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日本工業規格

JIS

 G

3560

-1994

ばね用オイルテンパー線

Oil tempered wire for mechanical springs

1.

適用範囲  この規格は,一般のばねに使用されるオイルテンパー線(以下,線という。)について規定

する。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS G 0558

  鋼の脱炭層深さ測定方法

JIS G 3506

  硬鋼線材

JIS K 1310

  塩酸(合成)

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

2.

この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 8458-1 : 1989 Steel wire for mechanical springs

−Part 1:General requirements

ISO 8458-3 : 1992 Steel wire for mechanical springs

−Part 3:Oil-hardened and tempered wire

2.

種類,記号及び適用線径  線の種類は 6 種類とし,その記号及び適用線径は,表 による。

表 1  種類,記号及び適用線径

種類

記号

適用線径

摘要

ばね用炭素鋼オイルテンパー線  A 種 SWO-A

主として静荷重を受けるばね用

ばね用炭素鋼オイルテンパー線  B 種 SWO-B

2.00mm

以上 12.0mm 以下

ばね用シリコンクロム鋼オイルテンパー線 SWOSC-B

1.00mm

以上 15.0mm 以下

ばね用シリコンマンガン鋼

オイルテンパー線    A 種

SWOSM-A

ばね用シリコンマンガン鋼

オイルテンパー線    B 種

SWOSM-B

4.00mm

以上 14.0mm 以下

ばね用シリコンマンガン鋼

オイルテンパー線    C 種

SWOSM-C 4.00mm

以上 12.0mm 以下

主として動荷重を受けるばね用

3.

化学成分  線の製造に用いる材料の溶鋼分析による化学成分は,表 による。

表 2  化学成分

単位%

記号 C  Si Mn P  S Cr Cu

SWO-A 0.53

∼0.88 0.10∼0.35 0.30∼1.20

0.040

以下

0.040

以下

SWO-B 0.53

∼0.88 0.10∼0.35 0.30∼1.20

0.030

以下

0.030

以下

SWOSC-B 0.51

∼0.59 1.20∼1.60 0.50∼0.90

0.035

以下

0.035

以下

0.55

∼0.90

SWOSM 0.56

∼0.64 1.50∼1.80 0.70∼1.00

0.035

以下

0.035

以下

− 0.30 以下


2

G 3560-1994

4.

機械的性質

4.1

引張強さ  線は 9.2 の試験を行い,その引張強さは,表 による。

表 3  引張強さ

単位 N/mm

2

標準線径(

1

)

