G 2402:2015
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 種類,区分及び種類の記号 ································································································· 1
5 品質······························································································································· 2
6 試験······························································································································· 2
6.1 サンプリング及び試料調製 ······························································································ 2
6.2 化学成分及び水分の定量 ································································································· 2
7 検査······························································································································· 2
8 こん包,輸送及び保管 ······································································································· 3
9 表示······························································································································· 4
10 報告 ····························································································································· 4
G 2402:2015
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
アルミニウム協会(JAA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規
格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規
格である。これによって,JIS G 2402:2009は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
G 2402:2015
鉄鋼用アルミニウムドロス
Aluminium dross for iron and steel making
1
適用範囲
この規格は,鉄鋼製造時のフラックスとして使用する鉄鋼用アルミニウムドロスについて規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 2403 鉄鋼用アルミニウムドロス−サンプリング及び試料調製方法
JIS G 2404 鉄鋼用アルミニウムドロス分析方法
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
アルミニウムドロス
アルミニウム又はアルミニウム合金の溶解時に,溶湯の表面に浮かぶ残留物及び炉底の残留物。金属ア
ルミニウムに富み,冷却後は粒状,粉状及び塊状となる。アルミドロス又は単にドロスと略して呼ぶ場合
もある。
3.2
鉄鋼用アルミニウムドロス
アルミニウムドロスに粉砕,分級,粒度調整などの加工を加え,更にこれら数種類を配合することで成
分を調整し,配合後不足成分がある場合には,金属アルミニウム,酸化アルミニウム,その他の有効成分
の添加などによって成分調整をした混合物。
4
種類,区分及び種類の記号
種類,区分及び種類の記号は,表1による。金属アルミニウムを有効成分とするものを含有率によって
1種〜7種の7種類に分ける。また,酸化アルミニウムを有効成分とするものを含有率によって11種〜13
種の3種類に分ける。さらに,それらを表2及び表3に示す不純物の含有率によってA〜Dに区分する。
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G 2402:2015
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表1−種類,区分及び種類の記号
種類
区分
種類の記号
種類
区分
種類の記号
鉄鋼用アルミニウム
ドロス 1種
A
DR70A
鉄鋼用アルミニウム
ドロス 5種
A
DR30A
B
DR70B
B
DR30B
C
DR70C
鉄鋼用アルミニウム
ドロス 6種
A
DR20A
鉄鋼用アルミニウム
ドロス 2種
A
DR60A
B
DR20B
B
DR60B
鉄鋼用アルミニウム
ドロス 7種
A
DR10A
C
DR60C
B
DR10B
鉄鋼用アルミニウム
ドロス 3種
A
DR50A
鉄鋼用アルミニウム
ドロス 11種
A
AOX65A
