G 3111
:2005
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄鋼
連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の
審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS G 3111:1987 は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS G 3111
には,次に示す附属書がある。
附属書 1(規定)試験片の採取位置
G 3111
:2005
目 次
ページ
1.
適用範囲
1
2.
引用規格
1
3.
種類の記号及び製造方法を表す記号
1
4.
製造方法
1
5.
機械的性質
1
6.
形状,寸法,質量及びその許容差
2
6.1
鋼材の形状,寸法及び質量
2
6.2
鋼材の寸法許容差
2
6.3
鋼材の質量許容差
4
7.
外観
4
8.
試験
4
8.1
一般事項
4
8.2
供試材及び試験片の数
4
8.3
引張試験片及び曲げ試験片の採取位置
4
8.4
引張試験
4
8.5
曲げ試験
4
9.
検査
4
10.
再試験
4
11.
表示
4
12.
報告
5
附属書 1(規定)試験片の採取位置
6
日本工業規格
JIS
G
3111
:2005
再生鋼材
Rerolled carbon steel
1.
適用範囲 この規格は,再生鋼材の棒鋼,平鋼及び等辺山形鋼(以下,鋼材という。)について規定す
る。
2.
引用規格 次に示す引用規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。
これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS G 0404
鋼材の一般受渡し条件
JIS G 0415
鋼及び鋼製品−検査文書
JIS G 0416
鋼及び鋼製品−機械試験用供試材及び試験片の採取位置並びに調製
JIS G 2401
鉄くず分類基準
JIS G 3191
熱間圧延棒鋼とバーインコイルの形状,寸法及び質量並びにその許容差
JIS G 3192
熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差
JIS G 3194
熱間圧延平鋼の形状,寸法,質量及びその許容差
JIS Z 2201
金属材料引張試験片
JIS Z 2241
金属材料引張試験方法
JlS Z 2248
金属材料曲げ試験方法
3.
種類の記号及び製造方法を表す記号 鋼材の種類は,3 種類とし,その記号及び製造方法を表す記号
は
表 1 による。
表 1 種類の記号及び製造方法を表す記号
種類の記号
製造方法を表す記号
種類の記号の表示
SRB330
平鋼:F
11.
(表示)による。
SRB380
形鋼:A
SRB480
棒鋼:B
4.
製造方法 鋼材は,普通鋼くず(
1
)
の再圧延によって製造する。
注(
1
)
普通鋼くずとは,JIS G 2401 の
表 1(再生用鋼くずの種類)の再生用鋼くず及び鋼材製造途上
に発生する鋼くずをいう。
5.
機械的性質 鋼材は 8.
によって試験を行い,その降伏点,引張強さ,伸び及び曲げ性は,
表 2 による。
なお,曲げ性の場合は,曲げ試験片の外側にき裂を生じてはならない。ただし,SRB 480 の曲げ性の試
験は,注文者の承認によって省略してもよい。また,引張試験は,
表 3 に示す鋼材には行わなくてもよい。
2
G 3111
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表 2 機械的性質
曲げ性
区分
種類の記号
降伏点
N/mm
2
引張強さ
N/mm
2
引張
試験片
伸び
%
曲げ角度
内側半径
SRB330
− 330∼400
1A
号
厚さ 9 mm 未満 21 以上
厚さ 9 mm 以上 25 以上
180
°
密着
SRB380 235
以上 380∼520
1A
号
厚さ 9 mm 未満 17 以上
厚さ 9 mm 以上 20 以上
180
°
厚さの 1.5 倍
平鋼
等辺
山形鋼
SRB480 295
以上 480∼620
1A
号
厚さ 9 mm 未満 15 以上
厚さ 9 mm 以上 18 以上
180
°
厚さの 2.0 倍
2
号 25 以上
SRB330
− 330∼400
14A
号
27
以上
180
°
密着
2
号 20 以上
SRB380 235
以上 380∼520
14A
号
22
以上
180
°
径 又 は 対 辺
距離の 1.5 倍
2
号 16 以上
棒鋼
SRB480 295
以上 480∼620
14A
号
18
以上
180
°
径 又 は 対 辺
距離の 2.0 倍
備考 1
N/mm
2
=1 MPa
表 3 引張試験を省略してもよい鋼材
平鋼・等辺山形鋼
厚さ 6 mm 未満のもの
棒鋼
径又は対辺距離 6 mm 未満のもの
6.
