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G 4308 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって,JIS G 4308 : 1991 は改正され,この規格に置き換えられる。


日本工業規格

JIS

 G

4308

 : 1998

ステンレス鋼線材

Stainless steel wire rods

序文  この規格は,1959 年に制定されて以来 6 回の改正を経て現在に至っている。今回の改正は,1991

年の改正以来の技術的及び需要の変化を反映させるため改正するに至った。また,今回国際規格との整合

を図るため検討を進めてきたが,対象となる国際規格  (ISO 683-13ISO 683-16)  が,1996 年 6 月の

TC17/SC4

において廃止が決議され,新たに flat product と long product の 2 規格に改正されることになった

が,内容についてはいまだ合意に至っていない。したがって,今回の改正は,対象国際規格はないものと

して改正を進めた。

なお,寸法許容差については,前回の改正で国際規格  (ISO 1035,Hot-rolled bars−Part 4 : Tolerances)  に整

合済みである。

主な改正点は,以下のとおりである。

a)

種類及び記号  国内需要家の要請によって SUS303Cu,SUS316F 及び SUS431 を追加し 36 種類とした。

併せて,化学成分を追加記載した。

1.

適用範囲  この規格は,ステンレス鋼線材(以下,線材という。)について規定する。ただし,溶接材

料用ステンレス鋼線材には適用しない。

2.

引用規格  付表 に掲げる規格は,この規格に引用することによって,この規格の一部を構成する。

これらの引用規格は,その最新版を適用する。

3.

種類及び記号  線材の種類は,36 種類とし,その記号及び分類は,表 による。


表 1  種類の記号及び分類

種類の記号

分類

種類の記号

分類

SUS201

オーステナイト系

SUS430

フェライト系

SUS302

SUS430F

SUS303

SUS434

SUS303Se

SUS403

SUS303Cu

SUS410

マルテンサイト系

SUS304

SUS410F2

SUS304L

SUS416

SUS304N1

SUS420J1

SUS304J3

SUS420J2

SUS305

SUS420F

SUS305J1

SUS420F2

SUS309S

SUS431

SUS310S

SUS440C

SUS316

SUS631J1

析出硬化系

SUS316L

SUS316F

SUS317

SUS317L

SUS321

SUS347

SUS384

SUSXM7

参考  線材であることを記号で表す必要がある場合には,種類の記号の末尾に−

WR

を付記する。

例 SUS304−WR

4.

化学成分

4.1

溶鋼分析値  線材は,9.1 の試験を行い,その溶鋼分析値は,表 2による。

表 2  オーステナイト系の化学成分

単位  %

種類の記号 C

Si

Mn

P

S

Ni

Cr

Mo

その他

SUS201 0.15

以下 1.00 以下 5.50∼7.50 0.060

以下 0.030 以下  3.50∼ 5.50 16.00∼18.00

− N

0.25

以下

SUS302 0.15

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下  8.00∼10.00 17.00∼19.00

SUS303 0.15

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.20

以下 0.15  以上  8.00∼10.00 17.00∼19.00

(

1

)

SUS303Se 0.15

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.20

以下 0.060 以下  8.00∼10.00 17.00∼19.00

− Se

0.15

以上

SUS303Cu 0.15

以下 1.00 以下 3.00 以下 0.20

以下 0.15  以上  8.00∼10.00 17.00∼19.00

− Cu

1.50

∼3.50

SUS304 0.080

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下  8.00∼10.50 18.00∼20.00

SUS304L 0.030

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下  9.00∼13.00 18.00∼20.00

SUS304N1 0.08

以下 1.00 以下 2.50 以下 0.045

以下 0.030 以下  7.00∼10.50 18.00∼20.00

− N

0.10

∼0.25

SUS304J3 0.08

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下  8.00∼10.50 17.00∼19.00

− Cu

1.00

∼3.00

SUS305 0.12

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下 10.50∼13.00 17.00∼19.00

SUS305J1 0.08

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下 11.00∼13.50 16.50∼19.00

SUS309S 0.08

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下 12.00∼15.00 22.00∼24.00

SUS310S 0.08

以下 1.50 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下 19.00∼22.00 24.00∼26.00

SUS316 0.08

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下 10.00∼14.00 16.00∼18.00 2.00∼3.00

SUS316L 0.030

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下 12.00∼15.00 16.00∼18.00 2.00∼3.00

SUS316F 0.08

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.10  以上 10.00∼14.00 16.00∼18.00 2.00∼3.00


3

G 4308 : 1998

単位  %

種類の記号 C

Si

Mn

P

S

Ni

Cr

Mo

その他

SUS317 0.08

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下 11.00∼15.00 18.00∼20.00 3.00∼4.00

SUS317L 0.030

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下 11.00∼15.00 18.00∼20.00 3.00∼4.00

