

協定による。

試験方法 

9.1 

引張試験 

引張試験は,JIS Z 2241 による。

9.2 

硬さ試験 

硬さ試験は,ブリネル硬さとし,JIS Z 2243 による。ただし,受渡当事者間の協定によって,他の硬さ

試験法によってもよい。

同一試験片に対する硬さ試験の測定回数は,受渡当事者間の協定によって,試験片上又は鋳鉄品上の 1

か所又は数箇所とする。

なお,測定箇所が協定の対象でない場合は,製造業者がその測定箇所を選択することができる。

9.3 

物理的性質及び特定の機械的性質の試験 

物理的性質及び特定の機械的性質が必要な場合には,その試験方法は,受渡当事者間の協定による。

9.4 

非破壊試験 

非破壊試験の実施及び手法は,受渡当事者間の協定による。

9.5 

顕微鏡組織検査 

顕微鏡組織検査の検査項目は,受渡当事者間の協定による。

顕微鏡組織検査は,受渡当事者間の協定に基づき決定された,試験片上又は鋳鉄品上の 1 か所又は数箇

所において実施される。


10

G 5505

:2013

なお,検査項目及び測定箇所が協定の対象でない場合は,製造業者がその検査項目及び測定箇所を選択

することができる。

10 

再試験 

10.1 

再試験の必要性 

引張試験の結果が次の場合は,無効とし再試験を行わなければならない。

なお,再試験は,9.1 によって行い,その結果は全て 7.2 に適合しなければならない。

a)

試験片のきず又は鋳巣が試験結果に影響を及ぼしたと認める場合。

b)  10.2

の理由のために,引張試験の結果が 7.2 に適合しない場合。

c)

10.3

の理由のために,引張試験の結果が 7.2 に適合しない場合(硬さは参考値)

10.2 

無効となる試験 

引張試験は,次の場合は無効とする。

a)

試験片の取付け不良又は材料試験機の動作不良がある場合。

b)

試験片に鋳造不良又は機械加工不良による欠陥がある場合。

c)

引張試験片が標点外で破断した場合。

d)

破断後の試験片破面に明らかに鋳造欠陥が認められる場合。

上記の場合には,試験結果は,予備として保存している供試材又は同時に鋳造された供試材から機械加

工した試験片での結果に置き換える。

10.3 

引張試験結果の一部不適合の場合 

10.2

以外の理由のために,引張試験の結果の一部が規定に適合しない場合は,規定に適合しなかった試

験について,製造業者は,再試験を行うことができる。その場合の再試験は,2 回行わなければならない。

再試験結果が規定要求事項を満たす場合は,材料はこの規格に従うものとみなす。

再試験結果が規定要求事項を満たさない場合は,材料はこの規格に従わないものとみなす。

ただし,再試験 2 回分の数の試験片が採取できない場合は,受渡当事者間の協定による。

10.4 

供試材及び鋳鉄品の熱処理 

鋳放し状態でこの規格を満足できない場合は,熱処理を実施してもよい。

結果が 7.2 に適合しない原因が熱処理によるものと認めた場合は,8.1 の予備の供試材を用いて,鋳鉄品

と同じ回数の再熱処理を行い,再試験を行うことができる。

再熱処理回数は 2 回までとする。

なお,この場合は,鋳鉄品にも再熱処理を行わなければならない。

再熱処理された供試材から機械加工された試験片又は鋳鉄品によって行われた試験結果が規格を満足す

る場合は,再熱処理された鋳鉄品は,この規格に従うとみなされる。

11 

鋳鉄品の検査 

検査は,次による。

a)

機械的性質は,9.1 によって行い,7.2 に適合しなければならない。

b)

黒鉛形状の決定は,9.4 又は 9.5 によって行い,7.4 の規定に適合しなければならない。

c)

物理的性質及び特定の機械的性質は,9.3 によって試験を行い,7.5 に適合しなければならない。

d)

内部の健全性は,9.4 の試験を行い,7.6 に適合しなければならない。

e)

形状及び寸法は,7.7 に適合しなければならない。


11

G 5505

:2013

f)

外観は,7.8 に適合しなければならない。

12 

鋳鉄品の表示 

表示は,製品又は包装ごとに次の事項を表示する。

a)

