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G 4805

:2008

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  種類及び記号 

2

4

  製造方法

2

5

  化学成分

2

6

  形状,寸法及びその許容差 

2

6.1

  標準寸法 

2

6.2

  寸法の許容差 

3

6.3

  曲がり

4

6.4

  その他の鋼材の寸法の許容差及び曲がり 

4

7

  外観

4

7.1

  外観

4

7.2

  きずの深さの許容限度及びきず取り基準 

4

8

  全脱炭層深さ 

5

9

  硬さ

6

10

  顕微鏡組織 

6

11

  マクロ組織

6

12

  非金属介在物 

6

13

  地きず

6

14

  試験

7

14.1

  分析試験 

7

14.2

  全脱炭層深さの測定 

7

14.3

  硬さ試験 

7

14.4

  顕微鏡組織試験

7

14.5

  マクロ組織試験

7

14.6

  非金属介在物試験

8

14.7

  地きず試験 

8

15

  検査

8

16

  表示

8

17

  報告

9

附属書 JA(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

10


G 4805

:2008

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄鋼

連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の

審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS G 4805:1999 は改正され,

この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 G

4805

:2008

高炭素クロム軸受鋼鋼材

High carbon chromium bearing steels

序文 

この規格は,1999 年に第 2 版として発行された ISO 683-17 を基に,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,転がり軸受に使用する高炭素クロム軸受鋼鋼材(以下,鋼材という。

)について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 683-17:1999

,Heat-treated steels, alloy steels and free-cutting steels−Part 17: Ball and roller

bearing steels (MOD)

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,修正していることを示

す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 0320

  鋼材の溶鋼分析方法

JIS G 0321

  鋼材の製品分析方法及びその許容変動値

JIS G 0404

  鋼材の一般受渡し条件

JIS G 0415

  鋼及び鋼製品−検査文書

JIS G 0553

  鋼のマクロ組織試験方法

JIS G 0555

  鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法

JIS G 0556

  鋼の地きずの肉眼試験方法

JIS G 0558

  鋼の脱炭層深さ測定方法

JIS G 3191

  熱間圧延棒鋼とバーインコイルの形状,寸法及び質量並びにその許容差

JIS G 3194

  熱間圧延平鋼の形状,寸法,質量及びその許容差

JIS Z 2243

  ブリネル硬さ試験−試験方法

JIS Z 2245

  ロックウェル硬さ試験−試験方法


2

G 4805

:2008

種類及び記号 

鋼材は 4 種類とし,その記号は

表 による。

製造方法 

鋼材の製造方法は,次による。

a)

鋼材は,溶鋼に真空脱ガス処理を行ったキルド鋼又は受渡当事者間で協定した方法によるキルド鋼か

ら製造する。

b)

鋼材は,圧延,鍛造などによって製造し,特に指定のない限り,切削用の場合には鍛錬成形比 6S 以

上,鍛造用の場合には 4S 以上とする。

c)

鋼材は,通常,球状化焼なましを行う。ただし,注文者の指定によって,球状化焼なましを省略する

ことができる。

d)

冷間加工鋼材は,熱間圧延鋼材又は熱間鍛造鋼材を使用し,冷間加工を施して供給する鋼材で,注文

者の指定によって冷間引抜き,切削,研削など,又はこれらの組合せによって製造する。

化学成分 

鋼材は,14.1 の試験を行い,その溶鋼分析値は,

表 による。

表 1−化学成分

a) b) c)

単位  %

種類の記号 C

Si

Mn

P

S

Cr

Mo

SUJ2 0.95

∼1.10 0.15∼0.35 0.50 以下 0.025 以下 0.025 以下 1.30∼1.60

d)

SUJ3 0.95

∼1.10 0.40∼0.70 0.90∼1.15 0.025 以下 0.025 以下 0.90∼1.20

d)

SUJ4 0.95

∼1.10 0.15∼0.35 0.50 以下 0.025 以下 0.025 以下 1.30∼1.60 0.10∼0.25

SUJ5 0.95

∼1.10 0.40∼0.70 0.90∼1.15 0.025 以下 0.025 以下 0.90∼1.20 0.10∼0.25

a)

不純物としての Ni 及び Cu は,それぞれ 0.25  %を超えてはならない。ただし,線材の Cu は,0.20  %以下とす

る。

b)

