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日本工業規格

JIS

 G

4314

-1994

ばね用ステンレス鋼線

Stainless steel wires for springs

1.

適用範囲  この規格は,ばね用ステンレス鋼線(以下,線という。)について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS G 4308

  ステンレス鋼線材

JIS Z 2201

  金属材料引張試験片

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

2.

この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO/DIS 6931-1 : 1992

  Stainless steels for springs, Part 1 : Wire

2.

種類の記号,調質及び分類  線の種類は,5 種類とし,種類の記号,調質及び分類は,表 による。

表 1  種類の記号,調質及び分類

種類の記号

調質

分類

区分

記号

SUS 302

A

種 -WPA

オーステナイト系

B

種 -WPB

SUS 304

A

種 -WPA

B

種 -WPB,

-WPBS(

1

)

D

種 -WPDS(

1

)

SUS 304N1

A

種 -WPA

B

種 -WPB

SUS 316

A

種 -WPA

SUS 631J1

C

種 -WPC

析出硬化系

(

1

)

記号の末尾の S は,真直性を必要とする線を表す。

備考  真直性を必要とする線の種類及び調質は,SUS 304 の B 種及

び D 種とする。 

3.

機械的性質  線の機械的性質は,次による。

(1)

線は,9.1 の試験を行い,その引張強さは,

表 による。


2

G 4314-1994

表 2  引張強さ

線径

mm

引張強さ  N/mm

2

A

B

C

D

SUS 302-WPA

SUS 304-WPA

SUS 304N1-WPA

SUS 316-WPA

SUS 302-WPB

SUS 304-WPB

SUS 304-WPBS(

2

)

SUS 304N1-WPB

SUS 631J1-WPC(

3

) SUS

304-WPDS

 0.080

 0.090

1 650

∼1 900

2 150

∼2 400

0.10

0.12

0.14

0.16

0.18

0.20

1 950

∼2 200

0.23

0.26

1 600

∼1 850

2 050

∼2 300

1 930

∼2 180

0.29

0.32

0.35

0.40

1 700

∼2 000

0.45

0.50

0.55

0.60

1 950

∼2 200

1 850

∼2 100

1 650

∼1 950

0.65

0.70

1 530

∼1 780

1 850

∼2 100

1 800

∼2 050

1 550

∼1 850

0.80

0.90

1 550

∼1 800

1.00 1

500

∼1 750

1.20 1

450

∼1 700

1 750

∼2 000

1 700

∼1 950

1 470

∼1 720

1.40 1

420

∼1 670

1.60 1

400

∼1 650

1 650

∼1 900

1 600

∼1 850

1 370

∼1 620

1.80

2.00

2.30

2.60

1 320

∼1570 1

550

∼1 800

1 500

∼1 750

2.90

3.20

3.50

4.00

1 230

∼1 480

1 450

∼1 700

1 400

∼1 650

4.50

5.00

5.50

6.00

1 100

∼1 350

1 350

∼1 600

1 300

∼1 550


3

G 4314-1994

線径

mm

引張強さ  N/mm

2

A

B

C

D

SUS 302-WPA

SUS 304-WPA

SUS 304N1-WPA

SUS 316-WPA

SUS 302-WPB

SUS 304-WPB

SUS 304-WPBS(

2

)

SUS 304N1-WPB

SUS 631J1-WPC(

3

) SUS

304-WPDS

6.50

7.00

8.00

1 000

∼1 250

1 270

∼1 520

9.00

− 1

130

∼1 380

10.0

  980

∼1 230

12.0

  880

∼1130

(

2

) SUS

304-WPBS

の適用線径範囲は,0.29∼1.60 mm とする。

(

3

) SUS 631J1-WPC

は,受渡当事者間の協定によって,析出硬化熱処理(470±

10

℃,1 時間加熱後空冷)後の試験片について引張試験を行った場合,引張

強さの増加は,250 N/mm

2

以上なければならない。

備考1.  中間にある線径については,それより大きい線径の値を用いる。

2.

線 1 コイルの引張強さのばらつきは,

原則として

表 の引張強さの範囲の

2

1

以内とする。 

(2)

線径 0.50 mm 以上 4.0 mm 以下の線は,注文者の指定がある場合,9.2 の試験を行い,そのねじれの状

況及び破断面の状況は,

表 による。

表 3  ねじれの状況及び破断面の状況

ねじれの状況

破断後,表面に有害なきずがあってはならない。

破断面の状況

破断面は,線軸に直角で,きず,割れなどがあってはならない。

4.