形状,寸法,質量及びその許容差
6.1
鋼材の形状,寸法及び質量 鋼材の形状,寸法及び質量は,特に指定がない限り JIS G 3191,JIS G
3192
及び JIS G 3194 による。
6.2
鋼材の寸法許容差 鋼材の寸法許容差は,表 4 による。
3
G 3111
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表 4 寸法許容差
区分
寸法許容差
6 mm
未満
±0.4 mm
6 mm
以上 9 mm 未満
±0.5 mm
厚さ
9 mm
以上
±6
%
25 mm
以下
±0.8 mm
25 mm
を超え 50 mm 以下
±1.0 mm
幅
50 mm
を超えるもの
±2
%
7 000 mm
以下
+40 mm
0 mm
平鋼
長さ
7 000 mm
を超えるもの
プラス側許容差は,長さ 1 000 mm を増す
ごとに,上記の許容差に 5 mm を加える。
ただし,最大 120 mm とする。
マイナス側許容差は,0 mm とする。
30 mm
以下
±1.0 mm
30 mm
を超え 75 mm 以下
±1.5 mm
辺
75 mm
を超えるもの
±2
%
4 mm
以下
±0.5 mm
4 mm
を超え 6 mm 以下
±0.6 mm
6 mm
を超え 7.5 mm 以下
±0.7 mm
7.5 mm
を超え 13 mm 以下
±0.8 mm
厚さ
13 mm
を超えるもの
±6
%
7 000 mm
以下
+40 mm
0 mm
等辺
山形鋼
長さ
7 000 mm
を超えるもの
プラス側許容差は,長さ 1 000 mm を増す
ごとに,上記の許容差に 5 mm を加える。
ただし,最大 120 mm とする。
マイナス側許容差は,0 mm とする。
13 mm
以下
±0.4 mm
13 mm
を超え 25 mm 以下
±0.5 mm
径又は
対辺距
離
25 mm
を超えるもの
±2
%
7 000 mm
以下
+40 mm
0 mm
棒鋼
長さ
7 000 mm
を超えるもの
プラス側許容差は,長さ 1 000 mm を増す
ごとに,上記の許容差に 5 mm を加える。
ただし,最大 120 mm とする。
マイナス側許容差は,0 mm とする。
4
G 3111
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6.3
鋼材の質量許容差 鋼材の質量許容差は,計算質量と実測質量との差を計算質量で除して百分率で
表し
表 5 による。ただし,質量許容差の測定は,注文者の指定がある場合に行う。
表 5 質量許容差
区分
質量許容差
摘要
200 kg
未満の場合
±10
%
断面積 250 mm
2
未満
200 kg
以上の場合
± 7
%
1 t
未満の場合
± 6
%
平鋼
等辺山形鋼
棒鋼
断面積 250 mm
2
以上
1 t
以上の場合
± 5
%
同一寸法のものを 1 組
として計算する。
7.
外観 鋼材は,表面の仕上げが良好で,使用上有害な欠点があってはならない。
8.
試験
8.1
一般事項 機械試験の一般事項は,JIS G 0404 の 9.(機械的性質)による。ただし,供試材の採り
方は JIS G 0404 の 7.6(試験片採取条件及び試験片)の A 類とする。
8.2
供試材及び試験片の数 供試材は,特に指定がない限り規定された試験片を作るのに十分な量とし
て,同一種類の材料を用いて同一寸法に圧延した鋼材 3 t ごと及びその端数に 1 個を採取し,その供試材
から引張試験片及び曲げ試験片をそれぞれ 1 個を採取する。ただし,同一種類の普通鋼くずから製造する
もので注文者の承認を得た場合は,供試材の数を減じてもよい。
8.3
引張試験片及び曲げ試験片の採取位置 引張試験片及び曲げ試験片の採取位置は,JIS G 0416 によ
る。ただし,
附属書 1 を適用してもよい。
8.4
引張試験
8.4.1
試験片 試験片は JIS Z 2201 の 1A 号,2 号又は 14A 号試験片による。
8.4.2
試験方法 試験方法は JIS Z 2241 による。
8.5
曲げ試験
8.5.1
試験片 試験片は,平鋼・形鋼の場合は長さ 250 mm 以上,幅及び厚さは原寸とし,棒鋼の場合は
長さ 250 mm 以上,径又は対辺距離は,原寸とする。
8.5.2
試験方法 試験方法は,JIS Z 2248 による。
9.
検査 検査は,次による。
a)
検査の一般事項は,JIS G 0404 による。
b)
機械的性質は,5.
に適合しなければならない。
c)
形状,寸法,質量及びその許容差は,6.
に適合しなければならない。
d)
外観は,7.
に適合しなければならない。
10.
再試験 機械的性質で合格にならなかった鋼材は,JIS G 0404 の 9.8(再試験)によって再試験を行い,
合否を判定してもよい。
11.
表示 検査に合格した鋼材は,これを結束して 1 束ごとに次を表示する。
a)
種類の記号
5
G 3111
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b)
製造業者名又はその略号
c)
寸法
なお,平鋼,等辺山形鋼及び棒鋼を表す場合の記号は,種類の記号の次に F(平鋼)
,A(等辺山形鋼)
又は B(棒鋼)の符号を付ける。
例: 再生鋼材 棒鋼 SRB380:SRB380B
12.
報告 特に注文者の要求があった場合は,JIS G 0404 の 13.(報告)による。製造業者は,注文者の要
求に応じて JIS G 0415 の
表 1(検査文書の総括表)の記号 2.3(受渡試験報告書)又は 3.1.B(検査証明書
3.1.B
)を提出しなければならない。
附属書 1(規定)試験片の採取位置
1.
適用範囲 この附属書は,引張試験片及び曲げ試験片の採取位置について規定する。
2.
適用期限 この附属書は,平成 22 年 12 月 31 日まで適用する。
3.
引張試験片及び曲げ試験片の採取位置 引張試験片及び曲げ試験片の採取位置は,次による。
1)
平鋼 試験片の中心は,幅の縁から幅の
4
1
の位置とし,かつ,4 号試験片を用いる場合は,更に厚
さの
4
1
の位置とする。ただし,中心が幅の縁から幅の
4
1
の位置又は厚さの
4
1
の位置に採れない場合
には,なるべくこれに近い位置とする。
2)
等辺山形鋼 附属書 1 図 1 による。ただし,附属書 1 図 1 によれない場合には,なるべくこれに近
い位置とする。試験片が
附属書 1 図 1 のように採れない形鋼の場合には,I 形鋼に準じる。その他
の形鋼については,受渡当事者間の協定による。
等辺山形鋼
附属書 1 図 1 形鋼の引張試験片及び曲げ試験片の採取位置