種類の記号

b)

製造番号又はその略号

c)

製造業者名又はその略号

13 

鋳鉄品の報告 

製造業者は,注文者の要求がある場合,製造番号を記載した試験成績書を提出する。


12

G 5505

:2013

附属書 A

(参考)

CV

黒鉛鋳鉄品の機械的性質及び物理的性質

A.1 CV

黒鉛鋳鉄品の機械的性質及び物理的性質 

CV 黒鉛鋳鉄品の機械的性質及び物理的性質は,表 A.1 による。

表 A.1CV 黒鉛鋳鉄品の機械的性質及び物理的性質

特性

単位

温度

種類の記号

FCV300

FCV350

FCV400

FCV450

FCV500

引張強度

a)

 N/mm

2

 23

℃ 300∼375 350∼425 400∼475 450∼525 500∼575

R

m

100

℃ 275∼350 325∼400 375∼450 425∼500 475∼550

400

℃ 225∼300 275∼350 300∼375 350∼425 400∼475

0.2 %耐力

a)

 N/mm

2

 23

℃ 210∼260 245∼295 280∼330 315∼365 350∼400

R

p0.2

100

℃ 190∼240 220∼270 255∼305 290∼340 325∼375

400

℃ 170∼220 195∼245 230∼280 265∼315 300∼350

伸び A %

23

℃ 2.0∼5.0 1.5∼4.0 1.0∼3.5 1.0∼2.5 0.5∼2.0

 

 100

℃ 1.5∼4.5 1.5∼3.5 1.0∼3.0 1.0∼2.0 0.5∼1.5

400

℃ 1.0∼4.0 1.0∼3.0 1.0∼2.5 0.5∼1.5 0.5∼1.5

弾性係数

b)

 kN/mm

2

 23

℃ 130∼145 135∼150 140∼150 145∼155 145∼160

100

℃ 125∼140 130∼145 135∼145 140∼150 140∼155

400

℃ 120∼135 125∼140 130∼140 135∼145 135∼150

疲労限度比

回転曲げ 
疲労試験

 23

℃ 0.50∼0.55 0.47∼0.52 0.45∼0.50 0.45∼0.50 0.43∼0.48

引張圧縮 
疲労試験

 23

℃ 0.30∼0.40 0.27∼0.37 0.25∼0.35 0.25∼0.35 0.20∼0.30

3 点曲げ 
疲労試験

 23

℃ 0.65∼0.75 0.62∼0.72 0.60∼0.70 0.60∼0.70 0.55∼0.65

ポアソン比   0.26  0.26

0.26

密度 g/cm

3

7.0

7.0

7.0∼7.1 7.0∼7.2 7.0∼7.2

熱伝導率 W/(m・K) 23

℃ 47

43

39

38

36

100

℃ 45

42

39

37

35

400

℃ 42

40

38

36

34

熱膨張係数

μm/(m・K) 100

℃ 11

11

11

11

11

400

℃ 12.5

12.5

12.5

12.5

12.5

比熱 J/(g・K) 100

℃ 0.475

0.475

0.475

0.475

0.475

基地組織

主として

フェライト

フェライト

(一部パーラ

イトを含む。

パーライト

(一部フェラ

イトを含む。

主として

パーライト

全面

パーライト

a)

  肉厚 15 mm,モジュラス M=0.75

b)

  セカント弾性係数(200 N/mm

2

及び 300 N/mm

2

の 2 点間で測定した弾性係数。


13

G 5505

:2013

附属書 B

(規定)

CV

黒鉛鋳鉄品の黒鉛球状化率の評価

B.1 

丸み係数の定義 

丸み係数 は,球状黒鉛粒子の測定の基礎として画像解析によって測定される。

図 B.1 において,1 個の黒鉛の丸み係数 は,式(B.1)で定義される。

2

m

m

4

l

A

A

A

R

×

×

=

=

π

   (B.1)

ここに,

A

m

直径 l

m

の円の面積

A: 対象となる黒鉛粒子の面積

l

m

対象となる黒鉛粒子の長軸長さ=黒鉛粒子の外周上の 2 点間
の最大距離

図 B.1−丸み係数及び黒鉛面積比率の定義

B.2 

丸み係数による黒鉛粒子の分類 

表 B.1 に示すように,10 μm 以上の黒鉛粒子は,図 B.3 によって小結節性の球状黒鉛(B.6 のタイプ VI)

