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G 4312

:2011

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  種類及び記号

2

4

  製造方法

2

5

  化学成分

3

5.1

  溶鋼分析値

3

5.2

  製品分析値

3

6

  機械的性質

5

6.1

  一般事項

5

6.2

  オーステナイト系の機械的性質

5

6.3

  フェライト系の機械的性質

5

7

  表面仕上げ

6

8

  形状,寸法,質量及び許容差

6

8.1

  標準寸法

6

8.2

  板の質量の算出

7

8.3

  板の形状,寸法及び許容差

7

8.4

  帯の形状,寸法及び許容差

7

9

  外観

7

10

  試験

8

10.1

  分析試験

8

10.2

  機械試験

8

11

  検査

9

12

  表示

9

13

  報告

9

附属書 JA(参考)耐熱鋼板及び鋼帯の熱処理

10

附属書 JB(参考)耐熱鋼板及び鋼帯の主要用途

11

附属書 JC(参考)JIS と対応国際規格との対比表

13


G 4312

:2011

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,ステンレス協会

(JSSA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS G 4312:1991 は改正され,この規格に置き換えられた。

なお,平成 24 年 2 月 20 日までの間は,工業標準化法第 19 条第 1 項等の関係条項の規定に基づく JIS マ

ーク認証において,JIS G 4312:1991 によることができる。

この規格は,著作権法で保護対象になっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣又は日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 G

4312

:2011

耐熱鋼板及び鋼帯

Heat-resisting steel plate, sheet and strip

序文

この規格は,2005 年に第 3 版として発行された ISO 4955 を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。参考として,耐熱鋼板及び鋼帯の主要用途について,

附属書 JB に示す。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JC に示す。また,附属書 JA 及び附属書 JB は対応国際規格に

はない事項である。

1

適用範囲

この規格は,耐熱鋼板(以下,板という。

)及び鋼帯(以下,帯という。

)について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 4955:2005

,Heat-resistant steels(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 0320

  鋼材の溶鋼分析方法

JIS G 0321

  鋼材の製品分析方法及びその許容変動値

JIS G 0404

  鋼材の一般受渡し条件

注記  対応国際規格:ISO 404,Steel and steel products−General technical delivery requirements(MOD)

JIS G 0415

  鋼及び鋼製品−検査文書

注記  対応国際規格:ISO 10474,Steel and steel products−Inspection documents(IDT)

JIS G 0567

  鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法

JIS G 4304

  熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS G 4305

  冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6892-1,Metallic materials−Tensile testing−Part 1: Method of test at room

temperature

(MOD)

JIS Z 2243

  ブリネル硬さ試験−試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6506-1,Metallic materials−Brinell hardness test−Part 1: Test method(MOD)


2

G 4312

:2011

JIS Z 2244

  ビッカース硬さ試験−試験方法

JIS Z 2245

  ロックウェル硬さ試験−試験方法

JIS Z 2248

  金属材料曲げ試験方法

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3

種類及び記号

板及び帯の種類は,28 種類とし,その記号及び分類は,

表 による。

表 1−種類の記号及び分類

種類の記号

a), b)

分類

種類の記号

a), b)

分類

SUH309

オーステナイト系 SUS317

オーステナイト系

SUH310

SUS321

SUH330

SUS347

SUH660

SUSXM15J1

SUH661

SUS405

フェライト系

SUH21

フェライト系 SUS410L

SUH409

SUS430

SUH409L

SUS430J1L

SUH446

SUS436J1L

SUS302B

オーステナイト系 SUS403

マルテンサイト系

SUS304

SUS410

SUS309S

SUS630

析出硬化系

SUS310S

SUS631

SUS316

SUS316Ti

注記 SUH330,SUH661 及び SUH446 は,次回の改正で廃止が検討される予定で

ある。

a)

板であることを記号で表す必要がある場合には,種類の記号の末尾に,-HP
(熱間圧延鋼板)又は-CP(冷間圧延鋼板)を付記する。

例 SUH309-HP

b)