この表に規定のない元素は,受渡当事者間の協定がない限り,溶鋼を仕上げる目的以外に意図的に鋼に添加し
てはならない。ただし,受渡当事者間の協定によって,この表以外の元素を 0.25  %以下添加してもよい。

c)

注文者の要求によって鋼材の製品分析を行う場合は,14.1 の試験を行い,この表に対する許容変動値は,JIS G 

0321

表 による。

d)

不純物として SUJ2 及び SUJ3 の Mo は,0.08  %を超えてはならない。

形状,寸法及びその許容差 

6.1 

標準寸法 

熱間圧延丸鋼及び線材の標準径は,

表 による。


3

G 4805

:2008

表 2−標準径 

単位  mm

丸鋼(径)

線材(径)

15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 5.5  6  7  8  9

25 26 27 28 29 30 (31)

32 33 34 9.5 (10) 11 (12)

13

(35) 36 37 38 (39) 40 42 44 46 (48)

(14)

(15) 16 (17)

(18)

49  50  51 (54)

55  60 (64)

65 (66)

70  19 (20) 22 (24)

25

75 (76) 80 83 (84)

(88) 90 93 99 104

(26)

28 30 32 34

114

(119)

124

130

140

150

160

 

36

38

40

注記 1  括弧付き以外の標準径の適用が望ましい。 
注記 2  表 の線材は断面形状が円形のものをいう。また,線材はバーインコイルを含む。

6.2 

寸法の許容差 

鋼材の寸法の許容差は,熱間圧延丸鋼及び線材の場合は,熱処理の有無にかかわらず,それぞれ

表 

表 による。冷間引抜鋼材(冷間引抜丸鋼及び線)の場合は表 による。

表 3−寸法の許容差(丸鋼) 

単位  mm

径の許容差

偏径差

15

以下

±0.20 0.30 以下

 15

を超え 25 以下

±0.25 0.35 以下

 25

を超え 35 以下

±0.30 0.45 以下

 35

を超え 50 以下

±0.35 0.50 以下

 50

を超え 80 以下

±0.50 0.70 以下

 80

を超え 100 以下

±0.75 1.00 以下

 100

を超え 125 以下

a)

±1.00 1.50 以下

 125

を超え 160 以下

a)

±1.50 2.00 以下

注記  偏径差とは,鋼材の同一断面における径の最大値と最小値

との差をいう。

a)

径が 100 mm を超え,160 mm 以下の熱処理を行った丸鋼

については,この表以外の値を受渡当事者間の協定によっ
て決めてもよい。

表 4−寸法の許容差(線材) 

単位  mm

径の許容差

偏径差

15

以下

±0.30 0.40 以下

 15

を超え  25 以下

±0.40 0.50 以下

 25

を超え  35 以下

±0.40 0.50 以下

 35

を超え  40 以下

±0.40 0.50 以下


4

G 4805

:2008

表 5−寸法の許容差(冷間引抜鋼材) 