から片状黒鉛(B.6 のタイプ I)まで分類される。

分類方法としては,目視,図若しくは写真による黒鉛形状分類法,又は画像解析装置による黒鉛形状分

類法がある。

a)

目視,図又は写真による黒鉛形状分類法の場合は,

図 B.3 に基づき黒鉛形状の分類を行う。

b)

画像解析装置による黒鉛形状分類法の場合は,

表 B.1 に示す画像解析による丸み係数での黒鉛形状の

範囲に基づき,黒鉛形状の分類を行う。

表 B.1−この規格における丸み係数による黒鉛粒子の分類と形状係数

黒鉛

タイプ

形状係数

η 

画像解析による

丸み係数での

黒鉛形状の範囲

ISO

規格による丸み係数

(参考)

I 0.0  0.00∼0.10

0.425 以下

II 0.05  0.11∼0.20

III 0.20  0.21∼0.30 0.425 を超え 0.525 以下 
IV 0.40  0.31∼0.55 0.525 を超え 0.625 以下

V 0.90  0.56∼0.85 0.625 を超え 0.725 以下

VI 1.0  0.86∼1.00 0.725 を超え 1.000 以下


14

G 5505

:2013

B.3 

黒鉛形状の測定方法 

B.3.1 

一般 

黒鉛球状化率は,通常,研磨した試料の切断面を顕微鏡観察にて 100 倍に拡大して測定する。正確な測

定を行うためには,試料の研磨面は黒鉛粒子の真の大きさ及び形状を評価するのに十分な品質を必要とす

る。黒鉛球状化率は,次の手動によるポイントカウント,図による比較技法,若しくは半自動又は全自動

の画像解析で測定することができる。

B.3.2 

黒鉛形状の測定方法 

黒鉛形状の測定は,次のいずれかによる。

a)

目視,又は図及び写真による黒鉛形状分類の場合  黒鉛形状を分類する方法は,次による。

1)

顕微鏡によって直接観察する場合は,直交する線帯を刻んだガラス板を顕微鏡の接眼鏡に挿入する

などの方法を用いて,5 視野において B.2 a)に準じて黒鉛形状を分類し,各タイプ別の粒子数を測定

する。

2)

計測面の両対角線を中心にして幅 3 mm の間隔で直線を引き,その間に挟まれる両対角線帯(以下,

両対角線帯という。

)の上に載る黒鉛粒子を対象とする。ただし,長軸長さが 1 mm(実際の寸法 10

μm)未満の黒鉛粒子及び視野境界に触れている粒子は,解析に含めない。また,タイプ I の片状黒

鉛粒子及びチャンキー黒鉛,

爆発状黒鉛,

浮上黒鉛などの異常黒鉛粒子は,

対象としない

7.4 参照)

3)

両対角線帯の上に載る黒鉛粒子の数が 10 個未満の場合には,10 個以上になるように両対角線帯の

幅を広げるか,又は適当な倍率を選択する。

また,受渡当事者間の協定による標準組織写真がある場合には,これを用い,顕微鏡 5 視野の組

織を比較して B.2 a)に準じて黒鉛形状を分類し,各タイプ別の粒子数を測定してもよい。

b)

画像解析装置による分類を行う場合  黒鉛形状を分類する方法は,次による。

1)

黒鉛形状の分類は,B.2 b)に準じて行い,各タイプ別の粒子数を測定する。

2)

測定には,均一強度の照明が必要であり,5 視野以上の合計領域としては,4 mm

2

以上の領域が望

ましい。解析されるイメージによる画素サイズは 1 μm 未満でなければならない。

なお,この場合は,視野境界を除く画面上の全ての黒鉛粒子(実際の寸法 10  μm 未満を除く。

を対象にして判定してもよい。

B.4 

黒鉛球状化率の算出方法 

黒鉛球状化率の算出方法は,次のいずれかによる。

a)