mm

SWO-A SWO-B

SWOSC-B

SWOSM-A

SWOSM-B

SWOSM-C

1.00

− 1

960

∼2 110

1.20

− 1

960

∼2 110

1.40

− 1

960

∼2 110

1.60

− 1

960

∼2 110

1.80

− 1

960

∼2 110

2.00 1

570

∼1 720  1 720∼1 860

1 910

∼2 060

2.30 1

570

∼1 720  1 720∼1 860

1 910

∼2 060

2.60 1

570

∼1 720  1 720∼1 860

1 910

∼2 060

2.90 1

520

∼1 670  1 670∼1 810

1 910

∼2 060

3.00 1

470

∼1 620  1 620∼1 770

1 860

∼2 010

3.20 1

470

∼1 620  1 620∼1 770

1 860

∼2 010

3.50 1

470

∼1 620  1 620∼1 770

1 860

∼2 010

4.00 1

420

∼1 570  1 570∼1 720

1 810

∼1 960

1 470

∼1 620

1 570

∼1 720  1 670∼1 810

4.50 1

370

∼1 520  1 520∼1 670

1 810

∼1 960

1 470

∼1 620

1 570

∼1 720  1 670∼1 810

5.00 1

370

∼1 520  1 520∼1 670

1 760

∼1 910

1 470

∼1 620

1 570

∼1 720  1 670∼1 810

5.50 1

320

∼1 470  1 470∼1 620

1 760

∼1 910

1 470

∼1 620

1 570

∼1 720  1 670∼1 810

5.60 1

320

∼1 470  1 470∼1 620

1 710

∼1 860

1 470

∼1 620

1 570

∼1 720  1 670∼1 810

6.00 1

320

∼1 470  1 470∼1 620

1 710

∼1 860

1 470

∼1 620

1 570

∼1 720  1 670∼1 810

6.50 1

320

∼1 470  1 470∼1 620

1 710

∼1 860

1 470

∼1 620

1 570

∼1 720  1 670∼1 810

7.00 1

230

∼1 370  1 370∼1 520

1 660

∼1 810

1 420

∼1 570

1 520

∼1 670  1 620∼1 770

7.50 1

230

∼1 370  1 370∼1 520

1 660

∼1 810

1 420

∼1 570

1 520

∼1 670  1 620∼1 770

8.00 1

230

∼1 370  1 370∼1 520

1 660

∼1 810

1 420

∼1 570

1 520

∼1 670  1 620∼1 770

8.50 1

230

∼1 370  1 370∼1 520

1 660

∼1 810

1 420

∼1 570

1 520

∼1 670  1 620∼1 770

9.00 1

230

∼1 370  1 370∼1 520

1 660

∼1 810

1 420

∼1 570

1 520

∼1 670  1 620∼1 770

9.50 1

180

∼1 320  1 320∼1 470

1 660

∼1 810

1 370

∼1 520

1 470

∼1 620  1 570∼1 720

10.0 1

180

∼1 320  1 320∼1 470

1 660

∼1 810

1 370

∼1 520

1 470

∼1 620  1 570∼1 720

10.5 1

180

∼1 320  1 320∼1 470

1 660

∼1 810

1 370

∼1 520

1 470

∼1 620  1 570∼1 720

11.0 1

180

∼1 320  1 320∼1 470

1 660

∼1 810

1 370

∼1 520

1 470

∼1 620  1 570∼1 720

11.5 1

180

∼1 320  1 320∼1 470

1 660

∼1 810

1 370

∼1 520

1 470

∼1 620  1 570∼1 720

12.0 1

180

∼1 320  1 320∼1 470

1 610

∼1 760

1 370

∼1 520

1 470

∼1 620  1 570∼1 720

13.0

− 1

610

∼1 760

1 370

∼1 520

1 470

∼1 620

14.0

− 1

610

∼1 760

1 370

∼1 520

1 470

∼1 620

15.0

− 1

610

∼1 760

(

1

)

標準線径は,5.1による。

備考  中間にある線径の引張強さは,それより大きい標準線径の値を用いる。

4.2

巻付け性(

2

)

  線の巻付け性は,線径 6.00mm 以下の線について 9.3 の試験を行い,その線の表面に有

害なきずを生じたり,破断したりしてはならない。

4.3

曲げ性(

2

)

  線の曲げ性は,線径 6.00mm を超える線について 9.4 の試験を行い,その線の表面に有害

なきずを生じたり破断したりしてはならない。

(

2

)

巻付け性及び曲げ性については,以下のねじり性又は絞りの特性のいずれかで代用することが

できる。

(1)

ねじり性  線のねじり性は,線径 6.00mm 以下の線について 9.5 によって試験を行い,そのねじれの


3

G 3560-1994

状況及び破断面の状況は,

表 による。

表 4  ねじれの状況及び破断面の状況

ねじれの状況

破断後,表面に有害なきずがあってはならない。

破断面の状況

破断面は線軸に直角で,きず,割れなどがあってはならない。

(2)

絞り  線の絞りは,線径 14.0mm 以下の線について 9.2 によって試験を行い,その絞りは表 による。

表 5  絞り

線径  mm

絞り  %

1.00

以上    3.00 以下

45

以上

3.00

を超え  5.00 以下

40

以上

5.00

を超え  8.00 以下

35

以上

8.00

を超え  14.0 以下

30

以上

5.

線径及び許容差

5.1

標準線径  標準線径は,表 による。

表 6  標準線径

単位 mm

1.00 1.20

1.40 1.60 1.80

2.00

2.30

2.60

2.90

3.00

3.20 3.50

4.00 4.50

5.00 5.50 5.60

6.00

6.50

7.00

7.50

8.00

8.50 9.00

9.50

10.0

10.5

11.0

11.5

12.0

13.0

14.0

15.0

 

5.2

線径の許容差及び偏径差  線径は,9.6 の測定を行い,その許容差及び偏径差(

3

)

表 による。

(

3

)

偏径差とは,線の同一断面における径の最大値と最小値との差をいう。

表 7  線径の許容差及び偏径差

単位 mm

線径

許容差

偏径差

1.00

以上    1.40 以下

±0.025 0.025 以下

1.40

を超え  3.20 以下

±0.035 0.035 以下

3.20

を超え  5.60 以下

±0.045 0.045 以下

5.60

を超え  8.50 以下

±0.060 0.060 以下

8.50

を超え  10.0 以下

±0.070 0.070 以下

10.0

を超え  15.0 以下

±0.090 0.090 以下

6.

表面状態

6.1

外観  線の外観は,有害なきず,スケール,さびなどがあってはならない。

6.2

きず  線のきずは,9.7 の試験を行い,きずの深さは表 による。

表 8  きずの深さ

線径 mm

きずの深さ

1.00

以上 2.00 以下 0.02mm 以下

2.00

を超え 6.00 以下

線径の 1.0%以下

6.00

を超え15.0 以下

線径の 1.4%以下

6.3

脱炭層  線の脱炭層は,9.8 の試験を行い,全脱炭層深さは線径の 1.5%以下でなければならない。

7.