帯であることを記号で表す必要がある場合には,種類の記号の末尾に,-HS
(熱間圧延鋼帯)又は-CS(冷間圧延鋼帯)を付記する。

例 SUH409-CS

4

製造方法

板及び帯は,熱間圧延又は冷間圧延後,熱処理を行い,酸洗又はこれに準じる処理を行った後,必要に

応じて適切な矯正,研磨,調質圧延,又はこれらの組合せによる処理を行うことができる。代表的な熱処

理条件を,

附属書 JA に示す。

なお,受渡当事者間の協定によって熱処理後の酸洗などの処理を省略してもよい。ただし,SUH660 及

び SUH661 の熱処理については,注文者は熱処理の種類を指定し,さらに,本体又は試験片のいずれに熱

処理を行うかを指示する。熱処理記号は,

表 による。また,後工程で熱処理を行う管及び管継手の素材

並びに再圧延用の素材として使用する場合には,

受渡当事者間の協定によって,

熱処理を省略してもよい。

この場合,AR の記号を付記する。


3

G 4312

:2011

表 2−熱処理記号

熱処理方法

記号

固溶化熱処理 S

固溶化熱処理後時効処理 H

5

化学成分

5.1

溶鋼分析値

板及び帯は,10.1 の試験を行い,その溶鋼分析値は,

表 及び表 による。SUS 記号のものは,JIS G 4304

及び JIS G 4305 による。

5.2

製品分析値

板及び帯の製品分析値は,注文者の要求がある場合には 10.1 の試験を行い,その許容変動値は,JIS G 

0321

表 による。ただし,JIS G 0321 の表 に規定する以外の化学成分の許容変動値については,受渡

当事者間で協定してもよい。


表 3−オーステナイト系の化学成分

単位  %

種類の記号

C  Si Mn P  S  Ni

Cr  Mo W  Co

その他

SUH309 0.20

以下 1.00 以下 2.00 以下

0.040

以下

0.030

以下

12.00

∼15.00

22.00

∼24.00

SUH310 0.25

以下 1.50 以下 2.00 以下

0.040

以下

0.030

以下

19.00

∼22.00

24.00

∼26.00

SUH330 0.15

以下 1.50 以下 2.00 以下

0.040

以下

0.030

以下

33.00

∼37.00

14.00

∼17.00

SUH660 0.08

以下 1.00 以下 2.00 以下

0.040

以下

0.030

以下

24.00

∼27.00

13.50

∼16.00

1.00

∼1.50

− Ti

1.90

∼2.35

V 0.10

∼0.50

Al 0.35

以下

B 0.001

∼0.010

SUH661 0.08

∼0.16 1.00 以下 1.00∼2.00

0.040

以下

0.030

以下

19.00

∼21.00

20.00

∼22.50

2.50

∼3.50

2.00

∼3.00

18.50

∼21.00

N 0.10

∼0.20

Nb 0.75

∼1.25

表 4−フェライト系の化学成分

単位  %

種類の記号 C

Si

Mn

P

S

Cr

N

その他

SUH21

 a), b)

 0.10

以下 1.50 以下 1.00 以下 0.040 以下 0.030 以下 17.00∼21.00

− Al

2.00

∼4.00

SUH409

 b)

 0.08

以下 1.00 以下 1.00 以下 0.040 以下 0.030 以下 10.50∼11.75

− Ti

6

×C %∼0.75

SUH409L

 b)

 0.030

以下 1.00 以下 1.00 以下 0.040 以下 0.030 以下 10.50∼11.75

− Ti

6

×C %∼0.75

SUH446

 b)

 0.20

以下 1.00 以下 1.50 以下 0.040 以下 0.030 以下 23.00∼27.00 0.25 以下

a)

 SUH21

については,この表以外の合金元素を添加することができる。

b)