目視,又は図及び写真による黒鉛球状化率の算出方法  B.3.2 a)に準じて求めた各タイプの黒鉛粒子数

を用いた黒鉛球状化率 R

sg

の算出は,

表 B.1 に示す丸み係数の代表値を形状係数とし,その値を用い

て,式(B.2)で示すように各タイプの黒鉛粒子の粒子数割合に各タイプの形状係数を乗じた値で与えら

れる。

100

All

VI

l

VI

V

k

V

IV

j

IV

III

i

III

II

h

II

I

g

I

sg

×

+

+

+

+

+

=

N

N

N

N

N

N

N

R

η

η

η

η

η

η

 ··· (B.2)

ここに,

η

I

タイプ

I

に分類する黒鉛粒子の形状係数

η

II

タイプ

II

に分類する黒鉛粒子の形状係数

η

III

タイプ

III

に分類する黒鉛粒子の形状係数

η

IV

タイプ

IV

に分類する黒鉛粒子の形状係数

η

V

タイプ

V

に分類する黒鉛粒子の形状係数

η

VI

タイプ

VI

に分類する黒鉛粒子の形状係数


15

G 5505

:2013

N

g

I

タイプ

I

に分類する黒鉛粒子の個数

N

h

II

タイプ

II

に分類する黒鉛粒子の個数

N

i

III

タイプ

III

に分類する黒鉛粒子の個数

N

j

IV

タイプ

IV

に分類する黒鉛粒子の個数

N

k

V

タイプ

V

に分類する黒鉛粒子の個数

N

l

VI

タイプ

VI

に分類する黒鉛粒子の個数

N

All

対象とする全ての黒鉛粒子の個数

ここで,式

(B.2)

の各タイプの黒鉛粒子の形状係数として

表 B.1 に示す

η

の値を代入することによっ

て,黒鉛球状化率

R

sg

は式

(B.3)

で与えられる。

100

0

.

1

90

.

0

40

.

0

20

.

0

05

.

0

0

.

0

(%)

All

VI

l

V

k

IV
j

III

i

II

h

I

g

sg

×

+

+

+

+

+

=

N

N

N

N

N

N

N

R

 ···· (B.3)

試料被検部の

5

視野について得られた結果から平均黒鉛球状化率を算出し,これをその試験片の黒

鉛球状化率とする。

b)

形状係数を用いた画像解析による黒鉛球状化率の算出方法  B.3.2 b)

に準じて求めた各タイプの黒鉛

粒子数を用いた黒鉛球状化率

R

sg

は,

表 B.1 に示す形状係数を用いて,式

(B.3)

で示す各タイプの黒鉛

粒子の粒子数割合に各タイプの形状係数を乗じた値で与えられる。

試料被検部の

5

視野について得られた結果から平均黒鉛球状化率を算出し,これをその試験片の黒

鉛球状化率とする。

B.5 CV

黒鉛鋳鉄品の典型的なミクロ組織 

CV

黒鉛鋳鉄品の典型的なミクロ組織(タイプ

V

及びタイプ

VI

の形状の球状黒鉛を

7 %

21 %

44 %

62 %

含む。

)を倍率

100

倍でもって

図 B.2 に示す。


16

G 5505

:2013

黒鉛球状化率  20 %

黒鉛タイプ(個)

黒鉛球状化率(%)

黒鉛形状分類 I

II

III

IV

V

VI

合計

NIK 法

この規格

黒鉛球状化率  20 %

24

159

187

194

41

0

605

22.3

24.6

黒鉛球状化率  40 %

黒鉛タイプ(個)

黒鉛球状化率(%)

黒鉛形状分類 I

II

III

IV

V

VI

合計

NIK 法

この規格

黒鉛球状化率  40 %

3

49

82

142

70

2

348

40.9

40.4

図 B.2−典型的な CV 黒鉛鋳鉄品のミクロ組織(×100


17

G 5505

:2013

黒鉛球状化率  55 %

黒鉛タイプ(個)

黒鉛球状化率(%)

黒鉛形状分類 I

II

III

IV

V

VI

合計

NIK 法

この規格

黒鉛球状化率  55

%  4  16 26 55 70  8 179

54.1

55.3

黒鉛球状化率  70 %

黒鉛タイプ(個)

黒鉛球状化率(%)