SUS321 0.08

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下  9.00∼13.00 17.00∼19.00

− Ti

5*C%

以上

SUS347 0.08

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下  9.00∼13.00 17.00∼19.00

− Nb

10*C%

以上

SUS384 0.08

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下 17.00∼19.00 15.00∼17.00

SUSXM7 0.08

以下 1.00 以下 2.00 以下 0.045

以下 0.030 以下  8.50∼10.50 17.00∼19.00

− Cu

3.00

∼4.00

(

1

) Mo

は,0.60 %以下を添加することができる。


表 3  フェライト系の化学成分

単位  %

種類の記号 C

Si

Mn

P

S

Cr

Mo

SUS430 0.12

以下 0.75 以下 1.00 以下

0.040

以下

0.030

以下

16.00

∼18.00

SUS430F 0.12

以下 1.00 以下 1.25 以下

0.060

以下

0.15

以上

16.00

∼18.00

(

2

)

SUS434 0.12

以下 1.00 以下 1.00 以下

0.040

以下

0.030

以下

16.00

∼18.00 0.75∼1.25

(

2

) Mo

は,0.60 %以下を添加することができる。

備考 Ni は,0.60 %以下を含有しても差し支えない。

表 4  マルテンサイト系の化学成分

単位  %

種類の記号 C

Si  Mn  P

S

Ni

Cr Mo

Pb

SUS403 0.15

以下 0.50 以下 1.00 以下 0.040 以下 0.030 以下

(

3

) 11.50

∼13.00

SUS410 0.15

以下 1.00 以下 1.00 以下 0.040 以下 0.030 以下

(

3

) 11.50

∼13.00

SUS410F2 0.15

以下 1.00 以下 1.00 以下 0.040 以下 0.030 以下

(

3

) 11.50

∼13.00

− 0.05∼0.30

SUS416 0.15

以下 1.00 以下 1.25 以下 0.060 以下 0.15  以上

(

3

) 12.00

∼14.00

(

4

)

SUS420J1 0.16

∼0.25 1.00 以下 1.00 以下 0.040 以下 0.030 以下

(

3

) 12.00

∼14.00

SUS420J2 0.26

∼0.40 1.00 以下 1.00 以下 0.040 以下 0.030 以下

(

3

) 12.00

∼14.00

SUS420F 0.26

∼0.40 1.00 以下 1.25 以下 0.060 以下 0.15  以上

(

3

) 12.00

∼14.00

(

4

)

SUS420F2 0.26

∼0.40 1.00 以下 1.00 以下 0.040 以下 0.030 以下

(

3

) 12.00

∼14.00

− 0.05∼0.30

SUS431 0.20

以下 1.00 以下 1.00 以下 0.040 以下 0.030 以下 1.25∼2.50 15.00∼17.00

SUS440C 0.95

∼1.20 1.00 以下 1.00 以下 0.040 以下 0.030 以下

(

3

) 16.00

∼18.00

(

5

)

(

3

) Ni

は,0.60 %以下を含有しても差し支えない。

(

4

) SUS416

及び SUS420F は,Mo 0.60 %以下を添加することができる。

(

5

) SUS440C

は,Mo 0.75 %以下を添加することができる。

表 5  析出硬化系の化学成分

単位  %

種類の記号 C

Si

Mn

P

S

Ni

Cr

A1

SUS631J1 0.09

以下 1.00 以下 1.00 以下

0.040

以下 0.030 以下

7.00

∼8.50 16.00∼18.00 0.75∼1.50

4.2

製品分析値  線材の製品分析値は,注文者の要求がある場合に 9.1 の試験を行い,その許容変動値は,

JIS G 0321

表 による。ただし,この表に規定されていない元素及び化学成分の値については,受渡当

事者間の協定による。

5.

寸法及び許容差

5.1

線材の標準径  線材の標準径は,表 による。

表 6  標準径

単位 mm

5.5,

  6.0,  7.0,  8.0,  9.0,  9.5,  10,  11,  12,  13,  14,  15,  16,  17,  18,  19,

20

5.2

線材の径の許容差及び偏径差  線材の径の許容差及び偏径差は,表 による。ただし,径 20mm を

超える線材については,受渡当事者間の協定による。


5

G 4308 : 1998

表 7  径の許容差及び偏径差

単位 mm

許容差

偏径差(

6

)

5.5

以上 15 以下

±0.3 0.5 以下

15

を超え 20 以下

±0.4 0.6 以下

(

6

)

偏径差は,同一断面における径の最大
値と最小値との差で表す。

6.

外観  線材は,仕上げ良好で,通常の使用において有害なきず,割れなどの欠点があってはならない。

7.

きずの深さ  線材は,9.2 の試験を行い,線材の径が 14mm 以下の場合は,長手方向の割れ状のきず

の深さが,0.15mm を超えてはならない。

なお,線材の径が 14mm を超える場合は,受渡当事者間の協定による。

8.