 Ni

は,0.60 %以下を含有してもよい。 

4

G

 43

12

20
1

1


5

G 4312

:2011

6

機械的性質

6.1

一般事項

板及び帯は,10.2 の試験を行い,その機械的性質は,6.2 及び 6.3 による。ただし,厚さ 0.3 mm 未満の

板及び帯については,引張試験を省略してもよい。SUS 記号のものは,JIS G 4304 及び JIS G 4305 による。

後工程で熱処理を行う管及び管継手の素材並びに再圧延用の素材として使用する場合には,機械試験の実

施有無を含めて,受渡当事者間の協定による。

6.2

オーステナイト系の機械的性質

オーステナイト系の機械的性質は,

表 による。この場合,供試材は,JIS G 0404 の A 類による。ただ

し,耐力は,注文者の指定がある場合に適用する。

表 5−オーステナイト系の機械的性質

硬さ

a)

種類の記号

熱処理

記号

耐力

N/mm

2

引張強さ

N/mm

2

伸び

%

HBW HRC

HRBS

又は

HRBW

b)

HV

SUH309 S

205

以上 560 以上

40

以上 201 以下

− 95 以下 210 以下

SUH310 S

205

以上 590 以上

35

以上 201 以下

− 95 以下 210 以下

SUH330 S

205

以上 560 以上

35

以上 201 以下

− 95 以下 210 以下

S

− 730 以下

25

以上 192 以下

− 91 以下 202 以下

SUH660

H 590

以上 900 以上

15

以上 248 以上

24

以上

− 261 以上

S 315

以上 690 以上

35

以上 248 以下

− 100 以下 261 以下

SUH661

H 345

以上 760 以上

30

以上 192 以上

− 91 以上 202 以上

耐力,引張強さ及び伸びについては,厚さ 0.3 mm 以上に適用する。

HRB

の測定値の表示には,HRBS 又は HRBW を明記する。

注記 1

N/mm

2

=1 MPa

a)

硬さは,いずれか 1 種類とする。

b)

測定は,HRBS 又は HRBW のいずれかでよい。ただし,疑義が生じた場合の判断は,HRBS によること 
とする。

6.3

フェライト系の機械的性質

フェライト系の機械的性質は,

表 による。この場合,供試材は,JIS G 0404 の A 類による。ただし,

耐力は,注文者の指定がある場合に適用する。また,曲げ性の場合は,その外側に亀裂を生じてはならな

い。

注記  曲げ試験の実施については,10.2.5 参照。


6

G 4312

:2011

表 6−フェライト系の機械的性質

硬さ

a)

曲げ性

種類の記号

耐力

N/mm

2

引張強さ

N/mm

2

伸び

%

HBW

HRBS

又は

HRBW

 b)

HV

曲げ角度

内側半径

SUH21 245

以上 440 以上 15 以上 210 以下

95

以下 220 以下

SUH409 175

以上 360 以上 22 以上 162 以下

80

以下 175 以下

180

°

SUH409L 175

以上 360 以上 25 以上 162 以下

80

以下 175 以下

180

°

SUH446 275

以上 510 以上 20 以上 201 以下

95

以下 210 以下

135

°

厚さ 8 mm 未満
厚さの 0.5 倍 
厚さ 8 mm 以上

厚さの 1.0 倍

耐力,引張強さ及び伸びについては,厚さ 0.3 mm 以上に適用する。

HRB

の測定値の表示には,HRBS 又は HRBW を明記する。

注記 1

N/mm

2

=1 MPa

a)

硬さは,いずれか 1 種類とする。

b)