黒鉛形状分類 I

II

III

IV

V

VI

合計

NIK 法

この規格

黒鉛球状化率  70

% 0 3 9 68

110

19

209

75.7  70.4

注記  黒鉛タイプは,図 B.3 を参照する。

図 B.2−典型的な CV 黒鉛鋳鉄品のミクロ組織(×100)(続き)


18

G 5505

:2013

B.6 

鋳鉄の黒鉛形状の分類 

ローマ数字の

I

VI

によって区分される

6

タイプの黒鉛形状を,

図 B.3 に示す。これらは鋳鉄で見つけ

られる代表的な黒鉛形状である。

しかし,

これ以外にも時折ほかの黒鉛形状が生じることが知られている。

タイプ I

タイプ II

タイプ III

タイプ IV

タイプ V

タイプ VI

図 B.3−鋳鉄の黒鉛形状分類図

B.7 

黒鉛球状化率の測定部位 

黒鉛球状化率を求める部位は,受渡当事者間の協定による。


19

G 5505

:2013

附属書 C

(参考)

CV

黒鉛鋳鉄品の性質及び用途例

C.1 CV

黒鉛鋳鉄品の性質及び用途例 

CV

黒鉛鋳鉄品の性質及び用途例は,

表 C.1 による。

表 C.1CV 黒鉛鋳鉄品の性質及び用途例

種類の記号

性質

用途例

FCV300

高い熱伝導率及び低い弾性係数は,熱応力の蓄積
を最小化する。

フェライト基地が支配的である場合は,高温環境
下における黒鉛の成長を最小化する。

エキゾーストマニホールド 
船舶及び定置式エンジン用シリンダヘッド

FCV350

優れた延性のため,合金ねずみ鋳鉄品より高い強
度をもつ。 
球状黒鉛鋳鉄品より優れた鋳造性,鋳造歩留まり

及び切削性をもつ。

エキゾーストマニホールド 
船舶及び定置式ディーゼルエンジン用シリン
ダブロック及びヘッド

台板 
ブラケット及び連結器 
インゴット用鋳型

FCV400

強度,剛性及び高い熱伝導率並びに優れた摩耗抵
抗をもつ。

自動車用シリンダブロック及びヘッド 
台板,ブラケット及び連結器

トラック用ブレーキドラム 
ポンプ・ハウジング及び油圧部品 
インゴット用鋳型

FCV450

機械加工性は劣るものの,FCV400 より高い強度,
剛性及び摩耗抵抗をもつ。

自動車用シリンダブロック及びヘッド 
シリンダライナー

列車用ブレーキ・ディスク 
ポンプ・ハウジング及び油圧部品

FCV500

最も高い強度,最も低い延性,最も高い摩耗抵抗

及び最も低い切削性をもつ。

自動車用高強度シリンダブロック

シリンダライナー


20

G 5505

:2013

附属書 D

(参考)

JIS

国際規格及び外国規格における種類の記号の対比表

D.1 JIS

国際規格及び外国規格における種類の記号の対比表 

JIS

,国際規格及び外国規格における種類の記号の対比表は,

表 D.1 による。

表 D.1JIS,国際規格及び外国規格における種類の記号の対比表

JIS G 5505 

ISO 16112:2006 

ASTM A842-85 

SAE J1887 JUL2002 

FCV300

ISO 16112/JV/300

300

C300

FCV350

ISO 16112/JV/350

350

C350

FCV400

ISO 16112/JV/400

400

C400

FCV450

ISO 16112/JV/450

450

C450

FCV500

ISO 16112/JV/500

参考文献

ASTM A842-85

Standard Specification for Compacted Graphite Iron Castings

SAE J1887

Automotive Compacted Graphite Iron Castings


附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS G 5505:2013

  CV 黒鉛鋳鉄品

ISO 16112:2006

  Compacted (vermicular) graphite cast irons−Classification 

(I)JIS の規定

(II) 
国際
規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及び
その内容

(V)JIS と国際規格との
技術的差異の理由及び今
後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