単位  mm

冷間引抜丸鋼

冷間引抜線

径の許容差

偏径差

径の許容差

偏径差

15

以下

±0.05 0.05 以下

2

以下

±0.02 0.02 以下

 15

を超え 25 以下

±0.10 0.10 以下

  2

を超え  7 以下

±0.03 0.03 以下

 25

を超え 35 以下

±0.15 0.15 以下

  7

を超え 15 以下

±0.04 0.04 以下

15

を超え 20 以下

±0.05 0.05 以下

注記  冷間引抜線は,断面形状が円形のものをいう。

6.3 

曲がり 

鋼材の曲がりの許容値は,切削用熱間圧延丸鋼及び冷間引抜丸鋼の場合は,熱処理の有無にかかわらず

表 による。また,鍛造用丸鋼の場合には,実用的にまっすぐでなければならない。

表 6−曲がりの許容値 

単位  mm

切削用熱間圧延丸鋼

冷間引抜丸鋼

許容値

許容値

100

以下

1 000

につき 1.5 以下とし,全長に対しては

1.5

×全長/1 000 以下とする。

100

を超え

160

以下

1 000

につき 2.0 以下とし,全長に対しては

2.0

×全長/1 000 以下とする。

35

以下 1

000

につき 1.0 以下とし,全長に対しては

1.0

×全長/1 000 以下とする。

6.4 

その他の鋼材の寸法の許容差及び曲がり 

6.2

及び 6.3 に規定した以外の鋼材の寸法の許容差及び曲がりは,受渡当事者間の協定による。

外観 

7.1 

外観 

鋼材は仕上げ良好で使用上有害なきずがあってはならない。ただし,コイル状で供給される鋼材は,一

般に検査によって全長にわたるきずの検出は困難であり,また,その除去の機会がないため,正常でない

部分を含むことがある。したがって,正常でない部分の取扱いについては,受渡当事者間の協定による。

7.2 

きずの深さの許容限度及びきず取り基準 

7.2.1 

切削用熱間圧延丸鋼 

切削用熱間圧延丸鋼のきず取りは,通常行わない。行う場合のきず取り基準は,受渡当事者間の協定に

よる。切削用熱間圧延丸鋼の表面からのきずの深さの許容限度は,

表 による。


5

G 4805

:2008

表 7−きずの深さの許容限度 

単位  mm

表面からのきずの深さ

25

以下

0.40

以下

 25

を超え 35 以下

0.50

以下

 35

を超え 50 以下

0.60

以下

 50

を超え 80 以下

0.80

以下

 80

を超え 100 以下

1.00

以下

 100

を超え 125 以下

1.20

以下

 125

を超え 160 以下

1.40

以下

7.2.2 

鍛造用熱間圧延丸鋼 

鍛造用熱間圧延丸鋼のきず取りは滑らかに行い,表面からのきず取り深さの許容限度は,呼称寸法の

3

%以下(ただし,最大 5 mm)とする。

また,きず取り跡の幅の合計は,同一断面において周の 1/4 以下とする。ただし,寸法許容差内にある

きず取り部分は,きず取り跡とはみなさない。

残存きずの許容限度については,受渡当事者間の協定による。

7.2.3 

その他の鋼材 

7.2.1

及び 7.2.2 に規定した以外の鋼材の表面からのきずの深さの許容限度及びきず取り基準については,

受渡当事者間の協定による。

全脱炭層深さ 

球状化焼なましを行った切削用熱間圧延丸鋼及び冷間引抜鋼材は,14.2 の試験を行い,その全脱炭層深

さの許容限度は,それぞれ

表 又は表 による。また,表 及び表 以外の鋼材の全脱炭層深さの許容限

度は,受渡当事者間の協定による。

表 8−全脱炭層深さの許容限度(切削用丸鋼) 

単位  mm

表面からの全脱炭層深さ

25

以下 0.40 以下

 25

を超え 35 以下 0.50 以下

 35

を超え 50 以下 0.60 以下

 50

を超え 80 以下 0.80 以下

 80

を超え 100 以下 1.00 以下

 100

を超え 125 以下 1.20 以下

 125

を超え 160 以下 1.40 以下

表 9−全脱炭層深さの許容限度(冷間引抜鋼材) 

単位  mm

冷間引抜丸鋼

冷間引抜線

表面からの全脱炭層深さ

表面からの全脱炭層深さ

15

以下 0.20 以下

7

以下

0.05

以下

15

を超え 25 以下 0.25 以下

7

を超え 15 以下

0.08

以下

25

を超え 35 以下 0.30 以下 15 を超え 20 以下

0.10

以下


6

G 4805

:2008

硬さ 

球状化焼なましを行った切削用熱間圧延鋼材は,14.3 の試験を行い,その硬さは,

表 10 のいずれかによ

る。また,冷間引抜鋼材の硬さ及び鍛造用鋼材の低温焼なまし硬さは,受渡当事者間の協定による。

表 10−球状化焼なまし硬さ(切削用圧延鋼材) 

硬さ

種類の記号

HBW HRB

SUJ2

,SUJ4 201 以下 94 以下

SUJ3

,SUJ5 207 以下 95 以下

10 

顕微鏡組織 

鋼材の顕微鏡組織は,注文者の指定がある場合に,14.4 の試験を行い,その組織は次による。ただし,

組織の判定基準については,受渡当事者間の協定による。

a)

球状化焼なましを行った鋼材の顕微鏡組織は,炭化物の球状化が十分で,かつ,分布がほぼ均一であ

って,有害なしま状偏析,巨大な炭化物などの欠点をもつものであってはならない。

b)