測定は,HRBS 又は HRBW のいずれかでよい。ただし,疑義が生じた場合の判断は,HRBS によることとする。

7

表面仕上げ

板及び帯の表面仕上げは,

表 による。

表 7−表面仕上げ

表面仕上げの記号

摘要

No.1

熱間圧延後,熱処理,酸洗又はこれに準じる処理を行って仕上げたもの。

No.2D

冷間圧延後,熱処理,酸洗又はこれに準じる処理を行って仕上げたもの。

また,つや消しロールによって最後に軽く冷間圧延したものも含める。

No.2B

冷間圧延後,熱処理,酸洗又はこれに準じる処理を行った後,適切な光
沢を得る程度に冷間圧延して仕上げたもの。

この表以外の表面仕上げについては,受渡当事者間の協定による。

8

形状,寸法,質量及び許容差

8.1

標準寸法

板の標準寸法は,

表 による。また,帯の標準厚さは,表 による。

表 8−板の標準寸法

単位  mm

厚さ

幅×長さ

0.30 1.2  7.0 30.0

914

×1 829

0.40 1.5  8.0 35.0

1

000

×2 000

0.50 2.0  9.0

1

219

×2 438

0.60 2.5  10.0

1

219

×3 048

0.70 3.0  12.0

1

500

×3 000

0.80 4.0  15.0

1

524

×3 048

0.90 5.0  20.0

1.0 6.0 25.0


7

G 4312

:2011

表 9−帯の標準厚さ

単位  mm

厚さ

0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.0 1.2

1.5 2.0 2.5 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0

8.0

8.2

板の質量の算出

注文者の要求によって,板の質量の算定が必要な場合には,板の質量は,表示の寸法を用いて算出し,

算出方法は,

表 10 による。ただし,熱延鋼板で JIS G 4304 の表 19 の許容差(記号 B)の板については,

表示の厚さの代わりに,表示の厚さに JIS G 4304 

表 20 の数値を加えたものを用いる。

なお,JIS G 4304 

表 18 及び表 19 以外の許容差の場合,質量の算出に用いる厚さには,各板の厚さの

許容差別の加算値(プラス側許容差とマイナス側許容差との和の 1/2)を加える。

表 10−質量の算出方法

計算順序

計算方法

結果の桁数

a)

基本質量 kg/mm・m

2

表 11 による。

単位質量 kg/m

2

基本質量(kg/mm・m

2

)×厚さ(mm)

有効数字 4 桁の数値に丸める。

面積

m

2

幅(m)×長さ(m)

有効数字 4 桁の数値に丸める。

1

枚の質量 kg

単位質量(kg/m

2

)×面積(m

2

有効数字 3 桁の数値に丸める。ただし,

1 000 kg

を超えるものは,キログラム

(kg)の整数値に丸める。

総質量 kg

1

枚の質量(kg)×同一種類,同一寸法の枚数

整数値に丸める。

a)

数値の丸め方は,JIS Z 8401 による。

表 11−板の基本質量

単位  kg/mm・m

2

種類の記号

基本質量

分類

種類の記号

基本質量

分類

SUH309 7.98

SUH21

a) 

SUH310 7.98

SUH409 7.75

SUH330

a) 

SUH409L 7.75

SUH660

a) 

SUH446

a) 

フェライト系

SUH661

a) 

オーステナイト系

SUS

記号のものは,JIS G 4304 及び JIS G 4305 による。

a)

受渡当事者間の協定による。

8.3

板の形状,寸法及び許容差

板の形状,寸法及び許容差は,JIS G 4304 の 8.(形状・寸法,質量及び許容差)又は JIS G 4305 の 8.(形

状・寸法,質量及び許容差)による。ただし,板の平たん度は,注文者の要求がある場合に測定する。

8.4

帯の形状,寸法及び許容差

帯の形状,寸法及び許容差は,JIS G 4304 の 8.(形状・寸法,質量及び許容差)又は JIS G 4305 の 8.(形

状・寸法,質量及び許容差)による。ただし,帯の横曲がりは,注文者の要求がある場合に測定する。

9

外観

外観は,次による。


8

G 4312

:2011

a)

板及び帯の表面は,仕上げ良好で,通常の使用において支障となる有害な欠点があってはならない。

ただし,コイル状で供給される帯は,一般に欠点を除去する機会がないため,若干の正常でない部分

を含むことができる。

b)

帯がコイル状である場合は,一般にきつく巻かれていて,その外観は可能な限り円柱形でなければな

らない。

c)