B
DR50B
B
AOX65B
C
DR50C
鉄鋼用アルミニウム
ドロス 12種
A
AOX60A
D
DR50D
B
AOX60B
鉄鋼用アルミニウム
ドロス 4種
A
DR40A
鉄鋼用アルミニウム
ドロス 13種
A
AOX50A
B
DR40B
B
AOX50B
C
DR40C
5
品質
鉄鋼用アルミニウムドロスの品質は,次による。
a) ばいじん(煤塵)などの異物の混入があってはならない。
b) 金属アルミニウムを添加する場合,JIS Z 8801-1に規定する公称目開きが150 μmの網ふるいを通過す
るものが50 %(質量分率)以上のアルミニウム粉(第二類の危険物)1) は,添加してはならない。
注1) 危険物の規制に関する規則(総理府令第五十五号)総則 第一条の三に基づくものである。
c) 化学成分及び水分は,6.2によって試験を行い,表2及び表3による。
6
試験
6.1
サンプリング及び試料調製
サンプリング及び試料調製は,JIS G 2403による。
6.2
化学成分及び水分の定量
化学成分及び水分の定量は,JIS G 2404による。
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検査
化学成分及び水分は,箇条5 c)に適合しなければならない。
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表2−金属アルミニウムを有効成分とする1種〜7種の化学成分及び水分
単位 %(質量分率)
種類の記号
化学成分
水分c)
金属
アルミニウムa)
窒素
塩化物
イオン
二酸化
けい素b)
酸化アルミニウム
炭素
DR70A
70以上
1.0以下
0.5以下
3.0以下
−
5以下
2以下
DR70B
70以上
2.0以下
1.0以下
5.0以下
−
5以下
2以下
DR70C
70以上
−
−
−
−
5以下
2以下
DR60A
60以上70未満
1.0以下
0.5以下
3.0以下
−
5以下
2以下
DR60B
60以上70未満
2.0以下
1.0以下
5.0以下
−
5以下
2以下
DR60C
60以上70未満
−
−
−
−
5以下
2以下
DR50A
50以上60未満
2.0以下
2.0以下
5.0以下
−
5以下
2以下
DR50B
50以上60未満
2.0以下
2.0以下
10以下
−
5以下
2以下
DR50C
50以上60未満
3.0以下
2.0以下
10以下
−
5以下
2以下
DR50D
50以上60未満
−
−
−
−
5以下
2以下
DR40A
40以上50未満
2.0以下
2.0以下
10以下
25以上
5以下
2以下
DR40B
40以上50未満
3.0以下
2.0以下
10以下
25以上
5以下
2以下
DR40C
40以上50未満
−
−
−
25以上
5以下
2以下
DR30A
30以上40未満
3.0以下
2.0以下
15以下
25以上
5以下
2以下
DR30B
30以上40未満
−
−
−
25以上
5以下
2以下
DR20A
20以上30未満
3.0以下
2.0以下
20以下
30以上
5以下
2以下
DR20B
20以上30未満
−
−
−
30以上
5以下
2以下
DR10A
10以上20未満
5.0以下
3.0以下
20以下
40以上60未満
5以下
2以下
DR10B
10以上20未満
−
−
−
40以上60未満
5以下
2以下
注a) 金属マグネシウム量を含めた (Al+Mg) の合量として扱ってもよい。
b) 二酸化けい素 (SiO2) の値は,試料中の全けい素量をSiO2に換算した値を用いる。
c) 水分の値は,結晶水を除く。
表3−酸化アルミニウムを有効成分とする11種〜13種の化学成分及び水分
単位 %(質量分率)
種類の記号
化学成分
水分b)
酸化アルミ
ニウム
窒素
塩化物
イオン
金属アルミ
ニウム
二酸化
けい素a)
炭素
AOX65A
65以上
5.0以下
3.0以下
20未満
5.0以下
5以下
2以下
AOX65B
65以上
7.0以下
3.0以下
20未満
5.0以下
5以下
2以下
AOX60A
60以上
5.0以下
3.0以下
15未満
10以下
5以下
2以下
AOX60B
60以上
7.0以下
3.0以下
15未満
10以下
5以下
2以下
AOX50A
50以上
5.0以下
3.0以下
10未満
20以下
5以下
2以下
AOX50B
50以上
−
−
10未満
20以下
5以下
2以下
注a) 二酸化けい素 (SiO2) の値は,試料中の全けい素をSiO2に換算した値を用いる。
b) 水分の値は,結晶水を除く。
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こん包,輸送及び保管
鉄鋼用アルミニウムドロスは,水分との接触によって発熱,ガス発生,品質劣化などを引き起こすおそ
れがあるため,こん包,輸送形態及び保管に当たっては水ぬ(濡)れに対する十分な注意が必要である。
また,製品のこん包には“水ぬ(濡)れ注意”の表示をすることが望ましい。
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G 2402:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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表示
検査に合格した鉄鋼用アルミニウムドロスは,こん包又は出荷する製品のいずれかに,次の事項を適切
な方法によって表示しなければならない。
a) 規格番号
b) 種類及び種類の記号
c) 製造番号
d) 製造業者名又はその略号
10 報告
注文者の要求があった場合には,製造業者は試験成績書を提出しなければならない。試験成績書は,電
子媒体としてもよい。