鍛造用鋼材の顕微鏡組織には,濃厚なしま状偏析,巨大な炭化物などの欠点があってはならない。

11 

マクロ組織 

鋼材のマクロ組織は,注文者の指定がある場合に,14.5 の試験を行い,その組織には,パイプ,毛割れ,

もめ割れ,気泡などの欠点,過度の偏析,樹枝状晶,ピット及び多孔質があってはならない。この組織の

判定基準については,受渡当事者間の協定による。

12 

非金属介在物 

鋼材は,14.6 の試験を行い,その清浄度は,

表 11 による。

表 11−清浄度 

非金属介在物の種類

清浄度

A

系 0.15

%以下

B

系+C 系 0.05

%以下

A

系+B 系+C 系 0.18

%以下

13 

地きず 

鋼材は,注文者の指定がある場合,14.7 の試験を行い,その地きず数は,

表 12 による。ただし,長さ

4.0 mm

を超える地きずがあってはならない。また,径が 160 mm を超える鋼材の地きず数については,受

渡当事者間の協定による。

なお,線材及び径が 15 mm 以下の鋼材には,地きず試験は適用しない。

表 12−地きず数 

地きず長さ

 mm

地きず数(各段について)

0.5

を超え 1.0 以下 5.0 以下

1.0

を超え 2.0 以下 1.0 以下

2.0

を超え 4.0 以下 0.5 以下


7

G 4805

:2008

14 

試験 

14.1 

分析試験 

分析試験は,次による。

a)

化学成分は,溶鋼分析によって求め,分析試験の一般事項及び溶鋼分析試料の採り方は,JIS G 0404

の 8.(化学成分)による。

b)

製品分析試料の採り方は,JIS G 0321 の 4.(分析用試料採取方法)による。

c)

溶鋼分析の方法は,JIS G 0320 による。製品分析の方法は,JIS G 0321 による。

14.2 

全脱炭層深さの測定 

全脱炭層深さの測定は,次による。

a)

供試材の採り方及び試験片の数は,球状化焼なましを行った鋼材の場合は

表 13 による。ただし,冷間

引抜鋼材及び球状化焼なまし以外の鋼材の場合は,受渡当事者間の協定による。

b)

測定方法は,JIS G 0558 による。ただし,特に指定がない場合,JIS G 0558 に規定する測定方法のう

ち,顕微鏡による測定方法を適用する。

表 13−供試材の採り方及び試験片の数 

試験名

供試材の採り方及び試験片の数

全脱炭層深さの測定 
硬さ試験 
顕微鏡組織試験

a)

同一溶鋼,同一径群

b)

及び同一焼なましごとに,バッチ炉の場合は一つ

の供試材を,連続炉の場合は 50 トンごと及びその端数につきそれぞれ
一つの供試材を採り,それぞれの供試材から 1 個の試験片を採る。

マクロ組織試験

a)

非金属介在物試験 
地きず試験

a)

同一溶鋼及び同一径群

b)

ごとに鋼材から一つの供試材を採り,そこから

1

個の試験片を採る。

a)

顕微鏡組織試験,マクロ組織試験及び地きず試験は,指定された場合に適用する。

b)

同一径群とは,熱間圧延丸鋼の場合は

表 3,熱間圧延線材の場合は表 の径区分範囲をい

い,径が 160 mm を超えるものについては,受渡当事者間の協定による。冷間引抜鋼材の
場合は,

表 の径区分範囲をいう。

14.3 

硬さ試験 

硬さ試験は,次による。

a)

供試材の採り方及び試験片の数は,球状化焼なましを行った切削用熱間圧延鋼材の場合には,

表 13

による。切削用熱間圧延鋼材以外の鋼材の場合には,受渡当事者間の協定による。

b)

試験方法は,JIS Z 2243 又は JIS Z 2245 による。

14.4 

顕微鏡組織試験 

顕微鏡組織試験は,次による。

a)

供試材の採り方及び試験片の数は,

表 13 による。

b)

鋼材の試験方法は,鋼材の軸を含む縦断面を被検面として,直径方向に顕微鏡組織を観察する。ただ

し,径 15 mm 以下の鋼材については,横断面を被検面とすることができる。

なお,輪状に削り出す鋼材の場合,中心部(直径の 25  %の円内)については,この試験を行わな

くてもよい。

14.5 

マクロ組織試験 

マクロ組織試験は,次による。

a)