帯の巻きずれは,片方の端面当たり,ミルエッジの場合は 70 mm 以内,カットエッジの場合は 35 mm

以内とする。ただし,帯の先頭部及び末端部の正常でない部分には適用しない。

10

試験

10.1

分析試験

10.1.1

分析試験の一般事項及び分析試料の採り方

分析試験の一般事項及び分析試料の採り方は,JIS G 0404 の箇条 8(化学成分)による。注文者が製品

分析を要求した場合の試料の採り方は,JIS G 0321 の箇条 4(分析用試料採取方法)による。

10.1.2

分析方法

溶鋼分析の方法は,JIS G 0320 による。製品分析の方法は,JIS G 0321 による。

10.2

機械試験

10.2.1

試験一般

機械試験の一般事項は,JIS G 0404 による。

10.2.2

供試材の採り方

供試材は,同一溶鋼及び同一熱処理条件ごとに 1 個を採取する。

10.2.3

試験片の数

引張試験,硬さ試験及び曲げ試験の各試験片の数は,供試材 1 個から各試験片 1 個とする。

10.2.4

試験片

引張試験片,硬さ試験片及び曲げ試験片は,次による。

a)

引張試験片は,JIS Z 2241 の 4 号試験片,10 号試験片又は 13B 号試験片のいずれかを用いる。

なお,14A 号試験片,14B 号試験片又は 5 号試験片を用いてもよい。

b)

硬さ試験片は,引張試験片又は曲げ試験片の一部を用いることができる。

c)

曲げ試験片は,JIS Z 2248 の 1 号試験片又は 3 号試験片を用いる。

10.2.5

試験方法

引張試験,硬さ試験及び曲げ試験の方法は,次による。

なお,曲げ試験は省略してもよい

1)

。ただし,特に注文者の指定がある場合には,試験を行わなければ

ならない。

1)

試験は,製造業者の判断によって省略してもよいが,曲げ性は規定を満足しなければならない

ことを意味する。

a)

引張試験方法は,JIS Z 2241 による。ただし,試験温度は,23±5  ℃とし,マルテンサイト系以外の

引張強さの測定については,試験片平行部のひずみ増加率が 40∼80 %/min になるような引張速度を用

いる。

b)

硬さ試験方法は,次のいずれかによる。ただし,試験温度は,23±5  ℃で行う。

1)  JIS Z 2243

2)  JIS Z 2244


9

G 4312

:2011

3)  JIS Z 2245

c)

曲げ試験方法は,JIS Z 2248 による。ただし,試験温度は,23±5  ℃で行う。

11

検査

板及び帯の検査は,次による。

a)

検査の一般事項は,JIS G 0404 による。

b)

化学成分は,箇条 に適合しなければならない。

c)

機械的性質は,箇条 に適合しなければならない。

d)

表面仕上げは,箇条 に適合しなければならない。

e)

形状及び寸法は,箇条 に適合しなければならない。

f)

外観は,箇条 に適合しなければならない。

g)

注文者は,高温引張試験を要求することができる。ただし,この場合の試験方法は,JIS G 0567 によ

るものとし,合否判定基準は,受渡当事者間の協定による。

12

表示

検査に合格した板には,1 枚ごと又は 1 結束ごとのいずれかに,帯については 1 結束ごとに次の事項を

表示する。ただし,受渡当事者間の協定によって,項目の一部を省略することができる。

a)

種類の記号

b)

寸法

c)

許容差の記号(許容差の記号 B,ET,EW 及び EF によったものについては,これを明示する。

d)

表面仕上げの記号

e)

熱処理記号(熱処理を省略した場合並びに SUH 660 及び SUH 661 の場合に限る。

f)

製造業者名又はその略号

g)