真直性  SUS 304-WPBS 及び SUS 304-WPDS の線は,9.3 の試験を行い,その真直性は,表 による。

表 4  真直性

単位  mm

線径

真直性

山の高さ

弦長

0.29

以上 0.45 以下

5

以下 200

 0.45

を超え 1.60 以下

4

以下 200

5.

線径,線径の許容差及び偏径差  線は,9.4 の試験を行い,その線径,線径の許容差及び偏径差は,次

による。

(1)

線径の範囲は,A 種は 0.080∼8.00 mm, B 種は 0.080∼12.0 mm 及び C 種は 0.10∼6.00 mm とし,SUS

304-WPBS

及び SUS 304-WPDS は,0.29∼1.60 mm とする。

線の標準線径は,

表 による。

表 5  標準線径

単位  mm

0.080

0.090

0.10 0.12 0.14 0.16 0.18 0.20 0.23

0.26

0.29

0.32 0.35 0.40 0.45 0.50 0.55 0.60 0.65 0.70

0.80

0.90

1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00 2.30 2.60 2.90

3.20

3.50

4.00 4.50 5.00 5.50 6.00 6.50 7.00 8.00 9.00 10.0 12.0


4

G 4314-1994

(2)

線径の許容差及び偏径差は,

表 による。

表 6  許容差及び偏径差

単位  mm

線径

許容差

偏径差(

4

)

 0.080

以上

0.20

以下

±0.005 0.005 以下

 0.20

を超え

0.40

以下

±0.008 0.008 以下

 0.40

を超え

0.80

以下

±0.010 0.010 以下

 0.80

を超え

1.60

以下

±0.015 0.015 以下

 1.60

を超え

3.20

以下

±0.020 0.020 以下

 3.20

を超え

6.00

以下

±0.025 0.025 以下

 6.00

を超え 10.0

以下

±0.035 0.035 以下

10.0

を超え 12.0

以下

±0.05 0.05

以下

(

4

)

偏径差は,同一断面における線径の最大値と最
小値との差で表す。

備考  表 の許容差は,受渡当事者間の協定によって,

プラス側又はマイナス側を制限することができ
る。ただし,この場合の全許容差範囲は,

表 6

の全許容差範囲に等しいものとする。 

6.

外観及び形状  線の外観及び形状は,次による。

(1)

線は,使用上有害な外観上の欠陥があってはならない。

(2)

線は,使用上有害な線ぐせがあってはならない。

7.

材料  線の製造に用いる材料は,JIS G 4308 の線材とする。

8.

製造方法  線の製造方法は,固溶化熱処理を行った後,強度の伸線を行う。真直性を必要とする線は,

伸線後,矯正を行う。

また,注文者の指定がある場合,ばね成形に適した被覆を行う。

9.

試験

9.1

引張試験

9.1.1

供試材及び試験片の採り方  供試材及び試験片の採り方は,同一溶鋼,同一線径,同一熱処理,同

一減面率で加工したロットについて,10 コイル(10 コイルの質量が 500 kg に満たない場合は,500 kg)又

はその端数を一組とし,各組から任意に 1 コイルを抜き取り,その片端から試験片 1 個を採取する。

9.1.2

試験片  試験片は,JIS Z 2201 の 9A 号試験片とする。

9.1.3

試験方法  試験方法は,JIS Z 2241 による。ただし,試験温度は 20±5  ℃を標準とし,引張速度

は,

表 による。

表 7  引張速度

線径

mm

引張速度(平均応力増加率)

N/mm

2

・ s

0.080

以上

1.00

以下

100

以下

1.00

を超え

5.00

以下

 70

以下

5.00

を超え 12.0 以下

50

以下


5

G 4314-1994

9.2

ねじり試験

9.2.1

供試材及び試験片の採り方  供試材及び試験片の採り方は,受渡当事者間の協定による。

9.2.2

試験方法  伸線のままの試験片の両端を線径の 50 倍又はその倍数のつかみ間隔において固くつか

み,たわまない程度に緊張しながら,その一方を同一方向に回転して破断し,そのときのねじれの状況及

び破断面の状況を調べる。

9.3

真直性試験  線を規定された弦長以上の長さに切断し,規定された弦長に対する山の高さを図 

ようにして測る。

図 1  山の高さの測り方

9.4

線径の測定  線径の測定は,マイクロメータなどを用い,線の任意の箇所について行う。

10.