供試材の採り方及び試験片の数は,

表 13 による。


8

G 4805

:2008

b)

試験方法は,JIS G 0553 による。

14.6 

非金属介在物試験 

非金属介在物試験は,次による。

a)

供試材の採り方及び試験片の数は,

表 13 による。

b)

試験方法は,特に指定のない限り,JIS G 0555 

附属書 による。

14.7 

地きず試験 

地きず試験は,次による。

a)

供試材の採り方及び試験片の数は,

表 13 による。

b)

試験は,供試材を

表 14 の一段直径に削り,JIS G 0556 によって,表 12 の同一地きず長さ区分に属す

る地きず数を試験面積 100 cm

2

当たりの数に換算して調べる。

表 14−段削り寸法

a)

単位  mm

熱間圧延丸鋼

冷間引抜鋼材

径 D

一段直径

二段直径

三段直径

各段の長さ

径 D

一段直径

一段の長さ

 15

を超え 25 以下

D

−2.0

− 63.6

 25

を超え 50 以下

D

−2.5

D

×1/2

− 63.6

 50

を超え 70 以下

D

−3.0

D

×1/2

− 63.6

 70

を超え 100 以下

D

−3.0

D

×2/3

D

×1/3 63.6

 100

を超え 160 以下

D

−4.0

D

×2/3

D

×1/3 63.6

15

を超え 35 以下

D

−1.0 63.6

二段直径及び三段直径の地きず試験は,特に指定された場合に行う。

a)

径が 160 mm を超える鋼材については,受渡当事者間の協定による。

15 

検査 

検査は,次による。

a)

検査の一般事項は,JIS G 0404 による。

b)

化学成分は,箇条 に適合しなければならない。

c)

形状,寸法は,箇条 に適合しなければならない。

d)

外観は,箇条 に適合しなければならない。

e)

全脱炭層深さは,箇条 に適合しなければならない。

f)

硬さは,箇条 に適合しなければならない。

g)

非金属介在物は,箇条 12 に適合しなければならない。

なお,用途によって,b)g)の検査の一部は,受渡当事者間の協定によって省略することができる。

h)

顕微鏡組織は,注文者の指定がある場合に適用し,箇条 10 に適合しなければならない。

i)

マクロ組織は,注文者の指定がある場合に適用し,箇条 11 に適合しなければならない。

j)

地きずは,注文者の指定がある場合に適用し,箇条 13 に適合しなければならない。

16 

表示 

検査に合格した鋼材は,結束ごとに次の項目を適切な方法によって,表示しなければならない。ただし,

径,対辺距離又は厚さが 30 mm を超える鋼材は,注文者の要求によって,鋼材ごとに表示してもよい。

なお,受渡当事者間の協定によって,次の項目の一部を省略することができる。


9

G 4805

:2008

a)

種類の記号

b)

溶鋼番号又はこれ以外の製造番号

c)

製造業者名又はその略号

d)

寸法。寸法の表し方は,JIS G 3191 及び JIS G 3194 による。

17 

報告 

報告は,JIS G 0404 の 13.(報告)による。ただし,注文時に特に指定がない場合は,検査文書の種類は

JIS G 0415

表 1(検査文書の総括表)の記号 2.3(受渡試験報告書)又は 3.1.B(検査証明書 3.1.B)とす

る。

また,顕微鏡組織,マクロ組織及び地きずについての報告は,受渡当事者間の協定による。


10

G 4805

:2008

附属書 JA

(参考)

JIS

と対応する国際規格との対比表

JIS G 4805:2008

  高炭素クロム軸受鋼鋼材

ISO 683-17:1999

,Heat-treated steels, alloy steels and free-cutting steels−Part 17: Ball

and roller bearing steels

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び名称

内容

(Ⅱ) 
国際

規格
番号

箇条
番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

1

適 用 範

転 が り 軸 受 に 使 用 す る
高 炭 素 ク ロ ム 軸 受 鋼 鋼
材について規定。

 1

ずぶ焼入軸受鋼(高炭素クロ
ム鋼)