溶鋼番号又は検査番号

13

報告

製造業者は,注文者の要求があれば,この規格に規定又は指定された試験の成績表及び寸法,数量,納

入状態などを記載した報告書を注文者に提出しなければならない。報告書には電送など電子媒体も含め

る。ただし,検査文書の種類は,JIS G 0415 

表 1(検査文書の総括表)の記号 2.3(受渡試験報告書)又

は記号 3.1.B(検査証明書 3.1.B)とする。

なお,

表 の注

a)

によって合金元素を添加した場合は,成績表に添加元素の含有率を付記する。


10

G 4312

:2011

附属書 JA

参考)

耐熱鋼板及び鋼帯の熱処理

耐熱鋼板及び鋼帯の熱処理温度を参考として次に示す。

JA.1

熱処理温度

表 JA.1 及び表 JA.2 に熱処理温度を示す。

表 JA.1−オーステナイト系の熱処理

単位  ℃

熱処理

種類の記号

固溶化熱処理

時効処理

SUH309 1

030

∼1 150 急冷

SUH310 1

030

∼1 180 急冷

SUH330 1

030

∼1 180 急冷

SUH660 965

∼  995 急冷 700∼760×16 h 空冷又は徐冷

SUH661 1

130

∼1 200 急冷 780∼830× 4 h 空冷又は徐冷

表 JA.2−フェライト系の熱処理

単位  ℃

種類の記号

焼なまし

SUH21 780

∼950 急冷又は徐冷

SUH409 780

∼950 急冷又は徐冷

SUH409L 780

∼950 急冷又は徐冷

SUH446 780

∼880 急冷


11

G 4312

:2011

附属書 JB

参考)

耐熱鋼板及び鋼帯の主要用途

耐熱鋼板及び鋼帯の主要用途を参考として次に示す。

JB.1

耐熱鋼板及び鋼帯の主要用途

表 JB.1 に耐熱鋼板及び鋼帯の主要用途を示す。

表 JB.1−耐熱鋼板及び鋼帯の主要用途

分類  種類の記号

組成

性質及び用途

SUH309 22Cr-12Ni-0.2C

980

℃までの繰返し加熱に耐える耐酸化鋼。加熱炉部品,重油バーナ。

SUH310 25Cr-20Ni-0.2C

1

035

℃までの繰返し加熱に耐える耐酸化鋼。炉部品,ノズル,燃焼室。

SUH330 15Cr-35Ni-0.1C

耐浸炭窒化性が大きく,1 035  ℃までの繰返し加熱に耐える。炉材,石
油分解装置。

SUH660 15Cr-25Ni-1.5Mo-V-2Ti

-Al-B-0.06C

700

℃までのタービンロータ,ボルト,ブレード,シャフト

オー

SUH661 22Cr-20Ni-20Co-3Mo-2.