材料  線の製造に用いる材料は,JIS G 3506 の線材とする。ただし,化学成分は,3.による。


4

G 3560-1994

8.

製造方法  線の製造方法は,冷間加工後,オイルテンパー処理を行う。

9.

試験

9.1

試験片の採り方  引張試験片,巻付け試験片,曲げ試験片,ねじり試験片及びきず試験片は,線 1

条ごとに線の一端からそれぞれ 1 個採る。脱炭層深さ測定試験片は,連続的に同一条件で製造されたロッ

トを代表する線 1 条の一端から採るものとするが,受渡当事者間の協定によって更に抜取りとすることが

できる。

9.2

引張試験  引張試験は,JIS Z 2241 によって行い,つかみの間隔は,約 200mm とする。

なお,試験片がつかみの部分から破断した場合は,その試験を無効とし,更に同一の線から試験片を採

り,試験をやり直す。

9.3

巻付け試験  巻付け試験は,線径 4.00mm 以下の線の場合,試験片を線径と同じ直径の心金に,線

径 4.00mm を超える線の場合,試験片を線径の 2 倍の心金にそれぞれ密接して 4 回以上巻き付け,破断の

有無又はきず発生の状況を調べる。

9.4

曲げ試験  曲げ試験は,試験片をその線径を半径とする円弧に沿い,曲げ角度 90 度に曲げ,破断の

有無,又はきずの発生の状況を調べる。

9.5

ねじり試験  ねじり試験は,試験片の両端を線径の 100 倍のつかみ間隔で固くつかみ,たわまない

程度に緊張しながらその一方を同一方向に破断するまで回転し,そのときのねじれの状況,及び破断面の

状況を調べる。

9.6

線径の測定方法  線径は,任意の箇所の同一断面における最大径と最小径を測定する。

9.7

きず検出試験  きず検出試験は,残留ひずみを除いた適当な長さの試験片を,塩酸  (JIS K 1310)  と

水との適当な濃度の溶液を煮沸した中に,約 200mm 浸せきし,線が点食を起こさずに線径の 1%程度減じ

た後,きずの有無を調べる。

きずの深さは,通常,きずがなくなるまで削って,削り取られたきずの深さをマイクロメータで測定す

る。

9.8

脱炭層深さ測定試験  脱炭層深さ測定試験は,JIS G 0558 によって行い,試験片の横断面を研磨し,

腐食後顕微鏡によって脱炭状況を調べる。その顕微鏡の倍率は,100 倍から 500 倍とする。

10.

検査  検査は,次による。

(1)

化学成分は,3.に適合しなければならない。

(2)

機械的性質は,4.に適合しなければならない。

(3)

線径(許容差及び偏径差)は,5.に適合しなければならない。

(4)

表面状態は,6.に適合しなければならない。

11.

表示  検査に合格した線には,線 1 条ごとに次の事項を表示する。

(1)

種類の記号

(2)

線径

(3)

製造業者名又はその略号

12.

報告  注文者から要求された場合,製造業者は規定された項目の成績書を提出しなければならない。


5

G 3560-1994

関連規格  JIS B 2704  圧縮及び引張コイルばね−設計基準

JIS B 2709

  ねじりコイルばね設計基準

JIS G 3561

  弁ばね用オイルテンパー線

線材製品(オイルテンパー線)JIS 検討委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

木  原  諄  二

東京大学工学部

(副委員長)

水  野  幸四郎

線材製品団体技術連絡会(社団法人日本鉄鋼協会)

青  柳  桂  一

通商産業省基礎産業局

高  木  譲  一

工業技術院標準部

宮  本  一  郎

社団法人日本鉄鋼協会(株式会社神戸製鋼所)

鷲  田  吉  秀

鈴木金属工業株式会社

若  宮  辰  也

神鋼鋼線工業株式会社

福  岡      亮

サンコール株式会社

杉  田  平  次

株式会社杉田製線工場

山  本      進

住友電気工業株式会社

長  尾  一  郎

トクセン工業株式会社

鈴  木  正  実

社団法人自動車技術会(トヨタ自動車株式会社)

高  橋  悌  郎

ばね技術研究会(加藤発条株式会社)

小曽根  敏  夫

ばね技術研究会(中央発條株式会社)

相  羽  雅  文

ばね技術研究会(株式会社東郷製作所)

鈴  木  啓  一

ばね技術研究会(日本発条株式会社)

森  田  晃  次

社団法人日本ばね工業会

(事務局)

本  橋  保  久

線材製品協会

松  田  好  央

社団法人日本ばね工業会・ばね技術研究会