,肌焼軸受鋼(合金鋼),

高周波焼入軸受鋼(炭素鋼及

び合金鋼),ステン レス軸 受
鋼,高温用軸受鋼

削除

JIS

は高炭素クロム鋼の軸受鋼

に限定,ISO 規格は左記の 5 種
類の異 なった 成分 系の軸 受 鋼

を規定している。

JIS

の軸受鋼は,現状では成分系が

高炭素クロム鋼のこの規格だけ。
ずぶ焼入軸受鋼以外の軸受鋼も国

内では製造されているが,規格は
他の規格からの転用である。当面,

ISO 683-17

と整合化させるのは高

炭素クロム軸受鋼に限って行う。

2

引 用 規

3

種 類 及

び記号

JIS

記号体系による。

高炭素クロム軸受鋼の 4

種類を規定。

 1

ISO

記号体系による。

計 33 種類を規定。

JIS

ISO 規格の記号体系が異な

る。

各国は,それぞれの記号体系をも
ち,それらはその市場に定着して

いる。2003 年に制定された ISO/TS 

4949

は,各国それぞれの記号体系

によることを認めている。

4

製 造 方

・真空脱ガス処理キルド

鋼,協定によるキルド鋼

・鍛錬成形比:圧延,鍛
造などで切削用 6S 以上,
鍛造用 4S 以上

・通常,球状化焼なまし

 5.1

製造業者に一任。ただし,熱
処理及び受渡し時の表面状態

並びに溶鋼番号が明確でなけ
ればならない。

変更

ISO

規格は脱ガス処理及びキル

ド鋼に触れていないが,JIS 

規定している。

JIS

は鍛錬成形比を規定。

製造鋼種からみて,ISO 規格にお
いても脱ガス処理及びキルド鋼で

製造されるためほぼ同じである。

10

G

 48

05

200

8


11

G 4805

:2008

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号

及び名称

内容

(Ⅱ) 
国際
規格

番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

5

化 学 成

4

種類の鋼種の化学成分

を規定。

 5.2

ずぶ焼入軸受鋼 8 種類。肌焼

軸受鋼 13 種類。高周波焼入軸
受鋼,ステンレス軸受鋼及び
高温用軸受鋼各 4 種類,計 33

種類を規定。

削除

JIS

は高炭素クロム軸受鋼だけ

4

鋼種を規定。ISO 規格は 5 種

類の成分系の異なる軸受鋼,計

33

鋼種の化学成分を規定して

いる。

高炭素クロム軸受鋼については,

ISO 5

鋼種のうち,2 鋼種が JIS 

対応している。特に SUJ2 及びその
対応鋼種は世界的に最もはん(汎)

用性があり,使用されている。

6

  形状,

寸 法 及 び

そ の 許 容

標準寸法,寸法許容差及
び 偏 径 差 , 曲 が り を 規

定。

 5.6

引合い及び発注時に協定され
た要求事項に合致すること。

変更

商習慣の違い。JIS はあらかじ
め形状,寸法及びその許容差に

ついて具体的に規定している。

ISO

規格は,注文時に合意した要

求事項はできる限り,対応国際規

格又は適切な国家規格によらなけ
ればならないとしており,実質上,

JIS

ISO

規格間に大きな差はない。

7

外観

外観,きずの深さの許容
限 度 及 び き ず 取 り 基 準

を規定。

 5.5

表面が良好な仕上げがなされ
ていること。きずのないこと。

変更

ISO

規格は全表面から機械加工

又は研 磨によ って 表面脱 炭 及

び表面 欠陥を 除去 するに 十 分
な大き さで注 文す ると規 定 し
ている。

JIS

ISO 規格間の差は,規格に規

定するか,協定によるかの違いだ

けであり,実質的には大きな差は
ない。

8

全 脱 炭

層深さ

全 脱 炭 層 深 さ に つ い て
規定。

 5.5

表 面 脱 炭 が あ っ て は な ら な
い。

追加

同上

同上

9

硬さ

硬さについて規定(球状
化 焼 な ま し な ど の 熱 処
理後の硬さ)