検査  検査は,次による。

(1)

引張強さは,3.(1)に適合しなければならない。ただし,注文者の指定があった場合,ねじれの状況及

び破断面の状況は,3.(2)に適合しなければならない。

(2)

真直性は,4.に適合しなければならない。

(3)

線径は,5.に適合しなければならない。

(4)

外観及び形状は,目視又は適当な方法によって行い,6.に適合しなければならない。

11.

表示  検査に合格した線には,コイルごとに次の事項を表示する。ただし,注文者の承認を得た場合

は,項目の一部を省略することができる。

(1)

種類の記号,調質の区分又はその記号

(2)

線径

(3)

被覆がある場合は,その名称又は略号

(4)

製造番号又は検査番号

(5)

製造業者名又はその略号

12.

報告  注文者の要求がある場合,製造業者は規定された試験の成績及び必要によって数量,納入状態

などを記載した線の明細書を提出する。

参考  線に使用する線材の化学成分は,参考表 及び参考表 に示す。


6

G 4314-1994

参考表 1  オーステナイト系の化学成分

単位  %

種類の記号 C

Si

Mn

P

S

Ni

Cr

Mo

N

SUS 302

0.15

以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 8.00∼10.00 17.00∼19.00

SUS 304

0.08

以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 8.00∼10.50 18.00∼20.00

SUS 304N1

0.08

以下 1.00以下 2.50以下 0.045以下 0.030以下 7.00∼10.50 18.00∼20.00

− 0.10∼0.25

SUS 316

0.08

以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 10.00∼14.00 16.00∼18.00 2.00∼3.00

参考表 2  析出硬化系の化学成分

単位  %

種類の記号 C

Si  Mn  P

S

Ni

Cr

Al

SUS 631J1

0.09

以下 1.00以下 1.00以下 0.040以下 0.030以下 7.00∼8.50 16.00∼18.00 0.75∼1.50


7

G 4314-1994

鋼材 JIS 見直し調査委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

木  原  諄  二  東京大学工学部

井  野  幸  雄  財団法人日本海事協会機関部

青  柳  桂  一  通商産業省基礎産業局

服  部  幹  雄  通商産業省工業技術院標準部

黒  木  勝  也  財団法人日本規格協会技術部

久  松  定  興  社団法人日本自動車工業会(いすゞ自動車株式会社材料開発部)

井  上  一  朗  社団法人日本建築学会(大阪大学工学部)

三  浦  恒  幸  財団法人エンジニアリング振興協会(日揮株式会社 DE 本部 PE-2 部)

綿  貫  克  治  社団法人火力原子力発電技術協会(石川島播磨重工業株式会社品質保証部)

関      博  光  社団法人日本水道協会工務部

木  岡  良  員  社団法人日本瓦斯協会技術部

山  田  健太郎  財団法人土木学会(名古屋大学工学部)

川  原  雄  三  社団法人日本機械工業連合会(三菱重工業株式会社横浜研究所)

大  屋  武  夫  ステンレス協会

中  家  一  弥  日本冶金工業株式会社技術部

前  原  郷  治  新日本製鐵株式会社技術企画部

八  杉  誠二郎  日本鋼管株式会社商品技術センター品質保証部

大  浦  基  宏  川崎製鉄株式会社鉄鋼技術本部技術企画調整部

濱  田  誠  己  住友金属工業株式会社鉄鋼企画部

宮  本  一  郎  株式会社神戸製鋼所生産本部生産技術部

宮  川  義  正  大同特殊鋼株式会社技術部

(幹事)

青  木      朗  社団法人日本鉄鋼協会鉄鋼標準化センター

(事務局)

細  田  卓  夫  社団法人日本鉄鋼協会鉄鋼標準化センター

JIS

  ステンレス鋼線 3 規格の見直し WG

氏名

所属

(主査)

中  原  武  男  日本精線株式会社枚方工場品質保証部

片  岡      弘  日本精線株式会社枚方工場品質保証部

古  川  知  明  新日本製鐵株式会社ステンレス鋼技術サービス室

宮  川  義  正  大同特殊鋼株式会社技術部

清  田  泰  輔  日本金属工業株式会社営業本部鋼線販売部

本屋敷  伸  一  株式会社神戸製鋼所鉄鋼生産本部生産技術部

藤  田  耕  三  神鋼鋼線工業株式会社生産技術部

高  椋  晴  三  住友電気工業株式会社特殊線製品開発部

寺  岡  信  宏  鈴木金属工業株式会社生産技術本部ステンレス部