3  用語及び
定義

3

追加

JIS

では,

“主な用語及び定義は JIS G 5510 

よる”ことを追加した。実質的な差異はない。

3.2  黒鉛 CV 化処理   3.2

黒鉛 CV 化処理

変更

ISO

規格の定義では意味不明なため,

JIS

では,

“晶出黒鉛を芋虫状化する処理”に変更した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

4  種類及び
種類の記号

4

ISO/TR 15931

による

種類の記号

変更

ISO

規格では,ISO/TR 15931 による種類の記

号を規定しているが,JIS では,我が国独自の

記号に変更した。実質的な差異はない。

ISO

規格は分類規格で,

JIS

は製品規格である。

7  鋳鉄品 7.1

熱処理

追加

ISO

規格では,製品に対する熱処理が規定され

ていないので,JIS では,熱処理に関する規格

を追加した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

7.2  機械的性質

7.1,
7.2 
及び
7.3

別鋳込み供試材,本体

付き供試材及び切出し
供試材による機械的性
質を規定

変更

JIS

では,“受渡当事者間の協定によって,本

体付き供試材を機械加工した試験片により機
械的試験を行ってもよい。”に変更した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

7.4  黒鉛形状

7.5

黒鉛形状

変更

JIS

では,黒鉛球状化率の決定方法に関する規

定を変更した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

7.5  物 理 的 性 質 又 は 特
定の機械的性質 
7.6  内部の健全性 
7.7  形状,寸法,寸法公
差,削り代及び質量 
7.8  外観 
7.9  性質及び用途例

追加

JIS

では,製品規格として必要な性能,形状,

寸法,寸法公差,削り代及び質量などに関する
規定を追加した。

ISO

規格は分類規格で,

JIS

は製品規格である。

21

G

 55

05

201

3


(I)JIS の規定

(II) 
国際
規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及び
その内容

(V)JIS と国際規格との
技術的差異の理由及び今
後の対策

箇条番号 
及び題名

内容

箇条
番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

8  供試材 8.2.2

供試材の採取方法

8.2.2

JIS

とほぼ同じ

追加

JIS

では,“製造業者は,鋳鉄品と類似の湯回

りを再現して別鋳込み供試材を製作してもよ
い。

”を追加した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

8.2.3  供試材の形状及び
寸法

 7.1

供試材の形状として三
つのオプションを規定

変更

JIS

では,各種鋳鉄品に対して我が国で一般に

使用されている形状及び寸法に変更した。ノッ
クオフ形状以外は,基本的には,技術的差異は

ない。

ISO

規格の見直しの際,

ノックオフ形状の追加提
案を行う。

8.2.4  機械的性質

7.1

一致

8.3.3 供試材の形状及び
寸法 
8.3.4  機械的性質

追加

JIS

では,別鋳込み供試材による機械的性質,

本体付き供試材の試験片の形状及び寸法並び
に機械的性質を追加した。

ISO

規格は分類規格で,

JIS

は製品規格である。

8.4.1  一般

8.4.1

JIS

とほぼ同じ

追加

JIS

では,“直接鋳鉄品から切り出す,切出し

供試材は,鋳鉄品の特性を代表している。

”を

追加した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

8.4.3 試験片を機械加工
するための供試材

 7.3

JIS

とほぼ同じ

削除

JIS

では,ISO 規格の記載項目から“切出し供

試材は,最も鋳鉄品の特性を代表している。

を削除した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

8.5  試験片の採取方法

9.1  ISO 6892 による。

変更

JIS

では,標準試験片として JIS Z 2241 の 14A

号試験片を規定したが,我が国では 4 号試験片

による多量のデータが蓄積されているため,4
号試験片も併用できるように追加した。

将来的には ISO 規格との
一致を検討する。

8.6.1  試験単位

8.5.1

試験単位の例を記載

追加

ISO

規格に記載されている試験単位は,例であ

るため,JIS では,“試験単位は,受渡当事者
間の協定による。”を追加した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

22

G

 55

05

201

3


(I)JIS の規定

(II) 
国際
規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及び
その内容

(V)JIS と国際規格との
技術的差異の理由及び今
後の対策

箇条番号 
及び題名

内容

箇条
番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

9  試験方法

9.1  引張試験

9.1

ISO 6892

による。

変更

ISO

規格では,我が国で従来から用いられてい

た試験片の種類が規定されていないため,JIS
では JIS Z 2241 による方法に変更した。

将来的には ISO 規格との

一致を検討する。

9.2  硬さ試験

9.2

ISO 6506-1

による。

変更

ISO

規格では,ブリネル硬さは受渡当事者間の

協定がある場合に実施することになっている
が,JIS では,規定項目とした。さらに,硬さ

の計算結果の丸め方も規定するために,試験方
法は JIS Z 2243 によるとした。実質的な差異は
ない。

9.3  物 理 的 性 質 及 び 特
定の機械的性質の試験 
9.4  非破壊試験 
9.5  顕微鏡組織検査

追加

JIS

では,物理的性質及び特定の機械的性質の

試験,非破壊試験並びに顕微鏡組織検査に関す
る規定を追加した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