製造方法  線材は,熱間圧延のままとする。ただし,必要に応じて酸洗又は熱処理などを行うことが

できる。

9.

試験

9.1

分析試験  分析試験は,次による。

a)

分析試験の一般事項及び溶鋼分析試料の採り方は,JIS G 0303 の 3.(化学成分)による。

b)

製品分析試料の採り方は,JIS G 0321 の 3.(分析試料採取方法)による。

c)

分析方法は,次のいずれかによる。

JIS G 1211JIS G 1212JIS G 1213JIS G 1214JIS G 1215JIS G 1216JIS G 1217JIS G 1218JIS G 

1219JIS G 1223JIS G 1224JIS G 1228JIS G 1233JIS G 1237JIS G 1253JIS G 1256JIS G 1257

9.2

きず検出試験  きず検出試験は,次による。

a)

試料の採り方  きず検出試験に用いる試料は,原則として各コイルの両端から試験片を一個ずつ採取

する。

b)

試験方法  試験片は,酸洗などによって脱スケールを行い,適切な精度をもった測定器によって表面

きずの深さを測定する。

10.

検査  線材の検査は,次による。

a)

検査の一般事項は,JIS G 0303 による。

b)

化学成分は,4.に適合しなければならない。

c)

寸法は,5.に適合しなければならない。

d)

外観は,6.に適合しなければならない。

e)

きずの深さは,7.に適合しなければならない。

11.

表示  検査に合格した線材には,1 コイルごと又は 1 結束ごとに,次の項目を表示する。ただし,受

渡当事者間の協定によっては,項目の一部を省略することができる。

a)

種類の記号

b)

線材の径


c)

製造業者名又はその略号

d)

溶鋼番号又は検査番号

12.

報告  注文者の要求があった場合,製造業者は規定された試験の成績書及び必要によって数量,納入

状態などを記載した線材の報告書を提出する。

なお,

表 2の注又は備考によって合金元素を添加した場合は,成績書に添加元素の含有量を付記する。

付表 1  引用規格

JIS G 0303

  鋼材の検査通則

JIS G 0321

  鋼材の製品分析方法及びその許容変動値

JIS G 1211

  鉄及び鋼−炭素定量方法

JIS G 1212

  鉄及び鋼−けい素定量方法

JIS G 1213

  鉄及び鋼中のマンガン定量方法

JIS G 1214

  鉄及び鋼中のりん定量方法

JIS G 1215

  鉄及び鋼−硫黄定量方法

JIS G 1216

  鉄及び鋼−ニッケル定量方法

JIS G 1217

  鉄及び鋼中のクロム定量方法

JIS G 1218

  鉄及び鋼−モリブデン定量方法

JIS G 1219

  鉄及び鋼−銅定量方法

JIS G 1223

  鉄及び鋼−チタン定量方法

JIS G 1224

  鉄及び鋼中のアルミニウム定量方法

JIS G 1228

  鉄及び鋼−窒素定量方法

JIS G 1233

  鋼−セレン定量方法

JIS G 1237

  鉄及び鋼−ニオブ定量方法

JIS G 1253

  鉄及び鋼−スパーク放電発光分光分析方法

JIS G 1256

  鉄及び鋼−蛍光 X 線分析方法

JIS G 1257

  鉄及び鋼−原子吸光分析方法


7

G 4308 : 1998

ステンレス協会規格専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

中  野  恒  夫

住友金属工業株式会社

増  田  正  純

工業技術院標準部材料規格課

三  宮  好  史

鉄鋼連盟標準化センター

伊  藤      修

川崎製鉄株式会社

吉  田  英  雄

日本冶金工業株式会社

橋  本  政  哲

新日本製鐵株式会社

小  林  芳  夫

日新製鋼株式会社

大  谷  利  司

日本金属工業株式会社

成  田      基

愛知製鋼株式会社

武  藤  伸  久

神戸製鋼株式会社

宮  崎  正  明

山陽特殊鋼株式会社

白  谷  勝  典

大同特殊鋼株式会社

山  崎  博  昭

日本金属株式会社

柴  田  正  宣

日本鋼管株式会社

吉  野  正  美

日本精線株式会社

喜代永      明

日新製鋼株式会社

(事務局)

池  原  康  允

ステンレス協会

JIS G 4308

  改正原案作成ワーキンググループ  構成表

氏名

所属

中  野  恒  夫

住友金属工業株式会社

白  谷  勝  典

大同特殊鋼株式会社

成  田      基

愛知製鋼株式会社

宮  崎  正  明

山陽特殊鋼株式会社

吉  野  正  美

日本精線株式会社

宮  川  利  宏

日本高周波鋼業株式会社

(事務局)

池  原  康  允

ステンレス協会

(解説作成者)

白  谷  勝  典

大同特殊鋼株式会社