5W-1Nb-N-0.1C

700

℃までのタービンロータ,ボルト,ブレード,シャフト

SUH21 19Cr-3Al-0.08C

耐酸化性が優れた発熱材料,自動車排ガス浄化装置用材料などに使用

SUH409 11Cr-Ti-0.06C

自動車排ガス浄化装置用材料,マフラーなど

SUH409L 11Cr-Ti-0.03C

SUH409

より溶接性良,自動車排ガス浄化装置用材料

SUH446 25Cr-N-0.2C

高温腐食に強く 1 082 ℃まで

離しやすいスケールの発生がない。燃

焼室

SUS302B 18Cr-8Ni-2.5Si-0.1C  900

℃以下では SUS310S と同等の耐酸化性及び強度をもつ。自動車排

ガス浄化装置,工業炉など。

SUS304 18Cr-8Ni-0.06C

汎用耐酸化鋼,870  ℃までの繰返し加熱に耐える。

SUS309S 22Cr-12Ni-0.06C

SUS304

より耐酸化性が優れ,980  ℃までの繰返し加熱に耐える。炉材。

SUS310S 25Cr-20Ni-0.06C

SUS309S

より耐酸化性が優れ,1 035  ℃までの繰返し加熱に耐える。炉

材,自動車排ガス装置用材料。

SUS316 18Cr-12Ni-2.5Mo-0.06C

高温において優れたクリープ強度をもつ。熱交換器部品,高温耐食性

用ボルト。

SUS316Ti 18Cr-12Ni-2.5Mo-Ti-0.0

8C

SUS316

の Ti 添加鋼,熱交換器部品

SUS317 18Cr-12Ni-3.5Mo-0.06C

高温において優れたクリープ強度をもつ。熱交換器部品。

SUS321 18Cr-9Ni-Ti-0.06C  400

∼900  ℃の腐食条件で使われる部品,高温溶接構造品

SUS347 18Cr-9Ni-Nb-0.06C  400

∼900  ℃の腐食条件で使われる部品,高温溶接構造品

オー

SUSXM15J1 18Cr-13Ni-4Si-0.06C

SUS310S

に匹敵する耐酸化性をもつ。自動車排ガス装置用材料。

SUS405 13Cr-Al-0.06C

焼入硬化が少ない。ガスタービンコンプレッサーブレード,焼なまし
箱,焼入用ラック

SUS410L 13Cr-

低 C

耐高温酸化性が要求される溶接用部材,自動車排ガス浄化装置,ボイ
ラ燃焼室,バーナなど。

SUS430 18Cr-0.1C

850

℃以下の耐酸化用部品,放熱器,炉部品,オイルバーナ

SUS430J1L 18Cr-0.5Cu-Nb-

低 C,N SUS430 より耐食性良。放熱器,炉部品。

SUS436J1L 18Cr-0.5Mo-Nb-

低 C,N SUS430 より溶接性,耐食性良。放熱器,バーナ。


12

G 4312

:2011

表 JB.1−耐熱鋼板及び鋼帯の主要用途(続き)

分類  種類の記号

組成

性質及び用途

SUS403 13Cr-

低 Si-0.1C

高温高応力に耐える。タービンブレード,蒸気タービンノズル。

サイ

SUS410 13Cr-0.1C

800

℃以下の耐酸化用

SUS630 17Cr-4Ni-4Cu-Nb-0.05C

ガスタービンコンプレッサーブレード,ガスタービンエンジン周り材

析出硬

SUS631 17Cr-7Ni-Al-0.07C

高温用ばね,ベローズ,ダイヤフラム,ファスナー


附属書 JC

参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS G 4312:2011

  耐熱鋼板及び鋼帯

ISO 4955:2005

  Heat-resistant steels

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号

及び題名

内容

(II)

国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

1

適 用 範

耐 熱 鋼 板 及 び 鋼 帯
について規定。

 1

高温ガス及び 550  ℃以上
の燃焼機器用耐熱鋼,耐

熱合金−板,帯,棒,線
材及び鍛造品について規
定。

削除

JIS

では,板及び帯だけについ

て規定。

JIS

は,棒及び線については,別

の規格 JIS G 4311 で規定しており

規格体系が異なることから,適用
範囲は現状のままとする。

2

引 用 規

3

種 類 及

び記号

板及び帯の 28 種類
の 記 号 及 び 分 類 を
規定。

 6

7 

フェライト鋼及びオース
テ ナ イ ト 鋼 の 分 類 を 規
定。

18

種類の記号を記載。

変更

JIS

と ISO 規格とで記号表記が

異なる。

各国は,それぞれの記号体系をも
ち,それらはその市場に定着して
い る 。 2003 年 に 制 定 さ れ た

ISO/TS 4949

は,各国それぞれの

記号体系に従うことを認めてい
ることから現状のままとする。

4

製 造 方

熱 間 圧 延 及 び 冷 間
圧 延 後 の 板 及 び 帯

の処理方法を規定。

7

注文時に特に合意されて
いなければ,製造方法は

製業造者の自由裁量。

追加

JIS

では,処理方法について規

定。

JIS

は,処理方法について製品規

格として必要な規定項目及び規

定内容として追加しており,現状
のままとする。

5

化 学 成

オ ー ス テ ナ イ ト 系

15

種類,フェライト

系 9 種類,マルテン
サイト系 2 種類,析

出硬化系 2 種類の化
学成分値を規定。

7

オーステナイト系 10 種類

及びフェライト系 9 種類
の化学成分値を規定。

変更

JIS

で規定され,ISO 規格にな

い鋼種 8 種類。ISO 規格で規定
され,JIS にない鋼種 10 種類。

国内ニーズのない鋼種を削除。国

内に定着している JIS 特有鋼種を
規定。整合していない鋼種は今後
見直しの都度必要に応じて改正

要否を検討し提案していく。

 
 