 5.2

軸受鋼の種類によって異なる
が,最高硬さと硬さの範囲を
規定。

削除

高炭素 クロム 鋼の 熱処理 条 件
で比較する最大硬さは JIS とほ
ぼ同等の値となっている。

高炭素クロム鋼の熱処理条件で比
較する限りほぼ同等の条件で差異
はない。

10

顕微鏡

組織

注 文 者 の 指 定 が あ る 場
合 の 顕 微 鏡 試 験 に つ い
て規定。

 5.3

肌焼鋼,高周波焼入鋼ではオ
ー ス テ ナ イ ト 結 晶 粒 度 を 規
定。球状化焼なまし材は炭化

物の球状化と分布。

変更

高炭素クロム鋼に限れば,試験
内容はほぼ同じである。

ISO

規格も注文者の指定がある

場合だけ行う。

高炭素クロム鋼の熱処理条件で比
較する限り,ほぼ同等の条件で差
異はない。

11

マクロ

組織

注 文 者 の 指 定 が あ る 場

合 の マ ク ロ 組 織 に つ い
て規定。

 5.4

マクロ組織で非金属介在物を

観察する(追加又は特別要求
事項)

削除

ISO

規格は注文者の指定がある

場合マ クロ組 織で 非金属 介 在
物を観察している。

JIS

と ISO 規格で検査対象がやや

異なるが,この試験は注文者の指
定がある場合だけであり,しかも
最近の品質の大幅な向上によって

マクロ組織検査は行わない方向に
あるため特に問題ない。

11

G

 48

05

200

8


12

G 4805

:2008

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号

及び名称

内容

(Ⅱ) 
国際
規格

番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

12

非金属

介在物

非 金 属 介 在 物 に つ い て

規定。

 5.4

顕微鏡による非金属介在物検

査(追加又は特別要求事項)。

変更

JIS

ISO 規格ともに具体的な数

値を規定,

ISO

規格は標準図法,

JIS

は点算法と異なる。

評価方法は異なるものの,介在物

の検査手法はほぼ同じである。い
ずれも JIS G 0555 に規定されてい
るため,特に問題ない。

13

地きず

注 文 者 の 指 定 が あ る 場
合 の 地 き ず に つ い て 規
定。

追加

JIS

だけ規定。ISO 規格には地

きず試験はない。

地きずは注文者の指定がある場合
のみであり,大きな差異はない。

14

試験

分析試験 
全脱炭層深さ

硬さ 
顕微鏡組織 
マクロ組織

非金属介在物 
地きず

分析試験 
表面脱炭

硬さ 
オーステナイトの結晶粒度 
顕微鏡組織(炭化物の球状化,

炭化物分布) 
マクロ組織(介在物) 
非金属介在物(顕微鏡)

変更

ほぼ試験内容は同じであるが,

JIS

は ISO 規格にない地きず試

験,ISO 規格は JIS にないオー
ステナイト結晶粒度試験(追加
又は特別要求事項として規定)

がある。

JIS

の地きず試験は,指定があった

場合だけ,一方,ISO 規格のオー

ステナイト結晶粒度試験も追加又
は特別要求事項として規定してお
り,指定があった場合だけに行う。

したがって,実質上の試験・検査
項目は,JIS は ISO 規格とも差異
はない。

15

検査

化学成分,形状,寸法,
外観(含むきずの深さの
許 容 限 度 及 び き ず 取 り

基準),全脱炭層深さ,
硬さ,非金属介在物,顕
微鏡組織,マクロ組織及

び地きず

 6

6.2.1

6.2.2

6.2.5

6.2.4

6.2.3

検査,試験及び製品の適合性
一般試験の量,採取及び試験
条件

化学成分 
寸法検査 
表面品質検査

焼入性の実証及び硬さ

変更

上記の 地きず 試験 オース テ ナ
イト結晶粒度試験が JIS と ISO
規格の 検査項 目と して異 な る

が,他はほぼ同じである。

同上

16

表示

種類の記号,溶鋼番号,

製造業者名,寸法

 7

受渡当事者間の協定による。

変更

JIS

は,具体的に規定している。

ISO

規格は,受渡当事者間の協

定による。

規格に規定するか,協定によるか

の違いだけであり,実質上,JIS 

ISO

規格間に差異はない。

17

報告

基 本 的 な 報 告 様 式 を 規

定。

 6.1

受渡当事者間の協定による。

変更

JIS

は,具体的に規定している。

ISO

規格は,受渡当事者間の協

定による。

JIS

は JIS G 0404 によっており,

ISO

規格と実質的な差異はない。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 683-17:1999,MOD

12

G 4

8

0

5


200

8


13

G 4805

:2008

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    −  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD 国際規格を修正している。

13

G

 48

05

200

8