10  再試験 10.1

再試験の必要性   10.1

JIS

とほぼ同じ

追加

JIS

では,引張試験の結果の一部が規定に適合

しない理由の基準を明確にした。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

10.3  引張試験結果の一
部不適合の場合

 10.3

JIS

とほぼ同じ

追加

JIS

では,試験片の数が足りず 2 回試験が実施

できない場合の規定を追加した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

11  鋳 鉄 品
の検査

追加

JIS

では,検査の規定を追加した。

ISO

規格は分類規格で,

JIS

は製品規格である。

12  鋳 鉄 品
の表示

追加

JIS

では,表示の規定を追加した。

ISO

規格は分類規格で,

JIS

は製品規格である。

13  鋳 鉄 品
の報告

追加

JIS

では,報告の規定を追加した。

ISO

規格は分類規格で,

JIS

は製品規格である。

附属書 A

(参考)

附属書 B

(規定)

B.1

削除 CV 黒鉛鋳鉄品の黒鉛組織の定義として,不適

格であり,この定義を用いると正しい黒鉛球状
化率を得ることが困難になるため,JIS では削
除した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

B.3.1  一般

B.2

一致

23

G

 55

05

201

3


(I)JIS の規定

(II) 
国際
規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及び
その内容

(V)JIS と国際規格との
技術的差異の理由及び今
後の対策

箇条番号 
及び題名

内容

箇条
番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

附属書 B

(規定) 
(続き)

B.1  丸み係数の定義   B.5

一致

B.2  丸み係数による黒
鉛粒子の分類

 B.6

変更

JIS

では,黒鉛粒子の分類基準を範囲により明

確にするとともに,各タイプの黒鉛形状ごと

に,丸み係数を新たに設定した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

B.3  黒鉛形状の測定方

 B.3

及び
B.4

変更

ISO

規格では,CV 黒鉛鋳鉄品の分類が不明確

であり,かつ,タイプ III の検討がされていな

いため,JIS では,黒鉛形状のタイプ別に新し
い形状係数に変更した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

B.4  黒鉛球状化率の算
出方法

 B.7

変更

ISO

規格では,CV 黒鉛鋳鉄品の黒鉛球状化率

を算出する式にタイプ III(CV 黒鉛)の黒鉛粒
子数が含まれていないため,式自体の精度が落

ちる。JIS では,新しい黒鉛球状化率の計算式
に変更した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

B.5 CV 黒鉛鋳鉄品の典
型的なミクロ組織

 B.8

変更

ISO

規格に採用されているミクロ組織の黒鉛

球状化率を測定しても,明示された数値と合致
しないので,JIS では,測定された黒鉛球状化
率が合致するミクロ組織に変更した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

B.6  鋳鉄の黒鉛形状の
分類

 B.9

変更

ISO

規格の丸み係数と図示された黒鉛形状の

大きさとは不一致であり,参考図として不適格

である。JIS では,黒鉛形状の分類を追加した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

B.7  黒鉛球状化率の測
定部位

 B.10

一致

附属
書 C

削除

ISO

規格では,パーライト系 CV 黒鉛鋳鉄品に

関して規定しており,フェライト系 CV 黒鉛鋳

鉄品を含めた CV 黒鉛鋳鉄品全般に関して記載
されたものではないため,JIS では,不採用と
した。

ISO

規格の見直しの際,

提案を行う。

附属書 C 
(参考)

附属
書 D

附属書 D 
(参考)

附属
書 E

24

G

 55

05

201

3


JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 16112:2006,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

−  一致  技術的差異がない。

−  削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

−  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

−  MOD  国際規格を修正している。

25

G

 55

05

201

3