13

G

 43

12

20
1

1


(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号

及び題名

内容

(II) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

6

機 械 的

性質

オ ー ス テ ナ イ ト 系

については,耐力,
引張強さ,伸び及び
硬さ,フェライト系

については,耐力,
引張強さ,伸び,硬
さ 及 び 曲 げ 性 を 規

定。

7

耐力,引張強さ,伸び及

び硬さについて規定。

追加

JIS

では,フェライト系の曲げ

性について規定。

JIS

は,耐力,引張強さ,伸び及

び硬さについて製品規格として
必要な規定項目及び規定内容を
追加しており,現状のままとす

る。

7

表 面 仕

上げ

3

種類の表面仕上げ

について規定。

 7

10

種類の表面仕上げにつ

いて規定。

削除

JIS

では,No.1,2B 及び 2D だ

け規定。

JIS

は,規定以外の仕上げについ

ては,受渡当事者間で協議できる

こととしており,現状のままとす
る。

8

形状,寸

法,質量及
び許容差

標準寸法,質量の算
出,形状,寸法及び
寸法許容差を規定。

 7

受渡当事者間の協定。

追加

JIS

では,標準寸法,質量の算

出,形状,寸法及び寸法許容差
について規定。

JIS

は,標準寸法,質量の算出,

形状,寸法及び寸法許容差につい
て国内の製造者と使用者側との

協議によって決めたものであり,

ISO

規格の受渡当事者間の協定と

差異なく現状のままとする。

9

外観

外観について規定。

7

外観について規定。

追加

JIS

では,帯が巻き形状である

場合の,形状及び巻きずれの限
度について規定。

JIS

は,外観について製品規格と

して必要な規定項目及び規定内
容を追加しており,現状のままと

する。

10

試験

分 析 及 び 機 械 試 験

方法を規定。

 8

分析及び引張試験方法を

規定。

追加

JIS

では,硬さ試験及び曲げ試

験についても規定。

JIS

は,分析及び引張試験方法に

ついて製品規格として必要な規
定項目及び規定内容を追加して
おり,現状のままとする。

11

検査

板 及 び 帯 の 検 査 適
合基準を規定。

8 

注文者の要求によって寸
法確認,外観目視検査及
び試験(分析及び引張試

験)を実施。

追加

JIS

では,検査基準を規定。

JIS

は,検査基準について製品規

格として必要な規定項目及び規
定内容として追加しており,現状

のままとする。

14

G

 43

12

20
1

1


(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号

及び題名

内容

(II) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

12

表示

品種記号など 7 項目

の表示を規定。

8 

製造業者及び鋼種の表示

を規定。

追加

JIS

では,種類の記号,寸法な

どを規定。

JIS

は,表示について製品規格と

して必要な規定項目及び規定内
容として追加しており,現状のま
まとする。

13

報告

注 文 者 の 要 求 が あ
れ ば , 製 造 業 者 は

JIS G 0415

による報

告 書 を 提 出 し な け
ればならない。

 8

注文者の要求があれば,
製造業者は ISO 10474 
よる報告書を提出しなけ

ればならない。

一致

附属書 JA
(参考)

耐 熱 鋼 板 及 び 鋼 帯
の熱処理

附属書 JB

(参考)

耐 熱 鋼 板 及 び 鋼 帯

の主要用途

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 4955:2005,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致……………… 技術的差異がない。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

15

G

 43

12

20
1

1